2010年08月15日

カティンの森

5dcc0f4c.jpg他人事としてではなく、この地球に生きている人間の一人として、地球の記憶の一つを確認するつもりで敗戦の日にこの映画を観てみた。

ポーランド人の巨匠、アンジェイ・ワイダがその人生の集大成として撮ったと思われる超力作。

今となっては多くの人の知るところとなったカティンの森事件だが、ほんの20年程度前まではその全容が隠蔽されたままだった。しかし、ポーランドの人々にとっては忘れてはならない事実として深く刻まれていたのだろう。東側諸国の一員として表明できずにいたその思いは、ポーランド人そのもののアイデンティティのひとつとして、全世界に訴えかける機会をずっと窺っていたのだと思う。全ての環境が整い、ようやくそれが形になったのがこの映画なんだと思う。

カティンの森事件を中心としたポーランド人の悲劇は3つ。一つ目は、ドイツ、ソ連という軍事的大国の思惑によって国家が引き裂かれたこと。二つ目は、その余波としてのカティンの森事件。三つ目は、その事実を多くの人が知りつつも、それを表明できず、そしてソ連との同盟を半世紀近くにわたって維持しなくてはならなかったこと。この映画はカティンの森事件を非常に生々しく描いてはいるものの、時間的には3つ目の悲劇について長く描いている。事象としての衝撃は確かに二つ目の悲劇が最も大きいのだが、よりポーランド人のプライドを傷つけたのは三つ目の悲劇だったのだろう。主要な登場人物も、運よくカティンの森事件の犠牲にならずに済んだのに、その後の人生で大きな傷を抱えて生きることになってしまう。

この映画では、良くある戦争映画のような華々しい戦闘シーンはほとんどない。戦いは完了していて、軍隊は権力によって処理されていく。戦争にはさまざまな理不尽があるが、これもそのひとつ。原爆やガス室と同様、全世界の人間が知っておくべき過去なんだと思う。

冒頭、ひとつの橋を挟んで二つの方向からポーランド人が逃げてくる。お互いに戦禍を逃れての移動だが、それによって逃げ道のないポーランドの状況を説明する。

そこから、逃げ道のない人々がどうやってプライドを持って生きていくのかが描かれる。それは主として軍人の視点ではなく、収容された将校や文化人達の親、妻、子供といった視点からである。

そして、ラストの15分ほど。日記の記述を端緒に、音楽もなく、せりふもほとんどなく、凄惨な描写が続いていく。それまで描かれていたいくつかの小物と一緒に、大切なものが葬り去られていく。涙なしに観ていることができない。暗転して、レクイエム。そして無音のエンドロール。

途中、やや冗長で散漫とも思えるような描かれ方をした全てのものが終盤で一気に収束していく。ただ、この映画はそこで終わらせるものでも、区切りをつけるものでもないはず。だから、「森」で埋葬されたはずのいくつかのものが、映画の中ではきちんと掘り起こされている。時系列を組み替えて、事件を中心としつつ見事に再生されてもいる。

ポーランド人にはポーランド人の、ドイツ人にはドイツ人の、ロシア人にはロシア人の、そして、日本人には日本人の、それぞれの受け取り方のもとに、次に伝えていくべきものが、この映画の中にはある。この映画を観て、それでも同じような歴史を繰り返すなら、人間はあまりにも無力な存在だと思う。

この監督の人生は、もしかしたらこの映画を撮るためにあったのかも知れないと思えるほど、重い一作。ただ、集大成ではあるものの、終わりではない。僕たちはこの映画からもきちんとバトンを受け取り、そしてそれを次に渡していく必要がある。

余談
川越スカラ座の上映情報

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4 赤軍もナチスも結局のところ「同類」。いっそヒトラーもスターリンも共倒れしてくれれば・・・・。

  

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アラビアのロレンス

アラビアのロレンス [完全版]デラックス・コレクターズ・エデション (2枚組) [DVD]

典型的な、「DVDで観るのではダメな映画」なんだと思う。それをDVDで観た。

実在の英国陸軍将校ロレンスを描いた歴史映画。オスマン帝国からアラブを独立させるための闘争を描いているのだけれど、戦争映画と言うよりは砂漠の映画。アラブに大きな影響を及ぼしたにも関わらず、歴史の中で英国からもアラブからも都合の悪い存在となってしまい、そのまま消えていかざるを得なかったロレンスの半生を雄大な砂漠の中に描いた一本である。そして、ロレンスは戦っているより、砂漠を歩いている時間の方がはるかに長い。

DVDに印刷されている上映時間は218分で、今の常識から考えると異常に長い。今なら前編、後編に分離されていただろう(本作は休憩あり)。

ロレンスは、常識外れの着想と行動力によって次々と戦果をあげ、アラブの指導者からも、そして英国陸軍からも高く評価されていく。しかし、その地位があがるにつれ、ロレンスは疲弊し、顔からは生気が抜けていく。指導者としてやりたいことと、指導者としてやらねばならないことのギャップの大きさに悩み、そして少しずつ死に近づいていく。映画の冒頭で彼の死が描かれるので、これはネタバレではないと思うのだけれど、なぜロレンスがそのような死に方をしたのか、長い時間をかけてじっくりと語っていくのがこの映画である。彼はいきなり死んだのではなく、砂漠で戦いながら、徐々に死んでいったように感じる。冒頭のシーンは単にきっかけに過ぎなかったような。

戦闘場面ではあまり華々しい活躍がないので、観ていて爽快になるような映画ではない。どちらかというと精神的に追い詰められていく主人公をずっと観続けなければならないので、辛い映画である。全然違う映画だけれど、主人公がだんだんと変化していく様子がスピルバーグの「太陽の帝国」に似ていると思う。

スターウォーズシリーズが映画館で観ないと全然意味がないのと同様、この映画も映画館で観ないと、砂漠の雄大さとか、主人公が惚れ込んだ砂漠という存在が感じられないと思う。なので、この映画に興味があるならば、DVDで観るのではなく、映画館での上映を探して観に行くべきだろう。近いところだと、こんなのがある。

む?今日からMOVIXさいたまですね?

アラブの思想がじっくりと描かれいている(ただし、それがアラブの立場から観て正当なのかどうかは不明)ので、イスラエル建国、中東戦争から9.11に至るまでの、アラブと欧米の間に横たわる大きな問題の端緒を知るという意味でも勉強になる映画だと思う。今に至るまでの中東の問題は英国政府がアラブ人と締結したフサイン・マクマホン条約、ユダヤ人と締結したバルフォア条約、フランス、ロシアと締結した秘密協定サイクス・ピコ協定の3つが大きな影響を及ぼしており、その一部を映像化した映画が英国で作られているというのはなかなか興味深い。

しかし、それにしても、砂漠のシーン。足跡がついちゃうので、NGとかあったら撮り直しが大変だっただろうなぁ。

評価は☆2つ半。DVDだから。  
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2010年08月13日

アパートの鍵貸します

アパートの鍵貸します [DVD]

昔の映画は今観てみると凄く影響が大きかったりするのだけれど、この映画もそうした映画の一本だと思う。

登場する場面はそれほど多くなくて、演劇的な見せ方をしているのだけれど、構図などが色々と工夫されていて、その場その場での良さがある。脚本も丁寧だし、ストーリーも全然古くない。伏線の張り方とその回収のタイミングが上手で、割れたコンパクトとか、ラストの拳銃のエピソードなんかも凄く上手だと思う。

ストーリー的には、昔も今も、男と女はずっと同じことをやっていて進歩がないなぁ、とも思う。お前ら、みんな不倫して何やってんだ、という(笑)。

バクスターは仕事の上ではどうかと思うスタンスだけれど、根は非常に誠実な人間で、相手に対する思いやりがものすごい。その思いやりのせいで話が色々とこじれてしまうし、彼自身、みんなから誤解されてしまうけれど、それでも全然へこたれない、芯の強さがある。こうしたキャラクターをジャック・レモンが非常に魅力的に演じている。一方のシャーリー・マクレーンも、今の日本でもそこここにいそうな、不倫で酷い目に遭いつつ、それでもなかなか吹っ切ることのできない女性を上手に演じている。

会話劇なので英語の字幕で観たらもっと面白いんだと思うのだけれど、残念ながら原語のニュアンスが理解できるほどに英語が堪能ではないので、日本語でのみ楽しんだけれど、字幕も良く出来ていると思う。最近の字幕はときどき酷いものにぶちあたるけれど、こうした名画の字幕は大抵、良く出来ていると思う。同じような意味では、「アパートの鍵貸します」という邦題も良い。原題は「The Apartment」なんだけれど、「なんで原題のままにしなかったの?」という、このところの映画界で良く見られる事態では全くない。というか、良くこの邦題にしたなぁ、と感心するくらい。

それにしても、この手の名画を観ると、男優はほとんどみんな鬼籍に入っていて、一方で女優さんは結構存命で、中にはまだ俳優として現役だったりする。映画出演が若いときだったということもあるのだけれど、やっぱり女性はたくましいなぁ。

評価は☆3つ。

午前十時の映画祭の50本に入ってます。
午前十時の映画祭「アパートの鍵貸します」  
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2010年08月12日

ライトスタッフ

ライトスタッフ [DVD]

米国空軍のテストパイロットと、NASAの宇宙飛行士を対比しつつ、危険をかえりみずに命をかけてプロジェクトに挑んでいく人間たちをドキュメンタリータッチで描いた作品。

人前では自分をナンバー1と語りつつ(若い頃は本当にそう思っていたようだけれど)、一番に敬意を払う人間、生まれた時代がすこしばかり早かったがために表舞台には立てずとも、そこに立つ人間たちを正当に評価しつつ我が道を行く人間。同じように死線を越えてきた人間同士だからこそ分かり合える部分を上手に描いていると思う。

やっぱ、孤高の人、イエガーが格好良いんだよなぁ。全て格好良いけれど、特に到達高度記録の話を聞いて許可無くマルヨンに搭乗、32000メートル付近でフレームアウトして墜落したあとの、モハービ砂漠を歩くシーン。それに加えてロッキードNF-104Aスターファイター(F-104G?)の銀ピカの機体が格好良い。

ちなみにワシントンのスミソニアンに展示されているNF-104Aを今年の2月に撮影してきたんだけれど、そちらはこんなカラーリング。

DSCN5047


日本の空自にも配備されて三菱鉛筆って言われていたけれど、もう退役しちゃって飛んでないんだよな。

で、戦闘機の話はたいがいにしておいて、映画の話に戻ると、実話ベースのドキュメント風映画、ただしフィクションの味付けあり、という内容なので、米国の国威発揚っていう色彩が濃いのは仕方なし。でも、トップガンみたいに某国と戦争を繰り広げるわけじゃなく、ただただ戦闘機の限界に挑み、そして宇宙開発に挑んでいく姿はなかなかに清々しい。

かなり長い映画だけれど、その時間を全く飽きさせずに見せ切るところが凄い。

一番じゃなきゃ駄目なんですか?というのが流行語になったけれど、この映画は長い時間を利用して、一番にこだわり続ける人間も、一番と言い続けながら一番にはなれず、でも「残り物に福」を見つける人間も、両方に価値があることを見せてくれる。

数少ない相棒との、お決まりのやりとりも良い。「ちゃんと帰ってこいよ」「あたりまえだろ」という、言うに言えないことをガムで表現するあたり。

評価は☆2つ半(映画館で観たらアップする可能性あり)。

個人的メモ。8月28日〜9月3日、ららぽーと横浜で上映あり。  
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2010年08月10日

雨に唄えば

映画がサイレントからトーキーに移行する瞬間のハリウッドを切り取ったコメディタッチのミュージカル。

凄いストーリーとかでは全くないけれど、この頃の役者たちは本当に良く体が動くし、ダンスも歌もうまいから、それを見ているだけでも楽しくなる。部分部分ではちょっと退屈する場面もあってノン・ストップという感じではないのだけれど、それほど長い映画でもないし、映画史を勉強するという意味で一度は観ておくべき映画だと思う。

ジーン・ケリーの雨中のタップダンス、オコナーのMake 'Em Laughなど、見所も多い。

大学時代、先輩の佐藤さんが新歓コンパで披露したと言われる伝説の駄目芸、「足が入れ替わります」がこの映画の中で登場してびっくりした(笑)。

ラストのミュージカルのシーン、ミュージカルの中のヒロイン(ジーン・ヘイゲン)の声が吹き替えているはずの映画の中のヒロイン(デビー・レイノルズ)の声とちょっと違うなぁ、と思ったら、あれは吹き替えているように見せて、実際にジーン・ヘイゲンの声を使っていたらしい。「映画の中ではこんな声ってことになっているけれど、私は本当はこうなのよ」というプライドだったのかも知れない。

作品の評価は☆2つ半。

ちなみにこのブログでは滅多に個別商品のお薦めをしないんだけれど、このDVDはお薦め↓

雨に唄えば 50周年記念版 スペシャル・エディション [DVD]  
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2010年07月31日

フィラデルフィア

フィラデルフィア デラックス・コレクターズ・エディション(2枚組) [DVD]

日本で作っても、米国で作っても、そこそこに面白くなるのが裁判モノ。この映画で扱うのはエイズに対する差別。ちょっと前までは人種差別がおかずだったけれど、時代を反映してか、エイズになっている点が新しい(って、もう15年以上前の映画だけれど)。

敏腕弁護士として活躍していた主人公が、エイズの発症を事務所に知られ、解雇される。主人公は、残り少ない人生を、弁護士事務所と法廷闘争することに費やすことを決め、命をかけた闘いを始める、というストーリー。

エイズによって徐々に弱っていく主人公を演じるトム・ハンクスが凄い。鬼気迫る演技とはこのこと。これ、特撮じゃないよね?ダイエットとメイクで表現しているんだよね?

ま、そういう表面的なことはさておき、エイズに対する社会の嫌悪みたいなものを、映画の中ではあれも、これもという感じで描いている。「差別は良くない」とキレイ事をいってはみても、実際にそれをきちんと体現できるかというと非常に疑問で、かくいう自分も、生化学の知識がきちんとあっても、やっぱりそういう目で見てしまう部分があるんじゃないかと思う。人間が根源的に抱えている恥ずかしい部分を見せつけることによって、「あぁ、自分もこの立場だったらなぁ」と思わせるところが、この手の映画の肝になるところ。

エイズに関して印象に残った部分は「どういう経緯でHIVに感染したかは関係ない」「エイズ患者は病気で死ぬ前に社会から抹殺される」というところ。僕は同性愛じゃないから、特に前者みたいなところを感覚として理解しにくい部分がある。だから、まずは文字の上で理解して、徐々に感覚として身についたら良いな、と思う。

インターネットの時代になって、今まで見えていなかった色々な価値観に触れるようになった今こそ、一度こういう映画を観て、差別とはどういうものなのかを知っておくべきだと思う。

評価は☆3つ。この映画をつまらないと言う人とは友達になれないと思う。  
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2010年07月30日

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

ガンダム30thアニバーサリーコレクション 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア [2010年7月23日までの期間限定生産] [DVD]

アムロ−シャアを中心に描かれているガンダムシリーズの最終章ということで、映画も観てみた。

これ、マニア的には評価が高いんですかね?Zガンダムでエゥーゴの一員として戦ったシャアがネオ・ジオンの人間として隕石落としを企図、実行しちゃうあたりにまず凄い違和感がある。そこら辺をすっ飛ばしたとしても、妙に人間臭いシャアにちょっと失望させられる(笑)。

結局、アムロとシャアの戦いに決着を付けることが重要だったのかなぁ。うーーーーーん。

いや、トータルで俯瞰してこういうストーリーだったというのならそれはそれでありだと思うんだけれど、やっぱり、50話ぐらいの連続アニメでしっかりと描いて欲しかったと思う。ZZはちょっと前半と後半の乖離がひどくて別物みたいになっちゃったけれど、Zは長い時間を活かして複雑な関係を上手に展開していたし(といっても、連続アニメとして週一で見ていたらなかなか理解できなかっただろうけれど)、ガンダム、Zガンダム、ガンダムZZがなかなかいい感じにつながっていて、楽しめたんだけれど、この作品はちょっと浮いちゃっている感じ。上にも書いたように、アムロとシャアに決着をつけるための強引な展開というか。

TVシリーズは3作とも脇で活躍する女性やニュータイプが非常に大きな存在感を見せていたんだけれど、この作品に関してはそういう部分も希薄だったと思う。いや、2時間じゃ、無理か。

評価は☆半分。逆襲のシャアには失望したよ。  
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2010年07月27日

機動戦士ガンダムZZ

「アニメじゃない」の主題歌ばかりが印象的で、内容は全然知らなかったこのシリーズも、全部通して見てみた。途中で物凄い方針変換があって、こりゃ大変、という感じが強い。

最初の15話程度はすっかりコメディ調。Zガンダムが鬱々とした内容だったので、大きく方向転換したのだろうか。Zガンダムでは狂気のキャラだったはずのあのヤザンですら、3枚目として活躍する。このあたりが物凄い落差である。なにしろ、アクシズ(ネオ・ジオン)のキャラたちはどいつもこいつも濃いキャラで、「アクシズの人たちって、ハマーン以外は変な人ばかりじゃん」という感じ。

物語の大きな軸は、ハマーン率いるネオ・ジオンとエゥーゴの戦い。前作ではティターンズとエゥーゴ、カラバ、そこにアクシズが絡むという非常に複雑な構図だったけれど、本作ではそれが随分と単純化されている。TVシリーズでやっている限りではこれが正解だろう。一週間に一話しか進まない状況では、あまりに複雑だと何が何だかわからなくなる。まぁ、TSUTAYAで旧作100円の時にまとめて借りてくるなら全然問題ないんだけれど。Zガンダムでは最初の方でシャアが言及し、実物が登場するのは物語中盤以降だったハマーンが、このZZでは中心的な役割となり、究極的にはジュドーとハマーンの物語となっている。

前半、大活躍するのはマシュマー・セロ。どうしてこの男が偉くなったんだ、アクシズはろくでもない軍人しかいないのか、と思わされるけれど、結構憎めない。こんなガンダムはガンダムじゃない、という気もするが、こういうものだと思えば楽しめることも間違いない。戦闘を通じてずっとコメディをやっている。

ところが、中盤からはシリアス路線になると同時にロリコンアニメのようになってしまった感もある。出てくる操縦士は女性、しかも子供が中心。もともとこのZZでは子供の活躍というのが前面に出されているものだったが、それなら男児も活躍しても良い所、なぜか女の子ばかりが登場する。制作サイドの趣味だろうか。

終盤では、前半でコメディの主軸を成したマシュマーはすっかりシリアス・キャラに改造され、キャラ・スーンも強化人間として再登場した。残念ながら(?)序盤で見ることができたおかしなやりとりはすっかりと影を潜め、真面目に戦闘をしていて全然マシュマーっぽくない。強化人間、恐るべし。

子供たちだけでネイル・アーガマを運用するようになる辺りではちょっと現実味が失われてしまった(いや、この手のアニメで現実味云々を言うのは、それはそれで変な話だけれど)。

戦闘シーンはZガンダム同様、ビーム戦が主流で動きも速い。Zとの違いは、Zガンダムが変形モビルスーツだったのに対して、ZZは合体変形モビルスーツだということ。物語を通じて何度も変形シーンを見たけれど、結局何がどうなっているのかは良くわからなかった。プラモデルを買え、ということなんだと思うけれど、こんな複雑な合体・変形を戦闘中に行うのはいかがなものかと思わないでもない。Zガンダムではすっかり敵味方入り混じってしまったモビルスーツだが、本作ではネオ・ジオンのモビルスーツが軒並みモノアイになったので、ちょっと分かりやすくなった。中にはクィン・マンサのような例外もあるけれど。ところでクィン・マンサの顔はガンダムタイプ。そういえばいつの間にかサイコ・ガンダムがティターンズからネオ・ジオンに移管されていて、プルツーの搭乗機になっている。どこかでかっぱらったのかな?

ラスト近くになってグレミーが反乱を起こし、それによってようやくハマーンのやりたいことがわかってくるのだが、ストーリーはそのまま終結へ。さびしんぼうのハマーンがちょっと可哀想。

ZZも面白いけれど、Zに比べるとやや深みがないのも事実。しかし、この作品の価値はそれだけではない。Zで悲劇的な状態となったカミーユに対する救済。これによって、Zガンダムは救われたと思う。Zでファーストの人物たちが再登場したことによって、ファーストの物語に深みが出たのと同様、ZZのおかげでZの価値も増加した。新しい存在としてのニュータイプの苦悩や悲しみを演じた登場人物はララァ、アムロ、ハマーンと色々いたけれど、やはり中心にいたのはカミーユなのだから。そうした部分も評価して、シリーズ全体では☆2つ。

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2010年07月26日

機動戦士Zガンダム

リアルタイムで見る機会があったはずなのに全く見ていなくて、そのあと、三部作の映画をDVDで見てから、TV版を全部見てみた。

映画では駆け足過ぎて何が何だかわからない部分があったんだけれど、さすがにTV版を全部見てしまえばそんなことはない。で、もうみんなたっぷりネタバレしているんだろうから、あんまりネタバレには配慮しないで書いていく。

まず、全体を通して感じるのは非常に暗いということ。そして、感情移入したキャラがシリーズ後半でどんどん死んでいってしまうので、ラスト近くでは「こいつも死ぬのか」という感じになってきて、少々うんざりしてくる。一方でもうウザくてウザくて仕方ないキャラもいて、「あぁ、やっと死んだか」と思ってしまうこともあった。そういう演出だったのだから仕方ないのだが。

宿命のライバルとして登場したはずのジェリドがニュータイプではなかったため、なんかちょっと可哀想な感じになってしまった。まぁ、ティターンズの中にニュータイプがいるのは設定上変ではあるのだけれど。と、そういうちょっと残念な感じの敵役がいる一方で、魅力的なキャラも色々いる。エマやファなどは良かったと思う。まぁ、中にはレコアさんみたいに、最初は当たり障りのないキャラだったのに、途中からとんでもキャラに変わってしまう人もいたけれど。

加えて、ファースト・ガンダムの登場人物がちょろちょろ出てくるので、ファーストのファンには良かったのかも知れない。ただ、個人的なことを言えば、ちょっとインフレ気味だったと思う。ただでさえキャラが過剰でストーリーが複雑なので、もうちょっと懐かしキャラの出場は抑えた方が良かったような。それでも、アムロとシャアの再会のシーンなどは間違いなく見せ場なのだけれど。

でも、この作品のカラーを決定的にしたのはシロッコとハマーンの二人のニュータイプだろう。特に存在感のあったのはシロッコ。とにかく、彼が操縦するモビルスーツは全然被弾しない。凄いテクニックである。この二人と、もちろん主人公のカミーユと、その3人のお陰で後半、全く飽きずに見ることができた。

それにしても、ハマーンに「お前は生きていては駄目な人間だ」と斬りつけ、続いてシロッコに同じようなセリフを吐きつつ斬りつけるカミーユはなんだかもう、やりすぎな正義の味方のような気もしてくる。

前作でちょっと不鮮明だったニュータイプがきちんと明確に描かれた点も良かったところだと思う。

戦闘シーンはモビルスーツの性能アップによって物凄く高速化した。また、ビーム系の武器が大活躍する。このあたりは好みが分かれるところなのかも知れない。モビルスーツは、ファースト・ガンダムではひと目で敵、味方が判別可能だったのだけれど、本作は連邦、ジオンのそれぞれの系列のモビルスーツが入り交じってしまい、正直ガンダム以外は良く分からない。シャアの専売特許だった赤いモビルスーツも量産されてしまい、仕方なくシャアは金色のモビルスーツに乗る始末である。こうしたゴテゴテしたモビルスーツ群の中で出色なのはハマーン専用機であるところのキュベレイ。ララァの乗ったエルメスの流れをくむデザインだが、流線型の見事なデザインだと思う。

しかし、この作品は、この作品を見ただけでは価値判断が不可能だ。この作品を見て、そして、ダブルゼータを見て、そのとき、「あぁ、良い作品だったんだな」と実感すると思う。ガンダム、Z、ZZの中では、僕はこの作品が一番面白いと思う。ただ、やはりもうちょっと人が死なない方が良かったと思う。死んでしまった登場人物のうちの半分くらいは殺さなくても良かったんじゃないかなぁと思う。

評価は☆3つ。

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2010年07月12日

トイ・ストーリー2

トイ・ストーリー2 スペシャル・エディション [DVD]

前作から4年。技術的にはずいぶんと進歩しているけれど、表現力という面ではまだもう一息という感じ。しかし、この時点ではすでに「これは結構やる」という雰囲気になってきている。まだジブリに勝てるという感じではないのだけれど、このペースで行けば・・・・という期待を抱かせる感じなのだ。そして、PIXARがそのまま突っ走ってしまったのはご存知のとおり。

内容も「トイ・ストーリー」に比較するとずいぶんとこなれてきている。前作のときの技術力では難しかったことなどもあるのかも知れないけれど、基本的には「これはやれそうだ」ということで、予算が増えたんだろうな、と思う。だから、脚本なども「トイ・ストーリー」に比較するとかなりできが良いと思う。

この作品以後、PIXARとディズニーの仲はぎくしゃくしてしまったようだけれど、トイ・ストーリー3が無事制作されることになって良かった。さて、この作品から約10年。PIXARはどんな映画を作ったのか。1と2を続けて見ると、3作目に期待せざるを得ない。なぜなら、今作は1に比較してはもちろん、この2に比較してもお金をかけられたはずだし、技術的にも大きな進歩があったはずなのだ。

フルCG3Dアニメの歴史を一気に見ることができる本作はそれだけで貴重だと思う。映画の質自体で言えば☆4が精一杯。でも、映画の価値はそれだけではない。1同様、2もアニメ映画ファンならぜひ観ておくべき作品だと思う。  
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2010年07月10日

トイ・ストーリー

トイ・ストーリー スペシャル・エディション [DVD]

この映画が撮られたのが今から15年も前。今から見ると、PIXARもこのころはまだまだ。というか、フル3DCGの長編アニメ映画としてはこれが世界で最初のものだったのだから、仕方ながない。CGがいかにもCGという感じで、アニメはやっぱCGよりもフィルムに撮影した奴が良いよね、と思ってしまうような表現力。しかし、その後の長足の進歩は御存知の通り。今やCGアニメでも何の違和感もなく楽しめる時代になってしまった。むしろ、日本のアニメのトップブランド、ジブリよりもPIXARの方が出来が良かったりすることもあると思う。

PIXARの進歩の具合はピクサーの映画の前にいつも上映されるショートフィルムを集めたDVD「ピクサー・ショート・フィルム & ピクサー・ストーリー 完全保存版」を見るとはっきりと分かるのだけれど、レミーのおいしいレストラン(2007)やウォーリー(2008)あたりになると、もうほとんどの普通のアニメよりも質が高い。

ただ、この作品はやはり昔のもの。表現力は上に書いたように全くイマイチだし、内容の方もそれほどイケテない。同じ時期の日本のアニメと比較したら数段落ちるのは間違いない。それでも、アニメ映画ファンなら、歴史の1ページという感じで見ておくことは必要だと思う。これがあのPIXARの最初の一歩なのだから。

映画の設定は面白い。おもちゃは大事にしよう。あ、でも、映画は実際のところ、子供向けというよりは、昔おもちゃで遊んだ大人たちのためのものだったりする。  
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2010年06月29日

クレイマー、クレイマー

ふるめの名画をDVDで楽しむシリーズ。今日は「クレイマー、クレイマー」を見てみた。

まず、映画のタイトルを見てあれ?という感じ。原題はKramer vs. Kramer(クレイマーVSクレイマー)となっている。どのクレイマーさんですか?という感じだけれど、これをクレイマー、クレイマーという邦題にしてしまうセンスは墓場に埋めておくべきだと思う。

いきなり出鼻をくじかれた感じなんだけれど、そこから先は緩みがない。外国人としてはかなりあたまでっかちに見える(物理的に)クレイマー氏(男)が大活躍するのだけれど、彼と、彼の一人息子の様子がいきいきと描かれる。

ちょっと思うのは何十年も前の日本人がこの映画を見ていったい何を感じたんだろう、という本筋とはちょっと違うところが興味深い。なぜなら当時の日本は今ほど女性が自立できていなかっただろうし、ノイローゼみたいなこともあまり表面化していなかっただろうし、訴訟社会でもなく(これは今もだろうけれど)、全く理解不能だったんじゃないだろうか。しかし、今の日本では米国に遅れること約30年、ようやく米国的な社会環境に良くも悪くも追いついた感じである。

映画は、中間のゴタゴタを挟んで、冒頭のシーンとラストのシーンで色々なものを対照している。それらについて映画の中では別に詳細に描かれてはいないのだけれど、どれも印象深い。特にフレンチトーストのシーンは出色。最初は息の合わない親子だったのに、いつの間にか見事な連携プレーになっている。その時の息子の仕草が凄く良い。

他にも、冒頭とラストのクレイマー女史の表情の違いも良い。意外と変わっていないのがクレイマー氏だが、彼は仕事とかの社会的な部分が大きく変わっている。そういう変化の構造が非常に丁寧に描かれていると思う。

しかし、見ていて思うのは「男からしたら切ないよなぁ」ということであって、これを女性が見るとどう思うのだろう。僕が思ったのは、「このラスト、女性からは納得がいかないんじゃないか?実際にこういう立場になったとき、メリル・ストリープのような行動を取るかな?多くの女性は取らないんじゃない?」ということ。

男が見たら、文句なく☆3つなんですがね。女性が見るとどうなんですかね?

クレイマー、クレイマー コレクターズ・エディション [DVD]  
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2010年06月20日

ファンボーイズ

181f8343.jpgスター・ウォーズファンの若者たちが、半年後に公開が迫っていたスター・ウォーズエピソード1を見たがっている末期がんの友達のためにカリフォルニアまで旅をするというドタバタコメディ。

スター・ウォーズのパロディやスター・トレックのネタなどが散りばめられているので、少なくともスター・ウォーズの旧三部作は見ておかないと話にならないし、見ておくだけではなく、「助けて、オビ・ワン・ケノービ、望みはあなただけ」とか、「愛してる」「知ってる」とかの名セリフも覚えておく必要がある。というか、今から覚えるんじゃ手遅れで、もう頭に刷り込まれているような人たちのための映画である。

僕の場合はそこまでディープなファンではないけれど、でもまぁスター・ウォーズは劇場でちゃんと観ているし、エピソード3だと8回だか、もっとだったか忘れたけれど、そのくらいの回数を劇場で観たりする位にはスター・ウォーズファンなので、ある程度は楽しめた。

ただ、どうなんだろう。映画としてはイマイチのできだと思う。確かにアチラコチラで笑えるシーンはあるし、うわー、キャリー・フィッシャーってこんなにおばさんになっちゃったんだぁ、でも、今は俳優じゃなくて脚本家をやってるんじゃなかったっけ?とか思うシーンもあったりするのだけれど、うーーーーーん、やっぱ、映画的じゃないんだよな。

でもまぁ、TSUTAYAで借りてきて、軽く観るには悪くないと思う。末期がんとか言っても別に暗くなるわけじゃないし。

何しろ、最後のオチが良い。あの感覚。ほぼ全てのスター・ウォーズファンが、あの感覚だったと思う。評価はちょっと厳しめかも知れないけれど、これはあくまでも映画そのものの評価。馬鹿らしい映画だけれど、観る価値はあると思う。

ところでこの映画に出てきたスカイウォーカー・ランチは本物なんだろうか?セットだよねぇ?

ちなみに僕はどういう感じだったんだろうなー、と思って、自分の古い日記を観てみたんだけれど、残念ながらエピソード1の頃の日記はなかった。「まにあな交換日記」というサイトはブログを始める前にずっと連載していたサイトなんだけれど、今となってはぐぐっても出てこない。

これ→まにあな交換日記

どこかのタイミングでブログに移植しないとかなぁ。でもまぁ、このままでいっか。  
Posted by buu2 at 03:02Comments(0)TrackBack(0)DVD

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2010年06月14日

ディア・ハンター

ディア・ハンター デジタル・ニューマスター版  【プレミアム・ベスト・コレクション\1800】 [DVD]

簡単に言うとロシアンルーレットの映画。

この一言で片付いちゃうといえば片付いちゃうんだけれど、この間アカデミー賞を獲った「ハート・ロッカー」のルーツとも言えるような作品。ベトナム戦争が重要な役割を果たしてはいるけれど、戦争映画ではない。どちらかと言えば友情を描いている。

3時間を超える長尺を活かして、ペンシルバニアの田舎町、ベトナム、そしてまたペンシルバニアと、それぞれの場面を濃密に描いている。特にベトナムパートのロシアンルーレットのシーンは何度見ても圧巻。

非常に長い映画だけれど、初めて観る人は最初のペンシルバニアパートはやや退屈に感じてしまうんじゃないだろうか。ところが、その場面、場面には色々な伏線が配置されているので、集中力を切らさずに観ておく必要がある。でも、今この映画を観る人はほとんどがDVDでの鑑賞だろうから、とりあえずさーっと観てしまうのが良いと思う。細かいところはあとでもう一度観れば良い。最後まで観たら、凄い衝撃を受けて、どうだったんだろう、って見返すことになると思う。そもそも、最初のうちはたくさんの登場人物のどこにフォーカスが当たるのかがわからないので、物語の全体像がわかった上でもう一度観るのが正解。

さて、やや冗長に、しかし、意図的に長く描かれたペンシルバニアパートは突然終了して、あっという間にベトナム戦争のシーンへと転換される。そして、映画の様相は一変してしまう。吐き気がするほどの緊迫感が続くので、観ていて異常に疲れる。このあたりはハート・ロッカーと一緒。

そして、その緊張から解放されると、ともに育ち、一緒にベトナムに行った3人のそれぞれの「ベトナム後」が描かれる。ここを楽しむためには前半をきちんと観ておく必要がある。

クライマックスのセリフの意味とか、マイケルのリンダに対する思いとか、色々と細かいところに意味のあるシーンが配置されているので、2回観て「あー、そういうことね」と頷くのがお薦め。ロシアンルーレットも、初見の時に比べれば2回目以降は多少緊張せずに観ることができるし(弾が出るかどうかわかっているから)。結末を見てから、主人公たちのアメリカ社会の中での位置づけとか、「ふっくらして」という言葉の顛末とか、色々と確認すると面白いと思う。そもそも、日本人は米国における移民の状況とか、宗教のこととか、知識がないわけで、初見で全部理解するのは無理だと思う。

この映画は内容も演出も脚本も音楽も素晴らしいと思うけれど、個人的に一番評価しているのはメリル・ストリープの美しさ。この映画の彼女の全てが好き。デ・ニーロも、ウォーケンも、カザールも、みんな存在感があるんだけれど。

ということで、メリルに☆ひとつおまけしたいところなんだけれど、映画だけで満点なのでプラスアルファはなし。☆3つ。  
Posted by buu2 at 01:48Comments(0)TrackBack(0)DVD

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2010年06月09日

ヴィレッジ

なるほど、先日紹介した「ハプニング」でも同じなんだけれど、シャマラン監督の作品は、予告編の作り方が悪すぎる。ホラー映画として紹介しちゃうから、それを期待した観客が評価を下げちゃって、おかげでみんなが観に行かなくなっちゃう。かくいう僕もその一人。ハプニングを観て、そしてもしかして、と思って今日ヴィレッジを観て、そして確信した。シャマラン監督は、別にホラー映画の監督じゃない。彼がやっているのはホラーテイストの恋愛映画というジャンルである。

village

この映画が公開されたとき、僕は「わけわかんない」という意見を何度か耳にした。でも、今DVDで観てみると、難しいところは何一つない。全てきちんと種明かしされているし、そして恋愛映画としてきちんと広げた風呂敷をたたんでいる。別に複雑な構図もないし、この程度の映画が理解できないなら、例えば浦沢直樹の20世紀少年とか、あるいはモンスターとか、あの手の漫画なんか何一つ理解出来ないと思う。つまり、普通に簡単な映画なのだ。これが「わけわかんない」になってしまうのは、ホラー映画だと思って、ホラーを期待していくからだろう。「わけわかんない」という意見が出ることの方がよっぽどわけわかんないというのが正直なところ。つまり、予告編を作った会社の人が悪い。

そして、ハプニングを観る限り、日本の配給会社は相変わらずシャマラン監督をホラー映画の監督として売り込みたいらしい。だから、ここで大声で言っておくけれど、

●●●シャマラン監督の映画にホラーを期待していくのは間違いっすよ!!!!●●●

確かにちょっと驚かされたり、ドキドキしちゃう場面はあるけれど、それが味付けの部分。そうした味付けの中で描かれている本筋は「大怪我をした恋人のために危険をかえりみずに冒険に出る」という、恋愛冒険ストーリーなのだ。あと、シックス・センスのようなどんでん返しを期待するのも駄目。徐々に明らかになっていく謎はあるけれど、それは別に謎っていうほどのものでもない。映画の中でネタばれするときも、伏線からネタばらしまでの間が異常に短い(笑)。さぁー、ここ、ナイショですよ、覚えておいてね!っていう場面からほんの10分ほどでネタばらししてくれる圧倒的親切心が嬉しい。

内容に触れちゃうと思いっきりネタバレになってしまうので、表レビューで書けるのはこの程度。あとは、ホアキン・フェニックスがこの直後に「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」で非常に良い演技を見せ、そしてブライス・ダラス・ハワードが「スパイダーマン3」で活躍するのが感慨深い。向こうの役者さんは引き出しが多い。特にブライス・ダラス・ハワードは、徐々に彼女が抱えている問題が明らかになってくるというちょっと難しい役どころを非常に上手にこなしていたと思う。

評価は☆2つ半。さらっと楽しめるので、結構お薦め。ただし、恋愛映画だからね!

以下、ネタバレレビューは追記に書きます。これ読んじゃったらつまらなくなるかも知れないから要注意。覚悟して読んでください。  続きを読む
Posted by buu2 at 02:58Comments(0)TrackBack(0)映画 2004以前

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2010年05月21日

路上のソリスト

路上のソリスト [DVD]

とにかく助け合うことを是とする農耕民族、かつ、都合の良い時に都合の良い神様を引っ張り出してくる基本的に無宗教の日本人にはなかなか受け入れられそうにない作品。

新聞の有名コラムニストと少年時代に天才と称された元チェリストの交流を描いた物語だけれど、なかなか一筋縄ではいかない。

ふとした拍子にホームレスのバイオリン弾きナサニエルと知り合ったロペスは、彼のルーツをたどって、彼がなぜホームレスになったのかを記事にする。その記事を読んだ読者からの好意によってナサニエルには様々な援助が与えられるのだが、ナサニエルはそれを全くありがたがらない。彼には彼の信仰があって、神がいて、そして彼は一般人から見たら全く恵まれていない生活、環境に満足していた。

この映画ではナサニエルの統合失調症をかなり印象的に描いているのだけれど、その部分はそれほど重要ではなく、人には人それぞれの正義と幸福がある、というだけのこと。ロペスにとっての幸せと不幸、ナサニエルにとっての幸せと不幸を効果的に対照しつつ、物語は進んで行く。

人の価値観はそれぞれであるというのがメイン。横糸に音楽を配して、アメリカ・ロサンジェルスの今を描いている。

アメリカ人は自分たちの正義を中東に無理やり押し付けたりする一方でこういう映画を撮るのがちょっと不思議。

ラストの第九第三楽章を含め、音楽が非常に重要な役割を果たしている。この映画は映画館で観るべき映画だった。

評価は☆2つ半。  
Posted by buu2 at 09:51Comments(0)TrackBack(0)DVD

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2010年05月20日

十二人の怒れる男

十二人の怒れる男 [DVD]

裁判もの映画の名作として名高い本作。随分と昔に一度観た記憶があったんだけれど、もうすっかり忘れてしまったので、もう一回観てみたのだけれど、意外にも、あまり面白くなかった。

何しろ、ベースになっている裁判(裁判シーンは皆無なんだけれど)がいい加減すぎる。昔はこんな感じで裁判をやっていたの?という感じ。そして、本作で舞台となる陪審員の議論も物凄くずさん。ナイター行きたいだの、さっさと終りにしようだの、現代ではちょっと考えられないような姿勢で陪審員室にいる。

ただまぁ、昔はこうだったんだろうなぁ。

脚本はそれなりに良く出来ていて、有罪派が自分の理論を補強しようとして墓穴を掘ったりするあたりは笑っちゃうけれど、でもこれも、最近の宮部みゆきとか、東野圭吾とかのミステリーを散々読んでいる向きには全く物足りないと思う。有罪の根拠になっている目撃者達の証言があまりにもいい加減で、次々とぼろが出てきて、そしてラストにつながっていく。何より先が見えてしまいすぎる。少なくとも、今の時代にこの映画を作ったら、「随分と作り込みが甘い脚本」とみんなに突っ込まれちゃうと思う。

今の裁判ものとか、ミステリーとかって、こういう昔の映画を踏み台にして、少しずつグレードアップしてきているはず。こういう映画があったからこそ、今がある、みたいな感じ。それはわかるんだけれど、例えば時計じかけのオレンジなどは「今観ても全然古くない」っていうのがある一方で、この映画は「やっぱ、古いなー」という印象が先に来てしまう。

演技という部分では、無罪派の冷静ぶりはそれほど見所という感じがしない。一方で有罪派のエキサイトぶりはなかなか見事。でも、それだけかなぁ。

今も評価の高い本作だけれど、ミステリー慣れした現代人でも楽しめるのかなぁ。映画史に残る作品として、一度は観ておく必要があると思うけれど、それは知識や教養として。観て、「これは面白い!!」と現代人が感動するような作品ではないと思う。

個人的には、「あぁ、この時代は女性とか、カラードとかに全然配慮がないんだな」っていうあたりの方が興味深かった。今作ったら、絶対何人かは女性だろうし、何人かは黒人のはず。  
Posted by buu2 at 03:43Comments(0)TrackBack(0)DVD

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2010年05月15日

空気人形

597efcbf.jpg劇場公開時から結構評判が良かったので観たかったんだけれど、なんだかんだで都合が合わずに結局DVDで鑑賞。

非常に静かな映画なので、ちょっと眠くなることは否定出来ないんだけれど、そこでさらっと描かれているのはみんながちょっと触れられたくないような人間の本質だったりして、ちょっとトゲがある。

人形の方が面倒くさくなくて良いとか。

人間に命を吹き込もうと思ったのに無理だったとか。

周りの人たちが結局空気人形を性欲処理の道具として使っちゃうこととか。

登場人物がみんな孤独なこととか。

人形は「空気を吹き込む」という行為に「命を吹き込む」という行為を重ねあわせて、命に興味を持つ。一方、冴えない青年は厭世指向によって「空気を抜く」(=死)という行為にこだわりを見せる。このすれ違いがが起承「転」結となってしまうのが何ともやるせない感じ。

「ええーーーーー!みたいな設定なのに、それをみんながあまりにも簡単に受け入れるものだから、あぁ、そういうものなのね」と納得させちゃう。そのあたりがさりげなく凄いと思う。

空気を吹き込むことによって永遠に生きることができるようになったのに、ポンプから解放されて人間らしく生きようとした人形、ぐらいまでは凄く良かったと思うのだけれど、ラストはちょっと悲しすぎる感じ。悲しさが、物凄くドラマチック、というのではないあたりが一層悲しい。

ぺ・ドゥナの体当たり演技も良かった。日本人でここまで出来る人ってあんまり見当たらない。だから彼女だったのかな?評価は☆2つ。  
Posted by buu2 at 00:25Comments(0)TrackBack(0)映画2009

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2010年05月07日

サラ・コナーズ・クロニクル(ネタバレ)

サラ・コナーズ・クロニクルって、シーズン1が「え?これで終わるの?」って感じで終わって、シーズン2も「え?これで終わるの?」って感じで終わる。そして、成績不振でシーズン3はキャンセルって、そりゃねぇだろうよ(涙)。



ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ 〈セカンド・シーズン〉 Vol.1 [DVD]
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Posted by buu2 at 23:47Comments(0)TrackBack(0)テレビ番組

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2010年04月24日

シザーハンズ

シザーハンズ (特別編) [DVD]

ティム・バートンとジョニー・デップがタッグを組むルーツになった作品。「アリス」を観る前にちゃんと復習しておこうと思ってTSUTAYAで借りてきた。

しかし、この映画は凄い。20年近く経った今でも古さを感じない。これを撮った時、ティムは30歳ぐらいでしょう?天才っているんだよなぁ、と思う。

不思議な街並み(と言っても、実在の街らしいけれど)と、そこに住む不思議な住民が何やら「時計じかけのオレンジ」みたいな雰囲気なんだけれど、その奇妙な街で奇妙な主人公が巻き込まれる騒動は、何故かいかにもありそうな話。中年女性達に翻弄されて傷つけられて行く無垢な主人公が可哀想で、でも、彼に対して徐々に心をひらいていくヒロインとの心の交流がとても心地良く、そして異型の主人公をいつの間にか応援している。

カラフルな街とモノクロの城。打算的で世俗的な街の人たちと無垢な主人公。男と女。彼に大して好意的な人々と、彼を忌み嫌う人々。様々な対照的要素を時には空間を、時には時系列をずらして大胆に配置し、その中で大人のためのおとぎ話を展開している。

氷の彫刻のシーンは映画史に残る名シーンだと思う。

「どうして雪が降るの?」

この子供の質問に対する答えとしてはあまりにも大人の話(ラストを含め、あちらこちらに少しずつ毒が盛られている)だけれど、この映画を観たら、多くの人が「冬になったら雪が降って欲しい」と思うようになるだろう。一枚DVDを買って、晩秋の夜に観て、そしてやってくる冬を楽しむのがオススメ。  
Posted by buu2 at 22:40Comments(2)TrackBack(0)DVD

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2010年04月19日

機動戦士Zガンダム 劇場版三部作

ガンダム30thアニバーサリーコレクション 機動戦士Zガンダム -星を継ぐ者-<2010年07月23日までの期間限定生産> [DVD]

ガンダム30thアニバーサリーコレクション 機動戦士ZガンダムII -恋人たち-<2010年07月23日までの期間限定生産> [DVD]

ガンダム30thアニバーサリーコレクション 機動戦士ZガンダムIII -星の鼓動は愛-<2010年07月23日までの期間限定生産> [DVD]

何しろ、「ダカール演説」を完璧にネグっちゃったことでファンの予想を大きく裏切ったと言える映画版の三部作。また、ラストも変更になっていて、TVシリーズよりは随分と救いのあるラストになったとも言える。あくまでも、カミーユを中心として見るなら、だけれど。

長いテレビシリーズをかなり強引に三部作にまとめているので、正直、何がなんだかわからないところもある。また、一年戦争の時と比べてニュータイプの戦闘能力が格段にアップしているので、モビルスーツ戦が異常にめまぐるしく、何が起こっているのか良く分からない。さらにZガンダムは物凄いポテンシャルを持っているようで、まるでスーパーサイヤ人みたいだ。

TVシリーズを見ていない人に対しては、何が何だか分からない作品になっていて、TVシリーズを観ていた人にはずたずたにされてしまったように見えるに違いないのだけれど、ただただハマーン・カーン様がお気に入りの僕のような人間にはわりと楽しめる作品になっていた(笑)。ただ、彼女の登場は三作目の「星の鼓動は愛」からといっても過言ではないので、それなら三作目だけを見ておけ、という話にもなりかねないのだが。

クワトロ、シロッコ、ハマーンと、個性的な登場人物がたくさん出てくるので、カミーユのかげが薄いのはもちろんだけれど、アムロの扱いの軽さにもちょっと目頭が熱くなる思い。

でもまぁ、ハマーン様大活躍だから許す。

コロニーレーザーも劇場版では一度しか登場せず、TV版のインフレは改善されている。何しろ、コロニーレーザーはソーラ・レイとしてファーストガンダムで超決定的な兵器として出てきているので、そう簡単にポコポコ撃たれてしまっては興ざめだ。ヤマトの波動砲とは違うのだよ。

ということで、個人的には十分楽しめたけれど、これを見ちゃうとTV版を全部通して見たくなる。しかし、それをやると25時間も浪費してしまうことになる。それって、24よりも1時間長い。どうするかなー。最後の20話ぐらいだけを見るかなー。うーーーん、体調の良い時で、ツタヤで旧作一本100円セールとかをやっているときに考えよう。

ということで、評価は☆1つ半としたいところ、ハマーン様の活躍でサービスして☆2つ半。

全然関係ないけれど、キュベレイのでっかいプラモデルを作りたい・・・・  
Posted by buu2 at 22:24Comments(0)TrackBack(0)DVD

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2010年03月12日

時計じかけのオレンジ

時計じかけのオレンジ [DVD]

この映画を最初に観たのは多分横浜ピカデリー。中学生だったと思う。気狂いピエロとの二本立て。正義感の強い友井君と一緒に観に行ったのだけれど、彼は見終わって激怒していた(彼は今はNHKのニュース解説員で、時々テレビに出ている)。僕はと言えば、気狂いピエロのランボーの詩に合わせた海の映像も良かったけれど、やっぱり時計じかけのオレンジの凄さに圧倒されていた。

そのあと、映画館でこの映画を観たことはない。ビデオで観て、LDで観て、今日、久しぶりにDVDで観てみた。

何より恐ろしいのは、今観てもこの映画が全く古くないこと。今年撮影された映画と言われても全然違和感がない。

そして、名シーンの数々。雨に唄えばを歌いながらの作家襲撃、自宅にやってきた更生係のおじさんとのベッドのシーン、レコード屋からお持ち帰りした2人の女性との早送りベッドシーン、猫屋敷の女性を性器のオブジェで襲うシーンをハンディカメラで追うシーン、ラスト近くの病院のベッドでの食事シーン・・・・・。暴力シーンやセックスシーンが少なくないのだけれど、それらがことごとく洗練されている。映画の中に出てくるオブジェやポスター、壁紙などのアートも素晴らしい。役者の表情も素晴らしい。そして、その背後に常に印象的に響く音楽。何から何まで隙がなく、全てが見所。冒頭からラストまで、全く目が離せない。様式の部分で全く文句の付け所がない。

その上で、内容。政治にあえて利用されることによって時代を生き、結局元の木阿弥となるアレックス。いわば悪の肯定でもあるわけだけれど、洗練された悪の中に、誰もが表に出せない、でもどこかに持っている残虐性の存在を思い出させる。その上で、暴力よりも、殺人よりも、レイプよりも、見えにくく、かつ嫌らしい政治という存在を浮かび上がらせる。

「ホラショー」のようなロシア語を崩した造語がバンバンでてくるのだけれど、そのあたりを上手に消化した字幕も結構良いと思う。

死ぬ直前の最後の一日に映画を3本観て良いと言われたら、間違いなくこれを選ぶ。残りはスティングと、もう一本は今後のために取っておく。

最近、デジタル処理して再上映する映画がちらほらあるので、是非また映画館でやって欲しい。

ちなみにこのDVD、たった1162円って、何かの冗談ですか?一家に一枚って感じですね。  
Posted by buu2 at 19:54Comments(0)TrackBack(0)DVD

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ラッシュライフ

ラッシュライフ [DVD]

フィッシュストーリーが意外に面白かったので、ラッシュライフも期待して観たのだけれど、今度は期待が裏切られて、非常につまらなかった。

何しろ、まず、音声がひどい。映画館で観れば問題ないのかもしれないけれど、音声がほとんど拾えていなくて、何を言っているのか良く分からない。仕方無しにボリュームを大きくしたら今度は物凄い大声で怒鳴ったりするので、何か新型の嫌がらせかと思った。これがわざとなのか、たまたまなのかはわからないけれど、うーーーーーむという感じ。

音声がひどいなぁと思いつつ、ご飯を食べながら見ていたらまもなく死体の解体ショーが始まって、ちょっとびっくり。でも、別にご飯を食べながらでも特に問題はない。問題はないのだけれど、問題なのはその内容じゃなくて、ハンドカメラによる映像。もう、ぐーらぐーらと揺れていて、観ていて気持ちが悪くなる。中身じゃなくて形式の方で気持ちが悪くなるっていうのはちょっとどうなのか。もちろんこれも狙ってやっているのだろうけれど、それがちゃんと効果を出しているのかと言われると正直微妙。

この、導入にあたる河原崎編の部分ですでにいやーな感じになっていたのだけれど、次の黒澤編もかなりやばい。このあたりで眠くなってきてしまい、あぁ、この映画はちょっと、自分には合わないな、と思った次第。我慢して最後まで観たけれど、特に感想らしい感想はない。監督の自分勝手な自己主張をたっぷり味わってしまった感じ。もちろん、その自分勝手な方向が自分の嗜好にあっているなら何の問題もないのだと思うのだけれど、残念ながら僕には合わなかった。要はそういうことなんだと思う。

観る人間を物凄く選ぶ映画だと思う。原作が大好きなら楽しめるのかも(僕は読んでない)。出演者が大好きなら楽しめるかも(堺雅人を始めとして、魅力的な俳優が出ていたし、一部を除いてきちんと演技していたと思うけれど、個人的にはちょっと楽しめなかった)。あとは・・・・・なんだろう。誰なら楽しめるのかな?良く分からないストーリーをきちんと再構築して、「あぁ、なるほど、こういうことだったのか」と、パズルを組み立てるような作業が大好きで、そのための労力を全く惜しまない人。これなら楽しめるのかも。

評価は☆半分。

ちなみに原作はこちら。

ラッシュライフ (新潮文庫)

原作を読めば、また違った印象なのかも知れず、でも、ちょっと当分読む気にはなれないかな。  
Posted by buu2 at 11:24Comments(0)TrackBack(0)映画2009

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2010年03月11日

フィッシュストーリー

フィッシュストーリー [DVD]

日本語のリズムが悪くて、ストレートに言ってしまえば日本語が下手ということで、小説を全く評価していない伊坂幸太郎さん原作。ということで、劇場公開時はノーマーク。DVDになったので観てみたんだけれど、予想に反して非常に面白かった。

1975、1982、1999、2009、2012のそれぞれの時代をまたがって複数のストーリーが進んでいく。それぞれがどんどん発散していって、あれ?もう随分時間が経っちゃったけれど、これでちゃんと広げた風呂敷が畳まれるの?と心配になるんだけれど、最後の10分ぐらいで全部つながる。

1975年のパートがちょっと長すぎて、逆に他のパートはかなりあっさりしているので、バランス的にはちょっと悪いかな、と思うけれど、全ての始まりと言う意味で長くならざるを得なかったのかも知れない。

「んなこと、あるわけねぇだろ」という突っ込みはまぁ、「ほら話」だからご容赦というところか。色々なところが出来すぎではあるものの、一つ一つのエピソードがそれなりに面白いので許したくなる。あと、その時代時代の空気を上手に表現していると思う。これは、それぞれの時代に生きていないとちょっと理解できないとは思うのだけれど。一番「どうかなー」と思ったのは、75年をセピア色で表現したベタな演出。ほとんどの映画で利用されるこの手の手法だけれど、もう辞めた方が良いんじゃないだろうか。あと、車の運転シーンをみているといかにもオートマっぽいんだけれど、あの車の頃って、オートマってあったのかなぁ?まぁ、別に良いんだけれど。

伊藤淳史さん、濱田岳さん、森山未來さん、そしてもちろん大森南朋さんといったところがしっかりと演じているので、映画としてはしまりがある。多部未華子さんの泣き顔だけどうかなーと思わないでもないのだけれど、あれが良いっていう人もきっといるんだろう。

トータルで評価して、☆2つ半。面白かった。
  
Posted by buu2 at 19:34Comments(0)TrackBack(0)映画2009

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2009年10月20日

ぐるりのこと。

ぐるりのこと。 [DVD]

画家の夫婦のそれぞれの生活を同時並行的に描きつつ、二人の接点としての家庭を描いたもの。と書くと非常に簡単なのだけれど、映画そのものは非常に技巧的な映画で、真剣に観ていると凄く疲れる。そういうところを一つ一つ指摘して「こういったやり方がすばらしい」とか、「ここがみどころ」とか、色々と言及できるところがある、能書き重視派にはもってこいのおかずとなる映画。それで、普段なら僕も喜んで「こことここの対比がさ」とか、色々書きたくなるんだけれど、何しろ劇場じゃなくDVDで観たわけで、もう旬も過ぎているし、そもそも語りつくされていると思うので、やめておく(笑)。

ただ、ひとつだけ。冒頭の15分ぐらいで、「あぁ、この映画はこういう映画なんだな」と思わせておいて、その後全然違う展開にしちゃうところが何とも面白い。推理ものとかでは良くある奴だけれど、こういう人情ものでそれをやられてしまうと、「うわー、やられちゃった」という心地よさがある。

あちこちに散りばめられた乾いた笑いが結構良い。そして、その調子がずーーーっと続いていく。この手の映画って、実は結構あって、例えばジャージの二人とか、南極料理人とか、そういう映画が類似品だと思う(乾いた笑い、というところが)のだけれど、個人的にはそういった作品よりも、この作品の笑いがフィットした。多分、そういうのは個人差があると思うので、「いや、南極料理人の方が面白かった」という人もいると思うのだが、僕はこちらの映画の方が好き。

あぁ、そういうことってあるよなぁ、という、心当たりのあるシーンがてんこ盛りで、やっぱり夫婦って、どこでもこんなもんなんだろうな、とも思う。そういう意味では、未婚だったり、結婚間もない人が観てもピンと来ないかも知れない。

誰もが知っているあの事件、という有名事件の数々を色々とちょっとだけ垣間見せていくのだけれど、そのあたりも観る人の共感というか、歴史を共有しているところを上手にくすぐっていると思う。

唯一残念だったのは、10年にもわたる長い期間を描いた映画なのに、登場人物のほとんどが全然老化しないこと。もうちょっとそのあたり、なんとかできれば良かったのにな、と思う。ベンジャミン・バトンまでやれとは言わないから。

お勧め。評価は☆2つ半。  
Posted by buu2 at 23:45Comments(0)TrackBack(0)DVD

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2009年07月15日

ハゲタカ(ドラマ)

ハゲタカ DVD-BOX

ふう、最後まで見た。

テレビの看板番組のキャスターをやっていながら、「お前、その暇は一体どこにあるんだ」と突っ込みたくなるような神出鬼没っぷりを発揮し続けるお姉さんのドラマ。

ということはないのだけれど、それにしても暇がたくさんあってうらやましいお姉さんだった。ま、それは良いとして、このドラマ、5話後半からの急展開っぷりがすさまじく、それまで「この主人公がやっていることは全然普通だけれど、この人に感情移入できる日本人って一体どの程度いるんだろう」と思いつつ見ていたわけで、終わってみればちゃんと風呂敷が畳まれていたのがなかなかに見事。

でもまぁ、やっぱり、このドラマを主人公視点で楽しめる人間は今の日本にはものすごく少ないと思う。主人公がやっていることは実は最初から最後まで一緒なのだけれど、印象が違うのはスポットライトの当て方が大きく変わったからだと思う。だから、「最初は嫌いだったけれど、5話以降人が変わって良かった」という感想を持っている人がいたら勘違いなんじゃないかな。そもそも、人間の考え方なんか、そう簡単に変わるわけはないわけで。

大怪我をしてリハビリに苦労するところとか、経済原理の波に巻き込まれて無一文になってしまうところとか、最後まであきらめないところとか、個人的な経験と重なる部分がいくつかあって、それはそれで楽しめたのだけれど、それにしても普通の人は滅多に経験できないことで、「普通の人はこれをどうやって楽しむんだろう」と思わないでもない。でもまぁ、ターミネーターのような経験も、スターウォーズのような経験も、サウンド・オブ・ミュージックのような経験も、実際には経験したことがないわけで、実体験と照らし合わせる必要なんていうのはないんだろうな。だから、僕の場合はかなり特殊な楽しみ方をした人間なんだと思う。

2時間という映画の枠を取り払って6時間でたっぷり見せることができたのが良かったと思う。これを2時間、あるいは前後編の4時間程度に収めてしまおうとしたら、多分失敗していたはず。

それにしても、ホリエモンライクな松田君はちょっと笑えた。笑えたけれど、多分普通の人が見たら、世の中にあるITベンチャーやら、ファンドやら、その手の人たちは皆あんな感じに見えているんだろうなぁ、と思った。僕の知らない経営者達がどう考えているのかはもちろん知る由もないのだけれど、僕とか、僕の周りの経営者のほとんどは、「社長の価値は、どれだけの人間に仕事を与えることができたか(=雇用を作り出せたか)だ」と考えている。そのためにはもちろんお金も必要だけれど、お金が全てでもない。そんなことは皆わかっているんだよな。

音楽だけちょっと気に入らなかったので、評価は☆2つ半。さて、上映が終了しないうちに映画も観てこないとだなぁ。  
Posted by buu2 at 18:54Comments(0)TrackBack(0)DVD

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2009年07月13日

ハゲタカ(ドラマ)途中経過

ハゲタカ DVD-BOX

映画を観る前にビデオで予習中。今、第4話まで観た。という事実の報告だけ。最後まで観たら感想を書くつもり。

しかし、このドラマ、一般の視聴者は誰に感情移入するんだろう???  
Posted by buu2 at 17:30Comments(0)TrackBack(0)テレビ番組

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2009年06月16日

蛇イチゴ

蛇イチゴ [DVD]

西川美和氏の監督デビュー作。

映画監督というのは誰でもなれるものではなく、当然のように下積み生活があるんだと思う。そういう「やりたくても出来ない時期」が長いとすれば、「思ったようにやって良い」という立場になったとき、それまでにあたためていたことをとりあえず全部出し切ってしまいそうな気がする。だから、映画監督というのは、もしかしたらその第一作に非常に濃い濃度でその思いを濃縮するのかも知れない。

この作品のテーマは「嘘」。ひとつの家庭を中心に、一見円満に見える生活の裏に隠されている嘘を少しずつ明らかにしていく。そして、真実が見えてきたときの周囲の心の動きを丁寧に映像化している。

冒頭、教室での一こまがこの映画の全て、あるいはこの「蛇イチゴ」以後の西川作品の全てに通じていると思う。金魚の世話を毎回サボる男の子と、それを糾弾する女子生徒、そして、金魚の世話係のもう一人の女の子。男の子は終始多くを語らず、ただ下を向いている。糾弾する女子生徒は「お母さんが病気になって、といって、朝、世話をしに来なかった。でも、昼にはお母さん、元気に外を出歩いていました。そして、次の日もまた具合が悪くなったといって、サボったんです」と、理詰めで現状を指摘する。このクラスの担任の倫子はその指摘を受けて、「ごめんなさいって、謝ろうよ」と男の子を指導する。しかし、最後に世話係のパートナーの女の子は、「本当に嘘なの?本当に具合が悪かったんじゃないの?」という問いかけを倫子にする。この話の真相は最後まで明らかにされないのだが、嘘と信じ込んでしまうデータを羅列して、間違った方向へと誘導される大衆心理と、その裏にある真実は必ずしも一致しない、ということを提示している。パートナーの女の子の問いかけは若干親切すぎる気もしないではなく、小説や映画にそこそこ触れていれば、「あぁ、こういうことかな」と察しがつくし、西川監督の他の作品を観ていればなおさらなのだけれど、このあたりはデビュー作ということもあって、若干饒舌になっているのかもしれない。

作品の中では、そのあと、たくさんの嘘が描かれていく。ずっと隠していた嘘、映画の中で生まれる嘘、自分に対する嘘、あれやこれやで嘘のてんこ盛り。そして、最後に、ちょっとした真実を混ぜてみる。どこまでが嘘で、どこからが真実なのか、あとは皆さんの判断にお任せします、というところで映画は終了。なるほど、「ゆれる」や「ディア・ドクター」と根っこの部分で良く似ている。だから、この2作品を観て「面白い」と思った人は、一度観ておいても損はないと思う。

西川監督、どうやら自分が好きな俳優さんを使う人のようで、その好みが自分と似ているので、安心して観る事ができる。宮迫博之さんは舞台で観たときはイマイチだったけれど、映画ではなかなかに上手。この人は舞台より映画が向いているようだ。つみきみほは結婚してからあまり見かけなくなったけれど、彼女の金属質な声が好き。他の俳優さんたちもみんな上手で、良い感じで映画を彩っていた。

たくさんの嘘の中にある数少ない本当、彩度の低い映像の中で数少ないヴィヴィッドな物体、周囲の音を消去した中での対象物の音声。こうしたコントラストを意図的に盛り込んでいく西川監督の手法が上手に表現された一作だと思う。評価は☆2つ半。  
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2009年06月10日

ジャージの二人

ジャージの二人 [DVD]

観終わって最初のひとこと。「えーーー、これで終わりかよ(笑)」。

注釈をつければ、「えーーー、これで終わりかよ(怒)」ではない。

別につまらないわけではなく、ところどころ、クスクス笑ってしまう。しかし、大爆笑ってことではない。なんともまったりした雰囲気が最初から最後まで続く。これがこの映画の最大の見所、みたいなものもなく、説明もなく、ただただ単調に続く。

レタス畑。浅間山。上信越自動車道碓氷峠手前の橋。森。字幕。そしてジャージ。

昨今の展開の早い映画とは一線を画する映画であることは間違いない。では、それを楽しめたのか、というと、個人的には正直イマイチだった。つまらないとは思わないけれど。思わず笑ってしまう場面は多々あったけれど。要は、今の自分にこの映画を心の底から楽しむだけの精神的余裕がないということなのかも知れない。映画を作った人が悪いのか、映画を観た自分が悪いのか、どちらにしろ、観る人を選ぶ映画なんだろうな、と思う。

評価は☆1つ。今、日本人男優では一押しの堺雅人さんが頑張っていても、この評価が精一杯かなぁ。  
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2009年06月09日

ゆれる

52ec2286.jpgディア・ドクターが非常に面白かったので、西川美和監督の前作、「ゆれる」をツタヤで借りてきて観てみた。いや、面白い。

ガラス(アクリル含む)の透過や反射、それと音声のフェイドアウトやカットアウトを非常に巧妙に積み重ねていく映像が印象的。面会のシーンで心の揺れにシンクロさせてカメラが揺れるのも面白かった。

ガラスに映る、本来は見えない角度の表情。ガラスに反射するテレビの映像。アクリルによって分断された二つの空間。本来は見ることが出来ないはずの二つの場面を重層的に見せていく。これを何度も何度も繰り返していくのが、この映画で試されたひとつの表現方法だった。

正直で実直な兄が、ほんのちょっと見せる嘘がこれまた印象的。また、それをしつこく説明せずに、「観ていたんだからわかるでしょう?」という感じで突き放すところがなかなか気持ち良い。このあたりが饒舌すぎて説明的過ぎた「重力ピエロ」と対照的。

ラストの処理の仕方はディア・ドクターそっくり。というか、ディア・ドクターでも同じ手法を取ったんだと思うけれど、これが西川スタイルということか。で、このスタイルが、非常に好き。

ただ、正直に書くけれど、どうして弟が法廷で最後にああいう証言をしたのか、そのあたりは今でもちょっと良くわからない。自分の作品が机に並んでいるのを見て、「重たいな」と感じて逃げ出した自分のことを根掘り葉掘り探られるのが嫌だったのか。兄の気持ちを知っていながら、その相手と寝てしまったことを明示されるのが嫌だったのか。あるいは、面会で兄にズバリと言い放たれたことに腹が立ったのか。

やばいと思って橋に走って行っているんだから、弟は問題の場面を遠くから見ていたはず。それに、「悲鳴が聞こえた」と証言していたけれど、弁護士の調査のシーンでそれが嘘だということは裏付けられているから、あの場面での証言は嘘(あるいは思い込み)。でも、嘘にしちゃぁ、ぶち切れ方が酷いし、結果も酷い。もしかして、弟は肝心の場面を見ていなかったのかな?

まぁ、世の中全て説明がつくわけではないので、行動の理由も全てが論理的である必要はないのだけれど、この部分は「観る側にお任せします」などとせず、制作サイドから種明かしして欲しいところ。

オダギリジョー、香川照之の演技も非常に良かった。

何しろ、最後の最後までラストのまとめ方が想像できず、「一体どうなるんだろう」と思わせながら引っ張ってしまうのが凄い。そして、観終わってすっきり。これは借りてきて観ないともったいない。☆3つ。  
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2009年05月08日

アイズ ワイド シャット

乱暴にまとめてしまうと「倦怠期のお金持ち夫婦がちょっとしたアクシデントに巻き込まれる話」ぐらいになってしまうのだけれど、それにしては妙に面白い映画だった。

冒頭の日常を描いたシーンから冴え渡るカメラワークで、夫婦の日常生活を端的かつするどく描いている。確かに生活していればなんでもない場面なんだけれど、それをきちんと切り取ってカメラに収めるのはなかなかに難しい。なぜそう思うのかと言えば、そういう映画をあまり観たことがないからだ。最初のパーティーのシーンも静かに淡々と進むのだけれど、それでいて観る側の好奇心を丁寧に刺激していく。

そして、肝心のなぞの屋敷での仮面乱交パーティ。カメラワーク、音楽、美術とどれもが素晴らしい。この間やっていた「パフューム」とかもこのくらいに凝った演出をしていればまた随分と違ったんだろうなぁ、などと思ってしまうのだけれど、「あぁ、こういう表現をしたかったんだな」というのがストレートに伝わってくる。このあたりが監督の才能なんだろうなぁ。

めがねのニコール・キッドマンがナイス。

このお金持ちの夫婦が最終的にそれぞれ何をしたのか、ということと、映画を観ている最中に自分が頭の中で考えていたことを対比してみると、「見事に監督にしてやられた」と感じてしまう。つまりはなんでもない事象を高度な技術によって表現し、それを観る観客の心を操る映画だった。「あんなことになっているのでは」「これはこういうことかな?」などと色々と想像をめぐらせてしまうのだ。でも、終わってしまえば「なぁんだ」という感じ。それでいて、がっかりするわけではない。物凄く出来の良いお化け屋敷のような。明るくなってみれば、全然どうということのないストーリーなのだけれど、見ている最中は物凄く楽しめる。

え?これで160分?あっという間じゃん、という感じ。個人的にはキューブリックの最高傑作は「時計仕掛けのオレンジ」だと思うけれど、この作品も評価は☆3つ。

アイズ ワイド シャット 特別版 [DVD]  
Posted by buu2 at 17:05Comments(2)TrackBack(0)映画 2004以前

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2009年04月02日

近距離恋愛

近距離恋愛

仲良しの男女、腐れ縁の男女の関係を描いたありがちなストーリー。自由に恋愛を楽しみ、自分の都合の良いときにだけ彼女との時間を楽しむ男と、その男との関係に居心地の良さを感じつつ、仕事の出張先で知り合った男性と結婚を決意してしまう女。そんな二人の恋の顛末、という感じで、書いてしまうとあっという間。つまりは、あんまり内容がない(笑)。おかげで、時間も約100分と、かなり短め。

ありきたりのストーリー、特に変わった演出もなく、ヒロインが絶世の美女というわけでもない。ということでつまんないか、というとそうでもないところが映画の面白いところ。いや、別に凄く面白いかと言われればそんなことはない。でも、ちょっとしたシーンとかに「あぁ、あるある」みたいなのがあったり、ちょっとした台詞に「あぁ、ちょっと格好良いかも」とか思ったりするわけで、少なくとも観終わって「時間を損した」と思うようなものでないことは確か。ま、結婚を阻止するためのどたばたはそんなに面白いわけでもないけれど、しつこいわけでもなく、さらっと時間が過ぎていくのが良い。

映画館で観るかといわれれば「うーーーーむ」という感じだし、実際観に行かなかったのだけれど、ツタヤで借りてきて観る価値はあると思う。邦題も珍しく悪くない。評価は☆2つ。  
Posted by buu2 at 00:14Comments(0)TrackBack(0)映画2008

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2009年03月30日

エリザベス : ゴールデン・エイジ

エリザベス : ゴールデン・エイジ

エリザベスも観たから、その流れで借りてきた。

前作の出来が良かったので結構期待していたのだけれど、ちょっと肩透かし。物語としては大きくわけてエリザベスの三角関係、ライバル・メアリーの王位継承、そしてスペイン無敵艦隊との対決、という3テーマになるのだけれど、どれもこれもちょっと中途半端。まず恋愛譚だけれど、女王としてのエリザベスと女性としてのエリザベスを描こうとした意図はわかるものの、どうにも突込みが甘く、感情移入できない。ベスが可愛いのは良いんだけれど、ベスとエリザベスの関係の中に海賊が入り込んできたあたりがいまひとつ濃密に描かれておらず、単にベスが弱っているときに勢いで、みたいな感じになっているのがちょっと違和感あり。最後のまとめ方もうーーん、という感じ。王位継承の話はこれまた国民を守る位置づけの女王と人間としてのエリザベスを対比するのは良いんだけれど、メアリーの描かれ方が中途半端。史実を良く知らないのでなんとも言えないのだけれど、もうちょっと詳細に描いたらどうだったんだろう。そして、無敵艦隊との対決。ここがおそらくは映画の一番の見せ場だったんだろうけれど、ロード・オブ・ザ・リング、パイレーツ・オブ・カリビアンなどの会戦シーンを観てしまっていると、いかにも短い。いや、長ければ良いというわけではないし、LORなどはちょっと長すぎる気もしたけれど、この映画を観てみると会戦シーンは長すぎるのはともかく、短いと駄目というのが良くわかる。しかも、スペイン艦隊が異常に弱い。いや、無敵艦隊はサッカーでも肩透かしを食らわせたことがあるのだけれど、本当にあんなんで良かったのか、スペインの人たちは怒らないのかとちょっと心配になる。

やや短めで、「え?これでおしまい?」というところで終わってしまうところを考えると、あと30分長くして色々な部分をもうちょっと描けば受ける印象は随分と違ったものになっただろうなぁ、と思うのだけれど、どうなんだろう。☆1つと言いたいところだけれど、アビー・コーニッシュが可愛かったので☆半分オマケ。☆1つ半。  
Posted by buu2 at 21:53Comments(0)TrackBack(0)映画2007

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2009年03月27日

エリザベス

エリザベス

数年前の映画かと思っていたら、98年なんですね。長野オリンピックの頃だから相当昔。っていうか、一昔以上前なのか。

ツタヤの準新作に置いてあったのでもうちょっと最近のものなのかと思ったんだけど、ゴールデンエイジにあわせて再発売とかだったのかも知れない。

さて、映画。時系列的に言えば先日観た「ブーリン家の姉妹」の続編みたいなもので、アミダラ姫の3部作とレイア姫の三部作、みたいな感じでそのままブーリン家とエリザベス。何しろ、衣装、音楽、セットなどが豪華。そんな中でどろどろの謀略劇が展開する。政治と宗教が絡まってどんどん人が殺されていくあたりは洋の東西を問わないんだなぁ。

誰も信用ができないような状況にあって、山本勘助のような名参謀を手に入れたエリザベスが黄金時代の礎を築くまでを描いていて、世界史に疎い人間には非常にわかりやすい。どこからがフィクションなのか良くわからないけれど、ちょっとした教養になると思う。

ケイト・ブランシェットが、時代に翻弄され、その中で「女王」となっていく姿を好演。

最後、バタバタバタっとストーリーが進むあたりはゴッドファーザー的な展開にも感じられるのだけれど、広げた風呂敷があっという間にたたまれる様はなかなかに見事。評価は☆2つ半。  
Posted by buu2 at 15:27Comments(0)TrackBack(0)映画 2004以前

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2009年03月23日

人のセックスを笑うな

人のセックスを笑うな [DVD]

技巧に走って技巧におぼれてしまう日本人監督というのは良く見かけるのだけれど、技巧を的確に使って表現できる日本人監督というのは稀だと思う。この作品は、そんな、技巧を的確に使うことができる数少ない監督の成功作だと思う。

大きな仕掛けがあるわけじゃない。凄い特殊効果があるわけでもない。しかし、これでもか、と役者をいじめるような、それでいて的確な映像表現のオンパレードである。

観ていてすぐに気が付くのが固定カメラによる超長回し。そして、その間に役者たちは結構ものを食べる。いやー、これでNG出したら、またあのチョコレートを食べるんですか?みたいなことが気になってしまうような、異常に長いカット。でも、もちろん役者をいじめているわけではない。きちんと計算された効果を出しているから面白い。個展にでかけた蒼井優のシーンなどはその代表。徐々に右に寄っていき、最後にはフレームアウト寸前。そして、そこから戻ってきて、お盆の上のお菓子を食べつくす。そのやり取りの緻密なこと。また別のところでは、屋上からの駅のロータリー。はじめは動いているのは主人公たちのバイクだけ。意味もなくロータリーをぐるぐる回っているところを長まわし。そして、そこにはじめて動きが出てきたところでバイクは走り去る。そういったタイミングの計り方。あるいは、土手を走るバイクと電話の音声のシンクロなど、異常なまでに計算された表現は凄いの一言。

他にも観ていて楽しかったシーンはてんこ盛り。リトグラフを刷る永作と松山、モデルをやりに行って全裸にされてしまうシーン、エアマットを膨らませるシーン、観覧車、ラストのキスと校舎の屋上。

長くまわしていることによって出てくるアドリブ(多分)を効果的に使い、登場人物の一種のテレを生み出し、そしてそれによって観るものに乾いた笑いを提供する。この繰り返しで映画はどんどん進んでいく。だから、このあたりの面白さを楽しめないと、抑揚のない平板なストーリーだと感じてしまうかも知れない。一つ間違えると、悪女にもてあそばれる好青年と、彼に思いを寄せる女の子の三角関係、みたいなありがちなストーリーに感じてしまうかも。

俳優では、多分ロリ顔おばさんの永作博美の年齢不相応な可愛さに注目が集まるのだろうけれど、個人的には蒼井優のファンなので、そちらの演技に釘付け。主役じゃないから登場頻度は永作ほどでもないのだけれど、でも、準主役だから出番はそれなり。色々なシーンで魅力を振りまいている。一番印象的なのはやはりラブホのシーンだろうか。軽い身のこなしでトランポリンをする蒼井優はとても可愛らしい。で、そのシーンの最後の落ちも可愛らしい。

今、日本の俳優の中で「演技を見せることのできる人」というのは、比較的若いところだと蒼井優、松山ケンイチ、堺雅人ぐらいかなぁ、と思うのだけれど、そのうちの2人が出ているのだから、面白くなかったら監督を吊るし上げる必要がある。でも、大丈夫。十分に面白かった。評価は☆2つ半。  
Posted by buu2 at 20:41Comments(0)TrackBack(0)映画2007

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2009年03月19日

フィクサー

フィクサー [DVD]

ジョージ・クルーニー親分主演の一応ミステリー。

農薬会社の薬害訴訟を主軸に、もみ消し専門の弁護士の立ち回りを描いた社会派作品。最近、この手の映画って凄く多い気がするのだけれど、その中では比較的軽めというか、あんまり派手さのない、静かな映画。また、ただでさえあまり長くない映画なのに、同じシーンが反復されたりするので、食後感は「ちょっとあっさり」という感じ。でも、クルーニー親分の顔がこってりしているのでバランス的にはちょうど良いのかも知れない。

アカデミー賞では作品賞を含む7部門にノミネートされ、ティルダ・スウィントンが助演女優賞を獲ったわけだけど、作品賞を獲るにはちょっと軽すぎてゼア・ウィル・ビー・ブラッドにはちょっと及ばない感じ(って、受賞はノーカントリーだけど)。

ずっしりと重い国内のミステリー文学を読んでいると、最後の顛末も含め、ランチ程度の重みでちょっと食べたりない感じもする。いや、それは最近のこの手の社会派映画がすっかり国際色豊かになってしまい、敵も大物になり、戦闘機が飛び交い、マシンガンで木っ端微塵にしてしまう、なんていうものが増えてきたからなのかも知れない。

ツタヤで準新作になった今、借り時かも知れない。評価は☆1つ半。  
Posted by buu2 at 23:12Comments(0)TrackBack(0)映画2007

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2009年03月16日

クライマーズ・ハイ(映画)

クライマーズ・ハイ デラックス・コレクターズ・エディション [DVD]

ジェネラル・ルージュの凱旋の堺雅人が非常に良かったので、DVDを借りてみた。

原作は大分前に読んで結構面白かった。そのとき、匿名さんから「映画もどうですか?」といわれていたのですが、そのまま忘れていました(^^;

で、DVDで観たわけですが、なるほど、この内容なら映画館で観ても良かったかも。堤真一の暑苦しさが上手に活かされていた。日本人男優って、こういう暑苦しいタイプに良い人が多いんですよね。古くは松田優作。最近では佐藤浩市とか(って、佐藤浩市といえば僕が子供のころ「青春の門」で杉田かおる(今みたいになっちゃう前の、っていうか昔からああだったんだろうけれど、それが全然わからないころの)とラブシーンをやったことが一番印象に残っているのだけれど)。で、堤真一さんといえば僕にとっては「キル」なんですが、最近は映画でもご活躍で、ローレライ、姑獲鳥の夏、ALWAYS三丁目の夕日、魍魎の匣、容疑者Xの献身などなど、物凄い実績なわけです。ま、当たり外れはあるんですが。ということで、その堤真一さんは暑苦しく頑張っているわけですが、それはそれ、僕にとっての見所は堺雅人さんだったので(笑)。いやぁ、なかなか良い味は出してます。でも、彼の本当のところというのは十分に活かされていなかったかな。飄々としている中に鋭さを隠し持っている、能ある鷹タイプのキャラクターがはまるんですよね。そういう意味では篤姫の家定とかははまり役だったわけですが。

原作本に比較すると親子の関係というのが希薄になってしまって、新聞社の中のせめぎあいに焦点が当たっていた感じ。それはそれで構わないのだけれど、そこに重点が置かれてしまうと、圧力隔壁のスクープの顛末というのはちょっと収まりが悪い。結末を知っていても、「あれ?そうなっちゃうの?」という、拍子抜けな感じがあるわけです。

でも、映画化されてより明確になったものもある。一番大きいのは、衝立岩。登山をやらない僕には衝立岩がどんなところなのかさっぱりわからず、それは本を読んでも伝わってこないわけですね。でも、映像で見れば一目瞭然。なるほど、こんなところなのかーと。ただ、逆にデメリットもあるわけで、たとえば打ち込まれたハーケンは、僕が思ったような場面じゃなかった。あれは映像化されないほうが良かったかも知れないなぁ。

まぁ、トータルで観ると、そこそこ上手に料理された、そこそこの映画という感じ。評価は☆1つ半。  
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2008年11月21日

ニライカナイからの手紙

ニライカナイからの手紙

いつツタヤに行ってもレンタル中でなかなか借りることができなかったのだけれど、ようやく見つけた。

蒼井優、沢尻エリカ、堀北真希は若手女優の中で高く評価している3人なのだけれど、彼女達の演技力とか、魅力とか、そういう女優サイドのファクターではなく、彼女達が出演している作品という視点から見てみると、この中で一番良い作品に出ているのが蒼井優だと思う。これはもちろん女優サイド、所属事務所の方針が反映されているのだろうけれど、蒼井優の出てきた映画の質の高さは疑うところがない。そういうわけで、「きっとこの作品も面白いだろうな」と期待していたのだけれど、ほぼその期待通りの内容だった。ただ、期待以上のものでもなかったというのが正直なところ。素材が良かったのに、もうひとつその良さを生かしきれなかったような気がする。

沖縄の竹富島で暮らす女性が島を離れ、東京で暮らし始める、というありがちなストーリーを縦軸にしつつ、幼い頃に別れた母との関わりを描いていくという内容。まず非常に残念なのは、お母さんが娘に会うことが出来ないという事情が物凄くわかりやすくネタばれしてしまう点。親と子の関係と言うものを考えれば、「あぁ、これはこういうことなんだろうな」とすぐに察しがついてしまう。ここがわかってしまうだけで、この映画の面白さは半減である。次に残念なのが、島の人たちの演技。どうにもこうにも素人臭いのである。あぁ、あんまりお金がなくて、エキストラをたくさん使ったのかなぁ、などと考えてしまうのだけれど、実際のところはどうなんだろう。正直、おおよそ本職の俳優とは思えない演技が多かった。それから、冒頭の親子が遊ぶシーン。ここも、親子の遊び方がどうにもぎこちなく、親子に見えてこない。そのあたりはわざとな演出だったのかもしれないが、そこまで勘繰るのはあまりにも親切過ぎる感じだ。

ただ、そんな中においても蒼井優と平良進の演技は素晴らしい。二人ともせりふで何かを語るというよりは何も語らずに目で表現する、というところを求められているわけだが、それをきっちりとやり遂げている。ベテラン俳優ならともかく、蒼井優という若手がこうしたところをきっちりとこなしているあたりには感心させられる。泣くシーンひとつをとっても、それぞれの場面でそれぞれ違った泣き方を表現しきっているのが素晴らしい。主演の二人がきっちりと演技しているので映画自体はしまっている。しかし、脇を固めるべきところが不十分なところが「面白いけれど、詰めが甘くてなんとも惜しい」と思わされる。

風希の学生時代の三角関係模様とか、カイジの片想いとか、いくつかの恋愛をごくごく薄味でスパイスとしているあたりはなかなか良い感じ。タイトルの意味も映画の中できちんと明確になっていて良い。全体の構成、山場の持っていきかたなども非常に良かったと思う。つまり、脚本は凄く良かったということ。主演◎、脚本◎、演出△といったところか。

ストーリー面で言うと、「なぜ20歳の待ち合わせが東京指定なのか」とか、「1月の誕生日に待ち合わせなのに、なぜ手紙の中で桜に言及するのか」とか、ちょっと理解できない部分もあったのだけれど、このあたりはさっくりとスルーすべきところか。

郵便局があまりにも宣伝されすぎているのは、まぁ、それは良いじゃないですか、という感じ(笑)?

手紙が全然経年劣化していかないのは不思議。冷凍庫で保存していたんだろうか。

何しろ、口数の少ない女性をやらせたら蒼井優以上に上手な役者はなかなか見当たらない。映画には映画の良さが、舞台には舞台の良さがあるわけだけれど、舞台では難しい表現の代表例が「無言の演技」「動きのない演技」である。そういう部分を主張できるのが逆に言えば映画の長所になるわけで、蒼井優という女優さんは映画向きの女優さんであると言える。動くことによって表現する、喋ることによって表現するというのは王道だが、動かなくても表現できる、喋らなくても表現できる蒼井優という役者は貴重だと思う。

評価は☆2つ半。  
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2008年11月12日

Sweet Rain 死神の精度

Sweet Rain 死神の精度 スタンダード・エディション原作があっての映画化のようだが、原作は全く読んでないし、知識もない状態でDVDを鑑賞した。

観る前から「多分面白いんじゃないかな」と思っていたのだけれど、予想通りそこそこ面白かった。映画は3つのエピソードから構成されているのだが、これをネタばれなしでコメントするのは非常に難しい。ということで、以下、猛烈にネタばれしつつの感想である。

映画は一つ目のエピソードと三つ目のエピソードの関連性が高く、二つ目はやや独立した感じで構成されている。死神という人間の常識を超越した存在の設定を上手に生かした映画とも言えるのだが、残念なのはあちらこちらにヒントをちりばめてしまっていること。これのおかげでラストの展開がバレバレ。いっそのこと、それらのヒントは全部なしにしてしまえば良かったのにと思う。この映画を字幕にしてみたらそのバレバレ具合がいっそう引き立つに違いない。「なぜ突然こんなせりふが」と違和感ばりばりになってしまうからだ。これは監督が親切なのかも知れないが、こちらから見ると「観客を馬鹿にしすぎ」という気がしてくる。こんなにあからさまに誘導されてしまったら、誰でも結末が予想できてしまう。そして、それでは映画が全然楽しめなくなってしまう。

そんな、致命的な構成上の弱点がある映画なのだけれど、それでも結構見せてしまうのは主役の金城武がなかなか良い演技を見せているから。音楽を聴いているシーンなどは不自然すぎてちょっとやりすぎという感じがあるのだけれど、それ以外は「異質なもの」を上手に表現していたと思う。それは第三話のロボットなどにも通じるのだけれど、人間と人間以外の対比を演技で表現していたのは見事。一方で、死神が連れている犬を字幕で喋らせるのはいかがなものか。もうちょっと別のやり方があっても良かったと思う。

小西真奈美の顔は正直あまり好きではないのだけれど、「好きではない」という顔が逆に映画にはまっていたのが良かった。それと意外と歌が上手だった。

全体を通じて思うのは、第二話の挿入がいまひとつしっくりこなかったこと。たとえば全6話構成とかで、本作の第一話がひとつめかふたつめ、そして第三話がラストに来るといった構成だったら随分と違った印象になったと思う。しかし、それでは映画が長くなりすぎる。2時間に収めようと思えば今回のような構成は避けられないものだ。あるいはデスノートのように最初から前後編という形で制作する手もあったのかと思う。何しろ素材がなかなか良くて、出演者もそこそこに芸達者なので、「モッタイナーイ」という感じがする。

評価は☆2つ。
  
Posted by buu2 at 23:56Comments(0)TrackBack(0)DVD

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2008年10月18日

ブラック・ダリア

ブラック・ダリア コレクターズ・エディション 2枚組

猟奇的な殺人事件の謎を追う二人の刑事の物語・・・・・・かと思ったら、全然違っていて、ボクシングの好敵手である二人の刑事と一人の女性による三角関係の物語である。

わけはないのだが、いや、でも、そんな感じでずっと話が進んでしまう。いったいいつになったら人が死ぬんだろう、もう死なないのかな、と思っていると唐突に死ぬ(笑)。それで、そこから先は良いテンポで話が進んでいくのだけれど、セピア色の色調もあって、とにかく眠くなる。だから、夜中にお酒を飲みながら、とかだと途中で寝ちゃいそう。

あちらこちらに伏線を配しているあたり、非常にマニア受けしそうな作品だと思うのだけれど、油断して観ていると「なんだか退屈な映画」となりかねない。で、自分がこの映画をじっくり満喫できたかというと、そんなこともなく(;_;)、ちょっと退屈してしまった。で、観終わってから、「なんだ、結構面白いじゃん。はじめからちゃんと観なくちゃ」と思ったんだけれど、ツタヤに返却する当日だったので、もう一度観るのは断念。

評価は☆1つ半。  
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2008年10月16日

ラヂオの時間

ラヂオの時間 スタンダード・エディション

唐沢寿明がひたすら格好良いコメディ。

三谷作品というのはこういう演劇的なコメディを映画のスクリーンに載せる、ということなんだろう。それはそれで悪くないのだけれど、映画と演劇の違いというのは、役者の生の迫力で笑いなり感動なりを伝えることができる演劇に対して、映画のスクリーンというのは非常にクールだということ。こと「笑い」ということに限ると、舞台の上で大げさに動き回る役者を見たり、あるいは隣の人が大笑いしていたりすると、つられて笑ってしまうような、そんなところがある。ところが、映画の場合はそういう勢いが希薄だ。さらに、それがDVDとなるとさらに臨場感がなくなる。舞台ならもちろん、映画館でも滑らない話が、テレビを通じてだと滑ってしまう。

だから、この映画も映画館で観たら面白いのかも知れない。いや、テレビで観ても、確かにそれなりには面白いのだ。しかし、大爆笑ものかといわれると、そんなこともない。残念ながら、まぁ普通に面白いコメディなのだ。そして、面白さよりも、唐沢寿明の格好良さの方が前面に出てしまう。だから、唐沢寿明ファンには結構良いかもしれない。かくいう自分も唐沢寿明は決して嫌いな俳優ではないので、それなりに楽しめた。

評価は☆1つ半。  
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2008年10月15日

潜水服は蝶の夢を見る

潜水服は蝶の夢を見る 特別版【初回限定生産】

脳の血管障害で左目のまばたき以外では意思の疎通ができなくなった元雑誌編集長の話。彼自身がまばたきよって書いた自伝をベースにしている。

完全に体の自由を失った状況で目覚めるところを主人公の視点で描き始めるところから映画はスタートするが、目の焦点が合わないこと、まばたき、視点の移動などをカメラで表現することによって、観客を主人公の主観に導入し、しばらくはその不自由な状態を続ける。これによって、観客達を上手に主人公に感情移入させている。

「実際の目だったら、まぶたの前の針に焦点は合わないよな」とか、「こんな広範囲に人間の目は動かないよな、カメレオンじゃないんだから」とか、そういう微妙な突っ込みどころはある。あるのだけれど、逆に「あぁ、カメラをこういう風に使って涙を表現しているのか」とわかるようなところもあって、リアリティというよりも映像表現として面白い。

ストーリーは、身動きできない状態で目が覚めてから、理学療法士、家族、出版補助者、友人、倒れる前からの愛人などとの交流を描き、そして静かなラストを迎える。

そんな映画なので、いかにもお涙頂戴的な感じがするのだけれど、実際にはそういうトーンの映画でもない。男性は配慮が足らず、女性は単純、みたいなことをモノローグで語らせるブラックユーモア。身動きができない中での視点は女性の口元や胸元、太ももだったりすることによって、主観的な映像で主人公の女好きを表現したりしている。全く身動きができない人間という立場を普通の人は経験する機会がないし、それを健常者の立場から想像しても限界がある。しかし、この映画の原作はまさにそういう立場からの生の情報発信であり、そこに存在するメンタルな世界がどういったものなのかを知る機会として、非常に興味深い。

「可哀想」とか、「勇気付けられた」とか、そういう印象をこの映画から受ける人も非常に多いとは思うのだけれど、個人的には「なるほど、こういう立場になると、こんなことを考えるのだなぁ」と思うと同時に、健康な人間の同情がいかに的外れなのかがわかって面白かった。

なかなか良い映画なので、ツタヤの半額デイで借りてきて観ることをお勧めする。評価は☆2つ。  
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2008年10月10日

ジャンパー

ジャンパー (特別編)

ヘイデン・クリステンセンとサミュエル・L・ジャクソンが対決って、スター・ウォーズですか?という感じだったのだけれど、見てみたらスター・ウォーズとは大分スケールが異なる。

氷結した川に落ちて命を落としそうになったことをきっかけにテレポートできるようになった青年が、正体不明の組織から命を狙われる、みたいな話。

って、これ以上書きようがないくらいに内容がない(笑)。うーーーん、彼女があんまり可愛くなくてがっかり?うーーーーーん。テレポート先に日本が出てくるんだけれど、銀座と渋谷をテレポートなしに行ったりきたりしていて面妖?うーーーーーーーーん、スタッフが世界旅行したかったのかな?そのあたりは007みたいな感じ?

あのね、テレポーター同士の対決とか、テレポーターと暗殺者の対決とかがあるわけだけど、できることとできないことの設定があいまいなんですよね。だから、全部ご都合主義に見えちゃう。また、「それができるなら、こういう戦い方をしろよ」みたいに思っちゃう。映像化すると凄く見栄えがするようなバトルをわざわざ選んでいて、戦いに効率を追求している感じがしないんです。命がかかってるんだから、もっと真剣に戦えよ、もっと頭使えよ、って、そんな風に思っちゃうんですね。

そういう風に感じさせちゃう余裕を見る側に与えているという時点で、やっぱ、駄目なんじゃないかなぁ。最近見た映画だと、アイアンマンとか、突っ込む暇を与えないようなスピーディさがあった。突っ込まれるような設定が悪いんじゃない。突っ込まれるような余裕を与えるのが悪いんだ、みたいな。

評価は☆半分。  
Posted by buu2 at 20:38Comments(0)TrackBack(0)DVD

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ブロークバック・マウンテン

4eb39366.jpgなんともコメントが難しい。アカデミー賞の監督賞をはじめ、ヴェネチア国際映画祭などでも高く評価された本作。一言で書けば「20年以上続いた男同士の純愛」みたいな感じなんだろうか。もっとストレートに書けばホモで不倫な映画(笑)。

うーーん、しかし、男同士って、こうやってできちゃうんだー。へぇー、みたいな。二人とも普通に家庭を持って、子供も生まれるのに、でも男同士も忘れられない、というのがちょっと理解不能で。別に気持ち悪いとか、不道徳だとか、そういうことではなく、単純に理解不能。理解不能だし、共感できない。だから、コメントも難しい。

単純に、「あぁ、こういう世界もあるんだな」という感じで、淡々と進むストーリーを傍観してしまった。退屈はしないけれど、感動もしない。なんか、そんな感じ。感性が鈍いのかな?これが男と女のストーリーなら、良くあるタイプのダブル不倫。それが男と男だから、差別とか、偏見とかが含まれて、話が深くなる・・・・のかも知れない。わかりませんが。

ということで、評価は☆1つ。

ブロークバック・マウンテン プレミアム・エディション  
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2008年09月23日

イン・ザ・プール

イン・ザ・プール

奥田英朗原作のうち、「イン・ザ・プール」「勃ちっ放し」「いてもたっても」を映画化したもの。

奥田英朗の「伊良部本」はテレビドラマ、演劇にもなったが、イマイチ消化不良だった。さて、映画はどうだろう、と思って観てみたのだが、こちらもやっぱり消化不良。原作の面白さを10%も表現できていない。何しろ、原作で表現されている伊良部の面白さは松尾スズキでは残念ながら実体化不可能だ。何故かといえば、その面白さの少なくない部分が「デブであること」にあるからだ。松尾スズキが本気で伊良部を演じようと思うなら、まずは体重をあと40キロぐらい増やす必要がある。その点、演劇版は宮迫博之が多少贅肉をつけていたので良かった。テレビドラマは阿部寛だから、駄目なのはいわずもがなである。一方、重要なキャラのマユミちゃんの方はまぁまぁだった。ただ、実はこちらの役はそれ程難しくない。背が高くて、胸がでかければ表現が可能なキャラだ。だから、サトエリ(演劇)、釈由美子(テレビ)もそれなりだった。

別に原作至上主義ではないから、原作に忠実である必要はない。松尾スズキが松尾スズキなりの伊良部を作り上げようとするならそれはそれで一向に構わないのだけれど、じゃぁそういう意図が汲み取れたのかといえばそんなこともない。思わず「ぷっ」とふきだしてしまうような場面はことごとく原作に忠実なところだ。別に松尾スズキが下手だというわけではない。彼の演劇は何本も観てきているから、彼の才能は良くわかっているつもりだ。要は、「どうやって見せようか」というコンセプトの部分と、それを実際に映画の中に表現する演出の問題である。結果として、原作は全編笑いに満ちているのに、映画になったらときどきしか笑えないというのではがっかりだ。

もっとべたな演出、例えば下妻物語みたいな見せ方をしてしまうという手もあったかも知れない。でも、そういう手法があるにもかかわらず、それを使わなかったということは、普通のアプローチで笑わせようということ。その挑戦はもちろん全然構わないのだけれど、結果、失敗に終わっていたと思う。

最上級のフォアグラ、牛肉、黒マグロなどの素材を用意したのに、それを使って作った料理は凡庸で大して旨くなかった、みたいな期待はずれ感。そんな映画だった。ただし、これは原作を読んだ人間の感想。もしかしたら、原作を読まずに観たら楽しめるのかも知れない。  
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2008年09月13日

終わりで始まりの4日間

終わりで始まりの4日間

日本未公開映画。ツタヤで借りてきたけれど、こんなに安いなら買っても良かった。なんでこんなに安いんだ(笑)?

ナタリー・ポートマンが出ていたから借りてきたんだけれど、普通に面白かった。ただ、映画と言うのは基本的に映画館で観るべきもので、この映画は特に映画館で観るべき作品だと思う。

映画館で観なくちゃいけない理由は「音響が素晴らしい」とか、「映像が素晴らしい」とか、色々あるわけだけど、この映画の場合、「序盤が退屈で、ついつい早送りしたくなるから」ということと、「序盤が退屈で、ついうとうとしちゃうこと」が理由。何度か、自分が借りてきた映画なのか確認までしてしまった。

また、いくつかわけわかんないシーンとかもあって、そのあたりはもう一度しっかり観てみないとわからない。でも、多分もう観ないと思う(笑)。評価は☆1つ半。  
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2008年09月12日

ミス・ポター

ミス・ポター (初回限定生産 特製パッケージ)

ピーターラビットの作者、ビアトリクス・ポターの半生を描いた映画。どこまでが事実で、どこからがフィクションなのか、その境目が良くわからないのだけれど、両親を含めた家族の設定などは比較的忠実なようだ。

全てのストーリーが基本的に事実ということであれば、ストーリー展開があまりにも唐突だったりするところなども「事実は小説より奇なり」ということで目をつぶらざるを得ない。しかし、もうちょっと色々あってもいいんじゃないかなー、逆に、それならフィクションとして味付けしても良かったんじゃないかなー、というところもないではない。例えばウォーンがビアトリクスの絵に一目ぼれするところもちょっとあっけなさ過ぎるし(まぁ、アナキン・スカイウォーカーがダークサイドに寝返ったのもあっけなかったので、これはユアン・マクレガーが関連する映画の特徴なのかもしれない)、そのウォーンを襲った悲劇も「なぁんちゃって。実はお母様の陰謀でしたよ」っていつなるのかを楽しみにするほどあっけなかったし(まぁ、メイス・ウィンドゥがパルパティーンにやられちゃうところもあっけなかったので、これはユアン・マクレガーが関連する映画の特徴なのかもしれない)、ラストの落ちも随分あっけなかったし(まぁ、パドメがアナキンのことを好きになったくだりも・・・・以下自粛)、どれもこれも、すーーーーーーーっと抜けていってしまうようなあっけなさ。このアタリが逆にいいのかもしれないけれど、90分という短さを考えると、もう少し色々あってもいいんじゃないかなぁと思った。子供時代をカットインさせる方法は演劇っぽくてそれなりに効果を出していたと思うのだけれど、意味不明のカットイン部分があったような気もする。そのあたりも含め、もうちょっと効果的に出来たんじゃないかなぁと思う。そして、最大のポイントは主演のレニー・ゼルウィガー。彼女には彼女なりの良さがあると思うのだけれど、やはりもうちょっと良家の子女、才色兼備っぷりを一目でアピールできるような役者さんを使った方が良かった気がする。でもまぁ、最後の方のシーンではあの田舎娘っぽさがフィットしていたのかも知れず、このあたりは好みの問題かも知れない。

いや、だって、アミダラがレニー・ゼルウィガーだったら、それはどうかと思うでしょう?

ということで、一番言いたいことは、ユアンが出ているとついついスター・ウォーズを引き合いに出してしまい、レビューが良くわからなくなってしまうけどご容赦願います、と言うことかもしれない。

しかし、何不自由なく生活できる金持ちだったからこそ創出できたものというものがこの世には色々あって、それは例えば先日のコロー展(http://www.corot2008.jp/)なんかにも通じるところなんだけれど、「格差」「格差」と連呼している日本人には理解できないことなのかも知れず、あるいは格差を連呼していることと、こういう映画をそのまま肯定的に受け取ってしまうこととの整合性がついていないことに全く気がついていないお気楽っぷりなのかも知れないけれど、「良く観ろ、日本人」と思わないでもない。

評価は☆1つ半。  
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幸せのレシピ

幸せのレシピ 特別版

手短にストーリーを説明すれば、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ演じる女性料理長が切り盛りするニューヨークのフレンチレストランにイタリアンの料理人がやってきてのどたばた、みたいな感じのラブコメディ。

短めに編集されているせいか、あちらこちらで説明不足の場面が目に付いてしまうのが非常に残念なんだけれど、「まぁ、映画なんてご都合主義だからね」と思って観ていれば諦めもつく。そのあたり、どこまで短いシーンに意味を含ませるかが「一級品」と「その他」の分水嶺でもあると思うのだけれど、この作品はそういう意味では「その他」の作品。

例を挙げれば、階下の男性ははじめ不審者っぽくて、さぁ、これがどうやって絡んでいくんだろう、と思っていたら、いつのまにか良いおじさんになっていて、その上、そのままフェイドアウトしてしまった。こんな感じで、アクセントにも何にもならず、意味不明の挿入があるかと思えば、逆に「なぜ姪はキャサリンの料理を食べないのだろう」みたいな部分が良くわからなかったりもして、説明不足の部分もあったりする。また、実際の料理人と言うのはオーナーでもない限り、自分の腕で世の中を渡っていく人種で、一つの店にこだわり、「ここが私の唯一の世界なの」と言ってしまう主人公のキャラクター設定もどうなのかなぁ、と思う。全体として現実味がないのは間違いがなく、現実を知っていれば知っているほど違和感を持つと思う。結局、語るべきところと語らなくて良いところのバランスがイマイチで、監督、脚本のあたりの力不足は否定できない。

が、この作品はなんといっても主要登場人物3人がどれも芸達者で、それだけで楽しく観ることができるのも間違いない。細かく理屈をこねるのではなく、ラブストーリーと思って単純に楽しみましょう、というスタンスに立てば間違いなく一級品の部類。テンポが早いのもここでは良い方向に作用している。キャリア志向と人間味の葛藤、みたいな視点からこの作品を観るのであれば、「プラダを着た悪魔」の方が全然面白いと思うけれど、結局彼女は多分変な客が来たら、やっぱり包丁をテーブルに突き刺すと思うので、下手に成長話みたいに取らず、本当に軽いのりで観るのが良いと思う。評価は☆2つ。  
Posted by buu2 at 12:24Comments(0)TrackBack(0)DVD

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2008年09月01日

ディスタービア

ディスタービア

つまらなそうだったので、映画館でみるのをパスッた本作品、ツタヤの半額チケットで借りてきました。

結論から書けば、予想よりは面白かったけれど、凡作という感じ。何しろ、主人公の行動が一々馬鹿で、観ていて腹が立つ(笑)。「あー、おいおい、そんなことしたら捕まるだろ、馬鹿」「なんでそこで一人で乗り込むかなー」「お前、わざと危ない橋を渡ってないか?」と、常に突っ込みたくなるのである。制作側が「こういう感じでパニックに陥らせましょう」と画策しているのが見え見えで、「そりゃないだろ?」という展開の連続なのだ。

ストーリーだけをなぞれば「裏窓」的なものと言えるのだが、一つ一つの小道具が全く役に立っていないのもいかがなものか。ビデオやネットなどを駆使して悪と戦うのかと思えば、さにあらず。使うものは結局バットだったり大きなはさみだったりするのが笑える。

この手の映画お決まりの「やばいと思ったらガキの悪戯」みたいなものが多く(例えば、ジョーズの、海水浴場に鮫の背びれが現れて・・・・・っていうアレですよ)、このアタリは既視感バリバリ。

しかしまぁ、最初の期待値がどん底だったので、なんとなく得した気分なのは確か。評価は☆1つ。  
Posted by buu2 at 03:33Comments(0)TrackBack(0)DVD

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2008年08月30日

ソウ4

ソウ4 DTSエディション

ジグソウは死んだんじゃなかったの?ということなのに、どうやって4を作るんだろうと思ったんだけど、色々なやり方があるものですね(笑)。

映画自体は、3ほどグロくなくて、痛くもなかった。でも、ストーリーはどうなのかなぁ。正直、あんまり面白くなかった。こういうノリで延々と続けていくつもりなのかも知れないけれど、そろそろ飽きてきた感じ。っていうか、最初から気持ち悪くて、あんまり好きな種類の映画じゃなかったんだけれど。評価は☆半分。  
Posted by buu2 at 14:24Comments(0)TrackBack(0)DVD

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