2016年02月03日

ブラック・スキャンダル

blackmass


ボストンの南部を舞台にしたギャングとFBIの癒着を描いた作品。いわゆる「実話に基づく」奴。

ジョニー・デップが普通に演技しているところが最近では新しい感じ。

悪いやつばかりが出てくるのでなんだかなぁ、という感じだが、最近の日本でも甘利氏とか、清原氏とか、ジャニーズとか、垂れ流しの原発とか、色々あるのでそれほど驚かない。驚かないのだが、後味はあまり良くない。結局、正直者が馬鹿を見るのは日本だけではないということなのかも知れない。

登場人物が次から次へと現れては殺されていくので、油断してみていると何が何だかわからなくなってくる。ただ、そうやって退場していく人達のひとりひとりの扱いが軽いので、「また死んじゃったけど、ま、いっか」となってしまう。そうした見せ方によって、命の軽さを表現したところが制作サイドの狙いなのだろう。

この手の映画の代表作として「ゴッドファーザー PART II」があるのだが、登場人物たちの心理描写が少ないことと、そのせいもあって主人公がほとんどただの悪者になってしまい、物語に深みがなくなってしまった。実話がベースになっているので、本当にただの悪者だったのかも知れないし、下手に美化するとそれはそれで問題があったのかも知れない。色々と難しい事情はありそうだが、作品としては魅力を失ってしまうことになった。

評価は☆1つ半。字幕松浦美奈氏。

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