なんか、年内にも米国産牛肉の輸入解禁となりそうな勢いですが、こんなことで良いんですか?ということで、このブログでは色々とBSE関連情報を発信してきたわけですが、その一環として「週刊!木村剛」さんにBSEをテーマとして現在休刊状態のブロガー新聞を再起動してくれとオーダーをだしたんですね。でも、特に返事がありません。まぁ、何かの事情があるんでしょう。ということで、勝手に「ブロガー新聞」という名前だけ借りて「米国産牛肉、どうすんのよ?」というテーマで展開します(^^; でも、今回はトラックバックを募集していないので、自主的にテクノラティで漁ってきました。
現状認識とかは姉妹ブログの「
米国産牛肉輸入解禁に関するブログ」あたりを参考にしてもらうか、またはこのブログの過去記事(
こちら)を参照してもらうってことで手を抜かさせていただきます。
さて、まず「GTA」さんの「
おかしいぞ!牛肉輸入再開」では、
結局輸入されても別に安全性に問題ないよって
思う人は買えばいいし
やっぱやばいでしょって思う人は買わなければいい。
とのこと。これ、正論。正論なんですが、スーパーの棚で牛肉として売っているものは良いんですが、ほっかほっか弁当の牛肉はどうとか、吉野家の牛肉はどうとか、デニーズの牛肉はどうとか、どこそこの焼肉はどうとか、全部チェックするのは大変ですね。僕なんか、絶対米国産の牛肉は食べたくありませんが、一々チェックするのは大変だし、また「これは国産です」とか書いてあったって、「本当か?」と疑いたくなります。そんな話、今までにも沢山ありましたよね。となると、「本当に信用ができる肉しか食べない」ってことになります。そういう人間がどの程度いるのかはわかりませんが、結果として国内産業としての畜産業は間違いなくダメージを受けるでしょうね。問題はそのダメージが大きいか、小さいか。こればっかりは実際に輸入を解禁してみないとわからないですけどね。きちんとした全頭検査をやっていない米国産牛肉を輸入することによって、きちんとした全頭検査をやっている国内の畜産業者がとばっちりを食うのはどうなんですかね?
ま、それ以前に、牛由来の加工品というのは牛肉以外にも山ほどあるわけです。ヨーグルトとか、プリンとかも関係あるかもしれませんよ。ということで、汚染の可能性のある製品は例えば「
狂牛病で危険な食品早見表」あたりを参照していただくとして、「自己責任で」というのはなかなか難しくないですか?
さて、続いては「ぴーすくんと愉快な仲間達」さんの「
またかよ。 うわわ、いつの間に・・。」というエントリーから。
米、小泉にゴリ押し…牛肉輸入基準緩和をさらに要求
BSEの原因となる異常プリオンの発見で、ノーベル生理学・医学賞を受賞した米カリフォルニア大学の
スタンリー・プルシナー教授は「ある月齢以上なら(BSE)検査が必要で、それ以下なら異常プリオンがなく検査なしで食用できる? そんな月齢を決めるなんて私には理解できない」と語っている。
ZAKZAK 2005/11/04
http://www.zakzak.co.jp/top/2005_11/t2005110439.html
アチャー。 国民を騙す気ですか?
生放送にしない政府ネットTVは、大本営発表の為のプロパガンダ放送かよ。ちゃんと報告汁!!!
んもぉ、、
すくなくともBSE牛は、肉骨粉を食っている牛がなっている事は確かなようだし、とすると、未だに肉骨粉を使っているというアメリカの肉なんか食えるかああああああ。
ZAKZAKの記事を引用しつつ怒り爆発ですが、当然ですね。僕も概ね同感。大体ね、20ヶ月齢以上だとか以下だとかっていうのは検出できるかどうか、っていう話。検出限界以下だってBSEに汚染されていて、それを食べたらvCJDに感染する可能性だってあるんです。なぜ「安全かどうか」の議論が「検出できるかどうか」の議論にすりかわっているのか。不思議ですね。
ただ、このエントリーでちょっとどうなのかな、というのは「未だに肉骨粉を使っている」と書いている点。一応、米国は牛に対しては肉骨粉の利用を禁止しています。ただ、それが遵守されているかどうかはわかりませんけど。全頭検査していれば禁止しているのに違反している、ということがわかる可能性がありますが、米国ではこれをやっていないので、守っているかどうかすらわからないわけですね。で、「全頭検査をやれよ」と言うと、「たくさんいるし、面倒だからやりたくない」と言っているわけ。おいおい、そんな奴等が飼育している牛なんか、食べたいですか?
このエントリーの最後に内閣府のパブコメについての記述がありますが、みなさん、パブコメ、どんどん送りましょう。それでね、ついでだからどんな内容を送ったのか、ブログをやっている人はそこに公開しちゃいましょう。「ちゃんとこういう意見を送りましたよ」ということをネットを使って公表しちゃうんです。まぁ、そういう行動がどこまで効果を発揮するかはわかりませんが、何もしないよりはマシなはず。その際、主張すべきは全頭検査云々とか、20月齢の目視による診断云々ではありません。「米国では何らかの形でBSE汚染飼料が牛に与えられているのではないか」ということです。本来議論されるべきはここ一点。汚染されている飼料さえ与えなければ基本的にBSE牛は発生しないんだから。それでも日本でも米国でもBSE牛が発生しているのはなぜか。そして、それ以前の問題として米国ではBSEの発生をきちんとモニタリングできているのか、ということです。
パブコメの送信は
こちらからどうぞ。
さて、次です。「hidelog」さんの「
タミフルとゼロリスクを望む日本人」というエントリーです。この中で、
世界一厳密な輸血・臓器移植制限、世界一厳しいBSE全頭検査を要求する「ゼロリスク探求症候群」患者の日本国民はいったい、どう反応して何を求めるんでしょうね?
という記述があります。確かに食品に対してゼロリスクを求めるのはナンセンスですね。しかし、努力によってリスクを減らすことが出来るのであれば、またその努力が決してむちゃくちゃな努力でないなら、そりゃ要求したいのが普通じゃないですかね。牛に異常プリオンが含まれている飼料を与えない、って、そんな無茶な注文ですかね?
米国では「もったいないから鶏には食べさせちゃおう」って牛の肉骨粉を食べさせておいて、その鶏の排泄物を牛に食べさせているわけです(詳細は「BSE&食と感染症 つぶやきブログ」さんの「
【牛に鶏糞】鶏糞への肉骨粉混入率を30%程度とFDA要官見積(=年間30万トン?)」というエントリーを参照願います)。でね、それが安全なのかどうなのか。さっぱりわからないわけですよ。異常プリオンは加熱しても変性しないわけで、また牛に食べさせたって変性しないわけです。鶏に異常プリオンを食べさせても、鶏にはそれが蓄積されない可能性が高いようですが(って、これだって検出できないだけでしょうが)、それがそのまま排泄されていない保証は何もないですね。万一その中に異常プリオンが含まれていれば、当然それを食べた牛はBSE発症リスクを持つわけです。
僕個人について言えば、ゼロリスクなんて求めてないんです。さっさと牛の肉骨粉の使用を全面的に禁止してくれれば良いだけ。これって、そんなに無茶ですかね?
どんどん行きます。「本当にあったオカシイお話(笑)、きれいな空、学生時代からタッキー」さんの「
あなたも僕も狂牛病になるかも知れない。視界は最悪?」というエントリーから。
なんてことになったら、どう責任をとるのかと聞きたいです。
短い引用ですが、この部分も議論されるべき大きな問題点の1つです。
vCJDは潜伏期間が長く、また感染した場合の原因物質を特定することが非常に困難です。日常的に牛肉を食べているわけですから、何年何月何日に食べた牛が原因、なんていうことを決めるのは凄く難しいわけですね。もし発病者がいて、その人が海外生活がちょっとでもあれば、「○○で生活していたので、そこで感染した可能性が高い」なんていうことにされてオシマイ。誰も責任の取りようがないわけです。vCJDになっちまえば、なり損。で、どうなるか。残念ながら死ぬしかないわけです。「あの時輸入解禁に賛成した小泉内閣が悪い」なんてことにはまず間違いなくなりませんし、なったときには関係者は皆死んでるか、ボケてるか、vCJDになっているか。薬害エイズで同じような話がありましたねぇ。
次は「ひなたで飲酒」さんの「
アメリカン・ビーフ礼賛」というエントリー。いや、なるほど一つの見識ですね。頭が固い「米国産牛肉輸入解禁反対論者」はもちろん、「さっさと輸入解禁しろ」という人たちにも一読をお勧めしたいエントリーです。細かく引用して論じるのはそもそも野暮というもの。是非、全文をお楽しみ下さい。
お次は「安全農産ブログ」さんの「
BSEリスクコミュニケーション」というエントリー。このエントリーは意見や感想ではなく情報提供ですが、
近畿農政局より、食品安全委員会主催の「食品に関するリスクコミュニケーション−米国・カナダ産牛肉等に係わる食品健康影響評価案に関する意見交換会」の案内が来た。輸入再開を急ぐ国による、国民の意見を広く聞きました、というアリバイ作りなのだろうが、全国で7ヶ所しか開催されないようなので早速申し込んだ。
とのこと。じゃぁ、そのリスクコミュニケーションはどこでいつやるのさ、ということですが、それはこちらをどうぞ→内閣府「「
食品に関するリスクコミュニケーション−日本における牛海綿状脳症(BSE)対策に関する意見交換会−」の開催と参加者の募集について(お知らせ)」
応募は先着順です。関係者なら誰でも良いみたいですね。もちろん、牛肉を食べるだけの人も立派な関係者ですよ。
とりあえず、次が今回のラスト。「セツナサ記念日 別館」さんの「
肉」というエントリーから。
偉い人は、「自己責任で食べてね」って言ってました。
ふーん。
自己責任って、じゃ、給食とかはどうなんでしょう。
給食は、牛、出ないんでしょうか。
判断能力のない子どもは、どうすればいいんでしょう。
少なくともある程度大きくならないと、判んないでしょう、子どもは。
それも自己責任なんでしようか。
なるほど。僕は子供がいないのでこういう視点で考えたことがありませんでしたが、確かに給食で牛肉を出されたらアウツですね。まぁ、当分給食から牛肉を除くしかないでしょうね。ところで、最近は給食で牛肉って出るんですか?僕が子供の時は哺乳類の肉は鯨だけだったなぁ。
さて、今回の企画は別に輸入解禁推進派のブログを避けたわけではなく、単純にテクノラティで検索して最近の記事から順番に掲載してきました。恣意的に何かやったわけではないです。コメント、トラックバック、いつでも歓迎。というか、本来のブロガー新聞は投稿が中心になるべきなので、是非積極的にトラックバック投稿していただければ幸いです。特にテーマを絞るなら、1.米国の畜産業は本当に信用できるのか? 2.輸入解禁したときの国内産業への影響は? 3.個人が自己防衛可能なのか? 4.万一vCJD患者が発生したときの責任の所在は? あたりについてということでよろしくお願いします。
#末筆ながら、勝手に「ブロガー新聞」の名称をタイトルに使ってしまいました。もしまずかったら言って下さい。>木村剛さま