2022年12月18日

Dr.コトー診療所(映画版)

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漫画の連載は中断したままなので、待望の続編。とはいえ、監督と脚本家はテレビシリーズと同じなので、大きすぎる期待は良くない。テレビドラマと同じ感覚で製作してしまう監督や脚本家は山ほどいる。

冒頭、一番最初の海を行く船のシーンでいきなりガッカリする。甲板の上に人が誰もいない。おそらく船の上に動く人間を配置できなかったのだろう。カネのかかっていない特撮ならやらない方が良い。

続いて漁船と並走するシーンだが、わざわざ連絡船と並走する理由がわからないし、それを見ようと大勢が甲板に駆け上がるのも不自然。冒頭の数分を見ただけで監督も脚本家も映画撮影に慣れていないことがわかってしまう。やはりテレビドラマの延長線上に映画があると勘違いしているのだろう。

ゲスト出演のように出てくる大物俳優は単独での登場で他の役者との絡みはほとんどない。旧作の同窓会にお手軽にZoom参加したような感じ。

天候不順で災害が発生するのも新鮮味は感じられず、災害が発生してしまえば対応が困難なのだからもっと事前に対策しておけよ、と思ってしまう。

そして、ある中心人物の病気がありきたり。「赤い疑惑」を見てきている「北の国から」世代なら、エピソードを一つ見せるだけで「あぁ、またあれか」とわかってしまう。しかもご丁寧にもう一度回想として映しだすありさま。一度で良いよ。

なお、「ドローンが使えて嬉しい」というのは伝わってきた。僕も飛ばしたい。

2時間ドラマを無理やり引き延ばしたような内容にあって、唯一良かったのはタケヒロのエピソードだけど、こちらは逆に描写が足りない。英和中辞典はただの宣伝だったのだろうか?

と、散々に書いてきたけれど、ラストだけは良かった。中島みゆきの「銀龍」を映画館の音質で聴けたのは最高。

評価は☆2つ半。中島みゆきの曲だけなら星3つだけど、それまでの間に120分ぐらい我慢しなくてはならないので半分減点。なお、中島みゆきがなければ☆半分。