2018年01月08日

秒速5センチメートル

「君の名は。」の新海誠監督が2007年に撮った作品。3つの連作短編で構成されていて、全部で1時間の比較的小品である。

正直、「え?これでおしまい?」と感じてしまうラスト(笑)。つまりは、男と女の恋愛観の違いを描いたのだろうが、こういうのは中島みゆきや松任谷由実が散々歌ってきているので、あまり新しさを感じない。加えて、主人公の男の子がロマンチストでかつ受け身すぎ、思い出の中で生きていすぎて、もどかしくなる。

ほぼ全てが主要登場人物の独白で続くところとか、実際の風景を精緻にトレースしたと思われる背景などは「君の名は。」へと続く雰囲気が良くでている。あと、鳥を中心にして動的に風景を描くやり方が印象的だった。あれは押井守あたりの演出手法に影響を受けているのだろうか。

とはいえ、登場人物たちは、現実味がないというか、感情移入しにくいというか、うーーーん。たとえば、第一話。やっていることも、見た目も、全然中学校一年に見えないので、何度も「あれ?これって高校生の話だったっけ?」と設定を確認したくなった。この辺は、脚本にも問題があったと思う。

あー、これが新海誠のスタイルなんだな、というのは良く理解できた。その延長に「君の名は。」があるのも良くわかったのだが、じゃぁ、すごく面白いかといえば、そうでもないような。

評価は☆1つ。