もう、これまで何度振られたかわからないマンジェの東京-Xである。大阪在住ならそれでも良いかも知れないのだが、東京からわざわざ食べに行くとなればちょっとシャレにならない。最初は「大体週末で売り切れます」と言われ、次には「昨日で売り切れました。土曜日に来てください」と言われてしまった。要は、東京-Xを確実に食べるには、土曜日の昼に来るしかないのである。ということで、今回は万全を期して、金曜日の夜に大阪入りし、土曜日に備えておいた。朝の9時過ぎにノートに記入した時点ですでに二巡目だったが、「12時頃には食べることができるはずです。東京-Xも多分大丈夫です」とのことだった。そして、予定通り、12時過ぎに着席。せっかくなので、東京-Xと特上ヘレカツの至高の盛り合わせにしてみた。
塩はいつも勢いで白トリュフソルトにしてしまうのだけれど、今回は黒炭ソルトにしてみた。
さて、しばらくしてやってきたのがこれ。
まずは手前にある特上ヘレカツを黒炭ソルトで食べてみる。白トリュフソルトも美味しいのだが、主張が強すぎるのが難点。全部白トリュフ味になってしまう。しかし、黒炭ソルトの主張は適度で、肉の良さが引き立つ。特上ヘレカツでも十分に美味しいなぁ、と思いつつ、次はいよいよ東京-Xである。
左の方は赤身で、右に行くにしたがって脂が増えていく。この脂身で驚いたのが、ほとんど臭いがないこと。黒炭ソルトだと、豚肉の脂が持つ臭みが前面にでるのでは、と予想していたのだが、良い意味で裏切られた。肉の旨味も十分で、ソースよりも塩で食べたほうが素材の良さを満喫できる。
例によって、店のお兄ちゃんはテーブルの遠くはなれたところにご飯や味噌汁をまとめて無造作に置くなど全く気が利かないのだが、それ以外は素晴らしい店である。
この店では、東京-Xがあるなら、一択である。他はない。しかし、東京-Xがなくても、他のとんかつでも十分に楽しめる。