2015年05月01日

セッション(原題whiplash)

whiplash


ジャズの映画だけど、内容はスポ根。良くわからないんだけれど、この作品の世界では「ジャズではドラムが一番偉い」「ドラマーの価値はいかに手数多く叩くことができるかである」あたりが無条件で定義づけされていて、その条件下で、ビッグバンド・ジャズのリーダーとジャズ・ドラマーの師弟が勝負を繰り広げる、というストーリーだ。この、「ドラムは手数が勝負」という設定によって、登場するドラマー達は文字通り血を流しながらドラムを叩く(笑)。そして、音楽がスポ根となったのである。このあたりは設定の勝利と言える。音楽という、定量的評価が難しい分野に定量的評価を持ち込むことによって、その単純化に成功したのだ。

おかげで、勝負はとてもわかり易くなった。「素晴らしい表現力」は定性的すぎるし、「安定したリズム感」は素人にはわかりにくい。その点、手数は目に見えるし、流血も簡単だ。なるほど、上手だなぁと感心した。

ストーリー的には全く大したことはなく、喪失と再生といった月並みなものが表現されていく。それでも、みんな大好きスポ根映画である。もちろん僕も大好きなので、最初の30分ぐらいは退屈でどうしようかと思ったのだけれど、ドラムのトレーニングを始めたあたりからは一気に引きこまれて、結局最後まで見入ってしまった。

惜しいのは、勝負以外の味付けがものすごく希薄なこと。良く言えばストイックだが、遊びの部分がほとんどない。多少の恋愛はあるけれど、笑いはほとんど存在しない。この点、もうちょっと脚本に工夫があったら良かったのに、と思う。

ところで音楽といえば中島みゆきと佐野元春とYukiと坂本龍一ぐらいしか聞かないので、ドラムは手数、というのが良くわからない。この映画のドラムは、上手だったの?いや、でも、それは本題ではないのかな。ほとんどのスポーツものの映画では、みんな大してうまくないものね。

評価は☆2つ。  

Posted by buu2 at 23:16Comments(0)TrackBack(0)映画2015

このエントリーをはてなブックマークに追加 編集

2015年04月28日

龍三と七人の子分たち

北野武監督としては暴力風味は控えめで、お笑いが多め。おかげで、いつもの尖った感じがなく、万人受けしそうな仕上がりになっている。

「老いの寂しさ」を逆手に取った毒のあるお笑いがてんこ盛りで、普通の人が北野監督に寄せがちな期待にしっかりと答えている。ある意味で予定調和だし、驚きは何もないのだが、最後の最後まで説教臭いところがなく、お笑いに徹しているところが良い。展開もスピーディで、というか、スピーディ過ぎて「えっ ?」と思ってしまうところもあったのだが、2時間があっという間である。

ちなみにこの作品の中で出てくる「ナインダーツ」とはダーツにおける完全試合のことで、通常は20のトリプル7回、19のトリプル1回、最後に12のダブルでフィニッシュというプレイなんだけれど、映画ではブル(中央、50点)に入れていた気もする。あとでスロー再生して確認したいところ。

小野寺昭といえば、僕の世代なら太陽にほえろの殿下なんだけれど(もうちょっとあとの世代なら、毎度お騒がせしますかな)、スマートな警官が代表作だった彼がヤクザを演じているところが感慨深い(笑)。

日本版「エクスペンダブルズ」という感じで楽しめた。評価は☆2つ半。  
Posted by buu2 at 12:17Comments(0)TrackBack(0)映画2015

このエントリーをはてなブックマークに追加 編集

2015年04月27日

寄生獣 完結編

寄生獣の前作って、去年だったんだな。

こちらが、前作の評価。
寄生獣
http://buu.blog.jp/archives/51462195.html

それで、完結編。ここ数年に公開された邦画のうち、前編、後編に分かれているものはほとんど全て前編の方が出来が良いのだけれど、これは単純にストーリーの問題。多くの邦画は脚本に問題を抱えているのだけれど、前後編ものは脚本ではなく原作に問題がある。「これだけ広げた風呂敷をどうやって畳むんだろう」と興味深く(心配に)感じながら観に行って、やっぱりダメだった、ということになるわけだ。結論から言えばこの作品もその領域を出なかった。

やはり、最大の問題点はミギーの最後だろう。どうしてこういう終わり方なのか、全く説得力がなかった。これだけでこの作品は台無しなのだけれど、こればっかりは監督や脚本家(この作品では同一人物)のせいではない。原作が悪い(原作どおりなら、だが)。他にも、いつの間に手すりの外に行ったの?とか、髪の毛で守れるなら全身守れよ、とか、そんなヤバイ鉄棒なら、握っただけでもヤバイし、そもそもそんなものが焼却炉に入っていたら、周囲にばら撒かれちゃって大変だろ、とか、お前ら、その展開はSPACE BATTLESHIP ヤマト並みの唐突さだぞ、とか、大騒ぎしている中で動物園に別働隊って脳みそお花畑かよ、とか、彼女、どうやってそこに行ったんだよ、とか、おい、突き飛ばされたキチガイはどこに消えたんだよ、とか、突っ込みどころは一杯あって、前作とは全く違う意味で楽しめる作品になっていた。これは、メモを用意して突っ込みどころをリストアップしながら鑑賞したい。

ちなみにSPACE BATTLESHIP ヤマトは同じ山崎監督。当時、異常に高く評価してもらったレビューはこちら。
http://buu.blog.jp/archives/51099705.html

でも、役者は頑張っていたと思う。

評価は、☆1つ半。  
Posted by buu2 at 20:23Comments(0)TrackBack(0)映画2015

このエントリーをはてなブックマークに追加 編集

2015年04月17日

ソロモンの偽証 後篇・裁判

前篇の印象がとても良かったので、後篇にも期待していた。結論から言えば、まぁまぁアタリ。なお、前篇の評価は☆2つ半だった。

ソロモンの偽証 前篇・事件
http://buu.blog.jp/archives/51478693.html

やはり、監督でもなく、役者でもなく、「宮部みゆき」の名前で宣伝しているように、宮部みゆきの原作力が凄かった。正直、ミステリー部分はなんてことないと思うのだが、それでも前篇・後篇の5時間を緩みなくグイグイ引っ張って行ってしまう。

三谷幸喜作品でもないのに、良い役者を惜しみなく配しているところも凄い。佐々木蔵之介、夏川結衣、田畑智子、余貴美子、松重豊・・・と、重要ではあるけれど、チョイ役に、これでもかと実力派が揃う。このあたりはプロデューサーの手腕だろう。子役の質もなかなか高かった。中には「大事な役だし、もうちょっと頑張ってくれたらなぁ」という子役もいたけれど、概ね良い演技をしていた。

一方で、演出部分では「?」というところがなかったわけではない。前篇でもあまりにもゴムボールみたいに人体がすっ飛んだりしたけれど、今回も突然雨になったりして、これだけの急変なら雷なり、強風なり、前触れがあるんじゃないの?と思うし、おいおい、あんた、そのアイスをどこにどうやって隠していたのよ、と思った。最後の電話は40秒間だったと思うのだけれど、実際の通話はもっとずっと長かった。何かあるとすぐにざわつく裁判シーンの演出もリアリティに欠けていたと思う。大体、あれだけ優秀な中学生たちが集まっているのに、日本の国会みたいなヤジが飛び交うのも違和感ありだった。でも、東京の市内局番が4桁になったのは1991年なので、3桁と4桁が共存していたあたりは細かいところを頑張っていたと思う。

前篇はスピーディでテンポ良く展開したのだが、謎解きになった後篇はおそらく原作でたっぷり語られたはずの柏木君の環境などが全部すっ飛ばされるなど、言葉足らずな部分が少なくなかった。あんまり書くとネタバレなので自粛するが、これなら、尾野真千子と余貴美子のパートなどは全部削除してしまえば良かったのにと思わないでもない。分厚い原作を4、5時間の映像にまとめるためにはたくさんカットしなくてはならないところがあると思うのだが、削ってはいけないところもあったはず。もしかして、スピンアウトで柏木君を描く映画を作るつもりなんだろうか????ということで、評価は☆2つ。多少の失速はあったものの、「じゃぁ、原作を読んでみようかな?」と思うぐらいには良くできていたと思う。

しかし、それにしても、中学生ってあんなにできが良いのかな???スーパーすぎる気がした。  
Posted by buu2 at 22:58Comments(0)TrackBack(0)映画2015

このエントリーをはてなブックマークに追加 編集

2015年04月15日

マジック・イン・ムーンライト(Magic In The Moonlight)

magicinthemoonlight


1928年ベルリンという注釈からスタートするのだが、ドイツが舞台なのは最初だけで、以後は南フランスのコート・ダジュールに移してのちょっとしたラブコメディである。

有名なマジシャンが若い女性霊能者のインチキを暴こうとするのだが、次から次へと彼女の超能力を見せつけられ、ついには彼女の熱烈な信者となる、というストーリーを、映像も、音響も、ちょっと古くさい感じに、1900年代半ばぐらいのテーストで仕上げている。

全体の構造はそれほど複雑ではないのだが、有名なマジシャンや霊能者という設定が特定の場面で効果的に利用される。それらの場面への誘導が巧妙なので、観る側も「あ、これを見せたかったんだな!」といった具合にすっきりする。このあたりの脚本力がさすがウッディ・アレンなのだが、わかりやすいと言えばかなりわかりやすく、序盤でラストまで展開を予想できてしまう。そうした理由で、映画を見慣れている人間にはちょっと底が浅く、砂糖たっぷりで甘いだけのケーキを食べたような気分になるかも知れない。他にも、50代と20代の歳の差に誰も違和感を挟まないとか(観ている側にはある。というか、僕は感じた)、交通手段がなさそうなところを瞬時に移動したりとか、小さな違和感はそこここに存在した。でも、そんなことを色々と指摘するような性質の映画ではない。

「良し、観るぞ」と腰を据えて観る作品ではなく、女性の友人同士で「買い物で歩きっぱなしだったので、ちょっと映画でも観て一休みしようか」と観に行くのが最も正しい鑑賞プランだろう。

ところで、この作品も、例によってタイトルから「ザ」をわざわざ落としている。「マジック・イン・ザ・ムーンライト」を「マジック・イン・ムーンライト」にすることによって一体どんな効果が上がるのか良くわからないのだが、邦題を決める人間の中には馬鹿が少なくとも一人いることがわかる。

評価は☆2つ。  
Posted by buu2 at 12:07Comments(0)TrackBack(0)映画2015

このエントリーをはてなブックマークに追加 編集

2015年04月12日

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

birdman


過去のヒーロー物映画で大ブームを巻き起こした映画俳優が、すっかり落ちぶれた20年後に再起を期してブロードウェイで演劇に出演する、という内容。面白いといえば面白いかも知れないが、ストーリー的には「物凄く」魅力があるわけではない。では、何が面白いのか。僕は全く予備知識無しで観たのだが、仕掛けに気がついたのは映画の時系列がいじられた場面。同じシーンだと思ったところが、場所は同じでも、時間が経過している場面になっていた。それは極度に演劇的で、ストーリーと同じように、構造的にも演劇的であったのだが、このあたりの仕掛けについての詳細はネタバレにならざるを得ず、追記に書くことにする。

しかし、この作品はその仕掛けが全てと言っても良いもので、そこに言及しないのなら、ほとんど書くべきことが見つからない。最近の特撮技術はもの凄いので、どこまでが人間力で、どこからが技術力なのかさっぱり判断がつかないのだが、多くを技術に頼っていたとしても、その仕掛けを具体化した脚本、演出、演技の全てが凄かったとしか言いようがない。

アイデアの一発勝負なので、この作品のあとに同じような作品が作られることはないと思うのだが、いやぁ、良くやったな、と脱帽する。

「ほとんど書くべきことが見つからない」と書いたが、映画のラストで、主人公は人生で一度しか出来ない一発芸に挑戦する。そのあたりが映画の性質と共通していた。映画と演劇を対照的に扱って、その上で映画の中に巧妙に演劇の要素を取り込んだり、本当にヒーロー物の映画に出演している役者たちを主要な役にキャスティングしたり、米国の映画界への皮肉も含め、映画が扱っているテーマもなかなか良かったと思う。

評価は☆2つ半。  続きを読む
Posted by buu2 at 18:15Comments(0)TrackBack(0)映画2015

このエントリーをはてなブックマークに追加 編集

2015年04月03日

風に立つライオン

実在の医師柴田紘一郎氏をモデルにした作品で、主としてケニアの赤十字戦傷病院での彼の活躍と、その周囲の人々を描いている。作品そのものは良くある医療もの、感動ものなので、安心してみていることができるのだが、「どうやってこの風呂敷をたたむのか」という時間になってくると暗雲が立ち込めてくる。そして、大方の想像通りの終映となるのだが・・・この点についてはネタバレにならざるを得ず、最後に改行を入れて記述する。このネタバレは本当に酷いネタバレなので、覚悟して読んで欲しい。

主役の大沢たかお、周囲を固める石原さとみ、真木よう子、石橋蓮司といった面々は安定した演技を見せているのだが、中にはびっくりするほど下手くそがいるので驚かされる。お金が足りなかったのか、五島のエキストラが棒読みなのは仕方ないとしても、ケニアの先輩日本人同僚が棒読みなのはどうしたものか。冒頭の大事な場面でどうしようもなく下手くそな演技を見させられて「ええっ?これは学芸会じゃないですよね?」と不安になる。いくらお金がなくても、もうちょっと、と思うのだが、ケニアまで連れて行くお金がなくて現地の日本人ガイドを使ったのだろうか。うーーーん。

思い出を写真で語るのは構わないが、フォトショップで下手くそに加工しました、みたいな写真を使うのはいただけない。昔の設定なのに看護婦さんが看護師さんと呼ばれていたような気もする。その看護婦のその後も、ん?という感じ。

ということで、普通に評価すれば☆2つ程度、当たり外れが大きな三池監督としては当たりの部類だと思うのだが、ネタバレに書く理由から☆1つである。  続きを読む
Posted by buu2 at 22:42Comments(0)TrackBack(0)映画2015

このエントリーをはてなブックマークに追加 編集

2015年04月02日

ジュピター

jupiterascending


クラウドアトラスから3年ぶりのウォシャウスキー姉弟による作品。監督、脚本、製作、製作総指揮全てを姉弟が担当した初めての作品なので、どうなるのか興味津々だったのだが・・・

これがびっくりするほどつまらない。いや、つまらなくてびっくりした。地球はエイリアンによって管理された牧場だった、みたいな良くある設定で、そのエイリアンの王朝の王位を継ぐ女性が、なぜか地球で便所掃除をしている、みたいな、出落ちで終わってしまうような内容である。

何か気の利いたことを書きたいのだけれど、ほとんど何も印象に残っていない。ただただ眠かった。これが面白いって感じる人はいるんだろうか?あ、木星はきれいだった。

評価は☆ゼロ。  
Posted by buu2 at 00:29Comments(0)TrackBack(0)映画2015

このエントリーをはてなブックマークに追加 編集

2015年03月27日

くちびるに歌を

長崎の五島列島の観光映画かな、と思っていたら、ちゃんとまじめに作られた作品だった。

トラウマを抱えてピアノが弾けなくなったピアニストの再生をさわやかに描いている。同時期に上映されている「暗殺教室」とは全く違ったテーストで、僕としてはこちらの方が断然評価が高い。何しろ、ヒロインが新垣結衣だし、自閉症児とその家族を正面から描いているのも良い。日本では自閉症というと引きこもりみたいなのを想像する人が多いような気がするので、こういう映画できちんと認識を新たにしてくれたらと思う。あと、自閉症児の演出と演技も上手だった。

ところどころで「ん?」と思う演出もあった(新垣結衣がいきなりピアノの前に座っていたところとか)し、設定的にどうかというところもあった(狭い世界のはずなのに、同級生の兄が自閉症児だと知らなかったり)けれど、総じて良い演出、良い脚本だったと思う。ピアノを含め、音も良かった。

クライマックスが映画の6分目ぐらいのところで来てしまい、あとは少しずつ風呂敷をたたむ感じ。でも、決して悪くない。

ただ、どうなんだろう。子供を中心に描いた映画だけど、子供は「暗殺教室」とかのほうが観たいんだろうな。僕なら断然本作を推すけれど、子供には「喪失感」なんてなかなか理解できないんじゃないかなぁ、などと思ったり。

ソラニンが☆2つ半、僕等がいた前編が☆2つ半、同後編が☆1つ半と、三木孝浩監督とは相性が悪くないんだけど、本作もなかなか良かったと思う。評価は☆2つ半。大人は、「暗殺教室」に行くなら、こっちを観たほうが良い。  
Posted by buu2 at 01:47Comments(0)TrackBack(0)映画2015

このエントリーをはてなブックマークに追加 編集

暗殺教室

月を破壊した謎の生物が中学校の先生になる、という設定の時点で「こりゃ凄い」と思うのだが、同時に大人の鑑賞に堪えるものなのか、かなり不安にもなる。海外でも「ハンガー・ゲーム」とか「ダイバージェント」みたいに、子供向けの酷いストーリー(ただし、前者は観てないので想像です(笑))に大金をつぎ込んで映画化しちゃうケースがあるので、「子供向け」も一定の市場は見込めるのだろう。

本作は冒頭からなかなか見応えのあるシーンが続く。殺せんせー(ころせんせー)の合成もそれほど違和感がなく、日本の特殊効果技術もずいぶん良くなったものだと感心させられる。いや、もちろん弾丸を避けるシーンとか、ちょっと子供だましなところもあったけれど、子供向けなんだから仕方ない。

と、特撮はそこそこだったのだが、役者の演技力はどうにもならない。役者の中心が中学生という、一番演技力が期待できない年齢層ということもあって、セリフの棒読みや、殺せんせーとの会話のシーンであらぬ方向を見ているなど、「これ、テレビドラマじゃないよね?」と確認したくなるような場面もチラホラ見受けられた。

原作漫画の内容を無理やり押し込んだのか、一つ一つのエピソードが異常に唐突で、エピソード間の前後の脈絡が全く存在せず、「何で突然鉄塔に登るんだよ??」みたいな必然性のない展開もあり、しかも24時間という短時間で東京ドームよりでかそうな施設を作り上げて爆発させるなどあっという間に一件落着していくスピード感ありまくりの脚本だが、慣れてしまえばこんなものかな、という感じ。要は、設定と殺せんせーのキャラクターだけで基本終了していて、あとはちょっとした小ネタをつなげていって2時間の映画に仕上げているという、昔懐かしいドリフターズのコントを観ているようだ。大人に納得してもらうにはちょっと厳しいかも知れないが、子供なら満足してくれるかも知れない。殺せんせーの目的とか、強さの秘密とか、ほとんど何もわからないままに映画は終了してしまい、だだっ広い風呂敷の上に放置されたままなのがすっきりしないのだが、そういう不満は以後の続作を観て言え、ということなのかも知れない。最後に「つづく」と出ていたし。

突っ込みどころは当然満載で、水酸化ナトリウム水溶液が何で泥水みたいなんだよ、とか、エンドロールでリリー・フランキーってあった?あれ?そもそも、出てなかった??

海外の子供向け映画を観ると結構腹が立つのだけれど、邦画だと意外と余裕をもって観ることができるようだ。ただし、僕の場合。

評価は☆1つ半。  
Posted by buu2 at 01:05Comments(0)TrackBack(0)映画2015

このエントリーをはてなブックマークに追加 編集

2015年03月21日

ソロモンの偽証 前篇・事件

あまり早くに観てしまうと前編の内容を忘れてしまいそうなので、あえてちょっと待ってからの鑑賞。

冒頭の雪のシーンで、「あれ?この監督、本当の積雪を見たことがないのかな?」と思ってしまうような珍妙な描写があっていきなり不安になって、ツッコミ手帳を取り出そうかと思ったのだけれど、以後は特に違和感なく観ることができた。

子供が中心の映画にも関わらず、要所で良い役者を配置していて、プロデューサーの力量が感じられた。夏川結衣、黒木華、田畑智子、余貴美子、松重豊、小日向文世・・・と、ちょい役ではもったいない役者たちが次から次へとちょい役で登場する。さすがに子役の演技力にはムラがあって、下手な子もちらほら見受けられたけれど、中心となる子役の演技はなかなかだった。

女子に冷たく、さっさとストーリーから退場させていく宮部テーストも健在。

後編へのつなぎも上手で、前編だけ観て後編を観ないというのはかなりのひねくれ者だろう。前編が面白かったのに後編でずっこける映画もあるので油断はできないのだが、後編が公開されたらすぐに観に行きたいと思わされる内容だった。評価は☆2つ半。  
Posted by buu2 at 00:31Comments(0)TrackBack(0)映画2015

このエントリーをはてなブックマークに追加 編集

2015年03月12日

はじまりのうた

beginagain


no music no life的な内容で、正直あまり得意な分野ではないが、十分に楽しめた。序盤の導入こそもたついた感があったけれど、途中から加速して一気にラストまでテンポよく進んでいく。

キーラ・ナイトレイはちょっと老けたけれど、歌声は可愛らしかった。

失恋してライブハウスでふさぎ込んでいる歌手と、落ちぶれたかつての凄腕プロデューサーが出会い、人脈を頼りにレコーディングを続け、一枚のアルバムを作り上げる、というと、なんかロッキーみたいな話である。

日本で同じような映画を撮ると、曲がダメだったり、役者の歌唱力に大きな問題があったり、挙句は歌っている場面で音が無くなったりしてなんだかなーという気分にさせられるのだが、その辺はさすがに米国映画である。

映画の中のアルバム同様、あまりお金がかかっている感じのしない映画だが、貧乏臭いこともなく、上手に節約している印象。

映画館から出てきて、iTunesでサントラを検索してみて世の中の世知辛さを感じた。映画どおりなら完璧だったのに。

評価は☆2つ。  
Posted by buu2 at 19:55Comments(0)TrackBack(0)映画2015

このエントリーをはてなブックマークに追加 編集

2015年03月06日

きっと、星のせいじゃない

thefaultinourstars


難病モノは山口百恵・三浦友和による「赤い疑惑」を例に挙げるまでもなく恋愛映画の定番で、正直あまり期待していなかった。ところが、これがなかなかの佳作だった。ストーリーはそれほど大したことがないのである。大した話ではないのに、なぜ面白いのか。脚本のおかげである。

ちょうど先日、日本のドラマ作品の脚本が酷いという話をブログに書いたところだが、

ドラマ(映画・演劇・テレビドラマ)のポイントは脚本
http://buu.blog.jp/archives/51476074.html

この作品は逆に、お手本になるような良質な脚本だった。しかし、多くの日本人には、この作品の脚本の良いところは理解できないのかも知れない。少なくとも、日本アカデミー賞の選考委員には理解できないだろう。もし理解できるなら、永遠の0に脚本賞など与えるはずがない。

ストーリーには特筆すべきところもないし、一見中心的な役どころになりそうな登場人物がサラッと退場したりするのだが、そのままでは単純なお涙頂戴になりそうなところ、秀逸な脚本がまるでコメディのような味付けにし、興味深い作品として成立させている。何しろ、登場人物たちの機知に富んだ会話が素晴らしい。トロフィーを叩き壊すシーンを筆頭に、笑いどころが何度もあって、悲しい話を明るく笑い飛ばしている。

演じている役者たちも肩に力が入りすぎず、自然な演技に終始していると思う。

正直、映画館で観る必然性は感じないので、レンタルして自宅鑑賞でも良いと思うのだけれど、映画館で観ても損はしないと思う。評価は☆2つ半。

  
Posted by buu2 at 00:26Comments(0)TrackBack(0)映画2015

このエントリーをはてなブックマークに追加 編集

2015年03月01日

機動戦士ガンダム THE ORIGIN I 青い瞳のキャスバル

機動戦士ガンダムのキャラクターデザイナー、安彦良和の漫画「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」を原作としたシリーズ第一作。現段階ではシャアとセイラの幼少時代を全4話で描くことになっているはず。今のところ明らかになっているのは第一作が「青い瞳のキャスバル」で、次が「哀しみのアルティシア」。その第一作が劇場公開されたので、観てきた。

ファーストガンダムのさらに前のエピソードなので、ザクもなければガンダムもない。というか、モビルスーツがない。なのになぜかガンタンクがあるのだが、このあたりは色々と作り替えているのだろう。メカがまだ存在しないので、自動的に話は人物描写が主となっている。特に活躍するのは、ファーストガンダムで重要な役となったランバ・ラルやハモンである。また、ギレン、ドズル、キシリアといったザビ家の面々も多くの場面で登場する。ちゃんと楽しむためにはファーストガンダムに関する知識は必須だろうが、それなしでも一応ストーリーを楽しむことはできるかも知れない。この辺は、スター・ウォーズのエピソード4〜6の知識が、エピソード1〜3を観るのに必要ではあるものの、不可欠ではないことに似ている。

普通に楽しめる内容ではあったけれど、難点が2つ。まず、ちょっとだけ登場するムサイやザクといったメカがCGアニメ化されていて、質感に欠けること。宇宙戦艦ヤマト2199のドリルミサイルでも感じたのだが、CGアニメがCGっぽく感じられてしまうのではディズニーやピクサーの上には行けないと思う。いまどき、このレベルのCGならCG化しないほうが良かった。

もう一つは、登場人物たちの演出があまりにも芝居がかっていること。まるでシェイクスピアの舞台に出ている役者のようなオーバーアクションっぷりである。もうちょっと自然な動きの演出にすれば良かったのに、と思う。

この手の作品はエンディングテーマでずっこけることが良くあるのだが、この作品のエンディングはなかなか良かった。

評価は☆1つ半。キシリアのあれ(笑)があっても、おまけはなし。

ところでこの作品、シリーズ最後までガンダムは出てこないんじゃないか(笑)?  
Posted by buu2 at 13:38Comments(0)TrackBack(0)映画2015

このエントリーをはてなブックマークに追加 編集

2015年02月27日

アメリカン・スナイパー

american


イラク戦争において海兵隊の突入を後方支援するだけでなく、前線に立って敵ゲリラ掃討に活躍した狙撃手の半生を描いている。

子供時代に父親から「羊を守る犬になれ」と教わったカイルは、高齢になってから軍隊に志願し、狙撃の才能を見出される。ちょうど中東の情勢が緊迫してきた時期に重なり、やがて前線に配属され、最初の戦闘から目覚ましい活躍を続けていく。しかし、同時に戦争の悲惨さを目のあたりとすることになり、4度のイラク派遣によってその精神を蝕まれていく。このあたりの様子をイーストウッドらしく淡々と描いていくのだが、カイルの活躍していた約15年間を2時間に圧縮しているので、話はかなり駆け足である。

映画の主な部分は敵の元五輪選手スナイパー「ムスタファー」(スター・ウォーズではオビ=ワンとアナキンが決闘をした惑星だが、アラビアの男性名でもある)との対決を主軸にしているので、飽きることはない。また、主演男優と主演女優の演技力のおかげで、最初は寡黙ではあるものの、優しくて思いやりのある男性が、徐々におかしくなり、PTSDを発症、家族との溝が大きくなっていくさまをきちんと表現できていた。

戦争を戦争として、あるいはヒーローをヒーローとして描くのではなく、軍人としての評価が高まるのと反比例するように精神的に病んでいく様子をトレースしているあたりが監督の監督らしさである。ただ、イラク戦争にあたって日本人の立ち位置は当事者ではなく傍観者なので、感情移入が難しいところがあると思う。やはり、米国人の米国人による米国人のための作品なのだろう。
#ちなみに、米国内でも160人を殺した狙撃手が本当に英雄なのかとか、イラクが9.11の犯人であるかのように描かれているのは問題ではないかといった議論が起きているようだ。

とはいえ、日本人にとって毒にも薬にもならない映画ではない。ISILとの問題に絡めて自衛隊をシリアに派兵しようなどという主張が散見される時代なので、戦争の現場とはどういうものなのか、宗教を背景にして女性や子供までが戦闘に参加する相手とはどんなものなのか、その一端を垣間見ることができる。憲法解釈というもっと大きな問題はあるものの、一度も戦闘をしたことがない日本の自衛隊が「邦人救出」として一体何ができるのか、想像力を働かせる必要があるだろう。日本人が戦場に行って、果たして正常な精神を維持できるのだろうか。

イーストウッド監督の安定ぶりには驚かされるし、個人的には今一番良い作品を撮る監督だと思うのだが、日本人にとっては大傑作とまでは言えないと思う。監督にとっても、米国にとっても、精神的に壊れてしまった挙句に殺されてしまった人間カイルへの、鎮魂的な意味合いが濃い作品だったのではないか。

評価は☆2つ。  
Posted by buu2 at 13:50Comments(0)TrackBack(0)映画2015

このエントリーをはてなブックマークに追加 編集

2015年02月17日

フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ

fiftygrey2


若くして大富豪になった20代後半の社長のところにインタビューに行った女子大生が彼に一目惚れ。ところが、彼は恋愛には興味のないサディストで、彼女をサブミッシブ(服従者)にしようとあの手この手でアプローチする、というちょっと変わったストーリー。女子大生がちょっと田舎者っぽい可愛らしさなので、最後まで寝ずに観ることができるのだが、大富豪のグレイ氏はなんだか屈折しすぎていて、イマイチ魅力にかける。

じゃぁ、ポルノ映画として楽しめるかといえば、そんなこともなく、2時間5分の上映時間のうち、セックス描写はたったの20分間らしい。

原作はロンドン在住の女性作家によるもので累計1億部を突破するようなおばけ小説らしいのだけれど、その割にはストーリーはお粗末で、しかも中途半端に終了する。

ネタバレレビューは追記に書くとして、映画の評価は☆1つ。映画館で観る必要はないレベル。

fiftygrey
  続きを読む
Posted by buu2 at 23:30Comments(0)TrackBack(0)映画2015

このエントリーをはてなブックマークに追加 編集

2015年02月11日

神様はバリにいる

「俺はまだ本気出してないだけ」「地獄でなぜ悪い」あたりからハイテンションの役が定着した感のある堤真一主演のコメディ映画である。朝ドラでは「ちょっとハイ」ぐらいに抑えているけれど、この映画では「だいぶハイ」な感じである。ただ、あくまでも「だいぶ」であって、異常なハイテンションではない。そのあたりのちょっと振りきれないあたりがちょっと物足りない。

物足りないといえば、尾野真千子や玉木宏の演技も今ひとつ。特に尾野真千子はいつも眉間にしわがよった演技で、ストーリーが進むに連れての変化があまり感じられなかった。

素材自体は悪くないと思うのだが、演出と脚本に詰め切れていないところがあって、役者の力量的問題もあわせ、ちょっともったいない感じを受けた。この感じだと、悪くはないけど、映画館で観るまでもないかな、というのが正直なところ。映画らしい絵作りがなかった。この監督の過去作だと「デトロイト・メタル・シティ」の方がずっと面白かった。

どうでも良いけど、神様はバリにいるというよりは、バリにも神様はいる、という内容だった。

評価は☆2つ。  
Posted by buu2 at 23:45Comments(0)TrackBack(0)映画2015

このエントリーをはてなブックマークに追加 編集

2015年02月08日

チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密

mortdecai


予告編が非常に良く出来ていたので、かなり楽しみにしていた。しかし、映画が始まって5分で、「あーーー」という感じ。寝てしまわないように、ガブガブお茶を飲まなくてはならない展開になってしまった。

一応ミステリー調に仕上げてあるのだが、ストーリーはそれほど凝っていない。しかし、そこは織り込み済み。「くっだらねぇなぁ」と笑い飛ばせる会話を楽しみにしていたのだが、それがあまりなかったのが非常に残念である。つまり、脚本が決定的にイケてないのだ。確かにところどころ笑ってしまう要素は散りばめられていたのだけれど、その濃度が薄い。意味不明に有能なジョックは良い味を出していたのだが、キャラが立っていたのは彼だけ。マヌケな主人と無口で有能な用心棒(召使?)のコンビというと「ウォレスとグルミット」そのままなのだが、モルデカイよりもウォレスの方がずっと魅力的だった。キャラもイマイチ、ストーリーもイマイチ、会話もイマイチ、で退屈してしまう。時々入るモルデカイのモノローグも余計で、イライラしてくる。ジョニデは最近続いている滑りっぱなしの演技で駄作の王様へまっしぐら。グィネス・パルトロウはアイアンマンあたりからアカデミー賞の貫禄はどこへやらの微妙な役どころばかり。いや、ペッパー・ポッツは良かったけれど、同じようなキャラだと飽きてくる。

モルデカイの間抜けっぷりを大笑いできる映画を期待していたのに、面白い場面の50%以上が予告編に盛り込まれていた感じで、かなり残念な内容だった。全米公開は今年の1月だったので、来年のラジー賞の有力候補ではないだろうか?評価は☆ゼロ。  
Posted by buu2 at 10:16Comments(0)TrackBack(0)映画2015

このエントリーをはてなブックマークに追加 編集

2015年02月07日

スパイ・レジェンド

novenberman


原題「THE NOVEMBER MAN」は、「あいつが通ったあとは草一本生えていない」という凄腕のスパイという意味。それがなぜスパイ・レジェンドになってしまうのか、非常に謎なのだが、映画は悪くなかった。「スパイ映画は何が伏線になっているかわからないので、油断せずにしっかり観ておこう」と構えていたのだが、意外とストレートで、むしろ「あれ?あのネコは・・・」みたいに拍子抜けするところもあった。

スパイものとしてもなかなか楽しめる内容で、ジェームス・ボンドを演じたピアース・ブロスナンが、ボンドよりもおしゃれではなく、女ったらしでもなく、それほど優しくもないスパイを好演していた。ただ、個人的にはブロスナンよりも、つい最近ボンドガールとしてやはり007に出演したオルガ・キュリレンコの相変わらずの美人っぷりに感動した。彼女が活躍しているだけで評価がアップしてしまう。

そのオルガと、凄腕の女スパイとのやりとりはこの映画最大の見どころで、かつ笑いどころでもある。どこかで似たような展開があったよな、と思い出してみると、「レイダース 失われたアーク」だった。どうなるのかは、観てのお楽しみ。

字幕がイマイチだったのが残念。

評価は☆2つのところ、オルガにおまけして2つ半。  
Posted by buu2 at 14:31Comments(0)TrackBack(0)映画2015

このエントリーをはてなブックマークに追加 編集

2015年01月30日

さよなら歌舞伎町

「ヒミズ」以来若手ナンバーワン男優と評価していて、「ウッジョブ」でも好演した染谷将太の最新作。

歌舞伎町のラブホテルを舞台に、老若男女の群像劇が描かれる。脚本としては映画というよりは演劇に向いた内容となっている。というのは、一つ一つのエピソードに大きな起伏がなく、大きなピークが存在しないからだ。バラバラに見えたひとつひとつの物語がやがてひとつに収束していく、という展開は良く見かけるもので、新鮮味はない。しかし、それらの話は、それなりに面白いし、役者たちの演技もなかなかである。

最も存在感を出していたのは、染谷ではなく韓国人女優のイ・ウヌ。ラブホの風呂のシーンは、観ているこちらが「え?これ、どこまで続けるの??」と不安になってくるほどで、単なる「長回し」では片付けられない役者根性を感じた。この場面を観ただけでも映画料金のもとが取れると思う。

やたらゴルフが上手いヤクザや、妙に狭い世界で次々と偶然知り合いに出くわすあたり、違和感がないこともないのだが、それらをひっくるめた上で、納得させるだけのパワーを感じた。

そこそこの人数の女優がおっぱい丸出しで頑張っていた中、ずっと着衣のままのマエアツは特別待遇し過ぎ。せめて、ラスト近くのギターの弾き語りぐらいは、簡単なコードばかりなんだから自分で弾けよ、と思う。でも、一流どころの役者たちに混じってもそれほど違和感がなかったのも事実で、意外とやるな、と思った。

実際に知っている場所があちこち出てくるので、「花園神社のその方向からギター担いで現れることはないだろ?」とか、細かいツッコミをしたくなるのもちょっと楽しい。例えば、染谷のマンションは、首都高の位置からして千駄ヶ谷あたりではないのか。でも、仕事場に行くシーンは新大久保から新宿に向かっている感じで、方向の整合性が取れていないのでは、とか(笑)。

評価は☆2つ半。  
Posted by buu2 at 10:45Comments(2)TrackBack(0)映画2015

このエントリーをはてなブックマークに追加 編集