2016年06月21日

トットてれび

前半の4話で黒柳徹子の半生、後半の3話で向田邦子、渥美清、森繁久彌との交流を描いた全7話のテレビドラマ。

脚本自体は凡庸で誰が書いてもこのくらいは書けるだろう、というクオリティだが、黒柳徹子の人生そのものが波乱万丈でとても面白いので、ドラマとしてもできが良くなっている。また、主演で黒柳役の満島ひかりをはじめとして、役者たちにつけている演出が素晴らしい。すでにあちら側に行ってしまった脚本家や役者たちがすぐに思い出されるような演出だった。

基本的には過去を懐かしむドラマなので、メインターゲットはおおむね50歳以上の中高年になるのだろう。しかし、人気絶頂の時に単身米国へ留学してしまうなど、黒柳徹子が現代においても先進的な考え方をしているため、単に高齢者向けのドラマとなっていない。

「黒柳徹子って、こんなにすごい人だったんだ」と素直に驚くことができるドラマに仕上がっていて、見ても全く損のないものになっていると思う。

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