日本版「シンドラーのリスト」みたいな作品。
物語はとても良いし、役者も頑張っているのだけれど、脚本と特撮が足を引っ張っている。
脚本は、知り合ってから数ヶ月経った場面で「フランス語とドイツ語もできるんですか?」みたいな不自然な会話がところどころあり、登場人物の名前や、状況説明のテロップが作品中に何度も出てくるのも興ざめ。
その他、音楽もジョン・ウィリアムズみたいに、とは言わないけど、坂本龍一ぐらい使えればまた違っただろうに、と思う。佐藤直紀も悪くはないし、映画音楽家としては結構頑張っていると思うのだけれど、音楽でぐいぐい引っ張っていくだけの力はない。米国映画みたいにカーチェイスが始まって「おおっ」と思ったのだけど、すぐに終了しちゃって、これならない方が良かったんじゃないの?と思ってしまった。
特撮は昔の東京を俯瞰する場面で異常に安っぽい画面になったりした。細かいところかも知れないが、こういうところで手を抜くか、抜かないかがスピルバーグとの差なんだと思う。もちろん、特撮などは手を抜きたくて抜いたのではないと思うのだが。
もっとお金をかけることができたらなぁ、もったいないなぁ、と思った。でも、海外ロケをちゃんとやっていたし、標準的なラインは超えていたと思う。こういう映画によって、これまで国内的にはそれほど有名ではない偉人にもスポットライトが当たるのはとても良いことだと思う。
評価は☆2つ。