志木のさくら、朝霞台の番長銀を経営している人が、クロベエの跡地に豚丼屋を出したということだったので、ちょっと食べに行ってきた。場所はさくら、銀と三角形を形作る位置で、すぐ近所に二郎系のモッコリ豚がある。もともとクロベエがあったんだけど、モッコリ豚ができて客を取られたのか、クロベエが撤退したようで、そこを居抜きで借りたようである。
さて、豚丼、僕が子供の頃に空知で散々食べたものは豚バラ肉を塩胡椒で炒めたものだったのだが、こちらは十勝帯広タイプらしい。どんなものかなぁ、と思って出かけたら、ノーマルが680円と強気の価格設定。しかも特選というのがあって、こちらは1150円である。たかが豚丼でここまで、と思わないでもないけれど、そこはやっぱり特選を食べておかなくちゃ、ということで、「特選」を注文。待つこと約10分、出てきたのがこれである。
一口食べてみて、ふーーむ、という感じ。肉は柔らかくて食べやすく、量もたっぷりである。では、これが1150円で納得するかと言われると、それは正直微妙だ。
まず、味付けがいまいち。みりんと醤油をベースにして焼いているようだけれど、醤油を入れるタイミングが早いようで、醤油が焦げてしまっている。おかげで、一口食べて苦い。また、味付けが濃すぎて、豚肉の風味が失われてしまっている。店員さんにお願いすると山椒をもらえるのだけれど、これを振りかけてみるとすっかり鰻丼のようになってしまう(そういうのが十勝の豚丼のスタイルなのかも?)。タレの存在感が強すぎるのだ。残念ながら豚肉には鰻ほどの力強さがないので、完全にタレに埋没してしまっている。
お米は結構良いものを使っているようなのだが、タレでベチャベチャだし、タレの味が濃すぎてお米の良さも引き立たない。
そもそも、豚丼など、豚肉を焼いてごはんの上に乗せただけのものだ。その美味しさを規定する要素は肉、タレ、焼き加減、米ぐらいしかない。こんな単純な料理で680円はかなりの挑戦である。何しろ、牛丼だって350円ぐらいがこの国の相場なのである。その上で、味付け(あるいは焼き加減、レシピかも知れないけれど、とにかく苦味が気になって仕方がない)に難があると、厳しいと言わざるをえない。
僕が食べて思ったのは、「あ、これなら自分で作ったほうが安上がりでかつ美味しくできるな」ということ。しかも、半値以下で作れるはずだ。さらに、場所が悪い。朝霞台、志木からともに10分以上はかかると思う。ここまでの悪条件が重なるなら、僕なら絶対に朝霞にあるとんかつの名店「いち川」に行く。250円ほどプラスするだけで、日本でも屈指のとんかつが食べられるのだから。
相当苦戦するだろうな、というのが僕の見解である。評価は☆1つ。多分もう行かない。
店名 豚丼番長銀
TEL 048-437-2757
住所 埼玉県朝霞市三原5-13-1
営業時間 11:30〜14:30 18:00〜22:00
定休日 水曜