2017年10月05日

海外に出ていくことすらできない研究者が研究費を確保するためにできる2つのこと

また日本のアカデミズムを嘆く記事を発見した。

日本のアカデミズムは危機にあるのか――ノーベル賞受賞者も警鐘
https://news.yahoo.co.jp/feature/766

もうね、10年ぐらい、同じことを言い続けている気がするんだけど、いつまで経っても改善しない。研究者たちの馬鹿が治らないので絶望的な気分になる。

どの記事にリンクしたら良いのかなぁ。

比較的最近書いたのはこれかな。

(若手)研究者が研究を続けたいなら、やるべきたった一つのこと
http://buu.blog.jp/archives/51533779.html

この記事は「若手の研究者は、日本で「金をくれ」と言っていても時間の無駄だから、さっさと海外へ出ていけ」という趣旨。じゃぁ、年寄りたちはどうしたら良いのか、ということだけど、方策はいくつかある。

まず一つ目が寄付に頼ること。きちんと研究の意義を文系の人にも理解できるように説明して、寄付してもらう。クラウドファンディングもそのうちの一つだ。世の中には金のある人もいる。そういう人たちからお金を集めれば良い。こういう活動が日本では乞食みたいに思われるのか、一向に活発化してこないのだが、米国では当たり前の話である。僕が住んでいるワシントンDCには無料で入館できる博物館・美術館がいくつもあるが、そういった施設の運用資金の少なくない部分は寄付金である。

もう一つは、日本の経済を再生できる政治家を選ぶこと。少なくとも、安倍晋三では無理だ。彼の小さい頭の中は憲法改正を成し遂げて歴史に名前を残すことでいっぱいで、経済再生のことなどどうでも良いに違いない。ほとんど効果が出ないアベノミクスに執着している時点でそのことがわかる。研究費がないのは日本に金がないことが原因で、出したくても出せないのである。出せるようにする、すなわち経済再生が一番重要なことは馬鹿でもわかりそうなものだが、ほとんどの科学者がこれに気がつかないようだ。科学者が聞いて呆れる。税金泥棒と改名した方が良いだろう。

起業するという手もあるが、これは一定の成功を収めるか、株式公開した上で株主の理解を求めることになって、時間的に難しいし、能力的にも難しいだろう。

何度も何度も何度も繰り返しているけれど、研究とは高度に個人的で、ほとんど趣味の領域のアクティビティだ。研究費は、学生や若手研究者のためというよりは、大学や研究機関がなくなったら失業してしまう人たちのセーフティ・ネットを作る費用である。身近なところでは、サッカーや野球の方が市場に貢献しているだろう。将棋ぐらいになってくるとどちらが貢献しているか、かなり微妙だが、将棋はおそらく研究ほど税金に頼っていない。麻雀も同じだ。そんな、大して役に立たない活動に税金をつぎ込む理由が見当たらない。

海外に出ていくことすらできない研究者は、選挙で自民党以外の政党に投票するか(ただし、どの政党に投票すれば良いのかは良く分からない。私見では、消費税アップを提唱している政党は避けるべきだろう)、あるいは寄付をつのるべきだ。

冒頭の記事は、なんの解決策も提示せず、研究費が足りないという状況を評論して見せただけの、なんの価値もない記事である。こういうのを馬鹿記事という。論文数で米国がダントツで、それに迫る勢いなのが中国、あとは日・英・仏がどんぐりの背比べというグラフがあるが、これはそのまま今のGDPと同じだ。
GDP

資料:GLOBAL NOTE 出典:IMF

研究とは、金で、すなわち国力なのである。

加えて、高齢化が進んでいるという日本独自の事情があって、日本の論文数は漸減傾向にある。いつまで経っても経済一流国のつもりでは、研究環境の劇的な改善は望めない。