空中ブランコ
第131回直木賞受賞作、奥田英朗の「空中ブランコ」読了。
127回の直木賞候補作、「イン・ザ・プール」の続編で、同一シリーズの後続作での授賞というのはちょっと珍しいのではないか。以下、ネタバレ注意。
空中ブランコ
癒し系の馬鹿(カバ?)医者を中心とした5つの短編。馬鹿医者はどの話でも物語の中心ではない。読んでためになるとか、何か人生の指針になるとか、そういう性質の本ではほとんどない。ただただ、ばからしくておかしい、そういう本である。一服の清涼剤というか、漫画というか、この本の存在がそのまま登場人物である馬鹿医者の存在にダブる。
内容については特に語るべきものはないのだが(^^;、とにかく文章の微妙な間がおかしい。134ページの「この男の行動には迷いがない」とか、227ページの「変わっているのはお前だろう」とか、軽妙な突込みが漫才的なのだ。
まじめに「読書をしたい」と思っている人にはどうかと思うが、それ以外だったら楽しめると思う。評価は☆2つ半。
これって、映像化したら受けるんじゃないかなぁ。看護婦役は仲間由紀恵あたりで。などと思ったら松尾スズキでもうやってるのね(^^; ちょっとイメージが違う・・・・・あと、これも全く余談だけど装丁がすごくきれい。
そうそう、これが直木賞、ってことの是非。今回も例によって候補にはそうそうたるメンバーが並んでいたわけで、その中でこの作品がとったことはどうなのか。まぁ、「是非」なんて偉そうなことを言う立場じゃないんだけど、僕としてはこういう作品でが直木賞でも良いんじゃないかなぁとは思う。間口を広げると選ぶほうが大変になってくるけどね。
Posted by buu2 at 12:30│
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なかなか読書の話ができなくて、ずっと来てしまったので、先月から貯めていた本の話を、小出しに行こうかと。
ちょっと古い話題になってしまいますが、今年の直木賞受賞作を読みました。思えば、昨年の芥川賞は、久しぶりに私の読書欲を刺激してくれたので(良
奥田英朗/空中ブランコ(2004)【|| Yashi-An Blog ||】at 2004年08月13日 18:16
イン・ザ・プール
本を読もうかな、と思って手にした本でした。表紙の青色に惹かれて。でもそれだけじゃなくって、大当たりで。特に決まった作家さんの本を読むことはなかったんですが、この人の本はどれも読みたいと思って。最初はすごくこの本に登場してくる患者さんと同
イン・ザ・プール / 空中ブランコ 奥田 英朗【gropes】at 2004年08月27日 19:45
えぇっ 「空中ブランコ」映像化されてるんですか?
ワタシ的には、三谷幸喜+石塚英彦÷2 でガッチリ固まってるんだけどな〜。
前回の芥川賞にもびっくりしましたが、今年の直木賞も違った意味で驚きでした。
まぁ 今回の芥川賞の方のキャラにもびっくりですが。
トラックバックありがとうございました^^
あんなに、おかしさのみを追求した小説だとは知らず、不意をつかれてしまいました。
映像化、どうなるんでしょうね〜、原作と全く違う変なキャラを作り出しそうなお方みたいですけども(^▽^;)
原作まんまで行くなら、私のイメージはどっちかというと内山君で〜^^
>ほさち様
あ、すいません、厳密には「イン・ザ・プール」ですが、まぁ、一緒のようなものですよね?
>ゆず様
確かに「直木賞」と思って手に取るとかなり意外に思いますよね(^^
僕のイメージは魔人ブウ(ドラゴンボールの)なんですが、あれは漫画の中の話だからなー。