2014年01月27日

必死剣 鳥刺し



正月にテレビでやっていたので、録画しておいて観てみた。

なるほどねぇ、と思わされるどんでん返しがあったし、池脇千鶴は相変わらず可愛いし、全体の物静かなトーンも雰囲気あるし、殺陣も迫力があるし、脚本も説明的にならず凝っている。それなりに見どころはあったのだが、難点がふたつ。一つ目は肝心の「鳥刺し」がイマイチ良くわからない。大体こういうことなんだろうな、と想像はつくけれど、謎は謎のままで放置されてしまった。だからこそ「秘剣」であって、誰にも理解できない、ということかも知れないが、喉に小骨が刺さったままの気分である。もう一つは三左ェ門と里尾の顛末。ここまでずっと説明や余計なシーンを省いてスリム化してきたのに、ここだけ冗長になってしまった。こういうシーンは何も見せずに終わらせたほうが良かった。どうせ、観る側はラストで「あぁ、そうだったのね」となるのである。

ストーリーが破綻しているわけではなく、むしろスッキリまとまっているだけに、映像化に際しては映像の中で破綻なくまとめて欲しかったし、一箇所だけ説明過多になってしまったのが惜しい。

評価は☆1つ半。  

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2011年11月16日

半分の月がのぼる空

半分の月がのぼる空 [DVD]

サッカーを観たくて契約しているスカパーがおまけで「今月、好きな番組を一つタダで観て良いよ」と言ってきたので、「衛星劇場」を注文してみた。その中で見つけた「半分の月がのぼる空」をテレビ鑑賞。深川監督の作品は白夜行で初見、洋菓子店コアンドルも観ているけれど、神様のカルテはスルーした。

良くある難病モノとしてはまぁまぁな作りで、どうなっちゃうのかなーと、ハラハラまではしないものの、それなりの興味を持ちつつ、終盤まで観ることができた。例によって突っ込みどころはいくつかあったものの、ムキになって粗探しをしたくなるほど退屈な映画ではなかった。

そして、ラスト。あれ?この子、誰?あれ?こっちの子は????と、ちょっとおかしな展開になって、直後に真相がはっきりするという作り。これは結構脚本が良いかも、と思って調べたら、西田征史だった。おっぱいバレーやおにいちゃんのハナビはそれほど面白かった記憶がないんだけど。

ネタばれするとつまらなくなるので詳細は書かないけれど、HDDに保存しておこうかな、もう一回観ようかな、と思える映画だった。決して後ろ向きではなく、病気の人間も、周囲の人間も、それなりに前向きなラストなのが良い。

評価は☆2つ。  
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2011年10月09日

ちょんまげぷりん

chonmage


いきなり冒頭から笑える。どこまでこのテンションが続くのかなぁ、と思ったら、結構長持ちした。そのままでも良かったけれど、途中からでっかいイベントになって、笑いはちょっと控えめ。でも、最後まできちんと楽しめた。

主役の錦戸亮さんは初めて見たけれど、ジャニーズでもそこそこちゃんとやれていてびっくりした。凄くうまいわけではないけれど、コミカルな役を上手にこなしていたと思う。

結局、映画は脚本がきちんとしていれば、それだけでかなり面白くなるっていうことなんじゃないかな。何度も繰り返し観るような映画ではないと思うけれど、一度は観ておいたほうが良いと思う。だって、楽しいんだもの。単純に面白い。だから、ストーリーには特に触れない。あえて言うなら、シングルマザーと侍のラブストーリー、ぐらいで。

それにしても、僕は年間70本ぐらいを映画館で観ているのだけれど、こういう映画を見逃しているのが不思議でならない。なぜ、「この映画が面白いよ」という情報を聞きのがしてしまったのか。一方で、この映画よりも全然つまらない映画を散々観ているのである。やはり情報弱者ということなのか。つまらない映画も、それはそれで勉強になるのだが、もうちょっと「面白い映画」率をアップさせたいなぁ。

☆3つ。  
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2011年10月08日

アンストッパブル

unstoppable


大量のフェノール(劇物)を積んだ列車が無人で暴走を始め、このままでは市街地にミサイルと化して突っ込んでしまう。それをどうやって食い止めるか、という映画。

登場人物を切り詰め、かつ、命がけで列車を止めようとするベテラン、新米の二人の鉄道員にはきちんと焦点を当て、必要最小限の人間ドラマを見せる。専門用語がそこそこに出てくるけれど、鉄道に関する知識がなくてもなんとなくわかる内容で、ノンストップで楽しめる。飾り付けを削ぎ落しているのでものすごくタイトでストレートな内容だけど、これはこれでありかな、と思う。ラスト直前までハラハラドキドキが楽しめる。

残念なのはラストの仕上げ。せっかくそこまでストイックに来たのに、全てが台無しになるような終り方。ここまでやったんなら、最後まで突っ走ってよ、と思う。映画はタイトルに反して、終点間際で急停止してしまった。でも、そこまでは文句なく面白かった。

評価は☆2つ。レンタルで観るなら結構オススメ。  
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2011年09月10日

東京島

東京島 [DVD]

男16人と女1人の無人島生活、というところまでは非常に面白そうなんだけれど、意外とそのあと色々と流れついてしまい、どんどん意外性が薄れてしまう。だんだん普通の話になって、最後はとうとう全く普通の話になってしまった。これって面白いのかなぁ。

せっかく木村多江を使っているのに彼女の良さが半分も出ていないと思う。いや、途中までは良かったんだけど。途中っていっても、本当に最初の方ね。

原作ものだから、こういう原作だったのかも知れず、だとすれば映画にするような話でもないと思うのだが・・・・。16人っていっても、個性をきちんと出せるのは数人だし。挙句に・・・って以下、ネタバレ自粛。普段ならネタバレしつつも色々と書くところだけれど、この映画は特に言及する必要もない感じで、とりあえずスルー。

評価は☆ゼロ。木村多江ファン以外には勧められない。だけど、木村多江ファンにも勧められない。  
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2011年08月20日

悪人

悪人 スタンダード・エディション [DVD]

映画上映時から評判になっていたにも関わらず、映画館で観ずに、準新作になってからTSUTAYAで借りてきた。なぜ映画館で観なかったかって、深津絵里の濡れ場ばかりが取り上げられていたから。僕はそういうシーンを映画館で観るのがあまり好きじゃない。

さて、DVDで観てみたら、濡れ場なんて全然大したことがない。深津絵里の演技は体当たりといえば体当たりかも知れないけれど、海外の女優ならこの程度は当たり前。「空気人形」のペ・ドゥナの方が体当たりという意味ではよっぽど体当たりだったと思う。じゃぁ、深津絵里の演技が全然大したことがないのかといえばそんなことはなくて、孤独な女性、取り残された女性、その愛情を物凄く上手に見せていたと思う。こういう演技を、イロモノのように取り上げ、イメージを押し付けるマスコミは死ね、と思う。

ただ、深津絵里は深津絵里で良かったけれど、他の役者たちもみんな良い演技をしている。わがままで身勝手な保険外交員の満島ひかり、他にも余貴美子、樹木希林、柄本明・・・。さすがは「フラガール」の李相日監督だと思った。良い役者を、凄く上手に使う。その中でも一番良かったのは妻夫木聡だと思う。不幸な身の上と環境の中で、彼なりの優しさで生きてきた不器用な青年を好演していたと思う。正直、「南へ」などの舞台作品の彼は、僕はそれほど高く評価していない。彼の演技が細かいからだと思う。そして、細かい演技は映像作品では弱点にならない。堺雅人と同様、映画向きの俳優なんだと思う。この映画の中で、彼は最も存在感を出していたと思う。

脚本も、被害者とその周辺の人間模様をきちんと描いたことによって、単純な「善」と「悪」の対照とせず、人間の複雑さを表現していて良かった。ちょっと残念なところと言えば、主人公の実の母との関わりが今ひとつ丁寧に描かれていなかったこと。ただ、これは映画の長さを考えれば仕方のないところかも知れない。それと、事件の真相を見せていく順番。「実はこういうことでした」というのは、映画のラスト近くで明かされても良かったんじゃないかと思う。

ずっと国道の周辺を行ったり来たりしていただけの女と、目の前に海があってもうそこから先にはどこにも行けないと思ってきた男の、不器用な人間同士の切ない恋愛映画だったと思う。評価は☆3つ。原作も読んでみようと思う。

悪人(上) (朝日文庫)

悪人(下) (朝日文庫)  
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2011年05月29日

人間失格

人間失格 [DVD]

太宰治が主人公の心の動きをじっくりと書き込んだ小説を2時間の映画に押し込むのは凄く難しい。悲しみとか、怒りとか、そういう分かりやすい心の動きはともかく、ちょっとした動揺とか、ふとしたきっかけによる絶望感とか、こうしたものを映像で表現するのは凄く難しい。だから、その世界観をどこまでスクリーンに押し込むことができたかが勝負。そして、この監督は勝利したと思う。

ひとつのクライマックスである良子との関係の描写で顕著なのだけれど、観る側にはどうしてそうなったのか、ほとんど情報が与えられない。原作でもこのあたりはかなり曖昧だけれど、映画ではそれ以上である。ただ、どうしてそうなったのかはそれほど問題ではなくて、葉蔵がそれを受けて何を感じ、どう反応したかで十分ということなんだろう。「映画だから、そこを丁寧に描く」という手法もありだったと思うけれど、この映画はそのあたり、原作に忠実だったと思う。

普通に考えれば、太宰治の代表作を読んでいないなど、日本人としては考えられないことだ。しかし、この映画は、原作を読んでいることを前提に、その世界をスクリーンに押し込んだという感じではない。逆に、太宰を読んだことのない無教養な人間に対して、「きちんと理解したければ、映画を観てから小説を読め」というメッセージに見える。ただ、それだけで映画を作ってしまうと、あまりにも救いがない。没落していく中で、酒に溺れ、常に現実から逃げ、やがて薬に頼り、最後はキチガイ扱いされて田舎に送り込まれる。親戚からは体よく厄介払いされ・・・・という感じで進んでいくのだから。そんな中に、中原中也を入れたのはなかなかに面白いアイデアだったと思う。彼を物語から退場させるやり方はちょっとどうかと思ったけれど。映画単独できちんと完結しているし、小説を「また読んでみよう」という気にもさせる。内容をぼんやり憶えている状態で映画を観て、もう一度読書をしてみて、そして仕上げでもう一度映画を観る。これがおすすめ。

出てくる女優たちがなかなか好演している(それにしても小池栄子は大きな目をキョロキョロさせる役が多いよね)し、主演もジャニーズ系とは思えない健闘ぶり。音楽もしっとりしていて雰囲気が良いし、画面もクリアである。映画としては非常にクオリティが高かったと思う。人間失格は凄く読点の多い文体で書かれているけれど、その読点の雰囲気までもが感じられてくるような気がした。

ちょっと甘いかも知れないけれど、☆3つ。  
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2011年04月23日

アウトレイジ

アウトレイジ [DVD]

正直に書くと、ビートたけし監督の映画を最初から最後まできっちり観たのは初めて。途中まで観てやめちゃったことはある。今回は、5本借りてきたDVDの一本。しかも、期限日当日の夜だ。なぜなら、全然期待していなかったから。ざーーーっと早送りして、返却してこようかな、ぐらいに思っていた。でも、最初の15分で猛反省。面白いじゃないか、これ!

終わってみて、あぁ、映画というのはこういうジャンルがあるんだな、と思った。何か特別な教訓があるわけじゃない。淡々と悪いヤツラの話が続いていく。もう、見ているそばから「こいつら、しょうもねぇなぁ」と苦笑してしまう。いや、ほとんど苦笑し続けてしまう。そして、それなりに広げた風呂敷をたたんでおしまい。特に後になにか残るわけじゃない。つい最近、これに似た映画を見たな、と思い返すと、「冷たい熱帯魚」だ。こういうジャンルを何というのか知らないけれど、僕の頭の中では同じインデックスシールが貼られた。

暴力描写が苦手だったら駄目だと思う。何か教訓を語ってほしい人にも無理。でも、悪いヤツラの、どこまでも悪い描写を見て「しょーがねぇーなぁー」と笑える人には結構オススメ。僕自身は自分から進んで見たいと思うジャンルではないのだけれど、これはこれで十分に面白いと思う。飲み会で、「あの映画、見た?酷い映画なんだけどさぁ・・・」と語りたくなるような、そんな映画。

どうでも良いけど出てくる拳銃出てくる拳銃みんな馬鹿でかい(笑)。あと、ビートたけし監督って、物凄く技巧的というか、監督っぽい演出が好きな人なんだね。中華料理屋の店内からの撮影とか。こんなに技工を盛り込む人だとは思わなかった。

評価は☆2つ半。面白かった。  
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2011年04月17日

孤高のメス

孤高のメス [DVD]

TSUTAYAの準新作100円に釣られてレンタル。

医療ドラマ、役者がちゃんとしている、の2点からして一定のクオリティはクリアしていると期待できた。ただ、唯一心配な点は監督の演出力。ついこの間見た「八日目の蝉」では、監督の演出力は明らかにマイナスに働いていた。だから、大丈夫かなぁ、と心配しつつ観たのだけれど・・・・

結論から言えば心配は杞憂だった。正直に言えば、ラストまで、「なんでこういう構成にしちゃったんだろう」と思っていた。映画を観ればすぐにわかることだから書いてしまえば、息子がお母さんの日記を見つけることによって始まる昔語りの体裁のことだ。でも、終わってみれば納得。例によってベタであることは否定のしようもないのだけれど、この監督はベタな演出をベタなままでやりたいのだろう。例えば運命的な出会いのバックグラウンドに「ジャジャジャジャーン」とベートーヴェンを流すとか、そういうヤツを。八日目の蝉ではその演出が鼻についたけれど、この作品ではそんなこともない。

映画のテーマは大きく分けて二つ。地域医療の荒廃と、生体肝移植(脳死問題)である。前者は引き続き大きな問題だろう。後者は現代では一定のコンセンサスが形成されていて、「そういえば、昔はねぇ」という感じである。ただ、そういった社会問題を指摘しつつも、この映画は信念を貫き通す一人の人間を描いた映画であり、また、恋愛映画でもあった。外科医当麻のような生き方は、誰もが理想とするものであると同時に、ほとんど全ての人間が諦めるものでもある。すでに諦めてしまった人にとっては、もう戻ることのできない生き方で、単に「残念でした」で終わってしまう。だから、この映画はまだきちんと理想を持っている若い人と、今も苦しみながら頑張っているごく僅かな年長者のためにあるような感じだ。そして、恋愛パート。描かれている関係は普通の恋愛ではない。しかも、片想いである。さらに言えば、結末がわかっている。それでも、そのパートは最後まで楽しめる。これは役者の力によるところが大きいと思う。

僕は医者ではないから、手術の現場にいたことはない。いや、正確には、いたことは何度もある。火傷の皮膚移植に始まり、最低でも4回は手術室に入り、そのうちの3回は全身麻酔だった。手術室に音楽が流れていることぐらいは知っているのだけれど、生体肝移植みたいな手術は見たことがない。だから、この映画がどの程度手術をリアルに再現しているのかは良くわからない。良くわからないのだけれど、生体肝移植手術が物凄く大変な大仕事であることはきちんと伝わってきた。このあたりも演出力と役者力に寄るところが大きいと思う。

分かりやすい善玉と悪玉の対立はちょっと映画を軽くしてしまったけれど、その点を割り引いたとしても、良くできた医療映画だったと思う。役者では、夏川結衣が良い。

評価は☆2つ半。  
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2010年12月29日

武士の家計簿

0d4394b9.jpg幕末に加賀藩の会計係をやっていた下級武士の話。刀ではなくソロバンを手に藩と家を支えた人の人生を駆け足でなぞる、という内容で、2時間ではちょっと短い気もしたけれど、物凄いエピソードがあるわけでもなく、大合戦が展開されるわけでもなく、非常に地味な話なのでこんなものかな、とも思う。

観終わって最初に思ったのは仲間由紀恵のミスキャスト。正直に言えば、僕は彼女の作品は映画、テレビドラマ含めてほとんど観たことがないのだけれど、「ヘタだなぁ」というのが感想である。もっと他の、現代劇とかをやらせればそうでもないのかも知れないけれど、この映画を観る限りではお金を取れる演技とは言いがたい。確かに若い年代からおばあさんまで、一気に見せる必要がある役どころなので、難しいのはわかる。僕が非常に高く評価している堺雅人であっても、老衰期の演技はクエスチョンマークがつく。しかし、それにしても、ちょっとどうなのか、と思うのは、若い時、および年寄りの時だけでなく、歳相応の年代を演じている時も、何か武家の嫁っぽくないのである。いっそのこと、お政を演じた藤井美菜がヒロインをやれば良かったのに、と思うくらいに残念な出来だった。

が、それ以外は、取り立ててクライマックスのない男の人生を上手に、しかも飽きさせずに観せていて、良い意味での日本的な時代劇に仕上がっていたと思う。

ちょっと微妙に感じたのは、息子がお金を無くしてしまったエピソード。拾ったお金について、「落ちているお金を拾うのは物乞いのやること。武士には相応しくないから戻してこい」と一喝するのは良いとして、彼に対して何の解決策も提示しないのはどうか。お金を稼ぐ方法を持っていない子供には、ちょっと負荷が大きすぎるエピソードである。本作は猪山家に伝わる日記や家計簿から再構成したとのことで、このエピソードがどこまで創作なのかはわからないものの、「ちょっと、どうなのかな?」と思わないでもない。そして、それが全体のストーリーの中で比較的重要な位置を占めているだけに、違和感がある。

ただ、このお金を拾うエピソードや、正しいと信じたことをやっていて組織から閑職に回されそうになっても頑張って自分の正義を通すところなど、現代人が失っている精神をしっかりと描いているところが良かった。個人的には、不正をきちんと見抜いていながらそれを摘発できなかった人間に対し、「下っ端では仕方ない」と理解を示すお偉方の姿勢も気に入った。弱者にはやりたくてもできないこともある。それをなんとかしてやるのも、上の人間のやるべきこと。

ともするとデフレ社会の中で森永卓郎や荻原博子あたりの頭の悪い経済アナリストに我田引水されそうな映画だけれど、本質はそんなところにはない。自分の信じた道を貫き通すことの美学を語った映画である。

本来なら満点でも良いと思うけれど、仲間由紀恵の演技全般と、堺雅人の老年期の演技、およびいくつかのエピソードに関する脚本の甘さで減点して☆2つ。

全く余談だが、Yahoo!映画のこの映画の紹介のフォトギャラリーが食べ物の写真ばかりで笑える。  
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2010年12月12日

ノルウェイの森

norw

ヤマトがとんでも作品だったので、この映画もビクビクしながら観に行ったのだけれど、思ったよりもずっときちんと出来ていてびっくりした。亀山千広も駄作ばかりと油断していると時々「それでもボクはやってない」みたいな映画をつくるから困りもの(いつも少林少女やアマルフィみたいなのばっかりだと安心して観に行かずに済ませられるのに)。

さて、ノルウェイの森。小説は初版で読んでいるし、当時僕達の合コンのテーマで必ず挙げられた本だし、ノーベル賞受賞の候補としても挙げられる日本を代表する作家の作品だし(といっても、彼の最高傑作は世界の終りとハードボイルド・ワンダーランドだと思うし、その系列にある「海辺のカフカ」や「1Q84」のような作品の方が彼らしさがあるとは思うけれど)、やはり見逃せない。「ノルウェイの森」が村上春樹の代表作であることも間違いなく、また、この映画を観る人のほとんどが原作を読んでいるであろうことは想像に難くなく(大卒以上で「私は読んでいません」という表明は恥ずかしいのでやめたほうが良い。「こころ」を読んだことがないとか、「吾輩は猫である」を読んだことがないとか、そういうレベルの、無教養の表明だから)、そういう状態においてどう料理するのかが見物だったわけだが。

僕の感想を言えば、非常に忠実に村上春樹カラーを出していたと思う。それから、1970年前後の空気感。これはもうビックリするくらいに忠実で、質感とか、凄かった。多くの人の記憶に残っていて、かつ再現が難しい時代の映画化というのが一番難しいと思うのだけれど(そういう意味では「三丁目の夕日」の方が簡単なはず)、この映画では、僕が観た限りでは違和感はほとんどなかった。だから、最初の30分ぐらいは「すげぇな、良くここまでやったな」と感心しながら観ていた(途中から手抜きになったのではなく、慣れた)。ただ、そういう全てがしっかりしていた中で、登場人物たちがみんなスマートだったのは違和感あり。みんな、もっとぽっちゃりしていたと思う、この時代は。男も女もみんなモデルのように細いのだけが「あれ?」という感じだった。

では、役者たちはどうだったのか、ということになるが、概ね、良い感じだったと思う。ただ、僕の感覚ではレイコさんはもっとおばさんのはずだし、緑はもっと快活だと思う。この二人はその設定自体が非常に重要で、特に緑は「生」の象徴としてワタナベを「死」の世界から引き戻す先導者のはず。そのあたりのバイタリティというか、躍動感というか、そういったものが感じられなかったのは残念だった。端役としては突撃隊が突撃隊っぽくなく、また彼をネタにして笑い飛ばすシークエンスがなかったのは残念。あと、永沢さんとワタナベのグレートギャッツビーのエピソードもなかった。あー、それから、レイコさんの弾くノルウェイの森もそこそこ重要な役割を果たしていたはずなのに、映画では説明もなく、すごくあっさりとしていた。

ストーリーの処理はそれほど無理がなかったけれど、井戸の話と物干し台で火事を見ながらビールを飲む話が欠落してしまったのは惜しい。あれだけの長さの小説を2時間30分程度の映画に押し込むのだから、当然切らなくちゃならない話は色々とあると思うのだけれど、それにしても、である。ただ、そういう味付けをごっそりと削ぎ落したこの作品は、なんかセックスしまくって、人がバタバタ死んでいく、という映画になってしまった感が否めなくもない。

でも、最後の30分ぐらいまでは、「これは、満点でも良いかな?」と思う出来だった。そこから先が減点要素ばかりになってしまったのが残念。ちなみに一番印象に残ったのはハツミさんに問い詰められるシーン。あれは名シーンだ。

以下、ネタバレのため、改行。









まず、直子の自殺の表現。不協和音を大きくかぶせての演出はどうにも好きになれない。彼女は、もっとずっと静かに死んでいったはず。それから、それ以上に惜しいのがラスト。直子との関係にレイコさんと二人でケリをつけ、直子の世界から現実の世界へと戻ってきて、でも迷子になってしまっていて、どこに行ったら良いのかもわからない。そんなときに、一際明るい存在の緑に頼って、電話をかける。彼女の声に導かれて、ふと我に帰り、「僕は今どこにいるのだ?」というセリフにつながる・・・・はずなのに、このラストでは、「どこって、家でしょ?」みたいな感じなのだ。もっと、見知らぬ場所にいて、雑踏の中でみんなワタナベに気を配ることもなくて、そうやって道に迷っていることにすら気が付かない状況で、「あーーーー、僕は今、どこに、どこにいるんだ???ねぇ、どこにいるの?助けてよ、緑!」っていう感じが欲しかった。それが全然感じられなかったってことは、緑のキャラクター付けが甘かったということなのかも知れないんだけれど。原作同様、前篇、後編に分けられたら良かったのにねぇ。

うーーーーん、気分的には☆2つ半あげたいところだけれど、やっぱりラストの仕上げで失敗しちゃった(僕の勝手な解釈なんだけれどね)のは大きな減点かなぁ。ということで、☆2つ。

それにしても、ハツミさん、怖い・・・・  
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2010年12月11日

シュレック フォーエバー

f7c912b4.jpg試写会で2D吹替版を観てきました。

決してつまらなくはないです。が、どうなんだろう、退屈な映画。それは、内容がないから。「ついに最終章」とか、「さらばシュレック」とか、「さらばおときの国」とか、「最強の敵」とか、「最大の危機」とか、煽るだけ煽っているけれど、全然そんな内容じゃない。「これにて最終章」なのは、制作サイドがもうやりたくないってことだけでしょう。「最後の最後にシュレックが教えてくれる、本当に大切なもの」って、全然わかりません。すごく淡白かつありがちで先が見え見えのストーリーなので、そんな大げさな話じゃないです。「まさかまさかの感動と涙」というよりは、「あれだけ煽っておいて、まさかこれでオシマイ?」という感じ。「シリーズ最後の最高傑作」という触れ込みもどうなのかなぁ。

でもね、映像はすごく良かったと思います。非常に綺麗。技術的には素晴らしいと思う。色々書いたのはチラシの宣伝がいい加減だからであって、「今回も楽しい大冒険!」「見落としていた幸せって何?」「さぁ、みんなで遠い遠い国へでかけよう!」ぐらいだったら良かったと思う。風呂敷を広げすぎ。

期待しないで観に行けば、結構楽しめると思う。猫好きにもオススメ。でも、断言するけれど泣くような映画じゃないし、感動もしないと思う。「面白かったねー」っていう映画。あと、暗喩とか、海外の童話ネタが色々と散りばめられているので、日本人の子どもにはちょっと厳しいかも?

米国の子供たちには良いかも。でも、日本の子供にはフィットしないし、大人にはちょっと子供だましすぎる。少なくとも、第一作には遠く及ばないでき。技術以外のところでは、だけど。正直、穴に落ちるまでは眠気との戦いでした。  
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2010年12月06日

フェアウェル さらば、哀しみのスパイ

204d71f2.jpg川越で仕事だったので、川越スカラ座で観てきた。

僕達の世代は東西冷戦の真っ最中に生きてきた人間なので、この映画で描かれていることはほとんど(マッケンロー対ボルグとかも含め)リアルタイムで見てきている。なので、「あぁ、裏ではこんなことが」と思うとなかなかに感慨深い。

孤立無援の状態で自分の信念にしたがって諜報活動を続けるフェアウェルが凄い。そして、ただひとり信用した男の家族の安否がはっきりするまで、自白剤を注射されても口を割らないのも凄い。「俺は無理でも、俺の子供はみることができる」と信じての行動が実際に世界を変えてしまったわけで、フランス人の手によってきちんと彼の人生の記録を残せたのは良かったと思う。

冒頭のシーン、中盤での狼の詩、そしてラストシーン。家族を守る一匹狼の映像が説明的すぎずに良い。

しかし、二人のスパイ、信念に突き動かされた人間と、仕事としてスパイをやっていた人間の末路の対照はなんともやるせない感じ。このあたりが、実話の重みなんだと思う。

ちょっと不思議なのは、ブレジネフ、ゴルバチョフが出てきたのに、KGB議長からブレジネフの後任として書記長になったアンドロポフが全然登場しなかったこと。チェンルネンコが全然出てこないのはわかるとしても(彼はこれといって何もやっていないし、すぐに死んじゃったし)、KGBの高官を扱った政治色の濃い映画でアンドロポフが出てこないのはちょっと違和感がある。

残念なのは邦題の副題。なんだ、このタイトル。せめて「フェアウェル ~ソ連最後のスパイ~」ぐらいにしてくれよ、と思う。

史実を描くには派手な演出は不要。淡々と進んでいく本作はそのあたりに正統を感じる。評価は☆2つ半。「カティンの森」ほどの衝撃や感動はなかったものの、普通に面白かった。  
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2010年12月04日

SPACE BATTLESHIP ヤマト

fa203844.jpgどうせ地雷だろ、と思って斜に構えながら観に行ったのだが、意外や意外、予想よりもずっとまともだった。以下、ちょっとネタバレだけど、どうせみんなストーリー知っているんだからイイよね?

まずいきなりの宇宙戦。あぁ、沖田と古代守のところから行くのね。正統じゃないか。それでその戦闘シーン。おい、エピソードIIIをパクったな?というシーンだけれど、迫力はエピソードIIIの9割減。まず音楽がねー。エピソードIIIは、どん、どん、どん、という低音でいやが上にも盛り上がっていくわけだけど、ヤマトは軽い、軽い。そして戦艦。これがまた軽い。あのさー、パクるなら、もっと頑張ってパクろうよ。相手はもう何年も前の作品ですぜ?技術の進歩を考えればヤマトの方がかっこ良くて当たり前でしょ?うーーーーん残念すぎる。何しろ、戦艦の質感が異常に軽い。もう、エピソードIVの戦艦よりも軽い。もっとさ、なんというのかな、戦艦らしく、そう、アニメの戦艦みたいにカッコ良くできないかな。そんで、何故かガミラスの戦艦は随分と原作と違う。あー、マトリックスの影響ですか?それともエイリアン?ま、どっちでも良いんですが、原作のガミラス艦がカッコ良いのに。それにしても、「前回は通用したのに今回はダメです」「どんどん改良しています」って、なんだよ、それ。相手は14万8000光年の彼方から遊星爆弾をぶち込んでくる科学力の持ち主だよ?かたや、ワープもできず、せいぜい火星のあたりをうろうろしていたくせに、相手の進歩に追いつけないって、ちょっと設定が破綻してない?ま、良いけど。先は長いからね。この程度で突っ込んでいたら映画が終わる前に疲れちゃうよ。っていうか、記憶力が足りなくなるから、じっと我慢。

で、国連宇宙局か何かの長官がいきなり「日本人のみなさん!」って、お前、世界イコール日本かよ!いや、考えてみたら確かに日本人ばっかりだけどさ。

そして、いきなり暴力沙汰を起こす古代。なんだ、この乱暴者。あ、でも、ヤマトの古代もそうだったっけ。許す。それにしても、随分と地下生活の質感が軽い。いや、もうちょっと、ブレードランナーでも、マトリックスでも良いから、あのあたりを参考にできなかったのかなぁ。

そして、ヤマト発進のシーン。見せ場なのに、飛んでくるミサイルが随分とのんびりしている。あのさ、超大型ミサイルが飛んできて欲しいわけ。そして、そこで撃つのは波動砲じゃないでしょ!もう、序盤からいきなりスペシウム光線とか、印籠とか、そんな感じ。ここはさ、主砲だよ、主砲。それで、反動でヤマトがぐぐぐぐって傾くのが格好良いんじゃん!

oogata

あー、アニメのヤマトの発進シーンは格好良かったなぁ。でも、この映画はダメ。いきなり波動砲だもの。「先生、急ぎ過ぎです!」って感じ。あと、波動砲も、波動エンジンを接続するところだけはまぁまぁなんだけれど、波動砲の効果音が!だめ。あの、独特の音が良いんじゃん。それは主砲にも言えるんだけど。ってか、主砲も軽すぎ。そんな、くるんくるん回っちゃだめでしょ。もっと、ぎぎぎぎっぎぎっぎって感じがないと。

で、キムタク。しっかり筋トレしてカッコは良いけど、なんか、何やっても一緒だね、この人。検事とかやっても一緒だし、うーーーん、芸の幅がないんだろうなぁ。ま、良いけど。黒木メイサは結構可愛い。

それでヤマトが発進したと思ったら、すぐにワープ。おい、ワープ、簡単すぎないか?いや、その前に、なんだ、その第一艦橋は。狭い!狭すぎるぞ!第一艦橋!なんか、四畳半か潜水艦みたいじゃないか。もっと、バーーーーーンと広くてさ、真ん中に3Dのホログラムレーダーがあるんだよ。そんで、正面には馬鹿でかいパネル。これじゃぁ、1/4サイズじゃん。それにしても、艦橋内の設備がまた安っぽいねぇ。なんだよ、これ。挙句にコード付きのマイクを手にとって指示してるし。あのさ、2199年でしょ?今から200年後だよ。コード付きのマイクですか?っていうか、なんか、キーボードとか溢れているし、各機材がコードレスじゃないんですけど。200年経っても僕たちはコードから解放されないんですか?大変だなぁ。で、写真を手に取って懐かしがるって、おい、お前ら、本当は1999年なんじゃないか?俺にはわかるぞ!っていうか、なんで舞台を1999年にしなかったんだ、いっそのこと。なんかさー、紙のファイルでマニュアル読んでいたり、なんだそれ、みたいな。せめてiPad使おうよ!

あとさ、ヤマト、身軽すぎ。スターデストロイヤーとかさ、分かっていても衝突しちゃうんだよ、急に進路を変えられないから。それをさ、ヤマトはボクサーみたいに、ひょいって、敵の攻撃を横転して避けるって、なんなの(笑)。あんな勢いで横転したら、中にいる人たちみんな即死するぞ。だって、ものすごい加速度だよ、あれじゃ。もう、「巨大な戦艦」の質感が皆無。見た目も皆無だけれど、挙動も皆無。

ワープが終わったと思ったら今度は波動砲。もう、波動砲安売りしすぎ。あのさ、全編の中で一発でも良かったと思うよ、波動砲。

で、またワープしたと思ったら、もうなんか、銀河の辺境に行ってるの!おい、ちょっと待て、反射衛星砲はどうしたんだよ!!日本が誇る超有名兵器、反射衛星砲はどうした!それがなかったら空間磁力メッキはどうなるんだ??おーーい!頼むよ、マジで。

hansya

で、コスモゼロが何故かX-29のような前進翼になっているんですけど、なんで?っていうか、コスモゼロ、ペコっておじぎするのはこれはマクロスのパクリ?

そして、第三艦橋。切り離したら下に落ちて行くのはなぜ?宇宙空間なのに、なんで下に落ちるの?やめてよ~、ギャグを盛り込むのは。

と思ったら、今度はいきなり古代と雪のラブシーン。すいません、おもいっきり突然だったので、おもいっきり笑ってしまいました。あ、でも、ここは笑うところですよね?僕は間違ったこと、してないよね?だって、雪は、仲間を見殺しにしたことをものすごく悩んでいたんだよ。彼女の部屋へ上司がやってきて、いきなりキスって、そりゃないだろ。その上、キスしたとたんにワープって、なんだそりゃ。あぶないよ、戦闘班長!!!!ワープはそんなに簡単じゃないんだから!!頭ぶつけちゃうよ。前歯折れちゃうよ!

さーーーー、お遊びはこのへんで、いよいよドメル将軍の出番ですね?と思ったら、もうイスカンダルかよ!はやっ!!!近いぞ、14万8000光年!!!!なんか、まだ1時間ぐらいしか経ってないような感じ。普通ならまだ名古屋ぐらいだよ。もうイスカンダル?と思ったら、この星がガミラスかよ!双子の星じゃないのかよ!ってか、そういえばデスラーとスターシアは?あれ?古代守は???

あ、全然別キャラにしたと思って油断していたアナライザー、すげぇ。トランスフォーマーでも見て勉強したのかな?

なあんて思っていたら、今度は真田さんの名台詞、「俺達が向こうへ着いたらおまえは帰れ」って、うわーーーーーー、なんでそれが出てくるの?それは「さらば」の名台詞じゃん!しかも、アニメのほうが格好良いし。声優って偉大だねぇ。「俺達が向こうへ着いたらおまえは帰れ」・・・カッコいいいいいいいいい!!!!でも、映画のセリフ回しは駄目だ。もっと、アニメ見て勉強してくれよ。そこは見せ場なんだから。そして、なぜか斉藤の仁王立ち登場。で、ばたっと倒れるんだけれど、やっぱ軽いよ、軽い。もっとさ、がっしりした奴、いなかったのかなぁ。

あ、それで、ドメル将軍はいないのにドリルミサイルもどきはあるんですね。そんで、その、波動砲に食い込ませたドリルミサイルもどき、なんで外さないの?なんでそのままなの?

なんか、ここらあたりから、設定だけヤマト、セリフはさらば、という感じになってきて、やれやれ感が強くなってくるのだけれど、頑張れ、俺!ここまで頑張ったんだから。

そして、本当なら感動するはずのラスト。だめだ、笑っちゃう。お前、なんで雪をテーブルの上に乗せるんだよ。意味ないし。で、写真を胸に押しこむの。せめてUSBメモリにしてくれよ。情報量、全然違うから。

え、それで、子供できちゃったの?あの、例の、ワープの時?はやっ!っていうか、あんな狭い艦内でやるなよ!

終了。ええええーーーーー、デスラー、出ないの?マジ?デスラーが「ガミラスに下品な男は不要だ」って言わないヤマトって、「坊やだからさ」のシャアが出てこないガンダムみたいだぞ。リサイタルをやるジャイアンが不在のドラえもんみたいだぞ。助さん格さんがいない水戸黄門じゃん!

えっと、音楽は良かった。あと、全体も、思ったよりもまともだったなぁ。もっと、全然ダメだと思っていたんだけれど。で、これ、TBSなんだ。ヤマトなのに。日本テレビだったらなぁ。もっと、さらに良かったかも?っていうか、これはやっぱ、ILMに協力を仰ぐべき作品だったよ。

どうでも良いけど、山崎努って、クロサギでも、おくりびとでも、いつももぐもぐやっているよね(笑)

原作を離れて評価すると、ダメな役者(主役は本当にひどい)、ダメな特撮(本当にひどい)、ダメな設定(本当にひどい)、ダメなストーリー(特に後半)、ダメな音響効果(本当にひどい)、音楽だけは普通、という感じ。

ということで、評価は☆ゼロ。でも、予想よりはずっと頑張った!と思う。褒めるところは・・・・特にない。一番頑張ったのは、一度しか観てないのにこれだけ突っ込んだ僕だな。  
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2010年12月02日

GAMER

livedoorの試写会に当選したので喜んで観てきた。

が、もちろん当選したからって手放しで褒めたりしないのはいつもどおり。

近未来、アバターの代わりに実際の人間を利用して、仮想空間で実在の人間をあやつってセカンドライフを楽しんだり、ゲームをしたり、という時代が舞台設定。この手の映画は殆どの場合で大した話でもないのに小難しい設定を演出や映像で一層わかりにくくするわけで、最近だとインセプションとかがこれに該当する。あと、アバターに仮想空間で頑張ってもらうという設定だと「サロゲート」とか、「サマーウォーズ」とかが該当するわけで、他にも「アバター」では実在の生物を操っているから、色々な部分で既視感バリバリ。

そういうありがちなものをどうやって斬新にするか、というところが製作者の腕の見せ所なんだけれど、まず一つ目が、操るのが実在の人物、ということ。これは設定の部分だけれど、ふーんという感じで、特段目新しい感じではない。だって、「アバター」でもうやっているからね。次に超細切れ映像とハンドカメラ。これ、演出の部分の工夫。ところが、これがもう眠気を誘発しちゃってどうしようもない。物語の中盤ぐらいまでは眠気との戦い。これ、多分演出のせい。それから映像。3Dゲームっぽさを強調した世界観はなるほど、という感じではあるのだけれど、普通にオンライン3Dゲームをやっていると、まぁ、なんか、当たり前な感じ。じゃぁ、ストーリーはどうよ、ということになるのだが、これまた凡庸。古いところだと「エクソシスト」みたいな感じかなぁ。ネタバレせずに説明するのは難しいけれど、ストーリー的にも、あまり新しくない。

なので、90分強という短い映画なのにかなり長く感じてしまう。

じゃぁ、出てくる女の子が美人ぞろいかっていうとそんなこともなく。
はっきり言ってハズレ。つまんない。評価は☆ゼロ。  
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2010年12月01日

君に届け

631947f6.jpg貞子ちゃんと風早君の爽やかな青春もの。多部未華子のキャラクターを上手に料理した佳作。

一番残念なのは、ストーリー的にも、映画的にも、ピークになるはずのエピソードよりもずっと良い話が何故か作品のど真ん中に配置されてしまったこと。もちろんそこで終わるわけでもなく、でもスターウォーズのエピソード5みたいにテンション高めを維持するわけでもなく、二部構成、ツインピークスな映画になってしまった。これなら友達編と恋人編の前後編に分けちゃば良かったと思う。

また、風早君はそうでもなかったけれど(いや、風早君も、ちょっと完全無欠過ぎたかな?そのくせ途中から焦りまくっていたけれど)、貞子ちゃんの演出がかなり過剰で、芝居ならこれで正解だと思うけれど、映画ではやり過ぎ。髪型までが前半と後半で大きく異なるわけで、成長譚としても違和感がある。多部未華子はまゆをひそめるだけでも十分に演技ができるのだから、彼女の演技力をもっと信用してあげて欲しかった。

それから、今時の高校生はみんなあんなもんなのかもしれないけれど、主人公以外のJKがあんまり魅力的じゃない。

が、マイナスポイントはこのくらい。多部未華子は非常に魅力的だし、ついこのあいだ観た典型的手抜き映画「雷桜」では滅茶苦茶だった天気の描写も丁寧。ラストの雪とか、非常に自然だった。登場人物たちの描き方も比較的ちゃんとやっているし、悪役もそれなりに回収されて後味が悪くない。うまく行く奴、行かない奴、良い奴、嫌な奴それぞれにきちんと描かれていたと思う。メインディッシュではないものの「あ、そうだったの?」っていうちょっとしたサプライズもあって、飽きさせない。

日本テレビの映画はサマーウォーズとか、スカイクロラとか、時々当たりがあるから侮れない。

多部未華子さんは映画でも良い味出すけれど、どちらかというと舞台で輝いて欲しいタイプ。今後の活躍に期待したい。

評価は☆2つ半。ただ、映画館で観なくても、ビデオでもそこそこに楽しめると思う。もうすぐ上映終了だから、TSUTAYAの棚に並んだら、どうぞ。  
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2010年11月20日

ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1

6da8e936.jpgあれ?やればできるんじゃん!という感じのハリポタ。

ハリーポッターと謎のプリンスも結構良かったけれど、それよりも本作の方がさらにできが良いと思う。話が唐突じゃないのがまず一番。今までのハリポタって、あー、原作はもっときちんと書きこまれているんだろうなぁ、という印象が強くて、飛ばし過ぎな感じだった。前作はその印象が結構薄くて、本作では全然そういう印象を受けない。って、それは単にパート1、パート2に分けたからか。全部こうすれば良かったのに。お金かかって仕方ないけど。やっぱり、今までの作品は映画としては無理がありすぎたよ。

それで、2作品に分離分割したら随分と余裕ができたみたいで、映画としては非常に良かったと思う。長いけど。いや、長いよね、この映画。なんか、意味もなく(意味が無いように見える(笑))あっち行ったりこっちに来たりしていて、挙句に目標のブツがそれですかー、みたいな展開は全くどうかと思うのですが、児童文学ベースだからこんなものか。それで、そうやってのんびりやっているうちに主人公の3人はすっかり年を取っちゃって、原作では何歳なんだろう?ハマイオニー(ハーマイオニーじゃないよね?)はすっかり美人さんになってしまって、残りの二人は「ありゃりゃ」という感じだけれど、僕にとってはこのシリーズは前々作までハマイオニーを観るだけのものだったので全然問題ない。

え、この登場人物(?)が死んじゃうの?という悲しくてショックな場面もあったけれど、とにかくお気に入りの二人の女の子がそこそこ頑張っていたので許す。

前後編に分かれているからきっと変なところで終わるんだろうなぁ、と思ったら、そんなこともなかった。特に違和感のない終わり方だったと思う。いや、マジで観て損はない。ただ、前作までの復習はもちろん必要。

えっと、それで次はいつなんですかね?来年のGWぐらいですかね?全部忘れちゃいそうなんですが(汗)。

評価は☆2つ、と言いたいところ、エマのちょっと怪しい(?)セミヌードに半分おまけして☆2つ半。  
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2010年11月18日

雷桜

f9685f03.jpg蒼井優さんはいつも良い映画ばかり出ていて、きっと柴咲コウさんや堀北真希さんみたいにろくでもない映画ばかり出ている人は羨ましいんだろうなぁ、と思っていたのですが、蒼井優さんの駄作処女を奪ったのはこの雷桜でしたね。

いやぁ、爆笑ものの酷い映画でした。良くこんな映画を作って恥ずかしくないなぁと感心しちゃいます。今年観た映画は多分今のところ30本ぐらいだと思いますが、断然トップで駄作。これよりダメな映画は思い浮かばない。てぃだかんかんも駄目だったけれど。駄作の女王堀北真希主演の「誰かが私にキスをした」よりも酷い。でもね、観る価値が全くないってわけでもないんですよ。突込みどころ満載だから。突っ込みながら観るには良いかも。

まず、いきなり不自然な森から映画が始まります。あのさー、そういう、原生林みたいなのって、もう日本にはないかも知れないけれど、もうちょっと、なんていうのかな、リアリティを出せないかな。

それから城。なんだ、この城。模型?絵?よくわかんないけど、パースがおかしくない?天守閣と下の方がマッチしてないように見えるんだけれど。

そんで、鷹(ですか?鳶じゃないですよね?)。おーーーーい、もうちょっと、鳥らしく見せろよ。酷い飛びっぷりだぞ(笑)。CGで作るのは構わないんだけれど。

以下、ネタバレは追記に書きます。評価だけ先に書いておくと☆ゼロ。蒼井優さんの手ブラでプラス1しても、やっぱりゼロ(笑)。  続きを読む
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2010年10月10日

ナイト&デイ

0cb16803.jpg僕の持論は「トム・クルーズが出ている映画はろくなものがない」というもの。とはいえ、この間の「ワルキューレ」が意外と悪くなかったこともあって、「もしかしたらなー」と思いつつ観に行ってきた。結論からいうと、実に面白かった。

冒頭のシークエンス、飛行機の中でのシーンを含め、「ロシアより愛をこめて」や、「レイダース失われたアーク」あたりで使われた「パートナーが寝ている間に凄腕の主人公が大活躍」とか、「おとぼけがパートナーが見てないうちに」とか、「ピンチ!さぁ、どうなるんだ」っていうところから何ごともなかったように脱出後のシーンになっているとかが繰り返されるのだけれど、既視感こそあるものの、一つ一つのシーンが楽しい。寝ている間に世界をぐるぐる回っていて、どんだけその睡眠薬は強力なんだ、という気もするし、そのくせ、途中で眠りが浅くなるご都合主義も、こういうお馬鹿映画だと許せる。

こういう良いもん、悪いもんがはっきりしないままにストーリーを引っ張るスパイものとしてはつい最近公開された「ソルト」があるけれど、観終わったときの印象は全く違う。それはなぜかって、一にも、二にも、トムとキャメロンの会話の出来が良いからだと思う。アクションシーンをメインディッシュにした作品なのかも知れないけれど、実際に楽しいのは二人の会話の方。そして、そのとんちんかんな会話が非常に楽しいのだ。アクションがおまけになっているラブコメディ、いい意味でのお馬鹿映画だった。自白剤を飲まされてのシーンとか、爆笑。「ソルト」に比べたら断然こちらの方が面白い。加えて、アクションも手抜きがない。満載、という感じじゃなくて、適度に散りばめられているのも良い。「ソルト」みたいにひっきりなしだとタイトすぎて疲れてしまう。

トムの役どころが「俺って、カッコいいからさ」という、ちょっとヤバげでKYな感じのリアルなトムに重なっているのが良い。普通の役をやってしまうと、「でも、トムだから」ってなってしまうのだけれど、「地でやっているだけ」という感じなので、ぴったりのはまり役。まともな役をやらせるとからっきしダメだけど、バカ女の役をやらせるとそこそこにハマる広末涼子みたいな感じがある。っていうか、それを言うなら広末涼子が和製トム・クルーズなのか。

会話劇になっているので、字幕も大事。トム・クルーズの映画では珍しく松浦美奈さんが字幕だったのも大きい。本当にこの人の字幕は良いよね。

今年観たアクション映画、コメディ映画では一番の出来だと思う。評価は☆3つ。

以下、関連レビュー
ワルキューレ

大いなる陰謀

ソルト  
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2010年09月17日

カラフル

bc3b5672.jpg子供の頃(と言っても、高校生、大学生の頃だけれど)散々遊びまわったニコタマ、等々力渓谷あたりが舞台なので、妙に懐かしい。でも、この映画、あのあたりに土地鑑がない人が見ても面白いのかな?そのあたりは不明。

何かの犯罪を犯して地獄に堕ちる予定の魂がくじで当選してもう一度この世でやり直す試験を受けるのだけれど、その試験というのが自殺した高校生になってもう一度頑張ってみる、というもの。右も左もわからない状態を天使みたいなもののガイドによって乗り越えていくのだけれど・・・・・という社会派(?)のアニメ。

自分が死んだ原因も、自分が乗り移ってみた高校生が死にそうになった原因もわからない中で、徐々に謎解きをしていく、という展開なんだけれど、意外と悪くないできだったりする。ただ、なんというか、登場人物たちがみんなそれぞれにちょっとイッちゃっていて、感情移入しにくい。ときどきちょっと変な奴がいる、ぐらいなら良いのだけれど、どうにもこうにも、みんな変なのだ。

でも、この映画は、そういう映画。あんまり書いてしまうとラストのネタバレになってしまうのでこの辺にしておくけれど、登場人物たちがみんな変な奴なのには理由がある。その理由って言うのが映画のメインテーマだし、タイトルの由来でもあるので、あまり書けない。

普通の俳優を多用しているので、声優って、えらいよなー、というのも再認識できる(それだけならジブリの映画でもできるけれど)。

絶賛まで行かないけれど、悪くない、感じ?ひとつ間違えると「世界で一つだけの花」みたいな展開になりそうなところ、ギリギリで踏みとどまったと思う。そのギリギリ具合、ハラハラドキドキ具合がまた悪くない。

評価は☆1つ半。  
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2010年09月04日

おにいちゃんのハナビ

7e7989d7.jpg九段会館での試写会で鑑賞。

白血病で余命いくばくもない妹と兄。あぁ、「赤い疑惑」ですね、と思ったら違った。

しかし、もう、冒頭からいきなり「うわぁ、難病」という感じなので、ストーリーがいきなり読めてしまう。「いつカツラが飛ぶんだろう」「いつこの子は再入院するんだろう」みたいな感じで、予定通りに調和していくのを楽しむ展開。しかし、それでもなお、なんとなく泣けてきてはしまう。いや、これは、もうどうしようもないことだ。だって、徹頭徹尾、観る人間を泣かせようとしているんだもの。でも、そのための手法がどうなのか。ちょっと演出過多のところがあったと思う。だんだん精気を取り戻す兄と、だんだん弱っていく妹、その対照がまずちょっと過剰だったような。主役の二人は演技はそこそこに上手だったと思うけれど、どうも北の国からの純と蛍に重なるようなところもあって(駄目兄とできた妹)、ストーリーの凡庸さと相まってなんだかとっても既視感がある。

それでいて、白血病なのに最初から最後まで一般病棟にいる妹もなんだかちょっと変な感じだ。それに、妹はどうしてそんなにいつまでもツルッパゲなの?抗がん剤治療でツルッパゲになるのはもちろん分かるけれど、それはあくまでも治療している期間だけ。退院するほど寛解したのなら、比較的早い段階で生えてくるでしょう。父親を白血病で亡くしている僕としてはなんかディテールにリアリティが感じられなかった。まぁ、新潟の方ではああいう感じで治療するのかも知れないけれど。

最初からラストまで湿っぽい映画なのは良いのだが、やはり最後の見せ場は花火である。と、こ、ろ、が、うーーーーーーん、花火がこんな感じかぁ。これ、合成じゃなくて生花火なのかな?スクリーンのせいかも知れない(九段会館だから)けれど、どうにも花火がきれいじゃない。いや、やっぱり、花火とか、オーロラとかを小さめのスクリーンで表現しようっていうのがそもそもの間違いなのかも?

別に、ツマラナイ映画ではない。泣けない映画でもない。役者も別に下手じゃない。撮影や表現の方法も無難だ。でも、何かが足りない。それが何なのか。そうか、登場人物たちの苦悩が全然描かれていないからだ。だから、ただ泣けるだけの映画になってしまっているんだと思う。

「なんか、おもいっきり泣きたいな」という人にはお薦め。あと、新潟に彼女と花火を観に行きたいと思っている人なら、デートでこの映画に誘うと吉。ただし、この映画を観てから新潟の花火までは約1年(笑)。  
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2010年08月31日

BECK

e81a2fb1.jpg日本テレビ制作ということであまり期待できず、さらに20世紀少年でイマイチだった堤幸彦監督ということでさらに期待できなかったこの作品。原作は未読で試写会で観てきた。

この手のバンドものとしてはつい最近も「ソラニン」があったわけだけれど、同じように漫画原作でも、観終わった印象は随分と違う。それはソラニンが「神田川」の現代版みたいな貧乏な男女の恋愛を描いたものだったのに対して、この映画はスポコンモノみたいな仕上がりだったからだ。スポコン的音楽ものとしてはこれまた漫画原作のデトロイトメタルシティがあるのだけれど、あれともまたちょっと違うテースト。いじめられっ子が頑張る、みたいなのはこれまたつい最近のベスト・キッドみたいでもあり(でも、原作はこの間のベスト・キッドよりも古く、でもでも、この間のベスト・キッドはリメイクであって、オリジナルはBECKの原作漫画よりもさらに古いのだけれど)、何か新しいものがあるという感じではない。

それにしても、2000年代って音楽ものの漫画が大流行だったんだね。

ルシールというギターの設定はあまりにも漫画的だし、レオン・サイクスが日本においても米国ギャングばりに振舞うのも何か違和感がある。ライバルのビジュアル系がつんくみたいだったり、敵役プロデューサーの中村獅童がこれまたステレオタイプの嫌なやつだったり、そのあたりの脚本の作りがなんとも漫画チック。原作が漫画なのだから当たり前か(^^;

一番の笑いどころは松下由樹が「こんなに変わっちゃって」と感慨深く語るところ。それは僕もそう思うよ。随分貫禄がついたねぇ、松下由樹さんも。すっかり松坂慶子さんみたいになって。でもまぁ、メリル・ストリープだって、今はね・・・・・。

で、映画ですよ。こういった音楽ものは、演奏シーンをどう仕上げるかがひとつの注目点。ヘタはヘタなりに役者にやってみさせるのか、吹き替えを使うのか。この作品ではコユキの歌唱力というのがひとつの注目点だったわけだけれど、ここは巧妙にごまかしていた。ごまかしていたけれど、これは逃げだよね。「ウォーク・ザ・ライン」のホアキン・フェニックスやリース・ウィザースプーンは全部自分で歌っていたじゃん。こういう見せ方も確かにありだとは思うけれど、こうやって逃げてしまったところで「なぁんだ、イケメンのアイドルを使っただけの音楽映画か」ってことになっちゃう。佐藤健の他の演技がなかなか良かっただけに、非常にもったいない。バンドメンバーで良い味を出していたのは向井理。この映画での設定年齢と、彼の実年齢って10歳ぐらい差がありそうだけれど、そんなのをすっ飛ばしてクールでカッコいい大人のベーシストを演じていたと思う。

あと、良かったのは、忽那汐里。なんでオーストラリア英語をしゃべるんだろうって思ったら、オーストラリアからの帰国子女なんだね。その特技を上手に生かしていたと思うし、こういう、堀北真希的な、ちょっと顔のパーツが中央に寄った感じの顔が好きなので、その点で楽しめた。でも、兄貴はなぜか普通の英語を喋っていて変だったけれど、と思ってウィキペディアを見たら、水嶋ヒロも帰国子女なのか。しかもスイス。そのあと桐蔭学園入学って、じゃぁ、織田裕二とデーモン小暮閣下の後輩ですか。なるほど。ってどうでも良いけど。

ということで、いわゆる青春ものとしては、結構楽しめるできだと思う。色々と詰め込まれてはいたけれど、2時間20分程度のやや長めの尺にできたのも良かったと思う。普通、テレビ局が背後につくと2時間で収めようとか、2時間23分に収めようとか(ともにCMを含んで)考えてしまいそうなものだけれど、この映画はそこんところ、プロデュースする人が頑張ったみたい。えらい。

松下由樹の貫禄に☆ひとつ減、忽那汐里の可愛さに☆ひとつ増、ボーカルの処理の方法で☆ひとつ減、トータルでは☆1つ半。  
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2010年08月20日

処刑人II

ブロガー限定の試写会に応募したら当たったので観てきました。この試写会に応募した理由は一つめにソニー・ピクチャーズの特別試写室での鑑賞だったということ。もう一つがブルーレイを使った上映だということ。

どこの特別試写室に行っても音響は良いし画像もなかなかなので、ちょっと行ってみたかったのと、ブルーレイの映像ってどのくらい細密なのかなぁ、というのに興味があった。ということで、映画の内容にはそれほど興味がなかったのだけれど、結構楽しみだった。

さて、映画の評価なんだけれど、日本の定番アイテム「必殺仕事人」を現代の米国に持ってきた、というお話。それにミッション・インポッシブルの風味をプラスした感じなんだけれど、どこがどう、と詳しく書くとネタバレになるから自粛。そんなお話をコメディタッチで描いていく、というものなんだけれど、最初はともかく、途中から完全に内輪受けモード全開。「俺達のやっていることのおかしさ、わかるよね??」という感じなので、「わかるよ、わかるよ!」という好意的なお客さんには受けるんだろうけれど、僕は好意的なお客さんじゃないので、あんまりわからない(笑)。

バンバン拳銃をぶっ放すシーンとかも、スローでたっぷり見せるだけでは足りず、わざわざ「スロービデオでもう一度」というサービスっぷり。「ほら、良くみて。こうだったんだよ」って、裏でソニーの人がスローで再再生したんじゃないよね(笑)?で、そのぶっ放すシーンがあんまり格好良くない。

そもそも、出てくる悪役たちの悪役っぷりが全然描かれないので、「えーーーー???これで蜂の巣にしちゃうの???」と感じちゃう。やっぱ、「お主も悪よのう〜」みたいなのがないと、「そりゃ、仕方ないよね」って思えない。

処刑人側のキャラがそこそこに面白くてぶっ飛んでいるのはナイスなんだけれど、ドリフのコメディは20分で終了するから飽きないのであって、映画で2時間観させられるのは正直つらい。寝不足だったら多分寝ちゃうレベルだと思う。

とりあえず、ブルーレイを購入するなら一作目とセット販売の奴が良いと思う。じゃないと、登場人物たちの人間関係が全然把握できなくなると思う。

評価は☆半分。

ついでにインフラについての雑感。ソニー・ピクチャーズ特別試写室はなかなか良い感じだった。今度はブルーレイじゃなくて、普通のデジタルシネマを観てみたい。最近だと、ソニー・ピクチャーズの映画だとソルト、ベスト・キッドあたりを観たけれど、ああいうのをここで観ることが出来ていたらナイスだったなー、と思う。いや、ソルトはつまんなかったけれど。今度来る「食べて、祈って、恋をして」とか、観せて(笑)。ブルーレイなら、アイアンマンシリーズとか、クレイマー・クレイマーとか、スパイダーマンシリーズとか(ブルーレイ未発売だけれど)、未知との遭遇ファイナルカット版とか(これもブルーレイ未発売だけれど)、ここで観たい。ディスクを持っていったら観させてくれるとかなら良いのになー(笑)。

本音で言えばこちらの映像オタクさんが褒めているディスクを観てみたいんだけれど、ソニーの商品ってあんまり取り上げられていないんですよね・・・・。

映像オタクの日記帳

いや、このブログのブログ主さんはソニー大好きな方で、ソニーのプレイヤーとかは色々言及されているんですが、ソニー・ピクチャーズの製品があんまり・・・・。あとでよーく調べてみよう。

ブロガー限定の試写会ということで、もちろんプロモーションも兼ねているイベント。「下のバナーをブログに貼ってね」とのオーダーあり。多分、「ブロガー試写会って、こんなに効果があるんですよ!」という代理店(あるいはライブドア)の宣伝資料になるはずなので、この映画のディスクを買う予定の人は是非以下のリンクからどうぞ。効果があれば、また試写会やってくれるからねー(^^

shokeinin_lvd

amazonで処刑人IIを買う

ライブドアは、以前川崎のIMAXのときも当たったんだけれど、その時はどうしても抜けられない用事が入ってしまって観に行くことができず、すげぇ残念だった(今や、3Dは川崎以外では観ない僕ですが)。あれ?96時間の試写会もライブドアだったっけ?新橋のスペースFS汐留ホールでやった奴だけれど、あれも凄い良かった。またこんなのやって欲しい。お世辞じゃなくて。

#映画は褒めてないな(苦笑)  
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2010年08月11日

ソルト

79ae5ce6.jpg最初から最後まで、「え?どういうこと?」と観客に思わせながらストーリーが展開されていくので、序盤を含め、何を書いてもネタバレになる。そういう意味では非常にレビューが書きにくい映画である。ピンチの連続をくぐり抜けていく、という意味ではインディ・ジョーンズのようでもあり、でもオカルトとかは出てこないから、それなら007シリーズか、というと凄い秘密兵器やボンドガールが出てくるわけでもなく、つまりはインディ・ジョーンズからオカルトを抜いて、007から秘密兵器を除いたような映画。その代わりに加味されたものは・・・・・・・・・・うーーーーーーーーーん。特にない。

同じような映画として最近だと96時間みたいなのがあったと思うのだけれど、あちらは頑張る行動原理が分かっていた分、楽しめた。本作はそのあたりを謎にしていたので、ただただ無味乾燥なアクションが続いてしまった。

アンジェリーナ・ジョリーのファンだったら良いかも。

あ、あと、音楽がうるさいです。

ということで、ここから先はネタバレレビュー。もちろん一定の配慮はするけれど、ネタバレが気になる人はさようなら。評価は☆1つ半です。  続きを読む
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2010年08月09日

インセプション

物事をこ難しく作って、難解に見せて、その実あんまり大したことはやってないので、先に進むにつれて論理的ではなく、感覚的に理解していくことができる。そんな作りって、芝居には良くある。小説でも珍しくない。でも、映画ではあんまり記憶にない。それはやっぱり、映画に含まれる情報の量が多いからで、物事を複雑に見せることが難しいからなんだと思う。例えば、京極夏彦さんの「姑獲鳥の夏」とか、小説なら成立しても、映画で表現するのは凄く難しいし、同じように殊能将之さんの「ハサミ男」とかも映画にするのは難しい。というか、両方共失敗していた。

映画「姑獲鳥の夏」のレビュー
http://blog.livedoor.jp/buu2/archives/50015613.html

映画「ハサミ男」のレビュー
http://blog.livedoor.jp/buu2/archives/18183202.html

それで、この作品はというと、特撮をフル活用して、簡単っぽいことを物凄く難しいことのように説明して、煙に巻くような感じ。だから、最後まで観るとなんとなくスッキリして、「面白かった!」と感じるのかも知れない。でも、どうなんだろう。難しく観せすぎのような気がする。「混乱させてやろう」という意図が強すぎるような。

最近だと、マトリックスの一作目とかが似たような雰囲気。マトリックスは二作目、三作目で謎解きをほぼ完全にやってしまい、三部作が完結してみると、「あぁ、なるほどね」ということになるわけだが、この作品も続編が出来てくると色々と起きてくるのかも?

大体、設計士とか、大層な感じで出てきたものの、何をやったのか良く分からないし。渡辺謙の役どころも意味不明。そんなことやって、そいつがすげぇ能力発揮したら、お前の会社はライバルが二倍だぞ、みたいな感じだし。そして、最もいただけないのはデカプリオ演じる主役が、一体どういうところに傑出しているのかがさっぱり分からないことだ。抜群に寝付きがいいのかな?そういうこと?それで、どのあたりがスーパーなのか良く分からない一方で、物凄く大きな弱点を抱えているわけで、おかげでみんなピンチの連続って、みんなマゾですか?

あと、どうせ夢の世界なんだから、もっと武器とか派手にガンガンやれば良いと思う。もちろん、夢と気がつかれない範囲で、だけれど。

加えて、この映画で気になったのは音楽。全編通じて物凄く派手な音楽が鳴りっぱなし。おかげで音に対して食傷気味になっちゃった。米国の映画は日本の映画に比較して音楽の量が多いけれど、この映画は特に気になった。おかげで本当の夢の中に入っていかずに済んだんだけれど。

夢の中で戦う、というコンセプトは凄く面白いんだけれど、そこに惚れすぎた感じで、他の部分がかなりおろそかになっちゃっていたと思う。評価は☆1つ半。長い映画で、眠気が吹っ飛ぶのは最後の15分ぐらいだけ、というのがちょっと辛かった。  
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2010年07月29日

告白

d761096d.jpg小説を読んだので、映画も見てみた。

基本的に、原作に忠実なつくり。細かいところで変更があるけれど、ほとんど原作通りと言っても良い。原作は複数の人間がそれぞれ自分の視点から語る方法だったけれど、映画になって、ここはほぼ時系列に沿った形に組み替えられている。この組み替えが非常に上手で、結果として馬鹿にできない映画になったと思う。

一方で、映画らしさの主張を映像表現に求めた部分があるのだが、こちらに関してはちょっとどうなのか。生徒たちが泥水の中を走っていくシーンとか、空のシーンとか、ストーリー的には意味のないシーンがあちこちで挿入されるのだ。そういった映像で作品に深みが出るという考え方もあるのだろう。こういう昔のフランス映画のような演出は好みが分かれるところだけれど、僕は好きではない。また、逆回り時計を使った映像表現もどうなんだろう。「ほら、これは小説とは違うんだよ。映画らしさを感じて」みたいな押し付けがましさを感じてしまう。そういうものがなくても、映画らしさというのはアピールできるはずである。もちろん、そういう、押し付けがましくない映画らしさなどもあったとは思う。黒板に「命」と書く場面などはその代表。

役者で良かったのは松たか子と木村佳乃のふたり。松たか子は野田秀樹の演劇で何度も観ているので、彼女の演技力が非常に高いのは知っていた。彼女の演技はどちらかというと舞台よりも映画向きなので、今回は非常に良い役を手に入れたと思う。内に潜む狂気を目で伝える、という役どころをしっかりとこなしていた。木村佳乃が芸達者なのも周知のことなので、この映画での演技も全く不思議ではない。これらの役者の、持ち前の才能をきちんと引き出した演出力も評価されるべきだと思う。

原作がそこそこに勢いのあるもので、それを映像化しているのだから、どうしても原作との比較になる。しかし、原作のイメージを違和感なく映像化したという点で、良い映画なんだと思う。

評価は☆2つ半。松たか子、木村佳乃の二人はそれぞれ年末の賞候補。

原作のレビューはこちら
  
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2010年07月28日

ベスト・キッド

4920deae.jpg試写会が当たったときは、正直「微妙な映画が当たっちゃったな」と思った。試写会に当たらなかったら、多分見なかったと思う。

と、こ、ろ、が、これが、アタリ。個人的には超スイートスポットだった。

あ、でも、僕は「風が強く吹いている」みたいなスポ根モノが結構好きなので、そのあたりは割り引いてもらったほうが良いのかも知れない。

ストーリーは非常にありがち。米国から中国に引っ越してきたいじめられっ子をジャッキーがトレーニングして、カンフーのトーナメントに出場させる、というもの。年を取ってすっかり体がなまってしまったように見えるジャッキーが、ちゃんと年齢なりの存在感なのが凄い。そして、子役たち。どれもこれも、子供のくせに(?)芸達者。大会やトレーニングのシーンはどこまで特撮使っているんだろう。生身の体であれだけやっていたらそれはそれで凄い。

いや、子供が頑張る映画って言うのはちょっとインチキっていうか、それだけで評価が上がっちゃうところがあるので、逆に構えて観ちゃうところがあるんだけれど、それにしても、良かった。最後の決勝戦が、また凄く良い。あぁ、そう来たかー、という感じ。いや、本当に鳥肌が立った。感心した。感動もした。

実はリメイクされた最初のバージョンをもう覚えていない。だから、以前と比較してどうの、こうの、とはコメントできない。でも、比較なんかしなくても良いと思う。と、言いつつ、「あぁ、ここは前作では格好良く、こうやったんだろうな」というシーンとかもあったけれど。

完全無欠で大絶賛か、というとそんなこともなくて、敵方の監督というのがちょっといかにもな感じで、やり過ぎ。そこまでやっちゃうと、ちょっとどうなの?と思ってしまう。スポーツなんだから、もうちょっと爽やかに行っても良かったと思う。あと、いじめられるシーンとかはちょっと冗長だった気もする。早く出てきて師匠!って思わないでもない。

でも、全編通じて飽きさせないし、ところどころに盛り込まれる笑いも感じの良いものばかり。そして、最後の仕上げにいたるまで、非常に良くできていると思う。隣国なのにあまり馴染みがない北京の風景なんかも「へぇ〜」という感じ。今年観た映画の中ではかなり上位に来る。ぜひ、映画館でどうぞ。僕も時間があればもう一回ぐらい、もっとちゃんとした映画館で観てこようと思う。

それより何より、「日頃からもっとトレーニングして、あんな体になろう!」って思った。

評価は☆3つ。  
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2010年07月20日

トイ・ストーリー3

4f4477a3.jpgちょうど同じ時期に日米を代表するアニメ映画会社が作品を出してきて、しかも双方にはおもちゃと小人という、非常に低い視点を持つ主人公という共通点があり、どうしても比較してしまうところ。ということで、二日続きで両作品を観てみた。トイ・ストーリー3については川崎の109でIMAXをK-21(エグゼクティブシート)で鑑賞。

借りぐらしのアリエッティのレビューはこちら

結論から言ってしまえば、両者の対決の結果はトイ・ストーリーの圧勝。トイ・ストーリー3にはほとんどどこにも欠点が見つからない。

アリエッティでは「ジブリってこんな感じで音を使うんだったっけ?」と不思議に思ったけれど、トイ・ストーリーではそもそも音の存在自体を気にすることがなかった。つまり、完全に映画と一体化していたということ。違和感がない、これが全てだと思う。

同じようなことは映画の作りにも言える。アリエッティは2D。一方のトイ・ストーリーは3D。普通に考えれば2Dの方が圧倒的に有利なはず。なぜなら、今までに色々な知見が蓄積されているからだ。3D映画はまだようやく普及してきた段階。本格的になってきたのはこの1年ぐらいの話である。ところが、トイ・ストーリー3の3Dは見事の一言に尽きる出来。アバターやアリスでは時々3D感が失われることがあったし、宣伝で見たトロンなんかでも時々焦点が合わなくなったりしたのだけれど、この作品ではそういうことがほとんどなかった。しかも、最初から最後まで、映像面で違和感を感じることが全くなかった。アリエッティはアリエッティで、それなりにチャレンジをしていたのだと思うので、ひとつの土俵でこれらを語ることはできないけれど、3D映像の美しさや完成度といったところでも、トイ・ストーリー3の出来は出色だったと思う。普段は普通の人形だけれど、人の目がなくなると動き出すおもちゃというのが物凄く丁寧に作られていたし、その一方で生身の人間、特に小さな女の子の表情の見事なこと。2Dの方が色はきれいかもしれないし、グリグリに飛び出すという感じでもないのだけれど、「適度に3D」というところがまた良い。

内容も、トイ・ストーリー3の圧勝。「トイ・ストーリー」のウッディからは随分とキャラが変わってしまったが(笑)、この作品ひとつで見れば大活躍。最後の機転の働かせ方まで、どこにも突っ込みどころがない。そして、子供の成長をおもちゃの視点から見事に描いている。

ラストの雲の形が昔のアンディの部屋の壁紙と一緒だったり、例によって色々と細かいところに無駄な(笑?)工夫を凝らしているのだけれど、そんなことには全然気がつかなくても楽しめる。

本作にはトトロが出てきたし(権利にうるさいジブリとしては珍しいというか、記憶にない)、仲良しの両者っぽく、スペシャルサンクスでToshio Suzukiの名前が出てきたりもしていたけれど、「トイ・ストーリー」でははるか後ろ、「トイ・ストーリー2」でもかなり後ろにいたはずのPIXARは、ここ数年で「どうも、ジブリより先に行っているような気がする」という感じだった。そして、本作ではジブリの大分先に行ってしまったようだ。

ところでIMAXのゴーグル、新しく大きくなったのかな?眼鏡の上から使っても全然余裕だった。ゆったり。唯一残念なのは、字幕版IMAXがないこと。映画の中の文字を変更したりしなくちゃならないから、色々と面倒なのかなぁ。

どうでも良いけれど、チンパンジーが怖い(笑)

評価は文句なく☆3つ。今年のまにあなシネマ賞最優秀賞の有力候補。
於109シネマズ川崎シアター7 K-21

以下、ネタバレ注意。  続きを読む
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2010年07月19日

借りぐらしのアリエッティ

ec4aa290.jpgこのところ、ちょっと調子がわるいんじゃないの?と思っているジブリだけれど、新作だからもちろん観てきた。あれ?ジブリって、こういう芸風だったっけ?

まず、絵の作り。水彩画のような背景にセル画のような人物を重ねている。実際には人物だけじゃなくて、ダンゴムシも、猫も、葉っぱも、動きのあるもの、動くものは全部ベタっとしたカラーリング。そして、動かないものは水彩画。この取り合わせがかなり違和感があるんだけれど、ジブリって前からこういう手法を採用していたっけ?なんか、初期のPIXARの3DCGアニメのような違和感がずっとつきまとった。水彩画の部分の出来が良いから一層そんな感じ。印象派の絵にセル画を乗せているような。

それから、音。もう最初から最後まで音の洪水みたいな感じ。サラウンドがきちんとしてきた劇場に対応したということなんだろうか。四方八方から音が押し寄せてくる。BGMはかなりの頻度で鳴りっぱなしだし、効果音もかなり大きめでサラウンド感も強調している。正直、ちょっと押し付けが強い演出だと思った。でもまぁ、ルーカスの映画とかだとジョン・ウィリアムズの音楽が鳴りっぱなしなわけで、洋画に近づけたという感じなのかも知れない。とにかく、間とか、静寂とか、そういうのを大事にする日本の映画の作りとはかなりかけ離れた感じ。それが良いとか、悪いとかではなく、単に違和感を感じる。また、小人から見た巨人の音をやや低めにして、音によっても大きさの違いを見せていたんだけれど、なぜかこれが最初だけ。これについてはずっとやれば良いのになぁ、と思った。

ジブリらしさといえば、小動物の視点で世の中の森羅万象を描いた点だろうか。大人の視点よりはずっと子供の視点の方が低いわけだけれど、さらにずっと低い小人の視点。これによって、人間が日常生活で無視しているあんなことやこんなことに気付かせてくれる。そのあたり演出力は「あぁ、ジブリ」という感じ。

最近のジブリで顕著な説教臭さはかなり抑えめ。無理に解釈すれば「これはこういうことを言いたいんだろうな」などと考えることは出来るのだけれど、あんまり難しいことを考えない方が楽しめると思う。

#ラストについてのネタバレは追記に書くことにする。

全体を通じて感じるある種の懐かしさみたいなのは非常に評価が高いと思う。実は僕は「マイマイ新子」でみんながそういう評価をしているのを読んでいてどうもピンと来なかったのだけれど、この作品については、何か最初から最後まで、懐かしい感じがしていた。そういう、ちょっと不思議な体験をさせてくれたところは高く評価したい。いや、だからこそ、「え?これで終わっちゃうの?」と思うのである。

以下、ネタバレの感想。大したことは書かないけれど、この映画をきちんと楽しみたいなら読まないことをお勧めします。

評価は☆2つ。

(於大泉シアター4、H-11)  続きを読む
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2010年07月03日

ヒックとドラゴン

4f21c778.jpg九段会館で、吹き替え2D版の試写会を鑑賞。

いきなり「ヒックとドラゴン」というわけのわからない邦題にげんなりさせられる。といっても、この邦題については「ショウ・ビズ・カウントダウン」などで知ってはいたのだけれど。出てくる男の子とドラゴンはHICCUPとトゥースレス(歯なし)で、映画を観ればなるほど、という仕掛け。でも、ヒックとドラゴンじゃ全然わからない。しかも、ドラゴンの名前はトゥースになっている。意味が逆じゃん。「どうせ子供は英語なんか分からないんだから」という、日本語製作者達の人を馬鹿にした顔が目に浮かぶ。もう、普通にみんな英語を勉強しているんだから、How to Train Your Dragonで十分じゃない?わかんないなら英語を勉強すれば良いじゃん。

さて、映画の方はドラゴンと男の子の交流というもので、プロット自体は日本では散々アニメで扱われたことのあるものだし、実写映画でも最近なら「アバター」で描かれたもの。アバターも実写版というよりは実写のように見せたアニメと言っても良い作品だけれど、アバターを子供向けにアニメにしたらこうなりました、といった感じである。

映画は少年ヒックのひとり語りが中心で、交流するドラゴンはヒトコトもしゃべらないから、結果としてヒックがずっと喋っていることになる。この構成はもうちょっと何とかならないものだろうか。登場人物は他にも数名の主要な人物が出てくるものの、完全に脇役。おかげで映画は短くなったが、物語の深みはなくなってしまった。同じように登場人物が物凄く少なかった「WALL・E/ウォーリー」に比較するとどういうわけか本作の方がかなり軽く感じられるのだけれど、それは中途半端に出てきたパパやライバルのせいなのかも知れない。ドラゴンの中のドラゴン、Night Furyがイマイチえらい感じじゃないのもどうなんだろう。誰も見たことすらない凄い奴、って感じがしない。

本作で最大の見せ場となるのはおそらくは飛翔シーン。ところが、この飛翔シーンがいまひとつなのもちょっと残念。へたくそとは言わないが、標準レベルで収まってしまっていて、躍動感のようなものがないのを背景でごまかしている。飛翔シーンだけで言えばちょっと前なら2年前のスカイ・クロラ、最近なら上に挙げたアバターなどの方がずっと出来が良いと思う。

アニメの中で空を飛ばす演出力というのはやはり日本人なんだろうか。

トータルで見れば悪い映画じゃないし、中だるみはあるものの、十分に楽しめる。子供向け映画や教育映画、どうぶつ映画には物凄く評価が甘くなるYahoo!映画やぴあの映画生活ではきっと高評価になると思う。しかし、ピクサーに比較しても、また、日本のアニメと比較しても、ちょっと落ちるといわざるを得ないのもまた事実。5作以上続いている児童文学の1冊目ということで、これからも続きが映画化されるんだと思う。だから、最初の一作目のできには目をつぶろう。次からは、もうちょっとピクサーに迫って欲しい。

ちなみに、3Dや字幕で観たら、また違った感想になるかも知れない。評価は☆2つ。  
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2010年06月19日

ザ・ロード

e5e12d15.jpg文明が滅んでしまったあとの父と子の放浪を描いた映画。終末映画は色々あるけれど、その中ではちょっと異色の内容。人間を残してほとんどの動植物が死滅しており、生存者も非常に少ないという状況。その中で多くの人は生きることに絶望し、自ら命を絶っている。残った人間たちは貴重なタンパク源として人間同士で狩りを始める有様。ゾンビ化してないのに人を食っているのだ。そんな中、南に行けば何かあるのではないかと命がけで歩き続ける親子、というストーリー。

文明が短期間で滅んでしまった原因とかは全然明らかにされないのだけれど、そのあたりは本題ではないのでどうでも良い所。要は、そういう絶望的な状況にあって、人間はどうなっていくのか、その中で生き抜いていくことの難しさ、そして親子の愛情などを描いているのだけれど、何しろストーリーが平坦で、起きる事件がどれもこれも似たようなものばかり。抑揚がなく、単調で、そして彩度の低い映像がずっと続くので、正直なところかなり眠くなる。ワールドカップのせいで寝不足、とかだと前半で意識を失う可能性が非常に高い。途中からややサスペンス調になってくるので、徐々に眠気は感じなくなってくるのだけれど、それもつかの間、やっと盛り上がってきたところで映画は終了してしまう。

ストーリーが破綻しているわけでもなく、親子の役者の演技は見事なんだけれど、端的に表現するとつまらない映画だと思う。同じことを表現するにしても、他にも色々なやり方があると思う。そして、こういう手法はイマイチ好きになれない。

ところで、東側の海岸を歩いて南下しているはずなのに、何故か右側に海という状況で歩いている親子。右側に海があったら、歩いている方向は北のような気がするんだけれど、気のせい?

試写会で鑑賞。評価は☆半分。  
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2010年06月14日

アイアンマン2

cc1bc769.jpg御気楽極楽ヒーロー物のアイアンマンの続編。

衝撃の第一作の評価はこちら

一作目があまりにも良かったので、ちょっと不安になっちゃうようなところがあった本作。でも、相変わらずのハイテンション。さすがに前作ほどのスピード感はなかったけれど、それでも標準以上なのは間違いない。

なぜか場内はそれほど笑い声が聞こえなかったんだけれど、細かい笑いが随所に散りばめられていて、そのあたりが007的に楽しめる。

前作から魅力的だった登場人物は本作でも変わらず魅力的。ロバートのおちゃらけぶり、グウィネスの有能っぷりは本作でも健在だし、新しいキャラも良い。ミッキー・ロークは天才物理学者のはずなんだけれど、総合格闘技に出てきてもおかしくない容貌で、しかも強い。謎の美女のスカーレットもマトリックスのトリニティも真っ青の強さ。このあたりがぐいぐい映画を引っ張っていくので、あっという間に終わってしまう。

アメコミの映画化というとなんか悩みが深い主人公たちがいつも眉間にシワを寄せている。本作のトニーもそれなりに悩みは抱えているものの、表面的にはそれを見せようとしない。そのあたりのナルシストぶりもナイス。

レースシーンはもうちょっと迫力が出たら良かったのに、と思ったけれど、「モナコでのロケが突然キャンセルされてロスの駐車場で撮影」と今さっきやっていたショウビズカウントダウンで秀島史香女史が語っていたので、まぁ仕方ないのかな。

前作同様、エンドロールの後におまけがついているのだけれど、前作では「おまけがあります」と表示されたサービスが本作ではなし。半分ぐらいの客がそれを観ずに帰っていった。まぁ、観なくてもどうってことないんだけれどね。

前作を観てないと楽しめないと思うので、未見ならツタヤへゴーって感じ。「アイアンマン」は傑作なので、借りても損はしないと思う。

評価は☆2つ半だけれど、グウィネスとスカーレットが好きなので半分おまけして☆3つ。

あぁー、それにしても、ああいう秘書が欲しい。ほんとに、どこかにいないかなー。

余談だけれど、「ら」抜き言葉を使うような人間は字幕を書いちゃダメだと思う。  
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2010年06月02日

プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂

31da9356.jpgハムナプトラみたいな特撮グリグリの映画かと思ったらさにあらず。わりと西洋チャンバラって感じだった。短いカットとスローモーションを多用して戦闘をスピーディかつメリハリのあるものにしていた。が、忍者や殺陣を散々見てきている日本人にはちょっとどうなのかなぁ。

舞台が砂漠ってことでレイダースっぽいなぁ、と思っていたら、最初から最後まで「レイダース」っぽかったけれど、最後の最後だけ、「レイダース」より突っ込みというか、ひとひねりがあった。

どうしてそこへ戻るの!みたいなお約束のご都合主義はあるものの、勢いで最後まで観せてしまうのはさすがという感じ。というか、最後だけ盛り上がって、それまではちょっと間延びした感じではあった。

街の景色とか、衣装とかは結構気合いが入っていて、安っぽい感じは受けなかった。

それにしても、米国人はこういう自虐的な映画を作りたがる。強力な武器を敵に横流ししているとの情報を受けて小国に攻め入り、「どこかにあるはずだ!」とアチラコチラを探しまわる、みたいな話はそのまんま米国がイラクを相手に展開したもので、それをチクリチクリと批判するのは構わないけれど、アバターを典型として、どうにもそういう趣向の映画が多すぎる感じ。

正直、途中は眠くなったんだけれど、どうして眠くなるんだろう、と思い返してみると、多分ヒロインがあんまり可愛くないから。そういえばこの人、この間の「タイタンの戦い」にも出ていたっけ?

映画として一番の問題は、恋愛なのか、兄弟愛なのか、どっちを描きたいのかが今ひとつはっきりしなかったことかも知れない。っていうか、ラブシーンが、「どうしてこんな忙しいときに!」って感じで、どうなのよ、と。レイア姫がルークにキスするときみたいな、ちょっとおまじない、みたいな軽い感じならともかく。

あと、林完治さんの字幕って、個人的にリズムがあまり好きじゃないんだよな。悪くないけれど、眠くなる。

評価は☆1つ半。  
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パーマネント野ばら

d54b6c09.jpg高知の寂れた漁村の美容院を舞台にした田舎映画。たくましいおばさん、お姉さんと、駄目なおじさんばかりが出てくるのだけれど、そのたくましい女性達が生き生きと描かれていてなかなか良かった。あちらこちらに乾いた笑い、黒い笑いを配置してある。あーーー、ここって、笑っちゃって良い所?本当は泣かせる場面だよね?でも、オカシイよね?あはは、みたいな状況が何度かあった。一方、出てくる男、出てくる男、どいつもこいつもDV男だったり、ギャンブル狂だったり、甲斐性なしだったり、浮気性だったり、公共物破壊魔だったりと、本当にどうしようもない。そんな中、二人の普通のカップルを中心にして物語が進んでいく。あーー、「百万円と苦虫女」みたいな感じで、すーーーーーっと終わるのかな、と思ったら、さにあらず。

ただ、その最後の展開がどうなんだろう。ついこの間の「●●●●●」と同じような構造になっていて、おかげで「ありゃりゃ」という感じになってしまった。

でも、ラストは、西川美和監督みたいな余韻のある、良い終わり方だったと思う。

菅野美穂の魅力による部分も大きかったとは思うけれど、ほぼ観るべき所がなかった「20世紀少年」でもただ一人気を吐いていた小池栄子が、この映画でも非常に良い味を出していたと思う。おっぱいが大きいだけのお姉さんではない。年末の助演女優賞は結構取っちゃいそう。ただ、あれは警察沙汰だろう(^^;

同じような田舎を描いた映画、「RAILWAYS」よりはこっちの方が全然面白いと思う。でも、上映館はRAILWAYSの方が多いのかなぁ。「どっちを観ようか」と迷うなら断然こちらをお薦め。

さて、以下は超ネタバレ。これを読んだら後悔するレベルなので、映画を観る予定の人は読んじゃダメ。

先に評価だけ書いておくと☆2つ半。

ということで、あとは追記にネタバレ。  続きを読む
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2010年05月18日

RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語

85944376.jpgリアルツイッター試写会という、つぶやきながら鑑賞する試写会で観てきた。正直、つぶやきながらだったので注意力散漫。しっかり観たとは言い難い。その分は割り引いて読んで欲しい。

ストーリーの方は、いくつかの周囲の環境の変化によって自分の人生が敷かれたレールの上にあって、しかもその後半にあることに気がついた主人公が、転職して故郷の電車の運転士になる、というもの。前半は色々なアクシデントが発生するため、とにかく暗い展開で鬱々としてくる。

一昔前なら49歳、東芝を想像させる大手電気会社の幹部という立場を捨てての転職というのは現実味のない話だったけれど、少子高齢化、過疎、終身雇用の崩壊といった社会情勢を鑑みると、それほど荒唐無稽という感じでもなく、メインの設定にはそれほど無理がない。しかし、その一方で、次の職が決まる前に会社を辞めてしまうなど、ちょっと現実離れしたところもある。転職を何度もしている経験からすると、子どもがいて家のローンがある状態であれば、少なくとも先に次の仕事を決めるはず。このあたりはちょっと違和感がある。

主人公は前半ではあまり家庭を省みず、家に仕事を持ち込み、電話でも怒鳴り散らし、家族ともあまりうまくいっておらず、といった感じで、大企業の中間管理職のステレオタイプ的な人間。ところが、転職を機に「そこまで変わるか?」というくらいに良いパパ、良い社員、良い人に変わってしまう。このあたりにもかなり違和感がある。三つ子の魂百まででしょ、やっぱり。必要以上に主人公の人間味を打ち出したお陰で、踏切でのトラブルという仕方のない場面での対処まで主人公を責めなくてはならない事態になってしまったのは、さすがに主人公が気の毒。ひき殺せば良かったのかという話。また、主人公の奮闘ぶりをアピールしたいが故に、三ヶ月ぐらいの間に電車運行上のトラブルが連発。まるで殺人事件が頻発する金田一少年の学校みたい。

なんか、特定の場面で画面がまっ黄色になるのが演出過多。田舎を黄色く、過去をセピアに表現するのはそろそろ辞めた方が良いのではと思う。

下手くそな俳優がほとんどいなくて、チョイ役でも芸達者な人を使っているあたりは好感がもてる。観ていて「うわーー、こいつヘタクソ(;_;)」という場面はほとんどなかった。それにしても宮崎美子って似たような役をやるよな、と思い返してみたら、それはデトロイト・メタル・シティ。あちらは田舎のお母ちゃんの役だったけれど、演技が一緒。こういう似たような役を続けてやらせていると柴咲コウみたいに何をやっても柴咲コウになっちゃうような役者になってしまうので、どうなのかなーと思っちゃうけれど、まぁこれは余計なお世話かな。

電車の映画ってこともあってか、とにかく電車が頻繁に出てくるのだけれど、親が倒れて一刻を争う、っていうときに夜行列車で帰省したりするのをみると、飛行機で行ったらどうなのかな、と思わないでもない。これも含めて、電車会社の全面協力ということもあって、電車会社のPR色は非常に濃い。不自然に登場人物が「会社の中を見てみたい」とか言い出して歴史や設備の説明的なシーンになるのはちょっとヤレヤレ感があるのだけれど、綾瀬はるかの「ハッピーフライト」みたいな気持ち悪さまではいかず、そのあたりはANAみたいなでかい会社とど田舎の鉄道会社という、会社の立ち位置の違いなのかも知れない。無理やりな会社紹介は不自然ではあるものの、まぁ、仕方ないか、という気にはなる。もちろん、そういう演出はなかった方が良かったけれど。会社の紹介のほかに、島根の紹介シーンもたくさん。お祭りのシーンとか、ストーリー上からは完璧に意図不明、必然性ゼロ。自然な形、必然性のある形なら納得するものの、無理やりでは違和感しか残らない。

脚本的に無理のある展開が多いのも否定できない。元野球少年の同僚とのやり取りとか、臭すぎてみてらんない。そういうシーンはばっさり削っちゃって、少し短くするか、あるいはもうちょっとお嫁さんのエピソードを入れたらどうだったんだろう。お嫁さんといえば、「てぃーだカンカン」と同じような展開があってデジャブ感満載。でも、公開のタイミングを考えるとたまたまなんだろう。てぃーだカンカンを観た監督は「うわっ、全く同じことを先にやられちゃったよ」と思ったに違いない。

ラストのユーミンは普通にフィットしていた。魔女の宅急便のラストみたい。

総じて言えるのは演出過多。タイトルの「RAILWAYS」を含め、デジャブ感満載(セルフパロディなのかな)。一方、それを演じている役者さん達はなかなか芸達者。ちょっと勿体無かった。鉄道ファン、島根ファン、田舎大好きという向きには結構楽しめるのかも知れない。観る前はラストに流れるのは「ホームにて」@中島みゆきみたいな映画を予想していたんだけれど、意外とちゃんと松任谷由実だった。あぁ、作詞作曲松任谷由美、編曲松任谷正隆っていうあたりを映画のラストに重ねたかったのかな。評価は☆1つ半。  
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2010年05月01日

タイタンの戦い

da051314.jpg正直「どうせ地雷映画だろうな」と思っていた。なので、映画の日まで待って鑑賞。映画の日の割引が無効になる3Dは避けて、2Dで鑑賞という念の入れよう。そこまで準備して、覚悟を決めて観たのだけれど、意外や意外、それほど悪くなかった。なぜなら、特撮がそこそこにしっかりしていたから。メデューサなんか、結構良く出来ていたと思う。あと、世界をぐるぐるまわっている時の景色は結構良かったかな。

が、褒めるのはここまで。ストーリーはどこかのロール・プレイング・ゲームをダイジェストにしました、みたいな感じ。どこの誰とも分からない子どもが実は素晴らしい血筋で、ひょんなことから王宮に連れていかれ、そこで会った美人のお姫様のピンチを救うために冒険の旅に出る。途中で伝説の武器を手に入れ、宿敵の弱点である秘密兵器を手に入れて、最後のバトルに挑む・・・・みたいな。タイトルが「ドラゴン・クエスト」でも違和感がない。いや、でも、実際は逆か。この映画は1980年代前半に作られた作品のリメイク。だから、巷にあるロープレがこれを真似した、と。そして、そのストーリーがすっかりインフレを起こしている現代にリメイクしたら・・・やっぱり、「あぁ、どこかで聞いたことがあるような話」って思っちゃう。これが本家なのか、そうではないのかはともかくとして、要は大した話じゃないのだ。

それから、主人公の血筋が良いせいか、色々なスキルを身につけるスピードが非常に早い。バットマン・ビギンズあたりを見習え!と思うけれど、血筋が良いから仕方がないのかな。ハリー・ポッターとかも血筋だけでなんとかしちゃっているところがあるし、欧米人は血筋が良いのが重要なのかも知れない。

なんか、回収されない伏線とかもあって、なんだったんだ、あのふくろう、みたいな部分もある。

また、折角秘密兵器を奪ったコウモリ男、戦線を離脱してどこかに飛んでいけば良いものを、そのあたりをフラフラしているから「あああーーーーーーっ」みたいなことにもなっちゃう。もうちょっと頭使えよ、と思う。そして最強最悪の敵、クラーケン。その戦いのあっけないこと(笑)。敵が、ちょっと脳みそ足りない奴ら中心なのが残念。

神様たちが凄く俗物なのは神話通りなんだろうけれど、もうちょっとシッカリしろよ、と思わないでもない。

あぁ、でも、最大のガッカリは、折角ゼウスが気を利かせてくれても、アンドロメダの方がイオより全然良い女だったというところかな。アンドロメダが生贄にされちゃいそうなシーンはちょっとドキドキしちゃう。

ところでこれだけ動きの激しい映像を3Dで観たら一体どうなっちゃうんだろう。ほとんど焦点が合わない予感がする。2Dで観ておいて良かった。  
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2010年04月26日

アリス・イン・ワンダーランド

4a511044.jpgシザーハンズを復習してから観るという、念には念を入れた鑑賞だったのだけれど、びっくりするほど面白くなくて、途中からは意識を失わないためにガムを噛み続けなければならない始末。

3D映画ということで例によって川崎のIMAX、座席はQ列真ん中付近と、IMAXの中では前よりの次に良いポジションでの鑑賞だったんだけれど、まず3Dの立体感がイマイチ。いや、確かに立体ではあるのだけれど、アバターで観せてもらったようなリアルな立体感じゃない。リアルじゃないのに、そこで展開されているのはアバターのような「見たこともない世界」ではなく、「どこかで見たことがあるような世界」だったのも今ひとつピンと来なかったところかも知れない。アバターが提示したものが「見たこともないものを見せるための空間」だったのに対して、本作は「どこかで見たことがあるものをとりあえず3Dにしてみました」という感じなのである。

映像は確かに凝っているんだけれど、アバターと比較してしまうとちょっと落ちるって言うのは否定出来ないところ。何しろ、アバター以後はアバターが標準になってしまうので、正直この映画にとっては不幸だったと言うか、もうちょっと早くやっていれば、とも思うのだけれど、とにかく、今一歩。もしかしたら2Dで鑑賞すればもう少し良かったかも知れない。

アリスはなかなか良かったと思うけれど、マッドハッターはどうなんだろう。こちらも今一歩、味が出しきれていなかった感じがする。白の女王も魅力に欠けていた感じ。かえって赤の女王の方が味があるというか、存在感があった。っていうか、本作で一番アピールしていたのは彼女だと思う。他にも色々なキャラクターが配置されてはいるのだけれど、どれもこれも食べ足りない。何か、全てが少しずつ足りないのだ。

ストーリーはといえば、古い言い伝えのとおりに進んで行くあたりがナウシカみたいで、意外性とかが全然ない。だって、結論はもう最初から提示されちゃっているんだもの。だから、次にどうなるんだろうというわくわく感もない。

見せ場の戦いのシーンもイマイチだったなぁ。

美術と音響は良かったと思う。特に美術は細かいところにまでこだわりがあったようだ。ただこれも残念なんだけれど、3Dは細かいところをじっくり観るのには適さない。その意味でもやっぱり、2Dの方が楽しめたかな?

一番落ち着いて楽しめたのがエンドロールというのもちょっと皮肉なところ。あ、あと、盗み食いをするカエル。あれは可愛かった。

うーーん、評価は☆半分。2Dで観たらもうちょっと評価が高くなるかも(それでもせいぜい☆1つ半ぐらいかな?)。DVDじゃなくて、大きな画面で、とも言えないし、どうせなら3Dで、という感じでもなく、まぁ、ジョニデのファンとかじゃないならスルーかな?というくらいに見所のない映画でした。  
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2010年04月13日

てぃだかんかん〜海とサンゴと小さな奇跡〜

28aa135d.jpgこれは駄目だ。典型的な素材の無駄遣い。やりようによってはいくらでも良くなりそうな素材が満載なのに、演出と脚本で台無し。

まず、最初から最後まで、演出、見せ方が凄く軽い。おかげで映画を観た気がしない。テレビドラマならこれでも全然いけていると思うけれど、これは映画のはず。岡村隆史さんは別に悪くないんだけど、ちょっとお金をかけたテレビドラマという感じになってしまった。原因は演出。

冒頭のタイトルが出るまでにダメダメ感がただよう。お前、フィンはいつ手にいれたんだ?みたいな。「うわ、やばい映画に来ちゃったな」というのがこの時点での印象。よく憶えてないけれど、彼女は最初からシュノーケル持っていたっけ?なんか、画面がかわるたびにどんどん装備が充実していくような、不思議なシーン(もちろん悪い意味で)だった。

脚本もどうなのかなぁ。不動産王のくだりとか、全然意味が分からないし、後始末もお粗末。折角作ったアレはそのあとどうしたの?なんか、やりっ放しで放置しちゃっているものが多い。

「実は」という部分も別に謎というほどのこともなく、ストーリーに対しての変化球という感じにはなっていない。

実話をベース、ということだから仕方ないのかも知れないけれど、主人公がかなり情けないのも困りものだし、彼が立ち直るのもなんかありきたりで面白くない。

あと、意味もなく長澤まさみが出てくるのも邪魔。彼女にはこんなツマラナイことをやらせず、もっとちゃんとした映画に出してやって欲しい。本当に長澤まさみは気の毒。

つまり、最初から最後まで、突然意味不明に登場するものがあったと思うと、意味ありげに現れておいてそのあとフォローが全くなかったりして、支離滅裂なのだ。様々なエピソードをコラージュするのは構わないけれど、それにしたってやりっ放しでは困る。

ただ、この映画の最大の問題点はそこにはない。「なぜ、サンゴの産卵にこだわるのか」ということが明確でないことが問題なのだ。専門家が「ひとつだけ方法があります」と知恵をつけてくれただけで、どうしてそれが一義的な目的になるのか。サンゴに対する知識がない観客にとっては、「なぜサンゴの産卵が重要なのか」ということに対する知識が必要だ。例えばデス・スターを攻撃する理由、イスカンダルまで行く理由、フラダンスの練習をする理由、色々あるけれど、とにかく行動には理由が必要だ。そして、それを実現するために努力する姿を応援し、それが実現したときにわがことのように喜ぶことができる。その、一番肝心な「理由」の説明が全く足りないのである。それから、その目的の難しさも全然伝わってこない。それのどこが大変なのか、どんな工夫をしなくちゃならないのか、そのあたりが全然わからない。大体、居酒屋やっていたときに普通に飼ってたじゃん、あれと何が違うの?ってことになっちゃう。目的の設定が無理矢理で、その目的の難しさがアピールされず、そしてそこに至る過程も苦労しているのはお金だけ。おかげで、本来は感動的なシーンとなるはずのラストシーンが全く感動的にならない。感じるのは、「なぁんだ、結局子役と自然に頼りっきりの駄目映画か」。やりたかったのはサンゴの産卵シーンを見せることだったのかなぁ?もしそうなら、NHKのスペシャル番組とかで十分だったはず。

なんというのかなぁ、中学生を無理やり連れて行くための文科省推薦の映画、みたいな感じである。ダイビングが趣味とかなら面白いのかなぁ。  
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2010年04月11日

第9地区

31c15f29.jpgなんだか良くわからないけれど1982年ぐらいに突然ヨハネスブルグの上空にバカでかい宇宙船が停留して、そこから大量の宇宙人が降りてきて難民キャンプを作っちゃう、そんな設定の中で起きるドタバタ劇。

結構コメディタッチで描いているんだけれど、「斬新な設定」という気はあまりしなくて、どちらかというと既視感バリバリ。色々と「あぁー、こういうのって、アレだよね」というのが多い。この手の「変身もの」は珍しくないし、クローバーフィールドのような記録映像というのも今となってはそれほど新しい感じがしない。そして何より、アバターよりもあとに公開されたというのがこの作品にとっては不幸なことだと思う。アバターがストーリ上というか、映画の仕組みとして面白いところは、おおよそ感情移入できないような異型の生き物にいつの間にか感情移入して、人類と戦う人類の敵を応援している自分に気がつくというところ。そして、この作品もその構造が全く同じなのだ。あれ?こいつら何か可愛かったり、賢かったり、人間よりずっと義理堅かったり、コッチのほうが良いじゃん、というところをどんどん見せて行く。おかげで、映画のラストシーンでは、「あぁ、良かったね」と思ってしまう。このあたりの構造が素晴らしいんだけれど、あ、これって、アバターも一緒だったよね、みたいなところがある。だから、アバターを見ている人は、理屈では気が付かなくても、「あれ?前にどこかで似たような感覚を味わったような気がする」と感じてしまいそう。メカとかもアバターに良く似たものが出てくるし、かなり損をしている印象。そういえば、戦闘の演出や武器の設定は日本のアニメの影響を多々受けているという感じ。

観ていて一番最初に感じたのは「文字が多い!」ってこと。字幕を追っているだけで疲れちゃう。だから、英語がある程度わかるなら、日本語の字幕は追わない方が良いと思う。字幕自体は松浦美奈さんなので出来が良いんだけれど、どんなに出来が良くても、情報量が多すぎると字幕ばかりを観てしまうことになって、肝心の映像を楽しめなくなる。幸い、英語で出る字幕とかも非常に初歩的で難しい単語がほとんどない。だから、英語だけでも結構行けちゃうと思う。「いやいや、英語は無理」という人は、そうだなぁ、二度観てみるとか。一度目はしっかり日本語字幕を追って、二回目は字幕を観ずに、みたいな。

ストーリーとか設定とかはちょっと粗めで、「なんでぇ?」と突っ込みたくなるところもあるんだけれど、まぁ、細かいことは良いんだよ、という制作側の意向が伝わってくる。「そっか、細かいところは良いんだね」と観る側に納得させちゃうパワーもある。

結構細かいギャグが満載で、何度も「ぷっ」と吹き出しちゃったんだけれど、7割方埋まっていた場内はあんまり笑ってなかった。なんで?面白いのになぁ。

ということで、「物凄いオリジナリティ」という気はしないんだけれど、面白かった。アバターのあとだったのが本当に惜しい。終盤でちょっと間延びした感があるけれど、評価は☆2つ半。オススメ。ただし、デートにはちょっと向かないかな(笑)。  
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2010年04月05日

ソラニン

e8f9820e.jpg原作未読、ただし中盤の「転」だけは何が起こるのかを知っていての鑑賞。

彩度を落とした映像、抑揚のないストーリー、寒いネタに対して登場人物が突っ込むなど、日本映画のお約束をしっかり踏襲している本作だけれど、そういう映画に慣れている僕には結構イケていた。

ダメダメな若者に共感する年齢ではないけれど、「あぁ、そうやって、何かができると勘違いしていて、でも、自分は普通の人間なんだ、ただメシを食って、ウンコして、そうやって年を取っていって、やがてどこの誰とも知れずに名もないひとりの人間として死んじゃうんだな」という現実に向き合わざるを得ない人生のある時期というのは人間の99%以上に間違いなく存在して、それをきちんと映像化しているところに好感を持った。我々の世代も学生といえばあんな感じで、でも、それでも普通に仕事はあったし、それで就職したたくさんの人間が既得権の上に居座って偉そうに若い人達に説教しているのはいかがなものかと思うけれど、そのあたりが日本の社会構造の大きな欠陥であって(そんなことを撮る側は全然意識していないと思うのだけれど)、観ていて、「あぁ、こいつら、可哀想にな、こんな閉塞感満点の世の中に生まれちゃってさ」などと思いながら観ていた。

宮崎あおいさんは「篤姫」とか、どこかの保険会社のCMとかよりもよっぽど魅力的。歌のウマさはイマイチだけれど、もともと素人っていう設定だからこんなものでしょう(あるいはあんまり上手じゃないように見せる凝った演出だったのかも知れないけれど)。以前から蒼井優、沢尻エリカ、宮崎あおいの3人は堀北真希、綾瀬はるか、柴咲コウ、長澤まさみといったところに比較して格段に役に恵まれていると書いているのだけれど、本作も良い役で良い演出。ちょっと前に観た堀北真希の誰かが私にキスをしたなんかに比べると雲泥の差で、本当に堀北真希が気の毒になってくる。いや、じゃぁ、この役を堀北真希さんができたかと言われればそれは疑問で、宮崎あおいの実力ということなんだろうけれど。とにかく、彼女の魅力は存分に発揮されていたと思う(さすが人妻)。

ライブシーンとかも意外にそれなり。ラストのライブでは肝心のところでいきなり思い出シーンが挿入されちゃって「えええーーーーー」と椅子からズッコケ落ちそうになったけれど、無事回復(いや、でもあれはないでしょ。一番の見せ場を自分で穢してどうする。あそこは是非ストレートに見せて欲しかった)。強弱がなくてただただマイクに怒鳴りつけるように歌う姿が、逆になんかそれっぽい。もちろんこれは故意の演出だと思うのだけれど、秀逸。思い出シーンの挿入がなかったらもっと良かったと思う。

宮崎あおいさん以外の役者も、演技が自然で、日本映画では珍しく「あぁ、こいつは大根」という人がほとんどいなかった(それでも数名いたけれど、ほとんど気にならない)。

「ちゃんと伝える」でも好演が光った伊藤歩さんが本作でも結構良い感じ。というか、個人的に彼女が好みなんだろうな(笑)。

風船が飛んでいくところはちょっと前にもあった記憶があるのだけれど(ディア・ドクターだったかなぁ?)、あの手の風船はヘリウムガスが簡単に抜けてしまうので、あんなパンパンな状態でひっかかっていることはないと思う。いや、細かい話だけれど。

ちなみに自分もギターを弾くけれど、音楽に対する最初の体験が、横浜にある高校の学園祭で聴いたコンサート。演奏されたのはさだまさしの「前夜」(笑)。ということで、バンドじゃなくてアコースティックギターの方へ行ってしまった。なので、こういうバンドの楽しさというのは未体験。でも、やったら楽しそう。音楽って、良いよね。ということで、20万円近くしたのに全然弾いてないギターをたまには弾こうかな、という気になった今日。

あ、原作も今度読んでみようと思う。

一応、ソラニンの歌詞はこんな感じ。

作詞 浅野いにお
思い違いは空のかなた
さよならだけの人生か
ほんの少しの未来は見えたのに
さよならなんだ

あの時こうしてれば あの日に戻れれば
あの頃の僕にはもう 戻れないよ

昔住んでた小さな部屋は今は他人が住んでんだ
君に言われたひどい言葉も無駄な気がした毎日も
寒い冬の冷えた缶コーヒーと
虹色の長いマフラーと
小走りで路地裏を抜けて
思い出してみる

たとえばゆるい幸せがだらっと続いたとする
きっと悪い種が芽を出して
もうさよならなんだ

さよなら それもいいさ
どこかで 元気でやれよ
僕もどーにかやるさ
そうするよ


評価は☆2つのところ、女優さん二人に半分おまけして2つ半。  
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2010年03月28日

誰かが私にキスをした

58c38628.jpg堀北真希が出ているというだけの理由で初日に観てきてしまった。

どうせツマンないんだろうな、と思っていたのだが、結構バカにできないというか、まぁ、わりと普通な感じのストーリー。ちょっと村上春樹テーストな感じがあって、映像的にも遊びがあって、「へぇ」という感じ。そしてもちろん堀北真希は可愛かった。あと、思ったよりも堀北の英語の発音がしっかりしていた。音楽もまぁまぁ。

で、褒めるのはここまで(笑)。なんか、「ちょっとそれはないんじゃないかなぁ」という部分も多々ある。

まず一番いただけないのが、メインの男優のひとりが大根だということ。外国人監督ということで、彼のセリフ棒読みというか、舌っ足らずというか、演技にもなっていないところがわからないのかもしれない。折角松ケンがメンタル的に弱い奴を好演していたのに、ありゃりゃりゃりゃ、という感じ。堀北だけで☆が二つ増えるんだけれど、彼のおかげで☆が二つ減る。あのヘタクソはジャニーズか何かですかね?良く知らないんですが。

階段で落ちたっていっても、どういう落ち方をしたらおでこのあの場所を怪我するのか謎だし、おでこだけ怪我するというのも違和感ありまくり。

それから、なんか、日本の地理とか、環境とかを全く無視した構成もどうなのか。「そんな電車で長野には行けねぇよ」とか、「自由が丘にそんなところ、あるか?」とか、「横浜から大島に行くなら大さん橋から大型船だろうに、そこはみなとみらいで乗っているのはシーバスのように見えるぞ?」とか、なんか、色々と突っ込みたくなる。

それと、ブルーシート撮影なのか、わざとブルーシートっぽく見せているのか(もしわざとなら意図不明だけれど)、車に乗っているシーンとか、バイクに乗っているシーンとか、野外のシーンの一部とかが違和感ありまくり。特に米国の海岸のシーンって、なんか、松ケンの日の当たり方がおかしくない?本当に現地でロケやったのかなぁ?景色だけ撮影してきて合成したとか?そんな風に見える。船のシーンも、風とかありそうなのにナオミもパパも髪の毛ひとつ乱れないのは今世紀最大の謎という感じ。あと、雪のシーン。雪の上に寝転ぶシーンはどうにもホンモノの雪っぽく見えないんだけれど、あれは本当に雪なのかな?もし仮にホンモノだとしても、東京であんな粉雪は積もらないでしょう(笑)?あと、夜の降雪シーンも、道路とかが全然雪っぽくないのに、何故か画面に雪が舞っている。って、合成ですか?これは。別に合成でも良いんだけれど、もうちょっと違和感ないように合成してくれないと、映画に集中できなくなっちゃう。土砂降りの中のシーンでもびしょ濡れの役者もいれば全然平気な役者もいて、それ以前に車で送ってもらっている癖に「乗っていきなよ」って、お前の車じゃねぇぞ、おい、みたいな(笑)。

ドコモのCMに出ているから仕方ないといえば仕方ないけれど、これでもかってくらいにドコモの携帯が出てくるのも嫌味。あー、いきなり米国に行ってもすぐに使えるっていうのをアピールしたいのかぁ、確かにauのシステムは馬鹿すぎてドコモに乗り換えたくなるけれどね。あと、堀北真希のテニスシーン。なんか、結構上手っぽい設定だったけれど、ボールが写っていなくても超下手なのがわかってしまう(笑)。堀北真希はバスケをやっていたはずだけれど、テニスは経験がないのかなぁ。何しろスイングスピードとか、方向とかが滅茶苦茶。

「そろそろラストかな?」と思ってチラッと時計を見たらまだ80分しか経ってなかった。長いー(笑)。

あと、教室で柔道していてしこたま頭を床に叩きつけて記憶喪失を経験したことがあるから言うけれど、外傷性の記憶喪失はあんな感じにならないと思う。何かのきっかけとかじゃなくて、寝ておきたらとか、そういうタイミングで回復していくと思う。って、これは個人差があるのかも知れないけれど。

何しろ、堀北真希が演じている女性がイマイチ魅力的じゃない。最初に「村上春樹テースト」って書いたけれど、実際は竹内まりあの「けんかをやめて」の色彩が濃い。お前が変なことするからみんな迷惑してんだよ、みたいな。バブルの頃だと竹内まりあ的な感じのところ、現代版にするとこんな感じ、みたいな。あと、フリッパーズ・ギターとかの雰囲気もあったりするんだけれど、それはデトロイト・メタル・シティのセルフパロディ?いや、監督はDMCなんか知らないか。何しろ、ストレートに言っちゃうと物凄く時代遅れ(20年程度?)な感じの映画である。

そういえば、「誰かが私にキスをした」なんていう思わせぶりなタイトルだけれど、誰がキスしたのかは謎でもなんでもないし、別にポイントにもなってない。っていうか、君はみんなとキスしてんじゃん(笑)。

あ、それで、なんで舞台がアメリカンスクール?全然必然性がないんですが(汗)。

堀北真希は可愛かったし、松ケンはカッコ良かった。でも、映画としては、うーーーーーーん、さすがにこれに☆をたくさんつけることはできないなぁ。いくら堀北と松ケンが好きでも。ということで、評価は☆1つ。

追記:真正面から批判していたら、いつも面白く評論する「俺の邪悪なメモ」さんが今回も面白く評論していたので紹介しておきます。
堀北真希の美少女力炸裂!異次元の映画『誰かが私にキスをした』  
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2010年03月20日

シャーロック・ホームズ

c09e8774.jpgもっと、インディ・ジョーンズのような遊びの部分が多い映画かと思ったら、ずっとソリッドでタイトな仕上がりだった。それはストーリー的にも、演出的にも、音楽的にも。アクションが前面に出ていて遊びの少ないハードボイルドな仕上がりなので、観ていてちょっと疲れた。それにしても、シャーロック・ホームズをこういう解釈で映像化した例ってあるんだろうか。ホームズとワトソンという名前は使っているけれど、まだキャラが犬のアニメの方がそれっぽい雰囲気を出せそうな気がする。この意外性は去年公開されたスター・トレック以上。個人的にはあまりシャーロック・ホームズに思い入れがないので、これでも別に問題はないのだけれど、古くからのファンはちょっと納得しないんじゃないだろうか。それと、ラスト。これかよ、みたいな終わり方だったので、ちょっとがっかり。こういう映画は少なくないけれど、バック・トゥ・ザ・フューチャーだって一作目は・・・と思わないでもない。

内容は、黒魔術のドロドロした雰囲気、オカルト色を出しつつ物語を進め、その上でホームズが事件を解決して行く、というもの。こういうのも、古くは007の「死ぬのは奴らだ」とか、それほど新しいところもないのだけれど、もしかしたらこちらの原作とかがオリジナルなのかも知れない。良くわからないけど。何しろ、オカルトと名探偵(スパイ、泥棒)の組み合わせにはそれほど新味がないのだけれど、悪くないと思う。

ちょっとひねりがあったのは、いくつかの謎解きの、それを解くタイミング。「あれ?」と思っていたら、最後にきちんと回収してくれた。ここは評価できる。謎解きの見せ方はフラッシュバックで種明かしするケースが多かったんだけれど、親切といえば親切なつくり。ちょっと親切過ぎる感じもするけれど。

ただ、火だるまの件はどうなんですかね。ナイフで斬りつけたらどうするのかとか、それ以前に当たったらどうすんだ、とか、ちょっと解せないところはある。ワトソン君の超回復振りも凄かったけれど。

総じていえば、映画にはお金がかかっている。そして、俳優も良い。でも、最後まで回収されない伏線が多く、終わってみれば「あぁ、続編への布石だったのね」ということなのだが、そのあたりが一番どうなのかなー、というところ。やはり最初の一作はきちんと全部完結して欲しい。

映像自体は結構良かったと思うし、美術も頑張っていたと思うのだけれど、正直なところ、この映画の19世紀ロンドンよりパルナサスの現代ロンドンの方がずっと雰囲気があったのはちょっと残念。というか、短期間にホームズとパルナサスを続けてみてしまったので、どうしても比較してしまうし、比較してしまうと、パルナサスの方が数段好き。評価は☆1つ。  
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2010年03月19日

Dr.パルナサスの鏡

55ebf77a.jpgヒース・レジャーの遺作となってしまった本作だけれど、そのあたりは全く無視しての評価。全く無視しているのだけれど、個人的には本作はスィート・スポットのど真ん中で、非常に面白かった。

ストーリーの中心は悪魔と、悪魔と賭けを続けて1000年以上を生きているパルナサス博士の二人。悪魔はパルナサスに時々勝負を持ちかけ、それを楽しんでいる。パルナサスは悪魔に弄ばれていると理解しながらも、勝負を辞めることができない。そんな縦軸に、パルナサスの娘、パートナーの小人などが絡んでくる。

パルナサス一行は旅を続ける見世物小屋をやっているのだけれど、その見世物小屋には「入った人間の頭の中を具体化することのできる鏡」がある。この鏡の中の世界でのやり取りが見せ場の一つ。想像の世界なので、入った人間によってがらりと内容が変化する。この見せ方がなんといっても素晴らしい。そういう、視覚的な刺激に加えて、ストーリーがまた素晴らしい。悪魔と契約をした人間の話というのはそれほど新しくないのだけれど、その1000年にわたるやり取りの、最後の部分だけを切り取ってきて、そしてそれをきちんとした物語にしている。大人のためのおとぎ話みたいな感じに仕上がっていたと思う。なんか、想像力を目一杯使ったっていうのがわかる一方で、「アバター」で見せたようなリアリティのある空想空間ではないところが良い。

リリー・コールが可愛いのも良い。

エンドロールが終わった後のお楽しみも良かった。音響が良い映画館のど真ん中で観ていたので、一瞬「KYな奴」とか思ったけれど、すぐに演出の一部だとわかった(笑)。この演出については映画のサポートサイトに説明があった。

He said, "I have a lot of people try to call the sound of a phone Tony Heath. Unfortunately, he does not seem to pick up yet. One blogger / reviewer is his have tears in my eyes. Of course, he got it. "


しかし、それを含めて、これはDVDではなく、映画館で楽しむべきもの。もっと早く観にいけば良かった。まだもう少し上映しているみたいなので、もう一度観に行ってこようと思う。

誰が観ても満足、みたいな、例えばアバターみたいな映画とは違うので、世の中的にはあまり評価は高くないのかも知れない。あるいは、広告の予算が全然なかったのかも知れない。とにかく、あまり評判になっている感じがない。でも、これは傑作だと思う。☆3つ。  
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2010年03月16日

恋するベーカリー

9ee8507b.jpg「恋するベーカリー」ってひどい邦題だな。どこの馬鹿だ、こんな題名にしたのは。原題はIT'S COMPLICATED。「面倒なこと」でも、「やっかいな話」でも、「世にも複雑な物語」でもなんでも良いけど、「恋するベーカリー」だけはないだろうと思う。もうそれだけで☆半分減点。

Yahoo!映画の紹介のところにはこの映画について「女性実業家が、自分らしい人生を手に入れるために奮闘するハートウォーミング・ストーリー」って書いてあるけれど、全然違うぞ(笑)。「何時まで経っても大人になれない男に振り回される初老の女性をコメディタッチで描いた不倫劇」みたいな感じじゃないかな?自分らしい人生なんて、手に入れてないっていうか、もう、この人はそれなりに成功して、自分らしい人生は手に入れちゃってる。そこに元夫が飛び込んできて、グチャグチャかき回しちゃっているだけのこと。

元夫がひたすら馬鹿なので最初のうちは腹が立つんだけれど、だんだんあほらしくなってきて笑っちゃう。そういう境地まで行けるかどうかでこの映画の評価は変わってくるんだろうけれど、個人的にはなんか、やっぱり喉に小骨が引っかかっているような感じだった。

主人公の心の動きは共感するものがあるし、子どもたちはひたすら賢くて良くできているので、そのあたりが救い。多分、20代以下の人が観ても、あんまり面白くないと思う。男女を問わず。30歳以上でもどうなんだろう。軽いコメディとして楽しむことはできるかな。でも、1800円の価値を見いだすのは難しい感じ。それに、誰と観に行くんだ、これ。家でひとりで暇つぶしにDVDを観るぐらいの感じかな。

あんまり内容がないので、書くこともあまりない。ひとつ言えるのは、こうやってメリル・ストリープの出ている映画を観る度に「はやく『ソフィーの選択』をDVD化してくれ」と思ってしまうということ。毎回言ってるけれど。

あ、評価だけれど、☆半分で。  
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2010年02月27日

ローラーガールズ・ダイアリー(原題:WHIP IT)

9086c4b2.jpgワシントンからの飛行機の中で鑑賞。

お母さんの理想に合わせて生きてきた女の子がローラーゲームの世界に自分の生きる場所を見つけて、という、まぁ、良くある成長譚。

友達との関わり、チームメイトとの関わり、ボーイフレンドとの関わり、ライバルとの関わり、みたいなのがそれぞれ物凄くありきたりで、全体の構成も、もともと隠れた才能を持っていた主人公がそれを開花させ、そして葛藤があり、一方で出会いがあり、障害があり、さらに挫折があり、そしてそれらを通じて成長する、という、「愛と青春の旅立ち」で確立された黄金のマンネリパターン。もうこういうのは「トップガン」で終了だよね、と思っていたのだけれど、手を変え品を変え、出てくるところがさすが。でも、もうちょっと飽きちゃったかなぁ。ローラーゲームという懐かしいネタを持ってきたのは悪くないけれど、でも、それだけ、っていう感じ。

主人公の可愛らしさは『JUNO/ジュノ』のままにエレン・ペイジが好演しているものの、やはり、何もないストーリーには飽きてしまう。

スポーツものでは肝になる勝負シーンも迫力はイマイチ。

映画館で観るのはちょっとなぁ、という感じ。日本公開はまだまだ先だから、DVD化されるのは多分ずっと先なんだろうけれど、DVDでも十分、という感じ?慌てて観るほどのものではないと思う。  
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2009年12月21日

彼岸島

7c81df0e.jpg原作未読、吸血鬼の映画という情報だけ事前に仕入れて試写会に行きました。

まぁ、良くも悪くも日本的な映画。いや、良くも、は字幕がないことぐらいか。

なんか、色々知恵を絞ってはいるんだと思う。色調を変えてみたり、あるいはモノクロにして赤だけカラーにしたり(って、これはスピルバーグがやるから面白いのであって、今やっても全然期待されるような効果はあげず、逆にププって笑われちゃうと思うのだけれど。それで血とか彼岸花とかを強調って、あり得ない)、「ほら、工夫しているでしょ」って感じ。あと、音楽が派手なのはまぁ、良かったかも。映像で迫力が出せない分、音楽で頑張ってみよう、みたいな感じなのかな。

しかし、ぱっと見て一番いただけないのは特撮部分。これはまぁ、仕方のないところ?でも、最近でも怪人20面相とか、そこそこに良い特撮だったと思うのだけれど、本作は明らかに退化していた。クリーチャーもそうだけど、爆弾の爆発シーンとかもひどい。吹っ飛ばされる人がカットが変わると戻っていたり、あるいは不自然なワイヤーアクションだったりして、あらあらあら、という感じ。2012みたいにじゃぶじゃぶお金をつぎ込めないのはわかるけれど、それならそれでもうちょっとやりようがないのかなぁ。中途半端なクリーチャーを見せるくらいなら、足だけとか、牙だけとか、パーツで勝負するとかね。まぁ、別に良いといえば良いけど、とにかくちゃち。

ストーリーでは、駆け足すぎ。「潜在能力はオレ以上」は良いけど、その潜在能力が5分ぐらいで顕在化するのにはびっくり。冒頭も、「兄さんがその島に!」で弟が向かうのは良いけど、お供に何人もついて行くのって、どうなの?しかもひとりは女性。そして行き先は吸血鬼の島。そりゃないでしょ。自衛隊連れていけって。コミックの何冊分をこの一本の映画に詰め込んだのかはわからないけれど、何しろジェットコースター的に話が進むし、それが全然辻褄があってないのが凄い。その上で、「辻褄はあわないけど、仕方ないでしょ!」という開き直りが見事。師匠は誰かのお父さんなのかなー、と思っていたら、種明かしは全然ない。おまけに彼、登場シーンではキングコングさながらに鎖につながれていて、この人、何なの?という感じだったのに、それは伏線でも何でもなかったみたいで、鎖は飾りかベッド代わりですか?寝相が凄く悪い人なんですか?という感じで微笑ましい。禁断の建物の中にあった写真とかも、敵の親分が写っているのはともかく、顔が塗りつぶされちゃっている人は誰だったのかとか、意味不明の表現があちらこちにある。これは「詳細はウェブで」じゃなくて、「詳細はコミックで」ということですか?そうですか。マンキツでも行ってくるかなぁ。あ、でも、まだ完結してないんですよね?っていうか、この映画は何巻までだったんですかね?

水川あさみのベッドシーンとか、なんだこりゃ、って感じ(笑)っていうか、あの程度の濡れ場は意味ないから最初からやらなきゃ良いのに。やるなら全裸になれよ、中学生じゃないんだから、と思わないでもないですが、きっと吸血鬼は淡白なんでしょうね。あ、でも、冒頭ではなぜかラブホにかくまって、意味もなくシャワー浴びていたっけ(笑)あのシャワーシーンが由美かおるの入浴シーンみたいなもので、観客サービスだったんですかね?だって、シャワー浴びる理由、ないものね?

敵の親玉もなぁ、なんか、滑舌が悪くて大変な感じ。全然怖くないし、怪しくない。ガクトとか、使えなかったんですかね?

あの、弓道部の女の子も、さっくり捕まって、あとは縛られているだけでしたが、弓矢の見せ場がなかったのは予定通りなんでしょうか。

いじめられっ子が簡単に離脱しての顛末はちょっといただけない感じもする。ひねった上でひねったら元に戻った、ということかも知れないけれど、それにしちゃぁ、ひねりがなさすぎる。彼がああなっちゃうのは想定の範囲内すぎて想定外だ。悪い意味で。まぁ、原作通りなら仕方ないけど。

評価は☆半分。  
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2009年12月20日

ゴールデンスランバー

ca1bcf9c.jpg僕は堺雅人さんの演技が好きで、若手(とも言えないが)男優の中では彼のことをトップクラスに評価している。そして、彼の出演が決まったというニュースを聞いて、まず原作を読んだ。その感想はこちらにアップしてあるが、

ゴールデンスランバー

正直なところ、宮部みゆきや東野圭吾に比較すると文章が下手で、また仕上げも粗く、あまり好きなタイプの作家ではなかった。

そういうわけで、映画となった本作も、あまり期待はしていなかった。ただ、堺雅人、竹内結子、貫地谷しほり、大森南朋、濱田岳、香川照之といった、これからの邦画界を背負っていくと思われる役者さん達がごそっと出ているとあって、これが外れるとしたら監督も相当ヘタクソ、という感じでもあった。

見終わっての第一印象は、「原作はイマイチだったけれど、なかなか良くまとまっていた」というもの。監督は別にヘタクソということはなく、それぞれの役者の良いところを上手に料理していたと思う。大森南朋さんや貫地谷しほりさんのあまりにも端役っぷりには驚いた(相武紗季さんはもっと端役だったけれど、彼女の場合はまぁ仕方なし)けれど、堺、濱田、香川といった美味しいところは良かったと思う。ただまぁ、濱田岳さんは最初からあて書きされた役だったようなので、はまっていて当然。香川さんは最近この手の演技ばかりを要求されていて、ちょっと食傷気味ではある。この調子で行くと柴咲コウさんみたいに、何をやっても「またコレか」と思われてしまうような役者さんになってしまいそうでちょっと怖い。本作で言えば、例えば堺さんと香川さんの役を入れ替えるぐらいに思い切ったことをやれば、「おぉっ?」と観る側を驚かせることができたはずで、そういう意味では想定内の完成形だったと思う。ちなみに役者で言えば、異論が出そうなのは吉岡秀隆さんの評価。僕は彼のことは北の国からの一番最初の放送からずっと観てきていて、決して嫌いな役者さんではないのだけれど、やはり何をやっても純みたいな感じになってしまい、本作でも「あれ?純、今は富良野じゃなくて仙台?」みたいな印象を受けてしまう。彼の起用は、僕はちょっと失敗だったと思う。

映画は140分程度とちょっと長めだけれど、途中で飽きてしまうこともなく、最後まで普通に楽しめる。観客をミスリードするような仕掛けもなく、だから取り立てて警戒する必要もない。そのあたりの、肩肘はらないカジュアルさは日本の映画ファンには好意的に受け取られるのかも知れない。ただ、万人受けはするものの、「これは!」と思わせるものがなかったのも事実で、それは逃亡のシーンに緊迫感が全然なかったからだろう。危機一髪、という部分がないし、単に、撃たれても、撃たれても、なぜか当たらないだけ。ぐるりと取り囲まれてもあっさり逃げ出すことができてしまうのも、「警察は何をやってるんだ」という感じ。あと、あまりにも都合よくキルオが出てくるのもちょっと興ざめ。出てくるなら出てくるで、もうちょっとその背後をきちんと描いてくれればなぁと思う。

見ていてちょっと疑問に思ったのは、まずカローラのCMソング。あの歌、知らないけど、いつの歌なんだろう。それとも、完全に創作なんだろうか?主人公たちが大学生後半ぐらいでシーマンの世代、最近のシーンで出てくるのが2世代前のiPod nanoとかだから、彼らが大学生の時が2000年前後、そして現在の設定が2005年ぐらいなんだと思うのだけれど(でも、竹内結子さんの劇中年齢は30歳とかだったような気がする)、あんな歌、全然知らない。ところが、その歌を聞いた人がみんな「あぁ、それそれ」と思い出すのはなんか不思議だった。

それから、花火。ラストシーンでテレビ中継の顛末があれだったから良かったものの、当初の予定通りだったらば花火は余計だったはず。それに、いつの間にあんなにたくさん、それも厳戒態勢の中で仕掛けられたのか不思議。そして打ち上げ時には道路に人っ子ひとりいないのも不自然。いたら大惨事になってしまいそうだったけれど。

「信用するしかない」という主人公のスタンスは理解可能だけれど、彼の話をみんながみんな全く疑わないのも不自然な感じ。

吉岡秀隆さんが物凄く勘が鋭いのもなんだか不思議な感じだった。あそこまでの洞察力は普通ないと思う。

ところで、小説では仙台を監視度合いの高い地域として仮想設定してあったけれど、その設定が外されていた。これはこれで良かったと思う。というか、原作の設定は不自然すぎた。

個人的に好きだったのはキスシーン。

ということで、マイナスポイントもあるけれど、最近のアニメ以外の邦画の中ではかなり上の方にランクされると思う。評価は☆2つ半。  
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2009年12月05日

今度は愛妻家

93920575.jpgAパートとBパートに分かれている演劇的な映画。場面も非常に限られていて、ほとんどがひとつの家の中で展開される。時間を遡ったりするあたりも演劇的だなぁ、と思ったら、もともとは演劇の作品だったらしい。第三舞台だった人の原作なのか。僕は遊眠社派で、鴻上尚史さんの舞台はそれほど好きじゃなかったんだけれど、映画を観る限り、第三舞台的な気配は感じられなかった。まぁ、演出じゃなくて原作としての参加だから当然かも知れないけれど。

この映画はとりあえず公式サイトの予告篇ぐらいを見て、あとはまっさらで観てくるのが良いと思う。だから、レビューにもあまり書くことがない。しかし、それでもあえて何か書くならば、やはり薬師丸ひろ子さんの可愛いっぷりだろう。全編を通じて彼女が魅力を振りまいていて、このくらいの年齢の女優だと、少し前に永作博美さんが話題になったけれど、5つつぐらい年上の薬師丸ひろ子さんも全然負けてない。というか、むしろ勝っている感じ(ただし、主観)。だから、彼女が演じる、旦那に振り回されるばかりの可愛い妻の姿が魅力的過ぎて、まるで彼女のプロモーションビデオを観ているような感じになってくる。でも、それが不快とか、つまらないとか、そういうことは全くなくて、逆にAパートの部分をもっともっと観せてもらっても良かったくらいだ。そんな感じで、物凄く楽しめたのが映画前半。

でも、後半になって、ちょっと失速。前半があまりにも良かったので、その反動って感じなのかも知れないのだけれど、雰囲気が一転してからは怒鳴ったり、怒鳴られたりの連続で、それまでのほんわかしたムードとの落差が激しい。もちろん、それは狙ってやっていることなんだけれど、その「転」から「結」への結びが今ひとつ劇的ではなく、あ、終わっちゃった、という感じ。終わってみれば前半から様々なところに伏線を張りまくっているのだけれど、その一つ一つを記憶をたどって回収したり、あるいはもう一回映画館で観てみようかな、と思ったりはしないかなぁ。

前半☆3つ、後半☆半分、平均して☆1つ半、といったところだろうか。いや、薬師丸ひろ子さんが可愛かったので、おまけして、☆2つにしておこう。

正直、レンタルビデオでも十分かな、とは思う。でも、レンタルビデオで観るまでの間にどうせどこかのおせっかいさんからネタバレ情報が入ってきて、楽しめなくなる。だから、この映画をきちんと製作者の意図通りに楽しみたければ、なるべく事前情報を入れずに(公式サイトの予告篇なら大丈夫。逆に、予告篇を観ておいた方が良いくらい)映画館で観た方が良いと思う。それで、ストーリーがわかったところで、伏線の回収はレンタルビデオで(^^

今度は愛妻家公式サイト  
Posted by buu2 at 14:33Comments(0)TrackBack(0)映画2010

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