2016年05月24日

海よりもまだ深く

子供の頃の野望と、思うようにならない現実を扱った映画。

普通の日本映画に比較するとあえて説明をそぎ落としているので、行間を読みなれていないと意味がわからないところがたくさんあるはず。でも、映画は映像である分情報量が多く、観る側の理解が限定されてしまうので、このくらいがちょうど良いと思う。

常に勝ち続ける人間は本当に少数で、それはスティーブ・ジョブズであっても同じ。そうした誰もが経験する負けの場面でどうやってそれを受け止めるか、というのがこの映画の主眼だろう。だから、負けを受け入れられずにいる人ほど痛みを伴って観てしまいそうだ。

大仰な演出をつけられてしまうことが多い阿部寛だが、このくらいの演出が一番味が出ると思う。

「あれ」を家族の口癖にしたかったのはわかるのだが、ちょっと使い方にスムーズさが欠けていて、ちょっとわざとらしい感じがした。せっかく色々なところで抑えていたのだから、ここも抑え目なら良かったのに。

評価は☆2つ。

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