2004年05月26日

語学と科学

うちの会社はバイオ系のベンチャーだが、採用にあたっては言語能力をかなり重視する。

言語を適切に使うために要求されるポイントをざっくり書くと、
1.言語に関する正確な知識(単語、文法)
2.文法に従った、単語の適切な利用
3.トータルで見た論理的整合性
の3つだと思う。

日本語は成績が良いが、英語はダメ、という人は、多少極論ではあるが、英語に関する「知識」が欠けていることになる。一方で、どんなに知識があっても、それらを適切に利用できない人、および全体としての論理的整合性に配慮できない人は、日本語にしても英語にしても、共通して言語能力が低いことになる。

さて、科学である。上の3ポイントの中の単語を
別の言葉に置き換えてみよう。具体的には、「言語」を「科学」に、「単語」を「情報・データ」に、「文法」を「公理公式」にしてみる。

1.科学に関する正確な知識(情報・データ、公理公式)
2.公理公式に従った、情報・データの適切な利用
3.トータルで見た論理的整合性

すると、そのまま文意がつながる。言語と科学で異なるのは「対象に関する正確な知識」だけで、残りは共通ということだ。つまり、言語能力が高ければかなりの確度で科学者としての能力も高いことになる。

さて、面接の場面を考えてみよう。短時間の面接や論文のチェックでは、科学者が科学に関して2.や3.の能力を持ち合わせているかどうかを検証することは非常に難しい。しかし、2000字程度の小論文を書いてもらえば、言語能力という切り口からそれらの能力の有無を推測することができる。

言語能力が高い人であれば、その人の科学者としての能力は単純に「科学に関する知識の量」に依存する。科学者が正確な知識を持っているかどうかは、その人が書いた論文を読めばおおよそのところは見当がつくし、また、もしそれが多少不足しているとしても、辞典やデータベースなど、各種情報源を利用することによって補完できる。

こうした理由から、当社の採用にあたっては、言語能力を重視するのである。

もちろん、他にも色々と求められるところはあるんだけどね。

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