2015年12月29日

なぜ長時間労働がなくせないのか

朝日新聞デジタルにこんな記事が載ったけど、

仕事のために生きる? 長時間労働はなくせないのか
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151228-00000006-asahi-soci

長時間労働の良し悪しは別にして、もし本気で行政が長時間労働を禁止しようと思うなら、話はかなり簡単である。「長時間労働を行わせていることが判明した会社と、その関連企業に対しては、判明後5年間、公的補助金や委託金、公的発注を出さない」としてしまえば良い。ただ、いきなりこれをやると、日本中の会社が「仕方ないけど、もう助成金は諦める」となって、長時間労働はなくならず、補助金の行き先がなくなり、政府のバラマキが難しくなる(笑)。なので、1年ぐらいの猶予期間は必要だろう。これをやれば、長時間労働に依存している会社は、抜本的な体質改善を行うか、潰れるかしかなくなる。

駐車違反の取り締まりは、首都圏においては警察がかなり本気になったので、違法駐車は激減して、環八や環七は凄く走りやすくなった。おかげでそういった道路の沿道にあったラーメン屋などは駐車場の確保などで負担増になったはずだが、それらは圧力にならなかったのだろう。

一方で、路上喫煙はまだまだ取り締まりが甘いので、歩きタバコをする人間は相変わらず歩きタバコを吸っている。

結局、規制する側のやる気の問題で、長時間労働については行政も、政治家も、本腰を入れてやろうと思っていないだけだ。

もちろん、会社を潰す目的でわざと長時間労働して告発するといった不届きものが現れる可能性もあるし、一度摘発されて(例えば)5年間の補助金凍結の対象となってしまったら、開き直って高残業体質のブラック企業まっしぐら、という可能性もあるのだが、それはそれで対策を講じれば良い。

企業とか役所とかの本音は「有能な奴がたくさん働いてくれるのが一番効率的」だし、「転職先のない奴はサービス残業させて搾り取れば良い」だし、「若手は修行と称してこき使うのが良い」だし、「ボランティアとか、インターンシップとか、便利だよね」ということだ。昔、僕がキャスターをやっていた自民党神奈川県関連のテレビ局「日の出テレビ」でも、僕以外の自民党員たちはボランティアと称してサブキャスターたちをタダ働きさせていた。「タダでもやりたいっていうんだから、良いんだよ」というのがふくだ峰之氏(現自民党衆議院議員神奈川県第8選挙区)の理屈だった。

長時間労働の背景には色々な事情があるだろうが、基本的に働く側の意識改革では改善が難しい。変えるなら、管理する側が変わる必要がある。そして、そのためには行政か、株主からの圧力が必要だ。しかし、長い目で見れば利益が出るとしても、短期的にはほぼ間違いなく損失が生じるので、株主からの圧力は難しい。行政からの圧力に頼らざるを得ない。行政から管理する側への圧力も色々あるのだが、最初に書いた補助金や公的発注などのバラマキを絡めるのは非常に有効なはずだ。

#三菱総研とか、潰れるんじゃないの(笑)?

あるいは、軽減税率とかも、食品をどうする、新聞をどうすると詰めているくらいなら、「脱・長時間労働の会社は法人税5%軽減」などとしたら良い。手段は色々あるのだ。なぜやらないかって、「そんなことされたら、会社が成り立たない」という無言の圧力があるからだ。「長時間労働はけしからん」と言っている厚労省官僚たちだって高残業体質なのだ。

なぜ長時間労働がなくならないかって、簡単に言えば、行政になくす気がないからである。

ちなみにこのブログでは三菱総研や経産省といった高残業体質の組織で働いてきた経験をもとに「残業」について色々考察しているので、興味がある人はこちらをどうぞ。このエントリーとは焦点が違う記事がほとんどだけど。

このブログの中を「残業」で検索した結果

この記事へのトラックバックURL