2015年09月15日

天空の蜂

tenkuunohachi


素材やアイデアは色々面白いけど、ツメがあちこち甘いので珍品ができあがるという、アマルフィ的作品。

「そんな凄いものなのにどうして子供が入り込むようなずさんな警備なのか」とか、「原発が爆発するかもという事態に何お前は親子問題で頑張ってるんだ」とか、「今のモールス信号、おかしいよね」とか、「そんな装備があるならいちにのさんで飛び降りさせろよ」とか、「この一大事に二人で昔話とかおめでてーな」とか、「相手はもう死にそうなんだから、自分の指じゃなくて相手の腕なり、指なりを切れよ」とか、「今の発進シーン、早送りしただろ」とか、「下り坂でアクセルベタ踏みだったら車はそんな挙動しないでしょ」とか、「いや、そこでそいつを殺しちゃったら、それこそどうにもならなくなるけど何拳銃つきつけてんの?」とか、突っ込みどころ満載の(悪い意味で)楽しい映画になった。

最大のツッコミどころはネタバレなので追記に書くとして、どうしてこんな杜撰な作品のままで撮影終了になってしまったのか、小一時間問い詰めたい気持ちになる。こういう映画をちゃんと批判しないから、いつまで経っても日本では二流の映画ばかりが量産されてしまうのだと思う。

評価は☆ゼロ。








追記:この作品を観ていて途中からずっと思ったのは、「もう無人なんだから、さっさと対空ミサイルで撃墜しちゃえよ」ということ。ラストがああいう形になるならなおさらである。もちろん、原作者の深い意図があって、撃墜してはダメなのかも知れないが、もしそうならそれはきちんと何らかのセリフで説明があるべき。

隊員「隊長、◯◯を使って、空対空ミサイルで撃墜しましょう」
有識者「いや、それは無理です。撃墜してしまうと、・・・・・・となる危険性が大きくて、無謀です」

みたいな。

制作サイドが初めから考えが及ばない馬鹿だったのか、考えが及んだけれどそれを脚本で織り込むだけの技量がなかったのかは不明だが、どちらにしても、結果的に馬鹿映画になってしまったのが残念。何大騒ぎしてんだ、と。すごく簡単な解決策があるだろ?

楠野一郎って脚本家は知らないし作品もひとつも観たことがないんだけれど、もうちょっとまともな脚本家を使えよなぁ、と思う。まぁ、堤幸彦監督もまともな作品がほとんどない監督だけど。

この記事へのトラックバックURL