蹴りたい背中
綿矢りさの「蹴りたい背中」読了。高校1年生の女の子の心情を書いた本だけど、まぁ、普通の本。これがどうして芥川賞?と思わないではないのだが、恐らく選考人の方に、「もう自分では書けない小説」との思いがあったのではないか。19歳の女性が16歳の女性の心情を書いたというところに、ほとんど全ての作家がすでにやれなくなったことをやったという価値をみつけたということである。スキーのジャンプ競技を見て楽しむ人たちの心情に似ているというか。
だって、ざーーーーっと読んでみて、「これなら、本が好きな女子高生なら普通に書けるんじゃないかなぁ」と思わされるんだもの。最初から淡々と進んでいって、「これって、後半がーーーーっと面白くなるのかなぁ」と期待していたら、そのまま終わってしまった。ちょっとしたイベントはあるのだが、だからなんなのー?って感じ。で、内容も内容なんだけど、表現もどうなのか。文章の長さとか、句読点の使い方とか、トーンの不統一さとか、様々なところで「どうなのよ」と感じさせられる。例えば、冒頭の7行。ここの描写はそれなりに引き付けるものがあるのだが、残念ながら同じトーンは二度と現れない。
中学生や高校生が文章に親しむ材料としては非常に良い本なのかもしれない。しかし、どうせならもうちょっときちんとした文章を読んで欲しい気もする。漫画の次のステップとしての文学入門書って感じだろうか。☆ひとつ。
って、オヤジには理解不能なだけかもね(^^;審査員もそう言われるのが嫌だから選んだんだったりして。ちなみに選考委員は池澤夏樹・石原慎太郎・黒井千次・河野多惠子・高樹のぶ子・古井由吉・三浦哲郎、宮本輝、村上龍、山田詠美の各氏。
蹴りたい背中
Posted by buu2 at 22:56│
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本日読んだ本 蹴りたい背中 綿矢 りさ ご存じ最年少で芥川賞を受賞した作品。 ちょっと前に彼女のデビュー作“インストール”も読んだのだけれど、それよりは面白かった。 愛情とも、憎しみとも、または単なる興味ともとれるような、またそれらのどれにも当てはまらない.
勝手に書評。【TAKE IT EASY !!】at 2004年08月18日 06:31
蹴りたい背中
感想書こうかどうしようか悩んだのですが……。
感想、誉めてません。全然誉めてません。私はダメでした。
そんな感想なので誉めてない感想がダメな人は読まないで下さい。
蹴りたい背中【惑星ひとひら[日記]】at 2004年08月31日 21:00
<p><a title="Return of the まにあな日記:蹴りたい背中" href="http://blog.livedoor.jp/buu2/archives/559292.html">Return of the まにあな日記:蹴りたい背中</a></p>
<p>うーむ・・・w読んだけど・・・いまいち<br />
いや、面白かったんだけれども。</p>
<p>何が言い
蹴りたい背中【CHARLEROI|l・_・)ノ】at 2004年11月09日 23:13
「蹴りたい背中」 綿矢りさ 河出書房新社
書評(私見):
( :5個が満点)
心にのこるあの台詞:
「"人間の趣味がいい"って、最高に悪趣味じゃない?」
(蹴りたい背中 より)
蹴りたい背中【CALS's Library】at 2005年06月16日 21:20
トラックバックありがとうございます。
まだまだブログを始めたばかりで、未熟者ですが
トラックバックをしていただくと、嬉しいものですネ。
私の感想なんて比べものにならないぐらい淡泊なものお恥ずかしいです。
僕のいい加減なブログにトラックバックありがとうございました。
確認が遅くなってしまってすみません。
お礼といってはなんですが、こちらからもYUMOさんの記事にトラックバックをさせてもらいました。
これからもよろしくお願いします。