2021年09月08日

ダイヤのA、ダイヤのA act2 一気読み

週刊少年マガジンを読まなくなったのはベイビーステップが打ち切りになったときなので、この作品はわりと最近まで読んでいたのだが、コロナで暇だったので全巻一気読みしてみた。なるほど、なかなか面白い。良い作品を普通に褒めてもつまらないので、ダメなところを列挙していってみる。

まず、一つ目。話の展開が遅い。第一部47巻、第二部今日現在で28巻の超大作にもかかわらず、最新話でも主人公が夏の甲子園の地区大会を戦っている。そろそろ決勝戦で、勝てば甲子園の夏の大会である。秋季大会から春の甲子園のことを考えると、今はちょうど折り返し地点である。

一年生夏
一年生春
二年生夏 <イマココ
二年生春
三年生夏

折り返し地点で75冊。これは大変だ。あしたのジョーが全20巻のところ、すでに4倍近い。しかし、今からのスピードアップは困難だろう。寺嶋裕二47歳。デビュー2作目を描き終える頃には還暦を過ぎているかもしれない。

二つ目。長すぎる連載期間ということもあるのだが、途中で制度が変わってしまい、あれ?となる。具体的には、ボールカウントの表記。連載開始時はストライクが先だったのだが、今はボールを先に書く。途中で変わってしまったので、漫画もいつの間にか変更していて違和感がある。

三つ目。言葉が変。「そうゆうわけで」とか、ら抜きとか。

四つ目。背景が白い。スクリーントーンすら貼ってなくて真っ白な背景のコマが多い。

五つ目。試合中にときどき差し込まれるスタンドの絵がいつもほとんど同じ。アシスタントの腕が悪いのかな?

六つ目。なかなか話が進まない。大事なことなので二回書いておく。

総じて、面白いのだけれど、長い。先行事例としては水島新司の「ドカベン」があるのだが、ドカベンには秘打白鳥の湖とか、通天閣打法とか、あり得ない技が色々出てきたことに対して、ダイヤのAは至極まっとう。ただし、レベルはめちゃくちゃ高い。敵も味方もほとんどエラーをしないし、主人公はプロでも滅多に目にすることのないコントロールの持ち主だ。まぁ、漫画だからだけど。

野球の最新理論を盛り込んでいるのは良いのだが、連載期間が長いので、色々おかしくなっているところが残念。実世界で10年ぐらいかけて起きてきた変化がわずか一年半の高校野球に詰め込まれている。

最後は夏の甲子園で沢村が完全試合で優勝するのかな?でも、完結するのは10年以上先だよね・・・。