ワシントンに来る前の事前情報で言われていたのは「なんだかんだ言って、人種差別がある」ということと、「治安が悪い」ということの二点だった。でも、実際に来てみると、差別は全く感じない。少なくとも、表面上は。
日本でも特に田舎の高齢者などは中国人や韓国人を悪く言う人がいるのだが、それも別に表に出すわけではないので、こっちの人も内心どう考えているのかまでは不明なのだけれど、みんなとてもフレンドリーである。地下鉄の駅でSmarTripカードに入金できずに困っていれば、何人も人が集まってきてあぁでもない、こうでもない、とやってくれるし(結局、その機械の調子が悪く、隣の機械でやったら解決したのだが)、街中の案内板の前で悩んでいると「どこへ行きたいんだい?」と話しかけてくれて、「動物園?それなら、あっちだよ」と教えてくれる。時々親切な人がいるというのではなく、ほとんどの人がこんな感じである。
日本に比べると一人でブツブツ言っている人が非常に多く、このブツブツ君と親切な人の見分けが難しいのだけれど、その解決策はヘッドフォンで、音を鳴らしていなくても、ヘッドフォンをつけているとブツブツ君は無視できる。
この状況はワシントンならではなのかも知れない。ここは、バスに乗っていれば9割が有色人種である。ワシントン全体でも、ネイティブは3割しかいないらしい。なので、有色人種を差別したい人は最初からここに近づかないのではないだろうか。
もちろん、まだこちらに来てからひと月も経っていないので、これから嫌なところが色々と見えてくるのかも知れない。でも、今のところ、住み心地は非常に良い。ラーメンとトンカツがないおかげで食生活も改善し、体重も2キロ落ちた。今は週2、3回ジムに行ってトレーニングしているので、さらに体質改善が進むことを期待している。
治安についても今のところ不安に思うところはほとんどないし(オイスターバーに行った時だけ、ちょっとゴーストタウン的な雰囲気だったのだが、場所さえ選んでいれば治安はとても良い)、英語がわかりにくくても困った顔をしていると「また英語が下手な奴が来た」という感じでゆっくりと言い直してくれる。要は、外人慣れしているのである。シドニーに行った時にこんな印象を受けたのだけれど、この街も似たような雰囲気である。
なぜか日本人は凄く少ないのだけれど、日本人にとってはとても住みやすい場所だと思う。