2018年08月20日

米国で30ヶ月生活してみての米国と日本 その12 食

今や大抵のことは米国の方が日本より上をいっているのだが、食、特に味についてだけはほとんどの面で圧勝だろう。

食材も、レストランでの食事も、日本が米国に学ぶべきものはほとんど見当たらない。なぜ日本人が米国発のレストランやファスト・フードをありがたがるのかさっぱり理解できない。ただし、いくつか例外があって、セロリは米国産の方が美味しい。また、牛肉は安くて質の高いエィジング肉を売っている。

レストランは日本のおよそ1.5倍ぐらいの価格だが、エィジアン・フードだけは安価なのが普通で、タイ料理、ヴェトナム料理あたりはお手頃な価格で美味しい料理を食べることができる。ただし、日本料理は高く、ほとんどの地域でラーメン一杯15ドル程度、税金とチップを加えると20ドル程度になる。寿司も、30ドルぐらいしか出さないと良くわからない食べ物が提供される。

チップ制度は本当に面倒くさく、米国人の多くも撤廃を望んでいる。しかし、繁盛店のホール係だと稼げる額がとても多くなるので、稼げるホール係にとってはありがたい制度らしい。

マクドナルドやシェイクシャックといったファスト・フードも味は日本と大差なく、価格はかなり高いので、食べる価値はない。

美味しいものを食べたければ、スーパーで食材を買って家で調理するのが一番確実だが、生卵は食べない方が良いらしいので神経質な人は注意が必要。また、200ドル以上出せばまともな料理を食べられるらしいが、まだ試したことはない。

こうした記述はDC、ニューヨーク、シカゴ、フロリダ、ラス・ベガスあたりの話で、ニューオーリンズのレストランだけはなかなか味が良かった。日本の方が美味しいけど。

味以外では学ぶべきところはいくつかある。まず、飲み屋だろうが食事処だろうが、米国は全店禁煙。アルコールを提供する店は入店、あるいはオーダーに際して写真入りのIDの提示を求められる。そして、ほとんどの店でベジタリアン向けのメニューが用意されている。これらの点は日本よりも進んでいる。

DC界隈の和食レストランは、安価なところは大抵おかしな料理を出している。オーナーが米国人で、シェフが雇われ日本人だったりして、このシェフがコロコロ所属先を変えるので、シェフがいる間は良いのだが、いなくなると劣化する。逆に、オーナーが日本人で、調理人が日本人以外という例もあるが、これらは最終的な味のチェックを誰がやっているかによって、店の質が変わってくる。