2022年10月23日

CDとレコード、デジタルとアナログの音の違い

一年以上前に、芦田宏直さんに「アナログとデジタルの音は全然違う」と言われて、少しずつアナログプレーヤー関連を揃えてきたのだが、ようやく全部揃ったので(プレーヤー:テクニクスSL-1200M7L、カートリッジ:オーテクOC9XML、フォノケーブル:ケーブル工房TSUKASA WTS-P5200)、何枚かLPを聴いてみた。

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結論から書くと、確かにCDと音は全然違うけれど、CD(YAMAHA CD-S3000)の方が良かった。あるいは好みの音だった。

#カートリッジをケチったのが良くなかったのだろうか。

まぁ、アナログ関連はプレーヤーとカートリッジで20万円程度。デジタルは古くなったマックブックに非圧縮でCDのデータをダウンロードして、CD-S3000のDAC機能を利用して聴いているのだが、CD-S3000だけで現在は52.8万円するので、価格だけでも2倍以上。これで同じ音が出てしまうとデジタルの価値がなくなってしまう。

今回は、同じ曲をレコードとデジタルでほぼ同時に再生して、アンプのスイッチでソースを切り替えることによって聴き比べてみた。僕みたいな耳の鍛えられていない人間に違いがわかるだろうかと思いながら聴き比べたのだが、音は明らかに違った。目をつぶって、どちらの再生か当ててみたのだが、20回ぐらい試して全問正解だったので、違いは明らかである。オーディオの聴き比べだと「両方を同時に演奏して聴き比べればわかるけれど、単独で聴いたらどっちかわからない」ということが良くあるのだが、今回は単独でもわかりそうなくらいの差がある。

まず、デジタルの方が高音のキレが良い。それから、デジタルは一つ一つの楽器がちゃんと独立して聴こえてくる。アナログは境界が不明瞭で、まとまって聴こえてくる。今年になってビルボードライブ横浜でレベッカと佐野元春のコンサートを見たのだけれど、それらのライブで聴いた音はデジタルの方に近いと感じる。スピーカーとアンプも含めて、良いオーディオとは、自室にバンドなりオーケストラなりを再現できるもので、部屋のスピーカーの間隔以上の広がりと、各々の楽器の分離が一つの価値だと思っている。その価値基準に当てはめれば、今のコンポーネントではデジタルの勝ちだと感じる。

今回の音の違いがどこに起因するのかはわからない。

レコードの質が傷や擦り減りなど物理的に低かった
レコードの録音が悪かった
レコードプレーヤーが悪かった
カートリッジが悪かった


ぐらいが候補だが、別にすごいオーディオマニアではないので、あまり突き詰めて考えるのもどうかと思う。

また、価格差が大きいシステムで比較してしまうのはフェアではないけれど、プレーヤーやカートリッジにこれ以上お金をかけるのも僕としてはもったいないと感じる。

聴き比べはもうちょっと続けてみるつもりで、例えば中島みゆきは最近のアルバムをレコードとCDと両方リリースしているので、何枚か買ってみて聴き比べてみたい。

あるいは宇多田ヒカル。彼女はデジタルでレコーディングしているようなので、デジタルで作った音をあえてアナログ盤で出すことの意味はちょっと興味深い。これも聴き比べてみないとと思っている。

それから、バイオリンやピアノのソナタでも聴き比べてみたい。と思ってちょっとヒラリー・ハーンのアナログ盤を調べたらどれも一枚5000円ぐらいするんだね。

でもまぁ、結論は出ているような気もする。少なくとも、今僕が持っているプレーヤーとカートリッジでは、何度聴き比べても同じ結果になりそうだ。同じくらいにカネをかければ、同じくらいの質の高さで、デジタルとは違う音を聴けるのかもしれないが、上に書いた通り、僕はそこまでのマニアではない。

どこかですごいプレーヤーを試聴させてもらうのが良いのかもしれない。てか、なぜそれを最初にやらないのだという話だよね。

#アンプはYAMAHA A-S3000(51.7万円)、スピーカーはTAD CE-1(2本ペアで176万円)