ハンバーグの有名店ということで、食べてみた。
前にも書いたと思うのだけれど、僕の中の「標準」は「ミート矢沢」でもなければ、「札幌牛亭」でもない。今は食べることができない、「ハングリータイガー」のシュープリームである。セットで2,500円ぐらいだったと思うのだが、この10年ぐらい、どこに行ってもあのレベルのハンバーガーを食べたことがない。どういうハンバーグが合格点かといえば、まず牛肉の赤身の旨味が濃縮されていること。それから、牛肉の食感が残っていること。さらに、肉のジューシーさが楽しめること。この3点である。特に重要なのは二番目で、ネギトロのようなべちゃべちゃな状態まで捏ねてしまうと、肉の食感は失われてしまう。だからといって、粗いユッケのようなハンバーグでも困りもので、ある程度シッカリした食感が残っている必要がある。この3つをクリアしていなければ、「これなら自分で作った方が美味しいよな」となってしまう。
さて、グリルKである。今回頼んだのはクイーンサイズ。少ない方から数えて二番目に小さい。しかし、僕には十分な量だった。
外側にシッカリと焼き目をつけたハンバーグを高温の鉄板の上でナイフで割って鉄板に押し付けるあたりは「ハングリータイガー」と同じである。肉は少々旨味が足りず、ソースでの味付けが必須である。できればバターだけの味付けで肉の旨味を堪能したいのだが、この店では無理な願いのようである。肉はかなり念入りに挽かれたもので、よく言えば食べ易いけれど、肉をかじっているという満足感はない。一方で、牛脂を追加するといった小細工は施していないようで、ジューシーさはないものの、不自然な脂っこさがないことは評価できると思う。今回は最も標準的と思われるデミグラスソースで食べてみたが、味付けは無難だと思う。
スープ、サラダは普通の味だが、ライスの質は今二歩といった感じ。鉄板の上に乗ってくる付け合わせの野菜もそれほど質が高い感じはなかった。
決してレベルが低いとは思わないし、これで1,650円ならリーズナブルだと思うけれど、ハングリータイガーのシュープリームには遠く及ばない感じである。肉料理というのは、金額と品質がきちんとリニアになっている料理の代表例で、中には高いのにまずい店もあるけれど、安いのに美味い店というのは存在しない。とんかつの美味い店が2,000円以下ではほとんど存在しないのと同じく、ハンバーグもこの程度の価格(1,000〜2,000円程度)で本当に美味しい店を探すのは無茶なのかも知れない。
評価は☆2つ。
店名 グリルK
TEL 03-3943-5760
住所 東京都文京区千石4-45-15
営業時間 [月〜金]11:30〜14:00(L.O) 18:00〜21:30(L.O) [土・日・祝]11:30〜14:00(L.O) 17:30〜21:30(L.O)
定休日 不定休