2017年05月31日

朝日新聞が馬鹿で困る

インターネットの時代になって随分時間が経ったのに、朝日新聞はまだその適切な利用方法を見つけ出せずにいるようだ。

ネットに限定すると、新聞社が記事を全部無料で公開してしまえば、収入は広告料だけになってしまうので、おそらく収益が悪化して商売にならない。だから、記事を有料化するのはわかる。しかし、なんでもかんでも有料化してしまっては、おかしなことが起きる。たとえば、さっき見つけたこんな記事がある。

体調すぐれない女子学生、皇后さまが病院手配を依頼
http://www.asahi.com/articles/ASK4M75LDK4MUTIL05F.html

朝日新聞の場合、会員でも有料登録していないと、1日に一つしか記事を読むことができない。結果として、こういう画面に行き着く。

fullsizeoutput_164b


おいおい、無料会員は美智子様の美の字すら読ませてもらえないのかよ、という感じだ。たとえば科学論文誌であれば、サマリーだけは無料でアクセスできて、詳細は有料、といった形態があるのだが、朝日新聞はそういった配慮は皆無である。タイトルと無料パートの連動がなくて、何を言いたいのかすらわからない。これがどこかの芸能人が大麻をやって捕まったとか、どうでも良い事件なら構わないのだが、皇室の美談であって(ただし、タイトルからの予想)、この記事で商売をしようとする感覚が理解できない。

あるいは、政府を忖度しまくってバカを晒している読売新聞に対抗して、朝日と毎日は色々と追求の記事を書いているのだが、そんな記事でもこの始末である。

fullsizeoutput_164a


fullsizeoutput_1649


自説を世間に訴えて、社会を変えていこうとする会社がやることではない。朝日新聞に金を払うような人間は、その多くがもともと反安倍晋三なのであって、そういう人間たちに「こいつら、こんなにけしからんのですよ」と述べても、単なる内輪受けである。その声は、「特段の肯定的理由はないものの、野党が情けないから」といった理由で安倍内閣を支持している人間たちに届けなくてはならない。そして、そのターゲットは、最初から朝日新聞にはお金を払わない層なのだ。朝日新聞社ともなれば相当に高い給料をもらっていると思うのだが、こんなことすらわからない烏合の衆なのだろう。だから、主張がきちんと大衆に伝わらない。

さすがに天声人語や私の視点や社説あたりは無料でアクセスできるのだろうが(未確認)、記事も、是々非々で課金するかしないか判断すべきである。そのフェイズにこそ「知恵」が要求されて、会社としての価値が生まれるのである。ネット時代になって、物流・配達の手間や印刷の手間は減少してきているはずだ。その分どこかで頭を使わないなら、その会社の存在意義は毀損していく。朝日新聞社も、その存在意義はどんどん減少してきている。しかし、現場では差し迫った危機としては認識されていないのだろう。

もちろん、話は朝日に限ったことではなく、他社も同じである。

経産省時代、朝、会社に行くと、バイトのお姉さんが主要紙の記事のうち、仕事に関係ありそうなものを全部切り抜いて、貼り付けて、コピーして、課のグループごとに配布してくれていた。これが非常に便利だったので(法的整合性は不明)、新聞を取らなくなって、以後、新聞をとっていない。役所をやめてからも新聞社にお金を払ったことはない。今も、紙の新聞を買うことはないし、新聞社の有料会員になったこともなければ、なる予定もない。その理由の一つは、新聞社が馬鹿で、金を払う価値が見出せないからである。

古い記事のデータベースは一律有料でも構わないと思うし、スポーツや事故、犯人の捕まった事件なども有料で構わないと思うのだが、皇室ネタや、今でいうなら加計学園問題や森友学園問題など、朝日・毎日と読売で大きくスタンスが異なるような、会社の主義主張が色濃く反映される記事は、少なくとも無料で配信されるべきである。

#まぁ、今となっては米国在住なので、もし買うとしてもワシントン・ポストだけど。