2015年12月24日

三越戦争(Mitsukoshi Wars)

今日は酒器ファンにとっては年の最後を飾る一大イベント、三越酒器展の初日である。

この手のイベントに僕が本格的に参戦するようになったのは今年3月にあった伊勢丹の九谷焼きウルトラマンあたりからなのだが、

参考記事:伊勢丹新宿店、Go!Go!Go!
http://buu.blog.jp/archives/51476269.html

僕が常々主張しているのは「販売は抽選にすべき」ということである。

参考記事:高島屋よ、お前もか
http://buu.blog.jp/archives/51506317.html

リンク先を見るのが面倒臭いという無精者さんのために引用すれば、早い者勝ちの販売方法が誘発する開店ダッシュ式では、次のような問題点がある。

1.開店ダッシュでは体力勝負になる(足が不自由なら、勝ち目はない)し、事故の危険性もある
2.じっくりと作品を見て買うのでなければ、作家・作品の評価が難しくなる
3.不公平なやり方では購入者間の人間関係にも影響がでる可能性がある


一見公平そうに見えて、その実、体力と暇がある人間に大きなアドバンテージがある。それでも、この不公平で危険な販売方法を百貨店が続けるのだから仕方がない。ならば、本気を出そうではないか。体育会出身で、今も週に二日は10キロのランニングをしていて、加えてベンチャーの社長という時間に自由が効く人間である。今の販売方法がどんなに不公平なものか、皆さんに見せてあげようじゃないか。

ということで、23日の朝9:30に、僕は三越日本橋本店の前にいた。開店を待っている人は一人もいない。ここからは戦略を考える時間である。酒器展の会場は本館6階だ。そこへのアプローチは大きくわけて3ルートある。まず、階段。それとエレベーター、エスカレーターである。このうち、最速なのは地下からのエレベータだが、途中で停止してしまったときに手も足も出なくなる。階段とエスカレーターは売り場までの距離で考えると階段、登るスピードと、手を使って登りをサポートできる点にはエスカレーターに分がある。体育会スキー部ではアルペンだったが、時々距離競技もやらされていたので、手を使って推進する技術は当然身につけている。入口から一番近いのは階段だが、距離の違いはそれほどでもないので、ここはエスカレーターを採用することにした。

次に考えたのは、どこから入店するかである。地下からのアプローチは1階からに比較して登る階数が多いので論外。地上の入口では南口が一番近いのだが、実際に事前インスペクションをしてみるとどうもこの入口はマイナー感がある。また、かなり大きなガラス扉で、素早く開閉できるかどうかもわからない。その点、室町口はメインの入口の一つなので、間違いなく10時にオープンするはずだし、普通の扉である。ということで、今回は室町口で待つことにした。

え?なぜそんな情報を出してしまうのかって?結局最後は体力勝負だから。

パズドラをやりながら開店の10時を待っていると、10分前ぐらいにコレクター仲間のカスさんが登場。売り場の配置や、抽選の作家さん情報、作家さんから聞いた作品情報などを交換して、準備万端である。そうこうしているうちに、開店待ちは室町口だけで20人ぐらいになっていた。

そして、開店の10時。とにかく、エスカレーターまではほぼ全力疾走である。店内の配置は完全に頭に入っているので、ルート選択を間違える心配はない。無事、エスカレーターへ一番で駆けこむことに成功した。これは、モナコGPで最初のコーナーに飛び込んだのと一緒で、もう後続に抜かれる心配はない。

あとはエスカレーターを6階まで駆け上がるだけなのだが、これが実はなかなか難しい。一段抜かしにはちょっと段差があり、一段ずつ登るにはちょっともどかしいくらいの微妙な高さである。ただ、4階ぐらいまではまだ体力的に問題がなく、順調に一段抜かしで登ることができた。4階を過ぎたあたりから、前日の10キロのランニングの影響が出たのか、ちょっと辛くなってきて、一段抜かしと一段ずつを織り交ぜる感じになってきてしまった。それでもなんとか6階まで駆け上ったのだが、そこから売り場を目指していると、あろうことか、僕より速い選手が一人いた。エスカレータ組ではないので、階段から来たのだろう。距離にして約3メートル。入口から階段までの距離と、階段から売り場までの距離の短さがものを言ったのかも知れない。あるいは、滅多に走ることのないエスカレーターの上りが今ひとつスピードに欠けたのか。ともあれ、売り場に駆け込んだのは二番手だった。

しかし、ここで大きなポイントになるのが陳列に関する情報と、作家が出品した作品の情報だ。部屋に早く到着するのは必要条件だが、たくさん並んでいる酒器の中から目的のものを見つけ出すスピードも重要になる。もちろん、その辺も抜かりはない。後続の選手たちが部屋に駆け込んでくる頃までには、僕は狙っていた作品を全て手に入れていた。あとは抽選になった人気作家の抽選券をもらい、のんびり他に面白いものがないか見て回るだけである。

結果として、僕は河端理恵子さんの作品を2つ(もちろん、狙っていたもの)、織田恵美さんの作品を1つ(もちろん、今回出品していたものの中では一番できが良いと思えるもの)、水元かよこさんの作品(これも、識者に問い合わせると『一番じゃないかな?』と評価した)を1つゲットすることに成功した。今年のドラフトで喩えるなら、平沢大河と高橋純平と高山俊の指名に成功したようなものである(ただし、自分の趣味だが)。抽選は見附さんと牟田さんのに参加したのだが、牟田さんの抽選に当選したので、無事、牟田さんの最新酒器を入手することに成功した。全体で言えば二重丸に評価できる内容だ。

情報力があって、体力があるのだから、当然の結果である。今後も、百貨店が今の販売方法を続ける限りにおいては、酒器展も、茶器展も、僕は連戦連勝だと思う。間違っても、僕よりも年長の人が、抽選以外で、僕が狙っている作品を入手できることはない。「そんなの、おかしいじゃないか!」と思う人がいたら、ぜひ、百貨店の担当者に電話してやって欲しい。その時は、このエントリーのURLも合わせてお知らせすると効果的かも知れない。それとも、今からエスカレーターダッシュのためにトレーニングを開始しますか?

あ、それか、ルンパルンパで扱ってもらうなら大丈夫。僕はあそこからは、どんなに欲しいものでも絶対に買わないので(笑)。

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