2022年12月07日

ワールドカップ2022 カタール大会 反省会

ドイツ戦
前半で3-0でも不思議ではなかった。前半はドイツのフォーメーション変化が巧妙で、意図せず後ろにべったりになってしまった。6人が守備に張り付いたおかげでサンドバッグ状態。前半のドイツの戦術はお手本になる。ドイツは左右両サイドから面白いように攻めた。

ジリ貧だった日本は後半からそれほど練習を重ねたわけではない森保のお家芸の3バックにシステムチェンジ。攻めるときは3421、守備時はウイングが下がって5バックの541。このシステムは森保が監督就任直後に試してうまくいかなかった。ところが、この付け焼き刃の5バックが後半10分ぐらいから機能してきた。理由は不明確だが、日本が数的優位を作るようになってきた。さらに後半22分にドイツは主力を交代。これが采配ミス。そして、前半で攻め疲れたのか、ドイツの脚が止まった。日本は26分に堂安投入。このタイミングは適切。そして綺麗に崩して同点。勝ち越し点は滅多に決まらないスーパーゴール。一瞬、ドイツの集中力が切れたのを見逃さなかった。

勝ち越し後、追いつかれなかったのは評価できる。


コスタリカ戦
前回うまくいった3バック。でも、コスタリカ相手に3バック(守備時は5バック)は守備的すぎ。対するコスタリカは9人ブロックなので、お互いに自陣で横パスを回すつまらない試合。日本はボールを持てるけれど、攻め切る戦術がない。睨み合いが続く中でカウンターで失点。コスタリカは弱いチームが勝ちやすい戦術を取ってきた。それにお付き合いした森保が馬鹿。特にここで柴崎岳を使わないならなんのために連れて行ったのか。調子を落としているのはわかるが、使わないなら別のメンバーを連れて行くべきだった。失点後も同点に追いつく手段はなくあっさり敗戦。

語るべきことがほとんどない無駄な試合だった。


スペイン戦
今回の大会では一番うまく戦った試合。守備時は5バックで最終ラインを固める弱者の戦い方。2人のボランチは中央のスペースをケア、残りの3人が攻撃の起点にプレス。しかし、それでも伊東を狙われて先取点を取られた。しかし、失点を織り込み済みとしてそれ以上の追加点を与えなかったのは良かった。この試合の時点でもすでに体調不良があったのか、ハーフタイムで久保が交代。

ハーフタイムの休憩もあって、後半開始直後に一気に鎌田、三笘、そして前田の猛プレス。加えて、いちかばちかで上がってきた伊東がチャンスに絡んだ。この決定機にきちんと役割を果たした堂安は立派。勢いに乗って畳み掛けた二点目も良かった。とはいえ、ボールがラインを割らなかったのはラッキーなだけ。ここで数ミリでもラインを割っていたら試合はどうなっていたかわからない。ともあれ、運を味方につけて勝ち越したのは良かった。

以後、9人ブロックで失点しなかったのは評価できる


クロアチア戦
馬鹿の一つ覚えの3バック。この辺が森保の限界。堂安を入れたのは良かった。右に伊東を使うのなら左は長友ではなく三笘だった。でも、それでは重心が後ろすぎる。じゃぁ、3421がダメという話である。

付け焼き刃の3バックなので緊急事態はともかく常用すると歪みが生じる。もっと行けそうなのに攻め切れない。

しかし、それでもセットプレーから先制。しかし、まだ時間が早く、守り切るのは難しい。

クロアチアは失点後からパスを放り込む狙いに戦術を変更。フィジカルに劣るので日本はこうされると厳しい。スペインのようにパスを回してくれる方が対策しやすい。

鎌田、長友はもっと早くに交代すべきだった。というか、長友は最初から出さずに、守備固めで使うべきだった。鎌田は今回のワールドカップを通じて調子が悪く、今日も試合を難しくしていた。クロアチアがロングパスを放り込んできていたので、1失点は仕方ない。リードした時に追加点を取りに行く手段がなかったのが痛い。

三笘を入れたため、クロアチアは三笘を警戒して人数を割く。それで右サイドにスペースが生まれるけれど、三笘が投入された時には伊東の脚が疲労で鈍っていて、攻めのオプションにならなかった。交代で入った南野と浅野はイマイチ。前田をもっと引っ張っていれば良かった。

同点のまま、不安もないけど期待もない延長戦。まだ交代枠があったのにここでも柴崎を入れず、そのままPK戦へ。

PK戦は基本的に運なので負けたのは仕方ない。その前に決める手段がなかったのが問題。森保の力不足。


総論
合格点は谷口、冨安、三笘、前田、遠藤、伊東、堂安、板倉。

一方で吉田、長友、南野、酒井はおつかれさま。

今回は、期待はされていたものの鎌田のW杯ではなかった。こういうこともある。

格上との戦い方は良い。問題は格下や同格の相手。ボールを持てる場合に相手を崩す戦術がない。もちろん相手の守備レベルが高ければ崩すのは容易ではない。しかし、コスタリカやクロアチアの守備はそこまで堅固ではなかった。

今のサッカーは数的優位をどうやって作るかというゲーム。その方法はいくつかある。

・ゴールキーパーが攻撃参加
・個人技で抜け出す
・スピードで抜け出す
・走り回る
・相手を退場させる

などなど。それを相手の戦術と組み合わせて実現して得点につなげていくのだが、残念ながら森保にはアイデアがなかった。さっさと監督を交代しないと、今が旬の選手たちが気の毒だ。