2011年10月08日

悪夢のエレベーター

akumu


停止したエレベーターに閉じ込められた男女4人。さて、どんなドラマが、と思ってい観ていると、最初は心理劇。虚実が入り乱れていてどうなっているのかなー、と思っているうちに、映画の半分ぐらいでいきなり物語が終了。以後、ネタの解説がはじまるのだが、え?これで話が終わっちゃうの?と思ったらもちろんそんなことはなく、これが映画のスタートだったりする。

以後、何度も「へっ?」という事態が発生していきながらラストへ向かっていくのだが、そのどんでん返しの連続はなかなか面白い。が、その風呂敷は結局畳まれないまま。ちょっと、ちょっと、それじゃぁ、どうなっちゃうのよ、という宿題は山積みのままである。

軽いノリで最後まで観てしまえば、それはそれで良いのかも知れないけれど、たくさんの取り返しの付かないことを一体どうするんだよ、という感想が残ってしまう。

全体を通して軽い笑いで楽しめるけれど、作品としては問題が残ると思う。観終わったときはすっきりしない。評価は☆1つ半。  

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2011年06月05日

シャッター・アイランド

シャッター アイランド [DVD]

ちょっと長めの2時間20分の映画。そのうちの、1時間45分ぐらいはかなり退屈で、「どうしてこういう、ツイン・ピークスみたいな映画を作っちゃうんだろうなぁ」と思ってしまったのだけれど、最後の30分ぐらいできちんと広げた風呂敷を畳むのが見事。9回の表まで1−0で負けていて、9回の裏になんとか同点にして、延長11回、これでアウトになれば時間切れで引き分けで試合終了のツーアウトランナー無しからサヨナラホームランで勝利、という、2011年6月4日の中日対西武の試合みたいな映画である。もう、ずーーーーっと辛い状態が続くので、ラストのスッキリ感はなかなかのもの。

ブルースクリーンの処理がイマイチなのが減点要素。でも、映像表現自体はなかなか面白かった。

この映画、きちんとレビューを書くには、ネタバレが必須。なので、追記に書きます。評価は☆2つ。  続きを読む
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2010年07月18日

曲がれ!スプーン

曲がれ!スプーン [DVD]堀北真希も作品に恵まれない役者だけれど、長澤まさみも負けずに作品に恵まれない。ひどい映画にばかりでているので、彼女が出ているだけでどうせだめな映画なんだろうな、と思ってしまうのだけれど、その予想に反して比較的まともな映画だった。ただ、まともなだけで、別に面白いわけではない。舞台の作品にして、役者をちゃんと揃えれば、結構面白いかも知れない。それを長澤まさみを主演にして、映画にしちゃったから、やはり物足りないのである。SETあたりがずぶずぶのコメディ演劇にして池袋あたりで芝居にかけていればまた随分と違った印象になっただろうな、と思う。

でも、長澤まさみは、これまでの映画よりはずっと良さが出ていたと思う。別に美人の役でもなく、格好良いわけでもない。2.8枚目ぐらいに3の線に近づいた役どころだったけれど、これが意外と味がある。今後もこの方向性で行くなら、一皮むけるかも知れない、と感じさせる作品ではあった。

長澤まさみのファンなら観ても悪くないと思うけれど、彼女のファンならもう観ているよね。では、普通の映画ファンにとってはどうか、というところだけれど、準新作ぐらいになったらTSUTAYAで水曜日にレンタルしても良いのではないかと思う。

個人的には長澤まさみの顔が結構好みなので、ちょっとだけ評価をアップして☆2つ。  
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2010年06月05日

なくもんか

41c56139.jpgどうもクドカンとは相性が悪い。彼の脚本の特徴はスーパーエキセントリックシアターの脚本と共通で、コメディで最後まで押し切らないところ。最後の30分で転調して、お涙頂戴シーンになってしまうのだ。この映画でもこれがいただけない。

Dさんが出てきたあたりからなんか雲行きが怪しくなってきて、そのままテンポダウンして終わってしまう。

ストーリーとか、設定とかは凄く面白いし、ところどこで吹き出しちゃうようなシーンもある。お母ちゃんが事故るところとか、爆笑ものである。普通のソースのところも笑える場面である。あと、劇中コントは大抵の場合面白くないのだが、本作はちゃんと笑えた。

そうやって、きちんと面白いシーンでつないでいったのに、最後で「あーーーーーー」となってしまう。こういう展開の方が一般受けするっていうことなんだろうか。でも、やっぱりコメディはコメディで最後まで通して欲しい。

ところで、この映画で出てきたハムカツのソース。40年注ぎ足した秘伝のソース、ということだったけれど、このソースは40年前のソースなんかほとんど入っていない。例えば、全量の半分を毎日使って、使った分を注ぎ足すとする。すると、そのソースの中に含まれているのは、今日足した分が1/2、昨日足した分が1/4、一昨日足した分が1/8、3日前が1/16、4日前が1/32で、この時点ですでに3%である。一週間前なら0.4%で、二週間前になると0.003%である。面倒なのでやらないけれど、一ヶ月前ならほぼ0で、当然40年前のソースなんか全く含まれていない。って、映画とは全然関係ないけれど、鰻とか、カレーとかで時々この手の「○○年間注ぎ足し続けた秘伝の××」っていうのを耳にするので、ちょっと計算してみた次第。

さて、話を元に戻すけれど、竹内結子はこういうちょっと不幸な女性を演じさせるととても良い味を出す。子役の二人もなかなか上手だった。というか、役者さん達はみんな上手で、安心して観ていられた。やっぱ、脚本だよ、脚本。主人公の裏の姿とか結構良かったし、それが上手にラストシーンにつながっていた。なーのーにー。突然夕陽になったあたりからの変調はちょっとイメージが悪すぎる。これだけで☆が1つ減っちゃう。でも、竹内結子が個人的に好みなので☆半分追加して、☆2つ。  
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かいじゅうたちのいるところ

5e5714e0.jpgもともとの絵本は英語版しか読んだことがないのだけれど、凄く短い話。それを2時間近くの映画にしちゃうって、どうやるんだろうと思って興味津々だったんだけれど、あぁ、そういうことか、という感じ。

主人公の男の子がおかれている状況と、友達になったかいじゅうの一匹との状況を重ねあわせ、そのかいじゅうとのやり取りを通して男の子がちょっとだけ成長する、というストーリーに仕上げていた。要は、登場するキャラクター全ての精神年齢を主人公やそのちょっと上に揃えて、主人公に自分の姿を客観的に見させる、という構造にしたわけだが、ありきたりと言えばありきたり。

この映画、ターゲットはどのあたりなんだろう。毛むくじゃらのかいじゅうがたくさん出てくるあたりでは子供向けな感じだけれど、そこで展開される話は決して子供向きではない。じゃぁ、大人向きかといえば、そんなこともない。まず、ストーリーに抑揚がない。製作サイドもそのあたりに自覚があるのか、盛り上げたり、感情を左右させるのは音楽ばかり。音楽を聴いているだけでこちらがどう感じれば良いのかがわかってしまうので、逆に興ざめする。つまりは、演出が単純なのだ。かいじゅうたちにも特に思い入れが生じるわけでもない。だから、眠くなる。

それに、原作はちょっと遊びに出かけて、疲れたから帰る、というストーリーだったから良かったけれど、映画では色々とかいじゅうたちを性格付けして、色々なイベントを起こしたのに、原作よろしく、それらはほとんど全部放ったらかしで帰っていってしまう。これはちょっと無責任な感じだ。

いや、言いたいことはわかるのだけれど、2時間の映画に引き伸ばすほどのものではなく、例えばPIXARの冒頭のショートムービーみたいなのにフィットする内容。これで通常料金を取っちゃうのは厳しいんじゃないかなぁ。

ぬいぐるみが好きとか、そういう子どもには良いかも。でも、明るい映画じゃないし、ワクワクドキドキするわけでもない。だから子どもにはあんまり勧められない。一方で大人の鑑賞にも耐えないと思う。誰が観るんだ!って、誰も観なくて良いかも。この絵本のファンだけどうぞ。  
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2010年05月21日

路上のソリスト

路上のソリスト [DVD]

とにかく助け合うことを是とする農耕民族、かつ、都合の良い時に都合の良い神様を引っ張り出してくる基本的に無宗教の日本人にはなかなか受け入れられそうにない作品。

新聞の有名コラムニストと少年時代に天才と称された元チェリストの交流を描いた物語だけれど、なかなか一筋縄ではいかない。

ふとした拍子にホームレスのバイオリン弾きナサニエルと知り合ったロペスは、彼のルーツをたどって、彼がなぜホームレスになったのかを記事にする。その記事を読んだ読者からの好意によってナサニエルには様々な援助が与えられるのだが、ナサニエルはそれを全くありがたがらない。彼には彼の信仰があって、神がいて、そして彼は一般人から見たら全く恵まれていない生活、環境に満足していた。

この映画ではナサニエルの統合失調症をかなり印象的に描いているのだけれど、その部分はそれほど重要ではなく、人には人それぞれの正義と幸福がある、というだけのこと。ロペスにとっての幸せと不幸、ナサニエルにとっての幸せと不幸を効果的に対照しつつ、物語は進んで行く。

人の価値観はそれぞれであるというのがメイン。横糸に音楽を配して、アメリカ・ロサンジェルスの今を描いている。

アメリカ人は自分たちの正義を中東に無理やり押し付けたりする一方でこういう映画を撮るのがちょっと不思議。

ラストの第九第三楽章を含め、音楽が非常に重要な役割を果たしている。この映画は映画館で観るべき映画だった。

評価は☆2つ半。  
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2010年05月15日

空気人形

597efcbf.jpg劇場公開時から結構評判が良かったので観たかったんだけれど、なんだかんだで都合が合わずに結局DVDで鑑賞。

非常に静かな映画なので、ちょっと眠くなることは否定出来ないんだけれど、そこでさらっと描かれているのはみんながちょっと触れられたくないような人間の本質だったりして、ちょっとトゲがある。

人形の方が面倒くさくなくて良いとか。

人間に命を吹き込もうと思ったのに無理だったとか。

周りの人たちが結局空気人形を性欲処理の道具として使っちゃうこととか。

登場人物がみんな孤独なこととか。

人形は「空気を吹き込む」という行為に「命を吹き込む」という行為を重ねあわせて、命に興味を持つ。一方、冴えない青年は厭世指向によって「空気を抜く」(=死)という行為にこだわりを見せる。このすれ違いがが起承「転」結となってしまうのが何ともやるせない感じ。

「ええーーーーー!みたいな設定なのに、それをみんながあまりにも簡単に受け入れるものだから、あぁ、そういうものなのね」と納得させちゃう。そのあたりがさりげなく凄いと思う。

空気を吹き込むことによって永遠に生きることができるようになったのに、ポンプから解放されて人間らしく生きようとした人形、ぐらいまでは凄く良かったと思うのだけれど、ラストはちょっと悲しすぎる感じ。悲しさが、物凄くドラマチック、というのではないあたりが一層悲しい。

ぺ・ドゥナの体当たり演技も良かった。日本人でここまで出来る人ってあんまり見当たらない。だから彼女だったのかな?評価は☆2つ。  
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2010年05月14日

キラー・ヴァージンロード

c9ad68ed.jpg非常に演劇的な映画。映画中心に観ていて演劇をあんまり観ていない人がこの映画を観ると、嫌われ松子の流れで作られていると感じるかも知れないけれど、方向性は似ているものの、表現自体は決して漫画的ではなく、どちらかと言えば岸谷監督のルーツであるスーパー・エキセントリック・シアター(SET)の芝居に非常に近い。

前半、バカらしいギャグを連発し、思わず「くっだらねぇーなー」と口にしてしまいたくなるような演出が続くのだけれど、最後に広げた風呂敷をたたむ段階になって突然しんみりする、この作りがそのままSETである。

では、映画として成功しているかと言うと、うーーーーーーん、映画らしい演出もあちこちに観られて、独特のカラーは出せていたと思うけれど、諸手を挙げて、という感じの仕上がりにはなっていない。なぜなら、ラス前の転調からがもう永遠かと思うほどに間延びしてしまうのである。実は、これは岸谷監督のみならず、SETの演劇の弱点そのままだったりもする。ただ、これを弱点と感じるのか、それともこうであって欲しいと感じるかはそれぞれで、少なくとも三宅裕司氏、小倉久寛氏、そして岸谷五朗氏あたりはこういうのが好きなんだと思う。

でも、どうせなら、あのまま一気に突っ走って欲しいというのが個人的な思い。真面目なシーンなんていらないじゃん。面白おかしくてくだらないのが良いじゃん。どうしてホロリとさせなくちゃならないのさ、って思ってしまう。

途中までの1時間程度までは凄く笑えたんだけれど、そこから急激に失速したのが残念。でも、SETの演劇が大好きっっていう人には良いんじゃないかと思う。評価は☆1つ半。  
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2010年05月13日

クヒオ大佐

6ffc7636.jpg結婚詐欺師と、彼を取り巻く女性たちを描いたコメディ映画。

公開時に観たかったんだけれど、都合がつかずに結局映画館で見ることができなかった。仕方が無いのでツタヤで借りてきてみてみたんだけれど、大体予想通りの映画だった。

冒頭、「あれ?違うディスク?」と心配になってしまうような第一部がいきなりオカシイ。すぐにそれとわかるような嘘をついて100億ドル以上をせしめた米国と、嘘とわかっているのにおつきあいしなくちゃならない日本。そんな国際状況がさっと説明されて、始まるのが第二部。もう、このくだらない構成だけで☆が半分増えちゃう。

そして、そこから先は、堺雅人が出る映画で頻繁に展開される乾いた笑い。大きく口をあけて爆笑するようなところは全然ないんだけれど、プッと吹き出しちゃうようなシーンがあちらこちらに。この人の映画って、本当にこういうのが多い。きっと、コレが彼のカラーなんだろう。問題は、そのカラーにフィットするかどうか。ジャージの二人は、少なくとも僕にはフィットしなかった。でも、南極料理人は結構イケた部類。そして、この映画もまんざらではなかった。

もう、映画の概要が最初っからわかっているから、見るシーン、見るシーン、「あぁ・・・・・」という感じ。そして、それを全然裏切らない展開。予想がつくといえば予想がつくんだけれど。そして、予想できちゃうのは、観客だけじゃなくて、登場人物の女性たちもだったりする。みんな、「怪しい」と思っている。思っているのに騙されちゃう。騙されても、なんか許しちゃっているところもありそうな感じ。「私、騙されてるな」と頭で理解していながら、でも、感情が制御できないでいる。そんなおバカな登場人物たちがいい味を出している。

そして、弁当屋社長の弟と、銀座のやり手のホステスがまた良いスパイスになっている。彼らのお陰でクヒオの情けなさが一層引き立つ。さらに、嘘を嘘で塗り固めながらもピンチに追い込まれては困った表情を浮かべるクヒオを上手に演じる堺雅人がナイス。

ということで、結構笑えたし、登場人物たちの演技も良かったし、なかなか馬鹿にできないと思う。満島ひかりちゃんが可愛かったので、その分☆をおまけ。  
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2010年03月17日

マイマイ新子と千年の魔法

bdb9530c.jpg「昔子供だった、全ての大人達に捧げます」みたいなコピーが大分前にあったような、なかったような。そんなコピーがピタっとはまる、大人向けの映画である。

昭和30年代の山口県の田舎町が舞台であり、主人公。その町にやってくる人(生まれたり、引越してきたり)と、去っていく人(死んでしまったり、引越して行ったり)に関する複数のエピソードを子供の目線にこだわって描いている。子供の目線だから、いくつかのエピソードは情報不足で、どうなっているのだか良くわからなかったりもするのだけれど、大人の目線で全てを理解することを製作サイドは目的としていない様子。だから、わからないものはわからないままである。でも、子どものときって、そんなことばかりだったはず。分からない中で勝手に空想して、勝手に結論を出して、そしてまた明日のことを考えていたわけで。

長編アニメーションとしては比較的短めに仕上げてあるけれど、そこに展開される映像は非常に濃密で、かなりマニアックな出来だと思う。ディテールに手抜きがなく、そこに対して大人たちの共感が得られるに違いない。一方、子どもが観てしまうと、「何をアタリマエのことを」ということになりかねないと思うのだけれど、今の子どもたちはこの映画で語られているような生活はしてないのかも知れず、だとしたら全く共感を得られないことになる。どちらにしても、子どもたちにとってはあまり面白くない映画なんじゃないか。

子どもの頃は、ちょっとした闇の中に色々なものが存在すると思っていた。そういう闇の中に存在したものがいなくなってしまったのは多分中学校に上がる頃。その頃の思いがはっきりしている人、その頃の思いをなくしてしまったと自覚している人にとっては非常に懐かしい映画になるんじゃないだろうか。主人公たちがかかった千年の魔法を観ることによって、数十年の魔法にかかるのかも知れない。今40歳なら、30年の魔法。

アニメーションというのは、そこに描かれているものは全て人工物。描いていないものは絶対に存在しない。普通に撮影した映画なら、電信柱とか、雲とか、意図せずに画面の中に入り込んでくるものが沢山あるけれど、アニメーションにはそういうものが存在しない。だから、画面の中に描かれているものは、何かしらの意図がある。そして、画面からその意図を汲み取る作業というのがアニメーションの一つの楽しみでもあるわけだけれど、この映画は、その楽しみが普通のアニメよりも多めに配置されていると思う。だから、何度も観ているうちに新しい発見があるかも知れない。ところが、そういった楽しみ方をする前に、この映画はあっという間に一般上映が終了してしまった。今はいくつかの映画館でこっそりと上映されているだけ。ちょっと勿体無い気がする。

評価は☆2つ半。  
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2010年03月12日

ラッシュライフ

ラッシュライフ [DVD]

フィッシュストーリーが意外に面白かったので、ラッシュライフも期待して観たのだけれど、今度は期待が裏切られて、非常につまらなかった。

何しろ、まず、音声がひどい。映画館で観れば問題ないのかもしれないけれど、音声がほとんど拾えていなくて、何を言っているのか良く分からない。仕方無しにボリュームを大きくしたら今度は物凄い大声で怒鳴ったりするので、何か新型の嫌がらせかと思った。これがわざとなのか、たまたまなのかはわからないけれど、うーーーーーむという感じ。

音声がひどいなぁと思いつつ、ご飯を食べながら見ていたらまもなく死体の解体ショーが始まって、ちょっとびっくり。でも、別にご飯を食べながらでも特に問題はない。問題はないのだけれど、問題なのはその内容じゃなくて、ハンドカメラによる映像。もう、ぐーらぐーらと揺れていて、観ていて気持ちが悪くなる。中身じゃなくて形式の方で気持ちが悪くなるっていうのはちょっとどうなのか。もちろんこれも狙ってやっているのだろうけれど、それがちゃんと効果を出しているのかと言われると正直微妙。

この、導入にあたる河原崎編の部分ですでにいやーな感じになっていたのだけれど、次の黒澤編もかなりやばい。このあたりで眠くなってきてしまい、あぁ、この映画はちょっと、自分には合わないな、と思った次第。我慢して最後まで観たけれど、特に感想らしい感想はない。監督の自分勝手な自己主張をたっぷり味わってしまった感じ。もちろん、その自分勝手な方向が自分の嗜好にあっているなら何の問題もないのだと思うのだけれど、残念ながら僕には合わなかった。要はそういうことなんだと思う。

観る人間を物凄く選ぶ映画だと思う。原作が大好きなら楽しめるのかも(僕は読んでない)。出演者が大好きなら楽しめるかも(堺雅人を始めとして、魅力的な俳優が出ていたし、一部を除いてきちんと演技していたと思うけれど、個人的にはちょっと楽しめなかった)。あとは・・・・・なんだろう。誰なら楽しめるのかな?良く分からないストーリーをきちんと再構築して、「あぁ、なるほど、こういうことだったのか」と、パズルを組み立てるような作業が大好きで、そのための労力を全く惜しまない人。これなら楽しめるのかも。

評価は☆半分。

ちなみに原作はこちら。

ラッシュライフ (新潮文庫)

原作を読めば、また違った印象なのかも知れず、でも、ちょっと当分読む気にはなれないかな。  
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2010年03月11日

フィッシュストーリー

フィッシュストーリー [DVD]

日本語のリズムが悪くて、ストレートに言ってしまえば日本語が下手ということで、小説を全く評価していない伊坂幸太郎さん原作。ということで、劇場公開時はノーマーク。DVDになったので観てみたんだけれど、予想に反して非常に面白かった。

1975、1982、1999、2009、2012のそれぞれの時代をまたがって複数のストーリーが進んでいく。それぞれがどんどん発散していって、あれ?もう随分時間が経っちゃったけれど、これでちゃんと広げた風呂敷が畳まれるの?と心配になるんだけれど、最後の10分ぐらいで全部つながる。

1975年のパートがちょっと長すぎて、逆に他のパートはかなりあっさりしているので、バランス的にはちょっと悪いかな、と思うけれど、全ての始まりと言う意味で長くならざるを得なかったのかも知れない。

「んなこと、あるわけねぇだろ」という突っ込みはまぁ、「ほら話」だからご容赦というところか。色々なところが出来すぎではあるものの、一つ一つのエピソードがそれなりに面白いので許したくなる。あと、その時代時代の空気を上手に表現していると思う。これは、それぞれの時代に生きていないとちょっと理解できないとは思うのだけれど。一番「どうかなー」と思ったのは、75年をセピア色で表現したベタな演出。ほとんどの映画で利用されるこの手の手法だけれど、もう辞めた方が良いんじゃないだろうか。あと、車の運転シーンをみているといかにもオートマっぽいんだけれど、あの車の頃って、オートマってあったのかなぁ?まぁ、別に良いんだけれど。

伊藤淳史さん、濱田岳さん、森山未來さん、そしてもちろん大森南朋さんといったところがしっかりと演じているので、映画としてはしまりがある。多部未華子さんの泣き顔だけどうかなーと思わないでもないのだけれど、あれが良いっていう人もきっといるんだろう。

トータルで評価して、☆2つ半。面白かった。
  
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ココ・アヴァン・シャネル

ココ・アヴァン・シャネル特別版 [DVD]

前回レビューを書いたウルヴァリンがX-MENのエピソード0なら、こちらはココ・シャネルのエピソード0。若い日々のココを描いている映画だけれど、その延長線上にあるはずの彼女の成功を直接描いてはいない。アチラコチラに散りばめられている成功への芽を、そのまま伏線として描いている。彼女の成功を知っている我々は、「あぁ、これが彼女のルーツなんだな」と、自分の記憶を補完しながら観ていくことになる。これって、前にも同じような映画があったよな、と思ったのだけれど、何かな、と思い返してみると、スター・ウォーズのエピソード1だった。あぁ、これがダース・ベイダーにつながるのか、あぁ、これがオビ・ワン・ケノービにつながるのか、あぁ、これがタイファイターに進化するのか、あぁ、これがスノーウォーカーになるのか、みたいな感じで、画面のそこここに配置された『種』を見つけては納得していく、あの感覚。シャネルとスター・ウォーズじゃ全然違うのだけれど、不思議なことに感覚は良く似ていた。

没個性的で同化を良しとする日本社会は多様性がなく、平準化され、それゆえに世界で一人負け状態になっているとみんなが理解しているのに、それでもまだ「格差社会」に怯えている。そういう、「耐久性のない社会構造の根源には出る杭を打つ国民性にある」と理解しつつ、それでもなお、結果の平等を得ようとしている今の日本は、百年前のフランスのようだ。そういう、右も左も同じ価値観であることに何の疑問も抱かないフランスにおいて、自分の個性を頑固なまでに主張し、生き、そして成功を手にしたシャネルの、ごくごく若いところだけを切り取っている。その後の成功に至る道筋を全てカットし、スタートラインに立つまでに絞って描いているところが潔い。

ストーリーの面白さ、事実の面白さに依存しているので、映画自体が物凄く個性的だとか、何か凄い技工が凝らされているとか、そういう感じではないのだけれど、偉人の伝記を読むような、そんな楽しさがある。

閉塞感たっぷりの今の日本人、特に女性には、ちょっとした刺激になるかも知れない。評価は☆2つ半。  
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2010年03月08日

第82回アカデミー賞

アバターとハート・ロッカーの元夫婦監督一騎打ちと言われた今回のアカデミー賞、終わってみればハート・ロッカーの圧勝という感じ。まぁ、わからないではない。ほとんどの受賞が下馬評通りだったわけだけれど、唯一、作品賞だけはちょっとだけ意外な結末だったかも知れない。主演女優賞はメリル・ストリープにとって欲しかったなぁ。残念。それにしても、ソフィーの選択はいつになったらDVD化されるんだ、もう。実家にビデオがあったかなぁ????あるだろうなぁ。今度、探してみよう。


作品賞
『アバター』
『しあわせの隠れ場所』
『第9地区』
『17歳の肖像』
★『ハート・ロッカー』
『イングロリアス・バスターズ』
『プレシャス』
『カールじいさんの空飛ぶ家』
『マイレージ、マイライフ』
『ア・シリアス・マン(原題)』

監督賞
ジェームズ・キャメロン『アバター』
★キャスリン・ビグロー『ハート・ロッカー』
クエンティン・タランティーノ『イングロリアス・バスターズ』
ジェイソン・ライトマン『マイレージ、マイライフ
リー・ダニエルズ『プレシャス』

主演男優賞
モーガン・フリーマン『インビクタス/負けざる者たち』
ジョージ・クルーニー『マイレージ、マイライフ』
コリン・ファース『ア・シングル・マン(原題)』
ジェレミー・レナー『ハート・ロッカー』
★ジェフ・ブリッジス『クレイジー・ハート(原題)』

主演女優賞
★サンドラ・ブロック『しあわせの隠れ場所』
メリル・ストリープ『ジュリー&ジュリア』
ヘレン・ミレン『ザ・ラスト・ステーション(原題)』
キャリー・マリガン『17歳の肖像』
ガボレイ・シディビー『プレシャス』

助演男優賞
マット・デイモン『インビクタス/負けざる者たち』
ウディ・ハレルソン『ザ・メッセンジャー(原題)』
スタンリー・トゥッチ『ラブリーボーン』
★クリストフ・ヴァルツ『イングロリアス・バスターズ』
クリストファー・プラマー『ザ・ラスト・ステーション(原題)』

助演女優賞
ペネロペ・クルス『NINE』
ヴェラ・ファーミガ『マイレージ、マイライフ』
マギー・ギレンホール『クレイジー・ハート(原題)』
アナ・ケンドリック『マイレージ、マイライフ』
★モニーク『プレシャス』

外国語映画賞
『アジャミ(原題)』イスラエル
『白いリボン』ドイツ
★『瞳の奥の秘密』アルゼンチン
『悲しみのミルク』ペルー
『アン・プロフェット(原題)』フランス

長編アニメ映画賞
★『カールじいさんの空飛ぶ家』
『コララインとボタンの魔女 3D』
『ブレンダンとケルズの秘密』
『ファンタスティック・ミスター・フォックス(原題)』
『プリンセスと魔法のキス』

脚本賞
★『ハート・ロッカー』
『イングロリアス・バスターズ』
『ザ・メッセンジャー(原題)』
『ア・シリアス・マン(原題)』
『カールじいさんの空飛ぶ家』

脚色賞
『第9地区』
『17歳の肖像』
『イン・ザ・ループ(原題)』
★『プレシャス』
『マイレージ、マイライフ 』

撮影賞
★『アバター』
『ハリー・ポッターと謎のプリンス』
『ハート・ロッカー』
『イングロリアス・バスターズ』
『白いリボン』

美術賞
★『アバター』
『Dr.パルナサスの鏡』
『NINE』
『シャーロック・ホームズ』
『ヴィクトリア女王 世紀の愛』

編集賞
『アバター』
『第9地区』
★『ハート・ロッカー』
『イングロリアス・バスターズ』
『プレシャス』

衣装デザイン賞
『ブライト・スター(原題)』
『ココ・アヴァン・シャネル』
『Dr.パルナサスの鏡』
『NINE』
★『ヴィクトリア女王 世紀の愛』

メイクアップ賞
『イル・ディーヴォ』
★『スター・トレック』
『ヴィクトリア女王 世紀の愛』

長編ドキュメンタリー賞
『ビルマVJ』
★『ザ・コーヴ(原題)』
『フード・インク(原題)』
『ザ・モスト・デンジャラス・マン・イン・アメリカ(原題)』
『フィッチ・ウェイ・ホーム(原題)』

短編ドキュメンタリー賞
『チャイナズ・アンナチュラル・ディザスター(原題)』
『ザ・ラスト・キャンペーン・オブ・ガヴァナー・ブース・ガードナー(原題)』
『ザ・ラスト・トラック(原題)』
★『ミュージック・バイ・プルーデンス(原題)』
『ベルリンの野うさぎ』

作曲賞
『アバター』
『ファンタスティック・ミスター・フォックス(原題)』
『ハート・ロッカー』
『シャーロック・ホームズ』
★『カールじいさんの空飛ぶ家』

歌曲賞
「Almost There」(『プリンセスと魔法のキス』)
「Down in New Orleans」(『プリンセスと魔法のキス』)
「Loin de Paname」(『幸せはシャンソニア劇場から』)
「Take It All」(『NINE』)
★「The Weary Kind」(『クレイジー・ハート(原題) 』)

音響編集賞
『アバター』
★『ハート・ロッカー』
『イングロリアス・バスターズ』
『スター・トレック』
『カールじいさんの空飛ぶ家』

録音賞
『アバター』
★『ハート・ロッカー』
『イングロリアス・バスターズ』
『スター・トレック』
『トランスフォーマー/リベンジ』

視覚効果賞
★『アバター』
『第9地区』
『スター・トレック』

短編アニメ映画賞
『フレンチ・ロースト(原題)』
『グラニー・オー・グリムズ・スリーピング・ビューティ(原題)』
『ザ・レディー&ザ・リーパー(原題)』
★『ロゴラマ(原題)』
『ウォレスとグルミット/ベーカリー街の悪夢』』

短編実写映画賞

『ザ・ドア(原題)』
『インステッド・オブ・アブラカダブラ(原題)』
『カヴィ(原題)』
『ミラクル・フィッシュ(原題)』
★『ザ・ニュー・テナンツ(原題)』  
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ウルヴァリン:X-MEN ZERO

アメコミ原作の作品ってあたりハズレが大きいと思うのだけれど、X-MENシリーズは大体あたりの部類。なので、この作品とかも多分大丈夫だろうな、と思ってDVDを借りてきたんだけれど、やっぱりあたりだった。

X-MENシリーズの主役、ウルヴァリンの誕生秘話という位置づけの作品なので、主役のヒュー・ジャックマンを若く観せなくちゃならないという難問があったわけだけれど、そのあたりは今の技術を以てすれば全然問題にならなかった様子。

登場人物たちもそこそこに魅力的だし、ストーリーも多少ひねりが効いている。アクションばかりじゃないよ、という主張はちゃんと伝わってくる。

何しろ、エピソード0的な位置づけだから、予定調和的なところもあって、「次にどうなるんだろう」というドキドキ感は希薄で、ある意味安心してみていられる。「そんな馬鹿なこと、あるわけないじゃん」という漫画的な描写も健在だから、上質のエンターテイメントとして楽しめるのが良い。

特別なメッセージがあるとか、何か考えさせられるとか、そういう映画ではないので、楽しんだもん勝ちだと思う。できればDVDではなく、映画館で観たかった。評価は☆2つ。

ウルヴァリン:X-MEN ZERO <2枚組特別編>〔初回生産限定:デジタル・コピー付〕  [DVD]  
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2010年03月06日

まにあなシネマ大賞2010(2009公開映画)

大変お待たせいたしました。昨年公開の映画の中から優秀な映画を選び出す、まにあなシネマ大賞の発表の時間です。今回は「マイマイ新子と千年の魔法」を観ることができず、ぎりぎりまで観に行けるように調整したんですが、駄目でした。ちょっと残念ですが、昨日日本アカデミー賞も発表されてしまったことなので、時間切れ。発表してしまいます(実はこのエントリー自体は1月頭に書いてあった)。

まにあなシネマ最優秀洋画
グラン・トリノ 
アバター、ハート・ロッカーとの競り合い。これからの可能性を見せたアバター、これまでの集大成、ひとりの映画人の生きざままでを見せたグラン・トリノ、戦争の緊張感を映画館で再現したハート・ロッカーはそれぞれに良さがあった。その中でも、ひとりの映画人の歴史を背負った作品、グラン・トリノに軍配が上がる。ダーティ・ハリーで44マグナムをぶっぱなし続けたクリントが、役者として最後に見せたシーンは、一本の映画のみならず、役者としての彼のラスト・シーンに相応しい。自分で自分のラストを演出するまでになった、そして、完璧な締めくくりを用意したクリントに拍手を送りたい。アバターはこれだけヒットしているのだから、間違いなく続編が作られるはず。そちらのできに期待したい。ハート・ロッカーはちょっと相手が悪かった感じ。

まにあなシネマ最優秀邦画
ディア・ドクター
正直、やや粗い部分もあったとは思う。しかし、ラストの見事さはそれらを忘れさせる。サマーウォーズとどちらが優れているかは非常に迷うところだが、やはり最後は人間力の差か。

まにあなシネマ特別賞
マイケル・ジャクソン THIS IS IT 
映画とは言えない本作だが、映画館で観なければその良さは伝わらないという、非常に評価が難しい作品。ということで、今年は特別賞を用意した。

まにあなシネマ優秀賞ノミネート作品
ジュリー&ジュリア
アバター 
風が強く吹いている 
サマーウォーズ 
レスラー 
ディア・ドクター 
グラン・トリノ 
インビクタス
ハート・ロッカー

まにあなシネマ最優秀俳優賞(邦画のみ)
主演男優 渡辺謙(沈まぬ太陽)
主演女優 中谷 美紀(ゼロの焦点)(助演かも?)
助演男優 林遣都(風が強く吹いている)
助演女優 余貴美子(ディア・ドクター)

#中谷美紀さんは世の中的には主演ではなく助演だったのかも知れません。ただ、その場合主演女優賞は誰なのか、考えるのがかなり難しいので、主演女優として扱ってしまいました。

さて、同時にきいちご賞も発表してしまいます。こちらの対象は邦画のみです。

まにあなきいちご賞(邦画のみ)
山形スクリーム
「THE CODE/暗号」を観た時点で「今年はこれで決まり!」と思ったのだけれど、上には上がいるから映画は面白い。そして、この映画は全く面白くない。内輪受けに終始し、お客さんに観てもらうことが全く意識されていない。こういう映画にお金を払うのは本当にバカらしい。まさに駄目映画。

まにあなきいちご賞ノミネート作品(邦画のみ)
アマルフィ 女神の報酬
ちゃんと伝える
重力ピエロ
20世紀少年<第2章> 最後の希望
THE CODE/暗号

まにあなきいちご賞俳優各賞
監督賞 竹中直人(山形スクリーム)
主演男優賞 竹中直人(山形スクリーム)
主演女優賞 広末涼子(ゼロの焦点)
助演男優賞 該当なし
助演女優賞 該当なし

以下、昨年鑑賞映画の評価一覧です。

評価別本数(括弧内は邦画の数)
☆☆☆ 10(3)
☆☆★ 10(3)
☆☆ 17(6)
☆★ 11(7)
☆ 7(4)
★ 6(4)
なし 4(2)

評価一覧
ハート・ロッカー  ☆☆☆
インビクタス ☆☆☆
ジュリー&ジュリア ☆☆☆
アバター ☆☆☆
風が強く吹いている ☆☆☆
マイケル・ジャクソン THIS IS IT ☆☆☆
サマーウォーズ ☆☆☆
レスラー ☆☆☆
ディア・ドクター ☆☆☆
グラン・トリノ ☆☆☆
沈まぬ太陽 ☆☆★
イングロリアス・バスターズ ☆☆★
男と女の不都合な真実 ☆☆★
トランスフォーマー/リベンジ ☆☆★
96時間 ☆☆★
消されたヘッドライン ☆☆★
バーン・アフター・リーディング ☆☆★
ジェネラル・ルージュの凱旋 ☆☆★
チェンジリング ☆☆★
K-20(TWENTY) 怪人二十面相・伝 ☆☆★
インフォーマント! ☆☆
パブリック・エネミーズ ☆☆
カールじいさんの空飛ぶ家 ☆☆
ヴィヨンの妻 ☆☆
ロボゲイシャ ☆☆
カムイ外伝 ☆☆
引き出しの中のラブレター ☆☆
セントアンナの奇跡 ☆☆
G.I.ジョー ☆☆
ハリー・ポッターと謎のプリンス ☆☆
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 ☆☆
天使と悪魔 ☆☆
スター・トレック ☆☆
ザ・バンク 堕ちた巨像 ☆☆
ワルキューレ ☆☆
ヤッターマン/YATTERMAN ☆☆
ベンジャミン・バトン 数奇な人生 ☆☆
ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない ☆★
カイジ 人生逆転ゲーム ☆★
さまよう刃 ☆★
南極料理人 ☆★
サブウェイ123 激突 ☆★
20世紀少年<最終章> ぼくらの旗 ☆★
ノウイング ☆★
愛を読むひと ☆★
スラムドッグ$ミリオネア ☆★
おと・な・り ☆★
おっぱいバレー ☆★
サロゲート ☆
ゼロの焦点 ☆
私の中のあなた ☆
TAJOMARU ☆
ハゲタカ ☆
ザ・スピリット ☆
カフーを待ちわびて ☆
2012 ★
アマルフィ 女神の報酬 ★
ちゃんと伝える ★
ターミネーター4 ★
重力ピエロ ★
20世紀少年<第2章> 最後の希望 ★
THE 4TH KIND フォース・カインド
山形スクリーム
HACHI 約束の犬
THE CODE/暗号

備考
今度は愛妻家、ゴールデンスランバー、彼岸島は2009年内には未公開のため、来年にまわします。
  
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2010年02月26日

ハート・ロッカー

7f13b288.jpg疲れた。物凄く疲れた。「うわーーー、凄い疲労感!」これがエンドロールが終わった直後の感想。

爆発物処理班の映画だから、当然いつ「ドカーーーーーン」といってもおかしくないわけで、最初から最後まで、ずっと身構えている状態。いつ爆発するんだ、と。もうね、この緊張感が、疲れる、疲れる。そういう緊張感を生み出した監督の手腕たるや、相当なものではあるのだけれど。ちょっとしたスリラー映画よりもずっと張り詰めた雰囲気がある。

冒頭のシーンで「防護服を着ていても、あんまり意味が無いんですよ」というのをしっかり見せるので、以後、防護服を着ていても(着ていないことも多いけど)全然油断できない。このあたりがきちんと考えられている。良い映画って、冒頭の15分ぐらいで、ありきたりな解説抜きで状況を説明しちゃうところがあるけれど、この映画もそんな感じ。

そして、ハンディカメラで追い続ける撮影も緊迫感を増大させる。極度の緊張の上にぐらぐら揺れる画像で酔っ払っちゃって気持ちが悪くなるくらい。

さらに、音楽も何やら嫌な感じ。こちらはホラー映画の常套手段のようなつくりになっていて、これまた精神的に追い詰められちゃう。

そんなこんなで、平和ボケした日本人でも戦場の緊張感が映画館で体験できちゃう。なんか、今までも色々な戦争映画があったけれど、ここまで緊張する戦争映画って、記憶にない。

なんでだろう、って思い返してみると、やっぱ、主人公が悪いっ!なんだ、お前。ドキドキさせるんじゃない!周りの人たちも呆れてるじゃんか!もっと、爆発物処理班らしく、慎重に行動しろよっ!観客にも迷惑をかけるんじゃないっ!!挙句、そのラストかよ!!!

いや、凄い映画でした。あんまり何度も観たくなるような映画じゃないんだけれど、インパクトは滅茶苦茶大きい。「楽しかったー」とか、「面白かったー」とか、「凄かったー」とか、「感動した!」とか、「考えさせられたね」とか、「怖かった」とかじゃなくて、「疲れたー」って思いたい人、つまり、精神的マゾの方には是非お薦めしたい。そうじゃない人には・・・・・・そうだな、正直微妙(汗)。

亡国のイージスで「良く見ろ日本人、これが戦争だ」というセリフがあったけれど、あの映画には臨場感のかけらもなくて、セリフが上滑している感じだった。でも、この映画は違う。実際の戦場は映画の百万倍も緊張感があるはずだけれど、でも、亡国のイージスよりも百万倍も現実に近いのだろうと感じた。

評価は☆3つ。試写会で鑑賞しました。  
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2010年02月18日

インフォーマント!

ワシントンに向かう飛行機の中で見た映画。

リジンの国際価格カルテルを扱った社会派ドラマ、かと思ったら、コメディだった(笑)。

informant

マット・デイモン演じる主人公がFBIを嘘で翻弄しまくるという内容。FBIと一緒になって観る側も翻弄されるので、それが楽しめる人なら悪くないと思う。僕は嘘につぐ嘘ですっかり翻弄されて、それはそれで楽しかった。またかよ、みたいな。

シリアスな事件がベースなんだけれど、最初からコメディータッチで描いていて、特にコミカルな音楽による演出が肩肘張らないものにしている。ただ、ミスリードさせる部分が多いので、きちんとストーリーを追ってないと何がなんだかわからなくなってしまう。

国際価格カルテルの中には日本企業も登場するため、クスクスっとなる部分も少なくない。

しかし、主人公の金持ちっぷりは凄い(笑)。なんだよ、お前、そんなにもらっていたのかよ、というのが徐々に明らかになっていくのが楽しい。そのあたりが外から見えないようなつくりにしているのが映画の肝なんだろう。

もともとは自分の失敗隠しだったのに、自分の知らないところで話がどんどんでかくなり、それが回収不能になるのかと思いきや、軽い機転(と嘘)で乗り越えていってしまう。本人に悪気が全然ないところが滑稽で、それに振り回される周囲のまともな人間たちが口をあんぐりとさせている様が笑える。最後まで全然懲りてないし(笑)。

飛行機の中で観ておいていうのも何だけれど、映画館じゃなくてテレビの画面でも楽しめると思う。なので、レンタルで観るのがお勧め。内容は笑える。

評価は☆2つ。  
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2010年01月25日

サロゲート

ca034057.jpg正直、あんまり期待せずに観たので、意外と楽しめた。期待しないと言うのも悪くはない。ただし、B級映画なので、どうしたって暇つぶしの領域は出ない。

人類皆さん、生身で出歩くのにすっかり疲れてしまって、体は自宅に、身代わりで出歩くのはちょっと重たいロボット君達、という設定。ここに到るまでを映画の冒頭約10分、物凄い勢いで説明する。長時間画面を観ていられない人にはうってつけ。しかし、そこにミスリードとかは何もない。AKIRAとかだと、「関東地区に新型爆弾が使用された」っていうスタートで、みんな核爆弾かと思っていたら実は、みたいなことがあったわけだけれど、この映画は素のまま。まぁ、そういう潔さも決して悪くはない。のかも知れない。

そして、そのロボットたちが繰り広げるあれやこれやが、実はこんなことだったんですよ、みたいなストーリー。謎解きのようなものはあるけれど、比較的単純明快。

しかしね、どうにも納得いかないことがある。

以下若干ネタバレなので、要注意。

いや、この映画の中では、ロボット君達をみんながそれぞれ操っているわけだけれど、結果的に実社会がほとんどのロボットと、ごくわずかの生身の人間で構成されている。それで、ロボットは生身より重たいから、社会インフラは全部それをベースに組み立て直されている節がある。これって、物凄い手間だよね。こんなことするくらいなら、最初っからリアル社会にロボットなんて導入しないで、サマーウォーズみたいにバーチャルな世界を作れば良いじゃない。そりゃ、リアル社会はゴーストタウン化しちゃうかも知れないけれど、ずっと手間がかからないし、実現性も高いはず。どうしてそうならないのか、不思議で仕方がない。ちょっと設定が古臭いのかなぁ。うーーーーーん。

ま、SFだから、細かいところはすっ飛ばして、単にアクションを楽しめば良いのかも知れないんだけれど、それはそれで、アバターみたいなお金のかかった映画を観たあとだと「あらら」という感じ。何より、機能停止したロボット君の豹変っぷりというか、マネキンっぷりがあまりにも極端で、ちょっとなんだかなぁ、と思う。

ストーリーB級、特撮B級、その他もろもろB級、ということで、90分、そこそこに楽しむには悪くない映画だと思う。でも、デートに使うって感じでもなく、ストレス解消に使うって感じでもなく、映画の世界観に浸るという感じでもなく、最新技術に触れるという感じでもなく、「暇つぶし」というのがフィットする。

字幕は戸田奈津子さんなので、彼女が嫌いな人は要注意。評価は☆1つ。  
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2010年01月23日

インビクタス

3f206093.jpgここ数年、ほとんどハズレらしいハズレ映画が全くないクリント・イーストウッド監督の最新作。

反アパルトヘイトを唱え続け、ノーベル平和賞受賞、南アフリカ共和国第9代大統領となったネルソン・マンデラ氏と、1995年に南アフリカ共和国で開催された第三回ラグビーワールドカップでの、南アフリカ共和国チームの活躍を描いた作品。

ネルソン・マンデラ氏は、1962年に国家反逆罪の罪で逮捕、1964年に終身刑の判決を受け、1990年に釈放されるまでケープタウン郊外にあるロベン島の刑務所に収監され続けた。この間、ネルソンはW.E. Henryの「インビクタス」という詩を心の支えとして生きてきた。その一部を抜粋すると次のようなものだ。

「その門がどれだけ狭いとしても、そのまま何故罰を受ける必要があるのだ。
私こそが私の運命の支配者であり、私こそが私の魂の指揮官なのだ」

一方で、南アフリカ共和国ラグビーナショナルチーム「スプリングボクス」は、国家の恥とまで言われ、全く期待されずに第三回ラグビーワールドカップに出場する。スプリングボクスのキャプテンとネルソンは、どうやってスプリングボクスを導いていくのか。全体を通じて、ネルソンの思想を反映した「赦すこころ」と「諦めないこと」のブレンドが見事。

第三回ラグビーワールドカップの結末については多くの人の知るところでもあるのだが、もしそれを知らない人は、イーストウッド映画の「アン・ハッピーエンド」傾向を合わせ、あまり事前調査せずに観た方が良いと思う。映画を楽しめるかどうかの重要な要素である「結末」は、空気の読めない配給会社によって、ご丁寧に映画のチラシでもネタバレしているので、不用意にチラシを読んだりしない方が良いかも知れない。

#どうしてこういう無神経なチラシを作るのか、数時間問い詰めたいところ。

正直に言えば、この映画は、そこで語るべき内容に対してちょっと時間が短すぎたようだ。あと1時間は必要だったかも知れない。その分量を製作サイドは相当に切り詰めている。おかげでどうしてもアラは目につく。でも、そういう、重視すべきストーリーは原作本に譲るべきなんだろう。本には本の良さがあり、映画には映画の良さがある。

インビクタス〜負けざる者たち

スポーツ映画で一番肝心なのは、そのゲームシーンである。ボクシングしかり、レスリングしかり、このところの名作映画は、こうしたシーンがどの程度リアルかという部分によるところがある。その点、球技は難しい。卓球やテニスだったら、CGによってボールを描いてしまうという技があるのだけれど、ラグビーではデカいボールを抱えて走る場面が多いので、なかなかそうはいかない(実際のところ、キックシーンはCGなのかも知れないけれど)。結果として、人間と人間がぶつかるところを多用するとともに、あとは音響によって迫力を出していた。だから、この映画は家のテレビで観たら迫力は大幅減。別に映画館の回し者ではないけれど、DVDで観るんじゃなくて、音響のしっかりした映画館での鑑賞を勧めたい。

ちなみに、本作ではマット・デイモン演じるキャプテン、ピナールが非常に大きな役どころとなっていて、スプリングボクスの監督の姿が全くと言って良いほど見えてこない。しかし、実際はこの映画には出てこない監督こそがキーパーソンだったようだ。他にも飛行機のシーン、刑務所訪問のシーンなど、エンターテイメントである映画ならではの脚色があるようだ。こうした脚色のないストーリーについては、原作本で確認してみるのが良いかも知れない。

あと、この映画に限る話ではないが、エンドロールが終わるまで、席を立つべきではない。

#個人的に疑問なのは、どうしてエンドロールの途中で席を立つんだろうってこと。最後まで見ていると格好が悪いとかの頭の悪い価値観が日本人にはあるんだろうか????暗いと足元が見えなくて危ないし、まだ見ている人にも迷惑。それでもわざわざ立つって、かなり頭が悪いと思うのだが。

それにしても、「負けざる者たち」って、なんか変な日本語だよな。もうちょっと別のタイトルを思いつかなかったんだろうか。「インビクタス−不屈−」ぐらいでも良かったと思うけれど。あ、字幕は松浦美奈さんです。

評価は☆3つ。  続きを読む
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2010年01月21日

ジュリー&ジュリア

39329489.jpg出演しているだけでほとんど反射的と言っても良いくらいに高評価をつけてしまいたくなるメリル・ストリープなんだけれど、本作でも彼女は好演している。本作での役どころは夫の転勤でパリにやってきたアメリカ人のバカでかい女、ジュリア。料理のど素人が40近くになってフランス料理を勉強し始めて本を出すまでになる、というのが彼女の演じるパート。これと同時進行で、イマイチ冴えない毎日を過ごす現代のアラサー女性ジュリーが、ジュリアの500を超えるレシピを一年間で全部作るというドラマが進行する。

この映画の面白さは、まず料理が楽しいと思える人じゃないと理解できないかな、と思う。料理の楽しさというのは、作る楽しさでも、食べる楽しさでも、どちらでも良いんだけれど、そのあたりがわからないと見ていてピンとこない感じ。ちょうど昨日、料理に興味がある女性、料理に興味のない女性の両方と食事をする機会があったのだけれど、前者には「面白いよ、もう終わっちゃうけどね。ギンレイホールか、DVDか、どちらでも良いけど、観たら良いんじゃないかな」とアドバイス。後者には別の話をした(笑)。いや、多分あんまり面白いと思わないだろうから。

#ちなみにギンレイホールの上映予定リストにはまだないです。やるかどうかはわかんない。通常の上映は今週末で終了みたい。

いわゆるドラマタイプの映画なので、「是非映画館で」という感じではないのは確かなんだけれど、まぁそれはプラダを着た悪魔みたいなのと一緒。ただ、クスクス笑ってしまう場面が多くて、そういうのって、他の知らない誰かと共有するというか、「あー、みんな笑っちゃうんだ」っていうのがわかった方が楽しめたりもするので、映画館で観た方が一層楽しめるのは間違いがないと思う。

そうした細かい笑いに加えて、子どもがいない中年女性の寂しさみたいなものを、乳母車とすれ違う場面でこそっと盛り込んで表現してみたり、芸の細かいところもあったりする。

実際には、この映画は、体調不良やら、仕事のストレスやら、あんなこんなに見舞われて日常の閉塞感に辟易としている二人の既婚女性(時間も、空間も異なるのだけれど)が、生活を楽しむための目標を見つけ、それを達成する過程で新しい自分を見つけ出す、みたいな映画なんだろう。それをサポートしているそれぞれの旦那さんもイイ味を出している。ただ、「料理」という素材があまりにも魅力的に描かれてしまったので、そのあたりが薄目になっている。薄目になっているところが、逆に説教臭くなくて、スッキリしている印象を受ける。

美味しい料理を作ってそれを食べたい、誰かに美味しい料理を作ってあげたい、自分の作った料理を一緒に食べて、楽しい時間を過ごしたい、そんな気持ちを持っている人なら文句なく楽しめると思う。そして、見終わったら、何か料理を作りたくなるに違いない。

評価は☆2つぐらいかな、と思うのだけれど、メリル・ストリープが出ているから半分おまけ。それから、料理欲がアップしたので、もう半分おまけして、☆3つ。でも、今週で終了(笑)。  
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2010年01月19日

アバターを2Dで観てみた

まぁ、こういう体験も必要だろう、ということで2Dでも観てみた。

うーーーーーーん、これは、やっぱり、3Dで観ないとだなぁ。字幕が見やすいのはもちろんなんだけれど、メリットと思えるのはこれだけ。二度目の鑑賞でストーリーがわかっているということもあるんだけど、2D版は眠くなる。飛翔感もイマイチ。

こうしてみると、スカイ・クロラとか、エピソード3の冒頭のシーンとか、3Dで観てみたくなる。  
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2009年12月31日

アバター

924e9819.jpg今年の映画は人間を見せるという意味で圧倒的だったグラン・トリノで始まって、CGを見せるという意味で圧倒的だったこのアバターで終わったという感じ。グラン・トリノも素晴らしかったけれど、アバターも全く遜色がない。ただし、アバターは映画館で見なければ全く意味が無いと思う。それも、3D版だ。

さらに、3Dと言っても、アバターの場合、

IMAX(109川崎、菖蒲)
RealD(ワーナー・マイカルシネマズ系列、シネマイクスピアリ等)
Dolby3D(新宿バルト、T・ジョイ系列、HUMAX系列、エクスワイジーシネマズ蘇我等)
XpanD(109シネマズ系列、TOHOシネマズ系列、シネプレックス系列等)

の4バージョンが存在する。これらについての違いは下記のサイトに詳しく載っているのでそちらを読んでもらえばと思う。

にわか映画ファンの駄目な日常「3D映画の方式について

「難しいことはともかく、結論は?」という人のために結論を言えば、とにかくIMAX版を観なさい、ということなので(ちなみにこっそり言うと、上の3Dバージョンの並びはお勧めの順番)、川崎まで行ってIMAX版を観た。

さらについでに言うと、IMAXは、全座席の中でも中央、それもやや前よりがお勧めといわれている。この座席をとるためにはインターネットでの予約が必須。3日前の夜中の0時から売り出されるのだけれど、特等席を狙っている人がそこそこにいるので、きちんと0時にパソコンの前に座っている必要がある。ということで、パソコンの前に座って、しっかりとH列19番を確保。これで万全。

さて、映画が始まってみてすぐに思ったのは、字幕がかなり前面に出るということ。字幕に焦点を合わせてしまうと、それを画像に移すのにどうしてもワンクッション発生してしまう。故意に焦点を合わせないとならないので、注意力がやや欠けてしまう。また、その字幕が戸田奈津子さんだというのも大きなネック。これが松浦美奈さんだったら悩ましいところだが、戸田さんなので、無理して字幕で見ずに、吹き替え版で観るのも一つの手だと思う。いや、まずはIMAX吹き替え版を観る。そうすればストーリーは把握できるんだし、出てくる英語はかなり簡単なもの。わざわざ戸田さんの字幕を読む必要もないのだから、次は字幕版で字幕を読まずに観る、というのが黄金のパターンだと思う。

さて、ようやく内容だが、まず世界観が非常に「風の谷のナウシカ」に近い。特に、アニメージュに連載されていた漫画の方に近い。だから、日本人が見ると、色々と既視感があると思う。これで減点1。しかし、である。その圧倒的な映像美は、そんな減点をすぐにリカバリーする。

続いて、ご都合主義の展開。例えば、「なんで現地人は現地語よりも英語を話すことが多いの?」とか。イタリアを舞台にしていても英語、ドイツを舞台にしても英語ぐらいまでは許すとしても、なぜパンドラで英語?と思わないではない。あるいはラスト。映画版のナウシカのラストのような「ええええ????」というシーンがある。加えて、「おいおい、そんな簡単にその鳥に乗れるなら、誰でも乗っちゃわない?」みたいなシーンもある。そんなこんなも、減点1という感じ。しかし、である。パンドラの世界を完全に描き出したその執念は、そんな減点をすぐにリカバリーする。

その、パンドラの世界。あれ?どうしてこんなに地球の生物相と似ているの?などと思ってしまう。小さい虫がいて、それよりちょっと大きい爬虫類がいて、鳥類がいて、ベースが植物って、地球とそっくり?しかも、パンドラの原住民は人間にそっくり。もうちょっと異世界に描けなかったのかな?などと感じて、これまた減点1という感じ。しかし、である。翼竜に乗った飛翔感を3Dで見せた爽快感は、そんな減点をすぐにリカバリーする。

それで、その岩はなんで浮いてるの?とか、決して細かくない謎もある。でも、そんなことはどうでも良い。これは凄い映画だった。

ちなみに、連続した遠近感(巨大な船とか)のあるシーンは全く違和感がないのだけれど、断続的な遠近感(手前とその後ろに人がいるとか)のあるシーンでは若干見にくさがある。故意に焦点を合わせて欲しくないところをぼかしたりはしていたけれど、それでも限界があった感じ。

映像のことばかり書いちゃったけれど、内容も無難に面白い。もうちょっと人が死ななければもっと良かったけれど、まぁ、こんなものでしょう。何しろ今後の3D映画の標準となりうる作品なので、映画ファンなら絶対に観ておく必要があると思う。評価は☆3つ。  
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2009年12月30日

パブリック・エネミーズ

02c843d5.jpg美男と美女のラブストーリーかと思いきや、実際は物凄い数の弾を撃ち尽くすギャング劇。と書いてしまうとちょっと語弊があるかも知れないけれど、見終わった印象はこんな感じ。あまりにもたくさんの弾を撃つので途中で可笑しくなって「プッ」と吹き出してしまった。

とにかくジョニーは格好良いし、ビリーは可愛い。そこは文句がないのだけれど、彼らが一緒にいる時間はあまりにも短く、そして描写が少ない。というか、どのキャラクターについても、詳細な心理描写がなくて、ひたすらドンパチやらかしている。そういうシーンの積み重ねの中にデリンジャーを描き出したかったのかも知れないんだけど、それが成功していたかと言うと正直微妙。演技は良いと思うけれど、あまりにも客観的すぎて、全然感情移入出来ないのだ。そういうのを狙った演出なんだろうけど。だから、一つ一つのシーンはカッコ良い。銀行を襲撃する場面も、ビリーをナンパする場面も。でも、次から次へと前菜が出てくる感じで、いつまで経ってもメインディッシュにならず、あれ?前菜だけでお腹いっぱいになっちゃったぞ?でも、満足感はどうなの?という感じ。

いや、ジョニーは格好良いんだけどね。あ、ビリーの出番がもうちょっとあったらなぁ。

あ、でも、ラストは良かった。ラストの直前。弱いヤツにはとことんつけあがるデブを目で圧倒するところ。ここは見せ場だった。そして、ピンチでも女性を気遣って・・・って、結局ジョニーかよ(笑)。

群像劇っぽくなっているので、登場人物が多くてちょっと把握しにくいところがある。劇場でもう一度、という感じでもないので、TSUTAYAで準新作になったら借りてみようかな。

銃撃戦とジョニー・デップ、クリスティアン・ベイルが好きな人ならかなり楽しめると思う。

ちなみに時代背景とか、登場人物とか、かなりややこしいので、もしこれから観るなら、Wikipediaとかでジョン・デリンジャーについて予習しておくと良いと思う。色々ネタバレしてしまうけれど、そちらの方が楽しめると思う(ただし、主観)。

ウィキペディア「ジョン・デリンジャー」

松浦美奈さんが字幕だったので☆半分おまけして、☆2つ。  
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2009年12月17日

THE 4TH KIND フォース・カインド

4thkind超ネタバレレビューなので追記に書きます。  続きを読む
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2009年12月14日

沈まぬ太陽

sunJALをモデルにしたように見せた映画で、特に物語の縦糸になっている日航123便の墜落事故に関する記述は僕たちの世代なら誰でも知っているようなことをあちらこちらに散りばめていて、あたかもノンフィクションかのような錯覚を抱かせる。特に、「もう飛行機には乗りたくない」から始まる犠牲者のメモはほぼ全文が事実からの引用だ。一番インプレッシブなところで事実を取り込んでいるので、あれ?これって、ノンフィクション?と勘違いしてしまうかも知れない。

しかし、主人公の恩地に似た人物は存在しても、実際のところは大きく異なっているのだろう。単なるフィクションとして捉えるのが正解なんだと思う。何しろ会社対労組を完全に強者対弱者として対比させ、会社の迷走をすべて経営と官僚に押し付けるような表現は実際とはかけ離れているのではないかと思う。ちょうど今、JALは経営危機の真っ只中でもあり、その情報がどんどん我々に提供されつつあるので、「ちょっと、恩地を美化しすぎ」というのは誰でもわかってしまう。完全なる悪もなければ完全なる善もないのが実際の世の中だが、この物語においては主人公は完全なる善のスタンスを徹頭徹尾崩さない。だからこそ、フィクションだと割りきって観るべき作品だと思う。

さて、そんな感じで、あたかもノンフィクションのような見せ方をしている本作だけれど、フィクションの映画としての出来はまぁまぁだと思う。今年観た邦画の中では間違いなく上の方に来る。何しろ、渡辺謙の演技が渋くて味がある。労組の委員長としてのガッツポーズとか、なかなか様になっているし、色々な場面で見せる苦悩の表情も良い。ちょっとオカシクなってしまったシーンなどもきちんと表現出来ていて、良い役者だなぁ、と思う。他にも、鈴木京香、香川照之、木村多江といったあたりがしっかりと脇を支えている。三浦友和や石坂浩二、宇津井健、小林稔侍あたりは無難なところだけれど、とにかく良い役者をずらっと揃えているところはさすが大作という感じ。それにしても、木村多江さんという女優さんは、いつも不幸な女性の役ばかり(笑)。このままではいつもヒスを起こしている柴咲コウみたいになってしまうので、たまにはもっとハッピーな役とかで使ってあげたら良いのになぁ、と思う。

観終わって一番に思ったのは石坂浩二が格好良すぎるということだけれど、他にも思ったことはいくつかあって、でもやっぱり最大のことは駆け足過ぎるということ。色々な人間模様が満足できるほどには描かれておらず、20世紀少年を三部作でやるお金と時間があるなら、こっちを三部作でやれば良かったのに、と思う。そうならないところが日本の映画界の残念なところだ。

あ、そうそう、一番残念なところ。飛行機が飛ぶシーンがことごとく不自然。あれは、JALの協力が得られなかったから?それとも、離陸したらすぐに消え去って欲しいから?理由はわからないのだけれど、「飛行機はあんな風には飛ばない」と突っ込みたくなる。どうせCGでやるにしても、もっと自然に飛ばせないものか。コルサントを行き来する宇宙船の方がよっぽど自然な動きである。

勿体無いところはいくつもあるのだけれど、ラストシーンの美しさもあって、なかなか満足できる仕上がりではあった。渡辺謙はしがらみさえなければ主演男優賞候補だろう。評価は☆2つ半。  
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2009年12月12日

カールじいさんの空飛ぶ家(3D版 日本語吹替版)

ab95cc1e.jpg何を観てもクオリティが高く、その安定感は宮崎アニメよりも上なんじゃないかと思えてしまうPixarの新作。日本語吹き替え・字幕、3D・2Dと、2つの要素でバリエーションがあるため、都合4種類のパターンで上映されている。何で観ようかな、とちょっと悩んだんだけれど、最近の科学技術の発展具合を確かめる意味で3D版にしてみた。3Dの字幕版というのがあんまり見当たらなかったので、ほぼ必然的に日本語吹き替え版を観ることになった。吹き替えを観るなんて何年ぶりだろう。っていうか、記憶にない。3D版はジョーズ3か何か、とにかくジョーズシリーズで観て以来。多分これも20年以上ぶりだと思う。ただ、3Dについてはディズニーランドとかでショートムービーは観ているので、全然観ていないということでもない。

さて、シアターの入り口で立体メガネをもらって、着席。すぐに予告篇が始まって、続いて「メガネをつけてね」のお知らせ。言われるがママにメガネをつけた瞬間思ったのは、一つ目に今ひとつ焦点が合わないということと、もう一つに画面が暗いということ。でもまぁ、そのうち慣れるだろう。3Dの予告篇が終わって、いよいよ本編。

まず、Pixarお決まりのショートストーリー。雲とコウノトリのお話はいつも通りのクオリティ。面白かった。さて、本番。冒頭、カールじいさんとその嫁さんのエリーの数十年が、ほぼ無声で描かれる。このシーンはマジで凄い。冒頭のちょっとした部分を除いて、あとはセリフ無しで一つのカップルの出会いから別れまでを完璧に描いている。このパートだけでお金を払う価値があると思う。ここまでの評価は満点以上。

そして、ひとり残されたカールじいさんのエピソードが始まるのだが・・・・・・・

以下、ネタバレ要素があるので、要注意。

さて、恋愛映画なのかな、ハートウォーミングなストーリーなのかな、と思わされるのはここまで。そこから先はインディ・ジョーンズとまではいかないものの、かなりちゃんとした冒険ストーリーになってしまう。ここのところがまずは最初のハードル。別に冒険ストーリーでも、楽しければ良いんだよ、ということなら問題はない。子どもが出てきて、動物が出てきて、もう、大ヒットアニメの方程式通りだ。唯一ちょっと違うかな、と思ったのは、主人公が最初から最後までおじいちゃんだということ。おじいちゃんの喪失から、再生に至るまでのお話は、テーマとしては凡庸。ただ、おじいちゃんが色々なモノを喪失していくことを、日本人なら森繁久彌さんを通じて良く知っている。だから、その、なくすのが当たり前のおじいちゃんが、再生していくところは意外性がある。

さて、そんな感じで展開するストーリーは確かに面白いのだが、いくつか「おや?」と思わされるところがある。

まず一つ目は、敵。この手の冒険譚にはやっぱり敵が必要だ。でも、その敵が、敵らしくない。いや、映画の中ではちゃんと悪いヤツなのだけれど、その敵が悪いヤツになってしまったあたりがどうにも気の毒で、アナキン・スカイウォーカーよりも気の毒だ。どうしてそんなことに、という感じ。だって、その敵は、せっかくの発見を誰にも信じてもらえず、なんとか自分の発見をみんなに認めてもらおうとして頑張って、そうしているうちに時間をどんどん使ってしまっておじいさんになってしまった科学者だ。その科学者が、凄く悪いヤツとして描かれてしまっている。でも、ああいう立場の人って、きっと普通に存在するし、だからといってああやって悪者になってしまうとも思えない。もうちょっと、悪役が悪役になってしまうまでを丁寧に描いてくれればまたちょっと違う印象だったのかも知れないのだけれど、「うーーーーーん」というのが正直なところ。挙句、その悪役博士の顛末があれでは浮かばれない。ここで減点。

もう一つは、カールじいさんが、いとも簡単に奥さんとの思い出を捨て去ってしまうこと。ちょっとドライ過ぎないかなぁ。確かにああいう場面になれば、過去を捨て去る必要も出てくるかも知れない。それでも、もうちょっと思い出を大事にして欲しかった。冒頭のシーンの出来が素晴らしかったからこそ、もうちょっとなんとかならなかったのかな、と思う。再生するにしても、幼虫から蛹を経て全然違う生き物になってしまうのではなく、昔を大事にしつつ、新しい一歩を踏み出しても良かったと思う。ここでも減点だなぁ。

僕はPixarに対してはかなり好意的な人間で、ウォーリーとかも凄く気に入っている種類の人間なんだけれど、この映画はちょっと冒頭の20分と、それ以後のお話との乖離が大きかった気がする。

エンディングは2Dで描かれていたので、3Dメガネを外して観たら、輝度が高くて色合いが凄く良かった。3D版はクレイアニメみたいに見えて面白いけれど、メガネの質がもう一歩と言う感じで、画面が凄く暗く見えてしまう。まぁ、偏光レンズを使っている都合上、どうしたって光量は落ちてしまうわけだけれど、DLP上映なら大丈夫かな、と思ったら、そうでもなかった(多分、通常版より3D版の方が明るく作られてはいるんだと思うのだけれど。3D初心者なので詳細は分かりません)。これなら、まだまだ2Dに軍配が上がるかな、という感じ。メガネ、重いしね。だから、これから観る人には、3Dに特別な思い入れがない限りは2Dをお薦めしたい。

と、色々書いたけれど、冒頭の20分だけでも観る価値はあると思う。評価は☆2つ。  
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2009年12月11日

イングロリアス・バスターズ

e292dad9.jpg非常に好みが分かれそうな戦争映画。僕の場合はかなりポジティブに評価するけれど、ダメな人は全然ダメだと思う。

何しろ、何度もビクっとさせられる映画で、そのたびに「うわ、ちょっと恥ずかしい」とか思ってしまう。いきなり脅かすんだもの。

史実をベースにしている癖に途中から完全に別世界になっていくあたりも面白い。ナチスのユダヤ人狩りを主軸にしていながら、スピルバーグとはかくも異なる映画を作ってしまうとこが新鮮でかつ驚きに満ちている。そこで展開されるストーリーは何か示唆するものがあるかというと別にそんなこともなくて(笑)、戦争エンターテイメントという感じ。でも、遠すぎた橋みたいなものかと言えばそんなことも全然ない。じゃぁ、なんなんだ、この映画は、ということなのだけれど、その質問に答えるのは困難を極める。復讐劇と言えば復讐劇なんだけれど、主題はそんなところにはない感じだし。なんというか、シニカルなコメディなんだろうか?とにかく、色々なところに乾いた笑いが盛り込まれている。ラストまで緩みがなくて、最後の最後まで楽しめる・・・。


いや、なんか、違う。こういう文章はこの映画の本質を何も書いてない。

いきなり変な矢印が出てきたり、紙芝居みたいになったり、派手なBGMで無理やり盛り上げたり。なんというか、「これって、映画だからさ、こういう楽しみ方もありじゃん?」みたいな、映画そのものを楽しませるための工夫があちこちに散りばめられている。そんな映画。

好きか、嫌いかと言われれば好き。お薦めか、お薦めじゃないかと言われればお薦め。でも、誰にでもフィットするかと言われればそんなことはない。ジブリみたいなハートウォーミングなストーリーを求めている向きには絶対に合わない。毒があっても良い、血が飛び散っても良い、痛くても良い、生理的嫌悪感を呼び起こさせるような描写があっても良い、ハッピーエンドじゃなくても良い、難しいことはともかく、面白ければ良いんじゃない?という人には向いていると思う。って、それじゃぁ、ハードル高め?

何しろ、映画を観るのが好きっていう人なら、かなりの確度で楽しめると思う。評価は☆2つ半。  
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2009年12月01日

ゼロの焦点

31594bb1.jpgアカデミー賞女優3人そろい踏みという触れ込みだったけれど、広末さんは他の二人とは大分違うだろ、と思わないでもない。おくりびとでも、僕の評価はこんな感じだったし。

おくりびと

本場のアカデミー賞で作品が評価されたのは、多分、審査する人たちが日本語をわからないんじゃないかな、と思う。日本語がわからなければ、広末さんの滑舌の悪さみたいなものも気にならないはず。いや、僕は別に広末さんが嫌いなわけじゃない。でも、この作品の主役は無理。どうしてこの作品に広末さんなのか、製作側の意図を聞いてみたい。ところどころで広末さんの独白が入るのだけれど、そのたびに「やれやれ」という感じになる。いや、これは、台詞を棒読みとか、そういうことじゃない。彼女の甘ったるい声が全然フィットしないのだ。緊張感のかけらも生まない。声の質というのは、もう、どうしようもないものだから、彼女には全く非がない。彼女を使った人が悪いのだ。声とか、喋りとか以外の、表情とか、そのあたりも、うーーーーーん、やっぱ、シリアスなドラマには全く向いてないんだよな。大体、もうおばさんじゃない?30代前半の夫より10歳若いって、もうちょっと無理じゃないか?例えば蒼井優さんを使ってくれたら全然イメージ違ったと思うのだけれど・・・・。加えて、こうやって映画になってみると、この主人公の女性というのは相当に難しい役であることがわかる。だって、世間知らずのお嬢様みたいな感じで、最初のうちは雪道を歩くのだってやっと。ところが突然行動力がアップしたと思ったら、今度は明智さんや金田一さんもびっくりな位の名推理を披露しちゃう。石川県警の皆さんが揃ってひっかけられているのに、ただ一人、真実を見抜いちゃう。そんなヤツ、そうはいない。そもそもの設定が凄く難しい女性なんだから、やっぱ、それなりの人を使わないと。

と、主役にダメ出しはするものの、他の俳優陣は結構良かったと思う。特に中谷美紀さんの鬼気迫る演技は今年度の助演女優賞もありな感じ。木村多江さんも芸達者で、特に薄幸の女性を演じさせるとぴか一な部分があるので、存在感こそ中谷さんには負けるものの、良いスパイスになっていた。

昭和30年ぐらいの町並みもそこそこに再現していて、眉毛が凄く細い広末さんの顔に違和感を感じるくらいの見せ方にはなっていたと思う。物語の重要な要素として、終戦間もない状況で弟を抱えてとにかく生き抜く必要があった、という背景があるため、時代だけを現代に持ってくるわけにも行かず、作り手としてはちょっと苦労したんだろう。ただ、彩度を落とした画面の中でキャラメルの箱や赤いコートだけ彩度をあげて強調するとか、あの手の手法は個人的にはあまり好きではない。

映画全体としては、ちょっと物足りない。それほど長くない原作ではあるものの、それでもまぁ長編。それを2時間に押し込んだため、どうしても登場人物たちの書き込みが薄くなってしまう。せめて誰か一人でも良いから、もうちょっと詳しく描けば良かったのに、と思うのだけれど、一人だけ詳しく描くわけにもいかず(誰が犯人だかネタバレしちゃうから)、そのあたりは難しいところがあったんだと思う。

ストーリーとか、設定の部分で難しいのはわかっていて、その上で大人の理由で使いたい役者を使えない、というのなら、脚本で何とかしなくちゃいけないわけだけれど、残念ながら脚本の部分でも、それらのビハインドを相殺するだけのものを見せることができなかった印象がある。

そして、クライマックスの、最後の告発の叫び。あれはどうなんだろう。観る側はその時点ですでに犯人はわかっているから、あんまり違和感がないのかなぁ?本当の真犯人が完全に明らかになっていない状況で、あの行動はちょっとまずいんじゃないか?っていうか、唐突?唐突に見せないためには、素人の素人による素人のための直感的推理じゃなくて、もっと綿密な調査と裏づけがあるべきだと思う。それが不十分な状況でのあの発言は、単なる中傷、嫌がらせに見えてしまう。そういう風に見せてしまったところに、この映画が「負け」であるところがはっきり窺える。あのシーンでは、観客は主人公に感情移入していて、「そうだ!そうだ!」「良く暴いた」と溜飲を下げる必要があるはずだ。ところが、「え?それはまずくない?」と思われてしまうのではお話にならない。

あと、中島みゆきの大ファンの僕が言うのはちょっと気が引けるけれど、この曲はいまひとつ映画にフィットしていなかった。

評価は☆1つ。そしてそれは、ほとんど全て中谷美紀さんの演技に対しての☆。  
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2009年11月17日

風が強く吹いている

475959e6.jpg水泳、陸上、スキーと、個人スポーツしかやってこなかった人間からすると、駅伝というのはやりたくないスポーツの最たるものだ。なぜ自分が個人スポーツしかやってこなかったのか。それは、他人の失敗によって足を引っ張られるのが嫌だからではない。自分の失敗で人の足を引っ張るのが嫌だからだ。これはあくまでも個人的な感覚だけれど、サッカーにしても、バレーボールにしても、自分のミスによって失点することが凄く嫌だ。そして、駅伝。自分が何かのトラブルに見舞われて、たすきをつなぐことができなくなったら。そこから先のメンバー達のそれまでの努力は全部無駄になってしまう。そんな競技をやる気には、全くならなかった。この映画を観たあとは、団体スポーツも良いかも知れないな、と思った。

冒頭、やや黄色を強調した画面は日本の映画が日本らしさを表現するときに時々使うようだけれど、ちょっと違和感がある出だし。そして、食い逃げをしたはずなのに妙にしっかりしたランニングの姿勢。このあたりまでで、「う、ちょっとこの映画、やばいかも」と思わされる。しかし、やばい感じはこのあと、それほど気にならない。逆に、非常にスピーディーにストーリーが進み、過不足なくラストまでかけるける感じだ。

いや、正確に言えば、ハイジ君があまりにも素晴らしい奴で、素晴らしすぎるという難点はある。こんな完全無欠な大学生がいたら恐くなる。そのくらいに凄すぎて、ちょっとありえない感じ。それから、箱根駅伝をテーマにしているために、ちょっと日本テレビ色が濃すぎるのもいやーんな感じではある。加えて、部員10人きっかりで箱根を目指すのはいくらフィクションとは言え、ちょっと現実離れしている。あと、ラスト。ちょっとデフォルメし過ぎのような・・・。でも、気になったのはこのくらいだろうか。

俳優達の演技がなかなかのもの。まずハイジを演じた小出恵介の演技力が素晴らしい。ランニングのシーンでのスピード感だけはちょっと不足している気がしたけれど、その他については見事。超優等生を何の違和感もなく演じていた。それから、林遣都。彼のランニングスタイルは非常に美しかった。彼は筋肉のつき方を含め、ランナーとしてほとんど違和感を感じさせることがなかった。箱根駅伝のエースと言われても全く不思議ではない。

ライバル、仲間、挫折、怪我、アクシデント、努力、才能といったスポ根ものに必要とされるものを余すところなく登場させ、それらを上手に料理していた。また、駅伝を見事に表現していたと思う。箱根駅伝の中にこれまで存在した色々なドラマをあちこちに配置していたのが良い。それが多すぎず、少なすぎず、良いあんばいだ。

あしたのジョーやアルプスの少女ハイジなど、ちょっと高齢向けの細かい笑いを配置していたのがちょっとしたアクセント。それから、恋愛部分を非常に軽くしたのもバランスを良くした一因だろう。

トータルで見て、非常に出来の良い映画だったと思う。今年の邦画では間違いなく五指に入ると思う。いや、個人的にツボなんですよね、こういう映画。ラストじゃなくて、途中で何度も感動しちゃった。☆3つ。  
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2009年11月14日

2012

7c711e09.jpg観る前から内容に期待できないことはわかっていて、あとはどんな映像が展開されるか、というのが注目点。その意味では、映画館で観ないと絶対に楽しめない映画。じゃぁ、映像は、というと、うーーーーん、良いところは結構予告編で観ちゃっていて、あぁ、ここで、これね、みたいな感じ。こりゃぁすげぇーという場面はどこだったのだろう。特にないかなぁ。

最初から「ない」と決め付けてしまった内容についても、やっぱりなかったとしか言いようがない。太陽の活動が活発になって、地球の内部が電子レンジで温められたような状態になって、さぁ大変。はだしで、かけてく、陽気なさざーえさん、という感じである。そして、「見ろ、人がゴミのようだ!」というか、「見ろ、人間がありんこのようだ!」という具合にぷちぷちつぶされていく様を観ることになる。あぁ、やっぱり、内容で語るところがない。

あとは、色々と突っ込みどころを考えるのがこの映画の見所だろうか。物凄いスピードで行ったり来たりしているはずのエレベーターの中で平然としている人たちとか、艦内のあちこちにモニターが設置されている超ハイテクの乗り物にも関わらず、引っかかったワイヤーは手で外さないと身動きが取れないとか、いつもいつも危機一髪過ぎて出来すぎなこととか(中にはダメなときもあるけれど(笑))、主人公はなぜかいつも車の運転がシューマッハー並に上手だとか、それまで物凄い勢いで天変地異が発生していたのに、突然静かになっちゃうこととか、登場人物も驚いていたけれど中国人の技術力が凄まじいこととか、なんか凄く冷たそうな水に漬かっているのにみんなぴんぴんしていることとか(あの水温だったらゴルゴ13でもかなり辛そうだけど)、なぜか障害物であるエベレストに突入していくこととか(流体力学的に言ってこういうのってあるのかなぁ?)、そういうところをニヤニヤしながら観るのかなぁ。

でも、そういう楽しみを続けているにしては、ちょっと長すぎる。前半は眠くなるし、後半はお尻が痛くなる。どうしてかって、やっぱ、退屈なんだよな、この映画。水に潜って危機を回避とか、お決まりだしなぁ。

あ、わかった、詰まんないんだ、これ(笑)評価は☆半分。  
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2009年10月31日

マイケル・ジャクソン THIS IS IT

こ、これは・・・・

映画ではない。映画館で見る、フィルムコンサートとも違う。なんというか、ついこの間までそこにいて、今も普通に存在していてもおかしくなかったアーティストの記録。

でも、映画じゃないんだけれど、その辺の映画よりずっと楽しめる。おとなしく椅子に座っているのが難しくなる。できれば、zeppとか、そんなところで立って観たい、そんな作品。

マイケルだけじゃなくて、ダンサー、ギタリスト、コーラス、演出家、出てくる人たちがみんな超一流で、お客さんに日常を忘れさせるために物凄い努力をしている。そして、その全ての総指揮を執っているのがマイケル。彼の中にあるイメージを忠実にステージに具現化しようとしている。その過程の一部を見事に映像化している。

マイケルは、歌詞を見ていると大したことを歌っていない。おらおら、けんかだぞ、こら、とか、やべー、こえー、とか、あいつ、消されたぞ、とか、そんな感じの。でも、心地良い。どうしてなのかなー、と思っていたけれど、この映画(?)を観ると、その理由が少しわかったような気になる。

この作品を観ると、他では代替できないような偉大な才能がひとつ、地球上から失われたことがわかる。その才能と同じ時間を生きていた人がこの作品を観ないということは、大きな損失になると思う。

僕はマイケルのCDは一枚も持っていない。レコードは一枚だけ。それから、レコードから録音したカセットテープが2本。そのどれもを、もう10年以上聴いていない。なぜなら、僕は別に彼のファンではないからだ。しかし、この作品は観ておいて良かった。ファンも、ファンではない人も、観ておいて損はない。というか、観ないことが損だ。そして、「DVDが出たら、家で」というのも間違い。この作品は、音響がしっかりしている、大きな画面の映画館で、そしてできれば良い席で、観ておく必要があると思う。いつまでやってるんだろう?2週間限定っていうことだから、あまり長くはやっていないはず。

映画が終わって、拍手をした人がいた。でも、その気持ちがわかる。

映画でもない、フィルムコンサートでもない、ただ、マイケル・ジャクソンがそこにいる。評価は☆3つ。  
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2009年10月26日

ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない

38ce3ce2.jpg僕はIT会社の社長なので、嫌でもそういう視点から見てしまうわけだけれど、社長はほとんど顔を見せず、あれれ?こんな感じで終わっちゃうんだ、と思ったら、最後の最後(エンドロールの後のシーン)で「そうそう(笑)」と膝を叩くシーンがあった。

IT会社でへとへとになって働く社員を描いた映画なんだけれど、うーーーーん、まぁ、ストーリー的には非常に平凡。何か凄く深いものがあるというわけでもなく、俳優さんたちの鬼気迫る演技というわけでもない。演技というより、メイクで疲労を表現していて、そのあたりはちょっとなぁ、という感じ。でも、小道具をあちこちに配置して、細かいギャグで笑わせて、最後に広げた風呂敷をたたむ、そんな感じの、優等生っぽい映画だった。ちゃんと笑えるから、映画としては悪くないと思う。

この映画がピンと来なかったのは、多分「ぐるりのこと。」との対比なんだと思う。これから先はネタバレだから、ネタバレが嫌な人はここでさようなら。

さて、ネタバレ。この映画は、疲れきったときに「まだ頑張れるかも知れない」という方向に話が進む。「ぐるりのこと。」は、「頑張らなくても良いんだよ」という方向に話が進む。僕の周りを見渡すと、実際に精神が参ってしまっている人たちがそこそこにいて、彼らに対しては僕は「頑張らなくても良いんだよ」ということを言っているし、彼らがちょっと余裕がでてきたときには「何かのヒントになるかも知れないからDVDを借りてごらん」と、「ぐるりのこと。」を勧めている。

正直なところ、僕から見れば彼らはまだまだ頑張れるような気がするんだけれど、実際には彼らは彼らなりにもう頑張っていたりする。僕たちの世代に比較するとストレス耐性が弱く、でもこれは多分彼らが育った環境が原因で、そんな彼らに頑張れと言い続けるのは可哀想な気がするのだ。みんなで頑張って難局を乗り切ろうぜ、という雰囲気ではなくなりつつある。

そんな中で、「限界に見えるけれど、まだ頑張れるんじゃない?」というメッセージは、確かに頑張れる人に対しては良いと思うのだけれど、そういう人ばかりじゃないし、多分、監督の次の世代の人たちは頑張れない人が結構いて、そういう人たちを無責任に「頑張れ」って励ましてしまうのはどうなのかなぁ、と思うのである。

弱い人と強い人の混合物である社会に対して、「弱い人は、こうしたらどうですか?」というのはありだと思うのだけれど、「とにかく頑張れ」ってやってしまうと、弱い人はぷつんと切れてしまう気がする。

そういう意味で、この映画は、面白いには面白いけれど、誰にでも勧められるわけではないな、と思う。「ぐるりのこと。」は誰にでも勧められる。強い人は、「こういう弱い人もいるんだから、気を遣わなくてはならない」と勉強できるし、弱い人は、「負けちゃうのは特別なことじゃない」ということを知ることができる。でも、この映画は弱い人には勧められない。強い人で、ちょっと行き詰っている人。そういう人には良いと思う。でも、僕が社会をざっと見ていると、この映画よりは「ぐるりのこと。」向きの人のほうが今の日本には多い気がする。

あ、ちなみにうちの会社でも、ああいう感じで働いてくれるソルジャーは是非ゲットしたいです(笑)評価は☆1つ半。  
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2009年10月24日

ヴィヨンの妻

c860e703.jpg松たか子、浅野忠信、伊武雅刀、室井滋、堤真一と芸達者なところを揃えているので、全体的に非常に安心してみることができる。逆に言えば、これだけのキャストを揃えて駄作を作ったらセンスを疑われても仕方がない。そのくらいの俳優陣。この中にあっては「何をやっても同じ」という意味では柴咲コウとツートップを張る広末涼子もその大根っぷりがそれほど目立たない。まぁ、ちょっとやっぱり「?」なところはある。あの、松たか子とすれ違うシーンが最大の見せ場なわけだけれど、そこで「あぁぁあぁあぁ、やっぱり広末」って感じだったのは非常に残念。これが宮沢りえとかだったらなぁ、と思うのだけれど・・・・。

ストーリーは、駄目人間な作家に振り回される妻、という単純なもの。太宰治の小説・要素を色々と盛り込んでひとつの作品に仕上げている。このあたりの脚本はそこそこ良く出来ていると思う。

抑揚の少ないストーリーなので、ものすごい見せ場とか、圧倒的な感動とか、そういうものはなくて、淡々と物語が進んでいく。そんな中、「なるほどねぇ」と思ったのは、戦後まもなくの町並みをそれなりに上手に表現していたこと。言葉遣いとかはちょっと違うんじゃないかな、と思ったけれど、違和感はほとんどなかった。

駄目な旦那というのは誰でもわかるけれど、それに振り回されるだけの妻もやっぱり駄目なわけで、俯瞰してみると登場人物たちは大体どいつもこいつも駄目人間。でも、ふと気がつけば自分だってそんな駄目人間の一人なのであって、人間って、こんなものかも知れないね、と感じてしまう。

この内容なら、映画より芝居のほうが楽しめたかな、とも思うけれど、決して悪くはなかった。フジテレビが作ったものとしては良好な部類。評価は☆2つ。  
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2009年10月13日

カイジ 人生逆転ゲーム

a3721d44.jpg原作もそこそこ読んでいるのだけれど、天とかアカギとか、マージャン漫画時代から絵が下手なのに(笑)ストーリーの奇抜さと勢いだけで読ませてしまう、珍しいタイプの漫画家で、「これを映画化っていうのは難しいよなぁ」と思っていた。そもそも、ほとんどの勝負が心理戦で、しかも登場人物の独白で綴られていくのだから、それを映像にするのは基本的に不可能。結果的に説明ばかりになるんだろうな、と思っていたら、やっぱりそうだった。ということで、非常に難しい映画化に挑戦したわけだけれど、藤原竜也と香川照之のオーバーアクションによって何とか原作のパワーを映像化できたという感じ。成功とは言いにくいけれど、彼らの演技はなかなかに評価できる。ただ、演劇的な演出をそのまま映画に導入した手法については賛否が分かれるところだと思う。個人的には「まぁ、ありかな」とは思うけれど。

さて、ストーリーなのだけれど、原作で描かれている3つのギャンブルを映画用に単純化して使うことによって語られている。3つの選び方はともかくとして、単純化の具合がいまひとつ。限定じゃんけんは心理戦的な要素がほとんど描かれない。挙句、良くわからない負け方をして地下へと送り込まれてしまう。地下の生活はなぜかギャンブルと無縁で、このエピソードも意味不明。カイジがここでもオーバーアクションで酒を飲んでいるけれど、こんなシーンを入れるくらいなら、勝負シーン(鉄骨渡りを除く)をもっと濃密に描いた方が良かった。そして、これまた良くわからない理屈で鉄骨渡りへとつながる。この鉄骨渡りの改変具合が微妙な上に、非常に不自然かつ長ったらしい場面となってしまい、映画をつまらないものにしてしまった。原作では登場人物がべらべら喋っても、時間軸が明確でないからそれほど違和感がない。ところが映画になってしまうと話は別だ。「お前ら、いつまでそこで演説してるんだよ。さっさと渡っちゃった方が良いんじゃないの?」と言いたくなる。おまけにアップになって台詞を喋るときは足場が非常に安定していて不自然なこと極まりない。ただ橋を渡るだけなんだから、台詞で色々説明する必要がないはずなのに、登場人物がこれでもかという位に喋るのは堂考えても変。この鉄骨渡りがこの映画の評価を一気に落としてしまったと思う。そして最後のEカード。こちらもルールは色々と変更されていたけれど、ここだけはそこそこに迫力があって、見せ場になっていた。それはもう完全に香川照之の演技によるものなのだけれど。藤原竜也はここではずっと下を向いているだけで、あまり演技らしい演技をしていない(笑)。ただ、カイジが勝つ仕掛け自体は単に利根川の勝手読みで終始してしまい、今一歩だったかなぁ。そして、ラスト。ここの仕上げ方はあっけないと言えばあっけないのだけれど、悪くない終わり方だったと思う。

何しろ、能書きばかりの非常に説明的な漫画が原作なのだから、それを映画化してもどうしたって説明的になる。この程度まで仕上がっていれば上出来といえば上出来かも知れないのだけれど、映画として評価したらどうなんだろう。少なくとも、平均点以上ではないと思う。難しい映画化にチャレンジして、健闘こそしたものの、出来上がった作品は標準以下だった、という感じ。

あの、「ざわざわざわ」は笑うところだったのかな?あとさ、あんなずぶ濡れだったら、ゴム底の靴を履いていても感電しない?試したことないからわからないんだけれど。

評価は☆1つ半。  
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2009年10月12日

さまよう刃

629e4994.jpg妻に先立たれ、40を超えてから生まれた娘と二人暮らしだった建築家が、その娘を未成年に惨殺されて復讐に出る、という、かなり重いストーリー。

寺尾聡さんの、全体的に抑え目の父親の演技がなかなかに素晴らしい。特に犯人の家に踏み込む場面。カットを切らずに一気に見せるところはこちらも息が詰まる。と、ほめるのはここまで。

犯人の家に踏み込んだところで息切れしてしまった。実は原作未読で観たのだけれど、それを後悔している。あの本の分量からすると、かなりの部分が端折られているはずだし、この手のストーリーだとラストとかも改変されている可能性が高い。登場人物も減らされているに違いない。それで、どうしてこういうことを予想してしまうかというと、映画があまりにも辻褄が合わないというか、ご都合主義だからだ。おいおい、そんな偶然あるかよ、おいおい、その行動はちょっと不自然じゃないか?おいおい、お前、誰?おいおい、ろくすっぽ確かめないでやっているけれど、人違いだったら困るんじゃない?おいおい、素人がそんな風に探し回っていたら、すぐに足がつくだろ?おいおい、携帯電話持ち歩いていたらすぐに基地局が判明してどこにいるかわかるんじゃない?おいおい、容疑者の留守電ぐらい常に監視しておけよ、警察!おいおい、霧の中のライフルシーンは何の意味があるの?おいおい、12月5日以降の菅平はもっと雪があるし、リフトのあるゲレンデに雪がついてないなんてある?ってか、夜の菅平は凄い寒いぞ!おいおい、その写真、どこで入手したの?おいおい、お前、何で走り出したの?みたいな「おいおい」が非常に多いのである。あぁー、脚本化の段階で相当やらかしているんだろうな、と思う。なぜなら、東野圭吾という作家はこういう本を書く人ではないからだ。かなり緻密な本を書く人なので、こういう杜撰な展開にするはずがない。

多分、原作を読んでから観たほうが良かったんだと思う。それなら、「原作はこうだったけれど、映画ではこう料理したのか」というのがわかるので、「あぁ、2時間に押し込むために、こうせざるを得なかったんだな」と納得できる。ところが、それがないので、不自然、消化不良なところが気になってきて、映画を楽しめない。そして、「さて、どうなるんだ、このラストは」と思っていたら、「えーーー、本当にこれでおしまい?」みたいな感じである。スカッとした爽快感もなければ、イーストウッドのような後味の悪さもない。あ、そう・・・みたいな。

せっかく面白そうな素材、面白そうな設定なのに、途中からそれを全然生かせてなかった。メインの役者たちが結構良い演技だったので、ちょっと残念な出来だったと思う。

ところで、主人公はライフルに手を加えるほどの知識をどこで得たんだろう?撃ったこともないくせに。

原作、読もうかなぁ。うーーーん。評価は☆1つ半。  
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2009年10月06日

ロボゲイシャ

c102d9ff.jpg個人的に非常に期待値の高かったロボゲイシャ。映画の日でもなければレイトショウでもないし、もちろん試写会でもなかったので、物凄く久しぶりに1800円を払って観てきました。考えてみればチケットショップを見てくれば良かったんだけれど、そんなこともパスってしまいました。これって、いつ以来だろう。本当に物凄く久しぶり。そのくらいに、すぐ観たかった。

それで、結論から言うと、ちょっと期待はずれ。というか、YouTubeにアップされていた予告が面白すぎた。そのショートムービーでほとんど全てが語りつくされてしまっていた印象がある。いや、本編がつまらなかったわけではないのです。面白いシーンをほとんど予告編につぎ込んでしまい、そこで観ることができなかった「それ以外」があまりなかったのが惜しい。この映画の場合、予算も全然なくて、プロモーションにもお金がかけられなくて、「観てもらうには、まず面白いところを見せてアピールしなくっちゃ」ということだったのかも知れず、そのあたりはちょっと気の毒にも思うし、大人の事情もあるんだと思う。でも、あれも、これも、前もって見てなかったらもっと面白かっただろうになぁ、と思う次第。それから、予告編で見せていなかった見せ場が前半に集中してしまったのもちょっと惜しい感じ。戦闘シーンとかも、「おお!」とか思うところは前半から出てきちゃったし、くすくす笑うようなシーンも前半から。少なくとも、チェーンソーあたりまでは文句なく楽しめた。でも、おかげで救う会が出てきたあたりから間延びしちゃって、「あーーーー、テンション落ちちゃった」と我に返ってしまった次第。つまりは、もうちょっとだけお金があって、もうちょっとだけアイデアがあって、そしてそのアイデアが盛り込まれたシーンが予告編でネタバレしてなかったら、もっと高く評価できたと思う。いや、もちろん過去のロボットアニメを髣髴とさせるシーンとか、色々見所はあったんですけどね。でも、チェーンソー以外にも、もっともっとあほらしいロボゲイシャが色々出てきたら良かったのになぁ。

演技力の部分で「もうちょっと頑張れ!」と思うところも正直あったけれど、そのあたりはこういう映画ではあまり大きな問題ではないかも知れない。特撮も、飛び道具を撃っている姿勢や目線と、弾の弾道があってなかったりとか、微妙なところがあったけれど、そこもまた良し。そもそも、細かいことを言ったら、さっきまでの城と、今、この瞬間の城、縮尺が全然違うんじゃね?とか、色々ある。そういうところを全部すっ飛ばすだけの勢いが、かなりのところまであったと思う。もうひと頑張りあればなぁ、という思いもあるのだけれど。

20世紀少年とか、TAJOMARUとか、山形スクリーム(って、これ、竹中直人作品だけれど(笑))とかに比較したら全然面白いし、くだらないし(ほめ言葉)、「この監督にもうちょっとお金をかけて映画を撮らせてあげて」と思ってしまう。せめて、声の音響とかだけでももうちょっとなんとかできなかったのか。セリフが聞き取りにくくて残念至極。まぁ、厚生年金会館とかで見れば似たような状況にはなるんだけれど、今回の場合は映画館じゃなくて、もともとの音響処理が悪いんですよね?たぶん。

ただ、実際のところ、一番評価できるのは、この映画のプロモーション手法。具体的にはYouTubeとTwitterを使っているところ。特にTwitterによるプロモーションは見事で、これがなかったら少なくとも自分は観にいかなかった。

「デートにもぎりぎり使える」ということですが、今回は1組だけでした。で、全女性客も1人(笑)。

この映画は是非海外で上映して欲しい。ゲイシャ、フジヤマ、ハラキリ、シャブシャブ、ニンジャ、テング、シロと、日本文化を正しく理解してもらうためのアイテムがてんこ盛りだから。あれ?スシがなかった?

ちなみにシアターN渋谷という映画館は非常にわかりにくい。渋谷駅から246にかかっている歩道橋をわたり、歩道橋上を右に降りるのが正解かな?そこから少しだけ青山方面に戻って、ファミリーマートの先を右折。でも、前を見てもシアターN渋谷の看板は見えません。「あれ?間違ったかな?」という不安を押し殺して頑張って坂を上ると、20メートルぐらいで右側にあります。

評価はプロモーションのうまさで☆1つおまけして、☆2つ。って、書いたら、組織が暗殺に来るかも知れず、ちょっと怖いんですが、まぁだいじょ・・・うわ・・・・おま・・・・・だれ・・・・・ちぇ、チェーンソー・がczダウ束lれがうcだg。あがdgくぁえろうじぇあrごあえ
  
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2009年10月03日

南極料理人

nankyokuくすりと笑ってしまうエピソードの断片をつなぎ合わせることによって、南極基地の生活を描いた映画。その断片の一つ一つがなかなかに面白く、良くできている。ただ、その笑いは爆笑というよりはクスクス笑うような性質なので、映画を観てすっきりさっぱりというよりは、後で思い出してにやり、という感じ。

たとえば、この映画を観たあとで定食屋に行って、エビフライを見てにやりとか、スーパーの肉のコーナーでローストビーフを見てくすり、とか。

そんな感じで静かに進んでいく堺雅人主演の映画といえば「ジャージの二人」が思い出されるのだけれど、あれに比較するとそれでもかなりアクセントがあって、こちらの方がずっと一般受けすると思う。

ただ、静か過ぎるので、どうしても眠くなる(笑)

細かく配置された心理描写を一所懸命見つけてくるという楽しみ方もあるだろうが、あんまり肩肘張らず、ちょっと暇つぶしに、ぐらいの感覚で観ることをお勧めしたい。

こういう映画はあまり悪く言われることがないと思うので、ひとつだけ、しかも大きな構造的欠陥を指摘しておくと、オープニングで登場人物たちを主人公のモノローグで紹介していったのがいただけない。セリフで紹介された人物像というのは、なかなか頭に入ってこない。セリフではなく、何かのエピソードによって、あぁ、この人はこういう人なんだね、というのをわからせて欲しかった。おかげで、登場人物それぞれの性格付けが良く理解できず、「あれ?この人は、何をやる人だったっけ?」と考えてしまうことになってしまった。有名な個性派俳優がたくさん出ているなら別なのだけれど、大写しにして、「この人はこれこれこういう人」と次々に紹介していくのはなんとも芸がない。

導入部分でどうやって時代背景を説明し、どうやって登場人物を説明するのか、このあたりが製作者の腕の見せ所なのに、それがなかったのが物凄くもったいない。

他のところは大きな問題もなく、結構楽しめた。評価は☆1つ半。  
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2009年10月02日

サブウェイ123 激突

6a93a8ce.jpg地下鉄の運行司令官と地下鉄のハイジャック犯(ちなみにハイジャックの「ハイ」はhighの意味ではない。なぜか日本では「高い」「ジャック(=乗っ取り?)みたいな意味に誤解しているので、「バスジャック」とか、「電波ジャック」とか、変な言葉ができているし、「地下鉄ならメトロジャックだろ」とか言われそうだけれど、地下鉄だろうがバスだろうが飛行機だろうが、暴力的な手段で乗っ取りを図ればハイジャック)との心理戦(といえるのかどうか)を描いた犯罪映画。

映画の導入部分はなかなか格好良い。あっという間に主要登場人物を映画の中にきっちり配置して、「さぁ、どうぞ」という感じでスタンバイするのが見事。このあたり、邦画は見習うべきところが多いと思う。南極料理人とか、主人公がモノローグで登場人物を紹介していくけれど、何のエピソードもなしに人物紹介されても、合コンじゃあるまいし、頭に入ってこない。

前半は「残りあと1時間」みたいな感じで進むのだが、途中でそれがなくなってしまうのところが昆虫の成長みたい。今まで芋虫だったのに、いきなり蝶になってとびまわるの?今まで葉っぱ食べていたのに、これからは蜜を吸うんですか?えーーー、何、このストローみたいな口!みたいな違和感があるのだけれど、つまり、前半と後半では全く別の映画(笑)。まぁ、そういう構成でも別に悪くないのかも知れないのだけれど、個人的にはかなり違和感があった。最後まで前半ののりでいけばなぁ、と思わないでもない。ただ、「さぁ、ゲームの始まりです!ストップウォッチ、スタート!」という時点で時計の針が60分しかなくて、映画より短いので、観る方も最初で気づくべきなのかも知れない。

犯人は薬をキメているのかと思うくらいにすぐにぶち切れてしまう。これで元証券マンというのはちょっと無理のある設定のような気もする。

白バイとパトカーが颯爽と飛び出していくカーチェイスは何度も失敗をやらかしてくれて、そのたびに笑ってしまう。おいおい、それはないだろ、みたいな。あれは笑うところで良いんですよね?あと、ネズミに噛まれて間違って犯人を射殺しちゃうオッチョコチョイスナイパーの登場(あのネズミは何かの伏線かと思ったらストレートに大活躍してびっくりした)とか、吹き出すポイントはいくつかあるので、ポップコーンを頬張りながらの鑑賞はお勧めできない。

ガーバーはピストルをもらったけれど、ラストで使ったのは違うものだった。なぜ違うものを使っていたのかは謎。単なるミス?

字幕が言葉を色々と省略してしまっていて、せっかくのユーモアが台無しなのがいただけない。

評価は☆1つ半。  
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2009年09月29日

私の中のあなた

f7721afc.jpgYahoo!のオンライン試写会で観た。オンライン試写会はどうしても画質が悪いし、音響も当たり前に悪い(一応外部スピーカーを使っているのだが)。明暗の差などもわかりにくく、映画の良さは10%ぐらいにまで損なわれてしまうと思う。しかし、それでも、全体のストーリーを把握することはできる。字幕なので、セリフが聞きにくくても、意味はわかる。邦画よりはまだまともに観ることができるので、一応の評価は可能だと思う。

小児白血病に侵された娘を救うために、遺伝子操作をして妹を生んだ家族のお話。僕のように分子生物学やそれに関する倫理問題をいくつかかじっている人間にとっては非常に興味深い設定。ドナーとなるべくして生まれてきた子供が11歳になったとき、腕利きの弁護士を雇って臓器移植を強制する親を訴える、あたりまでは非常に面白いストーリー展開だった。

ところが、ここからこの話は普通のメロドラマになっていってしまう。人工的に操作されて生まれた試験管ベイビーの悲哀というものは後半にいくに従ってだんだんと希薄になっていく。挙句、最後にはそんな設定はどこかへ吹っ飛んでしまうのがいただけない。また、法廷シーンもいまひとつ踏み込みが足りない感じ。せっかく面白い設定、面白いお膳立てをしたのに、それら一つ一つが中途半端で、いつの間にか山口百恵主演の「赤い疑惑」みたいな話になってきてしまった。やはりここは先端技術によって可能になった、「既存の生命を救うためだけの目的で作られた新しい生命」について最後まできちんと物語にして欲しかったと思う。終わってみれば、その新しい生命が主人公ではなく、あくまでも小児白血病のお姉さんが主人公なのだ。結局、ありきたりなメロドラマになってしまった。

全然別のストーリーでもあるが、子供のどちらかを選ぶ、というのは古くは「ソフィーの選択」という名作がある。そこには親のものすごい苦悩が描かれていて、だからこそ、メリル・ストリープの代表作となったと思う。ところが、本作はそういったものがない。母親は、無条件に姉を支持し、溺愛する。もしかしたら、彼女の中では、愛する娘と、そのパーツを補完するための物体、ぐらいの切り分けだったのだろうか。これは母親ではない自分ではちょっと理解できないし、想像も難しいのだけれど、何しろ、母親の頭の中では妹の位置づけがはっきりしていて、葛藤がない。そのあたりが凡作になってしまった最大の理由かも知れない。出発点こそ難病の姉のドナーとなるために生まれた命だったけれど、生まれてしまえば娘であり、家族でもあるわけで、その中で姉と妹をどう扱っていくのか苦悩することになる・・・・・などといったストーリーになぜできなかったのか、不思議で仕方がない。

ちょっとした仕掛けがほどこされていて、「あぁ、そういうことだったの」というのが用意されてはいるのだけれど、それも徐々に明らかになってしまう。全体の構成を考えれば、やはりサプライズは前振りなしの方が効果が大きかったと思う。

子役たちは熱演。それは非常に高く評価できる。でも、それを十分に活かすだけのストーリーになっていないのが本当に残念。子供と動物には弱い、というのは洋の東西を問わないのだろうが、それにおんぶにだっこでは駄目。芸達者な子供たちが出てきて、可哀想な重病を演じる、これだけで終わってしまったのが本作という感じ。評価は☆1つ。  
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2009年09月22日

20世紀少年<最終章> ぼくらの旗

7352144f.jpg20世紀少年の完結編を観てきた。まず、前2作の感想はこちら。

20世紀少年 ☆1つ

20世紀少年<第2章> 最後の希望 ☆半分

さて、それほど注目もしていなかったし、期待もしていなかった本作。原作と異なる結末とはどんなものだろうと思ったのだけれど、まぁ、確かにちょっと違っていた。でも、大騒ぎするほどの違いではなかったかな。原作の方がかなり複雑なので、映画の方がちょっと親切だったと思う。

そもそも、この20世紀少年という原作が、あまり映画向きではないのだ。どうしてこんな複雑で、かつストーリーに抑揚がなく、ラストにも大きなクライマックスが配置されないストーリーを映画にしようと思ったのか、そのあたりが謎なところ。浦沢直樹の作品なら、他にももっと映画化しやすい作品があると思う。が、一番簡単そうで、しかも傑作になりそうな気配がある「MONSTER」は、仮に映画化するなら多分外国映画。出てくる登場人物がほとんど外国人だし、舞台もドイツとかチェコとかなので、邦画でやるのは難しい。柔道とかテニスを映画にすると今度は大河になってしまうし、やっぱり色々難しくて、仕方なくこれ、という感じなのかも知れない。おかげで、ちょっとだけ顔を出しました、という役者ばかりで、なんか内輪受けの「俺も出たよ」の参加賞的な映画になってしまった。あるいは、言葉を換えると「役者のための仮装大会」という感じの映画。「俺、こんなに似てるんだぜ」「え、ベーシストで出ちゃったの?」「俺は観客で良いから、って頼み込んだ(笑)」みたいな。まぁ、最初からわかっていたのだけれど。そういう、構造的な問題を抱えている本作なので、ラストはそれなりに盛り上がったものの、やはり「それなり」の盛り上がりでしかない。

本作だけでコメントすれば、まぁ、冗長な物語を良くこの時間にまとめたなぁ、とは思う。矢継ぎ早に進んで行くストーリーが相当にあわただしいけれど、おそらく原作を知らない人でもなんとかついていけるだろう。また、前2作で広げた風呂敷も一応破綻なく畳んでいると思う。漫画だと、「あれ?この人がともだち?どこで出てきたっけ?」というところで最初に戻ってマンガ喫茶で全巻読み直す、なんてことが出来るけれど、映画だとそれが難しいから、種明かしをきちんとわかりやすくやる必要があったわけだけれど、そのあたりも冗長すぎるという感じではなかった。一応親切なつくりだと思う。あー、でも、バーチャルアトラクションとかはかなりぶっ飛んだ設定なので、漫画で慣れてないと受け入れにくいかなぁ。

1作目、2作目を観ずにこれだけ観るということはないだろうし、1作目、2作目を観ていてこれを観ない、ということもないだろうから、まぁ、観る人は観るし、観ない人は観ないわけで、そういう意味ではレビューの書き甲斐がない作品でもある。このレビューを読んで、「よーし、前2作をツタヤで借りてきちゃうぞ!」という人もいるかも知れないけれど、そこまでの価値はないので辞めておくことをおススメする。映像部分では多少観るべきところがあるような気もするのだけれど、「こいつは凄い」という感じでもない。

3作目単品での評価は☆1つ半。三部作トータルで☆1つ。本作では常盤貴子だけは良い(他にも芸達者な役者は使っているけれど、どれもこれもちょっとだけなので)ので、そこだけ観ておくという手はある。って、それは個人的な好みの問題か(笑) まぁ、これでもうこの作品を観ないで済むという意味では、ひと段落。ハリポタよりも短かったので、そこのところは評価できる。  
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2009年09月21日

カムイ外伝

90ef27d4.jpg先日、TAJOMARUという酷い時代劇を観たので、これも全然期待していなかったのだけれど、比べては申し訳ないくらいにこちらの方がまともだった。

ただ、何より残念なのは特撮部分。忍者なんだから人間離れした動きをするのは当たり前なんだけれど、それが物理法則を無視したものになってしまうと「はぁ?」という感じになってしまう。空を飛んだり、逆戻しみたいな動きがあったり。ワイヤーアクションについてはもう何年も前のマトリックスやスター・ウォーズエピソード3とかの方がずっとまとも。まだまだ日本の特撮は駄目なんだな、というか、ワイヤーアクションに慣れていないということなのかも知れない。やる側も、やらせる側も。おかげで一番の見せ所が幼稚になってしまって、冒頭からあらあらら、という感じ。それから、サメとか、海のシーンの合成具合ももうちょっとなんとかならないものだろうか。最近は邦画でも結構まともなVFXを観ることが出来るようになってきていると思うのだが、この映画は悪い意味で邦画っぽい。

そういう悪い部分が冒頭から連発されるので、観始めてすぐに「失敗した」と思わされるのだけれど、意外と、そこからは結構まともだった。なんというのかな、ワイヤーアクションに頼らない、ただただ走る、チャンバラする、みたいな部分はなかなかに見せるものがあった。007がユア・アイズ・オンリーで原点回帰として体を使ったアクションを重視したことがあったけれど、そんな感じ。特に前半の霞切りのシーンはなかなかのものだったわけで、全編こういう、生身の人間の活躍を前に出していく組み立てにすればもっと良かったと思う。あ、でも、手裏剣は割りと良かった気がする。

原作を未読なのでなんともいえない(もしかしたら原作に忠実なのかも?)のだが、ちょっと意味不明な部分もあった。サメのシーンとかは苦労して稚拙な特撮を展開していたのだけれど、あれとかは何をやりたかったのか良くわからない。というか、なくても良いシーン。そういう部分を入れるくらいなら、もうちょっと前半部分のカムイの苦悩とかを描いたらどうだったんだろう。それより何より、ルアーを作るのにどうして凄く偉い人の人間より大事な馬の蹄を使うのかがなぞ。

ラストの決闘のシーンはちょっとしつこいくらいに血がドバドバ出るので、血に弱い人は要注意。

普通のドラマパートでは、マツケンは結構健闘していたと思う。小雪も悪くなかった。

それはそうと、海が南国みたい。個人的な勝手なイメージだと石川県あたりの北陸地方っぽい話なんだけれど、全然そんな感じじゃない。まぁ、これは勝手な思い込みなのでどうでも良いのだけれど、個人的には違和感があった。

大画面でもしょぼく見えちゃう特殊撮影なので、興味のある人は是非映画館で。少なくともTAJOMARUよりは全然良いです。評価は☆2つ。  
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2009年09月11日

引き出しの中のラブレター

3bd2484a.jpgよみうりホールでの試写会で観てきた。

一見無関係な複数のストーリーが実は・・・・という比較的ありがちな構成の群像劇。その中心に配置されるのがラジオのDJ、というか、J-WAVEのDJ。こういう、企業を前面に出した映画としてはハッピーフライトがすぐに思い出されるのだけれど、ジングルをそのまま使ったりしているあたり、ちょっとなんだかなぁ、と感じてしまう。こういう感じだと、実際のラジオでも連動した番組をやりかねないなぁ、と思ったら、やっぱりやっていてちょっと笑った(J-WAVEだと月金の2140−2150)。普通に一般化した映画として作って、「でも、使っている場所は知っている人は知っているけやき坂スタジオ」みたいな感じだともうちょっとコマーシャル色が薄くなって良かったのになぁ、と思う。それなら他局でも「ラジオって良いでしょう?」という感じになったのだろうに、これでは他局の人間からは「J-WAVEが自局の宣伝映画を作って、番組連動で事業展開している」としらけられてしまう。別にJ-WAVEは嫌いじゃないし、逆に良い番組も多いと思うのだけれど、ここまで広告に利用されてしまうと映画ファンとしてはちょっと残念に感じてしまう。

実際に複数のラジオDJと仕事をしている関係上、局の内部で打ち合わせなども時々あるのだけれど、自分が見てきたものと比較すると「しっかし、J-WAVEは金があるなー」とも思う。何しろ、会社のスペースがめちゃくちゃ広い。こんなにゆったりしている会社は見たことがない。それでいて、六本木の一等地である。こいつは凄い。それから、週に一回の番組(多分1時間程度?)のDJが、それだけで凄い良い生活をしているのにも驚き。加えて頻繁に北海道まで旅行しちゃう。「そりゃぁ、やめられまへんなぁ」という感じだけれど、実際のDJ達はそこまで良い暮らしはしていないと思う。朝に帯で3時間ぐらいの番組を持っていたとしても(J-WAVEで言えばクリス智子さんとか)どうかなぁ、と思う。詳細に給料とかを聞いたことはないけれど、みんなそれほど裕福ではない。編成によっていつ番組が打ち切られてしまうかもしれず、将来の保証がない中で休みもとらず頑張っているのを見ているので、「ちょっと美化しすぎ」という印象もどうしても受けてしまう。美化しすぎ、というのはこの映画の中に出てくるほかの職業も一緒で、漁師なんかも本当にあんな感じなのかなぁと不思議に思ってしまうのだけれど。基本的に生活感のない映画だった。

あとさ、最近の投稿はあんなに手紙やはがきは送ってこないと思う。ベースは電子メール。

と、設定上の不思議なところ、腑に落ちないところは色々あるのだけれど、ストーリー展開としてはなかなか上手にできていたと思う。途中に「あれ?」と期待を裏切る展開も配置されていて、きちんと起伏がある。もう最初から見るからに赤ん坊のパパはあいつなんだけれど、どこでそれがつながるのかなぁと思っていたら「えーーーーーー!!」みたいな展開はなかなか上手だったと思う。

難点を言えば前半の立ち上がり部分が平坦なためにちょっと飽きてきちゃうところがあるのだけれど、そこさえ我慢すれば、という感じ。あと、ラストもちょっと冗長だったので、そこもどうかなぁと思わないではない。ただ、「おいおい、まさか、そこまで見せる気?」と思ったところはさすがにブチっと切れてちょっと安心した。説明が少ないほうがイメージが広がる部分も間違いなくあるわけで、日本の映画は得てして説明過多。この映画もちょっとそのきらいがあったのだけれど、土俵際で踏みとどまった。あれで最後までやっちゃっていたらそれで間違いなく☆がひとつ減ってしまったところ。危ない、危ない。

それから、東京のDJが北海道のリスナーからの手紙をもとにわざわざ函館まで行ったり来たりというのはあまりにも現実感がないかなぁ、とも思った。これまた実際に仕事をしていると、リスナーとのコンタクトというのにはかなりナーバスになる。それは、特定のリスナーに対して特別な配慮をしたときに、他のリスナーからどう思われるか、というのをかなり気にしているから。マスコミ関係者はそういう公平性を非常に大事にしている部分があって、「これはない」と思わないでもないし、この調子であちらこちらに顔を出していたら、それこそ毎日のようにあっちに行ったりこっちに来たり、スーパーマンのような神出鬼没ぶりになってしまうはず。

しかしまぁ、高校生の彼女(水沢奈子さん?)が可愛かったから許す。

あれ?それで、結局香港は・・・・・ということ?

色々と不備はあったものの、広げた風呂敷をきちんとたたんでいたと思う。メインの話も決して悪い話ではなかった。そんなこんなで☆を出し入れして、トータルで☆2つ。それにしてもオフィシャルサイトのURL、これじゃぁ引きこもりのラブレターって感じでどうなの(笑)?  
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2009年09月08日

TAJOMARU

64625c66.jpgアマルフィのあまりの珍作っぷりに感動したので、同じフジテレビ系製作のこの作品も個人的にはかなり盛り上がっていた。どんな珍作だろうか、と思っていたのだが、結論から言うとちょっと肩透かしで、普通にツマラナイ映画だった。

冒頭のシーンから想像するのは友情とか、慈しみの心なんだけれど、それはあっさりひっくり返る。こういう展開はまぁありだとは思うのだが、納得がいかないのは、そういう展開になった理由が全然述べられないこと。桜丸の暗躍は、三つ子の魂百まで、といわれればそうなのかも知れないが、あまりにも味気ない。血筋だけで最終的には大活躍するハリーポッターの暗黒版といえばそれまでなのだけれど。その「どうして?」という部分に何の回答も与えられないため、ストーリーをすんなり受け入れることができない。それに、そのおかげで悪役の作りこみが甘くなってしまい、憎たらしさも生まれてこない。悪役が悪役として機能していないのだ。なんだか良くわかんないけれど、悪い奴、みたいな。ただのチンピラ、みたいな。それから、兄弟の確執についてもしっかりと描かれておらず、なんだか意味もなく裏表のある登場人物という印象を受けてしまう。このあたり、脚本がかなりいけてない。

設定の面でもつめが甘く、たとえば折角の「地獄谷」が全然地獄っぽくない。落っこちても全然平気で、怪我もしない。最初はぼろぼろになっていたヒロインが見る見るうちに回復していき、体力だけじゃなく服やお化粧まですっかり元気そうになるのも不思議。仙豆でも飲んだのかと思ったけれど、そういうシーンは見当たらなかった。落ちた当初は凄いやばいところ、ヒロインもお岩さんですか?って感じなのに、すぐに普通になっちゃう。しかも、そこからの脱出も結構簡単。というか、あんな崖を上らなくちゃならないような場所は日本にはほとんどないはず。中で普通に生活している人たちもいるし。他にも、「ここは京都のそばなんだろうけれど、でもどこなんだろう?」とか、それ以前に「時代はいつなの?」とか、語られない設定が多すぎ。

結局、語られるべきところが全く語られておらず、じゃぁその代わりに何かあったっけ?というと、何も思い出せない。飲んで馬鹿騒ぎしているところを見せたかったわけじゃないですよね?うーーん、良くわからん。

主人公が気を失っていたときの出来事というのも、妙に長くて違和感ありまくり。「実は」みたいな部分を一々登場人物が説明するのもいかがなものかと思うし、それを説明するのも「なぜこの状況で」という感じ。その内容も、いつ目を覚ますかもわからない状態で良くそこまで念入りに打ち合わせをしたものだ。これでヒロインに演技力がなかったらどうするつもりだったのかとちょっと問い詰めたくなる。あげく、説明が終わったと思ったら「助さん、格さん、出番ですよ。懲らしめてやりなさい」みたいな感じで隠れていた助っ人達が現れる。もっと早く助けろよ。

そして、多襄丸があまりにも格好良すぎて、それでいてあまり強くなかったりするあたり、設定が微妙。

全体を通じての見せ場は一体どこだったのだろう。あぁ、あの、桜丸とのチャンバラかな?そこのシーンはわりと良い出来だったと思う。ただ、いかんせん、先日見たG.I.ジョーのチャンバラの方が少し上手のような気もする。

それでラスト。自由と女を手に入れたのは良いけれど、これからどうやって暮らすんだろう。やっぱり盗賊ですか?

ちなみに今日は厚生年金会館での試写会だったのだけれど、音響が最悪。ただでも、ここで見るのはちょっとなぁ、という感じ。してみると、新橋のスペースFS汐留ホールは凄く良いなぁ。

評価は☆1つ。  
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2009年09月02日

セントアンナの奇跡

3a72b435.jpg人種差別、戦争、宗教といった重いテーマを詰め込んだ重厚な作品。非常に面白いのだけれど、島国の無宗教人間にはちょっと難しい部分もあった。

まず、黒人の見分けがつかなくなるところがある。ちょっと不思議ちゃん的なデカイ奴と金歯はすぐにわかるのだけれど、残りの二人がちょっとわかりにくい。それから言葉。イタリア語、ドイツ語、英語が登場しているんだろうけれど、イタリア語とドイツ語の聞き分けが難しかった。というか、わからなかった。普通に聞いていれば多分イタリア語とドイツ語の聞き分けはできると思うのだけれど、映画の中でころころと変わるので、あれ?あれ?みたいな感じ。字幕で「(独)どうてらこてら」「(伊)あーたらこーたら」などと書いてくれれば親切だったのになぁと思わないでもない。それから、キリスト教徒ならこういうのって重い意味があるんだろうなぁ、というところが少なくなかったんだけれど、そのあたりもちょっとわかりにくかった部分。それから、冒頭の1980年代のシーン。ここでのやり取りが非常に重要なのはもちろんなのだけれど、そこから過去に飛んでからがものすごく長いため、正直、すっかり忘れていた。そういえばああいうシーンもあったなぁ、あ、あれって、あの人かぁ、みたいな。それとは別に本編とは全然関係ない部分もあって、わかりにくさに拍車をかけている感じがする。劇中で「セントアンナ」を別の表記にしたのはわざとなんだろうが、それには何か意味があったんだろうか。そこもちょっと疑問点。サンタンナ(イタリア読み)とセントアンナ(英語読み)って、同じですよね?

と、こういったわかりにくさ、特に日本人にとってのわかりにくさによってどうしても☆をひとつぐらい減点せざるを得ないのだけれど、きっとイタリア人とかなら観ごたえのある作品なんだろうなぁ、と思う。

まず最初に挙げておくべきは戦争シーン。「シンドラーのリスト」「プライベート・ライアン」「ミュンヘン」でスピルバーグが戦争を生々しく描いた頃から、非エンターテイメント作品(という表現が正しいかどうかは正直微妙だけれど、要はインディ・ジョーンズとかとは違うカテゴリーという意味)において戦争の描き方に遠慮がなくなってしまったわけで、この映画も凄まじい。特にタイトルにもなっているセントアンナの大虐殺などは結果がわかっているだけにインパクトが大きなシーンになっている。観客である我々はそこで展開される悲劇を黙って観ているしかないわけで、戦争の悲惨さは嫌と言うほど伝わってくる。日本は原爆のあとの悲惨な映画は色々あるけれど、こういう大虐殺をストレートに描いたものはほとんど記憶にないわけで、そういう免疫がない分、観ていて辛い。川の戦闘シーンも十分に生々しく、ILMの特撮技術というのは星間戦争や宇宙船の馬鹿でかさよりもむしろ、こういうシーンにおいて威力を発揮していると思う。

それから、米国黒人兵、イタリアトスカーナの山村の住民、パルチザン、ドイツ兵の複雑な人間模様をしっかりと描いているのも見ごたえ十分。というか、十分すぎるくらい。おかげで上映時間は2時間40分ぐらいだったようだけれど、観ていた限りでは「長い」とは感じなかった。特に第二次世界大戦中の黒人兵が置かれていた境遇と言うのは、日本人ではなかなか知る機会がないわけで、社会勉強にもなる。ただ、ムッソリーニ後のイタリアの状況、その中におけるパルチザンの立ち位置などは事前にある程度知っておかないと、4者が入り乱れてのやり取りは複雑すぎてわけがわからなくなる可能性が高い。1940年代のヨーロッパを舞台にした映画というのはこのあたりがハードルを高くしてしまうのだけれど、それさえ乗り越えれば逆に見所が多いと思う。

冒頭でいきなりなぞを配置して、さらに伏線をはり、そこから謎解きの40年前へ、という展開はなかなか見事だったと思う。ただ、その過去パートが長すぎて、冒頭のシークエンスを思い出すのにちょっと時間がかかってしまった。そして、その上で、ラストに待ち受けている奇跡は何なのか、という期待を寄せることになるのだけれど、今回は奇跡の内容、予想ができなかった。もちろん予想ができちゃう人もいるんだろうけれど。だから、監督に一本取られたという感じ。

トータルで評価して☆2つ。もう一度観たらもうちょっと評価が高くなるかなぁ。でも、それはDVDで良いかなぁ。  
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2009年08月28日

G.I.ジョー

60c56ccc.jpgこの手の映画はシリーズによって出来、不出来が非常にはっきりする。駄目なのの代表がファンスティック・フォー。逆に良かったものの代表はアイアンマン。さて、この映画はどちら?と思って見たのだけれど、どちらかと言えばアイアンマン側だと思う。最初に評価を書けば☆2つ。

何しろ、ノンストップアクションムービーなので、退屈する暇が全くない。やっていることはくだらないというか、大したことはやってないのだけれど、そんなことは関係ない(笑)。とにかく見所が満載。撃って撃って撃ちまくるし、壊して壊して壊しまくる。あぁー、こんなの壊しちゃったらあの国の人たちがマジで怒りそう、みたいなものまで壊しちゃう。その壊しっぷりがすがすがしい。ところどころ、特撮が荒いところも見受けられるのだけれど、大画面で観ていればそれほど気にならない。アニメだよね、と思ってしまうとその通りで、CGばっかりだけれど、これだけ徹底してりゃぁ良いんじゃないの?それに、ニンジャの戦いも見所の一つ。スター・ウォーズのライトセーバー戦に比較したらものすごい本格的なチャンバラを観る事ができる。カーチェイスも車と車の競争かと思ったら無駄にかけっこだったりするところもおかしい(良い意味で)。

音楽もなかなか。映画にフィットしたソリッドな音楽は常に映画を盛り上げる。

ただ、もうちょっとユーモアがあっても良かったかなぁ。

レイチェル・ニコルズが可愛いのも見逃せない。

どうでも良いけど、日本語では「なのてくのろじー」だけれど、英語で発音すると「なーのーてくのろじー」なのね。勉強になりました。

あ、ストーリーとか、あんまり大したことがないので、語るべきことはあまりありません。でも、映像と音響を楽しむ映画なので、DVDじゃなくて映画館で観るべきだと思います。  
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2009年08月23日

サマーウォーズ

0778ebe8.jpgこの夏もそこそこの数の映画を観てきた。話題作やら、シリーズものやら色々。ヱヴァから数えれば劇場で観たのは洋画、邦画あわせて10本弱なんだけれど、満点評価はなし。「今年の夏は不作だったなぁ」と思っていたのだけれど、昨日、アマルフィとどっちを観ようかと迷って、時間の都合で選択しなかった「サマーウォーズ」をリベンジしたら、これが掘り出し物で驚いた。世の中では評判ですか?そうですか。久しぶりの☆3つ。

結論から書いたから、続いては駄目だしをしておこう。

まず、重要なキャラの佳主馬の声が女の子の声だということ。キャラ自体が中性的なところに持ってきて、明らかな女声のため、「あれ?これって、女の子?」と違和感を持ちつつ観る羽目に。女性が男子の声をやるのはドラゴン・ボールをあげるまでもなく全く普通のことだけれど、それは女性っぽくない演技ができる声優の場合。佳主馬の声は明らかに女性であって、完全なミスキャスト。これも含め、やや不調な声優陣とうい印象はあるのだけれど、これはジブリ同様、声優が本職じゃない人を声優として起用しているからかも知れない。そのあたりは日本テレビがかんでいるということで仕方がないところか。

それからキングカズマの操縦。いくらなんでも、キーボード操縦はありえないんじゃないだろうか。PCを強化する前にゲームパッドを買ってやれ、と思う。っていうか、キーボード操縦でキングになれちゃうって、ありえるか(笑)?それと、キーボード操作をありとしても、ホームポジションが安定しないやり方でパチパチ打っていくのはあまりにも非現実的。いや、達人なら出来るのかもしれないけれど(笑)。

レポート用紙に筆算で暗号解読をするのもどうか。いや、最初の解読はあれもありだと思う。でも、命をかけて勝負するなら、計算はノートPCか、せめて電卓を使ってほしい。さぁ、暗号を解くぞ、という場面でレポート用紙と鉛筆はなぁ。

それからコイコイのシーン。「コイコイ!」じゃなくて、「コイ!」じゃないかなぁ、掛け声は。あれ?自分だけですか?自分は高校生の頃から花札やってますけれど、「コイ!」だったなぁ。ま、これは地域差とか色々あるだろうからなんともいえないのだけれど、ちょっと違和感があった。

氷がなくなってオーバーヒートというのもちょっと(笑)。あぁ、でもそこは笑うところか。

あと、一番気になったのはヒロインがちょっと影が薄かったこと。もうちょっと魅力的に描けたら凄かったのになぁ。シータ@ラピュタやクラリス@カリオストロみたいな伝説となるヒロインでは、残念ながらなかった。

こんなところかな?

さて、ほめる番。何しろ、まず脚本が良い。アニメではこれができるのに、どうして実写ではできないんだ、という感じ。というかですね、OZの中をアニメで描いて、上田の人たちは実写だって良かったわけじゃない。それができないわけがない。でも、そういう選択肢を選ばなかった。まぁ、最初からそんなのはなかったのかも知れないけれど、そのあたりが残念でもあり、日本のアニメの素晴らしいところでもあると思う。結局、実写でやっちゃうと「あの役者を使え」「こんなシーンは駄目だ」とか、色々横槍が入ってしまうということなんだろうか。フルアニメーションだったことについて「あぁ、もったいないなぁ」と思ったのも事実。いや、多分実写でやったら駄作になっちゃうんだろうけど。ちょっと前のエマ・ワトソンとかを使って実写にしたら凄く良さそうなんだけれどね。でも、それじゃぁ長野の映画じゃなくなっちゃうな(笑)。何しろ、OZをめぐる仮想空間の騒動に対して、高校野球、大家族のやりとり、高校生の交流、実社会の混乱を上手に盛り込んで飽きさせない。

OZの中の世界がまたなかなか良くて。一目見て村上隆系のデザインなんだけれど、キャラそれぞれはかなり個性が分散されていて、いろんな人の手が加わっている感じ。アバターなんだからそれが普通なんだけれど、あぁ、細かいところにも配慮しているな、という印象を受ける(たとえばYahoo!のアバターとかはもう一目でそれっぽいわけで、OZの中はそういう統一感が希薄だった)。夏希がセーラームーンみたいに変身するのはどうなのかなぁ(そして変身後は神崎すみれ@サクラ大戦)、と思わないでもないけれど、観客がセーラームーン世代なのかも知れず、そのあたりも狙いなのかも知れない。何しろ、SNSを運営するITベンチャーの社長(自分ですよ(笑))が観てもなかなか良くできている仮想都市像が素晴らしい。あぁ、あと一年でこんな世界(機能的にも、デザイン的にも、そして携帯からでもDSからでも、もちろんPCからでも同じようにしてストレスなくアクセスでき、さらに現実世界の各種サービスともボーダーレスにつながる世界)が出来上がったら良いなぁ、と思う。

そんなリアル世界と仮想世界をつないだ物語で語られるのはスーパーおばあちゃんを中心とした家族や人と人とのつながり。ネット社会の最も苦手とする部分をうまく融合させ、近未来のあるべき姿を象徴的に表現しているところが良い。ちょっと前、ほんの20年も前なら、あんな大家族は普通に横浜とかのなんちゃって都会でも存在したのだけれど、最近はきっとほとんど絶滅危惧種なんだろう。長野あたりまで出かけないと、なかなか見当たらないのかも知れない。そんなちょっとしたノスタルジーを年寄り観客に与えてくれるところもなかなか。

すっかり説教くさくなってしまった宮崎アニメに辟易としつつある昨今、説教くさくないのにちょっと勉強させてもらえる、そんな昔の、楽しかった頃の、宮崎アニメが失ってしまったものを見せてもらったような気分。最初に書いたように減点ポイントがなかったわけではない。それでもやっぱり、これは満点。この夏一番の映画だと思う(まだ終わってないけれど)。こういうアニメがこれからどんどん作られたら良いな、と思う。  
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2009年08月22日

アマルフィ 女神の報酬

8a832b06.jpgテレビ局がかんだ映画と言うのはそれだけで大抵1ランク評価が下がってしまうようなところがあるのだけれど、フジテレビ開局50周年記念ということで、「どうせならなぜ大捜査線を躍らせないのだろう」と不思議に思いつつ、観にいってみた。

なるほど、50周年のお祝いで、身内に海外旅行をプレゼントしたかったということですか。どおりで出てくるところ出てくるところ、イタリアの観光名所ばかりでした(笑)。これはわかりやすい。

さて、映画の内容は・・・・ということなのだけれど、なかなか面白かった。何しろ、ストーリー展開が凄い。どんどんスケールがでかくなっていって、これは一体どうなるんだろう???と思っていると、広げた風呂敷は実は凄く地味に畳まれてしまう。その展開の妙が素晴らしい・・・・じゃなくて、凄まじい。

なんというのかなぁ、「あのさ、その目的なら、イタリアなんかで頑張らなくても、日本でやればいいんじゃない?」と思っちゃう。いや、確かに舞台が日本だったら、50周年のご祝儀で俳優さん(ガリレオで稼がせてくれた福山雅治とか、全然必然性のないキャラだったし)やら制作スタッフやらをイタリアに連れて行くことは出来なくなっちゃうけれど、でも、目的がなぁ。

それで、その目的のためにイタリアの情報関連会社の中枢ともいえる建物にもぐりこんで、そこでトラブルを起こしてイタリアの交通を麻痺させちゃうんだけれど、そんな凄いところ、外交官だっておいそれとは近づけないんじゃないだろうか。

イタリア警官を人質にとって天海を逃がすのも凄い天海、じゃない、展開。

あと、誘拐されたシーンで画像を交換した(人間が映っていないシーンを切り貼りしたんだと思うけれど)のはそれほど面倒ではないと思うけれど、どうせならブツっと切って削除しちゃえば手っ取り早かったはず。でも、それより何より、教会のシーンでろうそくがたなびいている方は、そりゃぁものすごい加工技術ですよ。透明人間じゃないんだから。だって、そこの前を人が通ったとしたら、わざわざ火がたなびいているシーンをCGで作って、合成する必要がある。そんな面倒なことをせずに、誘拐のシーンで使った「人が通っていない場面を切り貼り」すれば良かったのに。そうすればばれなかったかも知れないのに。それほど重要でもない画像加工にILM並みの技術を投入するところが素晴らしい。しかも、それのおかげで外交官織田に合成を見抜かれちゃう。さすがイタリア。

ところでイタリアの地理には疎いのですが、アマルフィって、イタリアの西海岸ですよね?もうちょっと北にあるはずのローマからアマルフィへ車でアプローチしているのに、南側から(左に海、右に山で、下からアプローチ)なのはなぜ?良くわからない。秋田から新潟に向かったのに、なぜか左に海、右に平野で下から(富山方面)からアプローチ、みたいな不自然さがあるのだけれど。

あと、ストーリーとは関係ないけれど、あのぶつぶつぶった切る編集は何とかならないのだろうか。あれは多分狙ってやっているんだろうけれど、「おいおい、もうちょっとちゃんと編集しろよ」という感想しか生まれない。

なぁんてことを色々書こうと思っていたら、破壊屋さんが書きたいことをほとんど書いてくれている(というか、書けないことまで色々書いてくれている)ので、そちらを参考にしてもらうのが良いと思う。

破壊屋 アマルフィ 女神の報酬

評価は☆半分。いや、でも、冒頭にも書いたけれど、十分楽しめるんですよ。本当に、これは皮肉ではなく。確かに、制作サイドが期待しているような楽しみ方ではないのだけれど。馬鹿映画だけれど、十分楽しめるし、観る価値がある。その点で山形スクリームとは一味もふた味も違う。観ておいて損はない。ちなみに上で紹介した破壊屋さんのレビューは超ネタバレだけれど、事前に読んでおいた方が一層楽しめるような気もする。

さて、どこまでもキザな外交官役の織田君(中学のひとつ後輩)を観たあとは、TBS世界陸上のスーパーハイテンションの織田君(でも、今年はちょっと控えめ)を見ようかな。  
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2009年08月18日

ちゃんと伝える

c5736dba.jpegガンで入院している父親のお見舞いに行っているうちに、自分もガンであることが判明。場合によっては、父親よりも自分の方が先に死ぬかもしれない。

ものすごく面白そうな設定だ。

「これは面白いに違いない」と期待して観にいったのだけれど、実際は、「あれ?」という感じ。設定は凄く面白い。そして、色々な技巧も盛り込んでいる。でも、観終わって感じるのは「面白そうだったのに・・・」という失望。

何しろ、色々と不自然なことが多すぎる。デートの当日に電話で待ち合わせの相談をするとか、景色について語るときに「美しい」と文語的な表現をするとか(「あそこってきれいだよね」とか、「あの景色はすばらしいよね」とは言うけれど、「あの景色は美しいよね」とは普通言わなくない?少なくとも、男はこういう台詞を日常会話で言わないと思う)、病室が大部屋なのに同部屋の客(患者)が誰もいないとか、焼き場の予約が午後遅い時間だとか(1時間遅れただけでもう夕方って、こういう時間設定は普通なくない?)、凄い近所なのに夜に彼女を家まで送らず、途中でさようならするとか、細かいところで突っ込みどころが満載。そして、それらに目をつぶったとしても、致命的なのは主人公の病状に全く切迫感がないこと。末期の胃がんだというのにはくわけでもない。やせるわけでもない。普通に生活して、凄い勢いでダッシュしたり。ガンを感じさせるのは唯一食欲がないことだけ。これでは全然説得力がない。

「親父よりオレが先に死ぬのは親不孝だ。親父、先に死んでくれ」

この痛切なメッセージは非常に心に響くのだが、それが映画の中では全く生かされない。あれ?どうしてこうなっちゃったの?これで良いの?

この映画は構造的に凝ったところがあって、主人公の状況が変わったあとについて、同じシーンを重複して見せている。観る側が事実を知る前と知ったあとで、同じシーンを違ったかたちで受け止めて欲しい、ということなんだろうけれど、残念ながら、事実を知る前と知ったあとで、受ける印象はほとんど変わらない。それは、役者のせいではないと思う。多分、演出のせい。そして、同じシーンを二度観ることを強要されるのはちょっと苦痛。同じ映像でも、受け取り方が全く違う、というのなら見事な演出と言えるのだけれど、「全然一緒じゃーん」という印象なので、策士策におぼれる、という感じになってしまった。

泣かせるシーンがいくつか配置されているのだけれど、そのたびにわざわざ笑いで逃げているのもどうなんだろう。監督の照れ隠しなのかも知れないが、「ちょっと、ここでそのシーンは不要なんじゃないの?」と思わないでもない。

せみの抜け殻、キンチョール、釣り、サッカーといったアイテムも必然性が感じられないものばかり。

そしてラスト。「ちゃんと伝えなくちゃ」という父親の思いはなんだったのか。それが全然伝わってこない。焼き場に行く途中でわざわざ死体を連れ出す行為。ヒロインは「そういう行動に出たのもなんとなくわかった」と言っていたけれど、こちらは全然わからない。

言葉が足りないのか、表現が稚拙なのか、あるいは観る側の感受性が足りないのか、そのあたりはなんとも言えないのだけれど、とにかく「ちゃんと伝える」というタイトルが皮肉に見えるほど、伝わってこない映画だった。

いい素材をたっぷりと使って、「さぁ、どうぞ!」と出された期待十分のお皿だったのに、食べてみたらぼやけた味の料理だった、みたいな、そんな映画。観ても何の価値もない「山形スクリーム」とは全然違うのだけれど、山形スクリームが「さぁ、笑ってください」という映画だったのに全然笑えなかったのと同様、「さぁ、泣いてください」という映画なのに、全然泣けない映画だった。観ることが時間の無駄だとは言わない。ある程度の価値がある映画だとは思う。でも、評価は☆半分が良いところ。そして、その☆は伊藤歩さんにプレゼントしたもの。

個人的に思うのは、主人公とか、彼女とかじゃなくて、きちんと描かなくちゃいけないのはお母さんでしょ、ということ。  
Posted by buu2 at 22:01Comments(0)TrackBack(0)映画2009

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2009年08月14日

山形スクリーム

6a660d5a.jpg一年に一本か二本、「これは酷いなぁ」と思ってしまう映画にぶちあたるわけだけれど、この作品は間違いなくその一本。こういう駄目な映画を観ると、なるほど、今までのハリポタシリーズとかの駄目さ具合はまだまだだな、などと思ってしまう。本当に、観ているのがつらい映画だった。何度途中で席を立とうと思ったことか。それでも、「もしかしたらこの後何か、お金を払って良かった、というシーンがあるかもしれない」と思って頑張った。でも、やっぱり最後まで何もなかった。いや、唯一、ブレードランナーのパロディだけは見所だったのかな?いやいやいやいや、やっぱり見所じゃないな。

ホラーコメディというふれこみだけれど、怖くないし、笑えない。いいところが何一つ見つけることができない。あー、早く帰りたいなぁ、時間の無駄だなぁ、そろそろ90分ぐらい経ったかなぁと思って時計を見るとまだ1時間ちょっと、という具合。

どこがどう駄目なのかなぁ、と思って考えてみるに、映画が「人を楽しませる」ものではなく、「作っている側が楽しむ」ものになってしまっているんだと思う。多分、竹中直人はこれを作っていて楽しかったに違いない。そして、この映画を観客も楽しんでくれたら良いなぁと思ったに違いない。でも、少なくとも、僕はこの映画を観ていて、つらくてつらくて仕方がなかった。苦痛だけの2時間弱と言っても過言ではない。この経験は、デビルマンでも、キャシャーンでも味わうことがなかった。なぜなら、デビルマンも、キャシャーンも、一応観客を意識していたからだ。「このシーンを観て欲しい」という思いが感じられた。結果としてそれは成功しなかったけれど、でも、その意図は伝わった。でも、この作品には観客への意識が全くと言って良いほど感じられなかった。ただただ自分達が楽しんでいるだけ。ギャグはほとんど滑りまくり。笑える映画のはずなのに、笑えるポイントがほとんどない。もちろん、それは僕個人だけの話ではなく、劇場を半分ぐらい埋めた観客からもほとんど笑い声が聞こえてこなかった。ときどき、同じ人が乾いた笑い声をあげていたけれど、それだけ。だから、数百人に一人ぐらいは楽しめるのかも知れない。

最近観た中ではダントツで駄目な映画。駄目な映画だって、普通は何らかのプラスがあるはず。「あのシーンが駄目」「あの映像が駄目」などと語ることによって、人生における経験値が多少なりとも上がるからだ。でも、この映画にはそういったものがほとんど感じられない。ただただ時間の無駄。それに対してお金を払うのは無駄だし、そこに数時間の時間を費やすのももったいない。怖いもの観たさで観るという人もレンタルで十分。映画が嫌いになる人がたくさん出てきては困るので、声を大にして言っておきたいが、この映画は観てはいけない。

今期きいちご賞最右翼はTHE CODE/暗号だと思っていたけれど、こっちの方が大分上手だった。上には上がいるものだなぁ。

あ、☆はもちろんゼロです。  
Posted by buu2 at 18:24Comments(0)TrackBack(1)映画2009

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