2000年04月26日

カノン

NODA MAPの「カノン」観劇。武士の時代の盗賊達の話である。
おおざっぱなストーリーは、大勢の家族的な盗賊集団が、一人の女性を中心に徐々に関係がギクシャクしていき、最後にはその女性自らの悪女性によって関係が崩壊してしまう、という内容。

物語の中心になる女性を鈴木京香が演じているのだが、非常に魅力的である。前に見たときは今一に感じた唐沢寿明も健闘しているように見えたので、これは座席が前の方だったから(5列目)かもしれない。やっぱ、演劇は役者の表情が判って、声が良く聞こえないとダメだから。特に初めて見る演劇は前の方で見ないとね。

ちょっと話が逸れた。今回の劇は野田作品としては時間的、空間的飛躍が非常に少なく、役者に割り当てられている役もかなり固定していて、わかりやすい劇だったと思う。

また、いつも通り色々なところで色々な小物が登場する。今回のテーマは「絵画」。古典から近代まで、色々な名画の知識があるとさらに楽しめるのかもしれない。今回重要な役割を果たしたのはドラクロワの「民衆を導く自由の女神」であるが、この絵に対する皮肉は劇中でも丁寧に語られるので、大した知識は要らないだろう(ちなみにこの絵の女性は平和の象徴。フランス革命がテーマである)。その一方で、ラストで登場するマグリットの「大家族」は「鳥の絵」ぐらいの扱いなので、題名ぐらいは知っておくと良いかもしれない。もちろん、他にも色々と関連性の高い事象はあるのだが(例えば浅間山荘事件)、野田の引き出しの数は膨大なので、それらを全部網羅するのは不可能だろう。あまり気張らずに、単純にストーリーを楽しむのが正解かもしれない。

個人的には十分に楽しめた。☆3つ。

それにしても、野田は本当に良い女優を見つけてくる。きっと、女好きなんだろうなぁ。

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