2016年03月17日

NODA・MAP 第20回公演『逆鱗』(二回目)

NODA・MAP 第20回公演『逆鱗』の二回目の鑑賞である。一度目よりもちょっと後方の座席だったのだが、観終わっての印象は一回目と比較すると随分と違ったものだった。

一回目の感想はこちら
http://buu.blog.jp/archives/51516977.html

一回目の印象を一言で表すなら、「前半と後半の乖離が大きかった」というものになる。ところが、二回目を観てみたら、そういう印象は希薄になっていた。いきなり、冒頭のシーンから、すでに後半とシンクロしていた。この場面を、僕は一回目の鑑賞の時には、観終わった時点ですっかり忘れていた。何しろ、上演中の情報量が多すぎるので、印象的な部分以外が記憶の外に追いやられてしまっていた。二回目を観て、あれ?こんな場面って、あったっけ?と疑問に思うことが何度もあった。特に、導入の最初の場面。その場面は、後半の展開で非常に重要な役割を果たしているのだけれど、直後に無関係で脳天気な場面が展開されてしまうため、意味不明なままに終了した無意味な場面として切り捨てられてしまったらしい。でも、二回目は、その後の展開がわかっているので、「なるほど」という感じに受け取ることができた。

これは非常に典型的なのだが、要は、たった一度の鑑賞では、到底把握しきれない情報量だったということだと思う。少なくとも、僕にとっては。

そして、二回目を観終わって、受ける印象はかなり良い方向に修正された。ただ、野田地図としては、キルやロープには及ばない気がする。それは、結局のところ、ラストシーンがどういう性格のものなのか、ということだと思う。とはいえ、ネタバレになるので、その点についても詳細に述べるのは、今の時点ではやめておく。個人的には、野田地図としてのベストではない。しかし、上位に入る芝居だったと思う。

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