僕にとってF-1は会話の対象でこそあれ、ほとんど興味のないものになっていた。
僕にとってのF-1はやはり94年のタンブレロで終わっていた。それ以前でれば、87年の中島ロータス・ホンダ勢の4位、89年のセナ・プロ年間10勝を初めとして沢山のニュースがあった。そして、F-1へのイメージはセナをウイリアムズへと引き込んだアクティブサスと、番組開始から号泣している今宮の顔で終わっている。その後ももちろんレースは見ているが、記憶に残っているものは少ない。91年ごろからベネトンで頭角を現したシューマッハーが異常に勝ち続けていること、ホンダが撤退し、復帰したことぐらいだ。フランク・ウイリアムズやケン・ティレルは今もサーキットにいるのかな?プロストのチームはどうなったの?てな具合。一応日曜日の夜にはレースを見るが、セリエAの裏番組という位置づけ。場合によってはさっさとリザルトだけ速報サイトでチェックして寝てしまうといった具合。
しかし、今年になってようやく状況が変わってきたようだ。変えたのは佐藤琢磨とBARホンダ。2002年にジョーダンホンダからフルシーズン参戦した佐藤琢磨は、最終の日本GPで予選7位、決勝5位という好成績を残した。しかし、それ以外のレースではこれといった成績を残せず、2003はBARホンダから日本GPのみのスポット参戦に留まった。しかし、その1レースで予選13位、決勝6位の好成績を残し、モチベーションをなくした(で良いのかな?)ビルヌーブに代わり、2004シーズンのシートを確保した。
今年の琢磨は、予選では7、20、5、7、3、8とコンスタントに成績を残し、決勝でも5位を2回と、それなりの好成績を残してきている。そして、とうとうヨーロッパGPでは予選2位、フロントローを確保したのである。前にはもうM.シューマッハーしかいない。というか、横にいるだけだ。
シューマッハー一人勝ちのF-1サーキットはそれだけで興ざめだが、それにもまして僕は所詮俗物。日本人ドライバーが活躍し、日本製のエンジンが活躍しなければ面白くはない。そして、セナが死んでから10年、ようやく、そしてこれまでにない大波が来たのかもしれない。これからのF-1からは、ちょっと目が離せない。