2018年03月25日

とんかつ稲

「いまや、横浜ナンバー1とんかつ屋は『馬酔木』である」という話をしていたら、「ニュータウンにある『とんかつ稲』が美味しい」という話をする人がいた。この手の情報は大抵あてにならないのだけれど、情報提供されてしまったら食べに行かざるを得ないのがプロである。


注文したのは特選ひれかつ定食。注文から約8分30秒で提供された。














カツは不自然に柔らかく歯ごたえがない。


それでも1枚目は普通に美味しく、結構やるな、と感じた。ところが、それは最初の二枚だけ。残りは特選という名前に偽りありと感じてしまうもの。丁寧に塩を皿に乗せてきてくれているのだが、塩で食べるのはかなり厳しい。


見た目にも、一枚の皿の上での差が大きい。美味しい部分は確かに存在するのだが、美味しくない部分の方が多い。

衣はやや硬めで、食べている最中に口の中がヒリヒリしてくる。また、カツと衣の一体感も希薄。

ご飯は炊き方に難あり。一部、糊のようになっていた。



味噌汁と漬物はセントラルキッチンで作ったものをパックして店舗に配送したような、手作り感の希薄なもの。

キャベツは機械で千切りにしたものを長時間水につけておいたかのような歯ごたえも味もないものだった。

馬酔木を10点、かつやを0点とすると、この店は4〜5点ぐらいだろう。ここより美味しい店はいくらでもある。もちろんかつやよりは美味しいのだが、馬酔木と比較してしまうのは馬酔木に失礼すぎる。少なくとも、僕はこのとんかつ定食に2000円を払う気にはならない。ただ、馬酔木と稲の違いがわからない人も、日本には大勢いるのかもしれない。

店名 とんかつ稲 港北ニュータウン店
電話 045-943-5261
住所 神奈川県横浜市都筑区高山1-41 エトワール富士見が丘 1F
営業時間 11時30分〜15時30分 17時〜22時
定休日 無休  

2018年03月08日

とんかつは飲み物。

宿泊地の池袋貴美旅館のそばをぶらぶらしていてトンカツ屋を見つけた。全く気が進まなかったのだが、とんかつ評論家としては食べてみないわけにはいかない。







テーブルの正面には惣菜無料トッピングの案内。とんかつの味で勝負という店でないことは一目瞭然である。

数分で提供されたものはこれ。



まず、ご飯がとんでもなくまずい。この、ノリみたいな物体は果たして食べ物なのだろうか。



味噌汁もインスタントなのかなぁ、という味。出汁の味は希薄で、味噌の味ばかりがする。

そして、かつ。



薄っぺらくて、味がなくて、衣は硬い。こんなカツを食べてとんかつを食べた気になっていると、将来恥をかきそう。だけど、お金がない学生だと仕方ないのかな。

なお、惣菜はこんな感じ。









もちろん、おいしくはない。

コストパフォーマンスという言葉があるが、これの意味するところは(パフォーマンス)/(コスト)である。しかし、パフォーマンスが0なら、コストが限りなく0に近づいたとしても、やはり0なのだ。

またつまらないものを食ってしまった。



店名 とんかつは飲み物。
住所 東京都豊島区池袋2-53-11
営業時間 11:00〜16:30 17:30〜22:00
定休日 無休  

2017年12月18日

とんかつ大関

藤沢に美味しいトンカツ屋があるから食べてみてくれと言われたので、食べてきた。
















注文したのは特ひれかつ定食にカキフライ2つ追加。






















カツは、油のキレは良いのだが、肉の旨みはもう一歩。肉汁も不足気味。また、カツと衣の一体感がないのも残念だし、衣のサクサク感もあまり感じられない。また、衣は部分的に苦く感じるところもあった。温度が高すぎるのか、揚げる時間が長すぎるのかもしれない。また、ソースの味が悪い。塩は普通の塩だし、塩だけで食べることができるレベルにはない。

キャベツは美味しい。豚汁も美味しい。漬物はとりあえず付け足しただけのもの。ご飯も標準的。不味くはないけれど、素晴らしいとは言えない。

カキフライが一番美味しかった。この店ではカツよりもカキフライが良いと思う。

店名 とんかつ大関 (おおぜき)
電話 0466-33-2551
住所 神奈川県藤沢市辻堂東海岸1-10-14
営業時間 [月〜金]11:00〜13:30、17:00〜20:30 [土・日・祝日]11:00〜14:20、17:00〜20:30
定休日 水曜  

2017年12月06日

かつ好

僕がとんかつ評論家を名乗るほどにとんかつに入れ込んだきっかけは、ラーメン仲間に、恵比寿ガーデンプレイスにあった「かつ好」を教えてもらったことである。その時に教えてもらった「美味しいとんかつ屋の見分け方は、網の上に乗ってくること」という雑なものだったのだが、味は確かにとても良かった。

その後、しばらくしてかつ好は「武蔵」に名前を変えて、調理担当者も一名を残して変わってしまった。肉の仕入先は同じだったようだが、店主は静岡に帰ってしまったと噂で聞いた。当時の困惑はこちらに載っている。

とんかつ武蔵
http://buu.blog.jp/archives/7520907.html

この武蔵もその後閉店して、かつ好はわずかな痕跡さえ消えてしまった。

そのかつ好が人形町で復活したと聞いた。これは行かねばならない。これは今回の日本行きにおける重要なミッションの一つだった。

古くからの知人で、武蔵の消失を惜しんでいた友人と現地で待ち合わせしたのだが、店はスタバの裏の狭い路地にあった。




大行列かと思ったら先客が2人、僕たちと入れ違いで退店したので、客は僕たちだけになった。メニューはこんな感じ。



ひと目みてすぐに気がつくのは、重さと価格がリニアに対応していないこと。重量が増えると、どんどん割高になっている。これは普通に考えるとおかしいので、店の人に質問してみたら、「大きい肉になると肉の良い部位が含まれるようになる。ロースだと、重くなるとシャトーブリアンのような肉になる。ヒレは芯の美味しい部位が含まれる」と説明してくれた。しかし、「別格」はいくらなんでも大きすぎるので、ちょっと控えめにヒレの200グラムにしてみた。

注文から約20分、まず、ソース、塩、わさびと漬物が用意された。



どれも良い加減なものは出てこない。次にご飯と味噌汁。






ご飯の炊き具合はちょうどよく、あさりの味噌汁も美味しい。

そして、かつである。




最初に低温で揚げて、最後に高温の油で仕上げるあげづきのパターン。肉の下準備は適切で、筋が残っていることもない。衣の仕上がりも素晴らしい。ただ、一点だけ、肉が上等すぎるのか、包丁をいれた場所から肉汁が溢れてしまい、衣の下面が濡れてしまった。これはちょっと避け難い事態でどうしようもない。

ロースも一口食べさせてもらったが、こちらも美味しかった。ただ、僕には、やはり脂が多すぎる印象である。次に来た時も、やはりヒレを注文するだろう。

あと2回ぐらい、注文を変えて試してみたいところだが、僕のとんかつ本の「特選」に該当するのは間違いないと思う。

  

2017年12月05日

富士㐂(富士喜)

「とんかつ評論家なら食べておけ」シリーズ第二弾は人形町の富士㐂。正直全く気が進まなかったのだが、推薦されたら食べないわけにいかない。

11:40に入店。先客は一名。

メニューを見ていると、フロアのお姉さんが繰り返し安いヒレカツ定食を勧める。僕が銘柄豚のページを見ているのに、である。あまりにしつこいので、「高いやつを食べたいんですが」と言わざるを得ず、三流店の気配がプンプンする。







こんなことなら、人形町に復活したという元ガーデンプレイスのかつ好にすれば良かった。すると、しばらくして「本日は愛農ナチュラルポークがございません」と衝撃の発言。一番オススメのがないのかよ。やっぱりかつ好に行きたい。銘柄豚三種食べ比べも不可能とのことで、仕方なく二種食べ比べを注文した。

その後も、ランチのヒレカツと銘柄2種盛りを間違えるとか、フロア係、大丈夫か?などと心配していたら、11:50前にスキンヘッドの兄さんが登場。厨房は二人体制に進化した。でも、フロアはさっきの不慣れな女性ひとりである。

11:50に揚げ上がり。 所要時間は約10分だった。




漬物は安物。ご飯はまぁ悪くないけれど、美味しいレベルには程遠い。味噌汁は一見普通のしじみ汁だけど、苦味が強くて美味しくない。










そして、かつ。



まず、瑞穂のいも豚のロース。これ、油のキレが非常に悪くて、かつの下半分がびしょびしょ。加えて、筋切りが一部不完全で、食べていると衣が脱げて来てしまう。肉は旨味が少なくて、下味も薄いので、ソースや塩や柚子胡椒が不可欠。かなり残念な感じ。










続いて金華豚のヒレ。こちらはこちらでちょっとパサついている。肉の美味しさを味わうには至らず。ただ、いも豚よりは良かった。




とはいえ、ロースとヒレで食べ比べも何もあったものではない。食べ比べさせたいなら、同じ部位にすべきだろう。そして、食べているうちにいつの間にか正面にある厨房の机の上に段ボール箱が登場していた。




店員同士の会話から、その中身が愛農ナチュラルポークの肉だと判明した。あのさー、僕がオーダーした時間には届いてなかったのかもしれないけれど、それってハンドリング的におかしいよね。11:50に配達できるなら、なぜあと30分早く到着するようにできないの?

なお、キャベツも水に浸したままにしておいたのか、びしょびしょで美味しくなかった。

おしんことご飯とキャベツは残して、2800円を支払ったのだが、コストパフォーマンスは最悪に近い。

かえりがけにトイレに行ったら、ほぼ朝一の客なのに、一つのロールが芯だけになっていた。いかりや長介じゃなくても言うだろう。「ダメだこりゃ」。

評価は☆ゼロ。こういう三流店で満足できる人は幸福である。

店名 富士喜 人形町 (富士㐂(フジキ))
電話 03-6667-0559
住所 東京都中央区日本橋人形町1-5-14
営業時間 11:30- 15:30(L.O.15:00) 17:00- 22:30(L.O.22:00)
定休日 未定

  

2017年12月01日

ふく屋

「本を書くぐらいに本格的なとんかつ評論家なら、ここは食べておくべき」と言われたので、食べに行って来た。




メニューはこんな感じ。






注文したのはヒレカツ定食。

まず、お新香。



これは言及するほどのこともない、定食屋のお新香。

続いて味噌汁とご飯。






味噌汁はまぁまぁ。魚料理も提供している定食屋さんなので、調理の過程ででてくるものでダシをとっているのかもしれない。すごく美味しいわけではないけれど、まずくて飲む気にならないようなものでもない。ご飯もまぁまぁ。

それで、肝心のとんかつ。



肉はまぁまぁのクオリティ。って、全て「まぁまぁ」なんだけれど、本当にそんな感じなのだ。下味がきちんとしていて、油の切れも悪くない。ただ、衣などにはこだわっている感じではない。質よりも量に比重が置かれている感じ。

1800円のヒレカツ定食としてはちょっと高く感じる。町の定食屋としては結構美味しい部類だと思うのだが、ハレの日に食べるとんかつではない。このレベルで満足できるなら、本で調べてまでとんかつ屋を探す必要はないだろう。何より、下町の店で昼間からスーツを着たサラリーマンが「灰皿お願い」と言って、ビールを飲みながらタバコを吸い出す店なので、僕はもう二度と行かない。

店名 ふく屋
電話 044-722-6577
住所 神奈川県川崎市中原区新丸子町733 CASA298 1F
営業時間 11:30〜23:00
定休日 月曜日  

2017年11月30日

もち豚とんかつ たいよう

これまで2回食べに行って、2回とも振られていた宿題店、「たいよう」へ行ってきた。

店の前には待ち人が一人。ところが、この人は代表で、すぐにあと3人やってきた。4人待ちだと30分は待つな、と思っていたのだが、だいたい予想通りの待ち時間だった。店の前のメニューはこれ。



店の中のメニューはこれ。



さて、とんかつ。注文したのは上ヒレカツ定食。



この手の、小さいカツが複数提供されるヒレカツはイマイチなことが多いのだけれど、この店のヒレカツは例外。油はきちんと切れていて、衣はサクサクしている。ごく薄くつけられた下味は肉が本来持っている旨味を上手に引き出している。テーブルの塩がちょっと味が強すぎたので、僕は1枚を素のままで、1枚を塩で、残りの2枚をソースで食べた。どれも美味しかったが、この店の場合はソースで食べても問題ない。

ちょっと残念だったのはご飯。炊き上がってから時間が経っているようだったが、炊き方もあまり上手ではない印象を受けた。



味噌汁もちょっと味が薄く、一味唐辛子のお世話にならざるを得なかった。



お新香は丁寧に作られていて、全く問題ない。



ヒレカツ定食で1900円なので、コストパフォーマンスはとても良い。ただ、どうせならあと数百円高くてもいいから、ご飯を改善してほしい。

店名 もち豚とんかつ たいよう
電話 03-3786-1464
住所 東京都品川区小山3-22-7 メゾンいずみ 1−112
営業時間 11:30〜14:30 17:30〜20:00 材料が無くなり次第終了
定休日 月曜 金曜  

2017年09月03日

かつ濱

「とんかつ評論家で、著作もある」という話をすると良く「あそこはどうだ」「ここはどうだ」と言われるのだが、それは米国にいても同じで、違う二人の人からニューヨークの「かつ濱」はどうだと聞かれたので、食べないわけにはいかない。正直、どうせ大したことはないだろうと思っていたのだが、米国は肉だけは安くても高品質なので、侮れない。

22時過ぎという遅い時間の入店だったのだが、店は日本人を中心にそこそこ繁盛している。メニューを見て、ヒレカツと黒豚ロースカツを注文した。

まず、味噌汁と漬物が到着。




続いてカツが来たのだが、暗い店内で写真は手ブレ。残念。まず、ヒレカツから食べてみた。

ヒレカツはかなり薄めに切られていて、一方で衣は厚め。おかげで、カツレツみたいな食感になっている。揚げている油の温度は標準的な温度と思われるが、油のキレは悪く、カラッと揚がっている感じではない。また、揚げ時間が長いのか、肉のジューシーなところが失われているのが残念。

ご飯は部分的にのり状になっていて、臭いも感じられた。不味い部類。夜遅くに入店したので炊いてから時間が経っていたのだろうが、それにしてもこれは酷い。味噌汁はぎりぎり許容範囲、漬物は出来合いだろう。良くも悪くもない。

続いて、黒豚のロースカツ。カツは厚みがあって脂がある分、ヒレカツよりもジューシーと感じるものの、肉汁の美味しさは希薄。下味がきっちり付いているのでソース無しでもそこそこ美味しく食べることができるところは良いのだが、これは調味料を味わっているのであって、肉のうまさを満喫しているのとは違う。

ということで、ヒレ、ロースともに、米国にあってもリピートしたくなる質ではない。ただ、価格的にはラーメンより5ドルぐらい高いだけなので、不味いラーメンを食べるぐらいならこちらの方が良いかもしれない。僕なら不味いラーメンも、この店のとんかつも、両方食べないけれど。

ということで、とんかつ本に掲載するほどの味ではなかった。今後は「ニューヨークのかつ濱は美味しいですよ」と言われても、「あぁ、食べましたけど、僕の基準では二度と食べないレベルですね」と答えることができる。







11 E 47th St
New York, NY 10017
b/t 5th Ave & Madison Ave
(212) 758-5909  

2017年05月30日

矢場とん 岡崎サービスエリア店

東京へ戻る途中、岡崎サービスエリアで朝食の時間になったので立ち寄ってみると不幸なことに矢場とんがある。大分前、名古屋の矢場とんで食べてみてこれはダメだと思ったのだが、それからおそらく10年以上経っている。これだけの年月が流れると、世の中は随分と変わるので、矢場とんも変わっている可能性がある。ということで、清水の舞台から飛び降りる気持ちで、矢場とんのとんかつを食べてみた。

注文したのは一番高いヒレカツ定食。1700円ぐらいだっただろうか。美味しいとんかつを食べるには2000円以上払う必要があるというのが僕の持論だが、もう一息のところまできているので、少しは期待が持てる。
















注文から5分30秒でできあがり。これはとんかつ屋としては短め。高温の油で一気に揚げていることが予想される。自分のテーブルに持って行って、いざ実食。

まず、衣は水に濡れたジーンズのよう。サクサク感が皆無である。肉の質も低く、どうせ味噌で味付けるからわからないだろう、と油断しているのだろう。それにしてもまずい。

ご飯は朝イチにも関わらず、すでに黄色くて、まずい。凄く古い米を使っているか、レンチンご飯かもしれない。

味噌汁もしょっぱいだけでインスタントっぽく、非常にまずい。

評論の目的がなければ、500円でも食べない。これが好きな人は、単に味噌が好きなだけで、トンカツにもご飯にも、何のこだわりもないのだろう。これがワシントンDCの和食レストランならまぁ仕方ないと思うところだが、ここは日本である。こんなに質の低いトンカツが1700円で、サービスエリアに出店できるほどに繁盛しているというのだから、驚くよりない。これを美味しく感じる人は味噌を溺愛しすぎだろう。

もう、これで矢場とんでは一生食べることはないだろう。またつまらないものを食ってしまった。  

2016年11月19日

幸楽

全国のとんかつ店の中で「ここは押さえておかないと」という店が数店あるのだが、この店はそういう店のひとつ。そういう食べておくべき店で、僕が食べ残している店は2軒あって、ここがそのうちの一つだった。名古屋からの帰り道でちょうど良いタイミングだったので、高速を降りて寄ってみた。注文したのはヒレかつ定食の松、3500円である。この価格は豚組のような、一般のとんかつ屋とはちょっとコンセプトの違う店を除けば、全国的に言ってもハイエンドと言って良い。













まず、かつだが、火の通りは申し分ない。これ以上のタイミングはありえないという感じだ。また、驚くほど薄い衣で、それでいてしっかり揚げてあるので、適度な存在感となっている。この、衣のつけ方や揚げ方は名人芸と言っても良いだろう。しかし、残念なのは肉の旨みが足りないことだ。下味をきちんとつけるという手もあるだろうが、3500円のとんかつでこのクオリティでは残念に感じる。10年前ぐらいは2500円程度だったようだが、価格の上昇に見合うだけの肉の質の向上は見られないのではないか。いや、むしろ、劣化しているのではないだろうか。

ご飯は、米は悪くないと思うが、炊き具合が柔らかすぎる。

一方で、塩分控えめの漬物と味噌汁は普通に美味しい。

ちょっと、僕のとんかつ本に掲載するレベルには足りていない。この店のオススメはロースかつだったようなので、もし次の機会があれば、ロースを食べてみようと思う。

店名 幸楽 (こうらく)
TEL 053-452-3754
住所 静岡県浜松市中区肴町317-13
営業時間 12:00〜14:00 17:00〜20:00
定休日 月曜・火曜


  

2016年05月25日

とんかつあさくら

知人から「名古屋には食べログで500位に入るとんかつの名店があるのに、食べたことがないのか」と言われ、「いまどき、食べログとかバカじゃないの?」と言いたかったのだけれど、食べずに批判も出来ないので食べてきた。

食べたのは「選り抜き特上ロースとんかつ定食 2100円」と「選り抜きヒレとんかつ定食 1900円」のふたつ。






















さて、いつもと同じくヒレから食べてみた。すぐに感じるのは肉をちょっと叩きすぎているのではないか、ということ。肉は非常に柔らかく、代わりに水っぽい。叩きすぎたことによって肉の細胞が破壊され、肉汁が出てしまい、旨味が足りなくなってしまった感じがする。あるいは、そもそも肉に旨みが足りないのかもしれない。定食で2000円以下なので、肉の質がそもそもあまり良くない可能性もある。肉の旨みが不足していて、下味も控えめなので、塩だけで食べるのはちょっと厳しい。

衣が面白く、故意に剥がそうとしても剥がれない。接着剤のような衣を利用して、やや細かめなパン粉をまとわせている感じ。このタイプの衣は初めて見たのだが、食感は悪くないし、余計な油も感じられない。ただ、口の中でほぐれてきて広がっていくような感覚は希薄である。

ここでロースも食べてみたが、やはり旨味は不足気味である。ただ、脂がある分ヒレよりも美味しく感じた。




ご飯とキャベツは美味しい。味噌汁と漬物は普通。

名古屋で食べたトンカツの中では今の所トップだが、本に載せるのにはちょっと足りない。食べログで500位以内というのがどの程度のものなのかは知らないが、これより美味しいとんかつ屋は名古屋以外であればかなりの数が存在する。これが500位以内って、所詮は食べログ、という感じである。

店名 とんかつあさくら
TEL 052-896-1732
住所 愛知県名古屋市緑区滝の水1-809 エルパティオ滝ノ水 1F
営業時間 11:00〜14:00(L.O.13:30) 17:00〜21:00(L.O.20:30)
定休日 月曜日・火曜日

  

2016年02月27日

那のつ

先日、福岡の小石原で焼き物を探していたら、窯元の一軒で「うちの焼き物をおさめているとんかつ屋が埼玉にある」と聞いたので、食べに行ってみた。

特上ヒレカツの定食セットで2,500円程度。行田という土地を考えるとなかなか強気な価格設定である。




かつはやや高温のラードで揚げている様子。肉と衣の一体感は今ひとつ。肉の臭みがちょっと残っているのも気になる。旨みはそこそこなのだが、揚げ過ぎな感じでジューシーさに欠ける。このあたりは油の温度設定の問題かも知れない。ソースは甘口、辛口の2つが用意されていたのだが、辛口は辛すぎ。甘口も普通の味だったので、ソースなしで食べてみたのだが、ちょっとパサついた感じがした。

ご飯は標準的な美味しさ。豚汁もまぁまぁ。キャベツは美味しかった。







茶碗蒸しはイマイチ。




同行者が注文したロースはヒレよりはジューシーに感じた。また、ミルフィーユカツは脂が多く、肉の味を楽しめない一品だった。

悪くはないのだが、わざわざ行田くんだりまで出かける質ではなかった。

店名 那のつ
TEL 048-555-1450
住所 埼玉県行田市長野1-33-10
営業時間 平日11:30〜15:00 17:30〜22:00 日曜17:00〜22:00
定休日 火曜  

2016年01月16日

たかおか

砂川に美味しいとんかつ屋があると聞いたので、食べてきた。

注文したのはひれかつ定食(1,980円)。







かつは高温でサクサク感を楽しむことができるように揚げてある。衣は適度に香ばしく、苦味は感じられない。比較的高い温度で揚げていることから、油のキレも良い。このあたりからは腕の良さが感じられる。

ただ、肝心の肉はちょっと下ごしらえがしっかり過ぎている。多分、肉の塊を念入りに叩いて平たく伸ばしているのだと思うのだが、その作業が念入りすぎるようだ。肉の繊維が崩壊していて、歯ごたえが全くない。これはもったいないのひとこと。この辺りには歯の不自由な老人が多いということなのかも知れないが、いくらなんでも柔らかすぎる。

また、ソースがイマイチである。肉の旨みもそこそこ感じられるので、この店のかつは塩で食べたいところなのだが、残念ながらテーブルの上には塩が用意されていなかった。







味噌汁とお新香はおまけ程度のもの。ご飯は今一歩だった。

トータルで見ると、決して悪くないものの、2,000円近い価格にするのであればもうちょっとご飯や味噌汁にも力を入れて欲しいところ。このあたりの物価水準を考えると、この価格ではかなり苦戦するのではないだろうか?

店名 たかおか
TEL 0125-54-0511
住所 北海道砂川市西四条北1-3-1
営業時間 11:30〜14:00(L.O.13:30) 17:00〜20:00(L.O.19:30)
定休日 月曜(祝日の場合は営業)  

2015年11月26日

自然坊

年内に未食のとんかつ屋さんをなるべくたくさん食べてしまおうと思っている。今日は東京カレンダーの記事でマッキー牧元氏が推薦していた自然坊へ。注文は「ヒレ」。




お茶からして、「お、ちょっと違うぞ」という感じ。器が。

注文から15分ぐらいで到着。




かつは肉を3つ揚げている。この手の、小さい肉を複数提供するヒレカツの店ではあまり美味しい店を知らないのでちょっと心配になったのだが、杞憂だった。標準的な粗さのパン粉はちょっと硬め。そして、肉との一体感はやや希薄。肉の旨みは価格相応だと思うが、やや淡白である。揚げ方や火の通りは良好で、食べた感じはなかなか良かった。ただ、肉の旨みが特段強いわけでもないので、塩なしでも美味しくいただけるというレベルには至っておらず、僕はほとんどを塩と辛子で食べた。

キャベツはソースで食べたのだが、柔らかくて、それでいて歯ごたえがあり、美味しかった。




ご飯の炊き具合はとても良く美味しかった。




漬物はかなり塩分を控えていて、素材の味が良く分かるもの。




なめこの味噌汁は、漬物同様にかなり塩分ひかえ目。僕は血圧の心配もあって減塩食になれているのだが、それでも「この味だと塩気が欲しくなるお客さんが続出するだろうな」と思った。




食後のアイスは美味しかった。

全体的に塩分控えめの店なので、しょっぱい味付けに慣れている人には勧められない。あと、器の迫力が凄い。多分、写真で見ても伝わると思う。この器に負けないだけの料理を作ろうという強い決意が感じられる。評価は☆2つ半で、とんかつ本の改訂時には「掲載しても良いかも?」というレベルである。

店名 自然坊
TEL 03-5700-5330
住所 東京都大田区久が原4-19-24
営業時間 昼12:00〜15:00 夜17:00〜21:00
定休日 水曜  

2015年10月29日

厚切りロースとんかつ弁当

京都ツアーの往復パック券を買ったら、「東京駅の新幹線改札内でお弁当を購入するとお茶がついてきます」というお茶に釣られて弁当屋へ行ってしまった。朝が早かったせいなのか、品揃えがイマイチで、食べたいものが見当たらない。あまり気が進まなかったのだが、とんかつ評論家の看板もあることだし、ここはとんかつ弁当でも食べてみるか、と購入。







しかしまぁ、このとんかつの不味いこと。チャーハンを大量に作ってギネスに載せようとしたら、食べきれなかった分を豚に食べさせたおかげで失格になったという中国のニュースを数日前に読んだけれど、僕も食べきれなかったので(まずくて)、残してしまった。新幹線の中に豚がいなかったのが残念である。

この程度のとんかつを「美味しい」と感じる人が日本にはいるのだろうか??歯ごたえが異様で、成型肉っぽかった。またつまらないものを食ってしまった。  

2015年09月10日

のもと家

新橋〜浜松町は焼肉やとんかつの良い店が多く点在するのだが、この店は比較的新しい店である。もともとは浅草でやっていた方が数年前にこちらへ移転したらしい。本当はヒレを注文したかったのだが、ヒレはレギュラーメニューしかなく、プレミアムメニューはロースだけだったので、今回は【特選】厚切りロースかつ定食2,200円を注文してみた。







衣を見る限りでは油の温度や揚げ方は特段の特徴が感じられない。とはいえ、油のキレは良好だし、衣と肉の一体感も素晴らしく、基本的なところをしっかりやっている印象を受ける。

肉は鹿児島産六白黒豚らしいが、非常にジューシーで旨味もある。もうちょっと火を通せば全体にもっと旨みが増しそうだが、中央部と端部で揚がり具合の差を楽しめるので、火加減は適切だろう。

食べ方は茎わさびと醤油で、というのが店のイチオシらしく、醤油は都内ではあまり見かけないカネヨだった。個人的にはカネヨなら甘露を使って欲しかったのだが、それだとさすがに豚肉の味が死んでしまうだろう。店で用意している茎わさびと醤油でも付け過ぎるのは考えもので、加減しながらベストのバランスを探る必要がある。ソース用のごまも提供されたが、今回はソースは使わなかった。素のままでも、塩でも、あるいは少量の茎わさび醤油でも楽しめる。

ご飯、豚汁、キャベツは不満に感じるところがなく、美味しくいただくことができた。ポテトサラダは取り立てて素晴らしいとは感じなかったが、このあたりの小皿でサービスすることで周辺のサラリーマンにアピールするのかも知れない。










とんかつ名店絨毯爆撃を改訂する際には、「その他の高級とんかつ店」に掲載することになると思う。

  

2015年08月24日

味のとんかつ 丸一

とんかつ評論家として豚の名産地鹿児島のとんかつを食べていないのは片手落ちだろう、ということで、鹿児島までとんかつを食べに行ってきた。食べた店は、鹿児島でナンバーワンと言われることもある丸一である。

注文は上ロースとヒレ(ともに2,100円)で迷ったのだが、同行者3名がみんな上ロースだったので、ヒレを注文してみた。













かつはかなり高温の油で完璧に揚げていると想像される。見た目からしてかなり濃い目の焦げ茶色なので食べる前から期待できないのだが、食べてみるとやはり衣が苦い。また、肉は完全にジューシーさが失われている。同行者が注文した上ロースはまだ肉に脂分があるだけ救われるが、ヒレは薄い肉なのでカラカラになっている。これでは豚肉なのか、鶏肉なのかわからない。衣は細かめのパン粉だが、焦げてしまっているので食感がどうとか、味がどうとか、そういう問題ではない。肉と衣の一体感だけはなんとか保持できているのだが、あまり意味がない。肉は本当は美味しいのかもしれないが、こんな揚げ方をしてしまっては全て無意味である。

ちなみ上ロースを一切れ食べてみたが、筋切りが不完全で硬かった。厚みがあってそこそこ大きいので、きちんと下処理をしないと高級とんかつとして成立しないのだが、鹿児島あたりだとただ大きいだけで喜ばれるのかも知れない。

ご飯は繁盛店なのか、昼時を少し外したにもかかわらず炊きたてのような美味しさだった。キャベツの食感も良好。豚の入っていない豚汁なのか、味噌汁なのか判断が難しい汁物は美味しいと感心するほどではないものの、不味くはなかった。漬物はおまけ程度。

黒豚の本場なら美味いというわけではないことが良く分かった。原料である豚肉は容易に東京や大阪などの都市圏に輸送できるが、田舎で腕の良い職人を確保するのは大変なのかも知れない。少なくとも、旅行で東京から鹿児島を訪れた観光客が食べても満足できる店ではない。東京にはもっと美味しいとんかつ屋がたくさんある。

店名 味のとんかつ 丸一 (まるいち)
TEL 099-226-3351
住所 鹿児島県鹿児島市山之口町1-10 鹿児島中央ビル B1F
営業時間 11:30〜14:00 17:00〜21:00
定休日 日曜日

  

2015年08月08日

鶴群

オアゾに入っている鶴群(たづむら)でプレミアムメニューのヒレカツを食べてみた。







カツはやや温度高めの油で揚げているようだが、それにしては衣の油のキレが悪い。一枚食べた時点で胃もたれしてくるほどだ。やや粗めの衣と肉の一体感は希薄。ポロポロ剥がれ落ちるほどではないが、肉から衣が浮いている。肉の味は薄く、ジューシーさがない。揚げている温度が高いせいか、硬くてパサパサ。これで2500円は驚きでしかない。同行者が注文したプレミアムロースを一枚食べてみたが、印象はそれほど変わらなかった。

ご飯は炊いてから時間が経っていて美味しくない。味噌汁も美味しくない。キャベツは切り口が均一で細かすぎる。漬物は既成品っぽい。

どこをとっても良いところがない。こんなヒレカツを出す店が多いから、ヒレカツ嫌いが増えるのである。

またつまらないものを食ってしまった。油の無駄摂り。

美味いとんかつを食べたければ2,000円以上出せというのが持論だけど、2,000円以上出せば必ず美味しいかといえばそんなこともない。こういう店にあたると悲しいので、気をつけて欲しい。

店名 とんかつ料理と京野菜 鶴群 丸の内オアゾ店 (たづむら)
TEL 03-3216-5300
住所 東京都千代田区丸の内1-6-4 丸の内オアゾ 5F
営業時間 11:00〜23:00(フード L.O.22:00、ドリンク L.O.22:15)
定休日 年中無休

  

2015年05月29日

とん鈴

中学・高校の同級生が「うまいから食ってみろ」と言うので、食べてきた。柿生駅は生まれて初めて行ったのだが、駅前に妙に狭い路地があって、その直上に看板というか、ゲートがある。この道はとん鈴の専用私道なのだろうか?その先へ坂道を登って行くとすぐ右側に店が現れる。そして、非常に出し入れの難しい駐車場があるのが特徴的。さて、とんかつの評価である。

注文は、もちろん一番高い特上ヒレ定食、確か税別で1,900円ぐらいだったと思う。




カツは棒状のヒレ肉で、丁寧に脂を落として筋を切ってある様子。柔らかくて筋がなく、旨味もたっぷりの良質な肉である。揚げる温度はやや高めで時間を短くしているのか、外側はしっかり揚がっていて、内部はジューシーである。衣は油の温度が高いためか、ちょっと苦味を感じる。また、写真を見てもわかるように、肉との一体感は希薄で、衣と一緒に食べるのは不可能に近い。ここは残念なところである。ソース、おろしポン酢、塩が用意されているが、ソースやおろしポン酢で食べると一層衣が剥げ落ちるので、塩で食べるか、そのままで食べても良いと思う。







ご飯の炊き具合は非常に良いと思うが、米はそれほど良いわけではない。味噌汁と漬物は標準的。キャベツはとても美味しかった。

トータルで見ればかなりいけていると思うのだが、評価は☆2つどまり。わざわざ柿生くんだりまで出かけるほどではなく、近所の人たちにとっての定番とんかつ屋さんという趣である。僕の場合、会社の税務手続きで年に1回、市が尾の税務署と県税事務所に行かなくてはならないので、その時に食べても良いかな、という感じ。でも、馬酔木も近いんだよね。やはり、神奈川県では今のところ港北ニュータウンの馬酔木が横綱、とん鈴は関脇ぐらいだろう。




店名 とん鈴 (とんすず)
TEL 044-988-8282
住所 神奈川県川崎市麻生区上麻生5-44-12
営業時間 11:00〜15:00(L.O.14:30) 17:00〜22:00(L.O.21:30)
定休日 水曜日(祝日の場合は翌日)

  

2015年05月12日

イマカツ

六本木で宿題になっていたイマカツに行ってきた。

注文したのは特選ヒレかつ膳。豚はやまと豚と四万十柚子豚から選択できるシステムだったけれど、定番のやまと豚を注文。




かつは標準よりはやや低温で揚げたもの。揚げ方は決して悪くなく、油もしっかり切れているのだが、衣のつけ方が下手くそで、食べているうちに何度も衣が剥げ落ちてしまう。というか、食べる前から分離しているのは写真を見てもわかる。こういう、かつと衣の一体感を全く無視した店もあるし、「かつと衣はバラバラでも構わない」という価値観も存在するのだろうが、一体化した店がいくつもあって、そういう店で食べ慣れていると、この価値観には同意できない。肉の旨味は十分で、塩で食べても美味しさが満喫できる。同行者が四万十柚子豚のヒレかつを注文したので二切れほど食べさせてもらったが、肉の旨味はやまと豚よりも楽しめる。ただ、「これで食べて下さい」と持ってきてくれる柚子の果汁につけてしまうと、衣のパリパリ感も含め、全てが台無しになる。柚子豚を塩で食べるのが一番のお勧めである。




キャベツは新鮮味がなくイマイチ。あらかじめ切っておいて、しばらく時間が経ったものを出してきたんだと思う。2,000円以上のとんかつでこんなキャベツが出てきたら、いくら食べ放題でも、喜ぶのはモンシロチョウの幼虫の生まれ変わりぐらいだろう。




ご飯は柔らかめが好きでも柔らかすぎ。ノリみたいになっていて、水の分量を間違えたんじゃないかと思う。







味噌汁と香の物は凡庸。

評価は☆1つ半。

かつ以外の脱力ぶり(手抜きぶり)が凄まじいのだが、六本木の場所代を考えれば、2,000円ちょっとでこの質なら妥当なところなのかも知れない。しかし、ここより美味しい店は山ほどあるし、少なくとも僕の本に掲載するレベルにはない。つまり、僕の本で紹介している店は全てこの店より美味い。

加えて、四万十柚子豚について質問したら、「ヒレかつはやまと豚と四万十柚子豚から選ぶことができる」という説明だったのに、あとで隣のテーブルでロースかつも四万十豚を選べると説明していた。店員の教育も酷い。

これでミシュランに載っちゃうというのなら、ミシュランの店選びは全く信用できない。

  

2015年03月30日

勝烈亭

熊本ナンバー1とんかつとの評判を耳にしたので、食べてみた。

店は熊本の中心街から徒歩圏内。なかなか重厚な見た目である。




店内では昼時を外したにも関わらず、数名の待ち客がいた。




待つこと約20分、ようやく席に案内された。注文したのは「超特選 鹿児島県産 六白黒豚 厚揚げ 棒ひれかつ膳 180グラム 2,500円(税別)」である。

まず最初に漬物とゴマが運ばれてくる。




漬物は普通に美味しいレベル。




あとはゴマを擦りながら、かつの到着を待つ。ほどなく、大根おろしとかつがやってきた。







かつの衣は標準の粗さで、ややしっとりしている。かつは標準か、もしくは標準よりわずかに低い温度で揚げているようだが、揚げている時間が若干長いようで、肉のジューシーさが失われているのが残念。肉の断面を見ても、揚がりすぎている感じがする。要は、ぱさぱさしているのである。これは「超特選」としては致命的である。なお、下ごしらえには大きな問題が見当たらない。




ソースは洋風、和風の二種類用意されており、和風にはゴマをすって投入するようにと言われたのだが、ゴマを入れると苦味が強く出るのでお勧めできない。洋風は洋風で味が濃くかなり辛口なので、豚の美味しさが失われる。超特選のかつには塩が付いてくるので、おとなしく塩で食べるのが一番良い。同行者が注文したロースは脂がジューシーさを演出していて、旨味も濃く、ソースで美味しく食べることができた。この店ではロースの方が圧倒的にお勧めである。

ご飯と味噌汁は普通に美味しいレベル。キャベツも合格点。







店名 勝烈亭 新市街本店 (かつれつてい)
TEL 096-322-8771
住所 熊本県熊本市中央区新市街8-18 林ビル 1F
営業時間 11:30〜22:00(L.O.21:30)
定休日 12/31〜1/2  

2014年12月07日

武信

ミシュランに掲載された店を食べてないというのはとんかつ評論家として洒落にならないので、さっそく食べてきた。




かつはやや低温でじっくりと揚げた感じ。店の能書きによれば油は米油を使っているとのこと。味の面ではこれといった違いは感じられなかった。衣はかなり粗めだが、硬すぎることはなく、サクサク感があって、口の中でマイルドに溶けていく。やや厚めだが、カツとの一体感は見事で、食べている最中に剥がれ落ちてしまうといったことはない。


肉は加熱しすぎで、ちょっとパサついた感じがある。これまた店の能書きによれば、この店の肉は林SPFとのこと。すでに林SPFの店はこのブログで4、5軒ほど取り上げているのだけれど、どの店も味はイマイチだった。しかし、この店で食べたとんかつは、旨味はそこそこだったと思う。他の林SPF取り扱い店と違い、しっかりと熱を通しているのも特徴だった。ただ、ヒレ肉ではぱさついた感じがあり、食べ比べてみた感じでは、ヒレよりもロースがオススメである。




早めに行ったせいもあるかもしれないが、ご飯はなかなか美味しかった。




赤だしはちょっと苦味が気になった。




漬物は美味しかったが、漬かり具合が浅すぎた。もうちょっとしっかり漬けてくれれば良いのにと思った。




おまけだが、カキフライも食べてみた。味の方は標準的だったので、わざわざ追加するほどのことはないと思う。

この店をミシュランに掲載するなら、他にも数軒、都内には良いとんかつ屋があると思う。なぜ、ここを?と疑問に思わないでもないのだが、店内はかなり清潔だったし、フロア係の女性は接客、手際ともに見事だった。ミシュランともなると、そういった部分も重要なのかも知れない。ちなみに僕の本に掲載するレベルには到達していなかった。

店名 とんかつ武信 (TAKESHIN)
TEL 03-3466-1125
住所 東京都渋谷区西原3-1-7 ティーズブレイス 1F
営業時間 [火〜金]11:30〜14:00(L.O.) 18:00〜21:45(L.O.) [土・日・祝]11:30〜14:30(L.O.) 17:30〜21:30(L.O.)
定休日 月曜日(祝日の場合は営業して、その翌日に休み)

  

2014年10月17日

豚組

六本木で夜ご飯にしようということになって、拓(寿司)とどちらにするかひとしきり悩んだのだが、同行者がまだ豚組で食べたことがないというので、「ムラがあるし、当たり外れもあるよ」と但し書きをつけつつ、食べに行ってみた。

今回注文したのは、琉香豚の超厚切り(3,600円)と、サブマリン(2週間氷温熟成された氷室豚のバラかつ、3,200円)。高く評価している成蔵(高田馬場)でも熟成肉の扱いには苦労している様子だったので、かなり不安だったのだが。デザートにはくず餅をひとつ。あとはカラフェの白ワイン。































まず、行った時間が遅かったこともあって、かなり油がくたびれていた様子。加えて、ちょっと揚げ方にもムラがあり、ところどころ衣が焦げ茶色になってしまっていた。当然、その部分を食べると苦味がある。まさか、わざとでもあるまい。とはいえ、琉香豚の厚切りは、なかなかジューシーで、旨味も十分だった。これで3,600円は、場所代も考慮すれば適度なコストパフォーマンスと言えるだろう。しかし、豚組新名物の看板を掲げたサブマリンというメニューは全くいただけない。肉の旨味がほとんど感じられず、食べていてもこれっぽっちも満足感が得られない。「旨味&ジューシー&柔らかい?」がキャッチコピーだったが、最後の「?」マークはその前の全てにかかっていると言っても過言ではない。今までの豚組メニューの中で一番のハズレだった。

ご飯は標準的、味噌汁はちょっと苦味が気になる。キャベツは美味しい。くず餅は普通に美味しかった。サービスは上々。

いくつかの難点が気になりはしたのだが、もっと早い時間に来て、琉香豚の超厚切りを注文しておけば、多分美味しく食べることができるはずだ。

ちなみに、前回は梅山豚◯、なっとく豚△という印象だった。今回は琉香豚厚切り◯、サブマリン×という評価。

  

2014年10月08日

マンジェ(三回目)

マンジェ、三回目である。最近は大阪出張のたびに食べている感がある。過去のレビューはこちら。

マンジェ
http://buu.blog.jp/archives/51443956.html

マンジェ再訪
http://buu.blog.jp/archives/51449539.html

さて、今回注文したのは、ヘレ丸太チョイス定食で追加が天然エビフライとカキフライである。










東京Xは例によって週末で完売とのことだったので、まだ食べたことがない丸太ヘレを食べてみた。棒状の丸太ヘレ肉を揚げて、それを6つに切り分けて提供される。端の方はしっかり揚がっていて、中央部分はほんのりピンク色である。肉はジューシーで、前回のように噛みきれないということもなかった。

この店のとんかつはやはりアプローチが変わっている。いわゆる「とんかつ屋」の文法ではないのだ。普通のとんかつ屋は、下味は控えめにして、肉の旨味で勝負する。だから、拙著「とんかつ名店絨毯爆撃」で紹介しているような店のほとんどはソースなどは不要で、肉の旨味を活かすように、塩を使って、あるいは素のままで食べるのが美味しい。逆に、駄目な店ほど、ソースが必須になる。肉に味がないからだ。

ところが、この店は、最初から下味がしっかりつけてある。テーブルに置かれた時点で、すでに肉の旨味だけではなく、調味されているのである。だから、ソースをつけて食べても何の問題もない。肉の旨味で勝負するのではなく、味付け前提で勝負しているのだ。

とはいえ、ベースの肉の味が悪いわけではなく、ちゃんとそういった調味料に負けないだけの肉を使っている。これをたとえるなら、

名店の絶品とんかつ:美人の良さを活かすために、お化粧は控えめ、それにあわせて清楚な服をコーディネート。秋篠宮佳子内親王のイメージ。

マンジェの絶品とんかつ:美人の顔をさらに引き立てるようにばっちりお化粧を施し、豪奢な服をコーディネート。故ウェールズ公妃ダイアナのイメージ。

という感じなのだ。アプローチの源流が和食か、洋食か、という違いがあって、単純に比較するのには無理があるのだが、マンジェタイプのとんかつ優良店があまり存在しないため、異彩を放っているように見える。

ちなみに、天然エビフライとカキフライもなかなか美味しかった。チョイス定食はお勧めである。

ただ、11:10に店に行って、名前を書いて(45人待ちだったかな?)、店内に座れるのが13:20というのは、絶望的に時間がかかり過ぎている。僕は東京から食べに行っているから我慢もするけれど、大阪の人は良く我慢するなぁと感心してしまう。2時間待つくらいなら、他にも美味しいものはいくらでもありそうなものなのだが、不思議である。

なお、付録として、マンジェのメニューを写真で紹介しておく。































とんかつ名店絨毯爆撃、Kindle版好評発売中!!!!

  

2014年10月01日

金町にある「喝」でとんかつを食べてみた。

駅からすぐの場所だが、ちょっとわかりにくく、大分行き過ぎてからもどってきた。イトーヨーカドー側からの方がわかりやすい。

とんかつは銘柄豚とレギュラーメニューが混在していて、どれを注文したら良いか迷う。プレミアムメニューとしては特ヒレかつ(2,260円)、いも豚ロースかつ(2,970円)、庄内三元豚ロースかつ(2,970円)、あぐー豚ロースかつ(2,970円)などが用意されていて、これにご飯と赤だしのセット570円を追加する形になっている。どれにするかかなり迷ったのだが、ここはヒレで、と思って、やや安くはあるのだが、特ヒレかつのセット(合計で2,830円)にした。

まずやってきたのがキムチ、ひじき、チーズの小皿。




ちょっと遅れて、ご飯と味噌汁。







そして、最後にかつとキャベツである。







かつは低温でじっくりと揚げたタイプ。このタイプの最大の弱点は油のキレの悪さだが、この店のとんかつはそれほど気にならない。火の通り具合もちょうど良い感じで、ヒレ肉のジューシーさがきちんと保持されている。やや薄めに切られているおかげで、噛みきれないということもない。ただ、唯一、肉そのものの旨味という点で、絶品とまではいかない感じだった。




衣はやや細か目のパン粉を使っているようだが、驚くのはかつとの一体感である。普通、これだけジューシーに仕上げたとんかつからは水分がでてきてしまい、食べ進んでいるうちに剥がれてきてしまうものだが、そういったことが一切ない。

かつにはソース、白醤油、ポン酢が用意されていたので、主として白醤油におろし生姜と大根おろしで食べてみた。素のままでもいけるのだが、やはりちょっとだけ旨味が欠けている分、味付けがあった方が美味しくいただける。できれば塩を用意して欲しかったのだが、テーブルの上には見当たらなかった。

ご飯と味噌汁はセットで570円はちょっと高い印象。時間が13時を過ぎていたせいもあってか、ご飯からはちょっと水分が抜けてしまった感じ。じゅんさいの味噌汁は、ちょっと苦味が気になった。キャベツは普通に美味しかった。

最後に、店主自慢の杏仁豆腐を食べたのだが、こちらもなかなか美味しかった。




トータルで見ると、なかなかの完成度である。次回の「とんかつ名店絨毯爆撃」の改訂にあたっては、「おすすめ」枠に追加することを検討したい。一度、ロースも食べてみる必要があるだろう。

店名 喝
TEL 03-3608-7141
住所 東京都葛飾区東金町1-11-3 伴ビル2階
営業時間 11:00〜15:30(LO.14:50) 17:30〜21:30(LO.20:50)
定休日 水曜日及び不定休

  

2014年08月07日

マンジェ再訪

拙著「とんかつ名店絨毯爆撃」の特撰12軒のうちのひとつに選んだ「マンジェ」に再訪してみた。開店時間の11:30に伺ったところすでに大行列で、順番待ちリストに名前を書いたところ、入店目安は12:30以降だった。仕方なしに駅まで戻って、ミスドで90分ほど時間を潰し12:45に戻ってくると、ちょうど入店できるタイミングだった。物凄い人気である。

前回はレギュラーメニューの中で一番高い特上ヘレとんかつを注文したのだが、今回はスペシャルメニューの日向あじ豚を白トリュフソルトで食べてみることにした。価格はとんかつMサイズが1,640円、定食セットが490円で、あわせて2,130円である。プレミアムとんかつとしてはやや安めの価格設定だ。

カウンターに載せられたとんかつは、ひと目で火の通りが制限されているのがわかる。この調理法はかなり難易度が高いはずなのだが、大丈夫だろうかと心配になった。



















まず、左の端から一切れ取り、塩を使わずに食べてみた。豚肉はレアやミディアムレアで仕上げると、どうしても旨味に欠けてしまうのだが、この肉はきちんと肉の味がする。肉のレベルはかなり高い。続いて、白トリュフソルトを使ってみた。黒い平皿に塩を薄く撒いてあって、肉の断面をここに押し付けることによって適量の塩を肉に付ける。




ひとくち食べてみて、その美味しさに驚いた。ただ、白トリュフソルトの味はかなり強く、適量以上の塩を付けてしまうと肉を食べているのか、塩を食べているのかわからなくなってしまいそうだ。あくまでも肉を引き立てるという役割になるよう、極力塩の量を少なくするようにして食べたのだが、その限りにおいては肉と塩のマリアージュが素晴らしかった。

ところが、である。残り3切れまで食べ進んだところで、事態は一変してしまった。肉が半生なために、噛み切ることができないのである。肉を噛み切ろうと苦心しているうちに衣は剥がれ落ち、とんかつを食べる楽しみは一気に失われてしまった。たまたま、この一切れの筋切りがうまくいってなかったのかな?と思い、次の一切れに食べ進んだのだが、状況はやはり同じ。そして、最後の一切れも、やはり噛み切ることができなかった。火の通しが甘すぎたのか、下ごしらえで肉を叩くときに叩き漏れがあったのか、そのあたりは良くわからないのだが、もし最初に食べたのがこのとんかつであれば、特撰に選出することはなかっただろう。

次に大阪に行く機会があれば、今回は売り切れだったTOKYO-Xのとんかつを食べてみようと思う。場合によっては、特撰から格下げにすることも考慮しなければならないかも知れない。

ちょっと失望しながら店を出ると、炎天下にもかかわらずまだまだ大行列だった。

店名 マンジェ
TEL 072-996-0175
住所 大阪府八尾市陽光園2-3-22
営業時間 11:30〜14:00(L.O) 17:00〜21:00(L.O)
定休日 月曜日(祝日の場合は翌日)・第2・3火曜日

前回の評価:マンジェ

  

2014年07月10日

はせ川

以前の店名はむさしや。芝大門にある「むさしや」の兄弟店で、こちらは2004年12月オープン、芝大門店は2008年12月オープンなので、むさしや芝大門店よりも先輩にあたる。2012年9月に独立し、屋号を現在の「はせ川」に変更したが、平牧三元豚を使っていることなど、業態に大きな変更はないようだ。

メニューはロースかつ中心のラインナップで、ひれのプレミアムメニューは存在しない。そこで、厚切極上ロースかつ(220グラム)2,800円を注文してみた。芝大門のむさしやと同様、"極上"のプレミアムメニューを注文すると調理する前の肉を皿に載せてテーブルまで持ってきて、「こちらを調理します」と紹介してくれる。







揚げ時間は8分程度で、やや濃い目のキツネ色に揚がっているところをみると、揚げている温度は標準といったところだろう。パン粉はやや粗めで、若干揚げ油を吸っている気がするものの、食感を損ねるほどではない。




かつは衣との一体感が見事だが、肉そのものの旨味はやや不足している。名店での使用率が高い平田牧場の豚肉を使っている店なので、普通に考えると「?」なのだが、これは肉の半分以上が脂身だからである。必然的にアミノ酸系の旨味が不足してしまう。とはいえ、脂の風味が大好きなら、このとんかつは絶品に感じるだろう。一方で、肉の旨味を求めている層にはやや難しいとんかつかも知れない。塩、わさび、おろしポン酢、ソースと色々なパターンで食べてみたが、どの方法でも肉の旨味を引き出すことはできなかった。脂の旨味を楽しみたい場合は、取り皿に塩を薄く撒いて、そこに肉の断面を押し付けるようにして食べるとちょうど良いあんばいに調節できる。

ご飯の炊き具合はやや硬めでとんかつにはピッタリである。ただ、豚汁はダシが取り切れていない感じで、高級店のそれとは言い難い。キャベツの繊切りは繊細で上質だった。漬け物などは「とりあえず出しました」という感じで、あまり品質にはこだわっていないようだ。













店名 はせ川
TEL 03-5625-2929
住所 東京都墨田区両国3-24-1 両国尾崎ビル 103
営業時間 11:30〜15:00(L.O.14:30) 17:00〜22:30(L.O.22:00)
定休日 無休

  

2014年07月03日

壽々屋

以前から存在は知っていたのだが、価格帯から「多分、それほど高いクオリティではないだろう」と判断していたところ、ラーメン業界において数少ない「味のわかる人間」であるラーメン・プロデューサー渡辺樹庵氏がTwitterで褒めているのを見かけて食べに行ってきた。

創業昭和31年の老舗で、現在は二代目とのことだが、店内は清潔そのもの。頭上に荷物入れがあるあたりに工夫が見られるのだが、油料理の店で高いところに収納を設置すると日頃のメインテナンスが大変そうで、それでもなおかつこういったインフラを整備しているところにただものではない気配を感じる。

メニューはロースのみプレミアムが用意されていて、ヒレにはない。ちょっと残念だったが、いつもどおりひれかつ定食(1,760円、税別)を注文した。座席がカウンターではなかったので、横目で調理を窺う感じだったのだが、7、8分かけてしっかり揚げている。鍋は一つなので、温度の異なる油で二度揚げしているわけではないようだ。この調理時間だと油の温度が高いはずはなく、低温で揚げているはずだ。ところが、できあがりはかなり濃い目の色にこんがり揚がっている。ちょっと不思議な感じだが、油の量を標準よりも少なめにして、かつを投入することによって油の温度を下げ、その後の火加減で徐々に油の温度を上げているのかも知れない。普通は油の量をたっぷりにして、温度の変化を極力抑えようとするものなので、もしこういった方法を取っているのならかなり珍しい。この方法のデメリットは、一度調理を始めたら、途中で肉の追加ができないことである。そんな比効率なやり方があるのか興味深い。カウンターであればじっくり観察できたのだが、ちょっと残念である。油から引き上げて多少休ませ、肉に熱が行き渡ったところで盛りつけ完了である。




外観から判断すると、まず、肉と衣の一体感がない。かなり濃い目の焦げ茶色の衣で、パン粉は細か目で厚さは薄めである。ちょっと揚げ過ぎなのでは?というのが第一印象である。

さて、一口、素のままでいただいてみた。揚げ過ぎかと心配になったのだが、衣から苦味が出るほどではない。衣にはちょっと油が残っていて、パリッとか、ふわふわといった食感は楽しめない。肉のジューシーさはそれほどでもない。これは揚げ時間が長いからかも知れない。肉には下味がそこそこついているのだが、名店の肉に比較すれば肉そのものの旨味が足りないので、塩かソースは必須だろう。今回は主に塩で食べた。

手切りと思われるキャベツはなかなかだったが、ご飯は、22時ぐらいの訪問だったこともあってか、やや硬めで古い感じだった。ここは開店直後に訪問していないので仕方のないところだろう。豚汁は豚肉から滲みでた脂が味をボケさせていて、ダシよりもトッピングされたネギの味が前面にでてしまっていた。







同行者が上ロースを注文したので一切れ食べさせてもらったのだが、ヒレよりは上ロースの方が高品質だったと思う。




技術的にはとても面白いものがあり、また老舗らしく、接客にそつがない。カウンター越しにお客さんとコミュニケーションを取る店主の才覚も素晴らしく、店の完成度は高い。ただ、1,760円ということもあって、肉の質は最上級とは言えない。このあたりは拙著「とんかつ名店絨毯爆撃」に詳しく書いたが、高度に産業動物化された豚を使っている以上、仕方のないところだろう。コストパフォーマンス的には非常に優れているけれど、「特撰」に選出できるほどではなかった。

店名 寿々屋 (すずや)
TEL 03-3982-1681
住所 東京都豊島区西池袋1-38-3
営業時間 17:00〜23:00
定休日 月曜日

  

2014年06月23日

豚組食堂

西麻布の豚組は開店直後はコストパフォーマンスの悪い店の典型事例だったのだが、開店から約10年が経って、随分と改善されていた。それなら、と思って、系列店の豚組食堂(社長は豚組の中村氏ではないようだ)で食べてみた。注文したのはゴールデン・ボア・ポークという銘柄豚のフィレ、165グラムで3000円である。




あれ?と思ったのは、普通のロースかつとフィレかつで、衣の様相が全く異なることだ。私のかつは約6分の揚げ時間で、その後90秒ほど余熱で仕上げているのだが、普通のロースかつは約3分ほどで揚げている。ロースは温度が高い油を使っていて、フィレはそれに比べてやや低い温度の油で揚げているのだろうが、衣の見た目はフィレの方が明らかに色が濃いし、食べてみると案の定、衣が硬いし苦い。同行者がロースかつを注文したので一切れ食べさせてもらったら、こちらの衣は硬すぎることもなく、苦味を感じることもなかった。これだけでもガッカリだが、高温で比較的長い時間揚げているせいか、あるいは隠し包丁の入れすぎか、衣と肉が分離するのではなく、揚げ過ぎた外側の肉と、熱があまり通っていない内側の肉とが内部崩壊して、肉と肉が分離していた。




こんな状態のとんかつは、定食で3000円以上の高級店では初めて見たのだが、わざとやっているのだろうか?肉自体の旨味もそれほど感じられず、むしろ衣の苦味ばかりが目立っていた。




同行者が注文した普通のロースかつ(椿ポーク)は普通のとんかつだったので、わざと手を抜いているように感じられる。参考までに、ロースかつの写真も載せておく。




ご飯の炊き具合は硬過ぎてイマイチだった。キャベツは美味しかったが、味噌汁は普通、おひたしは特に印象に残る点はなかった。










まだ食べている最中にバタバタ食器を片付け始めるあたりは牛丼屋のような接客姿勢で、こうしてどんどん客を追い出すことで捌ける客数を増やし、廉価化に挑戦しているのかもしれない。とはいえ、決して安いとは言えない価格にも関わらずテーブルは狭いし、接客姿勢はなってないし、かつの味もとても満足できる質ではなかった。一事が万事安っぽい感じで、コストパフォーマンスが悪いので、二度と行かないだろう。この店に行くくらいなら、ちょっと遠くても豚組に行ったほうが断然良いと思う。なんでこんな店を出したのか、さっぱりわからない。「豚組の廉価版」という業態だというのなら、その姿勢自体は理解可能だが、それなら3000円もするメニューを置くのは整合性が取れていない。少なくとも、3000円のとんかつを注文した私が満足できる部分は、ほとんどなかった。

店名 豚組食堂
TEL 03-3408-6751
住所 東京都港区六本木6-2-31 六本木ヒルズノースタワー B1F
営業時間 11:00〜23:00

  

2014年06月16日

マンジェ

創業1996年のお店だが、開店前から行列ができる繁盛店である。外観はとんかつ屋というよりはイタリアンやフレンチのレストランといった趣。ノートに名前と人数を記入する形式なので、店に到着したら漫然と並ばず、店内のノートに名前を書くことが重要である。




店の外には黒板にメニューが記載されている。プレミアムメニューも用意されている様子だったけれど、今回はレギュラーメニューの中で一番高い特上ヘレとんかつを注文してみた。




オープンキッチンの店なのでカウンターから調理の様子が全て観察できたのだが、なかなか興味深かった。まず、肉叩きハンマーで派手に叩いている。これをやると、肉は柔らかくなるが、肉の細胞を潰してしまうので肉汁が流出しやすくなる。結果的にスカスカなささみ肉みたいになってしまうケースが良くあるので大丈夫かなぁ、と心配になったのだが、揚げ方で対策しているようだ。この店の揚げ時間は約5分と短い。それでいて衣はかなりこんがりきつね色になっているので、油の温度はやや高めであると予想される。揚げたあと、約2分休ませることによって予熱で仕上げている。カウンターに置かれたカツは、中央部にやや赤味が残っており、見た目にもジューシーである。




高温で揚げることの最大のメリットは油のキレの良さで、この店も衣に油が残っている感じはほとんどなかった。一方でデメリットは肉の旨味が逃げてしまうことだが、この店の肉はしっかりと旨味が楽しめた。火の通りが悪いと味のない生豚肉を食べさせられることになるのだが、この店ではそんなことはなく、絶妙な火加減だった。粗めの衣はサクサクしていて、それでいて硬すぎず、香りも楽しめる。食べている途中で衣が剥がれてきてしまうこともあまりなく、きちんと一体感がある。かつを食べる際には、四角い平皿にブレンドした塩を薄くまいたものに肉の断面を押し付けて味付けする。これもなかなか面白いシステムである。

キャベツ、漬物、味噌汁はほとんど手抜きが感じられず、どれも美味しかった。味噌汁にはなぜかタピオカが入っていた。







とても残念だったのはご飯で、お米は良さそうだったのだが炊き方が悪いようで、かなりの部分がノリのようになってしまっていた。他のところではほとんど弱点が見当たらないのに、なぜ?と思ってしまった。




また、店員はとても丁寧で感じが良いのだが、客の捌き方は下手。カウンターに一人分の空席があって、団体客のすぐあとにお一人様がいるのに、お一人様を先にするといった配慮ができないでいた。この点は下町のおばちゃんを見習って欲しいところである。

レギュラーメニューには味噌とんかつ、ジェノベーゼとんかつ、フォアグラとんかつなどの変わりメニューがあり、他にイベント的な銘柄豚のメニューもあって、大阪に住んでいるなら定期的に伺いたくなる店である。

店名 マンジェ
TEL 072-996-0175
住所 大阪府八尾市陽光園2-3-22
営業時間 11:30〜14:00 (L.O.) 17:00〜21:00 (L.O.)
定休日 月曜日(祝日の場合は翌日) 第2・3火曜日

とんかつ名店絨毯爆撃、好評発売中!!!
  

2014年05月19日

梅林

銀座の老舗とんかつ屋、梅林に行ってみた。老舗で、一口カツやとんかつソース発祥の店と言われているけれど、なぜかメディアでの露出は少なめである。

この店はロースカツ2,800円、ヒレカツ2,700円と、ロースの方が高いのが珍しい。いつもどおり、ヒレカツ定食(2,700円)を注文してみた。揚げ油は店によれば綿実油を中心としてブレンドしたもの。高温と低温の2種類を用意している様子で、厚みのある肉は低温で7、8分かけてじっくり、薄い肉は高温で3分程度、チャッチャと揚げている。




ヒレかつは一口サイズが4きれ。衣はやや粗めのパン粉で、薄い。デリケートで、食べている最中にもポロポロ落ちてくる。これはこれで一向に構わないのだが、油の温度が低いこともあって、衣に油が残り気味なのがちょっと気になる。

肉は大ぶりで、一口で食べるのは不可能。ところどころスジが残っているので、噛み切るのにも苦労することがある。これなら包丁を入れてくれた方が良いのに、と思うのだが、衣の中で熱を行き渡らせたいのかも知れない。しかし、同じようにして揚げられたロースカツは普通に切り分けられているので、深い思惑はないと想像する。肉と衣の一体感はあまりない。最初からちょっと浮いた感じで、食べる際にちょっと注意しないと、衣だけがぺろんと脱げてしまう。肉そのものの旨みは十分。肉の質はなかなかのものである。ソースは不要で、塩で食べるのがおすすめだ。










お新香は味が濃いのでちょっと主張し過ぎな感じがする。キャベツ、味噌汁、ご飯はなかなか美味しかった。

年中無休で中間閉店がないのはとても便利である。




店名 梅林 (ばいりん)
TEL 03-3571-0350
住所 東京都中央区銀座7-8-1 渋谷ビル 1F
営業時間 11:30〜20:45
定休日 年中無休  

2014年05月17日

とんかつ燕楽(池上)

新橋の燕楽がちょっと雑な感じになってしまったので、元の味を確認する意味も含めて、暖簾分けの燕楽池上に行ってみた。

ランチメニューは1,000円ちょっとのとんかつ定食だが、プレミアムメニューとしてヒレ、ロースの定食2,100円が用意されている。今回はヒレ定食を注文した。

注文するとまずはお新香とポテトサラダが出てくる。







燕楽系列の特徴はこのポテトサラダで、普通に美味しい。お新香も適度な漬かり具合で美味しい。これらをつまみながら待っていると、約12分ほどでごはん、豚汁、かつが到着した。




かつはほぼ真ん中で二つに切り分けられたものが3つ。衣は標準的な粗さのパン粉である。新橋の燕楽では不均一で雑な衣が気になったのだが、こちらはふわりと柔らかい食感である。上質のラードで揚げた衣は油のキレも良い。厚みがあるのに適度な熱の通り具合である。きちんと熱が通っていても柔らかくて、簡単に噛み切ることができる。平田牧場の三元豚はジューシーで旨みも強いので、ソースは不要。素のままか、塩、辛子で食べるのが良いと思う。

ご飯、豚汁、漬物、キャベツ、全て標準以上。







店は細かいところまで掃除が行き届いていて、油料理をメインにしているとは思えない清潔感。きちんと修行をした料理人の店、という感じである。




店名 とんかつ燕楽
TEL 03-3754-8243
住所 東京都大田区池上6-1-4
営業時間 11:00〜14:30 17:00〜21:30
定休日 毎週月曜日(月曜日が休日の場合は翌火曜日)  

2014年05月14日

燕楽(再訪)

前回の訪問記録はこちら

燕楽
http://buu.blog.jp/archives/50748659.html

写真がいけてないし、大分古い記事なので、久しぶりに再訪してみた。

注文は前回同様ヒレカツ定食。この店は珍しくヒレカツ定食とロースカツ定食の価格が同じで、2300円である(消費税増税分を追加して2360円だったかな?)。

まずテーブルに届けられるのがお新香とポテトサラダ。







お新香は相変わらず薄味で美味しい。ポテトサラダは凡庸だけど、これはこれで食欲を喚起する。そして、注文から約12分ほどで、かつ、ご飯、豚汁が到着した。










まずはとんかつ。衣はやや粗めで薄く、硬い。しっかり揚がっているといえばしっかり揚がっているのだが、部分的にゴリっと音がするほど硬いところがあったのはちょっといただけない。揚げている温度はやや低めの様子だが、肉にはしっかりと火が通っていた。肉汁が多めなので、肉との一体感は希薄で、食べ方には注意が必要である。上手に食べてやれば、ごっそり剥がれ落ちることはない。肉の旨みはかなり強いので、ソースは不要。テーブルには岩塩が用意されているので、素のままか、塩でいただくのがおすすめ。キャベツは標準的なもので、特筆すべきところはなかった。

ご飯は標準だが、訪問した時間が遅かったので、やや質が落ちてしまっていた可能性が高い。大きめの豚肉が存在感を主張している豚汁は美味しかった。

かつては「これは美味い」と唸るほどの質だったけれど、今は普通に美味しいとんかつ屋になった感がある。肉は相変わらず美味しいのだが、色々と細かいところで雑になってしまった感が拭えない。

店名 燕楽 (えんらく)
TEL 03-3431-2122
住所 東京都港区新橋6-22-7
営業時間 [月〜金] 11:00〜14:00 17:00〜21:30 [土] 11:00〜13:30
定休日 日曜・祝日

  

2014年04月28日

成蔵(なりくら)

とんかつ評論本の最終仕上げのために訪問。老舗の餃子屋のすぐそばにあり、2010年8月オープンの比較的新しいお店である。

メニューは通常メニュー以外に時々銘柄豚が入荷するようだが、今日はレギュラー豚のみだったので、一番高い霧降高原豚シャ豚ブリアン(180グラム)かつ定食(2,470円)を注文。




一目見て、色の薄い衣が特徴的。比較的低温のラードでじっくり揚げているようで、着席後も待ち時間がやや長めである。




衣は標準よりはやや粗めで、パリッとしている。しかし、口の中で刺さるような感覚は希薄。食べている途中で剥がれてくることもほとんどなく、肉と衣の一体感がある。低温揚げの店では油のキレの悪さが気になることがあるのだが、この店ではそういったこともない。揚げてから少しの間休ませているようで、油が熱くて火傷するということもない。肉は熱が中心部まできちんと通っているものの、過剰過ぎず、適度な旨味とジューシーさを併せ持っている。最近はSPF豚を利用したレアとんかつが人気のようだが、「生なら良い」というわけではないのは当たり前のことで、むしろ肉は最低限の火が通ったほうが旨味が出る。色々な観点から考えて、揚げ加減は見事というしかない。ソースを使わずとも素のままでも十分美味しいし、どうしても物足りないなら塩を使えば良い。肉の旨味や衣の食感を満喫したければソースは不要だろう。

ご飯と豚汁も普通に美味しいし、キャベツもなかなかのクオリティである。







他にもポテトサラダ、酢の物、漬物が並ぶのがとんかつ定食としては豪勢である。










ただ、これらが全て一気に出てきてしまう点は工夫が必要かも知れない。かつやご飯が出てくるのに時間がかかることもあり、メインへの導入という意味でも、ポテトサラダは先に食べさせてくれても良いはずだ。ポテトサラダが出てくるあたりは新橋の名店「燕楽」にも似ている。そういえば、3つのひれかつを真ん中で切らず、3:7ぐらいに切るところも燕楽に似ている。

同行者の特ロースかつを数切れ食べさせてもらったが、こちらもなかなか美味しかった。







高田馬場という立地もあってか、価格をやや安めに設定する必要があるのだろう。その分、とんかつ以外の部分で若干見劣りがするのだが、これは仕方がないことだろう。

先日食べた「丸山吉平」は自己流色が濃く、詰めの甘さが目立つ粗い店だったが、こちらは基本をしっかりと押さえた隙のない店だった。個人的には、こちらの方がはるかに質が高いと思うし、今後の伸びしろも大きいと思う。

なお、余談だが、今日はちょっとした事情があってメンチカツとエビフライも食べることができた。こちらもとんかつ同様、美味しかった。

店名 成蔵
TEL 03-6380-3823
住所 東京都新宿区高田馬場1-32-11 小澤ビル地下1F
営業時間 11:00〜14:00 17:30〜22:00(L.O21:00)
定休日 火曜日
  

2014年04月01日

豚組 再訪

今月中にKindle版を出版予定のとんかつ本も最後の詰めの段階である。昔食べたお店を再訪して現在のレベルを確認しているフェイズなのだが、今日は10年近く前に訪問してあまり良い印象を持たなかった「豚組」に行ってみた。

以前の評価:豚組
http://buu.blog.jp/archives/50062491.html

この店、何が気に入らないって、味云々以前に、まずとんかつとしては異例とも言える価格設定が嫌いなのだ。豚は完全に管理された家畜なので、肉の質と価格はほぼ完全に比例する。高い肉は美味しいし、安い肉はそれなりだ。もちろん高いくせにまずい店もありうるのだが、市場が機能していれば、そういう店は自然に淘汰される。だから、2,000円以下のとんかつが美味しい可能性は非常に低いし、逆に3,000円も出せば、それなりのレベルのとんかつを食べることができる。淘汰されない例外は大規模チェーン店で、廉価版で稼いでおいて、味のわからない金持ちからぼったくるような店だ。

この店は、以前訪問したときには5,000円程度もするとんかつを出していた。この価格は、当時も、今も、とんかつの価格としてはハイエンドといえる。加えて、オーナーのネット利用手法が気に入らない。ラーメンで言えば「武蔵」の山田氏のような感じのいけすかなさがある。とはいえ、ずっと昔に食べたきり確認もせずに評価するのはフェアではない。本にこの店を掲載するか否かに関わらず、食べないわけにはいかないので、ちょこっと食べに行ってきた。ちなみにオーナーの中村氏からは「銘柄豚よりもむしろ普通のメニューを試して欲しい」と言われていたのだが、もちろんそんなオーダーは無視して、一番高かった梅山豚のヒレを食べてみた。

まず、ミニトマトのマリネ。




普通なら漬物が出てくるタイミングで、軽く一皿。次にご飯、味噌汁、キャベツ、漬物など。













以前はこのタイミングで店員が頼みもしないのにしたり顔で「食べ方、わかりますか?」などと余計なことを言ってきたので「あんた、馬鹿ぁ?」などと思ったものだが、今回は「下味はしっかりついていますので、そのままでも美味しく召し上がれます。塩は肉の表面に少量振ってください」ぐらいのコメントで、それほど嫌味ではなかった。もちろん、余計なお世話なのは変わりないのだが。このあたりが「俺達のとんかつは普通じゃないんだぜ」という気配を感じさせる。やるなら、相手の顔を見てやれ、と言いたくなる。

#余談だが、先日褒めた神保町の「蘭奢待」は、客が左利きだとわかった時点で、全て左利き用のサービスに変更する。こういう気配りこそが一流どころであって、この店のサービスはそのレベルにない。




そして、ワンテンポ遅れて、網の上にのせられたかつの登場である。




衣はやや粗めで、しっかりしている。針が尖っているように感じられ、食べ終わる頃には口の中が荒れたように感じるほどだ。揚げている温度は標準程度だと思うのだが、火の通りは最低限なので、揚げている時間はやや短めなのではないか。肉の中心部は赤味が残る程度でジューシー。そして、この肉汁が非常に美味しい。これは肉の質の高さゆえであろう。肉本来が持つ旨味と適度な下味で、ソースや塩は一切不要である。辛子だけは風味が広がるので、好みで利用すると良いと思う。今回は半分をそのままで、残りを辛子で食べた。以前は「これだけ出して、このレベルかぁ」と思ったものだが、それも一昔前。今のレベルなら3,800円でも文句はない。

ご飯はやや硬めの炊き上がりで、水気が不足気味。個人的には好みではないが、食べた時間が12:45頃とちょっと遅めだった影響があったかもしれない。

シジミの赤だしは美味しい。キャベツはちょっと繊細すぎる印象。漬物は特にコメントする必要がないレベルだと思う。

以前と比較すると、味の印象は格段に良くなった。一方で、価格は1,000円ぐらい安くなっているのではないか。コストパフォーマンスが良いとまでは言えないが、不当に悪いとも思えず、このレベルなら一年に数回くらいは来ても良いかな、と思う。

同行者が注文した「なっとく豚」(2,600円)のヒレを一切れ食べさせてもらったが、こちらは肉の旨味にやや欠ける印象だった。やはり、肉の質は価格なりである。美味いとんかつを食べたいなら、店で一番高いメニューを注文するに限るという思いを強くした。




店名 豚組 (ぶたぐみ)
TEL 03-5466-6775
住所 東京都港区西麻布2-24-9
営業時間 ランチ 11:30〜15:00(L.O14:00) ディナー 18:00〜23:00(L.O22:00)
定休日 月曜日  

2014年02月26日

ポンチ軒

昨日、15時閉店ということなので14時に行ったら、完売で閉店済み。マジかよ、と思って今日は開店時間の11:15に行ったら、今度は目当てのメニューが13時から。客商売としてどうなのよ、と思わないでもないのだが、この辺りの店は、トンカツを食べるだけの目的で郊外から一時間かけて出かけてくるような客は想定していないのかも知れない。

食べたかった特ヒレ一本揚げも、厚切りロースも食べることができなかったのだが、一般のランチメニューだけしか食べることができないなら出直そうとしていたら、「メニューには1時からと書いてあるけれど特ヒレと特ロースなら作れる」とのこと。要は、揚げるのに時間がかかるメニューはランチタイムに注文されると迷惑、ということのようだ。何はともあれ、かろうじて特ヒレを食べられることになった。

ようやくありつけた特ヒレだが、衣の細かさはやや粗め。パリッとした食感はナイスだが、やや硬すぎる気もする。肉はそこそこにジューシーなのだが、素のままで食べるにはちょっと旨味が足りない。それなら、ということで辛子、ソース、塩、柚子胡椒と色々試してみたのだが、旨味が足りないのは、調味料ではカバーしきれない。2000円を越える価格でこの肉質だと、少々残念な感じである。




ご飯や豚汁、漬物と、どれもこれも、高級とんかつ店のそれと比較すると見劣りがする。しかし、主力商品は1,000円そこそこの定食メニューなので、とんかつ以外のところで高級店と比較しても、勝負になるはずもない。










同行者が注文した特ロースを一口食べさせてもらったが、肉に旨味が足りないのはロースもヒレも同じだった。この店の場合は、どちらかと言えばヒレよりはロースの方が質が高いと思う。




気合いを入れて美味しいトンカツを食べたいという人には、丸五なり、すぎ田なり、他にもっとずっとレベルの高い店が近所にあるので、そちらに行くことをお勧めする。夜のみ提供と思われる特ヒレ一本揚げを食べてみたい気もするのだが、宿題になっている店も少なくないので、次がいつになるかは不明である。

店名 ポンチ軒
TEL -3293-2110
住所 東京都千代田区神田小川町2-8 扇ビル 1F
営業時間 11:15〜15:00(L.O.14:30) 17:30〜22:30(L.O.21:30)
定休日 日曜日  

2014年01月14日

蓬莱屋

大正初期の屋台をルーツにして、昭和初期に現在の場所に店を構えた老舗。戦争で一度リセットがかかったようだが、今の建物は戦後すぐに建てられたそうだ。とんかつ界ではヒレかつのルーツと言われていて、今もヒレ肉のみの扱いである。




メニューはひれかつのみ。揚げてから切るひれかつと、切ってから揚げる一口カツの2種類が主力。







肉は厚みがあって、ジューシー。また、下処理がきちんとしているので、ソースは不要なくらいに下味が付いていて、スジ切りも完璧である。肉そのものの品質もかなり高く、おかげで、柔らかくて美味しい豚肉を満喫できる。

衣はかなり細かめでしっかりしたタイプ。揚げ油はラードとヘットのブレンドで、先に高温で1分ほど揚げて旨味を閉じ込め、そのあと低温で10分程度じっくり火を通している。このあたりは先代の技をきちんと踏襲している様子である。薄めで硬めの衣が剥がれてしまうことはなく、肉との一体感は最後まで失われない。

ソースと3種類の塩が用意されているが、どれを使っても、あるいは何も使わなくても、きちんととんかつを楽しめる。また、辛子も美味しい。







ご飯、漬物、キャベツは標準的だが、味噌汁はかなり見劣りがする。










以前は純和風な店だったが、今は中国語などの外国語が飛び交う多国籍な感じの店になった。後継不足で代替わりに失敗する老舗とんかつ屋が多い中、この店は外人に暖簾を引き継ぐことによって、その味を残すことに成功したのだろう。ともすると「外人の揚げるとんかつなんて」と偏見を持ってしまいそうだが、先入観抜きにして食べれば、多くの名店から大きく見劣りすることはない。むしろ、誠実に調理にあたっているようで、今後もさらなる成長が期待できそうだ。




店名 蓬莱屋 (ほうらいや)
TEL 03-3831-5783
住所 東京都台東区上野3-28-5
営業時間 [月〜金]11:30〜14:00(L.O13:30) 17:00〜20:00(L.O19:30) [土・日・祝]11:30〜14:30(L.O14:00) 17:00〜20:00(L.O19:30)
定休日 水曜日(祝日の場合には、翌木曜日が定休日)  

2013年12月19日

丸五

とんかつを評価する上で最初に食べておきたい一軒である。店主の竹内さんは水道橋の名店「かつ吉」で修行し、後に独立してこの店を構えた。

主力メニューは特ヒレ、特ロース、ヒレ定食、ロース定食というラインナップ。なぜか「特」メニューには定食がなく、セットを追加注文するスタイルになっている。ここで頼むべきはもちろん「特」付きである。とんかつ屋でおいしいとんかつを食べようと思ったら、一番高いものをい注文しなくては駄目だ。これが鰻屋と違うところである。今回食べたのは特ヒレである。

カツは比較的低温で揚げている店だが、それは分厚い豚肉にきちんと熱を通すのが目的である。これを高温の油で揚げてしまうと、表面だけに火が通ってしまいよろしくない。したがって、一層分厚い「特」付きメニューはレギュラーに比較しても念入りにじっくり揚げている様子である。




平田牧場の三元豚を使った肉は、質が良くジューシーで、かつ腕の良い職人が、肉が本来持っている旨味を上手に引き出している。肉には下味がしっかりつけてあって、ソースはもちろん、塩さえも不要である。ただ柔らかいのではなく、しっかりとした歯ごたえがあり、しかし固かったり、歯切れが悪かったりはしない。この食感は素晴らしいの一言である。そして、噛むことによって染み出てくる肉汁の美味しいこと。

安いとんかつ屋はもちろん、2000円以上のお金を取る高級とんかつ屋であっても肉の味が全く感じられないカツを食べさせる店があるけれど、そういった店が営業を続けられるのは、食べる側が味のない肉に何の疑問も持たないからである。客の側からもとんかつに対する要求水準をアップさせるべきで、そのためにはこの店のカツを食べてみて欲しい。良いとんかつを食べるという経験を積むには、うってつけの店である。

カツはかなり大ぶりに切られているが、下処理が念入りにされているようで、一切れが大きくても噛みきれないということはない。

衣はやや細かめでしっかりしたタイプだが、肉との一体感がある。ただ、食べ進むに連れて浸み出した肉汁や油で衣がべちゃべちゃになるのはちょっと惜しい。

付け合わせにはキャベツだけではなくレタスやトマトが添えられていて、なかなか豪勢である。ただ、個人的にはキャベツだけでも満足。

ご飯と味噌汁は美味しい。ご飯が美味しかったのは開店直後だったからかも知れない。味噌汁は非常によくだしが取れていて、味の濃いおかずに良く合う。







なお、漬物だけは標準的である。




店名 丸五 (まるご)
TEL 03-3255-6595
住所 東京都千代田区外神田1-8-14
営業時間 11:30〜15:00 17:00〜20:20
定休日 月曜日及び第3火曜日  

2013年12月17日

やまいち

私が一番数多く通ったとんかつ屋は、恐らく「勝漫」である。会社に入ってまもなくのとき、会社の先輩に、「少し歩いたところに美味しいとんかつ屋がある」と連れて行ってもらったのが「勝漫」だった。それまで、私の中でとんかつ屋と言えば、大学から電車で一本で通うことができた、目黒の「とんき」だったのだが、「勝漫」のとんかつを食べてみて、あまりにも繊細で上質なとんかつにびっくりした。「とんき」がダメというわけではないけれど、なるほど、一口にとんかつと言っても、色々なんだな、と気が付いた瞬間だった。当時はまだ駆け出しのラーメン評論家で、とんかつよりラーメンを食べる頻度が多かったのだが、ラーメンの合間を縫ってとんかつを食べるようになったきっかけの店である。これが、90年代前半の頃である。以後、「勝漫」には幾度となく通った。厨房からときどき鋭い視線を投げかける職人さんも、ときどき目元だけで「また来たな」と語っているように見えてくるようになった。

さて、その勝漫が転機を迎えたのが2007年だ。それまで長い間厨房を仕切っていた松井孝仁氏が店を抜けてしまったのである。このあたりの事情は良くわからないのだが、それからほどなくして、松井氏は勝漫のすぐそばに新しいお店をオープンした。それが、この「やまいち」である。長い間厨房を仕切っていた職人が、わざわざ元の店の目と鼻の先に新店を構えるというのだから、背後にはのっぴきならない事情があったのだろう。開店当時の私のレビューはこんな感じである。

いつもどおりに特ヒレを注文。値段は2100円で、勝漫より200円ほど安い。何で食べようかな、と思ってテーブルをチェックしてみたら、柚子胡椒が置いてある。とんかつを柚子胡椒で食べたことはないのだけれど、ちょっと面白いかな、と思ってこれで食べてみることに。

肉は勝漫のときとほぼ同じ印象。厚さ、やわらかさ、ジューシーさ、火の入り具合など、ほとんどの点で満足。衣も薄すぎず厚すぎず、それなりに粗さがあって食感が良い。ちょっと油の温度が高めなのか、勝漫時代よりもやや香ばしい感じがあり、またパン粉が固めの印象もあるのだが、特に気になるほどのものでもない。柚子胡椒で食べてみるとごま油の風味とマッチして、なかなか美味しい。せっかく衣がぱりぱりしているので、ソースをかけるのはもったいない。塩でも一切れ食べてみたのだけれど、どうも柚子胡椒の味が気に入ってしまい、残りは全部柚子胡椒で食べてしまった。

キャベツも普通に美味しいし、ご飯、味噌汁も美味しい。ご飯は勝漫に比較するとやや硬めに炊かれていて、僕は実はもうちょっとやわらかめ、つまりは勝漫タイプの方が好きだったりするのだけれど、これは丼で使うことを考えてのことかもしれない。量はたっぷりすぎるくらいである。


一方で松井氏が抜けた「勝漫」は何度も職人が変わり、そのたびに味がぐらついてしまう迷走が続いていた。良い時もあれば悪い時もあり、しかし、良い時でも松井時代の味を取り戻すには至らない、という状態だった。淡路町のとんかつ勢力図は、以前の勝漫一人勝ちから、やまいち>勝漫へと塗り替えられてしまった。

ところが、まさに諸行無常。再び淡路町のとんかつ勢力図が動き出す。そのきっかけは、やまいちの店主松井氏の逝去である。大変残念なことに、2013年5月に食道がんで亡くなられてしまった。長期の休業の後、今は昼だけの短縮営業を再開したところだ。厨房には松井氏の奥さんが入られているそうである。メニューからは特ヒレ、特ロース、かつ丼などが消えて、ヒレかつ定食、ロースかつ定食だけになっている。

さて、その新生やまいちで、ヒレかつ定食を食べてみた。




かつを一口食べてみて、「あぁ・・・」という気持ちになった。味わう以前に、肉の下処理が甘いのである。肉の筋がきちんと切られていないので、肉が噛み切れない。折角良い肉なのに、その良さを引き出せないでいる。揚げ具合も模索中のようで、衣には十分に火が通っていない。これがわざとならそれはそれで一つの見識なのだが、隣の席に座ったお客さんの衣を観察してみたところ、そちらはきちんと火が通っていた。また、油のキレ具合も甘かった。肉の質そのものは非常に良く、満足がいくものだったので、完全に技術的な問題である。こうした問題点をお店の方でもわかっているからこそ、特ヒレや特ロースといった上位メニューや調理が難しいかつ丼の提供をストップしているのだろう。

漬物は標準的、ご飯と味噌汁はなかなか美味しかった。










同行者にロースかつを一口食べさせてもらったのだが、こちらもちょっと油のキレ具合が悪く感じた。




残念ながら、かつてのやまいちの味は、失われてしまった。すぐそばの、勝漫の味を上回るのにもそれなりの時間がかかりそうである。とはいえ、お店のサイドでも問題点には気付いているのだから、やまいちは必ず復活すると思う。これまで長い間故松井氏のとんかつに楽しませていただいたのだから、先代の味がよみがえるその時まで、微力ながらこの店の応援を続けたいと思う。




店名 とんかつ やまいち
TEL 03-3253-3335
住所 東京都千代田区神田須田町1-8-4 玉井ビル1F
営業時間 [月〜金]11:00〜14:20(LO) [土]11:00〜14:00
定休日 日曜日祝日  

2013年11月25日

勝漫

神田秋葉原御徒町には名店が多いが、勝漫もその一つ。創業昭和52年(1977年)はこの辺りのとんかつ屋としては新しい。1990年代前半には「日本一」と賞賛する人もいるほどの有名店になった。

2007年に厨房を仕切っていた松井孝仁氏が独立し、以後、何度も職人が変わり、その間、かなり味を落としていた時期もあったのだが、2013年11月の時点ではかなり頑張っている印象。しかし、絶好調時の輝きを取り戻すまでには至っていない感がある。

店は以前よりも1.5倍程度広くなった。壁には各種メニューの張り紙があって、あたかも神田の安い居酒屋のようである。もはや、老舗の風情はなくなってしまった。接客も、ファストフードの「ポテトはいかがですか」のように皿に盛った椎茸を勧めにくるあたり、ちょっと高級感に欠ける。しかし、頻繁にお茶の減り具合をチェックしたり、熱心にお客への接待に努めている様子には、悪い気はしない。

ヒレカツはやや高温でしっかり揚げられており、ロースはそれに比較するとややマイルドな感じ。ヒレ肉はジューシーさを閉じ込めていて、肉汁の旨味が楽しめる。ただ、肉自体の旨味はもう一息。衣はやや粗めで、サクサク感が良い。これにソースをかけてしまうのは野暮というもの。素のままか、少量の塩、辛子で楽しみたい。だからこそ、一層肉そのものの旨味が足りない点が惜しまれる。食べ進むうちに衣が湿ってきて、肉から剥がれ気味になってしまったのもちょっと惜しい。

ご飯はやや柔らかめで、個人的には好みだが、もっと硬めの方が一般受けはするかもしれない。味噌汁は標準的。漬物は山葵やゴーヤがあってちょっと面白かった。

揚げ方がコロコロ変わってしまうようだと今後の味はどうなるかわからないのだが、少なくとも今のところはかなり良い味だと思う。


























  

2013年10月30日

すぎ田

大抵上野で何か食べてしまうので、なかなか足を伸ばす機会がなかった蔵前に行って、トンカツを食べてみた。今回訪問したのは「すぎ田」という蔵前の老舗である。老舗と言っても、店は非常にモダンで、トンカツ屋っぽい脂ぎった感じはどこからも感じられない。

カツは低温の油で揚げた後に高温の油で2度揚げしているようだ。ヒレはロースよりも念入りに揚げているようで、見た目はロースカツの方が衣の茶色が薄い。今回食べたのはヒレカツ。




肉の下味は割としっかりとしていて、ソースはもちろん、塩も不要。衣は標準的な粗さよりは若干細かめである。肉との一体感は十分だが、下側は若干剥がれてしまうことがあった。これは肉汁が染み出てきて、食べるに従って徐々に衣がしっとりしてきてしまうためなので、さっさと食べた方が良い。肉質は申し分ない。

面白かったのは切り分け方で、普通のとんかつ屋よりも2まわりぐらい薄い。ところがこの厚さが絶妙で、ちょうど一口で食べることができる。

ご飯は文句なく美味しい。




豚汁は美味しいのだが、ちょっと味付けが濃い。個人的にはもうちょっと薄味でも良いと思うのだが、それはソースはもちろん、塩もほとんど使わずに食べるという僕のスタイルとのミスマッチから来ているのかも知れない。




漬物とキャベツは標準的だと思う。




カツにご飯と豚汁で2700円は十分に納得の一品である。

店名 すぎ田
TEL 03-3844-5529
住所 東京都台東区寿3-8-3
営業時間 11:30〜14:00 17:00〜20:15
定休日 木曜日  

2013年10月10日

かつ銀

万画廊から歌舞伎座に向かう途中で見つけた店である。構えがかなり地味なので、誰かに教えてもらわないと気が付きにくい。

とんかつ屋ではあるものの、巷で評価されているのはカキフライらしい。カキフライはカキフライで好物なのだが、やはりまずはトンカツを食べるべきだろうと考えて、特ヒレカツ定食を注文してみた。




ヒレカツは衣が非常に厚いのが珍しい。ここまで厚みがあると、普通なら高温で揚げてパリっとした食感に仕上げるのが普通だと思うのだが、この店はしっとりと仕上げているのが面白い。パン粉は普通の粗さである。下味がきちんとついているので、ソースはもちろん、塩も不要なくらいである。今回は辛子中心で食べてみたが、肉の旨みがしっかりしていて美味しい。




ちょっと残念だったのは、肉汁が豊富すぎて、食べ進むうちに衣が濡れてきてしまい、パリっとした食感が失われてしまったことだ。網の上にのせるだけでこういった事態は防げると思うのだが・・・。

ごはん、つけもの、味噌汁はどれも普通に美味しい。










これで2,700円であれば、納得の一品だと思う。銀座にはトンカツの有名店が多いけれど、歌舞伎鑑賞の前後にはちょうど良いかも知れない。

ついでなので、カキフライも食べてみたのだが、こちらも美味しい。




複数の牡蠣をまとめて、一つ一つを大きなフライにしている。珍しい手法ではないけれど、このおかげで非常にジューシーなカキフライになっている。3人ぐらいで訪問した場合は別皿で注文してみるのも良いと思う。

店名 かつ銀 (かつぎん)
TEL 03-3543-2485
住所 東京都中央区銀座2-14-5 第27中央ビル B1F
営業時間 【昼】11:00〜14:30(土は〜14:00) 【夜】17:00〜21:30
定休日 日曜・祝日  

2013年07月16日

福長

とんかつ本の出版準備ということで、宿題になっているお店の絨毯爆撃に入りました。まずは都立大にある「福長」というお店。このあたりは学生時代に走り回った場所(本当に、文字通り走り回った。トレーニングで)なんだけれど、都立大が移転したせいなのか、随分と雰囲気が変わった気がする。

このブログでは何度も書いているけれど、「2,000円以下で食べられるとんかつで美味しい店はない」「食べるなら一番高額なメニュー」というのが僕の持論。この店の場合、一番高いのは特上ヒレかつ定食で2,520円。美味しい店の必要条件は満たしている。以下、評価。

注文すると最初につけものと小鉢。

13_07_14_2927

これを食べながら、カツが揚がるのを待つこと約15分程度だろうか。

13_07_14_2928

13_07_14_2929

13_07_14_2930

衣はやや細かめで味がしっかりついているタイプ。ちょっと硬いこともあって、肉との一体感がギリギリな感じ。ちょっと油断すると剥がれてしまいそうだけど、少なくとも僕が食べた限りではきちんと剥がれずに食べることができた。肉そのものの味もしっかりしていて美味しい。ジューシーさという点ではもうひと頑張りという気もするが、豚肉が持っている美味しさはきちんと引き出されている。ソース、醤油などの調味料は使わずに十分楽しめるし、むしろソースはかけない方が良いと思う。本当は塩で食べたいところだが、なぜかテーブルの上に塩がなかった。次は「塩をください」とお願いしようと思う。

キャベツ、ご飯、豚汁なども手抜きがなく美味しい。

同行者が注文した特ロースを一切れ食べさせてもらったが、こちらは肉の旨味と同時に脂の旨味を楽しむものなので、そのままではちょっと味がぼける。ソースをかけて食べたいところだが、ソースをかけると今度は衣が剥がれてしまう。この店ではヒレを注文するほうが良いと思う。

13_07_14_2931

非常に丁寧に作られたとんかつであまり話題にならないのが不思議なのだが、場所の問題が大きいのかも知れない。山手線内部にあればすぐに名店の一つとして評判になるだろう。東横線沿線に住んでいる人はラッキーなので、一度は足を運んでみることをオススメする。

店名 福長
TEL 03-3717-3147
住所 東京都目黒区柿の木坂2-27-17
営業時間 11:30〜13:30 17:30〜21:00
定休日 火曜日  

2013年04月07日

かつ吉

とんかつの老舗を挙げろといわれると間違いなく言及される「かつ吉」に行ってみた。食べたのは銘柄豚の特上ひれかつ定食、2,800円。常々言っているのが「とんかつ屋で食べる時は、必ず一番高いものを注文すべし」という奴で、この店で一番高いのがこれだった。

13_04_05_2568


この店の最大の特徴は豚肉を低温であげている点で、肉の中央に赤みが残っているぐらいの熱の通り具合である。おかげで非常にジューシーで、肉汁で衣が湿ってしまうくらいである。できれば網の上に乗せて欲しいと思うくらいである。普通、ここまで火の通りを限定すると、肉が噛みきれなくなるのだが、この店はレアっぽさと肉の柔らかさが両立している。多分、下処理を非常にしっかりとやっているのだろう。

13_04_05_2571


肉の味だけで十分に楽しめるので、ソースは必要がない。実際、塩と辛子だけで全部食べてしまった。ところが、この店の超辛口ソースがなかなか美味しい。トンカツには使わなかったけれど、自宅用に一本お土産で購入してしまった。

衣は普通の粗さで、厚さが薄めである。肉がジューシーすぎて、パリッとした食感は楽しめないが、肉との一体感は見事で、衣が剥がれ落ちてしまうようなことはない。

ご飯はかなり美味しい。

13_04_05_2570


味噌汁は苦味がわずかに感じられるものの、標準よりは上だと思う。

13_04_05_2569


お新香などは標準的。

13_04_05_2573


キャベツはシャキシャキしているわけではないが、こちらも普通に美味しかった。

13_04_05_2572


とんかつとしては標準的な価格だが、サービスが充実していてコストパフォーマンスが良い。肝心のカツの質も高いので、また行きたいと思わされる店である。

店名 かつ吉 水道橋店
TEL 03-3812-6268
住所 東京都文京区本郷1-4-1 全水道会館 B1F
営業時間 [月〜金]11:30〜22:30 (L.O.)21:30 [ 土 ] 11:30〜22:30 (L.O.)21:30 [日・祝]11:30〜22:00 (L.O.)21:00
定休日 無休(12/31〜1/2お正月休み)  

2012年12月26日

かつぜん

銀座のかつぜんでヒレカツを食べてみた。

12_12_26_2074


12_12_26_2075


12_12_26_2076


セロリとカニのサラダ、つけもの、味噌汁、ご飯がついてお値段は4,500円。銀座の場所代が1,000円としても、3,500円。







ご飯は硬めに炊いてあって、なかなか美味しい。味噌汁とサラダも無難。漬物はもうちょっと塩分があった方が好みだけど、こんなものだろう。さて、ヒレカツ。




肉は適度にジューシーで、しっかりと肉の旨味を味わうことができる。衣はやや細か目のパン粉で、肉とはちょっと分離している。じっくりと揚げているのか、やや濃い目の色がついていて、食べると香ばしい。使っている油の質も良さそうな感じである。なるほど、高品質だ。テーブルにはソースとにんにく味噌があったけれど、どちらも肉の風味を損ないそうなので、カラシだけで食べた。それでも問題ないくらいに調理されていた。

同行者がリブロースかつを注文したので、こちらも一口食べてみた。




脂がかなり多く、手前半分は肉、向こう側半分は脂という感じ。肉はヒレ以上にジューシーで美味しい。ヒレよりも低温の油を使っているのか、揚げ時間が短いのか、ロースの衣の色はヒレほど濃くない。ちょっと胃にもたれそうではあるけれど、こちらもなかなか美味しいと思う。

味は納得。問題は価格である。これで4,500円か。豚組に行くくらいならこちらを選ぶけれど、3,000円ぐらいでも同じレベルのとんかつを食べることはできると思う。

店名 とんかつ割烹 かつぜん
TEL 03-3289-8988
住所 東京都中央区銀座6-8-7 交詢ビル 4F
営業時間 ランチ 火〜金 11:30〜14:30(L.O.14:00) ディナー 火〜金 17:00〜22:30(L.O.21:30) ランチ 土・日・祝 11:30〜15:00(L.O.14:30) ディナー 土・日・祝 17:00〜21:30(L.O.20:00)
定休日 月曜日  

2012年08月13日

美味小家

ずっと長いこと宿題になっていた甲府の「美味小家」に行ってきた。銘柄豚を色々と揃えているお店で、今回頼んだのは鹿児島六白黒豚のヒレカツ定食。ヒレよりもロースに力を入れているメニュー構成だったけれど、注文の直前にふらっとヒレに心が動いてしまった。

12_08_12_1531


パン粉が凄く粗いタイプの衣で、サクサク感が凄い。肉は物凄くジューシーで、水っぽく感じるほど。旨みが上手に閉じ込められていて、ヒレの美味しさを堪能できる。これは良いものだ。近所にあったら、一通り全ての銘柄豚を食べてみたい。

同行者のロースを一切食べさせてもらったけれど、こちらも脂の旨味、肉、サクサクの衣が渾然一体となった良品だった。

ごはん、味噌汁、野菜と、どれも手抜きがない。

お店に立っているお姉さんが江戸っ子のようなチャキチャキっぷりで、こういうのに慣れていない人はちょっとビビるかも(笑)。でも、お店のルール(ソースは使うな、塩で食べろ、とか、混雑しているときは相席でよろしく、とか、オーダーはこちらから聞きに行くからそれまでは黙って座っていろ、とか、ごはんを残すと生ゴミになるから食べきれないなら事前に言え、とか、ほとんどは当たり前のこと)をきちんと守っていれば、逆に凄く居心地の良い店だと思う。評価は☆3つ。

店名 美味小家 (うまごや)
TEL 055-252-7215
住所 山梨県甲府市湯村2-6-22
営業時間 11:30〜14:00 17:30〜20:30
定休日 火曜日  

2012年04月27日

あげづき@神楽坂

かねてより宿題のお店だったんだけれど、なかなかタイミングが合わず、食べたことがなかった。昨日は別のイタリアンで食事をすることになっていたのだけれど、直前になって予約で一杯ということが判明、じゃぁ、ということで食べに行ってみた。

さて、とんかつ。僕はいつも「とんかつ屋に行ったら、一番高いメニューを注文すべし」「2,000円以下のとんかつ定食で旨い店はない(正確には、今のところ1軒だけ見つけている)」と言い続けている。このあげづきはもちろん2,000円以上の定食を出しているので、迷わず「特ヒレ」を注文。定食メニューを追加して3,000円以上である。

最初に漬物やポテトサラダのお皿が出てきて、ごはん、味噌汁に続いてたっぷりのキャベツとともにヒレカツが出てきた。

12_04_26_1030


12_04_26_1031


12_04_26_1032


まずカツだが、低温の油でじっくりと時間をかけて揚げていることは、衣の色をみればわかる。ところがこの店の丁寧なところは、単に低温で揚げているのではなく、そのあとで高温の油にサッと通して、衣のパリパリ感を出している。その上で、お客さんに出す前に少し時間を置いて余分な油を落とすとともに、不均一な熱を分散させ、さらにかつ自体の温度を下げている。おかげで調理にはかなり時間がかかる。けれど、出来上がったものは一流である。衣はやや粗めでサクサクしていて、中の肉は火が通り過ぎず、ジューシーで旨みも強い。お店の人は「最初は塩で」と言ってくれたけれど、僕にとっては塩すら邪魔で、ほとんど調味料なしで食べてしまった。おかげで、ソースの味は全くわからないけれど、素のまま、あるいは塩だけで十分に美味しく食べることができた。

ごはんや味噌汁を含め、全ての品に手抜きがなく、非の打ち所がない。やまいちや丸五に比較すれば場所代もあってか1,000円程度高くなってしまうが、それでも食べにくる価値は十分にあると思う。とんかつ屋のローテーションに入るのは間違いがない。評価は☆3つ。

店名 あげづき
TEL 03-6265-0029
住所 東京都新宿区神楽坂3-2 山ノ内ビル B1F
営業時間 [月・水〜土]11:30〜15:00(L.O.14:30)17:30〜22:30(L.O.22:00) [日・祝]11:30〜15:00(L.O.14:30)17:30〜21:00(L.O.20:30)
定休日 火曜・第3水曜  

2012年02月29日

名代とんかつ かつくら新横浜店

新横浜で食べ残していた「かつくら」に行ってみた。

注文したのはもちろん一番高い特選三元豚ひれかつ定食。口がすっぱくなる程に言っているけれど、とんかつ屋に行ったら頼むべきは迷わず一番高いものである。

12_02_28_880


12_02_28_879


12_02_28_881


衣は比較的軽めで薄め。これがしっかり肉と一体化していてなかなか好感。肉は「厚切り」と豪語するほどには厚くなく、これだとノーマルはどれだけペラペラなんだろう、とちょっと心配になるけれど、いつも一番高いカツをオーダーする僕には関係ない。肉はそれなりにジューシーで、肉の旨味もある。ただし、ソースを使ったら、ソースの味しかしなくなる。胡麻を混ぜたソースが自慢のようだが、僕はほとんど全て、ソースなしで食べた。ちょっと気になったのはカツの温度。冷めているのである。もしかして火傷しないようにわざわざ冷まして持ってきたのか?とちょっとだけ好意的に考えてみたけれど、どう考えても熱いほうが美味しいと思う。ちなみに麦飯、白味噌の味噌汁もちょっと冷め加減。ここは明らかにマイナスポイント。

キャベツ、味噌汁は及第点。豆腐か漬物かどちらかを選べるのだが、豆腐を選んだのは失敗。ここは定石通り、漬物にすべきだった。

2,500円程度のとんかつ定食としては、ほぼ及第点。だけど、また来るかと言われれば、来ない。この値段を出すなら、横浜なら馬酔木に行くべき。そこまで行ってらんない、ということなら、とんかつは諦めて洋食のキムラに行くのが良いと思う。評価は☆1つ半。

それはそれとして、この店、ちょっと接客に難有り。係の教育が全くなっておらず、「当店の食べ方をご存知でしょうか?」というセリフが何やら「どうせ知らねーだろ」みたいなトーンでちょっと腹が立つ(笑)。レジ係も手際が悪く、会計待ちのお客さんが大声を出して呼んでいる始末。うーーん。このあたりは所詮多店舗展開のお店、という感じだろうか。

店名 名代とんかつ かつくら キュービックプラザ新横浜店 (なだいとんかつ かつくら)
TEL 045-470-2831
住所 神奈川県横浜市港北区新横浜2-100-45 キュービックプラザ新横浜 9F
営業時間 11:00〜23:00(L.O.22:00)
定休日 不定休(キュービックプラザ新横浜に準ずる)  

2011年12月15日

むさしや 芝大門店

かねてより宿題となっていた大門のむさしやに行ってきた。極上ロースはあるのにヒレは普通のものしかなく、仕方なしに極上ロースを注文。

揚げる前に「こちらのお肉になります」と、肉厚の肉を紹介してくれる。さて、揚がってきたとんかつがこちら。

11_12_14_699


これはレベルが高い。肉と衣がきちんと一体化していて、衣はパリパリと弾けるような食感、肉はジューシーで旨味がたっぷり。「塩でどうぞ」と言われるまでもなく、素のままと塩で全部食べてしまった。脂が胃もたれする年令になってしまったので、ロースは正直重すぎるのだけれど、脂の旨味、肉の旨味、衣の香ばしさを一体として楽しめる、非常にハイレベルなとんかつだと思う。

キャベツはまぁまぁ。僕はもうちょっと粗いほうが好きだけど、特にマイナスポイントはない。ご飯もランチタイムの最初のほうだったこともあって、炊きたてで美味しかった。味噌汁は普通。

11_12_14_698


11_12_14_700


これで2,300円は納得の一品。評価は☆3つ。ただし、丸五や山一の方が僕は好き。非常に高いレベルでの上下だけど。

店名 むさしや 芝大門店
TEL 03-3436-6348
住所 東京都港区芝大門1-11-3 大鐡マンション1F
営業時間 [月〜金]11:30〜14:00 17:30〜22:00(揚げ物ラストオーダー:20:45)[土]11:30〜14:00
定休日 日曜日、祝日  

2011年01月23日

河@新橋再訪

新橋で映画を見て、「何か食べようか」ということで行ってみた。このあたりはちょっと歩くと色々いいお店があるのだけれど、駅のすぐそばとなるとなかなかお店がないので、このお店などは重宝する。

以前の評価はこちら

今日食べてみたのは特製ロースだったかな?2800円ぐらいの一番高い奴。

11_01_20_073


僕はとんかつはヒレが中心なんだけれど、ここのお店はヒレは通常のものしかなくて、特別上等な肉はロースだけの様子。ということで、特ロースを食べてみたわけだけれど、肉質は非常に良くて肉自体の旨みもしっかりしている。衣も非常に良い感じで、使っている油もなかなかの様子。

ご飯、キャベツはイマイチだったかな?味噌汁、お新香は標準的。

総合評価 4
料理 4.5
サービス 3
雰囲気 3.5

店名 とんかつ河 本店 (とんかつ・かわ)
ジャンル とんかつ
TEL 03-3578-0778
住所 東京都港区新橋3-16-21
営業時間 [月~金] 11:00~22:00 [土] 11:00~21:00 [日・祝] 11:00~20:00
定休日 月曜日