2023年11月08日

ゴジラ-1.0

特撮を観るべきなんだろうけれど、それ以前に脚本が酷くて非常にもったいない。

一番酷いのは、主人公が震電で出撃する際に操縦の説明を受けている場面。この時点で違和感があるので「どうせこうなるんでしょ」と展開が想像できてしまうのがいけてない。加えて、「主人公が知らないならともかく知っていてこんな行動を取る?」という展開があって、監督の意図がさっぱりわからない。観る側を驚かせたいなら、あのセリフ、展開はありえない。要は下手なのである。

せっかく浜辺美波が可愛くてもほとんど意味がない。あ、観るべきは特撮だったっけ?うーーーん。大体、ゴジラは銀座に突然現れたのではなく海からやってきたのだから、あれだけ大勢の人がのんびりショッピングしているのがおかしい。他にもゴジラでパニックになる人々が大勢描かれていたけれど、そこに残っていて慌てているのは間抜けなだけである。さっさと逃げろ、バカ。あ、これは特撮の話ではないか。

ヒロインの鉄人ぶりだけが印象に残る珍作であった。評価は☆半分。駄作。  

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2023年11月01日

唄う六人の女

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ど田舎の山奥に閉じ込められた男二人の運命を描いている。設定は曖昧でも良いと思うのだが、途中から妙に現実的な話になってきて、サスペンス色が薄くなってくる。

風呂敷を広げて観る側の想像に任せるのは悪くないのだが、その畳み方が下手くそ。観終わっての後味も良くない。後味が悪くても良い作品もあるとは思うのだが、この作品では良くないと思う。なんでそんなことになっちゃうの?という感じだし、必然性も感じられない。つまり、面白くないのである。

良い役者を使って、面白い設定なのに、これじゃぁねぇ。

評価は⭐︎半分。  
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2023年10月30日

ドミノ

ドミノというタイトルから想像していた内容では全くなく、そもそも原題が「hypnotic」(=催眠状態)なのでドミノとは全然関係ない。配給会社がバカ。

「アンブレイカブル」のような、超能力ヒーローの誕生譚みたいな内容で、超能力者によるバトルが繰り広げられる。うまく脚本を書けば「エンゼル・ハート」のような謎解きものになったと思うのだが、徐々に種明かしが進むので一気に崩れるような爽快感はない。と書いてきてだからドミノなの?と思ったけれど、そこまで捻って考えたとは思えない。

字幕は松浦美奈氏なので安心して観ていられる。

評価は☆2つ。  
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2023年10月05日

アリスとテレスのまぼろし工場

中島みゆきが主題歌ということだったので観てきた。

設定としては「漂流教室」とか、「アンダー・ザ・ドーム」みたいな、大勢の人々が一般社会から隔離されてしまうというもの。ちょっと面白いのは、隔離された街がパラレルワールド化して存在していることと、その世界の時間が停止していること。ただ、時間が停止していると言っても時の流れはあって、1日が終わるとまた最初からリスタートみたいな感じ。でも、人々はちゃんと時間の経過を感じている。この辺の設定が特徴なんだけれど、ツメが甘いので、あれ?と思うことが頻繁にある。タバコ吸っちゃっても次の日は元通りなの?とか、ゴミや排泄物はどうやって処理するの?とか、街の外から供給されていた食料とかはどうやって補填されるの?とかである。

僕はこういうのが気になりだすとちゃんと作品を楽しめなくなるタイプなので、この作品も観ていて色々引っかかってしまった。

中島みゆきの主題歌は映画を観る前に何度も聴いていて、この歌詞はどういう意味なのかな、と疑問に思っていたのだけれど、映画のストーリーにかなり忠実に書かれていて、映画を観たあとだとなるほどなぁ、と感じる。この辺は「夜会」の歌にも通じるところがある。

評価は☆1つ半のところ、中島みゆきにおまけして☆ふたつ。  
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2023年07月21日

ミッション:インポッシブル デッドレコニング

何をやってもダメだったトムを超一流にしたシリーズの最新作。とにかくこのシリーズにはハズレがない。観客が期待しているエンターテインメントを完全に提供してくれる。

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事前に何度もスタントシーンが流れていた崖からのダイビングシーンはもちろん見どころだが、個人的にはもっと楽しいシーンがいくつもあった。さすがというよりない。

本作はパート1で、続きはあるのだが、これ一作でもそれなりに完結していて消化不良となることはない。「次まで覚えていられるか心配」と思っていたけれど、覚えていなければならないことは非常に限定的である。

大画面、大音量で楽しむにふさわしい。評価は☆3つ。  
Posted by buu2 at 21:48Comments(0)映画2023

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2023年07月17日

君たちはどう生きるか

同タイトルの書籍は未読。

ちょっと面白い形のタイムスリップもので、ずっと続いていたジブリの説教くささは希薄。少年があるできごとを機にひとつ成長するという、魔女宅や千と千尋あたりでやっていたパターンである。

あえて説明を省いた設定上の謎がいっぱい残っているけれど、「そんなことはまぁ良いんだよ」という感じ。それより唐突に場面が転換してしまう方にとまどったのだが、あれは編集で省いたのかもしれない。

やっぱりうまいなぁ、と感じたのは重い荷物を持ち上げる場面。何人かでそれぞれ持ち上げるのだが、その描写が丁寧でさすがと思った。

御大は、面白いだけの映画に飽きて、「観た時の状態によって感想が変わる」といういわゆる名作のジャンルに踏み出して、難解な作風にはってきていたのだけど、引退と復帰を経て、またちょっとわかりやすい子供の成長劇に戻ってきた感じがする。「もう、他人の評価はそれほど気にならない」という境地に至ったのかもしれない。

評価は☆2つ。決して悪くはないけれど、鑑賞後に爽快な気分になるわけでもない。でも、子供が観るには良いのかも。  
Posted by buu2 at 20:06Comments(0)映画2023

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2023年07月01日

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル

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「最後の冒険」みたいな煽り文句は映画宣伝の常套手段だけど、この作品がシリーズ最終作になるのはほぼ確実。ハリソン・フォードもすっかり歳である。考えてみれば「レイダース 失われたアーク」を観たのは僕が中学生の時。「スピルバーグとルーカスが手を組んでやりたい放題」みたいな作品だった。「最後の聖戦」で一度完結しておいて、その後でファンへのプレゼントみたいにして2作が作られた。

本作は製作総指揮からジョージ・ルーカスが降りて、監督からスピルバーグが降りていて、権利もディズニーに移っている。新しく監督に就いたジェームズ・マンゴールドはJJエイブラムスほどあからさまではないものの、ところどころにスピルバーグのテイストを取り入れて、かつカーチェイスなどできちんと自分のカラーを出していた。ただ、ちょっとカット展開が早すぎて何が起きているのか良くわからないことはたびたびあった。

ストーリーは相変わらず考古学にオカルトをミックスさせたもので、お決まりのナチもちゃんと出てくる。過去作をきちんと踏襲していて、ところどころに過去作のパロディがあるのも伝統そのままだった。冒頭の30分は若い頃のインディアナが描かれているのだが、あれはどうやっているのだろう。過去の映像を加工しているのか、フルCGなのか。今はなんでもありの時代なのでちょっとわからない。

3作目と4作目、4作目と5作目の間がかなり長くあいているため、40年かけて5作はシリーズとしてはちょっと少ないのだが、その分質に大きな劣化が見当たらず、終わってみれば良いシリーズ作に仕上がったと感じる。

中学生の時に読んだ映画雑誌「スクリーン」に、カレン・アレンあてにファンレターを書いたらサイン入りの写真を送ってくれたというファンの投書が紹介されていたことを思い出す。

スピルバーグ(76歳)も、ルーカス(79歳)も、ハリソン(80歳)も、カレン(71歳)も、ジョン・ウイリアムズ(91歳)も、みんなおつかれさま。ありがとう。

評価は☆2つ半。  
Posted by buu2 at 00:30Comments(0)映画2023

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2023年06月12日

怪物

色々な意味で「そりゃないよ」と言いたくなる。こういう映画って観る前の知識が少なければ少ないほど良いので、レビューを書くのが難しい。

無難なところで役者を評価すると、主役級の役者たちに一人も下手くそがいないのが良かった。もちろん、監督も良かった。是枝さんは撮るたびにうまくなっている印象。

内容とか、テーマとか、全体の構造を含めた脚本とかについては全部ノーコメント。あ、是枝作品としては珍しくこの作品は是枝脚本ではない。でも、大きな違和感はなかった。音楽は先日亡くなった坂本龍一だけど、ラスト近くになって「そういえば」と思い出した。

とにかく事前情報をなるべく取り入れず、まっさらに近い状態での鑑賞をおすすめしたい。

評価は☆3つだけど、また観たら印象は変わるかもしれない。  
Posted by buu2 at 12:40Comments(0)映画2023

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2023年06月07日

TAR

日本でも指揮者を中心にしたなかなか良いドラマがあったので、ちょっと期待して観に行ってみた。

最初のうちはやり手だけどちょっとやりすぎなところもある女性指揮者の活躍を描いていたのだけれど、途中から精神世界的ホラー映画っぽくなってきて、ナタリー・ポートマンの「ブラック・スワン」みたいな展開に進む。これは怖い。

整合性が取れず、これは現実なの?それとも精神世界なの?と迷わされる。そして、ちょっと意外なところに着地していく。色々と見逃している描写がありそうで、どこかで公開されたらもう一度観てみたい。

評価は☆2つ。  
Posted by buu2 at 12:37Comments(0)映画2023

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2023年05月31日

映画の宣伝で見かける「最後の」「最大の」は大抵嘘だが

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この「最後」はハリソン・フォードの年齢的に本当っぽい。  
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2023年03月28日

ロストケア

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邪悪なメモの罪山さんが原作。原作は未読。

映画は一応ミステリー調だけど、犯人はすぐにわかってしまう。あとは検事の心象について描かれていく。

監督の演出が結構露骨で、「こうやって感じて欲しい」という押し付けが強い。その辺をどう感じるかで好き嫌いが分かれるかもしれない。

僕としては長澤まさみのアップがたっぷり堪能できて良かった。仮面ライダーみたいに「コスチュームは良いけどちょっとだけの登場」よりもずっと良い。

ボケ老人とその介護をどうするべきかを問いかけているのだが、尊厳死が認められていない日本ではなかなか難しい問題で、問題提起にとどまってしまう。映画で語られている「見たくない」「考えたくない」「無視したい」話で、それはこれからも当分続くのだろう。

評価は☆2つ。なかなか楽しめた。  
Posted by buu2 at 18:00Comments(0)映画2023

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2023年03月27日

シン・仮面ライダー

エンドロールを見ていたら「あれ?そんな人、出てた?」みたいに思っちゃうことが何度かあった。そうだろう?大森南朋。

前半はそこそこのテンポで進むものの、(多分わざとだが)おかしなカット割、カメラワークがあちこちにあって、違和感がありまくる。たとえば冒頭のバイクとトラックのカーチェイス。007とかに比較すると格段に幼稚。スピードがあると思えばなくなってみたり。

そして後半になると途端に説教くさくなってペースダウン。これも故意にやっているのだとは思うけれど、それがいい効果を生んだかと言えばかなり疑問。

いただけないと言えば、わざとらしく稚拙に合成していた特撮もいただけない。

空中での戦闘ももうちょっと力学、特に運動量保存則を意識してもらえると理系的にはありがたかった。

とはいえ、役者はいいところを揃えている。なかには「こんなぐらいの出番じゃぁ、ただボディ・コンシャスなコスチュームでコスプレしただけじゃない?」と感じてしまうくらいに出番がしょぼい役者もいて、勿体無いと感じた。そうだろう?長澤まさみ。

一番わくわくしたのはエンドロールの最中に流れた音楽。この辺もちょっと、どうなんだろう。迫るーーーショッカーーーーーってテンション上がるよね。もう終わりなのに。

脚本>バツ
音楽>サンカク
俳優>まぁまぁマル
演出>バツ
役者>ほぼマル

という感じで、トータルでは☆1つ半。  
Posted by buu2 at 17:30Comments(0)映画2023

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2023年03月12日

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス

アカデミー賞受賞が濃厚ということで、発表の前に観てきた。

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序盤の英語なのか中国語なのか良くわからない会話がちょっとだるいけれど、そこさえ我慢すれば普通の家族もの。母と娘の葛藤を描いている。それで、そこに今どきのSFの味付けをしている。簡単に言ってしまえば「変なことをすると危機を回避するための特殊能力が身に付く」というもの。それが抱腹絶倒かといえばそうでもなく、爆笑したのは僕の場合は一度きり。終始「くだらねぇなぁ(苦笑)」という感じで話が進んでいく。

最終的には普通の終わり方で、特別凄いわけではないけれど、特別つまらないわけでもない。普通の映画だった。評価は☆2つ。  
Posted by buu2 at 15:50Comments(0)映画2023

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2023年02月11日

バビロン

映画が無声映画からトーキー、有声映画、画面と音声が同期した映画に移行する時期の米国の映画界を描いている。

声を含めて役者になったので、発音とか、声質とか、それまで関係なかった要素まで評価されるようになって、名優とされていた役者の評価が落ちてしまう。そうした流れで落ちぶれていく俳優が主人公。

描かれている映画界が酒池肉林ですごい。欲望のままにやりたい放題のどんちゃん騒ぎである。すぐに大恐慌になるんだけど。

5、6人の映画関係者たちの群像劇になっているので、上映時間が長く、3時間以上。それぞれのエピソードが楽しいので飽きることはないけれど、長すぎてトイレの心配がつきまとう。

画面ではあちこちでおっぱい丸出しで乱交しているのだけれど、あっけらかんとしすぎていてエロが感じられない。裸族みたいな感じである。

薬をやっている登場人物の行動があまりにも不合理で理解に苦しむ。そういう風に撮っているので当然だが。

全体としては、ニュー・シネマ・パラダイスをエロとグロとゲロをてんこ盛りにした感じ。ラストに名画の場面集があるのだけれど、比較的新しいレイダース、マトリックス、ジュラシックパーク、ターミネーター2、アバターあたりはわかった。古いのは2001やサイコあたりが限界。

面白かったけれど、観る人を選ぶ作品だと思う。

評価は☆2つ。

  
Posted by buu2 at 00:30Comments(0)映画2023

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2023年02月04日

パーフェクト・ドライバー

最近、韓国映画に勢いがある。普通の実写版だと韓国映画の方が安心して観に行ける。今日はパーフェクト・ドライバーというカー・アクション映画を観てみた。

ストーリーは昔観たことがあるような、バディ映画。ちょっとしたきっかけで子供の面倒を見る羽目に陥った凄腕女性ドライバーが主人公。この主人公の運転技術がなかなかで、意外と楽しめる。

ストーリーに大きな捻りはなくて、単純に楽しむ感じ。

暴力シーンがちょっとどぎついのは韓国映画の平常運転。評価は☆2つ。  
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2023年01月29日

東京物語

リメイク版ではなく、小津安二郎のオリジナルの方を観てみた。

原節子が美人なのは当然として、笠智衆につけた棒読みの演出がとてもユニーク。教えてもらわなければ「なんて下手な役者だ」と感じてしまう。

カメラアングルとか、今では全然普通なんだけれど、色々な道具が揃っていない約70年前にこんな撮り方を思いついたんだなぁ、と感じる。この程度のこともできない今の映画監督はこういう映画を観て勉強したら良い。

顔の撮り方とか、スコセッシに影響を与えていた。

リマスター版を観ることができて良かった。

  
Posted by buu2 at 16:35Comments(0)映画 2004以前

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2023年01月22日

THE FIRST SLAM DUNK

スラムダンクについては「バスケットの漫画」という知識以外全くない状態で鑑賞。

まず感じるのは脚本の良さ。僕のようにほぼまっさらの白紙で観る人が少ないからかもしれないが、映画の中で語りすぎないのが良い。さすがに某登場人物の退場フラッグはあからさますぎだったけれど、それにしても詳細は描かれず、観る側の想像に任せる形だった。もちろんよくわからないところもあって、例えばロン毛の不良が7番やゴツいのでないことはわかっても、何番かはわからなかった。他にもこいつなんでスポンスポン3ポイント決めちゃうの?とかわからないことはあったけれど、原作の良さを損なわずに上手に映画化しているな、と思ったら原作者が脚本担当だった。

次に演出が良い。実写ならカメラワークに該当する場面の切り取り方がうまくて、このアングルがカッコいい、この角度から撮るなんてすごいアイデア、この撮り方がスピーディでいい、などと感心させられることが何度もあった。バスケというスポーツとその映像化について熟知していて、あぁー、これは原作の良さを見事に引き出しているな、と思ったら原作者が監督だった。ともあれ、最近観たドクターコトーとかイチケイのカラスの監督はこの映画を観て「映画の演出」のなんたるかを勉強した方が良い。

大きな疑問は湘北の選手がほぼ5人に限定されていたこと。バスケのみならずアイスホッケーなどもそうだけど、交代に制限のないスポーツでは交代要員も含めどうやって回していくかが勝負の肝になってくるはず。その選手起用の妙を見ることができなかったのは残念だった。設定で何か交代できない理由があったのかもしれない。

最後までどっちが勝ってもおかしくない展開で、試合のラストは黙って見守るしかなかった。この感覚を共有できた人はほとんどいないはずで、これまで全く白紙でいた僕が最大の勝利者かもしれない。

評価は☆3つ。

  
Posted by buu2 at 18:51Comments(0)映画2022

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2023年01月13日

イチケイのカラス

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冒頭から映画慣れしてないカットで始まる。あ、ドラマのつもりで撮っちゃったな、と感じる。全体的に奥行きがない画面作りで、この監督は多分映画を撮った経験があまりない。

たとえば階段から落ちるシーンがあるけれど、このシーンが挿入されている意味がない。民放のドラマのように、タダで観ていて、いつ観るのをやめるかわからない相手なら興味を惹き続けるために挿入することもあり得るけれど、映画では無駄でしかない。

また、設定もちょっと首を傾げたくなるものがあった。キーになる物質の影響が凄すぎてご都合主義。こんな物質が存在するわけがなく、これではちょっと、という感じである。

一方で脚本は悪くなく、違和感のあるセリフはほとんどない。ただ、「職権を発動します」の決めセリフはみんなが期待しているので、もう少し先送りにして観る側の期待値を押し上げて欲しかった。ジョーズはなかなかサメが出てこないから傑作だったのだ。あと、(聞き間違いでなければ)「艦対地ミサイル」なんか想定できるのだろうか。

とはいえ、脚本は難点が少なく、監督がもっと良ければ脚本がもっと活きたと思う。

役者はなかなか良いメンツを揃えていた。あーーー、この歌舞伎役者誰だっけ、と思い出している途中で、あ、羽場裕一?と思ってしまい、羽場ってまだこんなに若いの?と思っていてエンドロールを見たらやっぱり歌舞伎役者だった。

もっと良い監督だったらもっと良かったのに。当たり前だけど。評価は☆1つ半。もったいない。


  
Posted by buu2 at 17:56Comments(0)映画2023

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2022年12月27日

アバター ウェイ・オブ・ウォーター

IMAXのハイフレームレートなのは当然として、前後左右とも中央の特等席で鑑賞した。

現代の映画は通常24フレームパーセカンド(fps)で上映されている。つまり毎秒24コマである。一方でこの作品はアクションシーンのみ48fpsで上映されている。つまり、動きの激しい場面は相応に精密に上映されている。3Dのさらなる成熟具合とこのハイフレームレートが技術的な見どころ。

一方で内容については正直それほど興味はなかった。一作目も複数回観ているけれど、内容はほとんど覚えてない。「青くて大きい異星人の星に行く」ぐらいである。

始まって1時間ぐらいは3D画像の体験映像な感じだった。「異世界を3Dアニメで観る」といった趣で、3D映画につきものの焦点を見失うことも良くあった。

そして、90分ぐらいからちょっとトイレに行きたくなった。しかし上映時間は調べてなかった。内容を考えるとまだまだ全然終わりそうにない。大丈夫かな。

ところが、この辺から3D映画であることを忘れる。もしかしたらこれはハイフレームレートのおかげなのかもしれない。内容は一作目同様大したことがない。でも、映像が凄い。おかげでトイレのことはすっかり忘れた。

出演者については、サム・ワーシントンとか、ケイト・ウインスレットとか、エンドロールで初めてわかった。

全5作の2作目で、残りの3作は今後の特撮3D技術の見本市になるのだろう。次回作は2年後のよう。内容を忘れないでいられると良い。反捕鯨映画であることは覚えていられるかもしれない。

内容は特にないし、脚本がどうとかもない。細かいことはともかく映像を楽しめという映画だった。

ところで、この映画はIMAXで最高品質の映像を観ないと意味がないと思うのだけれど、日本はIMAXが高額すぎる。ドルビーにしても同じなのだが、3D映画で特別料金を取るのはいかがなものなのか。今回僕が払った鑑賞料金は2900円である。日本人は知らないかもだけど米国はドルビーだろうがIMAXだろうが通常上映と同一料金である。デフレでなんでも安いのに映画だけは高くて、それで客が入らないとか言ってないでもう少し安くして欲しい。

最後におまけ。映画の前にお約束の予告編があって、インディ・ジョーンズの新作も楽しみだったけれど、凄かったのはミッションインポッシブルの予告編。予告編と言ってもトム・クルーズがバイクで崖から飛び降りるシーンのメイキング映像だったんだけど、これが相変わらず凄くてびっくり。このシリーズのトムは本当に尊敬する。トップガンも凄かったけど。

  
Posted by buu2 at 22:20Comments(0)映画2022

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2022年12月26日

ゴッドファーザー PART II

ゴッドファーザーに続けてパート2も家で見た。

ビトーの時代とマイケルの時代を交互に描いていく。当然、時間は半分ずつに分けられるので、描かれる時間は短め。そこが少し物足りない。特にビトーの前半生はかなりの駆け足になっている。しかし、この語られない部分の多さこそがこの作品を名作としているのだろう。全部を語れば良いというものではない。

家族と友人を大事にしていたら自然と大物になっていったビトー、家族を大事にしているのに、その手法に問題があってどんどん孤立していくマイケル。その対比が悲しい。

この辺の大きな流れは大河ドラマの鎌倉殿にそっくり。

ラスト、ビトーの時代ともマイケルの時代とも異なる、パート1の少し前の場面で終わるのも良い。これは前作のために撮影してあったカットだろうか?

アルパチーノ、デニーロ、二人の名演が光っている。アイリッシュマンを見た延長で見たくなったのだが、どちらが名作かと言われると、好みはこちら。尺は倍でも良かったと思う。  
Posted by buu2 at 21:52Comments(0)映画 2004以前

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2022年12月25日

ゴッドファーザー

今まで何回見たかわからないし、ビデオもDVDも持っているこの作品をもう一度見てみた。

冒頭の結婚式のシーンから無駄がない。脚本も演出も良い。役者もうまい。これで良い作品にならないわけがない。コルレオーネ家にあってマイケルの立ち位置がどんどん変わっていくところが面白い。そういえば音楽も良い。

家族を中心にして生きてきたビトーが体調を崩していくのと同時進行で家族の結束が失われていく。

麻薬を中心としてコルレオーネ家の結束が失われて、崩壊しそうになるところでマイケルが後継者となるけれど、このあたりはNHK大河の「鎌倉殿」でパクられている印象。

今ならこの一作だけでエピソード1から3ぐらいまでになりそうだけど、それを一本の映画にまとめたところがすごい。

何度見ても面白い。こういう作品を名作という。  
Posted by buu2 at 21:33Comments(0)映画 2004以前

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2022年12月19日

アイリッシュマン

監督スコセッシ、主演デ・ニーロのいつものやつ。この作品を楽しむためにグッド・フェローズとカジノを見た。そしてこれはNetflixで鑑賞。

グッド・フェローズやカジノのように馬鹿が殺しまくるわけではない。ゴッドファーザーPart2のような主人公のロボットのような冷徹さの裏にある寂しさを描いている。また、特殊技術によって一人の俳優が一人の登場人物の半生を演じているところがすごい。

役者で言うと、わかっちゃいるけどやめられないアル・パチーノも、柔らかな物腰で紳士なのにやるときは有無を言わさずやっちゃうジョー・ペシも良い。

演出手法はスコセッシのいつものやつで、見たらすぐわかる。

似たような映画だけど、3作のうちではこれが一番好き。評価は☆2つ半。  
Posted by buu2 at 23:21Comments(0)映画2019

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2022年12月18日

Dr.コトー診療所(映画版)

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漫画の連載は中断したままなので、待望の続編。とはいえ、監督と脚本家はテレビシリーズと同じなので、大きすぎる期待は良くない。テレビドラマと同じ感覚で製作してしまう監督や脚本家は山ほどいる。

冒頭、一番最初の海を行く船のシーンでいきなりガッカリする。甲板の上に人が誰もいない。おそらく船の上に動く人間を配置できなかったのだろう。カネのかかっていない特撮ならやらない方が良い。

続いて漁船と並走するシーンだが、わざわざ連絡船と並走する理由がわからないし、それを見ようと大勢が甲板に駆け上がるのも不自然。冒頭の数分を見ただけで監督も脚本家も映画撮影に慣れていないことがわかってしまう。やはりテレビドラマの延長線上に映画があると勘違いしているのだろう。

ゲスト出演のように出てくる大物俳優は単独での登場で他の役者との絡みはほとんどない。旧作の同窓会にお手軽にZoom参加したような感じ。

天候不順で災害が発生するのも新鮮味は感じられず、災害が発生してしまえば対応が困難なのだからもっと事前に対策しておけよ、と思ってしまう。

そして、ある中心人物の病気がありきたり。「赤い疑惑」を見てきている「北の国から」世代なら、エピソードを一つ見せるだけで「あぁ、またあれか」とわかってしまう。しかもご丁寧にもう一度回想として映しだすありさま。一度で良いよ。

なお、「ドローンが使えて嬉しい」というのは伝わってきた。僕も飛ばしたい。

2時間ドラマを無理やり引き延ばしたような内容にあって、唯一良かったのはタケヒロのエピソードだけど、こちらは逆に描写が足りない。英和中辞典はただの宣伝だったのだろうか?

と、散々に書いてきたけれど、ラストだけは良かった。中島みゆきの「銀龍」を映画館の音質で聴けたのは最高。

評価は☆2つ半。中島みゆきの曲だけなら星3つだけど、それまでの間に120分ぐらい我慢しなくてはならないので半分減点。なお、中島みゆきがなければ☆半分。  
Posted by buu2 at 20:04Comments(0)映画2022

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2022年12月13日

ある男

正体不明の男が宮崎にやって来て文房具屋の女性と結婚するのだが、勤務中の事故で亡くなる。その後、未亡人となった女性が夫の身元を調べていくと、思っていた人物とは赤の他人とわかり、じゃぁ私が結婚したのは誰だったの、、というストーリー。

石川慶監督の作品を見るのはこれが初めて。まだ作品は少ないが、なかなか良い監督だと感じた。

邦画はとかく語りすぎるけれど、あれ?この子は誰?みたいに唐突に登場人物が増えたりするのも良かったし、それだけでなく次はどうなるのだろうと先を急ぎたくなる脚本が良かった。

盲導犬に連れられるような親切すぎる映画より、あれ?ん?と考えさせられる映画の方が楽しい。

人間は必ず出身とか、親とか、育った土地とか、色んな、そして自分ではどうしようもないしがらみを抱えて生きているけれど、それをリセットしてしまう生き方を見せている。そもそも、主人公の女性、安藤サクラはそういう情報を一切なしに結婚してしまうのがちょっと面白い設定だった。

主役級の役者を脇役で使っていて安心感もあった。

評価は星2つ半。

  
Posted by buu2 at 19:00Comments(0)映画2022

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2022年12月11日

カジノ

スコセッシ監督。グッド・フェローズに続いての殺し合い映画。

例によってバタバタ人が殺される殺伐とした作品。グッド・フェローズと同じように、短気ですぐ殺す奴が問題を起こす。グッド・フェローズと違うのは女が絡んでいるところ。でもまぁ、だからどうだって特にどうということもない。

そして酒は良くない。薬はもっと良くない。

評価は☆1つ半。  
Posted by buu2 at 20:42Comments(0)映画 2004以前

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2022年12月10日

グッド・フェローズ

スコセッシ監督。マフィアとして成り上がっていく男の顛末を実話をベースに描いている。

テンポが良いのは良いけれど、人物描写があまり深くなくて、ただ殺伐としている。どんどん人が殺されるので、苦手な人も多いだろう。

悪くないけれど、それほど楽しくもなかった。評価は☆1つ半。でも、好きな人は好きなんだと思う。  
Posted by buu2 at 20:39Comments(0)映画 2004以前

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2022年11月19日

すずめの戸締まり

新海誠監督の最新作は宮崎、愛媛、神戸、東京、宮城を巡っていくロードムービーである。

仲良し二人組を描くバディムービーなので「グリーンブック」的でもある。そして今どき珍しいラブストーリーでもある。

テーマは東日本大震災。突然震災で亡くなった人たちの失われてしまった日常を考えさせられる。これはなんとなく感じるのではなく、設定によって強制的に考えさせられる仕組みになっている。「忘れてはいけないことがある」というメッセージはきちんと伝わってくる。テーマについてはあまり語りきらない、でも語り足りないわけではなく、良いあんばいである。そういう意味で3.11を覚えておくための名作アニメになるかもしれない。

ただ、脚本に違和感はある。ある登場人物が突然馬鹿笑いしたり、かなり能力が高そうな神様が異能を発揮するのは一度きりだったり、2人が出会う偶然が凄すぎたり。一番違和感があるのは行動原理が謎なこと。

その二人が道端ですれ違って、声をかけるか?廃墟に行くか?船に乗るか?

そういうおかしなところを納得させられることができるかどうかが脚本家の腕である。つまり、ラストまで見て「あぁ、だからあの行動を取ったんだ」と納得できるなら腕が良い。僕は違和感が残った。

ただ、これは「天気の子」でも同様で、新海誠監督ってそういう脚本を書く。以下は天気の子の僕の感想の引用である。

「広い東京で、そんなこと起きないでしょ」という偶然が何度も起きる。偶然に頼らないと説明できないようだと、観ていてしらけてしまう。物語はどこまでも必然であるべきで、使って良い偶然は多くて一度までだろう。


偶然の質は違うけれど、違和感の質は同じである。ただ、ここは僕の感受性の問題かもしれない。ラストまで観て、「ああ、そういう理由があって、ああいう行動を取ったんだ」と納得できるのかもしれず、もう一度観たらまた違う感想になる可能性もある。

それから新海監督の特徴は洋画的な音楽の使い方だけど、本作はちょっと音楽に違和感がある場面があった。

ともあれ、3.11がテーマなので、色々と考えさせられる作品ではあった。

評価は星2つ。

  
Posted by buu2 at 19:30Comments(0)映画2021

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2022年09月22日

さかなのこ

のん主演でさかなクンの半生を描いている。

のんの演技が良いし、ストーリーも良い。日本の教育、社会の問題点を上手に描いている。全部ジェネラリストにしてしまい、スペシャリストがスペシャリストとして生きていけない社会で、なんとか生き抜いてきたさかなクンとその母がすごい。

ジェネラリストにならざるを得なかった人にも、スペシャリストとして足掻いている人にも、響く作品になっていると思う。

詳細はYouTubeで。



評価は☆3つ。  
Posted by buu2 at 16:00Comments(0)映画2022

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異動辞令は音楽隊!

阿部寛主演の人情モノ。モーレツタイプの刑事がパワハラで音楽隊に異動になるというストーリー。先が読めてしまうところはあるけれど、ちゃんと面白かった。

詳細はYouTubeでどうぞ。



評価は☆2つ半。  
Posted by buu2 at 13:00Comments(0)映画2022

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2022年09月18日

ブレット・トレイン

ブラピが日本の新幹線を舞台に大暴れ、という体の映画だが、出てくる電車はイマイチ新幹線っぽくないし、京都駅も全然違う駅っぽい。日本らしさはテキストだけという妙な映画だが、内容はまぁまぁ面白い。アクションというよりはコメディで、演出手法はタランティーノっぽい。色々なところでオリジナルとパロディの中間を行ったり来たりする。

ナンセンスな笑いがいっぱいでそれなりの楽しめたので評価は☆1つ半。  
Posted by buu2 at 00:00Comments(0)映画2022

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2022年08月26日

NOPE

ネタバレなしで感想を書くのが難しいので、まず最初に採点だけすると評価は☆1つ。

以下、ネタバレが嫌な人はさようなら。

内容は未知との遭遇とジョーズを足して2で割ったような感じ。謎の巨大生命体(一個体のみ)が空から襲ってくる。

それはそれで良いのだけれど、まず全体の構成がイマイチ。メインのストーリーにチンパンジーをテレビ出演させた時にチンパンジーが暴走したというエピソードを絡ませて、生命体を制御するのは難しいという説明をしている(多分)のだけれど、シチュエーションが違いすぎて効果的でない。

謎の生命体の設定もイマイチ。雲を巣にして、縄張り意識が強く、目があった生物を捕食するようだが、どうやって空を飛ぶのかとか、雲一つない快晴だと巣の存在がバレちゃうのに今まで長い間どこに隠れていたのかとか、弱点があまりに大きくてそんなんじゃすぐ死ぬだろとか。

「細かいことは良いんだよ」と思い込ませるほどの迫力もなく、うーーーーん。  
Posted by buu2 at 23:30Comments(0)映画2022

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2022年08月18日

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者

完結編との触れ込みだったけれど、別に完結してない終わり方。やろうと思えばまだまだ作れる。日本だけなのかなと思って調べたら米国でもConclusionって書いてあるから完結編なんだね。ジュラシック・パーク・シリーズではなくジュラシック・ワールド・シリーズの完結ということかな?

ストーリーは相変わらず恐竜が暴れて、人間が逃げる。

恐竜は暗いところや素早く動くシーンが多くて、じっくりと鑑賞する感じではない。なんか、色々ごまかされている気がしないでもない。

このシリーズもかれこれ6作目。すっかり飽きてしまった。評価は☆1つ。  
Posted by buu2 at 17:40Comments(0)映画2022

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2022年08月14日

パウ・パトロール 大空のミッション・パウ ロイヤルストーンをとりもどせ!

もちろん自分から観たかったわけではなく、Holtby隊員の人生初映画に付き合ってみた。ちなみに僕の人生初映画は「日本沈没」で一緒に行ったおばさんが悲しいストーリーに耐えきれず途中で退出する羽目になった。そのあと、別の映画を観ようということになって「男はつらいよ」が人生二本目の映画になったのだが、寅さんが写真撮影の時にチーズではなくバターと言ったというエピソードだけ覚えている。それで「寅さん バター」でググてみたらそれは1972年製作の「第九作 柴又慕情」だったらしい。つまり僕が6歳の時。Holtby隊員は4歳で映画館デビューしたので随分早い。

閑話休題。

さて、映画だけど、子供向けの映画なのでこんなものだろう。テンポだけは早くて良い。30分ぐらい経ったかなと思って時計を見たらまだ10分だった。上映時間は60分もなくて、短いところも評価できる。ずっと喋らずに見ていたので、終わってから「面白かった?」と訊いたら「うん」という返事だったので、子供には良いのかもしれない。ほとんどの大人は自分から観に行かないよね?ということで内容には特に言及せず。評価は☆半分。  
Posted by buu2 at 17:27Comments(0)映画2022

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2022年06月30日

ベイビー・ブローカー

このところ絶好調の是枝監督の最新作。驚くべきは、韓国映画だということ。

日本で言うところの「赤ちゃんポスト」をめぐる犯罪を、犯罪者と警察の両方から描いている。是枝監督らしい今時の家族像を見せる作品に仕上がっていた。韓国映画でキャストも韓国人なので、描かれる街や家族も当然韓国のもの。それにも関わらず、終始違和感なく観ることができた。語りすぎない脚本がとても良い。

ソン・ガンホ、ぺ・ドゥナといったお馴染みの俳優はもちろんだが、他の俳優たちも演技が上手。正直、韓国語はわからないので、台詞回しが流暢なのかどうかは判断がつかないのだが、台詞のない場面でも良い演技をしていたと思う。

上映館も、上映回数も多い。この内容でこれだけの扱いということは、是枝監督もすっかり超一流になったということだろう。

評価は☆3つ。  
Posted by buu2 at 01:16Comments(0)映画2022

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2022年06月05日

トップガン マーヴェリック

前作同様、大したストーリーはないのだが、音楽と映像でぐいぐい引っ張っていってしまう。こういう映画はなかなか日本ではお目にかかることがない。

まず、冒頭。「マッハって英語ではマックって発音するんだ」という意味以外に何があるのだろう、何もないと言いたくなるようなシークエンスなのだが、どういうわけかそれが面白くて「手に汗握る」というやつなので困る。

以後も、「このバーのおばさんは誰?」と思う間もなくクライマックスの攻撃シーンになってしまう。

「マイケルジャクソンの歌って、内容は全然大したことないよね」というのと同じで、この作品も内容は全然大したことないのだが、こういうのも立派なエンターテインメントだよなぁと再認識させてくれる。

これは観ても全く損ではない。評価は☆2つ半。僕ならウルトラマンよりこっちの方が高評価。

しかし、トムは全く年齢を感じさせない。すごい。来年公開予定のMIの次作も楽しみだ。  
Posted by buu2 at 13:40Comments(0)映画2022

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2022年05月16日

シン・ウルトラマン

円谷プロ、東映、カラーの共同制作、企画・脚本庵野秀明、監督樋口真嗣というラインナップ。

なるほど、特撮オタクが撮った一作になっていた。一番カラーが出ていたのはもちろん樋口監督。彼の演出はちょうどスピルバーグに強く影響されたJ・J・エイブラムスが「SUPER8/スーパーエイト」を撮ったような感じ。色々なところにオリジナルへの敬意が感じられた。ただ、脚本はそれほどでもない。なぜ脚本と監督をわけてしまったのか。樋口監督に撮らせるなら、脚本も樋口氏に任せた方が良かったのではないかと思う。

大きな破綻もなくすんなり進んでいくけれど、ゼットンが兵器だったのはちょっと残念。

評価は☆2つ。それなりに面白かったけれど、絶賛するほどではないと思う。  
Posted by buu2 at 13:24Comments(0)映画2022

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2022年04月19日

ナイトメア・アリー

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第二次世界大戦の時代、見世物小屋に流れ着いた男性が読心術を身につけて出世していくのだけれど、やがて大金持ちを引っ掛けるようになって、という良くあるストーリー。

それほどびっくりするような仕掛けがあるわけでもなく、途中で大体の展開は察しがつく。考えうるストーリーのうちではやや穏便な結末に至るので、観終わってすごく嫌な気分になるわけでもない。

少々長い映画だが、退屈することはなかった。評価は☆2つ。  
Posted by buu2 at 00:30Comments(0)映画2022

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2022年03月19日

コンフィデンスマンJP ロマンス編

この手の作品はお手本として「スティング」があるわけで、じゃぁ、スティングと比較してどうなのかといえば、ランクとして3つも4つも下。まぁ、相手が映画史上に燦然と輝く作品なので、それに比較するのは気の毒ではあるのだけれど。

なんと言っても、脚本が不自然。敵ではなく観客を騙すために書かれている。敵を騙すのには必要のないシーンがあって、これがいただけない。騙す側は誰が敵で、誰が敵の回し者なのかをわかっていて仕掛けているのだから、敵と、敵の回し者がいない場面では仕掛けの必要がない。

全体の仕掛けもちょっと大味で、種明かしをしてもらっても爽快感がない。

では、全くつまらない作品かと言えばそうでもなく、ちょっとした笑いには良いものがある。でも、それってラーメンを評価するときに「メンマが美味しい」と褒めているようなもの。

長澤まさみって僕の中では新垣結衣に似た顔なんだけど、本作では松たか子に似ていると思った。三人とも同系統の顔の作りなのかな?

もうちょっと脚本で頑張りましよう。評価は☆1つ。  
Posted by buu2 at 17:18Comments(0)映画2019

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2022年03月02日

ドリームプラン

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変なタイトルだな、と思ったら日本でつけた邦題らしい。

ビーナスとセリーナを育てたお父さんの話。女子にパワーテニスを持ち込んだ画期的な人なので、さぞかしすごい理論があったんだろうなと思ったらさにあらず。でも、運動ばかりではなく教養もきちんと身につけさせようとしたところは感心した。

主人公のリチャードは三回結婚して三回離婚しているけれど、本作では二度目の結婚の間だけを描いている。二人の姉妹がプロデビューしてからの夫婦関係や親子関係には全く触れていないので、「だいぶ変わっているけれど、二人のチャンピオンを育てたお父さん」で終わっている。そのおかげで、映画としては気持ちよく見ていられる。「実際はどうだったのかなぁ」と思わないでもないけれど、家庭のことに他人が首を突っ込むのは良くない。

脚本がなかなか良く書けているおかげで最後まで楽しめる。ただ、すごく感動するとか、そういうたぐいの作品ではない。評価は☆2つ。  
Posted by buu2 at 16:49Comments(0)映画2022

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2022年02月14日

ドライブ・マイ・カー

上映館が少なすぎるだろ!と思っているうちに終わってしまった本作。日本より外国での評価が高くなるといういつもの現象のおかげで特別上映する館が増えて来て喜ばしい限り。

舞台俳優・演出家の男性が妻を亡くしてから再生していく様を描いている。劇中劇として「ワーニャ伯父さん」を取り入れている。原作は村上春樹の短編。なので、村上春樹の原作とワーニャ伯父さんを読んでおくと楽しみが増加するけれど、読んでなくても大丈夫、問題ない。

喪失と再生は村上春樹の定番だが、それをとても上手に映像化している。ここまで良く練られた脚本は邦画としては稀有。とにかく上質で、ここ数年の邦画の中ではトップだと思う。

「これはどうなの?」と感じるのは登場人物たちがタバコを吸いすぎなのと、冬に広島から札幌まで車で行ってしまうところぐらい。あとはすんなり頭に入ってくる。

とても静かな映画なのでハリウッド映画っぽいうるささが皆無。これでも海外の映画祭でちゃんと評価されたのは良かった。

脚本だけでなく、監督と俳優も良い。これだけ揃えば当然傑作となる。評価は☆3つ。  
Posted by buu2 at 22:32Comments(0)映画2021

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2022年02月12日

大怪獣のあとしまつ

ネットでの評判が最悪だったので、楽しみにして観に行った。

でも、わりと普通。この映画を観て何を怒るのだろう。確かに、大して面白くない。でも、この程度のつまらなさは邦画では普通。個人的には「翔んで埼玉」の方が好みではなかった。

役者は良い俳優を揃えている。二階堂ふみなんか無駄遣いレベル。土屋太鳳がすごい美人になっていて驚いた。

一番ダメなのは脚本だけど、こういう本をわざと書いているので仕方ない。細かいギャグ、しかも大して面白くないギャグでつないでいく。つまり、「くだらねぇなぁ」「馬鹿じゃないの?」という失笑を呼び起こすために作られている。この手のくだらなさって、僕の時代は小劇場の演劇で散々観て来ていて、この作品に出ている役者さんたちの中にも小劇場出身の人が何人もいて、要はそういうノリなわけだ。多分僕には免疫がある。

「なんでアキラのミヤコが出てくるんだよ」とかがあったので、色々パロディを盛り込んでそうだけど、僕にはちょっとわからないものが多そう。

映画の中できっちり完結していないので、色々な雑学知識が豊富だと楽しめるのかもしれない。評価は☆半分のところ、無駄遣いした大量の良い俳優におまけして1つ。  
Posted by buu2 at 19:22Comments(0)映画2022

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2022年02月09日

クライ・マッチョ

寿命が尽きるまで撮り続けるのだろうけど、それが一体いつなのか、と思ってしまうクリント・イーストウッドの最新作。

両親が離婚していて、メキシコに住む母親の元で暮らしていた子供を米国に住む父親が取り戻すことにして、イーストウッドに頼むという内容。

最近のイーストウッド作品と同様、物語は淡々と進んでいく。子供を見つけて、車に乗せて米国に戻る途中でトラブルが発生して、といった感じ。

普通に面白いストーリーが続いて、一旦のクライマックスを迎える。しかし、イーストウッドの怖いところは普通に楽しく終われば良いものを、そこから30分や1時間、さらに物語が続いて、なんとも言えない気持ちになって映画館を出ていくことになるところである。さぁ、これからどんな展開になるのだろう、と心の準備をして待っていたら、意外な結末が待っていた。どんなラストかは、映画館でどうぞ。

評価は☆2つ。

なお、映画館はおひとりさまで快適でした。
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Posted by buu2 at 19:00Comments(0)映画2022

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2022年01月13日

スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム

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ホームシリーズ三部作の完結編。完結編と言っても、それほど大きな区切りができたわけでもなく、この辺はサム・ライミ版と同じ。

ちょっと面白いのは、サム版、アメイジング版、ホーム版の合計過去7作を全て引き受ける形のストーリー。加えてアベンジャーズからドクター・ストレンジが出てきていて、この辺はマーベル・シネマティック・ユニバースの作品ならでは。でも、正直、シネマティック・ユニバースの入り組んだ作品展開は好きではない。マーベルとしては過去作を売るのには便利なのだろう。ウルトラマンや仮面ライダーのシリーズでも過去の作品のヒーローが出てくるとワクワクしたものなので、こういうのが好きな人もいるのだと思う。

ネタバレになるので書かないけれど、この作品独自の敵役についても不満が残る。

ホーム版はなんと言ってもMJが魅力的で、本作でもその魅力は発揮されていた。知名度で言えばサム版のダンスト、アメイジング版のエマより数段下だと思うのだが、彼女が一番良いと思う。

スパイダーマンシリーズ独特のスイングシーンは映画館でこそ楽しめると思うので、映画館での鑑賞を推奨。ただし、スパイダーマンシリーズの過去作やアベンジャーズ関連の映画を復習しておかないと、十分に楽しむことはできない。

公開直後なのでネタバレはなるべく避けたいのだが、僕としてはラストはちょっと残念。評価は⭐︎2つ半。
  
Posted by buu2 at 16:00Comments(0)映画2022

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2022年01月11日

スパイダーマン3

新作のための復習、3つ目。

これでシリーズ完結しちゃったのかぁ。まだまだ続けられたはず。ちなみに女優としてはキルスティン・ダンストよりもエマ・ストーンの方が好きだけど、アメイジング・スパイダーマン2作には全く良い印象がない。アメイジング2作を観るべきか、観ないで新作を観てくるべきか、悩ましい。  
Posted by buu2 at 17:25Comments(0)映画

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2022年01月05日

スパイダーマンと、スパイダーマン2

スパイダーマンの新作を観る前に、予習。2本とも映画館で観ていて、評価もしているのだけれど、もうすっかり忘れてしまったので、Amazonプライムで観た。

これはやっぱり映画館で観るべき映画だね。家のモニターで観ても、躍動感が足りない。面白いけど、映画館での感動に比較して5割減。もちろん、良い環境だったら楽しいのだろうけど。  
Posted by buu2 at 17:12Comments(0)映画

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2021年12月28日

ラストナイト・イン・ソーホー

一応、ホラー映画なのかな?見えてはいけないものが見えてしまう学生が恐怖体験をするという内容。

だんだん症状がエスカレートしていくのだけど、その見せ方がとてもうまい。演出や脚本が良い。必要以上に緩む場面がほとんどなく、ラストまで一気に見せてくれる。精神的タイムトラベルで1966年のロンドンへ行ってしまうのだが、その場面の仕上がりもなかなか良かったと思う。僕も実際に見たわけではないけれど。

ホラー映画は一番苦手なジャンルだけど、面白かった。評価は☆2つのところ、主人公(ロストガールズのThomasin McKenzie)のかわいさにおまけして2つ半。  
Posted by buu2 at 00:30Comments(0)映画2021

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2021年12月27日

マトリックス レザレクションズ

マトリックスの久しぶりの新作。

このシリーズ、リアルタイムで観ていた人たちは、新作が公開されるたびにその意味をあーでもない、こーでもないと話し合ってきたはず。その意味するところをみんなが共有し、忘れた頃に新作である。本当なら旧作を全部見直すべきだろうけど、面倒臭いのでまったく復習せずに観に行った。

結論から言えば、前作までのような難解さはなく、かなりわかりやすい脚本になっていた。ではつまらないかと言えばそんなこともなく、ラストまで緩みなく楽しむことができた。ちょっと残念だったのは、重要な役の数人が、役者が交代していたこと。忙しかったのかな。

みんなで解釈を議論するような映画ではなくなったけれど、映像の良さは相変わらずだし、十分面白かった。評価は☆二つ。  
Posted by buu2 at 18:00Comments(0)映画2021

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2021年12月25日

ドント・ルック・アップ

映画館で公開されていたものがNetflixでも公開されたので、家で観た。

こんなバカ映画に良くこれだけの俳優を集めたな、と感心する。

彗星が地球めがけて突っ込んでくる。このままでは地球は壊滅するけれど、どうする?という事態に置かれて、米国大統領らは現実から目を背けて次の選挙の相談ばかりしている。どんどん近づいてくる彗星。さぁ、どうする、という本来ならパニック映画なのだけれど、本作はブラックコメディ。これがなかなか笑える。

別に大画面や素晴らしい音響を楽しむ作品ではないので、Netflixで十分。評価は☆2つ。  
Posted by buu2 at 01:48Comments(0)映画2021

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2021年12月15日

浅草キッド

本作はNetflixで独占公開。こうなると二時間ドラマと映画の境目が良くわからないけれど、それはそれ。

ビートたけしの同名小説の映画化。劇団ひとりは「青天の霹靂」でも監督としての才能の一端を見せていたけれど、本作もなかなか良い。ラストの仕上げがイマイチなところも晴天の霹靂と同じ。また、十分な意図なしに時系列をいじるので、監督の独りよがりな部分が垣間見えるのだけど、大きなマイナスではない。

テレビを嫌う芸人と、その弟子のビートたけしの交流を描いている。師匠の深見千三郎を演じる大泉洋、ビートたけしを演じる柳楽優弥がとても良い。コントや漫才を題材にしているので、お笑いシーンが多く、映画を観ていても笑ってしまうのだが、それは柳楽優弥の演技力によるところが大きい。コメディアンではないのにコメディで笑わせている。

歌手の伝記映画なら歌唱シーンが何よりも大事だが、コメディアンの伝記映画ならお笑いシーンが何よりも大事だ。その辺を監督は良くわかっている。

最近色々出番が増えている門脇麦、ツッコミ担当で漫才をサポートする土屋伸之(ナイツの棒じゃない方)の存在感もあった。

もう、民放やNHKはドラマを作らなくても、Netflixにやってもらえば良いんじゃないだろうか。

評価は☆2つ。視聴を中断していたNetflixを再開するだけの価値はあった。  
Posted by buu2 at 13:04Comments(0)映画2021

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2021年10月21日

最後の決闘裁判

邦題は「最後の決闘」じゃダメだったのかな。原作あり(未読)の作品。

スター・ウォーズのカイロ・レンとレイのママが恋に落ちる映画をエイリアンのリドリー・スコットが撮ったのかと思ったら違った。

14世紀のフランスを舞台に、男2人と女1人の三角関係を描いている。二時間半を超える長編なので、どんな展開なのだろうと思っていたら最初の40分ぐらいでほぼラストまで行ってしまう。あれ?もう終わり?と思ったところから、物語は約3倍に膨らんでしまう。特に無理があるわけでもなく、数年前の日本アカデミー賞作品賞のある作品でも用いられた手法で、それはそれで楽しい。ネタバレになるので書けないのだが、細かいセリフに脚色者の工夫が感じられた。

この映画のすごいところは、先がどうなるのかが全く予想できないところ。どういう結末もありうる作りになっているので、決闘の行方を楽しめる。

観客が感情移入する登場人物がコロコロ変わるところも面白い。

役者は主要登場人物の三人が三人とも良い味を出している。アダム・ドライバーはスター・ウォーズで微妙な役をやらされちゃったけど、良い役者だと思う。

久しぶりに松浦美奈さんの字幕だったのもプラスのポイント。

評価は☆3つ。  
Posted by buu2 at 17:00Comments(0)映画2021

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