2009年08月10日

ノウイング

aa016245.jpgもうすぐ上映終了ということなので、駆け込みで観て来た。事前に聞いていた評判は芳しいものではなかったけれど、どうしてどうして、見所のある映画だった。

もう終了間際だから、ネタバレたっぷりの感想を書くことにする。一応、追記へ。  続きを読む

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2009年08月07日

男と女の不都合な真実

1c955324.jpgTOKYO CINEMA SHOW2009で上映された「男と女の不都合な真実」を観てきた。予備知識なし、期待なしで観たのだけれど、冒頭で上映時間1時間35分とアナウンスがあって「気楽に楽しめそう」と、ちょっと期待度アップ。

冒頭、いきなり字幕が見えにくくて「おいおい、大丈夫か?」と不安になったのだけれど、そこからはノンストップの下ネタ系ラブ・コメディで、なかなか上質な(?)時間を楽しめた。

テレビのやり手女性プロデューサーの恋を中心にしたストーリーなんだけれど、恋愛マニュアル的なお決まり決め付けストーリーはそこそこに安心して観ていられる。「なるほど!」と参考になることはほとんど皆無と言っても良いくらいなんだけれど、そのドタバタっぷりはなかなかに爽快。こういう映画をもし日本で作ったとしたら、一体誰が出るんだろう。藤原紀香あたりがイメージではあるけれど、あの接待のシーンとか、やれるかなぁ・・・・。やれたら大したものだけれど(笑)。

下ネタを笑い飛ばすことができる大人だったら、軽く楽しめる90分だと思う。楽しめないオクテな人は、こっそりDVDで観るのが良いかも。どちらにしても、観て損はないと思う。

ちなみにラスト近くではちょっと痒くなってしまうところがあった。ずーーーっとコメディで押し切ったらもっと楽しめたのになぁ。

この手の映画は字幕が苦戦するのがいつものことだけれど、わりと上手に料理していて、その面でも健闘って感じ。冒頭、背景の都合で読みづらかったのはちょっとアレだけれど、こればっかりは仕方なし。

評価は☆2つ半。  
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2009年08月04日

トランスフォーマー/リベンジ

4dfc8767.jpg前作が全く駄目な映画だったので、期待はほとんどゼロ。そんな状態で観て来たのだけれど、これならもっと早くに観ておくべきだった。非常に良く出来た映画でびっくりだ。

何しろ、そこそこの長尺にも関わらずテンポが良い。どんどんシーンが変わっていくので、飽きることがない。場所もあちらこちらに変わっていくのだけれど、普段なら「あぁ、スタッフが旅行したかったんですね」と思ってしまうところ、あまり気にならない。これもテンポの良さゆえ。

変身シーンは前作に比べると随分と時間がかかるようになった気がする。きっと前作で儲かったので、お金をつぎ込んだんだろう。出し惜しみしないところがまた好感。

ヒロインのおっぱいが揺れまくるのを何度もスローモーションで見せてくれるのもサービス満点でナイス。

それから無視できないのが細かいユーモア。ところどころに「プッ」とふきだしてしまうようなやり取りが配置されているのがおしゃれ。会話も面白かったけれど、なぜか玉がぶら下がっているとかも良い。

ストーリー上で細かい難点はあるものの、そんなものを吹っ飛ばして突き進むだけのパワーがある。USエアフォースも全面協力だ、みたいな。そして、「おいおい、それを壊しちゃうのはまずいでしょう」という世界遺産的構造物をどっかんどっかん壊してしまうのも、「あぁぁぁ・・・、それはまずい、それはまずいよ・・・」と思いつつ楽しめちゃう。

この映画は映画館で観ないと駄目。公開終了間近に観にいってレビューに書くことでもないのだけれど。

評価は☆2つ半。ナウシカみたいな展開がなければ☆3つだったんだけどなぁ。  
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2009年07月31日

ハリー・ポッターと謎のプリンス

79c20be0.jpg予告編を観たら結構面白そうだったので、生まれて初めてこのシリーズの作品を期待して観にいった。例によって結論から書くと、このシリーズの中では出色のでき。ただし、観る前の期待には全く応えてくれなかった。別の意味で評価が高かったということ。☆2つ。

観る前の期待とは何だったのかと言えば、魔法の世界のごたごたがどうやって人間界に影響を及ぼしていくのか、そのあたりが色々描かれるんだろうな、というもの。ところが、予告編で「いよいよ人間界へ」としていたのに、そんなものはほとんどなくて、これはひどい予告編だな、ワーナーは死ね、という感じ。

しかし、そんな事前の期待(というか、予告編によってミスリードされた期待)は完全に裏切られたわけだけれど、映画としてはかなり満足度が高かった。それはなぜか。

まず、あの空中ホッケーみたいなつまらないゲームのシーンがほとんどなかったこと。結果はわかっているんだし、はらはらどきどきもない。すっかりマンネリのシーンのオンパレードなんだから、こんなシーンはどんどん削除すべき。で、その扱いが非常に少なかったのがナイス。

また、仲間がやられてハリーが活躍、あるいはハリーがやられておじいさんが活躍、といういつもの予定調和魔法戦闘が少なかったのも良い。この作品は魔法がメインディッシュのはずだけれど、魔法の登場が少なければ少ないほどまともな映画になるところが皮肉。つまりは、魔法というのはあまりにも都合が良すぎて、映画を台無しにしてしまうのだろう。インディジョーンズでも、どうやってピンチを乗り切るのかのはらはらどきどきが楽しい。飛行機から落っこちても魔法で飛んでしまうなら興ざめ。007でも、どうやってピンチを乗り切るのかのはらはらどきどきが楽しい。椅子に縛り付けられて拳銃を突きつけられても、魔法で縄抜けしてしまったら興ざめ。スターウォーズでは魔法と近いところで「フォース」なんていうのがあるけれど、フォースはイマイチ使い勝手が悪い設定だったから、映画の世界観をぶち壊したりはしなかった。でも、ハリポタの映画はちょっとご都合主義が過ぎる。だから、魔法が登場しないほうが面白い映画になる。

今回はハーマイオニーやハリーの恋愛話に比較的分量が割かれていたのも良かったと思う。これまで、このシリーズでは魔法戦やホッケーシーンなどのおかげで人物描写が希薄だった。おかげで、「なんだかんだ言っても、血筋ですか、そうですか」と貴族主義のお国柄を感じ取ってしまうような映画になっていたのだけれど、今回はそのあたり、かなり改善されていたと思う。

ただ、これはどうなんだろう、というのももちろんある。結局血筋だけのハリーなわけだけれど、そのハリーが「僕にはわかるんだ!」とか言っているものだから、「いやいやいや、ものごとはちゃんと見ないと」ってハーマイオニーが諭して、「ほらね、血筋だけじゃないのよ。やっぱり冷静に見ることも大事でしょ?」ってなるのかと思ったら、「ほらみろ、血筋だけの王子様の僕の直感が大当たりじゃん!」みたいな展開にはずっこけて椅子から落ちるかと思った。これだけで☆半分減点。

映像表現で言えば、いつかどこかで観たことがあるようなものばかりで、目新しいものはほぼなし。この作品はもともと児童文学作品。文字で読んで楽しむものを映像化しているのだから、想像の世界をびっくりするような技術で視覚化してくれたら良いのにな、と思うのだけれど、まぁ、仕方ないか。

原作を読まずに観ても、そこそこにストーリーがつながっていたのが良かった。逆に、原作を読んでいると「あれがない」「これがない」と不満に思うのかも知れない。

次作への伏線もはってあり、さぁ、次はどうなるんだ。あのときのおじいさんの発言は一体どういう意味だったんだ、と、「今」は思っているのだけれど、多分次の映画が公開される頃には忘れちゃっていると思う。とっととやってよ、と思わないでもない。

シリーズの中では一番印象が良かった。この調子でラストまで駆け抜けてほしい。  
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2009年07月25日

HACHI 約束の犬

livedoorの試写会に当たったので観て来ました。

子役と動物には勝てない、というのが日本の映画界の常識なんだろうけれど、米国でも一緒なのかなぁ。なんともくだらない、つまらない映画でした。最初に評価を書いておけば、☆はひとつ。

何しろ、まず何も予習していなくても、ストーリーがわかってしまうというのが問題。おかげで、眠くなる。隣の同行者は「一番肝心なところで寝てしまった」と言っていたけれど、僕はなんとか持ちこたえた。でも、退屈だったことは間違いない。

犬は確かに可愛いけれど、それだけ。犬の演技は確かに上手だったけれど、それだけ。可愛い犬をこんな風に調教して演技させました、ほら、可愛いでしょう?というところ。

それで、ちょっと違う角度から考えてみるわけです。たとえば、この映画がアニメだったらどうなのかな、と。

主人に忠実な犬が、何年も主人の帰りを待って、それで死にました。

文字で書けばこれだけの話です。それをアニメで作っても、多分45分ぐらいのショートストーリーが精一杯。そして、それを見て、満足できるのか。

動物が大好きな人には良いと思います。

でもまぁ、それだけ。

完全に想定の範囲内の映画であって、驚きもなければ、映画である必然性もない。なんでこんなもの作っちゃったのかなぁ、と言うのが正直なところ。ただまぁ、犬は実際可愛かったので、おまけで☆をひとつ。これがアニメだったら☆ゼロのただの愚作です。フランダースの犬の方がずっと感動的。  
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2009年07月19日

ハゲタカ

c3879284.jpgツタヤがアシストしているので、ビデオでドラマシリーズを全作チェックしてから鑑賞。以下、ややネタバレ気味の感想。

結論から書いてしまえば、ドラマのほうが面白かった。

逆に言うと、こういうストーリーだったら映画だとこれが限界ということかな、と思ったのだけれど、よーく考えてみるとそうでもないと思う。なぜなら、テレビ版出演者に便宜を図ったストーリー展開があちこちに見えたから。その部分をばっさりカットできるなら、もっと全然違う、深みのある映画にできたと思う。それができないところが、今のテレビ局主導の日本の映画界の厳しいところなんじゃないだろうか。大分前に観たクロサギとかも「なんで堀北真希が必要なの?」と何度も思ったけれど、テレビのCMでアピールするために堀北が必要だったということで、要は客寄せパンダ。この映画にも、そういう必然性のないキャラがあちこちに登場する。確かに、栗山千明がいなくなってしまったら、この映画の登場人物は男ばかり。でも、栗山千明が出てくる必然性はほとんどない。「画面が男ばかりになってしまう」という部分以外では。松田龍平にしても同じ。ドラマ版では重要な役割を果たしたけれど、日本対中国の経済戦争に、旅館の主の出番は全くない。それを無理やりつくりあげてしまわなくてはならないところがなんとも残念。そして、こういった余計なストーリーのおかげで、肝心の部分が中途半端になってしまっている。

また、経済問題を扱った映画ならでは、ということなのかもしれないが、時事ねたを盛り込んだことによって一層発散したストーリーになってしまったのも残念。映画を作っている最中に派遣村とか、サブプライムとか、一般の注目を集めるような問題が起きてしまったのは不幸と言えば不幸だけれど、それを全く消化しきれていない。とりあえず詰め込みました、みたいな感じで、散漫な印象を受けてしまう。こういう扱いしかできないなら、無理にストーリーに盛り込んでいく必要はなかったのではないか。

何しろ、最大の問題点は、日本対中国の経済戦争という非常に大きなテーマにもかかわらず、そこで繰り広げられるのが自動車会社のTOBだけ、というところ。オイルマネーの使い方で多少の工夫は見られたものの、やっていることは基本的に資金をどう調達するか、というところだけになってしまっていて、そんな簡単なものじゃないでしょう、という感じ。そもそも、中国側には自動車会社を手に入れる必要性があったのだが、鷲津が自動車会社を守ろうと思った、そのモチベーションはなんだったのか。「ホワイトナイトになってくれ」「・・・・わかりました」「さすが判断がはやい」みたいな展開は無理やり過ぎる印象を受ける。鷲津のこれまでの行動パターンからすれば、ホワイトナイトになるならなるで、それなりのきちんとした動機と、その後の会社の処理方法があってしかるべきなのだけれど、それが全く提示されない。ラストで芝野と手を組んで再建にあたる、というのならまだ話はわかるが、中国に旅行に行ってしまうのでは「はぁ」という感じだ。

敵である中国のファンドマネージャー、劉もやや微妙な設定。「お前は誰なんだ」と言われただけで泣きべそをかいてしまうような人物が5兆円の買収の尖兵になれるとも思えない。お金は背後に潤沢にあるのだし、単なる泣き虫の使いっ走りになってしまっている。唯一工夫して頑張ったのは派遣工を煽った部分だけれど、それにしても手法も稚拙だし、効果もいまいち。「金を大切にしろ」というメッセージだけは残したものの、だから何?という感じもする。挙句、「金のある悲劇」だったのか、通り魔的に殺されてしまっては情けないを通り越して気の毒ですらある。この脚本を書いたのは一体誰だ?って、林宏司さんですね。テレビ版と一緒じゃないですか。それでこれかぁ。うーーーーん。

正直なところ、「ハゲタカ」という映画ではなく、「ハゲタカII」というドラマシリーズを作った方が良かったと思う。映画館の馬鹿でかいスクリーンにはなかなかフィットしない題材だし、2時間という制約も小さくない。4話完結4時間ぐらいのドラマに仕上げれば、印象は全然違ったものになったと思う。

冒頭で鷲津が「日本は腐りきっている」とばっさり切り捨てたところまでは格好良かったのだけれど、威勢が良かったのはそこまで。資本主義の原理原則やそこに生きることの厳しさ、そして、そうした中においても忘れてはいけないこと、こういうものが散りばめられていたドラマ版に比較して、ほとんど何も描かれていない印象を受けた。挙句、「アメリカを買い叩く」って、その前に腐りきっている日本をまず何とかしなくちゃでしょ、あんた、映画の最初に言ったじゃん、それから日本は全然変わってないんですよ、と言いたい。

一番面白かったのは、ラストでお決まりの「映画に登場したものは実在のものとなんら関係ありません」みたいな奴。「中国」って思いっきり出しておいてそれはないだろう、みたいな(笑)。

ちなみに細かい人間関係など、映画では一切説明されないので、映画を観るにあたってはテレビ版を予習しておくことが必須です。

評価は☆1つ。  
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2009年07月13日

愛を読むひと

03217c31.jpg変な邦題。

さて、予習なしで観に行ったわけですが、ナチスものだったんですね。別にだからどうだって、どうでもないんですが。

ドイツの話なのにみーんな英語で会話しているのが凄く変だけれど、それって別に突っ込むところじゃないのかな?パトカーとか、普通にポリツェイって書いてあったような気もするけど、ま、いいや。内容、内容。

純愛ものっていうのかなぁ。純愛じゃないか?うーーーん、分類も良くわからない。でも、なんかここ数年のうちに似たようなテイストの映画を観た気もするし、でも思い出せない。子供のころの初恋をずーーーーーっと心のどこかに抱えている男と、純粋で正直に生きてきたおかげで歴史の波に飲み込まれてしまった女のお話、ぐらいにまとめれば良いのかな?で、その波長がどうにも一致しないために、観客はもどかしい、みたいな。

主人公二人の食い違いと同様、映画のクライマックスと映画としてのクライマックスがちょっと食い違っていて、おかげでものすごく静かに終わってしまう。本で読んだほうが面白そうな作品。それは、出演者がどうとか、脚本がどうとかじゃなくて、実物を目の前に提示されるんじゃなくて、自分のイメージで作り上げていったほうが楽しめる、みたいな。やっぱ、そこにケイト・ウィンスレットの裸が存在しているというのが生々しすぎるのかな?

評価は☆1つ半。  
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2009年07月02日

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破

0325a46a.jpgネットでは物凄く好評なエヴァ、頑張ってみてきました。いつもガラガラの映画館が凄い人数。隣の奴が汗臭いのが困ったものだけれど、この映画館で隣に人がいるなんて凄く久しぶり。エピソード3を見たとき以来かもしれない。

さて、映画。前作、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」の評価はこんな感じだったわけですが、今作はどうだったかというと。結論から言うと、評価は☆2つ。ただし、相変わらず次作への期待は高い。

「序」は、設定とかはほぼ以前のままで、あまり新しい解釈とかは見当たらなかった。ストーリーも大きな変更はなかったと思う。それで、その延長線上で作っていくのかな、と思っていたのだけれど、「破」は、全然違っていた。もう、登場人物とか、場所とか、そういった設定を活かしつつ、全く新しいエヴァを再構築したという感じ。考えてみれば最近洋画ではスター・トレックとか、バットマンとか、一通りシリーズが完結したところで「これが新しい解釈」みたいにリスタートするのがちらほら目に付くけれど、これと基本的に同じ。いや、改変具合はエヴァの方がずっと先鋭的。だって、綾波とか、別人みたいな感じだし。アスカもちょっとキャラ変わっていたし。知らないキャラも出てきたし。というか、この人物描写の部分は、以前のエヴァが「人間の負の部分をデフォルメしてわかりやすくした」モノだったのに対して、今回のエヴァは「基本的に普通の奴だけれど、ちょっと変わってる」ぐらいに料理されているのが大きな違い。そのあたり、以前を知っているとより楽しめると思う。

でも、何より、冒頭が良かったね。これまたそれほど新しい手法でもないのだけれど、日本でアニメとか怪獣モノを見ていると、どうして日本ばかり怪獣がやってくるんだ、みたいな気になってくるのだけれど、そのあたりを払拭してくれていた。

使徒もいろいろ工夫されていて悪くない。

本作は、「序」で用意されていたものを、一度全部ぐしゃぐしゃにして、がらがらぽん、しようとしているような感じ。まさしく「破」な映画なのである。4部作ってわかっているから、本作はここで終わってしまっても別に特に問題はない。ただ、一本の映画としてみると、「えーーーー、これで終りかよ」みたいな。バックトゥザフューチャー2みたいな。いや、面白かったんだけれどね。やっぱ、次と、その次があって初めて活きてくる本作。だから、次への期待を込めて、この評価。

そうそう、前作では素晴らしかったエンドロールと歌。本作はそこも見所だったわけですが、この部分は完全に前作の方が上だと思う。もうちょっと頑張って欲しかった。

ところで、児童ポルノ禁止法改正案が今の国会で成立しちゃったら、この映画、ちょっとやばくない?大丈夫ですか?  
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2009年06月29日

スラムドッグ$ミリオネア

アカデミー賞の作品賞受賞作、ようやく観てきました。

クイズ番組で全問正解してお金持ちになった青年が、なぜ全問正解できたのか、それまでの暮らしに関連付けて見せていく、というストーリー。と書くとわかりにくいと思うけれど、「第一問!なんちゃらかんちゃら、さぁ、4択です。どれ?」みたいなときに、実はこんなことが昔あったんです。だから正解できました!みたいな感じのことをただただ積み重ねていくだけ。全問正解した青年はものすごい知識人というわけでは全然なくて、たまたま出題された問題に関係するような出来事が過去にあって、そのおかげで正解できました、という、「こいつ、ただ運が良いだけじゃん!」みたいな映画。しかも、第一問、第二問、と進んでいくと、その順番に青年の幼少期から青年期まで順々にエピソードがあるというものすごい偶然っぷり。順番ぐらい少しは変えた方が良いのに、と思わないでもないけれど、そのあたりはインド映画っぽさを出したいのか、多少のご都合主義には目をつぶって、とにかくハッピーエンド、みたいな感じなのかも知れない。

最後、エンディングがインドっぽい。インドっぽいって言うのは、踊るマハラジャみたいな。

ま、そこそこ面白いとは思うけれど、社会派の映画としては去年の「ボーダータウン」とかの方が面白かったなぁ。評価は☆1つ半。  
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2009年06月25日

レスラー

6bb18657.jpgプロレス版「あしたのジョー」である。

主人公はほぼ天涯孤独で、リングの中にだけ居場所を確保できる男、ランディ。このあたりがあしたのジョーそのまま。ただ、本作の主人公は相当に年配。ここは違う。舞台は主人公が最も輝いていた時代から20年後。日本でも、「この人、まだレスリングをやっているんだ」と驚くことがあるけれど、米国でも同じようだ。そうしたショープロレスを舞台にした、男の生き様を見せてくれる。

最初のうちは、プロレスの舞台裏を描いていく。見せる側と、観る側で、暗黙の了解、あうんの呼吸があるのがプロレスの世界。その内幕をあるときは面白おかしく、あるときは切なさを交え、生々しく見せていく。プロレスファンなら当たり前のことをきちんと描いているから、ファンなら最初から、ファンじゃなくても、その自虐的なおかしさに思わず苦笑してしまうだろう。その、苦い笑いがなんとも言えず良い感じ。このパートのテンポが良いのも大きい。

そして、主人公の引退。ハードな試合で徐々に蝕まれてきたからだがとうとう悲鳴を上げてしまう。リングから降りて始まる慣れない生活。それでも、徐々にうまくまわり始めるそれぞれの歯車。このエピソードも変に冗長でなく、適度な密度で見せてくれる。娘とのエピソード、そして恋愛。ところが、折角うまくまわり始めた歯車が徐々にきしみ、壊れていく。

どうせこうなるんだろうな、と思っていたラストのエピソード。結局リングでしか生きられず、リングに死に場所を求めるしかない不器用な男。駆けつける白木葉子、じゃないや、ヒロイン。「リングには世界一の男、ホセ・メンドーサがおれを待っているんだ。だから…いかなくっちゃ」と言ったのか、言わなかったのか、そのあたりは観てのお楽しみ。

プロレスと言えば、いつも話題になるのが「どこまでがシナリオで、どこからがシナリオじゃないの?」ということ。つい先日もプロレスファンの友達とこの話をした。ハッスルはどう、新日はどう、ノアはどう、全日はどう、とそれぞれに特色を教えてもらった。しかし、この映画を観ると、シナリオがあってもなくても、あんまり関係ないんじゃないかと思えてくる。プロレスのリングに必要なのは、観客を喜ばせること。そして、そのために自分の体を鍛え、傷つけていく。この映画は、そうした男たちの生々しい現実と悲哀、友情を上手に描いている。

以下、超ネタバレは追記に。評価は☆3つ。  続きを読む
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2009年06月08日

ターミネーター4

cbf8749c.jpg期待度が高すぎたということもあるのかもしれない。あるいは、ターミネーターシリーズにはスター・ウォーズシリーズと同じように、シリーズと一緒に育った人間には格別の思い入れがある。そういう人間からの視点だからかも知れない。おそらくはその両方だと思うのだけれど、この作品の評価は低い。この映画は、ストーリーの面でも、映像の面でも、期待に応えてくれなかった。

ディテールの甘さは、バック・トゥ・ザ・フューチャーのようなユーモアたっぷりの映画なら、許容できる部分もある。しかし、このシリーズはそういう映画ではない。まず話の肝であるところの、タイムパラドックスの部分が非常に気になる。この手の映画は、それを解消しようと思えばするほど話はおかしな方向へと進んでしまう。ターミネーターシリーズもその例外ではなく、一番まともだったのが第1作(というか、第1作は画期的な傑作だったと思うのだが)で、続編を重ねるごとにだんだん整合性が取れなくなってきている。未来のリーダーであるジョン・コナーを抹消したいのであれば、過去のジョン・コナーを殺害するのでも、その親を殺害するのでも、何でも良いのだが、とにかくターミネーターを大量に過去に送り込んでしまえば一件落着なのに、そうしないところでもうすでにこの映画は破綻している。もっと言ってしまえば、タイムマシンを使うなんていう面倒くさい上にリスクが大きなこと(場合によってはスカイネットそのものの存在すら消えてしまう可能性があるわけで)などせず、現代で核戦争を起こし、生物が住めない状態まで徹底的に環境を破壊してしまえば良いではないか。と、色々言い始めてしまうときりがないのでこの辺にしておくが、何しろストーリー上の突っ込みどころは回を追うごとに増える一方である。

ストーリーに対しては質的向上は見込めないのだから、次に期待されるのは映像面でのsomething newだと思うのだけれど、今回の映画ではそれも見当たらなかった。SF映画で一度は観たことのあるようなシーンが次から次へと出てくる。レジスタンスの基地の様子はスター・ウォーズの帝国の逆襲みたいだし、蛇のようなにょろにょろロボットはマトリックスみたいだ。そして、新しいものが見当たらない。たとえば液体金属で作られたターミネーターなどは非常に興味深いものだったのだが、今作にはそういったものがないのが残念である。考えてみればバイク型ターミネーターなどがそれに該当するのかもしれないし、舞台がまだT-800完成前後という時代設定ということもあり、限界があるのかも知れないのだが、「おお!」と思うところが全然ない。

また、今回の設定上の肝はターミネーター自身が自分のことを認識していないというところにあるわけだが、それはいわば仮面ライダーが自分が改造人間であることを認識していないということ。そのことによって数々の不都合があるはずで、それは体が重くなったことによる物理学的(主として重力、及び慣性力に関するもの)な不都合とかになるわけだが、それらの描かれ方が非常に中途半端である。精神面でも肉体面でも、新しく生まれ変わったことによる不都合があるはずだし、その状態に感覚をフィットさせていく作業が必要なはずなのに、それらは完全に欠落している。これでは、映画のリアリティが全く失われてしまう。結果として、観ていてしらけてしまうのである。

先日のスタートレックは「新しい解釈で再構築」という感じだったので、「ま、こういうのもありかな」と思わないでもなかったのだけれど、ターミネーターについては世界観はそのままで、別の時代を描くというもの。あえてこの時代を選んで映像化していくのだから、それなりの何かが欲しかった。スター・ウォーズでは過去に遡っても新しい何かがあったんだけれど。これなら、わざわざ映画にしなくても、と思ってしまう。

字幕もちょっと気になった。意訳するのは構わないし、米国に土地鑑のない日本人向けにわかりやすくするのも別に構わないとは思うのだが、固有名詞までをなくしてしまったりするのはどうなんだろう。「よし、北海道に行こう」と言っているのを、「よし、北に向かおう」としてしまうのは、それはそれでやりすぎなような気がする。

新3部作の第1作という触れ込みなので、当然続編があるはずだが、今のトーンではおそらくストーリー重視のものになってくるはず。上にも書いたようにこの手のタイムトラベルものは語れば語るほどおかしなことになってくるから、正直、続きもあまり期待できないと思う。

評価は☆半分。  
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2009年06月05日

重力ピエロ

pieroあぁ、駄目だ、これ。僕が最も苦手とするストーリー。中途半端なデスノート。最後の最後まで、「実はDNAをチェックしたのは・・・・」という展開を期待したのだけれど。もう、ストーリーが受け付けないので、評価もがた落ち。だって、放火とか、まずいでしょ、それは。いや、宮部みゆきの本とかでもこういうのってあるけれど、そのままでエンディングにはならないから。ダークならダークで押して欲しいし、そうじゃないならそうじゃないというエンディングを用意して欲しかった。こういうのは無理。

いや、役者さんたちはどれもみんな良かったんです。特にパパと弟とそれから母もって、ほとんど全部じゃん(笑) 役者さんたちが良かっただけに、残念。ちなみに原作は読まずに観ました。

あと、表現もどうなんだろう。たとえば机の上に置いてある母と父の写真。ロングショットで何気なく映しただけで「あぁ、そういうことなのね」と察しがつくのに、わざわざ説明のカットをわざわざ挿入する。嘘をついたときの癖も、「あぁ、そういうことが言いたいのね」と理解した次の瞬間、台詞で説明する。もう、興ざめなんですよね、この、注意力散漫な人に向けたような説明的な映像が。そういうのを何もいわず、さりげなく表現できないものだろうか。

ちなみに生化学専門の僕が見ると、ピペットマンの使い方とか、「もうちょっと練習しろ」と思わないではない。それにしても、今はあんなに簡単にDNAによる親子鑑定ってできるんだ。あっというまにDNA抽出して、PCR。で、PCRにかけたと思ったら、もういきなりチャートになっている。すげぇスピードだ。科学の進歩は恐ろしい。それに、父親と息子で相同性99.7%?そんなに高いものなの?なんか、普通に考えると50%ぐらいなんじゃないかと思っちゃうんだけれど、そんなことはないのかなぁ。親子鑑定の確度が99.7%じゃなくて、相同性だったよねぇ。ま、別に良いんですが。

何しろ、ストーリーが個人的に趣味じゃない。ということで、☆半分。  
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2009年06月03日

96時間

fb719386.jpg引退してカリフォルニアで隠退生活をしていた元CIA工作員がフランスで娘を誘拐され、救出のために単身フランスに乗り込んで、過去に身につけた知識と体力、そして人脈を駆使してアルバニア系人身売買マフィアを相手にドンパチドカンドカン繰り広げるという、007とランボーとミッションインポッシブルとボーン・アルティメイタムとダイ・ハードと、まぁその他色々をプラスして映画の数で割ったような作品。

何か新しいものがあるのかというと、うーーーーん、特にない。でもまぁ、組み合わせの妙というか、それによって新しい感じがあった。引退してすっかり良い感じのうるさいオヤジになってしまった主人公が、突然凄いパフォーマンスを発揮するところがなかなか爽快。引退しているおかげで秘密兵器とか全然ないんだけれど、手持ちの道具を色々と工夫してやりくりしていくところが伊藤家の人々っぽかったりして親近感がわく。で、殺しのライセンスは持ってないはずなのに、凄い勢いで殺しまくる。関係ない人を撃っちゃったりもして、それはちょっとどうなのよ、と思うのだけれど、きっとフランスはそういう国なんだろう。何しろ、カリフォルニアの人間が「あそこは危険だ」というくらいだから、凄く危険なんだと思う。フランスの人が観たらなんていうのかちょっと興味あるけれど。

一番良かったのは無駄に長くないこと。100分足らず。導入部分も適度な長さで、主人公の置かれた境遇とか、主人公の能力とかを的確に表現している。そして事件が起こってからもすばやい。ちょっと早くキーパーソンに行き着きすぎ?と思わないでもないのだけれど、そこからいろいろあるから十分。

撃っても撃っても主人公には弾が当たらないというのはこの間の「天使と悪魔」とか「ザ・バンク」あたりですっかりお馴染みだけれど、まぁ、そこは米国映画(いや、THE CODE/暗号→邦画でも当たらなかったけれど。大体、当たったら映画はそこからホラー映画になっちゃうけど)。無理やりっぽいカーチェイスとかもあったとは思うけれど、まぁ、そこは米国映画。でも、走っているのはドイツ車だったけれど。スピーディーなコマ割りは「慰めの報酬」とかですっかりお馴染みになったけれど、こういう「目まぐるしくて全然ついていけないんですが(涙)」というのはちょっと年齢が上になってしまって動きが悪くなった俳優さんを使うときにはなかなか効果的。「なんだかわかんないけど、とにかく主人公以外の車が事故ったんだよね!」みたいな。いや、リーアム・ニーソンはクワイ=ガン・ジンだから、一応ジェダイのマスターなんですけどね、エピソード1では。そういえばこの間の「ザ・スピリット」にもジェダイの重鎮が出てドンパチやらかしてましたっけ。ま、別に良いんですが。

ただ、一番残念なのは、出てくる女優さん、出てくる女優さん、みんなイマイチ可愛くない。というか僕の好みじゃない。そこだけが残念。これだけで☆がちょっと減っちゃった。あとはもう、あっという間の100分間だった。

原題は「TAKEN」のようだけれど、どうしてわざわざ96時間なんて変な邦題にしたのか不明。この間の「天使と悪魔」みたいに頻繁に時間が出てくるならともかく、ちょこっと出てくるだけ。確かにちょっとしたキーワードではあるものの、題名にするようなものではない。このあたり、20世紀フォックス映画のセンスのなさを感じる。どうしてTAKENじゃ駄目なんだろう。っていうかさ、もう、邦題っていらなくない?みんな義務教育で英語ぐらい習ってるじゃん。

映画が終わって、あぁ、今日の字幕は良かったな、と思ったら、松浦さんだった。

完成披露試写会ということで新橋のスペースFS汐留ホールというところで観たんだけれど、音響、良かった。またここで観たい。でも、今日の映画の場合は「ボキっ」「ゴキっ」みたいな音が生々しくて、ちょっと「うっ」て感じだったけれど(汗)。評価は☆2つ半。もちろん、半分は女優さんのせいで減ったもの。しかも、単に見た目(笑)。  
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2009年06月02日

おと・な・り

映画の日ということもあり、ふらっと予備知識なしに観てみた。

音だけを通す壁によって分離された二つのストーリーがどうやって融合していくのか、というのが見所の映画で、そこだけ取り出すと別に新しいところは何もない。では、何が新しいのかって、その壁の「音の通し具合」である。もう、スカスカ。そこまで生活音が通ってしまうのは、たとえ障子だってありえなくない?という状態。でもまぁ、そこは設定の重要なところだから、目をつぶりましょう。そういう壁なんだから仕方がない。

さて、感想なんだけれど、正直なところ、なんとも微妙な映画。ところどころに凄く良いシーンがあるのに、全然駄目な部分もある。おそらくは一番駄目なのは原作。ストーリーの中で非常に浮いた部分があって、折角の盛り上がりを台無しにする。何しろ、序盤から淡々とした物語が進んでいて、最初のうちは正直眠くなる。それで、「転」の部分でようやく目が覚めて面白くなってくるのだけれど、終盤の入り口でがっかりさせられてしまうのが痛い。

そこを何とか乗り切ると、邦画お決まりの偶然の連続が現れて、エンドロール。このラスト数分の感覚はつい先日観てきた「ディア・ドクター」に良く似ている。良く似ているのだけれど、それでいて全く別物。なぜ別物になってしまったかって、やっぱりそこに至るまでの展開なんだと思う。紆余曲折あって徐々に盛り上がっていって、という感じでは全くなく、ところどころにぼこ、ぼこ、と大きな穴ぼこがあいていて、そこにときどきドスンと落ちてしまう。緊張感が途切れてしまい、テンションが高まってこない。ドラゴンクエストのサマルトリアの王子様よろしく、行く先々ですれ違うのは良いのだけれど、そのすれ違いがあまりにも短い時間に押し込まれすぎ。それから、物語の重要なキャラクターの扱いも微妙。徹底的に隠すのかと思ったら、突然露出を始めるあたりに首尾一貫したところが感じられない。途中で役者さんのスケジュールが確保できたってことだろうか。

ただ、この映画を掘り出し物と思わせる部分もあった。それは谷村美月というキャラクター。彼女のことは、映画ファンなら何度も観たことがあるはず。あの、非常に評判の悪かった海賊版撲滅キャンペーンの、黒い涙を流す女の子。当時、プロフィールを見ると「バスト72センチ」とか書いてあって、それはいくらなんでも細すぎ、と思ったのだけれど、今見ると76センチになっていて少し安心する。って、それは全くの余談だけれども、彼女のはじけた演技はなかなか良かったと思う。緩急の「緩」ばかりが目立つ中で徹底的に「急」を演じさせたところは、演出もなかなかに見事だったと思う。

タイトルからもわかるとおり、音には非常にこだわってます、という作品。思わず目をつぶって音だけを楽しみたくもなるのだが、ちょっと油断するとそのまま寝てしまいそうで怖い。

評価は☆1つ半。  
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2009年05月28日

ディア・ドクター

まずは、ネタばれなしレビュー。ネタばれ部分は追記に書きます。

昨日観た「ザ・スピリット」は映像を加工して彩度を落とした映画だったけれど、今日の映画は日本の田舎を舞台にすることによって彩度と明度を落としていた。水墨画の世界ともまた違う、日本独特の風景を映し出していて、ちょっと懐かしい感じ。

そんな田舎を舞台にした医療ドラマなのだけれど、あるターニングポイントの前と後を物語はいったりきたりする。

その「ターニングポイント」こそがネタばれなのだけれど、それ自体は僕の場合、最初の15分ぐらいで気が付いて、30分ぐらいでそれが確信に変わり、あとはその風呂敷をどう畳むのか、ということが焦点になってきた。ま、そのあたりはネタばれレビュー部分を読んでもらうとして、その、あるポイントの前と後を行ったり来たりするのが非常に演劇的で、あまり映画を観慣れていない人だとちょっと戸惑うのかも知れない。まぁ、そのあたりの組み立ては決して難しくないので、慣れてしまえばどうってこともないと思うのだけれど。さて、そういう構造の中で、「前」も「後」も短めのエピソードを断片的に盛り込んでいくことによって、物語は構築されていく。特に「前」については、最初は散漫なエピソードなのだが、それが徐々に一つに収束し、やがてこの映画のテーマが明確になるというつくり。一方で、「後」の方は収束したものを徐々に発散させていくことによってエピローグへとつなげていく。このあたりの計算された構造がなかなかに見事で、「あぁ、脚本の段階で物凄く練りこんでいるんだな」という印象を受ける。

とにかく映画のかなり初期のところでネタに気が付いてしまったため、そこからは興味は「どうやって広げた風呂敷を畳むのかな」という一点に意識が集中してしまった。なので、そこが駄目なら映画の評価も駄目になるし、そこがうまければ映画の評価は一気に高くなる。では、その畳み方はどうだったのか、ということなのだが、正直、見事だったと思う。メインのプロットは別に全然珍しいものではないのだけれど、その描き方と、ラストが良かった。

去年公開された邦画の中で高く評価したのは「百万円と苦虫女」だった。あの映画と本作の共通点は「日本の都会ではなく、田舎を描いたもの」というのはもちろんなのだが、実はもっと大きな共通点として、「比較的若い女性監督による作品」ということがある。「百万円〜」はタナダユキ氏によるものだったが、あれも脚本、監督を自ら手がけていた。本作も西川美和氏が原作、脚本、監督を手がけている。日本の女性監督というのはなかなかやるね。

ネタばれレビューを読みたい方は追記をどうぞ(ただし、ここまでのレビューで観た方が映画は楽しめると思います。事前の情報はほとんどなしで、フラットで観て欲しいです)。今年前半の邦画の中では文句なくナンバー1(洋画を入れちゃうと、やっぱり、グラントリノがねぇ(笑))で、☆3つ。  続きを読む
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2009年05月27日

ザ・スピリット

1caa0b44.jpgジェダイの頭領がこんな役を、というのが一番最初に思ったこと(笑)悪役としては悪くないけれど、どうも凄みに欠ける印象。まぁ、もともとがちょっとコミカルな、間抜けなボスキャラなので、こんなものと言えばこんなものなのかも知れないのだけれど。映画の全体的な雰囲気がバットマン的なんだけれど、そういう部分でジョーカーに比較してもう一歩かなぁ、と思わないでもない。この手の映画は結局のところどれだけ悪役が魅力的か、というところにかかってくるわけで、そこが一つ目のマイナスポイント。

映像は彩度を極端に落として、明度も若干落として、さらに白を強調したものがベース。こうした手法によって、漫画っぽさを出しているのかもしれない。それで、場面ごとに時々単色を強調する。ほとんどの場面で強調されるのは赤。この手の、ほぼモノクロの中で赤だけを見せるとか、特定のキャラクターだけをカラーで見せる、みたいなやり方はシンドラーのリストとか、いくつか前例があるわけだけれど、この映画でもそれを多用していた。それはそれで悪くないし、それなりの効果も出していたと思う。が、これは映画の製作サイドの責任ではなく、日本の字幕をつけた会社のせいなんだけれど、字幕がねぇ。林完治さんの字幕がどうのこうのではなく、そのみやすさが非常に低レベル。画面が白を強調しているのである意味仕方がないのだけれど、もう「読めない」というケースまである。まぁ、字幕に頼らずに見ちゃえば良いということはあるのだけれど、冒頭、全体の発音の傾向とか、日常では使わない単語とか、そのあたりがある程度出揃ってからならともかく、最初のほうで見えなかったりすると少しストレスが溜まる。これが二つ目のマイナスポイント。

三つ目のマイナスポイントは、台詞が多いということ。漫画の原作をベースにしているため、台詞が多く、説明的な映画になってしまうところは避けられないかも知れない。しかし、それにしても延々と字幕が続いてしまい、ついつい眠くなってしまう。もうちょっと、台詞に頼らない場面展開にしてくれたらなぁ、と思った。何しろリズムが悪くて、リズムが悪くて。ちょっと前に観たアイアンマンとか、そのあたり素晴らしかったからなぁ。

と、最初からマイナスポイントを並べてしまったけれど、もちろん良かったところもある。まず第一に、女優陣。別に大作という感じでもない本作だけれど、出てくる女優、出てくる女優、どれもこれも良いオンナ。日本でこれだけの女優を揃えて映画を作ろうと思ったら、藤原紀香と、藤原紀香と、藤原紀香と、って、あれ?全然いないじゃん(笑)。いや、もちろんルックスだけ言えばハイレベルな女優さんはいくらでもいるけれど、この映画で画面狭しと活躍していた女優さんに敵う人というとなかなか思い浮かばない。このあたり、米国の映画界というのは懐が深いなぁ、と思う次第。

それから次のプラスポイントだけれど・・・・・・・・あれ?なんだろう?うーーーーん、あんまりないかな?でもまぁ、女優さんたちを観にいくと思えば、ね。ということで、評価は☆1つ。  
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2009年05月19日

天使と悪魔

06c1e00c.jpg前評判は特に耳にしなかったのだけれど、何しろ「ダ・ヴィンチコード」がいまひとつだったので、「どうせ大したことなんだろうなぁ」と、期待ゼロで鑑賞。おかげで結構楽しめた(笑)

「ダ・ヴィンチコード」は一言で言うと「インディ・ジョーンズや007からアクションとユーモアを除いたような映画」だったわけだけれど、本作も相変わらずそんな感じ。まず、ユーモアが全然ない。あったのかも知れないけれど、気が付かなかった。それから能書きが多くて、前半は眠気との闘いだった。しかし、途中からは眠気はあまり気にならなくなった。それは多分大音響のせい。だから、この映画は大画面で、かつ大音響の劇場で鑑賞するのがお勧め。

ストーリーには取り立ててひねりがないのだけれど、何しろ劇中の4時間ぐらいで勝負がつく非常にスピーディーな展開が好感。途中から「○月×日、○○時××分」とか表示されるようになるのだけれど、それが目安。それまではちょっと退屈。

一応取ってつけたようなどんでん返しも用意されているのだけれど、もう、観ているそばからばればれ。だって、あまりにも不自然なんだもの。もう、伏線って感じじゃない。水戸黄門の悪役みたいなもの?

本作、英語だけじゃなくて、部分的にドイツ語とかの場面があるので、英語の字幕の上に日本語の字幕がかぶる。それを観ていたら、「全然違うじゃねぇか(苦笑)」みたいな感じで、これ、ヒアリング能力がない人でも字幕の駄目さ加減がわかっちゃう危険な映画だなー、と思っていたら、例によって戸田奈津子さんの字幕だった(笑)。マジで、字幕で選べるようにしてくれないかなぁ。「こちらは戸田版」「こちらなら松浦版」みたいな。本作みたいな能書きがたくさん出てくる映画はどうしても字幕を作る人の能力がダイレクトに反映されちゃう。吹き替えで観たほうが断然面白い・・・・かも知れない。

日本でもすっかりお馴染みの「コンクラーベ」だけど、英語の発音だと「コンクレーブ」なのね。でも、現地の発音だとやっぱり「コンクラーベ」なのかな。まぁ別にどうでも良いんだけれど、このコンクラーベがどういう風にやられるのか、完全にフィクションなのかも知れないけれど「へぇー」っていう感じだった。このあたりが最大の見所かも。

謎解きはもう強引なでっちあげなので、案内役が案内してくれる通りに「そうですか」とついていくだけ。これは最近のRPGのお使いをやっているような感じ。あぁ、次はそこですか、で、その次は?みたいな。で、名探偵金田一さんよろしく、毎度毎度肝心なときに間に合わなかったりもするのだけれど、途中からがんばった。感動はしなかったけれど。

しかし、理系の人間の目で観ると、一番気になるというか、徹頭徹尾気になるのは反物質の扱い。あのさー、反物質って、そんな簡単に保存できるわけ?まぁ、電荷を持っている反粒子なら確かにトラップできるかも知れないけれど、そんな大量に閉じ込めたら反粒子同士の反発であっという間に外に出て行っちゃうんじゃない?ま、そのあたりは軽くスルーしたとしても、今度はあの爆発の規模もどうなんですか?妙にこじんまりとしてませんか(笑)?1グラムの反物質が反応したら、原爆2つ分ぐらいの破壊力がありそうですが、あんなものなのかなー。ま、良いんですが。フィクションだし。

あと、人が死ぬシーンはちょっと生々しい感じ。もうちょっとさらっといけないものですかね?あ、いけませんか、わかりました。

と、ちょこっとケチをつけてはみたものの、映画としてはそこそこ良い出来だったと思う。評価は☆2つ。  
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2009年05月16日

グラン・トリノ

27a0f1bc.jpgクリント・イーストウッドの映画はほとんどが救いがない。救いがない中に何かを見つけてもらうという芸風。最近ではチェンジリング、ミリオンダラー・ベイビー。え、それで終わるの?という感じ。まったくすっきりしない。見終わった瞬間に圧倒的なカタルシスがあるわけではない。ここがこれまで名作と言われてきた映画と一線を画すところでもあり、またクリント・イーストウッドのクリント・イーストウッドらしいところでもある。それをどう捉えるかは各人それぞれ。そして、この映画もその流れの中にある。しかし、この映画のラストの圧倒的なメッセージ性に対して明確な批判ができる人間がいるのだろうか。

映画は最初から計算尽くされている。冒頭の妻の葬式のシーンで家族から浮いてしまっているウォルトを描くとともに、頑固オヤジであることも表現する。加えてすっかり自暴自棄になっていて、昼真っからテラスでビールを飲み続ける生活。そうした孤独な老人と、アジア系移民一家との交流を描くことによって物語は進んでいく。途中、差別的な言葉や表現が実は親愛の情の表現と表裏一体であったことなども示しつつ、神父、町の不良少年とのかかわりを中心にラストへと進んでいく。

被差別住民の表現は差別を見せつつも温かい視線に終始する。床屋のオヤジとの交流は非常にコミカルで物語に緩みを与える。社会の一線から退いたあともなお社会の一員として存在する頑固オヤジは、日本、米国の別なく、物語のテーマとなりうるのだろう。

そして、徐々に物語に影を落としていく不良少年たち。朝鮮での戦争で人を殺した過去に悩み続けてきた主人公は、今では最も身近な存在となった少数民族の隣人のために何ができるのか。

何より、まず周到に計算された脚本が素晴らしい。圧倒的なラストの直前に大量に盛り込まれるコミカルなシーン。そこで観客を完全に弛緩させておいての急展開。そして、「この八方塞をどうやって解決するんだ」と全ての観客の興味を一点に集中させ、そして解き放つ。そのあたりのエピソードの配置具合が絶妙。

ダーティー・ハリーで事件を解決してきたクリント・イーストウッドは、20年を経て何を表現しようとしたのか。見終わってみれば「なるほど」ということになる。

弱者に対する温かい視線はいつもの通り。そして、圧倒的な悲劇性もいつもの通り。問題の解決方法は例によってすっきりしない。本当にそれしかなかったのか?他のやり方はないのか?しかし、そこで、主人公が戦争で抱えた心の傷が生きてくる。ちょっと前にクリント・イーストウッドは戦争の映画を二つの視点で二本撮っているが、今回も実は戦争に関する映画でもある。命令もないのに人を殺してしまった自分の罪をどうやって償うのか。加えて、親戚たちとの希薄な関係、悪くなる一方の体調。そういった複数の視点・伏線がラストへつながっていく。

個人的なことを言うと、一台の車を後生大事にしている主人公、今まで生きてきた証として工具を捨てずに全て揃えている主人公、家電を大事に使い続ける主人公、こんなところに妙に共感してしまった。そして、そういう風に大事にしてきたものを次の世代に託していくあたりが地味に素晴らしい。

ちょっと残念だったのはいつもの戸田奈津子女史の字幕。もっと口汚くののしっているのに、という部分もあるし(いや、まぁ、fish headとか、egg rollとかをそのまま訳しても仕方ないのだけれど)、さっくりとスルーされてしまって字幕にすらならない言葉もある。健康診断書とかについて何も書かないのはいかがなものか(って、でもそれは難しいか・・・・)。松浦美奈さんだったらなぁ、と思わずにはいられない。あと、可愛くて聡明なスーが可哀想だった(;_;)

愛犬を助手席に乗せて走り去るシーン、そしてラストの歌。ここで感動しない奴がいるのか?エンドロールが流れている間に退席する馬鹿が少なからずいたのが驚きだ。エンドロールが流れ出したら席を立つのがしきたりとでも思っているのだろうか。

評価は☆3つ。多分、今年ナンバー1の映画。  
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2009年05月13日

スター・トレック

startrek今までのスター・トレックシリーズはひと段落させて、新しい解釈でリスタート、というもの。バットマンシリーズでもこれをやっているので、もしかしたらこれからの流行なのかも知れない。

さて、そのリニューアルしたスター・トレック、観て来ました。この、ポスターが結構格好良いんだよね。ということで、かなりシリアスなものを期待していたのだけれど、意外と結構コミカルでした。

本作では「スター・トレック ビギンズ」という感じで、エンタープライズ号のクルーたちがどうやってあの船に乗りあうようになったのか、その成り立ちを描いていた。その描き方がかなりコミカルで、特にカーク船長は昔のシリーズを観ていたら「こんなの、カークじゃねぇ!!」とちゃぶ台をひっくり返したくなるかも知れない。何しろ、切れやすいし、女好きだし、決して品行方正ではなく、アナキン・スカイウォーカーみたいな感じ。それがダース・ベイダーのようにならなかったのは幸いだけれど、その経緯みたいなものはこの映画でたっぷり描かれている。

人物はカーク船長とスポックを中心に、他の登場人物たちもそれなりに詳しく描いていて、2時間の映画としては頑張った方だと思う。悪役は悪役っぽいんだけれど、善玉はちょっと善玉っぽくない。妙に人間味があって、そのあたりが監督の狙いなんだろう。

メカという点では、エンタープライズ号は昔のままだけれど、その他の新しい宇宙船とかはマトリックスシリーズの後半に出てきたような有機的なデザインのものが多かった。かなり影響を受けているのかな。宇宙船の戦闘シーンとかは非常に迫力があったんだけれど、残念ながらスター・ウォーズ エピソード3の冒頭のシーンには及ばない感じ。

未来の地球も描かれているのだけれど、この景色はブレードランナーなどで提示された未来図と比較してみるとなかなか面白いと思う。

最後まで観て、「あそこはマトリックスシリーズ」「ここはスターウォーズシリーズ」と、色々既視感があったのも事実。特にスターウォーズシリーズを思い出すのは、エピソード2でのジャンゴ・フェットとの決闘とか、エピソード5の氷の惑星とか、まぁ、ひとつひとつ色々と「あれ?」というところがあった。でもまぁ、このあたりは後発なんだから仕方がない。では、この映画で観ることができた斬新な映像表現は、となるのだが、それはカメラの移動の仕方ということかも知れない。この表現はアニメではそれほど新しくなく、押井守さんとか、凄く凝った表現をすると思うのだが、それを特撮でやって見せてくれた。全般的にSFX、VFXは凄く良かったと思う。

ただまぁ、たとえばロボットが不時着した星になぜかオビ・ワン・ケノービがいる、みたいな定番ご都合主義があったのも確か。これだけ広い世界で、妙に狭い人間関係だな、おい、と思わないでもない。まぁ、このあたりはご愛嬌といったところかも。個人的にはちょっと新キャラクターが以前のバージョンを崩しすぎ、という感じがしないでもないのだけれど、全く新しい映画としてみればなかなかに上質だったと思う。評価は☆2つ。

関連エントリー「スター・トレック ジャパンプレミア」  
Posted by buu2 at 02:00映画2009

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2009年05月11日

THE CODE/暗号

70857cf5.jpg最近の映画評はどれもこれもそこそこに高得点のものばかり。おかげで

「君の映画評は辛口なところが良いのに」

などと言われ始める始末。いや、別に無理やり辛口にしているわけではないのです。つまらないもの、駄目なものをストレートに表現しているだけ。それで、ここ数ヶ月はちょっと時間がなかった。そういうわけで、ほぼ毎週1本のペースで劇場鑑賞していた去年は片っ端から映画を観ては評価していたから、必然的に辛口の評が多くなった。今年は時間がないから、ある程度「これは大丈夫だろう」という映画ばかりをピックアップして観ていた次第。今も決して暇というわけではないのだけれど、今日はたまたま3時間ほど時間が出来たので、飛び込みで観てきた。予備知識はゼロ。それがこの、「THE CODE/暗号」。さぁ、辛口レビューファンの方、お待たせしました(笑)。

いやぁ、これはひどい。何がひどいって、最悪なのは劇中中国人が喋る中国語が下手で、下手で。いや、ネイティブが喋っている中国語は普通なんでしょう。日本人が喋っている中国語が、もう、全然だめ。あれはありえない。そもそも中国語は物凄く母音の多い言語で、「ニィハオ」だって、きちんと発音しなけりゃ通じない。日本人は「ニーハオ」としか聞こえないのかも知れないけれど。で、この映画はカタカナ英語ならぬカタカナ中国語が満載。中国語で歌を歌い始めたときはずっこけちゃってどうしようかと思った。

で、もうこの下手な中国語だけで十分珍品認定なんだけれど、続いてひどいのが探偵のコスチューム。お前ら、探偵の癖にユニフォーム作ってどうするんだ。もう、一目見てばればれじゃんか。「私、探偵です。今、活動中です」ってのぼりを立てて歩き回っているようなもの。

続いて駄目な銃撃戦。もう、全然当たらない。素人の役者が撃てばそりゃぁ当たらないかも知れないけれど、それにしたって当たらな過ぎる。それで、「ひょっとして全部空砲ってオチ?」とか思って油断していると時々血が出たり、当たり所が悪いと一発で死んだりするから油断がならない。っていうか、場合によってはゴルゴ13も真っ青なくらいの精度で遠距離から額のど真ん中をぶち抜くくせに、一体どうなってんだ。

それから、当たっても当たっても死なない奴もいるし、両ひざをぶち抜かれた直後に松葉杖一本で歩いている奴もいるからドラゴンボールも真っ青。カットされちゃっていたけれど仙豆があったんです、とか言い出さないでくださいよ?

もしかして、松方、宍戸の二人のシーンでノスタルジーを感じてください、ってことだったのかも知れないけれど、そんなことは知ったこっちゃない。

期待した貫地谷しほりとか、超端役だし、音楽はひどいし、いきなりインディジョーンズみたいになっちゃうのもどうなのよ、いつの時代なの?みたいな感じ。刺青も子供のころはボケボケなのに大人になったら妙にくっきりしたり、そんなのってあり?

いやー、久しぶりにひどい映画を観ました。でもまぁ、たまにはこういうのも悪くはないですね。駄目な映画があるから、良い映画が引き立つわけで。ただ、時々しか映画を観ない人には全くお勧めできません。これを観るのは時間の無駄ですから。無駄が楽しめる人だけどうぞ。評価は☆ゼロ(当たり前)。今年のまにあなきいちご賞最有力候補に名乗りを上げました。  
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2009年05月02日

おっぱいバレー

8da7d8fc.jpgなかなか期待させるタイトルだけれど、もちろんエロではない。エロじゃないからつまらないかと言えば、そんなこともなくて、まぁ、普通の成長物語。しかも、子供たちじゃなくて綾瀬はるかの成長物語。だから、そういうつもりで観にいけば、結構楽しめるんじゃないかと思う。

でも、普通、綾瀬はるかのおっぱいバレーなら、期待するでしょ。期待しないほうがおかしいでしょ。それで、画面の作りも、もちろん綾瀬はるかが出ている場面は胸から上ばかり。だから、「いつもっとサービスしてくれるの?」と思いながら物語は進んでいく。

スポ根ものと思って観てしまったら全く物足りない。だって、6人目の仲間が入ってくるエピソードとか、全くひねりがない。もともとのレベルがあまりにも低いし、バレーシーンを観ていても、とてもあの相手にセットを取れるような動きではない。そのあたりがどうにもこうにもひっかかる。ただ、この映画はスポ根ものじゃない。だから、そこは大目に見ておこう。

時代を昭和40年代ぐらいに設定したのは、身の回りにあまりエロがなかった時代にしたかったんだと思う。でも、おかげで車とか、服装とか、町並みとか、色々なところにお金をかけなくてはならなくなってしまった感じ。それでいて、「だよねー」「ですよね」とか、昭和40年代には絶対になかったようなしゃべり方が凄く違和感があるし、それより何より、北九州の人たちが全員標準語を喋っているのが凄い開き直り。懐メロを色々使うのは良いんだけど、松山千春のあの曲とキャンディーズのあの曲はちょっと時代が離れているような気もするのだけれど、そんなことはなかったっけ。ま、これは余談。

ところであの、昔のボス。なんで「俺にも見せてくれ」とか言わなかったんだろう?

ということで映画は終了。生徒たちだけじゃなくて、この映画を観る観客も「おっぱい、おっぱい」と思いながら観ていたはず。生徒たちは満足したようだが(ネタばれ自粛)、観客は満足しない、と思う。

ということで、評価は☆1つ半。まぁ、悪くはないけれど、綾瀬はるかも出演作に恵まれない役者の一人だと思う。

ちなみに、
恵まれている人→蒼井優、沢尻エリカ
恵まれてない人→綾瀬はるか、堀北真希、長澤まさみ  
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2009年04月29日

消されたヘッドライン

1a940e56.jpg試写会に当たったので観てきました。

試写会に当ててもらったからと言って甘い評価をしないのはこのあたりを参考にしてもらうとして、

つまりはただで観たからといって評価にバイアスがかかることはない。

さて、前置きはこのくらいにして、この映画。二人の新聞記者がタッグを組んで米国の国家に深く関わる謀略を探る、というストーリー。どこかで聞いたことがあるなぁ、と思うのは「大統領の陰謀」なわけだけれど、そういえば作中にウォーターゲートビルも出てくる。あれ?ウォーターゲートビルは最近他の映画でも出てきたよな、と思い返すと、それは「ザ・バンク」だったかも知れない。って、また横道にそれてしまったけれど、拳銃を持たない記者がいかにしてスクープをものにしていくか、というもので、あれ?日本でも似たような映画があったよな?しかも、大統領の陰謀は男二人だったけれど、日本は男女のペアだったような、あれ?なんだっけって、それは「クライマーズハイ」だった。と、事ほどさようにそれほど新しいプロットではないのは確か。

しかし、である。それでもこの映画はなかなかに面白かったと思う。最後まで高めのテンションを維持しつつ、上司との関係、男女の関係などを程よくミックスし、上手にまとめている感じ。特に恋愛部分の扱い方が重すぎず軽すぎずで、良い具合。

主たるテーマは武器製造・販売の「死の商人」との対決なわけだけど、あれ?これはザ・バンクも似たような話だった?他にも何だっけ?アイアンマン?ワールド・オブ・ライズ?うーーーーん、やっぱり、話自体にはそれほど新味がないんだよな。冷戦がなくなってしまって、テーマはやはりテロとの戦い、戦争と経済の癒着、みたいなところに行きつきがち。いや、繰り返すけれども、この映画がつまらないわけでは決してない。何より、ハリウッドお決まりのカーチェイスがないのが良い。それに・・・・・って、書こうとすると色々ネタばれになってしまうのが辛いところ。

登場人物がやや多かったり、部分的に話が発散する傾向があるので、多少難解なところもある。でも、きちんとそれぞれの謎を解決しつつ話が進んでいくので(もちろんその理由はあるのだけれど)、作り自体は親切。新聞記者の視点から徐々に真相に迫っていき、そして最後に明らかになる事件の全貌は、観てのお楽しみ、という感じですか?

良質のエンターテイメントだったと思う。この手のブロガーイベント的な映画はどうしても警戒して考えてしまうのだけれど(つまり、映画の宣伝の片棒を担がされてしまうんじゃないか、と考えてしまうということ)、そういう心配が杞憂に終わるくらいの出来だったと思う。では、☆3つかといえばさにあらず。マイナスポイントがいくつかある。まず、どうにも「大作」という雰囲気がない。「背後に潜む米国最大の闇」という感じになってこないし、そこへのアプローチが不十分なままに終了してしまう。それから、観客をミスリードすることに主眼があるのは良いのだけれど、「驚愕のラスト」を演出するために、それまでのストーリーとの整合性が取りにくくなってしまった。もう一度ゆっくり観ればはっきりするのだろうが、そのあたり、観た後にどうしてももやもやしてしまう。武器会社、暗殺者、議員の三者の関係とか。「驚愕のラスト」までのテンションがきちんとキープされたし、俳優も良かったし、音楽も良かった。それだけに、ちょっとラストの処理が惜しかったと思う(ただし、もう一度ゆっくり観れば評価が変わる可能性あり)。ということで、評価は☆2つ半。

そしてこれは決して忘れてはならないことなのだけれど、字幕が松浦美奈氏であることもポイント。もう、本当に英語の映画は全部彼女にやって欲しいくらい。  
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2009年04月28日

バーン・アフター・リーディング

54272e4d.jpg三谷映画を外国人が作るとこんな感じになるんだろうなぁ、という映画。

ちょっとしたところに笑いが散りばめられていて、観ている最中に頻繁にくすくす笑ってしまう。ところが、今日映画館にいた人たちは全然笑ってない。こんなに面白いのになぁ、と思ったのだけれど、もしかして、このユーモアがわからないんだろうか(笑)。

もう、あほらしさ満載。下ネタも満載で、FUCKとかも連発していて、あまり上品な映画ではない。だから、上品な笑いを求めている人たちには全然ヒットしないかもしれない。それから、人がそこそこ死ぬ。これはコーエン兄弟らしい毒の部分だけれど、これもまた受け付けない人は受け付けないかも。

CIAの偉い人たちの投げやりっぷりが異常におかしいし、エンディングの曲も笑っちゃう。それ以上に、登場人物たちの人間関係の滅茶苦茶ぶりがまたおかしい。おいおい、そこまでこじれさせちゃうのかよ、というところはあまりにも出来すぎなのだけれど、それが不思議と違和感がない。

全体を通して言えるのは、したたかな女性たちと、その手のひらの上で遊ばされていると気が付かないアホな男性たちというのをブラックユーモアの中に描いているということ。このあたりの徹底具合がなかなか良い。

クルーニー親分も相変わらず良い味を出していた。ブラピも良い味を出している上に、役の上での顛末がまた笑える。

長めの結婚生活経験がない人にはこの面白さは理解不能かもしれない。そういう意味では大人のための映画。評価は☆2つ半。  
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2009年04月20日

ザ・バンク 堕ちた巨像

800bcd87.jpg例によって変な邦題の映画。なぜ「THE INTERNATIONAL」じゃだめなのかさっぱりわからないけれど、まぁ素人があーだこーだ言っても仕方ない(笑)

さて、映画の方ですが、こういうのは社会派サスペンスっていうのかなぁ。国際的なメガバンクがお金のためにやりたい放題、それと戦うインターポール、みたいな内容。殺しのライセンスを持たないインターポール職員が銀行トップを追い詰めていって、さて、ラスト、どうするのか、というのが見所。前にこういう映画があったなぁ、と思い返してみると、ブレイブワンだったっけか。まぁ、テーストは全然違うんだけれど。

舞台はもうドイツやら、アメリカやら、イタリアやら、トルコやらであちらこちらを飛び回る。あぁ、きっとスタッフがあちこち海外旅行やりたくてそういう脚本を書いちゃったんだろうなぁ、という、007を観た時にいつも思うアレをこの映画でも感じるわけですが、まぁ、あちらこちらの観光気分をこちらも味わえるので、必然性があまりないような気がしても、そこはスルー。いや、「世界をまたにかけているんです」というところを出したかったんですよね、きっと。

大きななぞがあるわけでもなく、どんでん返しがあるわけでもなく、それほど頭を使わずに楽しめるところも007に似ている。でもまぁ、安心して観ていられる映画だった。特にミュージアムの撃ちあいのシーンは「一体何発撃ってるんだ」という感じで素晴らしい(笑)。

ということで、評価は☆2つ。  
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2009年04月16日

ワルキューレ

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トムの映画はそれだけでつまらないと思っていたのだけれど、意外や意外。結構面白かった。

第二次世界大戦末期のドイツを舞台に、ヒトラーの暗殺を企図するドイツ人たちを描いたもの。最初に「事実を元にしたドラマ」と提示されてしまうため、結末をほとんどの地球人が知っている状態。その不利な状態でどうやって飽きさせずに最後まで到達するか、というのが製作サイドの腕の見せ所なわけだけれど、案の定、最初のうちはやや退屈で疲れていたら眠ってしまいそうなところもある。失敗を経験した後、次はどうなるんだろう、また失敗するのかな、というところからいきなり椅子から飛び上がるような衝撃があって、そこからは眠くなったりはしない。そして、あとはラストまで快調に走り続けてくれる。

トム・クルーズが出ている映画はたとえ監督がスピルバーグであってもつまらなくなるので、彼には強力な映画退屈化のオーラがあるのかと思っていたし、映画の序盤では「あぁ、やっぱり」とも思ったのだけれど、そこからの挽回は見事。

ドイツの町並みとかの場面はほとんどと言って良いほどなかったので、このあたりは見所ではないのだけれど、一方で、片手と指2本を失った主人公は全く違和感がなく見ることができた。ここはきっと地味に特撮なんだろうなぁ、と思いながら見ていたのだけれど、まさか、体に腕を縛り付けての演技とかじゃないですよね(笑)?

ドイツを描いた映画だけれど、文書以外は当然全部英語。俳優が話す言葉も英語。邦題が「ワルキューレ」ではあるけれど、映画の中ではみんな「ヴァルキリー」と発音している。個人的にはこれが非常に気になった。でもまぁ、日本人には「ワルキューレ」の方が耳に慣れているので、邦題をこちらにしたのは当然なのかな。

ということで、十分に楽しめた。評価は☆2つ。  
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2009年03月18日

ヤッターマン/YATTERMAN

fbe7fe91.jpg非常に評判の良かったヤッターマン、観て来た。

なるほど、評判が良いのは良くわかる。アニメで観ていたヤッターマンがきちんと実写で目の前にある。くだらないやり取りがそのまま。音楽もアレンジこそ違え、懐かしさを感じさせる。豚もおだてりゃ木に登るとか、おしおきだべーとか、その他もろもろ、「そうそう、こんなの、こんなの」という感じ。加えて、冒頭からのくだらない駄洒落のオンパレード。ハッチ公やらでいきなりつかまれてしまう。あくびちゃんも可愛い。そして、一番の見所の恭子りんのドロンジョコスチュームも素晴らしい。特にこれでもかと胸の谷間を強調する演出はおっぱい星人でなくてもついつい画面に引き込まれてしまう(かも知れない)。

では、マイナス要因はなかったのかと言われると、そんなこともない。ヤッターマン一号が太ももから毒を吸い出すシーンはあまりにもセクハラでどうかと思うし、トンズラーのご飯リバースシーンはちょっと汚らしいし、ボヤッキーは片思いを強調しすぎている感じがするし(アニメ版もこうだったっけ?)、ヤッターマン2号の変身シーンはキューティーハニーとまでいかないまでももうちょっとゆっくりサービスして欲しかったし、何より、ドロンジョ様の語り口にキレがない。いや、これは多分深田恭子の滑舌に問題があるのではなく、こういう眠くなるような口調を故意に演出したんだと思うのだけれど、もうちょっと歯切れ良くしゃべってくれたほうがドロンジョ様っぽかった。

でもまぁ、エンドロールが終わって最後の最後まで、アニメの実写化というのを上手に仕上げていたとは思う。これ以上面白い映画に仕上げる方法があったのかというと、うーーーーーむ、という感じで、なんか、精一杯頑張った、という感じ。評価は☆1つと言いたいところだけれど、恭子りんのドロンジョに☆1つサービスして☆2つ。  
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2009年03月16日

ベンジャミン・バトン 数奇な人生

508f056d.jpgどんな映画に仕上がっているのか、興味津々だったわけですが、ようやく観てきました。

始まってすぐに思ったのは、「誰だ、この字幕」ということ。へたくそ。いや、戸田奈津子女史のように妙な意訳をしてストーリーをめちゃくちゃにするんじゃなくて、変な日本語、ら抜き言葉のようなものを使うところが非常に気持ちが悪い。うわー、大好きな松浦美奈女史がこんな字幕を書くわけないし、一体どこの誰なんだ、と気になり始めたら映画のストーリを追えなくなりそうになってしまった。こういう人を使うのは是非辞めて欲しい。

#アンゼたかしさんっていう人らしい。

さて、字幕のおかげで台無しになってしまいそうだったのだけれど、何とか集中力を取り戻して頑張った。一人の人生をたっぷり3時間近く見せようというのだから、作るほうも大変だっただろうけれど、観るほうも大変。途中で「どのくらい経ったんだろう」と時計を見たら2時間20分ぐらいだった。そこから先は広げた風呂敷をどうたたむのか、それが見所。

終わってみると、主人公の設定こそかなり特徴的だったものの、あとは普通の恋愛ものだった。ただ、彼と彼女の時間軸がひっくり返っているおかげで、ストーリー前半は男性が女性に振り回され、ストーリー後半は女性が男性に振り回される。要は、若い奴は年寄りを振り回すもの、ということか。

何しろ、一番の見所は主人公二人の経年変化を何の違和感もなく見せてしまう特殊効果。これをみるだけでも価値がある。ここまでできるのを見てしまうと、篤姫とかで宮崎あおいの白髪を増やすだけで加齢を表現していたのはどうなのよ、と思ってしまうが、そこはお金はかかっていても大河ドラマと映画の違い、ということか。もう、役者のベースの姿かたちさえあれば、あとは特殊効果で何でもできてしまうということですね。凄い。

評価は☆2つ。  
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2009年03月08日

ジェネラル・ルージュの凱旋

aad97f21.jpgチーム・バチスタの栄光(映画)の出来がイマイチだったので、知識がないうちは「これは全く期待ができない」と思っていたのだけれど、速水の役を堺雅人がやるというのがわかった時点で突然期待値大幅アップしていた本作。とにかく小説の面白さは速水の魅力に尽きるわけで、その点、堺ならそれを十分に演じてくれそうだと思っていた。

ということで、他にも見たい映画がある中、まずこの本作を観て来たのだけれど、予想通り、堺雅人の速水はなかなかに見事だった。欲を言えばもうちょっと上手に演出すればもっと良かった(若干、シャープさに欠けた)と思うのだけれど、映画としては十分に楽しめた。キャストで言えば他にも羽田美智子、貫地谷しほりあたりを加え、前作から引き続きの阿部寛など、役者的に結構頑張っている。贅沢を言えばやはり主人公は男性キャラクターであって欲しかった。

原作にはないエピソードを加えて盛り上がりに欠ける部分を補足したり、あるいは分量が少なかった場面をたっぷり増量していたりしていて、映画化に際しての工夫も見られる。前作では何の意味もないソフトボールや歌の追加があって原作を台無しにしていたけれど、近作はその点比較的まとも。ミズノのスポンサー料が欲しかったのか、相変わらずソフトボールの不要なシーンはあったものの、許せる範囲。その不要なシーンで、試合の途中に相手チームの名前に気が付くといったいかにもスポンサーに配慮した結果みたいなことが展開されたりするのはいかがなものかと思うのだけれど、不況の映画業界では仕方がないところか。いや、でも、このつまらないシーンを削除し、それに合わせて脚本を再編集したらさらに完成度の高いものになったはずだ。他にも、大忙しの中、大挙してヘリコプターの着陸を見に行ったり、あれれれれ?と思うシーンがなかったわけではなく、その意味不明っぷりが気になったのは確かだが、そうしたマイナス面をカバーできるだけの役者陣の力があったと思う。

扉の中に何があるのかとか、速水が大好きなチュッパチャップスとか、色々な伏線もきちんとわかりやすく回収されていて良かった。加えて、ちょっとした軽い笑いがあちらこちらに配置されていて、肩が凝らない内容になっている。ミステリー部分についてはそれほど重く扱われているわけではないので、そちらについてはノータッチ。バチスタではAi(オートプシー・イメージング)を扱ったが、本作では救急医療と大病院の経営合理化の問題にスポットを当てたいというのが原作者の意図であり、そのあたりはやや解説過多で、ハッピーフライトのような印象もなきにしもあらずではあったものの、決して嫌味ではなかった。

そして「これで一件落着か」と思ったところからのラスト。原作では非常に軽く記述され、「個人的な感想を書けば最後のエピソードは大分駆け足で、もうちょっとしっかり書き込んだほうが良かったのではないかな、などと思う」という印象を持った部分がしっかりと描かれていた。この二段落ち構成はエンターテイメントとして見事。

一方で、本作で一番いただけないなぁと思ったのはラス前ぐらいの堺と羽田のシーン。テレビ放映の画面サイズを意識したのか、映画の画面なのに不自然に密着した二人の姿は違和感がありまくり。このあたりにテレビ局主導の映画の限界を感じさせてしまうのがなんとも残念な感じ。この残念具合が一番最後に印象的に残ってしまい、その分☆ひとつ分だけ評価をマイナス。それまでは☆2つ半か、あるいは☆3つの勢いだったので残念。

ガリレオシリーズでも同様なのだけれど、主人公の二人は存在感がなければないほど良い作品になりそうな傾向がある本シリーズ、実際、竹内、阿部の二人はそれほど前面に出ておらず、結果、堺雅人の存在感が光る良作となったと思う。評価は☆2つと言いたいところだけれど、堺の好演に☆半分プラスして2つ半。

なお、堺雅人はまにあな優秀助演(主演?)男優賞ノミネート決定。

関係作品の過去の評価
ジェネラル・ルージュの凱旋(本)☆☆

チーム・バチスタの栄光(映画)☆★

チーム・バチスタの栄光(本)☆☆★

昨年度まにあな映画賞受賞作はこちら
映画2008総まとめ(確定版)  
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2009年03月03日

20世紀少年<第2章> 最後の希望

7ae518c1.jpg第1章が全然駄目駄目だったので、ほとんど期待できなかった20世紀少年の第2章。行きがかり上仕方がないので観て来たのだけれど、「あぁ、やっぱりね」というでき。そもそも、あれだけ長い期間連載していた漫画をたった8時間ぐらいでまとめちゃおうっていうのが無理。その無理を承知でやっているところが観客を馬鹿にしている、という感じなのだけれど、そもそも最初からこの映画のターゲットは20世紀少年に対して好意的な層であって、単純に映画を楽しみたいという層はターゲットではないのかも知れない。いや、もちろんスピリッツの20世紀少年はきちんとリアルタイムで読んでいたけれど。

本作は漫画の中でも比較的まとまりが良く、わかりやすいパート。その上、観客の多くはあらすじをわかっているのだから、キャラをどこまで魅力的に見せることができるか、ということになるわけだけれど、本作、良い味を出していたのは小池栄子(高須)と木南晴夏(小泉響子)ぐらい。古田新太(春波夫)も悪くはないのだけれど、あまりにもチョイ役過ぎる。というか、全編駆け足なので、ほとんどのキャラがチョイ役になってしまうのだけれど。

オッチョは確かに活躍していて良い味を出していると思うけれど、それだけ。わざわざ実写映画にした意味がわからない。「あぁ、監督はこれをやりたかったんだ」っていうのが全く伝わってこない。いや、無理に解釈すれば、「漫画をそのまま映画にしたかったんだろうな」という感じ。残念ながら、この映画からはその程度のものしか伝わってこない。

たとえば先日のダークナイト。漫画でやりたいことと、映画でやりたいことは全く異なる。そして、原作を知らなくてもきちんと楽しめる。たとえば先日のアイアンマン。あいにく原作は読んでないのだけれど、一級品の娯楽大作に仕上がっていた。洋画ばかりじゃない。デトロイト・メタル・シティ。原作ファンからは一部批判の声が出ていたようだけれど、映画単独で十分に成立している。一方で、この映画は一体なんだ。全然駄目じゃないか。そもそも、映画化したこと自体に疑問が残る。というか、無理でしょ、3部作じゃ。スターウォーズくらいやらないと。じゃぁ、9部作にするだけの価値があるかといえば、それも疑問。これはやっぱ、漫画で読んでおけば良かったという作品なんじゃないかな。

ま、完結編も観るけどね。多分、評価は低いと思う。

浦沢直樹は本当にこのできで満足しているんだろうか。もしそうだとしたら、彼はやっぱり漫画に注力しているべきだ。映画の良し悪しはわからないんだろうから。でも、きっとそんなことはないんだろうな。お金がもらえるからかも知れないし、無理やり引っ張り出されているのかも知れないし、他の複雑な要因が絡んでいるのかも知れないけれど、とにかく本心は「これはひどい」と思っているんじゃないか。思っていて欲しい。

評価は☆半分。  
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2009年03月02日

チェンジリング

7230e8f7.jpgクリント・イーストウッドらしい、重苦しい、ほとんど希望のないストーリー展開。その中で与えられる希望が、本当にわずかな希望であったとしても、人は生きていける、ということだろうか。「あぁ、これで終わりなのか」と思ったところからエンドロールまでが長いのもいつもどおり。

「あぁ、ようやく解き放たれたのかな」と思わせておいて、そこからクライマックスまでの流れ、クライマックスの主人公の台詞、文字によるその後の顛末の説明、そしてエンドロール・・・と、その流れの完成度は非常に高いと思う。大きく広げた風呂敷を物凄い手際でたたんでいくような感じ。加えて、エンドロール前半で流れる第二次世界大戦前の米国の町並みが「どうやって撮ったの?」と思ってしまうほどリアルで凄いこだわり。最後まで手を抜かないというか、最初からラストでどう幕をひくのかをきちんと考えているところがさすが。

敵としてのロス警察組織、教会などの支援者や同じ境遇の女性たち、主人公を巻き込んだ犯罪者、そしてなりすましで主人公の家に転がり込む子供。この4者を複雑に絡ませつつ、それでいてそれほど複雑に見せることもなく、どんどんストーリーが進んでいく。「実はこういうことなのかも」などと時々考えてしまうのだけれど、そういう大仕掛けに対する期待はことごとく裏切られ、結局のところ目の前にあるだけのストーリーで終了する。しかし、それが退屈かといえばそんなことは全くない。何しろ、アンジェリーナ・ジョリーが愛息が行方不明になって狼狽する女性を非常にリアルに演じていて鬼気迫る感じ。加えて、精神病院の描写、死刑の描写など、生理的な部分の不快なところを巧妙に押してくるところがイーストウッドっぽい。悪い奴らを徹底的に悪く描くところもそれっぽい。

CHANGELINGってどういう意味なんだろうと思ったら「さらった子の代わりに妖精たちが残すとされた醜い子」みたいな感じらしい。タイトルそのままなのね。

何の知識もなく観てしまったので、監督がクリント・イーストウッドだというのもラストまで知らなかった。でも、終わってみれば本当に「らしい」映画だった。評価は☆2つ半。多分、女性が観た方が評価が高くなるんだと思う。  
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2009年02月06日

カフーを待ちわびて

c5e9c7d0.jpg最近ときどき見かける南の島を舞台にした映画。縦糸に恋愛、横糸に沖縄の離島のリゾート開発を配置した、ありがちな設定。ちょっと思い返してみても、「サウス・バウンド」「ニライカナイからの手紙」あたりが類似作として思い当たるわけで、それなりに新しい何かがないと「またか」ということになってしまう。特に島の開発話は非常に陳腐なテーマで、そもそも今の日本では開発話なんてすっかり昔話になってしまっているので、新味がない。背景となる沖縄の民族性のようなものもやや使い古された感がある。ということで、この映画を取り巻く環境というのは非常に厳しく、「良くこの企画が通ったな」と思わざるを得ない。さて、では作品としてどうだったのか。

設定が陳腐で使い古されたものだから、必然的に「恋愛話の方は?」ということになるのだけれど、まず「嫁に来ないか」と書かれた絵馬を見て女性が押しかけてくるあたりが大分現実離れしている。その現実離れした設定の裏に何があるのかな、と期待して最後まで見る羽目になるのだけれど、その「現実離れ」の種明かしがまたまた現実離れしている。「お前、『偶然見つけた』で済ますのか!!」みたいな。いや、もちろん、そういうことってこれまでの映画でも色々あったとは思う。たとえば、どこぞのお転婆な王女様が実は田舎の農場で働いている主人公の双子の妹で、しかも敵のボスは父親だったとか、お前ら「昔々、はるか銀河の彼方で」とか言いながらいやに狭い世界の話をしているな、みたいな。主要登場人物の3人が家族かよ!みたいな。でも、SF映画の中のご都合主義と、恋愛映画の中のご都合主義は随分と趣が異なるし、受け入れやすさも段違いである。結果として、「この不自然な設定の理由は?」に対しての明快な回答は得られるのだけれど、同時に「このあまりにもご都合主義な偶然をどうしてくれる」という不満が発生してしまう。そして、さらにラストでは「これでもか!!」というくらいに偶然が起きる。先の例で言えば「いや、実は頼りになる海賊とその仲間の大猿もみんな兄弟でした!」みたいな感じである。

「えーーーー、それはない!!!!」

大体、上の星間戦争の場合は双子の兄妹はその事実を知らなかったんだから仕方ないけれど、この映画では片方はすべてを承知していたわけだ。それならびっくり箱みたいなことをせず、最初から種明かしをするのが当たり前。「実はこういうわけで来てみました」となるはず。それで、その事実以外にも色々ある大切なこと(ネタばれになるから書きませんが)をきちんと知らせるはずだ。

これ、映像がどうとか、役者がどうとか、演出がどうとか、そういう以前にストーリーが全く駄目駄目である。

青い海、青い空、緑の木、そういったものがあまり出てこないあたりは沖縄におんぶにだっこという感じではなく、そのあたりは好感が持てるのだが。あと、役者さんたちは結構頑張っていたと思う。

評価は☆1つ。  
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2009年01月06日

K-20(TWENTY) 怪人二十面相・伝

f37ff216.jpg今年劇場鑑賞第一弾はK-20。

正直、あまり期待していなかったのだけれど、あたり。

まず、時代設定が非常に良い。日本人にはこのあたりが一番フィットする気がする。それに、映像も作りやすいんだと思う。ちょっと煤けた感じの都会の風景というのが。三丁目の夕日にも通じるところだけれど、作る側は作りやすいし、観る側は安心してみることができる、そんなところなんじゃないかと。

そういう時代設定にしたところがまず正解だと思うのだけれど、次に良かったのが全体の構成。ところどころ、パロディなのか、パクリなのか、インスパイアなのか、判断が難しいシーンがあったけれど、それはカリオストロの城だったり、宇宙戦艦ヤマトだったり、ラピュタだったり、まぁ色々。何しろアニメの影響を色々受けていたと思う。で、別にそれがいやみじゃない感じなのが良い。他にもバットマンとかの影響もあったと思う。

でも、多分、監督が一番やりたかったのは、日本版インディー・ジョーンズだったんだと思う。絶体絶命のピンチから主人公があり得ない方法で脱出する。そんな冒険活劇。スピルバーグとルーカスが「こんなことをやりたい」と考えて作った「レイダース」の、日本版である。で、今までの日本のちゃっちいVFXだと、「おいおい、やっぱり此彼の差はでかいなぁ」と思っちゃうところだったんだけれど、ようやく日本の特撮技術もかなりのところまで来たんだと思う。少なくとも、大画面で観ている限りではそれほどあらが目立つこともなく、きちんと形になっていた。20年近く遅れてしまっているということかも知れないのだけれど、でも、観ていて違和感のない映像を日本でも作れるようになったというのは嬉しい限りである。

加えて、この作品は役者がなかなか良い。最近邦画で活躍することが多い金城武も良いんだけれど、それより何より松たか子が良い味を出している。この人、舞台ではなかなか存在感のある演技をするのに、映像になるとイマイチだよなぁ、なんでだろうなぁ、と思っていたのだけれど、要は使う側が悪かったということのようだ。助演女優という立ち位置になるんだと思うのだけれど、存在感があって、非常に良い。一方で仲村トオルは正直どうなのかなぁ、と思ってしまうのだけれど、まぁ、そのあたりはご愛嬌。なかなか芸達者な役者を揃えていて、VFXに負けていない。

ちょっとでも書いちゃうとネタばれになってしまうのでストーリーについてはあまり触れることができないが、全体のストーリー構成もなかなかだったと思う。

評価は☆2つ半。2008年製作の邦画ではかなり上出来の部類。  
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