2015年03月20日

麒麟の翼 〜劇場版・新参者〜



映画館で観ることのほどもないだろう、と思って映画館では鑑賞せず、わざわざレンタルするほどでもなかろう、と思ってレンタルすることもなかったのだが、親切にテレビで放映していたので録画しておいた。今日になってようやく時間が取れたので、自宅鑑賞。

二時間ドラマと思えば悪くない。絵作りはテレビっぽいし、時々挿入される音楽は全く画像にフィットしていないのだが、無料だしテレビだと思えば悔しくない。重要っぽい登場人物を惜しげも無く殺してしまうあたりに東野圭吾テーストが感じられるものの、「面白いっ!」と唸らされるほどのこともなく、感動も薄い。どちらかと言えば、知っている景色や店を見て、「あぁ、甘酒横丁をまっすぐに行った、たいやき屋の先の雑貨屋だね」などと感じるための作品で、人形町や日本橋界隈の知識がないと楽しめないかも知れない。

目先がコロコロ変わってしまい、真犯人は思いもよらない方角から現れたりするので、最初から疑われていた人物の立場がなかったりするのだが、これは横溝正史あたりからの日本ミステリーの伝統なので、納得するしかない。容疑者が容疑者のままで終わるなら30分ドラマにもならないのだから。

事件の構図が理解できてから改めて内容を考えると、観る人たちをミスリードしたくて仕方がないという感じで、それにしてはトリックが親切すぎる。「子供からお年寄りまで楽しんでもらおう」ということなのかも知れないが、欲張りすぎで、映画ファンやミステリーファンには食べ足りない内容になってしまったと思う。せっかく新垣結衣の登場機会がたっぷりあるのに、彼女の魅力をこれっぽっちも引き出せていないのも残念なところ。

評価は☆1つ。映画なんて欲張らず、テレビドラマにすれば良かったのに。  

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2014年01月28日

東京家族



「小さいおうち」のプロモーションの一環としてテレビ放映された奴を録画で観てみた。元が146分、放送が174分(CM込み)なので多少カットされているかも知れない。

小津安二郎監督作品(1953年)のリメイクだが、物語はすっかり現代に変更されている。

ごく普通の田舎に住む老夫婦が上京してきたところから映画はスタート。田舎を離れてそれぞれに暮らしている老夫婦の子どもたちを交えながら、老夫婦の東京での数日間の生活を中心に描いている。

さて、この映画、どこにでもありそうなありふれた家族を描いているのだが、観ていて微妙に違和感を持つ。それは、普通のシーンでの会話がおかしいからである。「この場面で、もう孫が大きいくらいの老夫婦はこんな会話は交わさない」と思わされる。それは、内容も、しぐさも、である。

あるいは、飲み屋でのシーン。大騒ぎをする老人二人組に、隣に座ったサラリーマンたちがうんざりして席を立つというシーンがあるのだが、老人二人の飲みっぷりは全く普通で、あの程度で女将に文句を言いながら店を出るのでは、クレーマーである。

恐らく「普通の東京の今」を描きたかったんだと思うのだが、見事にそれに失敗している。これは、脚本と演出がマズいからだ。「普通」を描いたはずなのに、普通の描写がマズかったら話にならない。

一方で、家族の中にアクシデントが発生してからは、映画は妙にピタッとはまってくるのだ。泣いたり、怒ったりという、喜怒哀楽がはっきりしてきてからは、違和感がない。「平常」と「非常」の落差によって描かれるはずだったものは容易に想像がつくのだが、残念ながら、その輪郭をくっきりさせる役割を担うはずの「平常」の描写がダメだったために、全てが台無しになってしまった。この映画が、アクシデントにフォーカスした作品ならこれで問題ないのだが、「おかしくて、かなしい。これは、あなたの物語です。」というキャッチコピーにはフィットしない。

とはいえ、背後に何気ないシーンを盛り込んで、映像自体に奥行き、立体感を持たせる手法はなかなかで、ちょっとわざとらしすぎる部分もあったけれど、映画ならではの見せ方をしていたと思う。

この作品の最大の成果は、まだ小津安二郎の「東京物語」を観ていない人に、観てみようかな、と思わせたことかも知れない。そういうトリガーとしては成立していると思う。

評価は☆1つ。  
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2013年11月25日

ロボジー



映画館で観ることができなかったので、TSUTAYAで旧作になるのを待ってBD鑑賞。

社長命令によって二足歩行ロボットを三ヶ月で完成させなくてはならなくなった木村電機の落ちこぼれ社員三人と、彼らが作り上げたロボット(?)の活躍を描くコメディ映画。

ドタバタコメディなので、あちこちに無理のある設定があって、突っ込もうと思えばいくらでも突っ込める内容になっているのだが、それは野暮というもの。あまり構えずに、のんびり観ていれば、結構楽しめる。もうちょっと色々なエピソードを突っ込めればさらにおもしろくなったとは思うのだが、時間の制限を考えればこれが限界だったかも知れない。

明和電機を意識したロゴの木村電器のロゴだったのだが、実際には協力していないのかも知れない。エンドロールを見た限りでは、その痕跡は見つからなかった。

吉高由里子、濱田岳、田畑智子、和久井映見と、個人的に好きな俳優が中心になって活躍していたのもちょっと嬉しかった。

最初から最後まで適度なテンションで緩みが少なく、良い出来だと思う。評価は☆2つ。

余談だが、斎藤ノブの名前をエンドロールで見つけた。  
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2012年12月25日

ホビット 思いがけない冒険

hobbit


ロード・オブ・ザ・リングの三部作は傑作だったと思うのだが、この映画はいただけない。全くリズムがないし、シーンが冗長。そもそも、冒頭で延々と状況説明をセリフでやっていく脚本が好きになれない。映画は朗読を聴かせるためのものではない。

出発前のドワーフの集合シーンも退屈なら、ガンダルフの決めつけっぷりも酷い。これがロード・オブ・ザ・リングと同じ監督、脚本ということに驚く。

あー、眠いなー、退屈だなー、と思いつつ観ていて、かれこれスタートから1時間が経過してもストーリーが全く進まないあたりで「え?もしかして、これ、前編、後編にわかれているの?」と気付いた。いつも、眠気覚ましにコーラを買っていくのだが、その後の30分で飲みきってしまった。それからさらに約30分が過ぎ、エルフの国でのやり取りが終了し、「ようやく終わりか!」と思ったら、岩の巨人たちが喧嘩を始めて絶望的な気持ちになった。結局、映画は3時間にも及ぶ睡魔との闘いだった。

結局何も解決せず、無駄に長いだけの映画だった。「うわー、これで後編も観なくちゃならないのか。憂鬱だなー」と思っていたら、なんと三部作らしい。これは拷問である(;_;)。評価は☆0。  
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レ・ミゼラブル

lesmise


ミュージカルの舞台をそのまま映画化したわけだけど、映画の良さである場面変化や視点変化、役者の細かい表情による表現などはうまく活かされていた。また、実際にこのキャストで舞台化されていれば、生の舞台を日本で観ることは不可能だったと思うのだけれど、それが日本で観ることができるというのはありがたい。

ただ、演劇ファンとしては、やはりこの映画は生の舞台で観たかった。

ストーリーは原作に忠実なのかも知れないが、ジャベールの結末はどうにも解せない。小さな少年の顛末にも納得がいかない。名前を捨てたジャン・バルジャンがわずか10年足らずで市長になったのも良くわからないし、ヒロインが一目惚れされてしまうあたりも陳腐である。

役者たちの演技は見事だったと思うし、歌唱力も見せ場の一つだったとは思うのだが、どうせやるならミュージカル映画ではなく、普通の映画に仕上げれば良かったのに、と思う。

そして、一番おかしいのは、フランスを舞台にした映画なのに、全ての言葉が英語であること。フランス語でやれよ、と思う。

評価は☆1つ半。  
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2012年12月08日

ふがいない僕は空を見た

しばらくご無沙汰だったタナダユキ監督の新作。「百万円と苦虫女」で蒼井優の良い演技を引き出していたけれど、本作でも俳優たちの良い所を上手に引き出していたと思う。

百万円と苦虫女のレビューはこちら
http://blog.livedoor.jp/buu2/archives/50699717.html

彩度、明度を抑えた画像作りと音楽・間の使い方が正統的日本映画という感じ。特に音楽の使い方は特徴的で、基本的にBGMはほとんど使われていない。ところどころ、ポイントになるような場所でだけ、必要最小限の音楽を使っている。加えて「女性はたくましく、男性は情けない」「女の敵は女」というのが上手に描かれていて、女性監督っぽい仕上がりだったと思う。同世代の女性監督の西川美和監督の場合、女性に対してサディスティックな感じがあるのに対して、タナダユキ監督は非常に優しい感じなのが対照的である。

脚本は非常に凝っていて、演劇では良くあるものの、映画でここまで技巧に走った(=ひねった)ものは珍しいと思う。書いたのは「俺たちに明日はないッス」でタナダ監督と組んだ向井康介。作りが複雑で、前半、中盤、後半で全く見せ方が違うのが面白い。時系列をグチャグチャにした前半、なぜかそれまでと全く違う人物にフォーカスされて展開していく中盤を経て、きちんと風呂敷を畳んでいく終盤が親切。全体を貫いている一本の串は「命」で、登場人物たちの様々なエピソードが用意されたラストシーンに収束していく。

役者では、まずベテランの銀粉蝶が良い。ブリキの自発団や、最近は野田地図の芝居で良く観るけれど、その存在感はスクリーン上でも遺憾なく発揮されていた。河原の長い1カットのシーンは見せ場のひとつ。「北の国から」で変人教師を演じた原田美枝子が新人類教師と対峙しているのも面白かった。おっぱい丸出しで頑張った田畑智子の「パラレルプリンセス・バージョンアーーーップ」は映画が終わってもしばらく耳から離れないし、べらんめぇな感じの女性を演じた梶原阿貴も良かった。全体的に、女優陣の奮闘が光るけれど、男優では窪田正孝が良かった。

ところどころで、「しょーがねーなー、全く」と苦笑してしまうようなシーンがあって、そのたびにちょっと冷めた感じになるのだけれど、ラストでは背筋を伸ばして観たくなるように持って行くところがさすが。

主要な登場人物たちの全ての命に対して残酷でありつつ、それぞれの存在意義を明らかにし、「とりあえず、生きていかなくちゃしょうがないじゃん」と生きていく様を丁寧に表現していたと思う。今年二回観た邦画はこれが初めて。  
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2012年11月29日

カラスの親指

すっかり珍しくなくなった詐欺ものの映画。この手の映画では観ている側をどれだけすっきり騙してくれるか、というのがポイントになるのだけれど、この映画はどうもイマイチ。仕掛けは確かにあるけれど、その必然性が説得力に欠ける。その目的なら、命をかけるほどのこともないんじゃないの?そんな大掛かりな詐欺を計画しなくても、という感じ。他にも色々な伏線が張ってあったのだけれど、そのひとつひとつが物語にとって必然なのではなく、映画にとっての必然、観ている側に「あーーー、そうだったのかぁ」と感心させるための必然なのである。だから、ネコのエピソードひとつとっても唐突で重要性がない。見せるなら見せるで、物語としての必然性が必要だけど、脚本にはそういう配慮がない。ただただ、観客を騙すための映画になっているのである。

そういう、観客を騙すための映画だから、「出来すぎ・・・」以後の説明調は長すぎる。書籍ならこういうやり方もありかもしれないけれど、映画では興ざめなだけ。物語の中での必然性の中で登場人物が騙されて、観る側も一緒になって騙される、これが詐欺を扱う上での最低条件だと思うのだけれど、この映画はそうなっていない。

役者では、阿部寛はいつもの阿部寛で観るべきところが特にないし、村上ショージと石原さとみは演技が下手。キャストでは能年玲奈という女の子が生き生きとした演技を見せていたけれど、あとは・・・うーーーん。

長くて途中でトイレに行きたくなるので、一時停止が可能なように自宅で、DVDで見れば良いと思う。  
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2012年11月25日

人生の特等席

curve


「TROUBLE WITH THE CURVE」という原題にはストーリーに絡めた意味があるのだけれど、それを「人生の特等席」としてしまったのでさっぱり意味不明になっている。このあたりがまず馬鹿。

次に字幕。アメイジング・スパイダーマンでも指摘(http://blog.livedoor.jp/buu2/archives/51346479.html)したのだが、菊地浩司は日本語が不自由。本作でも平気で「ら抜き」を使っていた。僕は年間70本ぐらいの映画を映画館で観ているけれど、ら抜きを使うような馬鹿は彼一人しか知らないので、「また菊地か」とすぐにわかる。字幕作家という日本語を最も大事にしなくてはならない種類の人間が日本語を軽く考えていることが腹立たしく、それだけで映画の価値が毀損する。

と、お決まりの邦題と字幕についての文句から入ったけれど、この映画はプロモーションも良くない。「キャリア最後の旅に出る」とか大げさなストーリーではないのに、大風呂敷を広げてしまっている。別に涙を流すような作品でもないので、見終わって「あれ?」となる。

#菊地浩司の日本語の不自由さには泣けてくる。

と、ここまでの批判は日本限定のもの。作品は、というと、普通に面白い。ただ、クリント・イーストウッドが監督をした作品のような重厚さはなく、小品という感じである。見所は・・・強いてあげるならグラン・トリノで俳優から引退したはずのクリント・イーストウッドの演技をまた観ることができる点だろうか。野球を「マネー・ボール」と対極の視点から描いているのが映画ファン&野球ファン的には面白いけれど、そういう積集合に該当する人間がどのくらいいるのか・・・。ことさら補聴器のような伏線を強調したりする演出は、わざとらしいといえばわざとらしいのだが、これも親切といえば親切なのかも知れない。

映画館で観ても後悔はしないけれど、このくらいの作品ならTSUTAYAで借りてきて観るんでも良いかな?と思う。評価は☆1つ半。  
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2012年11月24日

北のカナリアたち

東映創立60周年記念作なんていう大事な作品をどうしてこんなウンコ脚本を書く脚本家に任せたのか、小一時間問い詰めたい気分である。が、別に大事じゃないというか、来年は創立61周年記念作品が上映されるのかも知れない。

まず、のりしろを作りつつ、リレーみたいに工夫なく登場人物たちをつないでいくストーリー展開が最悪。登場人物たちのスケジュール調整が難しかったのか(邦画ではありがちだけど)、複数の役者が一緒の場面で出てくることがほとんどない(このあたりは脚本家のせいではないけれど)。それに対応して、それぞれの登場人物のパートが完結しなくてはならないため、無理やり謎を出し惜しみするハメに。そのせいで、最初の方の会話が不自然極まりない。おい、お前、そこで会話を打ち切るのか?みたいな。

不自然極まりないといえばストーカー男が20年ずっと監視していたのに気が付かないのも不自然だし、娘が知らない仲村トオルの詳細を小百合パパが知っているのも不自然だし、色々な謎がきちんと順序良く明らかになっていくのも不自然だし、小池栄子の不倫がバレるタイミングも不自然だ。加えて、同級生同士でアホかというシーン(ネタバレ自粛)まであってビックリ。ストーリーとしても破綻している。

吉永小百合はただでさえ演技力がないのに、40歳の役って、そりゃぁ無理があり過ぎでしょう。おまけに演技で年齢を演じ分けることができないから、「あれ?今は40歳?それとも60歳?」って、わけわからなくなってしまう。若手の実力派をごそっとかき集めてしまったので、吉永小百合のダメっぷりが物凄く明瞭になってしまった。

共演者たちは、「あの吉永小百合と共演できた」ということで嬉しいのかも知れないけれど、観客からすれば「もうちょっと、別の女優さんの主演でなんとかならなかったの?」と思うし、「もうちょっと、別の脚本家でなんとかならなかったの?」となる。あ、でも、吉永小百合の同世代の人たちは楽しめるのかな?僕は無理でした。  
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2012年11月23日

スカイフォール

skyfall


「Yahoo!映画の試写会は全然「厳正なる抽選」をやっていない」(http://blog.livedoor.jp/buu2/archives/51349063.html)と暴露したので、もう呼ばれないはずのYahoo!映画レビュアー試写会に行ってきた。今回は川崎のIMAXだったのでかなりウキウキだった。

さて、本題。大人の事情で製作が大幅に遅れていた007がようやく完成した。前作の「慰めの報酬」でようやく「007ビギンズ」に一区切りついたので、どんな映画になるのかなーと期待していたのだけれど、本作も前2作同様、ソリッドな作りだった。遊びがあまりなくて、シリアスなシーンが多い。冒頭からいきなり凄いアクションだったけれど、それは前半で一段落、中盤にドラマシーンが配置され、ラストに派手なシーン。

IMAXということもあって画像も含め非常に楽しめた。

ただ、これまで50年間で作られてきた007っぽさというのはずいぶんと失われていたと思う。007以外のスパイ映画がたくさん作られるようになって、007らしさというのは映画の表現の中で重要なんじゃないかな、と思うのだけれど、どうも(これまでの)007っぽくない。どのあたりからそれを感じるかといえば、まずボンドガールがほとんど活躍しない点。お色気が007の特徴だったと思うのだけれど、それがない。次に、海外ロケの減少。お金がなかったのかも知れないけれど、英国内での撮影がほとんどだったようだ。あと、敵のキャラクターが随分変わった感じがある。以前の敵は、とにかく悪い奴らで、変人たちで、だからこそ、理屈とかは特になかった。「とにかく世界征服じゃ」みたいな。ところが本作は敵には敵なりの、悪の行動原理みたいなものがあった。彼がジョーカーみたいに演説するおかげで、物語中盤ではテンポがガクっと落ちた。

こういった、過去のシリーズ作品を踏襲していない点については目をつぶるとして、ちょっと微妙なのはMI6がダニエル・クレイグ版シリーズの中でも技術的に退化していたこと。発信機が馬鹿でかかったりするのはパロディにしてもいただけない。せっかく東西冷戦の存在しない現代を舞台にしているのだから、もうちょっとそれなりの秘密兵器を出して欲しい。

あと、MのPCをハッキングするほどの腕前がある敵が、なぜHDDをかっぱらうのかが謎。っていうか、そんな大事なものがHDDに保存されているのが意外過ぎる。せめてMには「これだけ税金を投入しているんだから、PCから取り出された時点で自動的に爆発するようにしておきなさい」と命令して欲しい。他にも「なんで氷の上をわざわざ」とか、「逃げ場所としてそこはちょっと」とか、色々と解せないところもあった。が、そのあたりにも目をつぶろう。ただ、それでも何かしっくりこない。なんだろうなーと思い返していて気がついた。ボンドが全然頭を使っていないのだ。脳みそ筋肉で、抜群の身体能力だけでピンチを切り抜けていく。これが、スパイというよりはエクスペンダブルズ的。ドラゴンボール的。ん?いや、でも最後のバトルでは色々と知恵を出していたか・・・。ということは、観る側が色々と忘れてしまったのかな?

と、色々と文句を書いてはみたけれど、実際に見終わった感想は「面白かった」のである。つまり、これが「今の時代の007」ということなんだろう。そこで活躍するボンドが、「私が愛した007」とは違っていても、僕は受け入れるべきなんだと思う。新作が公開されるたびに、「これは僕が好きだったボンドとは違う」と不満を言い続けるのは生産的ではない。あちこちに過去の作品のセルフパロディを配しつつ、全く新しい007シリーズを構築しつつあることを評価すべきだと思う。だって、あのシーンやあの音楽が流れれば鳥肌が立つし、次回作もやっぱり楽しみだもの。いや、その前にゴールドフィンガーあたりを復習して、もう一度観てこようかな?

字幕でハードドライブって出てきて、何でわざわざハードディスクじゃなくてハードドライブっていうのかなぁ、日本では普通ハードディスクなのになぁ、と思った。他にもせっかくfor your eyes onlyなのに、とか、疑問に思うところがあったけれど、なっちゃんだから仕方ないところか。

評価は☆3つ。IMAX推奨。  
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2012年11月20日

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q

クリエイターというのは、期待の一段か二段上に行ってなんぼのもの、という意識があるのかも知れない。庵野監督もそんな感じなのか、僕が期待している物語よりも14年も先に行っていた(^^; スターウォーズのエピソード1と2の間でも10年だったから、かなり先である。

エヴァの世界観をきちんと理解した上で、さらに詳細に設定を記憶しているなら、あぁ、空白の14年間にはこういうことがあったんだろうな、などと推測できるのだけれど、いい加減に観ているとさっぱりわからない。ヒントは、前回の使徒が第10使徒で、今回の使徒が12とか、13だったというあたりだと思うのだけれど、細かいことは置いておく。とにかく、ミサト、アスカ、シンジ、ゲンドウあたりの人間関係は激変していて、全く違う物語になっていた。

それで、この映画、アニメとしてはちゃんと成立していて、それなりに楽しめると思うんだけれど、当然、エヴァに関するベース(人間関係とか、ATフィールドとか、インパクトとか)が観る側に存在している必要があって、それがある人間がこれを観るとどうなのかな、と。これって、エヴァなのかな?ってか、序と破の立場は?

イスカンダルから戻ったところでヤマト終了。ヤマト2が始まったら、古代とデスラーが手を組んでいて、敵は島とクローンで蘇ったスターシァだった、みたいな。

ルパンと次元が逃げて、銭形がクラリスに「あなたの心です」と言って終了。カリオストロ2が始まったら、銭形は不二子と組んで盗賊に、クラリスは五ェ門と結婚していて双子のママ、ルパンは牢屋の中で、FBIに雇われた次元が超A級国際テロリストとして銭形を追っている、とか。

ただまぁ、「すっ飛ばされた14年間に何があったのか」をひとしきり語る奴とか、「また庵野か」と激怒する奴とかが大量発生しそうなあたりはやっぱりエヴァなのかな?それで、みんな次もやっぱり観ちゃう、とか。それだけじゃなくて、もう一回観ちゃうとか(笑)いや、その前に、ツタヤに行って、序と破を借りてくるんだよね。え?お前もだろうって?大丈夫、僕は両方ともDVDで持っているので(^^;

やっぱり、エヴァはエヴァだったな。

#ところで、どうして突然Pixarの真似事を始めたんだろう。本編の尺が短かったからかな?別に良いけど。  
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2012年11月19日

のぼうの城

石田三成の大軍に攻められながら、500騎(3,000だったという説もある)の手勢で籠城し、小田原城が落城するまで持ちこたえた、忍城(おしじょう)の城代、成田長親を描いたもの。

馬にすら乗れず、でくのぼうと言われながらもなぜか人望だけはあったといわれる長親を中心に、忍城の攻防を、史実に基づいて描いているのだが・・・・

この手の「史実に基づく」というのがどの程度基づいているのかが良くわからない。最近観た映画だと、"アルゴ"は「あー、このタイミングとかはうそ臭いけれど、概ね本当なんだろうな」と思うし、"危険なメソッド"も「かなりの部分まで本当っぽい」と思うのだけれど、去年の"ザ・ライト"ぐらいになると、「エクソシストがいるのは事実だろうけれど、それ以外はうーーーん」と思ってしまう。つまり、「事実に基づく」「史実に基づく」というのが、同じ文言であっても、その度合が随分違う気がする。

そして、この作品。長親がでくのぼうだったのは本当だろうが、さて、クライマックスの田楽踊りは本当に史実なんだろうか。2万人の兵を前に踊るって、それは東京ドームの内野スタンドに向かって踊るようなものだ。マイクやスピーカーがない1600年前後に、2万人を前にして肉声を届けることが可能だったのか。2万人全員ではなく、1,000人だったとしても、さて。この映画はとにかくこの点が気になって仕方がない。それまではそれなりに楽しめたのに、肝心要の場面で「あれれ?」と疑問に感じ、ドッチラケになってしまったのである。仮にそれが史実だったとするなら、画面でもっと説得力のある説明をすべきだと思うのだが、この映画では単に空々しいだけだった。本当ならきちんと本当らしく、嘘ならいかにも本当っぽく見せるのが作り手の腕の見せ所だと思うのだけれど、そういったものが欠片もなかった。だから、観ている側の感想は

「こんなこと、できるわけないじゃん」

となってしまう。そういう部分を「実話」という単語でカバーしたかったのかも知れないが、それこそ奇策、しかも、役に立たない奇策である。こんなので騙されるほど観客は馬鹿ではない(と、思いたい)。

TBS開局60週年の記念映画とのことだけど、特撮もお粗末。また、録音も良いとは言えず、役者のセリフが聞き取りにくい。こういうハードの部分でもアラが目立つ。

さらに、ラストの甲斐姫の顛末。これこそ史実通りだけれど、「え?」という感じである。ここも、「え?」と思わせないような表現が必要だと思うのだけれど、これを観た人は納得できるんだろうか?史実はその通りだとしても、それまでの長親の描かれ方との乖離が大きすぎる。長親をデフォルメするのは構わないけれど、それなら首尾一貫したデフォルメが必要で、最後だけ手のひらを返してしまうとあれ?となる。

現代語を巧みに混ぜこぜにして笑いをとる会話パートの処理だけはできが良かったと思うのだが、それ以外ではマイナスポイントが多く、長くてトイレに行きたくなる映画だった。評価は☆半分。  
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2012年11月18日

アルゴ

argo


1979年のイラン革命の際、アメリカ大使館から脱出してカナダ大使公邸に匿われた6人の外交官をイランから国外に脱出させるために、「アルゴ」という架空の映画製作をでっちあげる、という映画。

映画の冒頭、イラン革命について非常に簡潔に説明し、同時に当時の緊迫した状況を伝える部分がまず素晴らしい。その後も、無用な残虐シーンなしに緊張感を維持していく脚本が良い。ただ、緊張しっぱなしというわけでもなく、きちんと抑揚がある。このアップダウンによって、観客を飽きさせることがない。

イランサイドにも若干の配慮を見せつつ、それでいて米国寄りな立ち位置は仕方ないところなので、そういう(米国サイドの)映画と思いながら観る必要はあるけれど、それ以外ではほとんど欠点が見つからない。エンドロールも含め、最後の最後まで楽しめる。また、時々「原作を読んでいれば楽しめる」とか、「歴史を詳しく知っていれば楽しめる」という映画があるけれど、この映画についてはCIAがどういう組織なのかとか、カーターやホメイニ師が誰なのかとか、イランがどこにあるのかとか、アラブ諸国の特徴ぐらいの知識があれば十分。あとはちゃんと映画の中で説明される。このあたりも良くできている。

エンドロールの終盤で「こういう映画にちゃんとした字幕を付けられる人は松浦美奈さん以外で知らなかった。誰が書いたんだろうね?覚えておこう」と話していたら、松浦さんだった。時々思うのだけれど、「松浦美奈が字幕を書いている映画を観る」という選び方もありだと思う。もし「今後の松浦美奈字幕作品」を調べることができるサイトをご存じの方がいたら、ぜひコメント欄でお知らせください(^^  
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2012年11月15日

悪の教典

原作未読。公式サイトですら「先生はみんなを殺し続けたんだ」と書いているので、誰が殺すのかはネタバレではないと判断してレビューを書く。

ストーリーにはほとんどひねりがなく、単純。もうちょっと伏線とかあるのかと構えていたけれど、そんな必要は全くなかった。後半の殺しっぷりには思わず笑ってしまう。大量殺人ストーリーは色々あるけれど、ここまで杜撰に殺し続けるのも珍しい。だって、普通は周囲に「これはおかしい」って気付かれるよね?と、思ったのだけれど、良く考えてみると現実の世界でも、つい最近尼崎の事件があった。意外と警察は無能で、殺人はバレないものなのかも知れない。

しかし、この映画の場合、なぜ殺すのかが良くわからず(いや、単にキチガイなんだろうけれど)、特に、それまではそこそこ計画を立てて殺していたのに、突然面倒くさくなって大量に消去することにしてしまったあたりの背景がきちんと語られなかったのはちょっと不親切だったと思う。もっと綿密な犯罪計画があって、心理描写があって、そして犯罪を隠蔽するための様々な工夫があって欲しかった。あと、殺し方も単純かつ単調で、これでは戦争映画を見ているのと変わりがない。結局、ただバンバン工夫なしに殺人を重ねる、という大味な映画になってしまった。殺す人数が多いので、「こまけぇことは良いんだよ」ということなのかもしれないけれど。

と、脚本やストーリーの観点からは特に見るべきところがなかったと思うのだが、役者の演技はなかなか良かった。「ヒミズ」の染谷将太と二階堂ふみ、「風が強く吹いている」の林遣都、「闇金ウシジマくん」の山田孝之、ここ数年は園子温の映画に多数出演して印象的な演技を見せている吹越満、他にも平岳大や岩松了など、良く集めたなぁ、というメンバーが並ぶ。役者の顔ぶれを見ていて三池監督って、園子温監督と仲良しなのかも知れないなぁ、と思って、「三池崇史 園子温」でぐぐってみたらやっぱり色々とコンテンツが出てきた。なるほど、という感じ。興味のある人はぐぐってみてください。

この映画自体は僕はそれほど評価しないけれど、ジャニーズやAKB、テレビ局が絡んで大量生産される駄作映画とは別の流れに存在する、今後の活躍が楽しみな役者さんがたくさん出演していたと思う。  
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2012年11月10日

伏 鉄砲娘の捕物帳

小説家の中では個人的にかなり高く評価している桜庭一樹原作のアニメ映画である。里見八犬伝にインスパイアされた小説らしいが、原作は未読。

一行で書くなら、イヌと人間のあいのこが悪さをするので何とかしてくれ、という話。舞台は江戸時代末期の江戸。

さて、この映画、最も評価できるのは美術の部分。江戸城を始めとして、なかなか良い感じにデザインされている。このあたりはアニメならではの表現で、その良さが存分に発揮されていたと思う。

もうひとつ面白かったのが、江戸時代の設定の中に調和しないグッズが散りばめられていること。この混合具合がまた良い感じである。ただ、こういう風味は、例えば山口晃さんの絵などですでにやられているので、二番煎じという感はある。

そして・・・と、実は褒めることができる部分はここでオシマイ。一番残念でかつ致命的なのが脚本の弱さである。見終わって、この映画で何を表現したかったのかが全く伝わってこない。結果として、退屈な映画になってしまった。

狩るものと狩られるものの間に通じる「何か」、すなわちこの映画で表現されるべきものが、残念ながらほとんど何も伝わってこない。後ろの席に座っていた女子大生と思しき女性は、映画が終わった直後に、「おもしろかった〜。三回目だけど、まだおもしろい」と言っていたので、もしかしたら、伝わってこないのは僕にだけかも知れない。少なくとも、その女性には伝わったんだと思う。じゃぁ、どの程度の頻度で伝わるのかな、ということなんだけれど、僕は多分ほとんどの人に伝わらないんじゃないかな、と思う。

こういう映画の評価を書いていると、良く「原作を読めばわかる」という人がいるんだけれど(サイボーグ009とかも同様)、原作なんか読んでなくても、それなりに楽しめる必要があると思う。それで、この映画は楽しめなかった。評価は☆1つ。  
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2012年11月02日

危険なメソッド

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ユング、ザビーナ・シュピールライン、そしてフロイトの3人の心理学者の交流や葛藤を描いている。「史実に基づいた物語」とのことだけど、どこまでが事実で、どこからがフィクションなのか、良くわからない。

映画は大きなイベントがあるわけではなく、淡々と進んでいく。会話は高尚、かつ詩的な言葉が並んでいて、僕のような下賤の者はちょっと眠くなる。

あ、眠くなったのは、字幕が下手だったということもあると思う。表記できる文字数に制限があるのはわかるけれど、固有名詞を省いてしまったら話がわかりにくくなるし、リズムが悪いと眠くなる。このあたりは自分で字幕をつけるようになってわかったところもあるけれど。

統合失調で入院してきた女性がすげぇ美人で、処女で、おまけにどM。そのあたりを精神科の診断によってじっくり調べて丸裸にしちゃったので・・・という、事実は小説よりも奇なり、な展開。

キーラ・ナイトレイが演じた統合失調患者は良い感じに迫力があった。その周囲を固める役者たちは、ファスベンダーを筆頭にどれもうまい。

個人的にはそれほど好きなタイプの映画ではないけれど、映画の日に1,000円で観るならありだと思った。評価は☆1つ半。  
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2012年11月01日

009 RE:CYBORG

格好良い予告編を観て、かれこれ半年ぐらい期待していた009である。絵はなかなか格好良いし、003はサービス満点だし、視点を色々と変更するのも効果的だし、音響効果も非常に良いのだが、唯一、脚本がひどい。なんだ、コリャ、レベル。

素晴らしい食材を使って作ったフレンチの料理でも最後に砂糖をごちゃっと入れたら台無しだし、有名なイタリアンのスイーツだって上からタバスコをかけたら全てが台無し。そんな、台無し感が凄い。

昔、ピクサーがトイ・ストーリーを作ったとき、「絵は全然ダメだけど、脚本がしっかりしているからきちんとした作品に仕上がっている」と感じたけれど、本作はその真逆。

絵で☆1、音響で☆1、003のセクシーショットで☆1・・・と積み上げていっても、このラストじゃぁ全部リセットされて、評価は☆ゼロである。映画の日に付き、1,000円での鑑賞だったけれど、それでも損した感あり。映画は、何はなくとも、まずは脚本。  
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2012年10月30日

ねらわれた学園

試写会で鑑賞。

まずパッと見て気がつくのがしつこいくらいの透過光(っていうんですか?TV版「あしたのジョー2」あたりで採用され始めたアニメ技法だと思うんですが)の利用。良し悪しは好みの問題なんだけれど、あまりにもしつこすぎて、この演出が良い効果をあげているという印象を持たなかった。もうひとつ特徴的なのが異常なまでに彩度の高いカラー。透過光との併用で、画面は物凄く特徴的になったものの、すぐに飽きてしまうものになってしまったと思う。アニメなので当たり前かも知れないけれど、登場人物たちの漫画チックな動きも映画としては違和感があった。ただ、これはジブリや細田守などのアニメに慣れているからかも知れない。

というか、色にしても、動きにしても、全ての演出が既存のアニメ(といっても、僕はアニメオタクではないので、詳しいわけではないのだけれど)の枠を飛び出しているように見えた。そういう意味では挑戦的な映画だったのかも知れないのだが、僕にはその意欲だけが空回りしているように感じられた。

絵作り以外でも挑戦的なものがあって、それは音楽の利用形態。洋画、特にハリウッド映画は音楽が鳴りっぱなしで、一方で邦画は音楽をあまり使わず「間」を上手に利用しているのが特徴だと思うのだが、この映画は前者。日本のアニメとしては画期的なくらいにBGMが鳴りっぱなしだった。これも好き好きなんだと思うのだけれど、僕にはピンとこないやり方だった。なんか、過剰演出なような。

全体の構造的な特徴についてもちょっと入りづらいものだったのだけれど、内容は、というと、まず全体の設定が今一歩。全地球的な危機を語っているのに、舞台はなぜか湘南(江ノ島とか)である。昔、ショッカーという世界征服を企む秘密結社が幼稚園バスを襲ったりしていたような気がするのだけれど、それと同じようなスケールの小ささを感じる。どうせなら国連とか、ペンタゴンとか、そのあたりを相手にして欲しかった。ど田舎の、しかも中学生を相手に地球の未来をかけて戦うとか、うーーーーーーん。地球を救うためにやることが生徒会を乗っ取ることとか、うーーーーーーーーん。脚本も出来が良いとは言えず、モノローグの主体が場面によって変わっていくことぐらいしか工夫が見られなかった。ブツブツ切れる編集もどうなのかなぁ。最終的に、幼馴染との三角関係に終始して、登場する女の子たちが勝手にキュンキュンしているだけの映画になっていた。あぁ、アキバ系の男子たちが「こうだったら良いよね」と思っている女の子たちを描いたんだろうか。

ということで、内容は凡庸なのに、各種の演出が過剰で、普通に駄作だったと思う。評価は☆ゼロ。

(ねたばれレビューを追記に)  続きを読む
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2012年10月24日

推理作家ポー 最期の5日間

raven


40歳で謎の死を遂げたエドガー・アラン・ポーの、消息不明だった数日に何が起きていたのかをでっち上げたミステリー、というかちょっとホラー映画。ポーの小説を真似た猟奇犯罪が続き、ポーと警察がそれを追う、という展開。

トイレどうしたんだろうなー、とか、昔の磁石って強力だったのかなー、とか、振り子作る技術すげぇ、とか、もし舞踏会がなかったらどうするつもりだったんだ、とか、人に知られずに穴を掘るって大変だろうなー、とか、一緒に病院行け、とか、色々気になったけれど、一番気になるのはヒロインのおっぱいだったという(^^; あと、ラストのポーの顛末をこの映画を観るみんなが知っているのがちょっと。って、それはスター・ウォーズエピソード3と同じなんだけれど。

映画自体は、眠くなるほど退屈ではないけれど、取り立てて面白いわけでもなく、「どうだった?」と聞かれたら「うーーーん」と答えるレベル。制作者の思惑通りにミスリードされて、違う奴を犯人だと思ってしまったのが悔しいが、もう一度観ることはないだろう。

字幕がイマイチだったけれど、誰が書いていたのかな?あ、もちろん邦題も変。タイトルでネタバレすんな。

評価は☆1つ。

raven2
  
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2012年10月20日

ボーン・レガシー

bourne


ボーン・アイデンティティの内容を忘れた頃に作られた焼き直し作品。とはいえ、全くつまらないかといえばそんなことはなくて、そこそこ面白い。面白いんだけど、何か、喉に小骨が刺さっているような違和感がある。なんだろう、これは。

でも、僕にとってかなり大事な「ヒロインが可愛いこと」という条件をクリアしているので、それだけで「ま、いっか」という気分になる。いや、待て、何か、とても大事なことを忘れているんじゃないだろうか。なんだろう、何かヒントはないのか。

ラストのカーチェイス(厳密には四輪車ではないけれど)もかなりの迫力だった。最近はやりの細切れアクションではなく、きっちりと長めのカットで見せてくれたのも良かった。ただ、うーーーん、何か、大事なことを忘れているような・・・。

この違和感、もしかしたら、「ボーン・アイデンティティ」をもう一度見たらその原因がわかるかも知れない。ちょっとTSUTAYAに行ってこようか・・・。

前に観た何かの映画とそっくりなような気もするんだけど、それが何の映画だったのか・・・。残念ながら、記憶が取り戻せません。

評価は☆1つ半。  
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2012年10月13日

ツナグ

死を取り扱った映画だからなのか、観ている客の年齢層が非常に高い。

死んだ人と生きている人間を再会させる、イタコのような人が主人公。最近はどこかの新興宗教の総裁が今上天皇の守護霊のようなやんごとなき方々を呼び出したりしてカオス状態になっているという噂もあるけれど、この映画で呼び出されるのは普通の人。しかも、口寄せは無料でボランティアだっていうのだから大変だ。エピソードは導入に一つ、アクセントに一つ、クライマックスに一つと合計3つ。これらを論理的破綻なしに語っていくために、ご都合主義の設定が多く、かなり自分勝手な印象を受ける。また、設定のみならず、他にもご都合主義があちこちにあって、それが気になってしまう。突っ込もうと思ったら、多分、両手でも足りないと思うのだが、いくつか書くなら、人が死ぬような大きな事故があったら、ちゃんと調べてみようよ(それも、交通事故ともうひとつと2つもあって、後者は7年も放ったらかし)、とか、そんな聞き間違え、しないだろ、とか、凍ってないならあまりにも偶然が重なりすぎる、とか、お前らホテル代どうしてるんだ、とか、高校生がホテルのロビーで寝ていて誰も文句を言わないとかである。

樹木希林の安定感はさすが。若手もそこそこ頑張っている。だからこそ、脚本と設定の甘さが目に付く。脚本といえば、ストーリーが一本道でほとんどひねりがない。あと、一部、日本語の使い方もおかしかったと思う。

後ろでみていたオーバーシックスティと思われるおばさんたちが笑っちゃうくらいに号泣していたのだけれど、残念ながら僕の涙腺は一度たりとも刺激されることはなかった。評価は☆1つ。  
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2012年10月09日

新しい靴を買わなくちゃ

パリに住むバツイチオーバーフォーティのおばさんと、売れないアラサー写真家、ただしイケメンの3日間の恋、みたいなものすごく陳腐な話をものすごくベタな演出で描いた駄作。

こんな映画、誰が観るんだよ、という感じだけど、実は毎年恒例の「この映画はいったい誰が観に行くんだ!?大賞」の該当作がまだ見当たらなかったので、毒とわかっていながら観てきた。期待に違わず、酷い映画だった。これを観るのにミッドナイトインパリと同じ料金というのが信じられない。例えて言えば、両者には銀座水谷の寿司と、吉野家の牛丼くらいの差がある。

分かったのは、中山美穂がすっかりおばさんになってしまって全然魅力がなくなってしまったことと、向井理は演技が下手で大画面には耐えられないことの2つぐらい。

メインはおばさんとお兄さんただしイケメンの実際にはほぼ完全にありえない恋の物語。同時進行のサブに可愛いお姉ちゃんとそこそこ格好良い芸術家の恋。どちらもチンケで全く面白くない。北川悦吏子女史はこの映画で一体何を見せたかったのだろうか。アラフォーバツイチのおばさんでも宝くじを当てるぐらいの確率の百倍ぐらいの偶然があれば、向井理のようなイケメンをゲットできる可能性がある、ということを見せて、世のアラフォー婚活女子に希望を与えたかったのだろうか。でも、それなら、パリの夜中にタイムスリップして過去の芸術家たちと交流した方がずっとおしゃれだ。大体、この映画で描かれているパリはくすんでいて全然おしゃれじゃない。というか、もう冒頭から、「ほら、おしゃれでしょ?」という押し付けが満載で食傷気味になる。

後ろで観ていたおばちゃん(60前後と思われます)が観終わって開口一番「寝ちゃったので最後どうなったかわかんないんだけど」、それに連れのおばちゃんが答えて曰く「パーティーに行く、あたりまで起きてたのよ。でも、そこから先はわかんない」だそうで。おばちゃん、つまらない映画は、コーヒーを飲みながら観ると良いですよ。え?トイレに行きたくなるって?大丈夫、この映画はどの部分を取っても、「うわー、見逃しちゃった!!」というシーンはありません。何なら、二度トイレに行っても良い。あ、「この映画はいったい誰が観に行くんだ!?大賞」の候補作を探すのにはうってつけです。ただ、その際も、もちろんコーヒーを忘れずに。映画館は昼寝するための場所ではないので。

#坂本龍一も仕事を選べよ、と思った。  
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2012年10月08日

アウトレイジ ビヨンド

「アウトレイジ」の続編なので、前作は必見である。おおまかな人間関係だけでも把握しておかないと、この映画をちゃんと楽しむことはできない。

例によって、出てくるのは悪い奴らばかりである。こいつらが笑っちゃうくらいに悪い奴らなので、観ていてあちこちで笑ってしまう。一方で、前作ほどではないものの、イタタタタ、という場面もあって、痛みに弱い僕はちょっと辛かった部分もある。

ストーリーは非常に単純で、分かりにくい部分もなく、レールに乗ってまっしぐらに走っていく感じだ。すっかり恰幅が良くなった三浦友和を始めとして、役者たちもみんな芸達者。演出にも不自然なところがないので、ストレートに楽しめる作品になっている。だけど、何か教訓が得られるとか、感動するとか、そういった映画ではない。何を目指して作られているのかは正直良くわからない。ヤクザって、こんなにろくでもなくて、しかも殺されちゃって、全然良いことないんだぜ、ということだろうか。

撮影技術的には凄く凝っていて、映画のお手本みたいに感じられる。あー、こういう意図があるときはこういうアングルで撮るのか、画面に奥行きを出したい時はこういう配置にするのか、などなど。そういった細かい配慮がわかりやすい。

役者がうまくて、脚本が結構いけていて、撮影も良い。おかげで普通に面白いけれど、それだけの映画。いや、ジョーズもスター・ウォーズもそういう映画だから、別にこれでも良いんだけれど。ヤクザ映画が好きならオススメ。

評価は☆2つ。可愛いお姉ちゃんがほとんど出てこない(笑)。  
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2012年10月02日

コッホ先生と僕らの革命

dream


ドイツにサッカーを伝えたコッホ先生とその生徒の物語。保守派に対抗する改革派、という内容は日本の実社会で腐る程目にする話で、これを観る人の多くが実は自分も保守派に与しているというのが日本の悲しい現実である。この映画の対象はサッカーだが、今の日本の状況でわかりやすく例示するなら、「夫婦別姓」だったり、「年功序列」だったり、「女性天皇」だったり、「土俵に女性が上がること」といったことが該当するはずだ。

こう言ってはなんだが、この映画を観て“純粋に”感動することが許されるのはほんのひと握りの人間で、多くはこの映画でコッホ先生の「敵」として描かれている登場人物と同類なのではないか。あちら側の癖にコッホ先生の側に立っているつもりになって感動するのはぜひともやめて欲しい、とまでは言わないけれど、こちら側に来たいなら、せめて「今はあちら側にいる」ということを自覚して欲しいと思う。この感覚って、村上春樹がエルサレム賞を受賞した時、「壁と卵」のスピーチについて報道する日本のメディアの記事を読んだ時にも感じたんだけど。

とまれ、映画自体のできは素晴らしいと思う。何より、いじめっ子のジャイアンの描写がとても自然だった。こういう脚本を誰もが書きたいと思っていると想像するんだけど、それに成功することはあまりない。この映画は、それに成功しているだけでも素晴らしい。

サッカーは、英国においては今も下流階級がファンの中心みたいだけど、イタリア、スペイン、そして日本では階級とは無関係に国民がサッカーを好きなので、そういう国のひとつ、ドイツのサッカーの黎明期の話というのはなかなか興味深いものがあった。

#ちなみに日本でサッカーが市民権を得たのはほんの20年前なんだけれど。

日本社会において長いものに巻かれている人“以外”は自分を勇気づける意味で、あとはまだ社会に出てなくて、日本を変えていける可能性がある子供達に観て欲しいと思うのだけれど、いかんせん、上映館数が少ない(全国で28館)。くだらない映画の上映館数ばかりが多く、興行成績も良いというのがこの国の姿なんだろう。  
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2012年10月01日

アイアン・スカイ

ironsky


第二次世界大戦に負けたナチが月面の裏に逃れ、反撃の機会をうかがっていた、という設定のコメディ。

パロディと俗語満載で字幕に苦労しそうな映画だけど、そこは町山さんが監修ということで安心して観ることができる。ブラックなユーモアが満載で、ずっとクスクス笑っているような映画だった。ただ、それぞれのパロディはマニアックで、映画ファンというよりは映画オタクが喜ぶタイプの作りになっている。僕自身、恐らくこの映画の面白さの30%も理解していないんだと思う。どこかでそんなケースがあったよな、と思ったら、この本だった。



著者だけど(笑)おまけに映画本編に総統閣下シリーズ(ヒトラー 〜最期の12日間〜)のパロディが出てきたのには驚いた。僕は澤井健画伯にパロディ漫画を描いていただいたけれど、動画でやっちゃうとは思わなかった。

一般の人がこの映画をどこまで楽しめるかはちょっとわからないのだけれど、映画やら、国際情勢やらに一定の知識と興味がある人なら、1,200円分ぐらいは楽しめると思う。低予算とのことだったけれど、日本の「宇宙兄弟」よりはずっと宇宙っぽい絵作りだったと思う。こういう、四方八方を敵に回すようなパロディ映画が日本であまり作られないのが残念である。パロディは元ネタを知っているかどうかで楽しみ方が随分と変わってしまうので、日本人ならガンダムやジブリを使って風刺アニメを作るとかやったら楽しそうなんだが・・・。

#アレを原作に使って映画を作れ、ということです(笑)  
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2012年09月22日

鍵泥棒のメソッド

監督がやりたかったのは多分スティングの現代版のようなものなんだろう。その意味ではそこそこいけていたと思う。軽妙な笑いで繋ぎつつ、大きく騙している。

堺雅人、香川照之や脇役はみんな芸達者。良いキャストを集めたと思う。演技力に難のある広末もどうしたわけかコメディだけは上手に演じるので、この映画では適役だと思う。

脚本の出来も悪くない。冒頭の広末のシーンから期待させる。そこから大きな緩みもなく、面白く進んでいく。途中で「ここまで風呂敷を広げて大丈夫かな」と心配になったけれど、無難に畳んでいた。細かい伏線もなかなか凝っていて、それぞれがきちんと回収されていた。とはいえ、どこにも穴がないかと言えばそんなこともなく、スタート直後の「夜の団地のシーン」「昼の銭湯のシーン」「続く夜のシーン」の時間の流れがどうもゆっくりしすぎ、とか、貧乏役者の部屋が異様に広い、とか、体格の違う人間のオーダーメイドスーツがそこまでぴったりするの?とか、重要なはずの人間が国内でゴルフしていても良いの?とか、最初の8ページって、本は構造上「はじめの」なら奇数ページになるはずだろ、とか、色々疑問点もあった。一番「勿体ない」と思ったのはステレオを聞いての「転」がストーリーの中でかなり早めに来てしまったこと。もっと引っ張って欲しかった。「転」のあと、「転」「転」と畳み掛けたかったんだろうけれど、その細工が最初の「転」ほどではなかったので、冗長に感じたのもあると思う。大仕掛は一発のほうがすっきりする。大仕掛を用意しつつ、あとは単なるラブコメとして続けていけば良かったのになぁと思わないでもなく、そういう意味では映画よりもドラマ向けの設定だったと思う。

内田けんじ監督は、アフタースクールでは観客を騙す「承」のところまでが非常に退屈だったけれど、本作はちゃんと楽しめる。一方で、アフタースクールほどの爽快感がなくて、そこはちょっと残念だった。

細かな笑いでラストまで引っ張るなら「最強のふたり」の方が上。役者の表情で多くのことを語らせるなら「夢売るふたり」が上。堺雅人の良さを強烈に引き出すなら「リーガル・ハイ」の方が上。広末の良さを引き出すという意味なら「バブルへGO!!」の方が上。女優を可愛く撮るというのなら「モテキ」の方が上。騙し具合ならもちろん「スティング」が上、という感じで、「こりゃ傑作!」と膝を打つほどではないかな、と思う。  
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2012年09月19日

桐島、部活やめるってよ

運動万能でみんなからの人望もあつい桐島くんが部活を辞めることに。誰にも相談なく退部を決めたことによって、周囲には小さくない波紋が生じ、それが広がっていく。そして、それは全く無関係に見える映画部までをも徐々に巻き込んでいく。その様子を複数のアングルで見せていくことによって、高校生たちの人間関係を克明に描き出していく。

この映画の面白さは、まず構成と脚本。序盤であれ?と思わせ、そして徐々にその特異な構成で引き付け、次にそれを期待させる。この映画で初めて採用された手法ではないものの、使い方が非常にうまい。

脇役がまず楽しませ、次に意外なところから準主役たちが登場して徐々にストーリーの中心になり、そして最後にやって来る主役・・・。

作りが非常に演劇的で、それを上手にスクリーンに落とし込んでいるところが邦画らしい。乾いた笑いも随所に配置されていて、良くいるタイプの映画おたくは楽しめるはず。一方で体育会系には厳しいかもしれない。でも、いろいろなタイプの高校生を上手に配置しているので、ほとんどの人が「あるある」と感じるのではないだろうか。

川上麻衣子の若い頃に似ている清水くるみが個人的には好み(笑)

評価は☆2つ半。  
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夢売るふたり

大好きな西川作品ということで楽しみにしていた。冒頭から引き込まれる作りは見事。そのあとはブラックユーモアを連発してくるので、笑いの連続。それで、途中からだんだん重苦しくなってきて、最後はいつもの西川作品らしいエンディング。ということで、あぁ、さすが、という感じではある。

人生経験と想像力がないと読み取れないシーンが多く、例えば何のために里子のオナニーシーンが挿入されたのかとか(別にブラック・スワンのナタリー・ポートマンに対抗したわけではないはず)、結婚生活を経験していないと良くわからないと思う。逆に、40歳以上ぐらいの既婚者だと、あーー、あるある、みたいなシーンがてんこ盛り。他にも暗示的なシーンが多いので、とりあえず映画館でゆっくり観て、あとはスカパー!なり、DVDなりで再確認・・・って、それでは制作サイドの思う壺か(笑)。一度観ただけでは、普通の人では理解しきれないと思う。僕も、「あぁ、これはこういうオチなのかな」と思った方向に進まなかったので、あれれ?もう一回観ないとだなぁ、と思った。

阿部サダヲは終始一貫して同じキャラなんだけれど、松たか子は作品の間中ずっと揺れていて、その中心にあるのは嫉妬。女性的な嫉妬心をドロドロと見せつけるので、印象としてはかなりエグい。女性監督ならではの作りだと思う。松たか子は野田地図のパイパーなど、舞台で見事な演技を観ているけれど、映画でもなかなかのもの。演出の良さもあるんだろうけれど、監督の演出意図をきちんと表現しているところが素晴らしい。鈴木砂羽も登場シーンは少ないものの、表情で多くを語っていた。その他の俳優も芸達者が多く、かつそれらを贅沢にちょい役で使っているあたり、西川監督もちゃんと評価されているんだなぁと感心した。

ただ、映画として満点か?もうちょっと、一つ一つのエピソードを深く描いてくれたら、里子と、その他の女性たちとの対照がはっきりしたのになぁ、と思わないでもない。そのあたりは、上映時間を切り詰めたい制作サイドとの調整なんだろうけれど。ブサイクなデブに入れ込み、子連れの家庭に取り込まれ、と、一つ一つの意図はわかるものの、それらがもう少し丁寧だったらもっと良かったのにと思う。評価は☆2つ半。  
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2012年09月08日

デンジャラス・ラン

safe house


原題「SAFE HOUSE」がなんで「デンジャラス・ラン」になるのか、関係者を小一時間問い詰めたい。

それはそれとして、内容は決して悪くない。タイトな作りで、普通に謎解きを楽しめるスパイものに仕上がっている。

難点としては、冒頭の場面での登場人物が多すぎて混乱してしまうのがちょっとどうかと思う。他の人は大丈夫なのかも知れないけれど、僕は「うわーー、誰が誰なんだか!」という状態になってしまった。まぁ、それでもやがて登場人物が整理されていくのだけれど、このあたり、無理なく映画に入っていけるような脚本にしてくれたらもっと良かったのに、と思う。もうひとつは、カメラが揺れすぎ。ショートカットをバンバンつなげるだけでもわけわからなくなるのに、カメラが揺れるので酔っちゃいそうになる。なんか凄いことが起きているんだろうな、とは想像できるけれど、それだけになってしまい、うーーーーん。

やや粗い脚本ではあるものの、それなりに楽しめた。字幕松浦美奈。評価は☆1つ半。  
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2012年08月31日

最強のふたり

intouchables


予告編を見ただけでもかなり面白そうな予感があったので、試写会で見ることができてラッキーだった。事故で首から下が麻痺という障害を抱えた大富豪の障害者と、その介護に雇われた貧困層の黒人の交流を描いている。

全編笑いに溢れていて楽しい。別にお涙頂戴のシーンがあるわけでもないのに、そういった笑いの中でじんわりと感動が広がっていく。面白おかしいエピソードをつなぎあわせていくだけなのに、その背後にやさしさや本当の意味での気配りなどが感じられる脚本が素晴らしい。また、音楽の使い方が印象的で、ダンスとは縁のない生活をしている僕のような人間でも、ある場面では思わず体を動かしたくなる。

黒人と白人、貧乏人と大富豪、健常者と障害者、無教養人と知識人、ビバルディとアース・ウィンド・アンド・ファイア、若年者と高齢者といった、仲良くなるには多すぎるハードルを抱えた二人が、どんどん仲良くなっていくのだけれど、その根底にあるのは表面上の配慮ではなく、ストレートな感情表現やスキンシップだったりする。日本人が一番苦手とするところで、そういう意味では日本映画の対極にあり、また、日本人が憧憬する内容でもある。

フランス語の原題を英訳するとuntouchablesなのかと思ったらintouchablesだった。さわれない奴ら、ではなく、ふれ合わない人たち、という感じで、接点のない者同士といったニュアンスのよう。それを「最強のふたり」としてしまうセンスは真正面から否定したいけれど、映画の内容は素晴らしいのひとこと。

障害者となってから機能的でないという理由で使われず、埃を被るだけになっていたマセラッティがこの映画では重要な役割を果たしていく。

単一民族、ムラ社会といった独特の風土を持つ日本においても、国内的には世代間格差が拡大する一方で、国際的には隣国とのコンフリクトが顕在化しつつある。そうしたintouchablesにとっても、ちょっとしたヒントを提供してくれると思う。ユーモア、音楽、スキンシップと、ちょっとしたきっかけによって、世の中はうまく回り始めるかも知れない、そんな気持ちにさせられる作品なので、多くの人、特にプライドを抱えている側の「強者」たちに観てもらいたいと思う。  
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2012年08月18日

アベンジャーズ

avengers


ずっと同じようなテンションで走り続けてしまうので、テンション高めだけど観ていて眠くなる。タンタンの冒険とかがこれと似た映画だった印象。もうちょっと抜くところを抜いてくれないと単調に感じてしまう。あと、ハルクが強すぎる。

登場していたヒーローの中でちゃんと映画を鑑賞してあったのはアイアンマンとソーだけだったけれど、そこそこ楽しめた。自分の意志で戦えない分、ハルクの戦闘能力を高めに設定してあるんだろうけれど、それにしてもちょっと強すぎで、加えて力学的におかしいだろ、という部分まであったのには苦笑した。

突き詰めていくとこの話はソーとロキの兄弟げんかで、そんなの地球を巻き込んでやるなよ、というのが正直なところだけれど、それじゃぁソー2になっちゃうから仕方ないのかも知れない。単なる兄弟げんかをここまでデカい話にしてしまった脚本力はそこそこに評価されるべき。あと、ハルクの強さは異常。

「日本よ、これが映画だ」というキャッチコピーは煽りすぎ。そこまでの映画でもないと思う。つまらなくはないけれど。というか、アメコミのヒーロにどのくらい愛着があるのかで受け止め方は変わってくるんだと思う。ルパン三世とコナンとパズーが、誘拐されたシータを助けるために結束して、ドーラの操縦するタイガーモス号で敵地に向かうと、箒にまたがったキキと紅の赤い豚とメーヴェに乗ったナウシカが合流して、ようやく敵にたどり着いたと思ったらそこにいるのは金魚で、「あれ?」と思った次の瞬間、それがトトロに変身、血で血を洗う戦闘を始めたら、そこにシシ神様が現れて・・・・「日本よ、これが宮崎だ」、みたいなノリだと思うので、僕みたいな「アイアンマンとソーは観たし、ハルクもテレビシリーズでは知っているけれど」という人間が心の底から楽しむのは難しいんだと思う。とはいえ、ハルクの馬鹿強さだけは強烈に伝わってきたけれど。

この手の映画を観ていつも思うのは、「ここまで下らない映画(もちろん褒め言葉)に、良くアカデミー賞を獲ったあの人が出るよなぁ」という類のことで、だけど、それを言うなら本作にはやっぱりナタリー・ポートマンにも出て欲しかった。妊娠中で難しかったんだろうけれど、テレビ電話で喋るとかならできたのになー、と思わないでもない。振り返って、日本で「実写版ドラゴンボール」を作ろう、となったとき、吉永小百合と高倉健と大竹しのぶが出演、とか、いかにもなさそうだし、そのあたり、海の向こうは懐が深いなぁと思う。あ、でも、高倉健が亀仙人なのは良いとして、吉永小百合と大竹しのぶには適役がないか。悟空が変身した大猿はハルクで良いとして。

続編ではウルヴァリンやスパイダーマンあたりも出てくるんだろうか。そうだとしたら、一層の脚本力が必要とされそうだけど。でも、やっぱり最強はハルクなんだろうけど。

そうそう、クスクス笑えるコネタが色々と配置されているのはナイス。ハルクとロキの顛末は必笑。

総じて言えば、すっげぇくだらねぇし、大味だけど、夏の暑さをふっ飛ばすだけのパワーはあると思う、ハルクに。  
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2012年08月17日

プロメテウス

prometheus


続編を前提としているのか、演出意図が良くわからないシーンがいくつか盛り込まれていた。冒頭からして良くわからなかった。

未知の惑星の描き方、宇宙船のスタイル、天球儀のシーン、その他の映像美には目を見張るものがあったと思う。こういう部分だけで「映画館で観なくちゃ」と思わされる。あと、音響効果も良かった。

余計な描写がなく、すぐに宇宙船が出発するのも潔く感じた。

SFかと思ったらホラーに近くて怖かった。似たようなことが以前あったよなーと思ったら、アイ・アム・レジェンドだった。あと、プロメテウスというタイトルだけど中身はエイリアン・ビギンズなので、エイリアンを観てから鑑賞した方が良い。時間があるならアラビアのロレンスもどうぞ。

シェイムでの好演が印象的だったファスベンダーが本作でも非常に良い。彼の役名がディビッドで、A.I.の主人公と一緒なのは偶然?

映画としては突っ込みどころ満載。なんでみんなヘルメットを脱ぎたがるのか、とか、どうして生命反応をチェックしないのか、とか、宇宙船の目の前に来ちゃう前にモニタリングしておけよ、とか、知らない人(生物)に話しかけられても(寄ってこられても)相手をしちゃダメでしょ、とか、どうしてゾンビ化して暴れるの?とか、横に逃げろ、とか。あと、何で古代遺跡に招待状を残したのかとか、回収されていない謎もたくさん。
2001にしても、ブレードランナーにしても、観た直後は「全然わかんねぇ」となったけれど、後々色々とわかってきて評価が高まった。この映画がそういうステップを踏むかどうかはわからないけれど、もしそうなった時に後悔しないように、映画ファンなら映画館で観ておいた方が良いと思う。  
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2012年08月10日

闇金ウシジマくん

試写会で鑑賞。

数年前に連載していたシリーズの映画化。ストーリー、演出ともにできは決して悪くない。主人公のチャラ男君は「人脈を資産にしてのし上がる」と頑張っているけれど、人脈だけじゃねぇ(笑)、というのがちゃんと伝わってくる。

俳優陣の演技も概ね違和感がない。黒沢あすかとか、普段はおっぱいに注目しちゃうけれど、今回はおへそ周りの表現力というか、説得力が見事。しかし、最大の欠点はヒロインの女の子が下手くそな上に可愛くないってこと。彼女って、AKB?って思って調べたらやっぱりAKBだった。同じ可愛くない女優でも、苦役列車のマエアツはまだ演技力があったからマシだったのだが。ルックスがいけてなくて、演技力がなくても、客を呼べるからという理由で彼女がヒロインだったのなら、日本の映画界はまだまだ当分の間、衰退を続けると思う。これまでそういう「がん」はジャニーズだけだったのだけれど、AKBが邦画において「がん化」して、しかもジャニーズと両立しない(ジャニーズの出ている映画にAKBが出ない)のなら、発がん率は2倍である。

「スマグラー」のような痛い映画が苦手なので、同じ監督が撮っているこの映画も苦手な部類だけど、ウシジマっぽさはちゃんと表現できていたし、チョットしたユーモアが洒落ていたと思う。映画としては及第点の☆2つ。でも、ヒロインで☆半分減で☆1つ半。

それにしても、ジャニーズやAKBを出さないとエンターテイメントとして成立しないという現状は残念でならない。政治がダメなのは国民が悪い、というのと同じで、映画の質を規定しているのはそれにお金を払う側である。逆説的ではあるけれど、西川美和、園子温といった、観客に阿ることのない監督たちの今後の活躍に強く期待したくなるような映画だった。  
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2012年08月03日

ダークナイト ライジング(THE DARK KNIGHT RISES)

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クリストファー・ノーランによるバットマン三部作(多分)の最終作(多分)。前作の「ダークナイト」がヒース・レジャーのおかげで素晴らしすぎる作品となってしまったため、どうしても前作と比較されてしまうことを運命づけられた本作である。

「果たしてどこまでできるのか」という興味本位の見方がある中で、ヒースは不在だけれど、スケールやストーリー(脚本)、映像、音響、豪華なキャストといった主要な部分でシリーズの最後を飾るに相応しい作品になったと思う。

ストーリー自体は「バットマン・ビギンズ」に似た展開なのだけれど、新キャラも登場して魅力は十分。ちょっと上映時間が長いので腰が痛くなってきたけれど、ストーリー上のひねりもあるし、細かく配置された小ネタもあって飽きさせない。米国が本気でお金をかけるとこういう映画ができちゃうんだなー、と感心した。邦画ではムリ。ゼッタイ。

音響が非常にしっかりしているので、映画館で観るべき。できればビギンズ、ダークナイトのストーリーを再映なり、ビデオなりで復習しておくと良いと思う。

アルゼたかしの字幕は相変わらず不安定。例えば英語で掛詞のようにしてある部分を無視して意訳していたり、イエス・ノーどちらとも取れるような表現を断定調にしているのが気になる。あと、タイトル、THE DARK KNIGHT RISESをライジングにしたのも意味不明。いつもいうことだけれど、もう原題のママで良いんじゃないの?中学校で英語を教えているんでしょう?

評価は☆3つ。ダークナイトほどの衝撃はないものの、十分に面白い。  
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2012年07月23日

おおかみこどもの雨と雪

ピクサーのメリダを観たかったのだけれど、字幕版がほとんどやってない。やっと見つけたバルトは変な時間ばかりでなかなか観に行けそうにない。ということで、仕方なくこちらを観てみた。

ポスターのイラストだけで「うーーーん」という感じだったのだけれど、加えてタイトルも長ったらしくて。映画が始まっても背景の絵と人物のアンバランス具合が気になって、「失敗したかぁ。これなら吹き替えでもメリダを観るべきだったかなぁ」と思ったのだけれど・・・・。終わってみたら、さすがはサマーウォーズの細田守である、と思わされた。

映像のアンバランスさは最後まで一緒で、アスファルトの水膜とかが恐ろしいほどの表現力である一方、細田っぽい陰影のない顔がどうにも背景にフィットしない。が、そのせいか、本職ではない俳優をそこそこに集めた声優陣に全く違和感がなかった。もっと気になるものを配置することによって、相対的に別の違和感をなくすという高等戦術だったのかも知れない(笑)。物凄くリアルな部分、アニメっぽい部分、CGっぽい部分のアンバランス具合が逆に絶妙にバランスされている、という不思議な映像表現だった。

それにしても、久しぶりに映画を観て泣いてしまった。ガキのくせに・・・と。脱帽です。何しろ脚本が良い。ジブリの時代、宮崎駿の時代は、(宮崎駿の天才っぷりとは全く方向が異なると思うけれど)細田守に引き継がれるのかなぁ。ピクサーに完全にしてやられているここ数年の日本アニメ界だけれど、これなら太刀打ちできるんじゃないだろうか。

今年の夏は「ぱいかじ」で決まりかと思ったけれど、個人的軍配はこちらにあげちゃいます。超オススメで☆3つ。ただし、子供には難しいかも。  
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2012年07月22日

崖っぷちの男

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ニューヨークのビルから飛び降り自殺を企てる男の真意とは・・・という映画だが、テンポ良く進んでいくところは良い。しかし、綿密に計画を練っているようで、ポイントとなる場面ではただ運が良いだけ。計画がしっかりしていて、でも不測の事態が起きてしまい、そこで幸運の女神が微笑んだ、ぐらいなら良いのだけれど、この映画は女神が爆笑しっぱなし。これでは興ざめである。

エリザベス・バンクスが好みなのでおまけしておくけれど、他には特に見所がない。この程度の映画を褒めているから作り手に馬鹿にされるんだよ、アマルフィみたいな映画が作られちゃうんだよ、と思っていたら、米国では決して高く評価されてなくて安心した。

評価は☆半分。脚本のあらが気にならない人なら楽しめると思う。でも、今は面白い映画がたくさんあるので、パスが基本でしょう。

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2012年07月17日

ぱいかじ南海作戦

脱力系のコメディ映画である。アフロ田中を上手に映画化したらこんな感じになるのかな、という印象。最近は、コメディ映画としては、下妻物語やデトロイト・メタル・シティ、モテキに代表される、過剰な演出で笑わせるコミック・ムービーが全盛だけど、この作品は映画としては正統派的な作りだった。

無駄にハイテンションでもなく、ナンセンスコメディでもないのだけれど、まず青い空、広い海、白くて人がいない砂浜というシチュエーションが良い。そして、脚本が結構いけている。加えて役者も芸達者なので、全編通じて相当に笑える。

基本的に沖縄ののんびりムードを盛り込んでいて、心がフワフワしてくる。デフレ時代の今にピッタリな感じでもある。あーーー、離婚して、失業して、もう南の海でのんびりしてぇーなー、自給自足でさーー、みたいな。

凄い感動があるわけでもないのだが、都会の喧騒をほんのちょっとの間だけ離れて、現実を忘れて脳天気に笑うにはもってこい。下手に格好をつけることもなく、気の合う仲間がいて、とりあえず食べるものさえなんとかなるなら、という、誰でもときどき考えてしまうような現実逃避感が良い。えーーー、そんなことになっちゃったの?という、観る側の斜め上を行く展開も楽しい。ちょっとすいている映画館で観たい(笑)。

基本的に主人公の独白で綴られていくスタイルだけど、贅沢を言うなら映像で語って欲しかった。でも、ま、いっか、細かいことはさ、という感じ。

評価は☆2つ半。オススメ。  
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2012年07月13日

ミッドナイト・イン・パリ

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ハリウッドの売れっ子脚本家が婚約者家族とあこがれの街パリにやってきて体験した不思議な夜とは・・・という内容。「アーティスト」の脚本が非常に良かったので、それを打ち破ってのアカデミー賞脚本賞受賞というのはどんな脚本なんだろう、と思って観に行ったのだけれど、納得の内容。

ストーリー自体は他愛もないと言えば他愛もない。だけど、様々に配置された伏線がきちんと回収されていくさまは見事。また、この映画を満喫するためには、1920年前後の芸術家に対する知識が必要なのだけれど、「ピカソやヘミングウェイなんて、名前ぐらいしか知らない」という人が観てもそれなりに理解できるような配慮があるところが素晴らしい。映画を観て、「もっと知っておきたい」と思ったら、パンフレットを買って、もう一度観れば良い。

映画なんて、2時間程度のものなので、そこで語れるものなんてたかが知れている。その中で、観る側のバックグラウンドの知識を活用し、ユーモアを交えつつ、語るべきを語り、不要なものをそぎ落とす、というお手本のような映画だった。起承転結もしっかりしていて、特に「転」の部分が良い。

ちょっと残念というか、不自然だったのは日記のくだりで、そこだけはちょっと気になった。もしかしたら元々の脚本には説明があったのかも知れない。あと、探偵はちょっと気の毒だった(;_;)。

パリと、パリの芸術に詳しければもちろん楽しめるし、詳しくなくてもそれなりに楽しめる。そして、パリについてもっと知りたくなる、そんな、パリに対する愛情に溢れた作品だと思う。僕はこういう映画が好きだ。☆3つ。  
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苦役列車

最近の邦画の流れというのは大きく6つぐらいに分類される(一本の映画で2つ以上の性格を同時に持つ場合もある)と思う。

1.テレビドラマの続編など、テレビ局が関係した映画。代表作はアマルフィ、クロサギ、外事警察、三丁目の夕日。
2.画面上に吹き出しが出たりする漫画的表現や、突然ミュージカルになるインド映画的表現を多用する、J-コミック・ムービー。代表例は下妻物語、モテキ、愛と誠。
3.ジャニーズやAKBのタレントを配した映画。代表例はもしドラ、源氏物語、僕等がいた。
4.監督のカラーが色濃く出た映画。代表的な監督は西川美和、園子温、小泉尭史、李相日、三谷幸喜、北野武。
5.大事件が起きず、ところどころでクスクス笑ってしまうような、淡々とした映画。代表例は奇跡、トウキョウソナタ、まほろ駅前多田便利軒。
6.アニメ。例はたくさんある。

この中で最も興行的にパッとしないのが4と5なのだが、佳作率が高いのが特徴で、僕のように年間70本ぐらいを映画館で観ている人間でも、あとでDVDで観て「なんでこんな面白い映画を映画館で観なかったんだろう!」と思ってしまうこともしばしばである。そして、この映画は、4とか5のカテゴリーに分類される。

時代はバブル期の昭和60年ごろ、舞台は東京、主人公は不幸な身の上の、日雇いアルバイトで食いつないでいる若者。この主人公が、何かというと自分の不幸を振りかざして僻みまくる。コンプレックスと、中途半端なプライド、そして、いざとなると相手の顔を直視できない小心さをまぜこぜにした、一般人から見ると非常に面倒くさいタイプの男。それを、森山未來が好演している。モテキでもそうだったけれど、こういうちょっと、いや、凄く屈折した若者を演じさせると森山未來というのはとても上手い。相手役は高良健吾で、ハンサムで無口で「なぜ日雇い?」という若者をこちらも好演している。マエアツはもしドラ同様、無難な演技(海のシーンはここまでやったかー、というぐらいに熱演)だけど、彼女の問題点はルックス(笑)。もしドラでは川口春奈に完全に食われていたけれど、今回はライバルが不在なのが救い。個性派脇役としては客も呼べて、使い勝手が良いのかも知れない。

脚本は細かい部分のできが良くて、あちこちで「クスクス」っと笑ってしまう。

非常に静かな映画で、どこかで大爆笑してしまうとかではないのだが、出演者たちの突拍子もない行動についつい笑わされる。個人的に一番良かったのはカラオケのシーン。別に感動的な場面でもないと思うのだけれど、理由もなく鳥肌が立った(笑)。こんな経験、あんまりない。一方でラストの仕上げは微妙。それまでのトーンと完全に異なる展開はなんでかなー、と。

ちょっと気になったのはマエアツの役で、はて、この展開だと、何のためにいたんだろう?と思ってしまうのだけれど、そのあたりは大人の事情(笑)なのかも知れない。というか、5のカテゴリーの映画はどうしたって興行的に苦戦するのが明白なので、マエアツを起用して3のカテゴリー色を追加し、AKBヲタの人たちを呼び込んで、少しでも日本映画の裾野を広げるのは悪くない。

なお、監督のティーチイン付きの試写会だったんだけど、「何でもあり」とのことだったので、動画を撮影しておいた。質問の声とかしっかりと拾えてないし、キャプションもつけてないけれど、興味のある方はこちらをどうぞ。

前編


後編

  
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2012年07月10日

るろうに剣心

Yahoo!映画のレビュアー試写会で鑑賞。原作未読。

アクション映画と思って観るなら、アクション部分の出来は結構良いと思う。しかし、冒頭いきなり文字で「1868年・・・」と始まる時点で脚本力の低さが露呈。スターウォーズのように、テキストで説明しなくてはならないどうしようもない事情があるなら別だが、幕末・明治維新あたりを文字で説明するのは辞めて欲しい。以後も何度か、「ちょっと説明的だよなぁ」と思ってしまう場面あり。

あと、観ていて物凄く気になったのは「2分」と時間を区切られてからのシーンが多分4分以上はあったこと(誰か、ストップウォッチで計ってみて欲しい)。このあたりをもっとスピーディーに描いてくれないと、気になって秒を数えてしまう。

そして、ラストが長い。登場人物たちが自己陶酔して語り続けるので、途中で飽きてしまう。

役者は、アクションについてはそれほど違和感がなかった。強いてあげるなら、剣心の踏み込みと飛距離が物理法則的に明らかにおかしいこととかだと思う。これも見せ方次第ではもっと良くなったと思うけれど、マイナスポイントという程ではない。が、残念なのは剣心の平時の演技と薫。剣心はアクションシーン重視ということでわからないでもないけれど、薫はもう二息、という感じ。ルックス的にも演技力的にも同系統の役者に柴咲コウがいるけれど、武井咲には、今後、もうちょっと頑張って欲しいところ。

僕が大友啓史監督の作品を観るのは「ハゲタカ」以来二度目だが、「ハゲタカ」もそれほど高くは評価していない。
http://blog.livedoor.jp/buu2/archives/50860126.html

ハゲタカではテレビ関連映画の制約を強く感じたのだけれど、本作はテレビ局は無関係なので、そのあたりはないはず。あとは脚本力だと思うのだけれど、本作は藤井清美と大友啓史の共同脚本(単独じゃないってことは、最初に藤井さんが書いて、撮影しながら大友さんが大幅に手を加えたってことなんだと想像)。藤井清美の作品で観たとこがあるのは「L change the World」(小林弘利との共同脚本)だけど、これは「ハゲタカ」に輪をかけての珍作である。
http://blog.livedoor.jp/buu2/archives/50538894.html

監督は「役者が頑張っているので応援して欲しい」と言っていたけれど、確かに役者は頑張っていたと思う。一番頑張らなくちゃいけないのは監督じゃないだろうか。

おまけで、昨日あった監督トークショーの概要を載せておきます。

監督トークショーの内容(司会進行:清水節(しみずたかし)氏)
●司会の案内
レビュアー試写会は抽選ではなく、熱心にレビューを書いていて影響力のある人を優先している。監督とは「ギャラクティカ」でクリエイティブディレクターをやった際、トークショーをやった仲である。

●監督自己紹介
元NHK。ハゲタカ、龍馬伝などなど、大河もやったので、もう良いかな、と退職。

●ドラマの大友がなぜマンガ原作
原作を知っていた。社会派と言われていたのに声をかけられて逆に興味を持った。龍馬伝の幕末の連中がもし明治に生き残っていたらどうなっていたのか。岩崎弥太郎がいたらどうなっていたのか。マンガ原作の飛躍が楽しい。原作者ファンの厳しさもあって、ハードルの高さが魅力的だった。

●原作との関わり
和月(原作者)さんとは密にコミュニケーションを取った。二次元のマンガと三次元の映画との違いは、マンガはページを遡って元に戻ることができるけれど、映画は戻れないこと。その点を原作者が解ってくれていた。CGやワイヤーアクションを使わず、生身の人間でやりたかったが、そこにも同意してくれた。試写会では立ち上がって握手してくれて、「最高です。いうことないです。僕としては満足です」と言ってくれたので、肩の荷が下りた。

●佐藤健について
やるとすれば彼しかいないと思っていた。原作者もその点、同じだった。今の若い俳優の中ではダントツだと思う。龍馬伝では人を斬るシーンがなかったが身体能力が高いのも解っていた。

●アクションについて
極力、役者にやってもらった。自分がアクションマニアなこともある。海外でもアクション映画の現場を見てきたが、セリフではなくアクション(体の動き)で見せることに魅力を感じていた。セリフより動き、エモーションに裏打ちされているモーションを見せたかった。(12回もアクションシーンがあったが)やはりアクションが振り付けになってはダメだと思った。役者がやるんだから、なぜ戦うのか、戦い方の違い、間合いの違いを見せたかった。それらのバランスを取るのが難しかった。

●ヒーロー像
マーベルのようなヒーローを生み出したかった。ヒーローの条件は不器用でも戦っている人。廃刀令で刀がない時代でも、みんな刀を捨てることができなかった。みんな隠していた。そんな時代に刀を持っている。しかも「切れない刀でござる」と、変なものを持っている。彼は、刀を捨てられない、でも人は斬りたくない、と葛藤している。自分の中で戦っている。そういう不器用な姿が良いなと思った。結論を出せずにウロウロしている生き方が良かった。

●変わろうとするもの
神様の差配とは考えず、それぞれの立場に立つなら、岩崎弥太郎だって、今まで士農工商の一番下にいた。それが新しい時代になって「ひゃっほー、俺たちの時代だぜー」ってなると思うんですよ。

●質疑応答
佐藤健との印象に残っているエピソードは
足を怪我した時、事務所から「練習の時間が足りないので怪我をした。もっと練習時間を増やしてくれ」と言ってきた。彼の熱意を強く感じた。22歳の若者が勝負をかけて打ち込んでくれた。

マンガの実写化にあたってこだわった点は?
生身のアクション。俳優陣には負担を強いた。剣心は最強の人斬りだったんだから、強くなくちゃいけない。それにこだわった。アクションを長回しで撮ったが、役者は非常に良くやってくれた。

原作から変えた部分は?
基本的に原作のコンセプトは変えていない。ただ、そのままだとおかしいところは変えた。2時間に収めなくてはならないので、登場人物は減らした。役者にキャクターを寄せていった部分もある。

今回は原作モノだったが、オリジナルをやる予定は?
環境があって、誘っていただけるならぜひやりたい。

●監督から一言
時代劇ではなくアクションエンターテイメントとして作った。今できることの全てを詰め込んだので、ディテールを見てみて欲しい。役者も頑張っているので応援して欲しい。  
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2012年06月29日

アメイジング・スパイダーマン

スパイダーマンの新シリーズがスタート、ヒロインがエマ・ストーンということで(個人的に好みのタイプ)凄く楽しみにしていた本作、早速3Dで観てきた。本当はIMAXで観たかったのだけれど、2,200円は大冒険。じゃぁ、ドルビー3Dで、と思ったら、レイトショウなのに割引がなくて、こちらは2,000円。うーーーん、仕方なく、気が進まないままに、XpanDで観ることに(レイトショウで1,600円)。

さて、映画。スパイダーマンのアクションシーンが3Dで表現される、ということが最大の売りだと思うのだけれど、この出来はイマイチ。肝心の、糸を使っての空中飛行シーンが完全に迫力不足。他のパートはきちんと3D感がある(とはいえ、レイヤーを重ねたような3D感なんだけれど)のに、なぜ、という感じ。

続いて脚本。脚本というか、設定が滅茶苦茶。科学的な要素を入れるのは全然構わないけれど、いい加減に導入するのは勘弁。遺伝情報を融合させたらアポトーシスでも起きない限り一度再生した部位が薬切れでなくなるなんてことはないし、薬を強力にしたら持続時間が長くなるなんてこともない。あと、体があんなにでかくなるためには、ものすごい量の食事を摂る必要がある。最低限、質量は保存されないとおかしい。でも、そんなシーンは全く無くて、お前はどこから栄養を摂っているんだ、と突っ込みたくなる。トカゲの再生能力だって限界があるわけで、マシンガンで蜂の巣になったら普通のトカゲだって死ぬだろう(笑)。ジュラシック・パークでやられていた「インチキ」はそれほど気にならない種類のインチキだったけれど、本作のインチキは科学的考証が雑すぎる。「いや、遊びの映画なんだから」という意見はあるかもしれないけれど、それなら最初から科学っぽいところなんか見せなければ良い。

設定以外でも、突然オヤジが変なことを言い出したり、博士の考えがあまりにも突拍子がなかったり、スパイダーマンが頻繁に素顔を晒していたり(何の必然性もなく、自分からマスクを脱いでウロウロしたりするシーンまである)、なんだかなー、というところが多かった。あと、蜘蛛の糸が「装置」なんだけれど、壊れたらどうするんだろう(^^;

次に字幕。菊地浩司という比較的大御所の仕事だったけれど、日本語として文法的におかしいのではないかと感じた場所が3箇所もあった。日本語が不自由な人は字幕作家をやって欲しくない。あと、隠語でギャグを飛ばしていた部分を普通の会話にしていたのもいただけない。全体的に、出来の悪い字幕だったと思う。

そして肝心のエマ・ストーン。すげぇ可愛いと思うのだけれど、声がねぇー(^^; ちょっと、このヒロイン役にはフィットしないドスが効いた声。うーーーーむ(笑)。

さらに、エンディング。変なアクセントで単語も聞き取れず、何語だろうと思って聞いていたら日本語だった(^^;

この映画を褒める人の気が知れない。評価は☆ゼロ、と言いたいところだけれど、エマにおまけして☆半分。

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2012年06月25日

スノーホワイト

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予告編を観て面白そうだったので、早速観てきた。すげぇつまらなくてびっくりした。映画って、脚本次第で凄くつまらなくなるだよなぁ。まず何より、「あなたより美しい姫」と鏡がお伝えしてくれる王女よりも女王のほうが美人なのがいただけない(笑)。

美人な女王様↓
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えーーーとーーー、な王女様↓
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あ、これは脚本じゃなくてキャスティングの問題か。女王がガチで美人なので、王女ももうちょっと頑張らないと。

あと、映画の冒頭からナレーションで状況説明するのが興ざめ。

白雪姫と小人と女王とりんごと鏡と・・・って、アイテムは揃っているけれど、とりあえず揃えました、っていう感じで、必然性が全然ない。あと、白雪姫の方が先なのかも知れないけれど、すでに映像化されているロード・オブ・ザ・リングとか、もののけ姫とか、いくつかぱっと挙げられるような作品との共通点が多すぎて、既視感が強い。

それで、あのシシ神様はなんだったんだ(^^;?宮崎駿へのオマージュ?

とりあえず浜辺に白馬がいるあたりで神様(脚本家)の差配が感じられて、あー、嫌でもハッピーエンドなんだな、と解ってしまうあたりもいかがなものか。

ということで、普通にダメな映画なので☆ゼロ、としたいところだけれど、女王様が凄く美人なのでおまけして☆半分。  
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2012年06月24日

愛と誠

下妻物語のような、コミック・ムービー。「愛と誠」のような、コテコテの劇画調マンガをコミックムービーに仕上げた点が、意外性があって面白い。

冒頭、いきなりヘタウマなパラパラアニメで始まったところからして「??」という感じだったのだけれど、続く喧嘩シーンでダンスが始まって、「あぁ、そういう映画なのか」と理解した。以後、中盤まで、何か見ていてお尻のあたりがムズムズするような展開が続く。しかし、人間とは不思議なもので、その「意外な」調理方法にもやがて慣れてきてしまう。そして、慣れてしまうと、途中から歌やダンスの頻度が少なくなってしまったことが逆に残念に感じられた。かっとんだ脚本は素晴らしいと思うのだが、最後まで同じテンションでいけたらもっと良かったのになぁ、と思わないでもない。

役者は、中心人物の中では特に安藤サクラが良い。「愛のむきだし」での怪演の印象が強いのだけれど、本作でも彼女の魅力は十分に発揮されていた。歌も上手で、死角がない(ルックス以外は(笑))。他の役者も、多くが年齢的にその役はどうなんだ、と思ってしまうような配役なんだけれど、映画(脚本・演出)のパワーが凄いので、あんまり気にならない。観終わっても、「僕等がいた」のときのようなコスプレ映画感が全くなかったのだけれど、これは凄いこと。40過ぎたおっさんが高校生を演じていたというのに(笑)。

ストーリー展開は原作に忠実で、名セリフもそれなりに盛り込まれていて、上質のパロディに仕上がっていたと思う。あと、昭和感の描き方が見事だった。

じゃぁ、「楽しめたんですね!?」と言われるとそれは正直微妙。J−コミック・ムービーは好き嫌いがはっきりするところがあって、僕はモテキやデトロイト・メタル・シティは好きなんだけれど、ツレうつや嫌われ松子はダメだった。なんでかなー、と思って考えてみると、女優なんだな、と思い当たった。長澤まさみや松雪泰子が出ていたら、この作品もきっと好きだったと思う(笑)。評価は☆1つ半。  
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2012年06月11日

私が、生きる肌

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「時計じかけのオレンジ」に出てくるような無機質な部屋に監禁されている謎の女性。彼女が一体誰なのか、というのが縦糸になっているミステリー映画。トンデモな内容を糞真面目に演出しているので、ところどころついつい笑ってしまうような怪作になっている。

構成に凝った脚本のお陰でストーリーはとても面白くなっているが、ちょっと残念なのは演出に抑揚がなくて、特に前半、眠くなってしまうこと。

あと、交通事故のシーンは、そのスピードでそれはないだろ、みたいな気がしたけれど、スピードメーターを観間違えたかな?

ネタバレしちゃうと面白くなくなるのであまり書けないんだけれど、結構面白かった。評価は☆2つ。  
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2012年06月09日

メン・イン・ブラック3

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もう過去の作品の内容はほとんど忘れてしまったけれど(でも、DVDは持っている)、特に復習もせずに観に行った。

それほどひねったストーリーでもなかったし、単純に楽しめる。最近はこういうスター・ウォーズのような娯楽作品が少なくなったような気がする。馬鹿らしいなー、アホらしいなー、でも面白いなー、という映画。

脚本が良く書けているので、ひとつひとつのシーンが笑える。「あぁ、あれね」というマニアックなネタが色々配置されていたので、多分僕が気が付かなかったネタもたくさんあったんだと思う。そのあたりはスーパーエイト的でもあるけれど、観る人たちがそれぞれのバックグラウンドの範囲で楽しめると思う。少なくとも、映画通のためだけの映画ではない。

あー、でも、さすがにメン・イン・ブラックという組織が何なのかとか、ニューラライザーによって何をするのかぐらいはわかっていないとダメだから、本当に何も知識がない人はTSUTAYAでビデオを借りて観ておく必要があるな。

2Dで観たけれど、3Dを意識した絵作りだったので、3Dで観たほうが楽しめそう。評価は☆2つ。  
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2012年06月08日

幸せへのキセキ

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二人の子連れの単身男性(妻とは死別)。上の男の子が反抗期、下の妹は良い子でただひたすら可愛くて、それが田舎暮らしで頑張る。そんな家族の絆を描く、って、これは名作「北の国から」と全く同じ。これを日本でやったら「あからさまなパクリ」と非難されるけれど、米国なので問題ない。

どうせ、子供と動物が出てきて、色々な苦難に見舞われつつも、みんなで頑張るというつまらない映画だと思っていたら、ストーリーはまさにそのもの。これといって凄い大事件が起きるわけでもなく、宇宙人が出てきたり、スパイが紛れ込んだりもしないし、カーチェイスもない。色々と想定内だったけれど、唯一予想が外れたのが、「つまらない」という部分。結構面白い。ちょっとした笑いが盛り込まれた脚本はなかなか良くできているし、悔しいけれど(笑)、ところどころ、思わず感動しちゃったりもする。加えて、やっぱり子供と動物が可愛い。これ、デート映画としては非常に良いと思う。

ちなみにいつもどおり、邦題が最悪。元々は「We Bought a Zoo」なんだから、「動物園を買っちゃった!」ぐらいのもの。それで、こっちのタイトルのほうがずっと良いと思う。「キセキ」には奇跡と軌跡をダブルミーニングにしたかったのかも知れないけれど、大きなお世話だ。字幕は一箇所誤字があったのと、微妙に違和感がある部分もあったけれど、まぁ及第点か。"whatever"とか、"why not"とか、色々と言葉遊びがあったところを字幕で表現できなかったことは仕方がない(とはいえ、"別に(whatever)"みたいに表現する手はあったと思う)。

予告編の出来が最悪だったので「これはつまらなそう」と思った人も多いと思うけれど、結構面白いと思います。予告編に騙されて観ないでいるともったいない。

評価は☆2つ半。  
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2012年05月25日

ダーク・シャドウ

原題「Dark Shadows」にも関わらずダーク・シャドウにしてしまうあたり、「シャドウゲーム」と同じく日本人白痴化計画の香りを感じる。どうして映画関係者の馬鹿どもは単数形と複数形をごっちゃにしたがるのだろう?こういうひとつひとつが、英語すらできない馬鹿日本人を作り上げてしまうというのに。

と、例によって邦題についてケチを付けるところから始めたくなる映画だけど、内容の方は結構面白いと思う。ティム・バートンがどのくらい好きか、というところにも寄ると思うのだけれど、シザーハンズには遠く及ばないものの、彼の特色であるゴシック、ファンタジー、ホラー、ブラックユーモアがきちんと表現されていたと思う。ティムが大好きな人も、ティムが嫌いな人も受け入れられないかも知れないけれど、そこそこ好き、ぐらいのライトなティム支持者である僕にはちょうど良いさじ加減だった。

ティム作品の常連ジョニー・デップもいつもどおり良い味を出していたし、加えて「キック・アス」のクロエ・グレース・モレッツと、「カジノ・ロワイヤル」以後僕が大好きなエヴァ・グレーンが好演していた。

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特段凄いストーリーというわけでもなく、感動があるわけでもなければ大爆笑することもなく、凄いアクションがあるわけでもない。でも、細かく散りばめられた(ブラック)ユーモアとか、赤と黄色以外の彩度を極端に落とした映像表現とか、音楽も含めての舞台にした1972年の空気感とか、結構楽しめた。

日本語版については、字幕がちょっと下手だったと思う。それと、わざわざ明朝体にしたフォントも意図不明。ゴシックのほうが映画にフィットすると想うのだが、なぜわざわざ明朝にしたんだろう。って、関係者が「シャドウ」ってするような馬鹿だから仕方ないか。

かなり好みが分かれそうなこの映画、プラス・マイナス、色々あるけれど、個人的な好み(エヴァを含め)で☆1つサービスして☆3つ。

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外事警察

試写会で鑑賞。

説明的で、かつ緊張感に欠ける前半は正直眠くなる。しかし、前半の退屈さを忘れさせるような後半はなかなか見事。これができるなら前半からフルスロットルでお願いしたかった。最初の一時間ぐらいはとにかく退屈で退屈で退屈だ。冒頭の衝撃的なシークエンスのあと、「さて、遡ること数ヶ月・・・」みたいなやり方はミッション・インポッシブル3のパクリだし。

真木よう子が韓国に出ていくあたりからテンポが良くなって、そのままラストまで駆け抜けてしまうのだけれど、「おい、これじゃぁ外事警察なんてご大層なものを持ち出さずとも、どこぞの外交官(キターーーッの人)でも良かったんじゃない?」という感じになるのだが、ラストのラストでちゃんと風呂敷が畳まれるのは好印象。ただ、終わってみてから全体を俯瞰すると、凄くありがちな事件ではあった。核爆弾をテロリストが手にして、それを利用して戦争勃発を企むとか、007とかだと20年ぐらい前にスペクターさんがやっていそうな話である。そのあたりが西洋諸国と極東(朝鮮半島を含む)の文明の差なのかも知れない。「あーーー、どうしよう、このままじゃ爆発しちゃうよっ!」みたいなのも、今までに何度も観た気がする。あの、「赤い線と、青い線と、どちらを切りましょうか。えーーーい、目をつぶって、こっちだ!」みたいな。いや、本作は全然違いますけど。

この映画の最大のチェックポイントは脚本の古沢良太。代表作は三丁目の夕日シリーズ、キサラギ、探偵はBARにいるなどで、どれも邦画としては高く評価した作品。そして今もフジテレビ系列で放送している「リーガル・ハイ」でも出色の脚本を書いている。彼が、この映画でどこまで面白い脚本を書くのかに注目していた。前半のかったるさと、M:i:IIIのパクリはちょっとどうかと思うけれど、途中からはさすがに古沢、とうならされる。何しろ、必要以上に説明的じゃないのが良い。観客を馬鹿にした脚本家だと「そこまで説明しなくて良いよっ!」と思ってしまうのだが、そういう饒舌なところがない。本作で言えば、お金を渡す、という行動で全てを語るあたりが非常に好感。あーー、いや、でもどうかな、あの、写真を何度もしつこく写すのはちょっと興ざめだった。もうわかったから、さらっと流せよ、大した話じゃないんだから、と思った。

渡部篤郎は一見冴えない刑事を好演。真木よう子は相変わらず可愛くて非常にナイスだけれど、一般人にしては体のキレが良すぎる気もする(笑)。でもやっぱり加点要素。一方で尾野真千子はあんまり可愛くないし演技も下手で減点要素。

評価は☆2つのところ、真木よう子におまけして☆2つ半。  
Posted by buu2 at 21:46Comments(0)TrackBack(1)映画2012

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2012年05月20日

幸せの教室

larry


トム・ハンクス監督・脚本・主演作品。「Larry Crowne」が原題にも関わらず、「幸せの教室」なんていう珍妙な邦題をつけているあたりでもうすでに腐敗臭がしてくる。観てみても、やっぱり全然「幸せの教室」じゃない。むしろ、「不倫の教室」という感じ。と、いつもどおり突っ込んでいきたいのだけれど、実際にはせいぜい「eBayで売ったら?」がネットで売ったら?みたいに意訳されていたぐらいしか突っ込みどころがない。いわゆる、普通につまらない映画である。

学歴が理由でリストラされた中年が、夫婦仲がうまくいっていない既婚の先生をゲットする、という程度のストーリーで、特に何かがあるわけでもなく、邦画では良くあるが、日本公開の洋画ではあまりお目にかかれないようなダメ映画である。

トム・ハンクスやジュリア・ロバーツが好きなら良いのかも知れないが、そうじゃないなら、こんな映画を観るのは単に時間とお金の無駄。しかし、こんなダメ映画でも興行ランキングでそこそこ上位に行ってしまうのだから、広告の効果というのは侮れない。良いものが売れるんじゃなくて、頑張ったものが売れるということ。頑張った代理店の皆さんに拍手したい。  
Posted by buu2 at 18:11Comments(0)TrackBack(0)映画2012

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2012年05月04日

テルマエ・ロマエ

世の中には「クソ映画」というものがある。突っ込みどころが満載の酷い映画のことだ。ただ、クソ映画にはクソ映画なりの楽しみ方というものがある。たとえば、この宇宙戦艦ヤマトの感想などが参考になると思うのだが、

http://blog.livedoor.jp/buu2/archives/51099705.html

この感想は非常に多くの映画ファンに高く評価され、「逆に観に行きたくなった」という人もたくさん現れた。酷い映画だとしても、それなりの楽しみ方があるのがクソ映画で、他にはアマルフィとか、アンフェアなどがそれに該当する。

こうしたクソ映画とは別に、何の突っ込みどころもない、観る価値を全く見いだせない映画も存在する。ヴィッキー・チャオの「夜の上海」とか、竹中直人の「山形スクリーム」などが該当する。こうした映画に行き当たると、「一体どんなレビューを書いたら良いんだろう」と頭を悩ませることになる。ただただダメなところを列挙するだけでもクソ映画を褒める(?)ことはできるのだが、ダメ映画にはそれがない。そういう映画が、一年に1、2本はどうしても存在してしまう。

このテロマエ・ロマエは、まさにそういうタイプのダメ映画だ。どこがダメって、全部ダメなので、レビューの書きようがない。頑張ってひとつ挙げるなら、脚本が地獄的に酷い。ローマ人が日本語を喋り、タイムスリップするとラテン語を喋る。日本人が過去のローマにタイムスリップすると、みんなで日本語で喋る。これだけで、設定が滅茶苦茶である。そのあたりの整合性というものを全く考えないのだろう。ただの馬鹿だと思うのだが、この脚本を書いたのは武藤将吾である。

この映画は、観るだけ時間の無駄である。コメディのつもりなのかもしれないけれど、ほとんど笑えない。後半はただただ苦痛で、「一体あと何分あるんだろう」と時計を見たらあと45分もあって絶望した。挙句、何のひねりもないラストで「うへぇ」という感じだ。他にもっとましな映画がある(例えば宇宙兄弟の方がずっとマシ)ので、観ないことをお薦めする。どうしても観たければ、DVDになってからレンタルで観れば良い。

評価は☆ゼロ。今年のワースト映画候補レースのトップに踊りでた感じ。  
Posted by buu2 at 21:55Comments(2)TrackBack(0)映画2012

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