2004年04月01日

国語研究所

朝日新聞の天声人語の担当者が交代。だからどうした、って、どうってことはない。ちょっと書いてみただけ(^^;

ところで今日は、僕が理研で働いていた当時(もう3年以上前だけど)、文科省から理研に出向していて、今は文科省から国語研究所(なんていうものが存在することだけでも「へぇ」だが)で働いている人と飲み会。一応、そこだけの話ってことだったけど、かなり面白い話で、しかももうすぐプレスリリースされるってことだったからこっそりここに書いちゃう。

今、国語研究所では、若者の略語に注目して、その統一を検討しているらしい。

例えばコンビニの名称。am pmを何と略すのか。エーピーとアンパンが二大主流らしいのだが、当然地域差があるらしい。あと面白いのは地域差だけではなく、性差や年齢差もあるらしい。この例だとエーピーに統一する方向で考えているとのこと。他にも良くあるのが関東のマックと関西のマクド。事態が複雑になっているのは、たかがハンバーガーチェーンで「マック」は格好良すぎると考えた関東人が、関西人の泥臭さを導入して「マクド」と呼び始めていること。この、関東版マクドは関西版マクドと違っているところが問題らしい。関西では「マド」(太字にアクセント)なのに対して、関東のマクドは「クド」なんだそうだ。同じような話では、ミスタードーナッツの「ミスド」。今、日本には「スド」「ミド」「ミス」の3種類の呼び方が存在するらしい。ちなみにこちらの場合は関東では主流が「ミド」であるとのこと。

am pmをどう略すかというのは文字上で表現できるので良いのだが、問題はマクドやミスド。これらは文字にすると全く同じになってしまう。そこでこれらを統一するにあたって、英語の発音記号みたいなもので標記することを検討していたらしい。ところが、ここにきて、世の中のメディア(マスメディアとかのメディアではなく、CDとか、DVDとか、スマートメディアとか、その手のメディア)が非常に高度化してきたため、書籍ではなく、音声で保存したデータベースを整備することにしたとのこと。もちろんインターネットでの検索も可能にするらしい。そこではマクドナルドについて、マック、マクド、マクドの3種類の表現がどういう分布(地域、年齢、性別等で分類)で存在しているか、実際の音声サンプル、そして文科省としてはどの呼び方を推奨するか、を登録するとのこと。

すでに「現代用語の基礎知識」の若者言葉を中心に20000語の略語をリストアップ、分布マップと音声データ(音声はJ-WAVEのパーソナリティとして活躍している秀島史香さんを起用したとのこと)を整備済みなんだそうだ。

しかし、こういう言葉は地域によって色々バリエーションがあるのが面白いところだと思うのだが、それをわざわざお金をかけて統一しちゃおうって考えるところが役人らしいというかなんというか。音声データにNHKのアナウンサーを利用しなかったのが不思議でもあるのだが、ま、いっか。

ところでところで、どうでも良いといえばどうでも良いのだが、僕はずっと「スド」だと思っていたんだけど、これが日本では一番のマイノリティ(5%以下で、今の若者はほぼ100%が「ミド」なんだそうだ。結構ショックを受けたっす(;_;)

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