2016年04月01日

さよなら、ニッポン

皆さま、長い人は40年以上、短い人は最短で1日程度、お世話になりましたが、僕は日本を脱出させていただくことにしました。

理由は、簡単に言えば総理大臣が馬鹿だからです。潜在成長力を高める政策(具体的には、僕は雇用の流動化、すなわち終身雇用、年功序列、新卒一括採用の撤廃と同一労働同一賃金の遵守と考えています)に全く着手せず、時間稼ぎであるべき金融緩和を続けている日本には明るい将来は望めないし、ただただ将来の世代に負債を押し付け、船の底に開いた大きな穴はそのままに、一億総出で船に侵入した水をバケツで汲み出し、沈没するスピードをゆっくりさせるだけに血道をあげているように見えます。

「お前たちの世代が頑張らなくてどうする」という声も聞こえてきそうですが、全く能力のない政治家に政権を与えるような国民が背後にいる限り、砂漠に水を撒くような作業に思えてきます。

僕は理研、経産省、産総研という日本を代表する組織で仕事をしてきましたが、そこで得た知見はせいぜいブログで情報発信するのが関の山。日本の役に立つことはないし、役に立てようと考える人も見当たりません。これまで何度もこちらからアプローチをしたし、講演用の資料を用意したことも一度や二度ではありません。しかし、それらの相談窓口になっていた人たちも、いつの間にかフェイドアウトし、残るのは居酒屋で飲み会をした実績だけという有様です。

僕はスタートアップ企業の支援について、日本でもトップクラスの知見と経験、そして人脈を保有していて、特にバイオベンチャーに関しては、官僚として、特殊法人の担当として、シンクタンクの研究者として、社長として、と様々な立場から状況を見てきましたが、僕の知見は全く役に立ちません。なぜなら、極論してしまえば、僕の意見は「ろくでもない支援は不要。特に補助金を出すなんていうのはやる気のある会社を麻薬漬けにするようなもので、絶対にやってはならない」というものです。これは、支援を仕事にしたい人たちには都合が悪いのです。彼らの行動原理の最下層にある基本は自分が稼ぐことであって、ベンチャー企業の支援ではありません。あるいは、お金を貸す銀行なども、融資の意味を理解していると思えません。銀行は、お金を貸したら、きちんと返済できるように融資先企業のサポートをするのが本来の姿だと思いますが、実際は社長の個人資産にしか興味がないし、貸したら貸しっぱなしで、潰れたら社長の資産を担保にとれば良い、みたいなスタンスです。今、佳境となっている「あさが来た」を見ていると、明治時代に銀行を立ち上げたひとたちはとても高い志を持っていたようですが、今はその残骸すらも見当たりません。あさが来たといえば、大学も同じです。早慶といった有力私大の創立者たちが登場しましたが、彼らの思想も、昭和・平成の時代には全く引き継がれることはなかったようです。まぁ、僕はダメな私大しか知らないので、え、こんな偉い人たちだったの?とびっくりしたんですが。

#ベンチャーの起業に関する僕の考えは後日パワポかPDFにして、このブログで公開します。これからベンチャーをやりたいと思う人は、それを読んでください。

##概論としては、こっちにまとめてあります。
http://buu.blog.jp/archives/51456305.html

少子高齢化の煽りで衰退の一途にある地方自治体の支援も考えましたが、彼らも所詮は「自分たちが定年の間までなんとかなれば良い」という考え方で、自分たちの子供の世代は東京に引っ越せば良い、ぐらいの腹積りに見えてきてしまいます。

ということで、ベンチャー支援にとどまらず、今の日本には失望させられることばかりです。安倍内閣が主導する日本のために税金を払うのも嫌だし、別に貢献を求められてもいないので、安保法の施行に合わせ、国外に転出することを決心しました。

今後は、能力はあるのに、縁故資本主義によって雁字搦めになっている若い人たちの海外進出の手助けでもやって行こうかな、と思っています。

去年、ある有力者(財閥のトップの直系で、今もあちこちで支援活動をしている人です)とディスカッションしていた時にこのプランを話したところ、「逃げ出す能力がない人に逃げ出せと言っても仕方ないから、普段はそういうことを表明することはない。だが、逃げ出せるなら、なるべく早く逃げ出したほうが良い。この国に未来はない」と言われました。御意。

とりあえず、安倍晋三が総理大臣でいる間は、海外をベースに活動していくことにします。

ありがとうございました。さよなら、ニッポン。




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