2015年01月17日

吉島信広 新作展 2015

吉島さんの新作展に行ってきた。







夕方に落語もあって、桂三四郎さん(@katsura346)の「野ざらし」と創作落語一本を見た。笑いのレベルが比較的高いと自負しているのだけれど、時々くすくす笑ってしまう内容で楽しめた。ところで、見台と小拍子を使っていなかったのだけれど、それは桂三枝さんなどの流れからなんだろうか?「ちりとてちん」では上方の特徴として紹介されていたので、「あれ?」と思った。

吉島信広 新作展 2015 
NOBUHIRO YOSHIJIMA  
NEW EXHIBITION 2015
会期:2015年1月10日(土) ‐ 1月20日(火)
開廊時間:11:30−19:30
最終日は18:00終了/会期中無休

#おくさん、火曜日までですよっ!!!!  

Posted by buu2 at 21:00Comments(0)TrackBack(0)美術

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2013年06月26日

紫陽花を

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見にきて咲かす 傘の花
  
Posted by buu2 at 16:24Comments(0)TrackBack(0)俳句・落語

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2009年10月06日

創作落語「八方尾根」

注釈:本落語は創作落語「鹿島槍」の続編です。まだの方は、まずは創作落語「鹿島槍」を読んでからお楽しみください。

去年は大勢で鹿島槍に乗り込んだわけですが、思いのほか楽しかったので「よーし、おじさんは今年も鹿島槍にいっちゃうぞー」などと思ったわけです。ところが、今回は前回一緒にでかけた配管工が忙しいとか言うわけで、しかも木曜、金曜の平日に行こうなどということになってしまい、さらには

後輩「今年は八方のリフト券をゲットしたので、鹿島槍じゃなくて八方に行きましょう」
自分「えー、そうなの?鹿島槍に行きたいなぁ」
後輩「いやいやいや、今年は八方で、来年鹿島槍にしましょう」

ということで、後輩とデパガと私の3人でど平日に白馬に行くことになりました。デパガはサキちゃんという名前なのですが、まぁ、直子とか明美とかのありきたりな名前に比較するとちょっとだけ凝った名前なものですから、色々と不便がおきます。もちろん普通に会話しているときには何の不自由もないのですが、運転席に私、助手席に後輩、私の後ろにサキちゃんという配置だとこれはもういけません。何しろ顔を見ながらの会話ではもちろんないし、ともすると雑音にかき消されてしまいがちで良く聞こえなかったりします。

後輩「先輩、このCDと、こっちのCDと、どっちかけましょうか?」
自分「運転していて見えないよ。こっちじゃわかんない」
後輩「えっと、ビリー・ジョエルと清志郎です」
自分「じゃぁ、清志郎をサキにしよう」
サキ「え?なんですか?」
自分「いや、君のことじゃない」

なんて会話から始まって、

後輩「ちょっとトイレ行きたいので、どこかのサービスエリアに寄ってもらえますか?」
自分「すぐサキにあるから、そこで・・・」
サキ「呼びました?」
自分「いや、呼んでない」

とか、

自分「この間ツタヤで借りてきた「映画クロサギ」がさぁ・・・」
サキ「ん?なに?なに?」
自分「いや、なんでもない」

みたいな会話が何度も繰り返されるわけです。多分この子の親は日常会話に「サキ」という言葉が頻繁に出てくることなどは全然考えもせずに後先構わず名前をつけちゃったんだろうなぁ、などと思いつつ、でもまぁこういう特殊な状況下以外では別に不都合もないんだろうなぁ、などとも思い、まぁ何でも良いかと思った「矢『先』」の「サキ」あたりでまた名前にぶちあたるわけです。行くサキザキでこうやって自分の名前にぶつかるわけですから、それはそれでいつも呼ばれているような、難儀な名前という考え方もできるわけですね。で、今回は運転席と後部座席という声が聞こえそうでいて良く聞こえないような環境なものですから、サキが思いやられるわけです。

さて、何はともあれ新宿で集合して、白馬に向かって走り出したわけですが、いきなり

後輩「あーーーーー」
自分「なになに、いきなりどうしたの」
後輩「会社にリフト券を忘れた」

今回はリフト券がただだから、ということで白馬にしたというのに、肝心のリフト券を忘れてしまったのでは話になりません。

自分「どうするの?」
後輩「八方の知り合いのおじさんに頼み込んでみる」
自分「それで大丈夫なの?リフト代、持ってきてないよ?」
後輩「うん、多分大丈夫」
自分「まぁ、なんでも良いけどね。じゃぁ、会社に戻らなくてもいいね?」
後輩「全然問題ないです」
自分「全然って、ほんとかよ」
後輩「しかし、なんで忘れちゃったのかなぁ」
自分「あのね、30過ぎたら、メモしたほうがいいよ、何でも」
後輩「メモですか?」
自分「うん、忘れたら困るものから順番にメモしておけばオッケー」
後輩「うーーーーん、もうそんな年なのかなぁ」
自分「だってさ、41歳って言ったら、切り上げたら50歳だよ」
後輩「えーーーーーーー、ちょ、ちょっとちょっと、切り上げないでくださいよ」
自分「いや、実際に切りあがるわけじゃないんだから。でも、たまにはこうやって老後をシミュレーションするのも悪くないよ」
後輩「そういう問題かなぁ?」
自分「そういう問題だよ。それで、50って言ったら、10の位を四捨五入したら、もう100歳だよ」
後輩「やだなー、そういう四捨五入は」
自分「切り上げでも良いけどね」
後輩「切り上げても一緒じゃないですか」
自分「ま、何でもいいんだけれど、とにかく20過ぎたらメモが大事だってこと」
後輩「なんか、年齢前倒しになってませんか?」
自分「あれ?そうだったっけ?サッキはなんて言ったっけ」
サキ「ん?私は何も言ってませんよ」
自分「あー、そうだったっけ。勘違いだったかな」

もうこのあたりまでくると面倒なので話をあわせちゃったほうが話が早いわけです。

自分「ところでさ」
後輩「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
自分「何黙ってるの?」
後輩「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
自分「ひょっとしてさ、CD忘れたんじゃない?」
後輩「えーーーーー、なんでわかるんですか?」
自分「いや、だって、そこで固まる理由って、それぐらいしかなくない?今回はCD持ってきてっていうお願いしかしなかったのに」
後輩「あーーーーー、何やってんだろう、私」
自分「だーかーらー」
後輩「メモですね、はいはい、わかりましたよ、次からメモしますよ」
自分「人生の先輩として言えるけれど、ま、10歳過ぎたら何でもかんでも真っサキにメモだね」
サキ「え?何をメモすれば良いんですか?」
自分「いや、頼んでない」

ということで東京を出たのがもうすでに22時なわけです。調布あたりで夜ご飯を調達して、中央道から長野を目指していると、須玉あたりから雪が降ってきて、「この調子で白馬までスノードライブは大変だなぁ」などと思っていたのですが、助手席の後輩は「ちょっと寝ます」とか言って寝ちゃった。後ろのサキちゃんはサキちゃんで起きているのか寝ているのか、気配がない。こうやって暇になると、ついついつまらないことを考え出すわけです。考えたことは、後ろから「呼びました?」と呼ばれるようなネタは何かないかなぁ、ということ。サキ、サッキあたりが言葉の中に含まれていることが何かないかなぁ、自然にこういう言葉が含まれないかなぁ、などと考えているわけですが、いざ考え始めるとなかなか見当たらない。いや、言葉自体はあるのだけれど、自然な展開で出てこない。

「いやー、今日は一日営業だったんだけれど、営業サキのお姉ちゃんがさぁ・・・・」ってこれはこれで流れが良すぎてわかりにくい。かといって、「今日のNHKニュースでは青山アナがサッキに満ちていてさぁ」って、これだと今度は不自然になりまくり。こちらで意図しなければ「なんですかぁ?」とか「呼びましたぁ?」とか後ろから声がかかって楽しいんだけれど、いざネタとして考えようと思っているとなかなか思いつかないわけで、だんだん目がさえてきます。そんなことを考えているとは多分誰も気づいていないわけで、しばらくして助手席の後輩も目を覚ましたのだけれど、何か話しかけられても完全に上の空です。

後輩「先輩、諏訪を過ぎたから、そろそろ高速降りますよね?」
自分「サッキ高速降りちゃったよ」
後輩「え?まだ高速走ってますよ」
自分「あれ?そうだね。っていうか、サキちゃんは寝てるの?」
後輩「寝てますよ」
自分「せっかく考えているのに」
後輩「何を考えているんですか?」
自分「いや、駄洒落エンジンをフル活動させてるんだよ、サッキから」
後輩「どのあたりが駄洒落なんですか?」
自分「口サキからでまかせだよ」

って、またどこかにサキを入れようとしているのだけれど、そもそも後部座席のサキちゃんは寝ているから全然意味がないわけです。末期的になってくると、もうあ行からはじめて片っ端から言葉を捜すわけで、あさき、いさき、うさき、えさき、おさき、かさき、きさき、くさき、けさき、こさき、ささき、しさき、すさき、せさき、そさき、たさき、ちさき、つさき、てさき、とさき、なさき、にさき、ぬさき、ねさき、のさきとサキが頭の中を行ったりきたりします。

自分「釣ったイサキをササキが食べたいっていうからタサキのおじさんに調理を頼んだらノサキがやってきてオオサキに行こうっていう。オオサキに行くならカワサキでウサキを捕まえてうちのオキサキにプレゼントしたらどうだろうと思ったヤサキ、敵のテサキがテバサキを持って攻めてきてヘサキが折れてしまった・・・・・」
後輩「先輩、なんの早口言葉ですか?」
って、しまった、声に出していた。

しかしまぁ、会話は上の空でも車の運転はそれなりに集中してできるもので、なんとか無事に白馬の町まで到着したわけです。

後輩「先輩、今年はどんな落語ができるんですかね?」
自分「何か、ネタを提供してよ」
後輩「いやですよ、そのあたりは他の皆さんにお任せしますから」
自分「そうなんだ。まぁ、何しろ今日はまだ来たばかりだからね、このタイミングで何かやらかしちゃうと、いきなり落ちになっちゃって困っちゃうよ」
後輩「そういうものですか?」
自分「そりゃそうさ、落語はじめていきなり落ちじゃぁ、そこで終わっちゃうジャン」
後輩「ふむふむ、でも、いきなり落ちの落語も斬新じゃないですか?」
自分「斬新かもしれないけれど、みんな『どういう落ちなんだろう』って楽しみにしているんだから、最初から落としちゃ反則でしょ」
後輩「なるほどねぇ。落語も奥が深いですね」

などと話をしながら宿に荷物を運んでいたら、後輩がいきなり立ち止まったわけです。

自分「なんだなんだ、いきなり落ちを提供?」
後輩「えーーーーーー、どうしよう。私、何やってるんだろう!!」
自分「え?どうしたの???」
後輩「いや、あの・・・・・・・・・ブーツを忘れました」  
Posted by buu2 at 15:07Comments(0)TrackBack(0)俳句・落語

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2009年02月08日

墓参り

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墓参り
これでも横浜
ど田舎だ
腹が減ったぞ
ソバでも食うか  
Posted by buu2 at 13:13Comments(0)TrackBack(0)俳句・落語

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2008年02月18日

創作落語「鹿島槍」(第二稿)

最近はもうスキーに行くなんていうことも年寄りの道楽となり、ゲレンデに行ってもウェアなどを見ていると10年前、15年前に流行ったようなものが目に入るわけです。あぁ、どいつもこいつも足腰もフラフラの癖によくあんな寒いところに行くなぁと思います。30を超えたらもうスキーでもないでしょう。温泉に入って酒を飲んでおしまい、というのが常道です。

それで、今回は大学の後輩から連絡があって、誰か鹿島槍に連れて行ってくれないか、とのこと。鹿島槍というのは大町と白馬の間にあるスキー場で、このスキー場の経営者が学生時代に一緒にスキーをやっていた仲間なんです。ちょっと前なら「私をスキーに連れてって」ということですけど、さすがにお互いもう良い歳ですからそんなシャレたものじゃありません。じゃぁ、一泊二日で、昼は鹿島槍にスキーに行って、夜は飲み会ついでに白馬の温泉に泊まろう、ということになりました。

彼女は大学の女友達を連れてくるというので、その時点で両手に花だったわけですが、どうせなら誰か暇そうな奴をもう一人、二人連れて行こうか、などと考えて声をかけたところ、私達より5つぐらい下の配管屋を経営している男と、15ぐらい下のデパガが一緒に行くと言うのですね。我々としてもこのくらい下の人間がいると何かと便利なので、ラッキーと思ったわけです。ところが、私達三人の不良社会人は金曜日から行くぞーと気勢をあげていたのですが、後から声をかけた二人はまだまだまじめなものだから、配管屋は

配管「いや、私は一応社長なので仕事は休めません」

というし、デパガも

デパ「お客さん相手の仕事なのでいきなりは休めません」

とのこと。仕方がないので、私達三人は先発隊として宿を温めておくことにしたわけです。

さて、じゃぁ金曜日の朝に出て、がんがん滑ろうかと思ったら、言いだしっぺの後輩が

後輩「いや、先輩、どうせなら埼玉で美味しいラーメンを食べてから行きましょうよ」

というのですね。確かに埼玉には美味しいラーメン屋を一軒知っているのですが、それにしてもわざわざ金曜日に休みを取ってスキーにでかけるのにその金曜日の真っ昼間からラーメンを食べるというのは一体どういう了見かと思ったのですが、そこは後輩と言っても私は男性であちらは女性ですから、先輩後輩よりも女性の立場が優先されてしまうわけです。後輩の友達も

女友「そりゃラーメンでしょう」

と言うので、昼前にのんびり集合して、うちの近所でラーメンを食べたわけです。このラーメンはいつも美味しいのでラーメンそのものに対して全く不満はないのですけれども、ラーメンを食べるならわざわざ今日じゃなくても良いのになぁなどと思うわけですが、後輩と友達はおいしそうに食べていたのでまぁ良しとするしかないわけです。

さて、ラーメンを食べ終わって、所沢から高速道路に乗って、一路長野を目指したわけですが、もうすっかり太陽は一番上を通り過ぎて、徐々に夕方になりつつあるわけです。宿泊する白馬界隈はいつも天気が悪く、夜になると道がつるつるになりますから、

自分「あー、暗くなる前に白馬まで行きたいなぁ」

などと思っていたのですが、そこでちょっとカーナビに行き先を入れてみたら、

ナビ「そっちよりこっちの方が近いですよ」

と言いやがるんですね。カーナビと言う奴は過去の経験からすると本当のことを言うことも多いのですが、言われたとおりに走ると遠回りになったり、意味もなく有料道路を走らされてしまうことも多く、かといって信頼せずに別の道に行ってみると行き止まりだったりするわけです。

自分「こいつは信用ならない」

とは思ったのですが、やはり暗くなる前に着きたいという気持があったので、騙されたと思ってついつい言われたとおりに麻績(おみ)インターチェンジで降りて、そこから大町方面に一般道を走り始めたわけです。すると、これが雪がなくても心細くなるようなワインディングロードでして、そこを当然のように雪がパックしているのです。しかもかなり急なのぼり道。登ったら、当然下らなくちゃいけないよなぁ、などと思いながら運転しているのですが、助手席と後部座席では後輩と女友達が楽しそうに音楽の話や景色の話などをしておりまして、

自分「こいつら、今この瞬間の自分の命の危険などは考えてもないのだろうな」

などと思いながら運転をしていたわけです。良くこんなところに人が住んでいるものだなぁ、などと思っていたのですが、なんだかんだで峠を越えて大町に出たのは高速を降りてから1時間30分ほど経過していたわけで、騙されたと思ってカーナビに従ってみたわけですが、大町に着いたときには「やっぱり騙された」と気付くことになりました。

大町からようやく知っている道を走って、青木湖の脇を抜けて、白馬の温泉街についたときにはもう17時を過ぎていました。さて、ではこれから八方でナイターでもするのかな、などと思ったのもつかの間、そこで待ち受けていた宿のおじさんが

おじさん「じゃぁ、今日は店を予約してあるから」

と、飲み会の相談になりました。なんでも地元の有名店で美味しい鯉を食べさせてくれるそうです。それはそれで嬉しいのですが、

自分「何時集合ですか?」
おじさん「じゃぁ、15分後に」
自分「そんなに早く?」
おじさん「有名店だからすぐに一杯になっちゃうんだよ。一番客にならないと!」

すでに気合十分です。荷物を降ろしたらすぐに出発するような状態です。折角休みを取っても移動とラーメンと飲み会でつぶれてしまうとは思いませんでした。

しかしまぁその宿のおじさんは元オリンピック選手ということもあって白馬の町の名士です。名士が予約を入れてくれているのだから「いや、折角だけどスキーをしてきます」となるわけもなく、もちろん飲みに行くことになりました。集合して、歩いて5分ぐらいのお店に到着すると、そこにはすでにおじさんの友達の先発隊がいます。なんでも大学の先生の夫婦と鋳物屋の夫婦だそうで、とにかくこちらももうやる気満々です。我々が店に着くちょっと前に着席していたようですが、挨拶もそこそこにお酒を選び始めています。

大学妻「私はどぶろく」
鋳物妻「私は焼酎」
大学「オレは日本酒で」
鋳物「じゃぁ、オレも。冷でね」

お店のお姉さんがやってきてとりあえずお茶をくれたのですが、

大学妻「私達はこれはいらないから」
鋳物妻「うんうん、いらない、いらない」

と奥様方。折角持ってきてくれたのだし、小心者の私などはまぁあっても困らないものだからなぁ、などと思っていたのですが、お姉さんがお酒の注文を取り終わったときには再び

大学妻「だから、これはいらないから」
鋳物妻「そうそう、私達にはいらない」

とお茶を片付けさせてしまいます。オリンピック選手ですら

五輪「この人たちのペースで飲んでいると大変なことになるから大概にしておきましょう」

などと言っているわけで、こりゃ明日はちゃんとスキーが出来るのかな、とちょっと不安になったりもしました。

そこからはもう良く覚えていないのですが、とにかく

大学「まぁ飲め」
鋳物「さぁ飲め」

で約5時間。料理も食べましたがほとんどが飲みです。ビールがあけば

大学「お姉さん、焼酎!」

だし、焼酎があけば

大学妻「お姉さん、日本酒ちょうだい!」

だし、日本酒があけば

鋳物妻「お姉さん、どぶろくお願い!」

という調子です。オリンピック選手は

五輪「金も暇もある人がうらやましいよねぇ」

などとのんきに話しておりましたが、実際のところ彼らには金と暇の他に強靭な肝臓も持ち合わせているようで、せいぜい暇しか持ち合わせていない私達のような凡人には真似ができません。

結局10時すぎまでその店で飲んだわけですが、それから宿に帰ると宿の囲炉裏を囲んでまた飲み会です。なんでも鋳物屋さんのご主人は焼酎コレクターで、家には一室焼酎の保管部屋があるとのこと。今日はそこからさまざまな逸品を持ってきたとのことで、それを片っ端から飲み始めたわけです。つまみはホヤとか、クサヤとか、馬の燻製とか、ホッケのトバといった、山海の珍味が準備されているわけです。これらをつまみにとにかく飲む。これは大変なことになったぞ、と思ったのが12時ごろですが、そこでようやく後発隊の配管工から電話がかかってきて、

配管「今、岡谷です」

というのですね。ここまで起きていたのだから到着まで待とうかな、などと思っていたら、オリンピック選手も

五輪「まさかまだ寝ないよね」

と言ってくるわけです。いつの間にか逃げる側までもが追いかける側になっていて、もはや逃げ道もなくなってしまいました。まぁ、お酒もつまみも十分にあるので、そのあたりは困ることはありません。ただ、ちょっと甘いものを食べたい気がします。そこで、デパガの携帯に

自分「君の先輩がシュークリームを食べたがっているから、コンビニで買ってきてくれ」

とメールをして、それから飲み会の続きをしたわけです。配管工とデパガがシュークリームを手に到着したのはもう1時すぎだったわけですが、このときにはもうすでにこちらもミイラ取りの側になっていて、

自分「お酒ならたっぷりあるから、さぁ、飲もう」

ということになりました。配管工は一人で運転してきているので結構疲れている様子でしたが、こちらはすっかり出来上がっているので関係ありません。

自分「さぁ、飲むぞ」
配管「いや、今まで運転してきて疲れているんですが」
自分「それはちょうど良かった。これを飲むと疲れが取れるよ」
配管「明日は朝が早いんですよね?」
自分「うんうん、これを飲めばぐっすり眠れる」

こんな感じで飲み会は継続です。

デパ「先輩、御所望のシュークリームです」
後輩「え?なんのこと?」
デパ「さっき、シュークリーム買って来いってメールをくれたじゃないですか」
後輩「えー、もうこんなに食べてるんだからいらないよ」
自分「あ、ごめん、それを食べたかったのは私です」
後輩「勝手にだしに使わないでくださいよー」
自分「あ、いらないの?それならふたつ食べちゃうけど」
後輩「いや、やっぱり食べようかな」
自分「ほら、やっぱり食べたいんじゃん。心の声を代弁してあげたんだよ」

何やらちょっと不満そうな後輩ですが、もう酔っ払ってますから全然構いません。

五輪「そこの若い君もスキーをやるのかね?」
配管「はい、ちょっとだけ」
後輩「この人はね、丸山寿一さんって言う人で、オリンピックの代表選手だったんだよ」
寿一(五輪)「キリーに負けちゃったんだよねぇ」
デパ「キリーって誰ですか?」
自分「えーー、キリーも知らないの?ステンマルクの前に活躍していた人だよ」
デパ「ステンマルクも知らないんですが」
自分「いつから知ってるの?」
デパ「トンバからかなぁ」
自分「それじゃぁ全然話がつながらない」
寿一「話がつながらないといえばつながらないんだけど、3月にある八方リーゼンに出なくちゃならないんだよ」
自分「あぁ、あの、凄い長距離を滑る奴ですね?」
寿一「そうそう。名前の寿一に引っ掛けて、生涯11番スタートなんだよね」
後輩「へぇー。頑張ってくださいね」
寿一「君たちも出たら?」
配管「え?まだ、申し込めるんですか?」
寿一「いや、昨日が締め切りだった」
配管「なぁんだ。じゃぁ、駄目じゃないですか」
寿一「じゃぁ、来年だね」
配管「来年ですね」
後輩「寿一さんは、明日はどうするんですか?」
寿一「明日は、テレビで評論家をやってる竹村なんとかっていうのが来て、スキーを教えなくちゃならないんだよ」
配管「えっと、あの、髪の毛が薄い?」
後輩「九一わけの?」
自分「あぁ、竹村健一さん?」
寿一「そうそう、その竹村さん」
後輩「竹村九一と丸山十一のコンビですね」
自分「言ってやったらどうですか、『おれは十一、お前は九一』
デパ「いや、それはさすがに・・・」

こんな感じで結局3時過ぎまで飲み会です。しかしまぁ、さすがに体力も無尽蔵ではありませんから、

自分「そろそろ寝るか」
後輩「そうですね。明日はスキーだし」
デパ「そうですよ!」
後輩「明日は何時に起きようか?」
自分「ちりとてちんがあるから8時15分までには食べ終わりたいね」
女友「じゃぁ、8時集合で」
自分「よし、8時集合で」

そういうことになりました。部屋に戻ると配管工に

自分「七人の侍のDVDを持ってきたから、朝までこれを観ようか」

と提案したのだけれど、奴は部屋に戻ると速攻で意識を失ってしまいました。翌朝、予定通りに8時ちょっと前に起きて食堂に行くと、デパガの女性だけが食堂にいます。

自分「あれ?残りの二人は?」
デパ「まだ来ないですねぇ」
自分「まだ寝ているのかな」
デパ「まぁ、もうちょっと待ってみましょう」

ところが、10分ほど待っても二人とも来ません。

デパ「電話してみましょうか」
自分「うん、どうせまだ寝ているよ。電話してみよう」

電話をする彼女。

デパ「おはようございます」

デパ「みんな来てますよ」

デパ「はい、はい」

デパ「じゃぁ、待ってますね」

デパ「ちょうど今起きたところだって言ってました」
自分「蕎麦屋の出前みたいなものだね。どうせあと5分は来ないから、先に食べていよう」

ということで、3人で先にご飯を食べることにしました。

自分「彼女達は先輩だから、君は言いたいことも言えないでしょう?」
デパ「いえ、そんなことはないですよ」
自分「いや、そんなことはあるでしょ。じゃぁ、今日は私が全部代わりに言ってあげるよ」
デパ「じゃぁ、お願いします」

などと話をしながら食事をして、食べ終わった頃にようやく登場したのが後輩とその友達。

自分「遅いねぇ。もう食べ終わっちゃったよ」
自分「『何やってんだよ、遅すぎ。ふざけんなよ、先輩だと思って。もう食べ終わっちゃったよ』だって」
後輩「誰が言ってるの?」
自分「いや、このデパガが」
デパ「えーーー、言ってないですよ」
自分「私は心の声を言ってあげてるの」
デパ「言ってないです」
後輩「あ、私、この卵、いらない」
自分「『わがまま言ってんなよ。好き嫌い言わずに全部食え』」
デパ「思ってませんから」
後輩「コーヒー飲みたい」
自分「『自分で取って来い』」
デパ「あ、持ってきます」
自分「『まったく世話が焼ける先輩だよな』」
デパ「思ってませんってば」
自分「それで、今日は何時に出発する?」
後輩「うーーん、これから準備するから、10時ぐらい?」
自分「『あのー、日帰りで来てるんですけど。折角来たんだからすぐに滑りたいんですけど』」
デパ「いや、ゆっくりで良いですよ」
後輩「しょうがないなぁ、じゃぁ、食べて、着替えて、準備して、9時30分ぐらいかな」
自分「『ありえなーーーいい!!』」
デパ「いや、良いです良いです、それで」
自分「荷物はどうするんだろうね。置いておいても良いのかな?」
後輩「なんか、今日はお客さんが多すぎて部屋を掃除できそうにないから、全部おきっぱなしで良いらしいですよ」
自分「無理に頼んだんじゃないの?」
後輩「いや、そんなことないですよ」
自分「『やだやだ、こんな厚かましいおばさんにはなりたくないわね』」
デパ「いえ、ホントに、全然そんなこと思ってませんから」
自分「さて、じゃぁ、そろそろ部屋に戻って準備をしよう。今日はちゃんと滑るからね」

食堂で男グループと女グループに分かれて、部屋に戻ったのですが、部屋に戻るなり、配管工が

配管「ちょっとトイレに行ってきます」

といって出て行ってしまいました。集合時間まではあと20分。

自分「よーし、びっくりさせてやれ」

と思い、ジャージの上からスキーウェアを着て、配管工が戻ってきたら

自分「何やってるんだよ。もう準備できちゃったぞ。急がないと置いていっちゃうよ」

と言ってやろうと待ち構えていたのですが、5分経っても、10分経っても戻ってきません。暖房が効いている部屋でスキーウェアですから、汗まで出てきました。配管工がようやく戻ってきたのは集合時間の5分前です。

配管「あれ?準備早いですね?オレもすぐ着替えます」
自分「いや、お前をびっくりさせようと思っていただけで、準備はまだ全然してない」
配管「え?また脱ぐんですか?」
自分「だって、何も準備してないんだもん」
配管「何やってるんですか。急がないと間に合いませんよ」
自分「お前のトイレが長すぎるんだよ」
配管「いや、だって、オレはちゃんと間に合うように支度してますから」
自分「これなら最初から普通に準備しておけば良かったよ」

とにかくこいつとしゃべっている時間はないので、大急ぎでスキーウェアを脱いで、シャツを着て、トレーナーを着て、タイツをはいて、全部一からやり直しです。私が玄関に集合したのは予定より5分遅れ。みんな入口で待ってます。

自分「さて、じゃぁ行こうか」
配管「オレは道がわからないので、後ろからついて行きますね」

いや、私も道は知らないんだけど、と言おうと思ったのだけれど、みんな知らないならまぁいっか、と思い、そのまま出発したわけです。白馬の温泉街から鹿島槍までは片道30分ほど。一本道のつもりでいたのだけれど、例によってカーナビ君が

ナビ「こっち」

とか言ってます。でも、昨日のことがあるから信用できません。カーナビは左折を指示していたのだけれど、そのまま直進してみました。すると、カーナビが推奨していた道が横にあるのですが、こちらはあんまり車が走ったあともなく、道も心なしかカーブが多いのです。右側は湖で、ハンドルを切り間違ったらつめたい水にどぼん。

自分「しまった、カーナビの言うとおりにしておけば良かった」

と思ったのですが、まぁどうせ後ろの車はこんなことになっているとは知りません。知らぬがホットケ、ということで、そのまま走り続けたのですが、最終的にその道は直進通行止めとなってしまい、残念ながらカーナビの推奨する道に戻らざるを得ません。不本意ながら交差点を左折して、さらに目的の道路に乗ろうと思ってカーナビの言うとおりに側道に出て、ぶつかった道を右折しようとしたら、なんと中央分離帯があって右折できません。仕方なしに左折すると、今度はUターンする場所がありません。しばらく鹿島槍スキー場と全く逆方向に走って到着したのはヤナバスキー場でした。仕方がないのでそこの駐車場に入って、Uターンして、今来た道を戻ったわけです。

自分「今頃、向こうの車は『何やってるんだろう』って感じだろうね」
後輩「『何道間違ってんだ、このボケ』って言ってますよ」
自分「そうだよね」
後輩「『今日はたくさん滑ろうと思って張り切って来たのに、台無しジャンか』
自分「スイマセン」

道を戻って、さっきの交差点を過ぎて、5分ほど走るとようやく鹿島槍の駐車場へのT字路に到着しました。そこを右折して山を5分ほど登ると、駐車場に到着です。

配管「さっきのUターンはなんだったんですか?」
自分「いや、色々都合があったんだよ」
配管「道を間違ったんですか?」
自分「まぁ、そういう言い方もあるかもしれないけどね」
配管「方向、逆でしたもんね」
自分「『何道間違ってんだ、ボケ』」
デパ「いや、思ってませんから大丈夫です」
自分「『こんな田舎で道を間違えるなんてマジウケるんですけど』」
デパ「ホントに思ってないですって」
自分「『アホらしい話をしてないで、さっさとすべりに行こうぜ』」
デパ「いや、それはともかく、準備して、滑りましょう!!」
配管「うんうん。しかし、結構寒いですね」
自分「そうかな?そうでもなくない?」
配管「まぁ、滑り始めれば暖かくなるかな・・・あっ!スキーウエアの下、シャツしか着てない!」
自分「馬鹿か、お前は。のんきにトイレなんか行ってるからだよ」
配管「グローブは忘れたのに気がついて戻ったんですけどね。さむーい」
自分「はいはい、じゃぁ、馬鹿は放っておいて、滑りに行こうか!」

さて、トランクを開けて、みんなの道具を下ろして、そして、

自分「しまった、宿にブーツを忘れた!」



参考:関連リンク集
鹿島槍スキー場
大根館
丸山寿一さん(ベラークの大杖さんのページ)
竹村健一さん  
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2007年10月29日

鱗雲

5caf8a23.JPGランドマークで打ち合わせ
  
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