2015年12月18日

ダニエル・クレイグの007をイッキ観しての感想

先日、「スペクター」を観た直後に「スペクター」単品で評価したのがこちら。

007 スペクター
http://buu.blog.jp/archives/51512017.html

評価はボンド・ガールにおまけしての☆2つ半だったのだが、色々と過去作について忘れている点があったので、「カジノ・ロワイヤル」、「慰めの報酬」、「スカイフォール」を全部観直してから、もう一度IMAXで観てみた。

こうしてみると、「スペクター」のできの良さが認識できた。映像、アクション、音楽などが非常にレベルが高く、加えて4作品できちんとトータルコーディネートされている。M、Q、マネーペニーといった主要登場人物たちをきちんと世代交代させ、同時にダニエルよりも前、特にショーン・コネリーやロジャー・ムーア時代の007の要素を色々と取り入れている。過去をリスペクトしつつ、今後10年は続けることができるキャストに塗り替えた。最近のシリーズ物、特にマーベル関係では「リブート」が一般的だが、007は他のリブートとは一味違う、長い歴史の中でのセルフパロディが面白い。

「カジノ・ロワイヤル」と「慰めの報酬」は最初から続き物として作られているはずだが、「スカイフォール」は基本的にその2作と独立しているので、「スカイフォール」と「スペクター」は初期段階では詳細な設定が決まっていなかったのではないかと想像するのだが、独立しているように見えた「スカイフォール」をMの交代に絡めて4部作としてまとめたところが秀逸だったと思う。オープニングの「ガンバレル・シークエンス」がどこで登場するか(あるいは登場しないか)とか、「ボンド、ジェームズ・ボンド」のセリフが登場するかしないかとか、そういった決めごとも、4作トータルで観るとなるほどなぁと納得できる。また、これまでのボンド像に比べて、容赦なく敵を殺す感のあったダニエル・ボンドだが、その点についても一作から四作にかけてきちんと書き分けていたのも良い印象を残した。

これらを全て考えるなら、「スペクター」は☆3つの傑作だったと思う。しかし、それを満喫するためには、イーサン・ハントのような優れた記憶力を持っていないなら、Blu-rayなどで直前に前3作を復習する必要がある(ショーン・コネリー出演作からはじめてシリーズ全作を見直すことができるなら理想的)。映画鑑賞による収入に加えてソフトの売上も重要なことはわかるのだが、日本のように映画鑑賞自体がイマイチ流行らない国ではちょっと不親切にも思えてしまう。とはいえ、今や日本の市場はそれほど重要でもないだろうから、仕方ない。


下、





意。





「スペクター」のラストでは、ブロフェルドは生きていて、ボンドはダブルオーセクションを辞めてしまう。これでダニエルのシリーズが終了ならこれでも良いのだが、最後には「また戻ってくる」といういつものメッセージが表記されたし、ダニエルの契約もまだ一作分残っていると聞く。となれば、「女王陛下の007」のように、マドレーヌは簡単に殺されてしまうのかも知れない。できればそういう展開は避けて、マドレーヌはマドレーヌなりに幸福な形で活躍できる続きを観たいと思うのだが、無理な注文だろうか。

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