2022年07月25日

澤谷由子さんのパラミタ陶芸大賞展2022大賞受賞に寄せて

澤谷さんの作品を最初に見たのは2016年1月、西小山のパルケという小さなギャラリーだった。当時の作品は染付けの下絵が中心で、いっちんの作品はメインではなかった。この時は高台のバランスが悪かったり、呉須の濃度にばらつきがあったりと、染付けというと中井理節さんと比較してしまう僕には少々物足りなく見えた。いっちんは呉須の作品に比べてキラリと光るところが見えたのだけれど、まだ澤谷さんの柱にはなりきれず、僕は澤谷さんの話だけ聞いて何も買わずに帰ってきた。受けた印象は作品よりも「背が高くて、陶芸が大好き」という人物像についてだった。

次に澤谷さんの作品を見たのは2016年の秋にあった企画展だった。僕は2016年4月から米国在住だったのだが、運良く訪日のタイミングと合致した。この時はいっちんが表看板のひとつになっていて、染付けといっちんを高いレベルで融合していた。それで迷わず一つ購入した。この時購入したゴブレットは、初期の澤谷作品の最高傑作だと思っている。なお、この頃に名門の卯辰山工芸工房を修了している。

三度目の出会いは2017年11月で、福島武山さんの工房に行ったついでに九谷の支援工房を覗いたら、なぜかエプロンを着てそこに澤谷さんがいた。卯辰山を出るタイミングで支援工房のスタッフに空きが出て、九谷で創作活動しているとのこと。そして、卯辰山の中腹にある山ノ上ギャラリーで開催中のグループ展の案内状をいただいた。綺麗な手書きの案内状をもらってしまっては見に行かないわけにいかない。本当は小松で高速に乗ったらそのまま埼玉へ直行の予定だったのだが、山ノ上ギャラリーに立ち寄った。ただ、この時はまだやりたいことが不明瞭なのか、残っていた作品から明確なメッセージを受け取ることはなかった。

澤谷さんは2019年の4月に大きな転機を迎える。森岡希世子さんとの二人展を開催したのだが、この時から透明釉薬をかけない作品に挑戦した。この発想の転換が超絶的に素晴らしく、澤谷さんの才能を開花させたと思う。まだ釉薬をかけた作品がメインではあったけれど、僕は迷わず釉薬のかかっていない作品を複数購入した。

それから後の活躍は多くの陶芸ファンが知るところだと思う。無釉薬の作品がメインとなり、コバルトの濃度を変えてグラデーションを滑らかにし、青だけでなく黄、赤などの色数を増やし、複数の色の融合にも成功した。直近のパラミタ大賞展では真っ黒な作品にも挑戦して、見事に仕上げてきた。

ここからは「自分でも作る陶芸ファン」として、見ただけではわからない澤谷作品の凄さを書いておきたい。

まず、澤谷さんは自分で下地を作っている。この造形の完成度が高い。茶碗の地を親指と人差し指で挟んで、高台付近から縁までなぞっていくと、地の薄さと厚みの変化を感じることができるのだが、薄くて均一なのだ。なので、実際に持ってみると見た目よりもかなり軽く感じられる。「見た目重厚持って軽い」が僕の理想で、まさにど真ん中である。また、蓋物を見ると造形の精緻さもわかる。蓋がピタッとはまって、緩みがない。九谷だと船木大輔さんの造形が見事だが、澤谷さんも決して見劣りがしない。

次の凄さは、色数の量である。土に顔料を混ぜて色土を作っていくのだが、この顔料の種類や量によって焼成した時の収縮率が変わってくる。土の水分量を適切にしないと、焼いた時に剥がれたりヒビが入ったりする。濃度を変える、色数を増やすと言うのは簡単だが、陶芸作品として完成させるためには沢山の試行錯誤による条件検討が必要になってくる。これは澤谷さんのノウハウであり、それゆえに唯一無二の作品を世に送り出している。

そしてもう一つ見逃せないのが、焼成まで全部生土で作っていくという点である。土は焼くと10%程度収縮する。絵付けの場合は上絵でも下絵でも最初に素焼きして、下地を完成しておく。一方でいっちんは土の上に土でデコレーションしていくので、下地だけ素焼きするということができない。一緒に焼かないと、必ず剥がれてしまう。「焼かなければ良いだけ」ではない。生土は素焼きしたものと違って柔らかく、放っておけば水分が蒸発してひび割れるし、水分を十分にすればカビが生えるし、間違って触れれば変形する。生土はとてもデリケートなのだ。澤谷さんの作品はいっちんで飾り付ける全行程を生土で扱うので、途中で不具合が生じる可能性がとても大きい。

澤谷さんの作品はパッと見ただけでもデザインセンスが良く、誰でも楽しむことができる。その上で製作過程を知れば、誰にも真似ができない超絶技巧の結晶と理解できる。僕は、澤谷さんが陶芸分野で女性初の人間国宝になると思っている。今回のパラミタ大賞展は、そこまでの道のりの一歩になると良いと思う。
  

Posted by buu2 at 12:16Comments(0)澤谷由子

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2022年06月20日

たかを窯

常滑といえば個人的には岡モータースさんなのだが、その岡さんが教えてくれたのがたかを窯である。なんと、恐竜の作品が中心なのだ。初めて常滑に行ったので、もちろんたかを窯へ行ってみた。素晴らしい恐竜がいっぱいあって困ってしまったのだが、まずティラノサウルスを買ってみた。

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この迫力はすごい。恐竜陶芸の第一人者ではなかろうか。  
Posted by buu2 at 12:00Comments(0)たかを窯

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2022年06月17日

大平真己作陶展

我が家で一番使う頻度が高いのは大平さんの作品だと思う。

これとか。
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毎年梅雨のころに八重洲のT-BOXで作品を揃えた個展をやるので、今年も楽しみにしていた。今日が初日。パーキングメーターに空きがでるのを待っていたら開店ダッシュには間に合わなかったけれど、まだ良い作品が残っていた。

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とはいえ、僕も自分で作るし、大平さんは一の師匠でもあるので、すでに普通の皿はいっぱい持っている。どうしても大物か、ちょっと変わった作品を狙うことになる。

今回面白かったのはこの立体を組み合わせたシリーズ。

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と言いつつ、自分が買ったのはこっちだった。

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餃子皿サイズの大皿はいくつあっても困らない。

本当はこっちが良かったんだけれど、

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近いうちに引っ越しする予定なので、超大物は控えておくことにした。

『大平真己作陶展』
2022.6.17(金) - 6.21(火)
11:00 - 19:00 (土、日曜は17:00まで)

T-BOX
〒104-0028
東京都中央区八重洲2-8-10
松岡八重洲ビル3F
TEL/FAX 03-5200-5201
https://www.tbox.co.jp  
Posted by buu2 at 11:30Comments(0)大平真己

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腰越祐貴個展

腰越祐貴さんの個展が京橋の松森美術 京橋本店で開催されていたので開店ダッシュしてみた。彼に注目したのは比較的最近で、ギャラリー数寄や日本橋三越の企画展でときどき目にしていた。数寄さんに先に目をつけられるのは当然な部分もあるけれど、三越に先を越されたのはちょっと悔しい。

作風は爬虫類・両生類・甲殻類・昆虫などをモチーフにした陶器で、九谷の田畑奈央人さんに通じている印象をもつ。さらにルーツを辿れば宮川香山に行き着きそう。

これまでの作品を一望するには腰越さんのインスタグラムを見るのが良い。

https://www.instagram.com/yuuchyo1212/

腰越さんの作品の中で出色なのはなんといっても蛇の造形で、今回も目玉は蛇の作品だったと思う。これは大きさ的には茶碗。

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他に蛇の作品は数点あったのだが、二匹の蛇はこの作品のみ。とても良いと思う。もちろん即購入。

色彩と造形を同時に操れる作家はあまりいないので、今後の発展が楽しみ。  
Posted by buu2 at 11:00Comments(0)腰越祐貴

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2022年06月09日

パラミタ陶芸大賞展

パラミタ陶芸大賞展がはじまったので、見てきた。

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まず、池田満寿夫の陶彫「般若心経シリーズ」。

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それから、今年の候補者6人の作品を鑑賞。入場者がひとり一票を投票できるので、僕なりに評価してみた。基準は、技術力(工芸家としての技術力)、芸術性(美術としての評価)、独創性(過去に同じような作家がいたかどうか)、時間(これまで陶芸家として投入してきたと思われる時間)、発展性(今後の発展性)、成熟度(技術的な成熟度)、迫力(作品から感じる迫力)について☆3満点で評価して、☆の数を合計してみた。

Aさん
技術力 判断不能のため☆1つ半
芸術性 ☆☆
独創性 ☆☆☆
時間 判断不能のため☆1つ半
発展性 判断不能のため☆1つ半
成熟度 判断不能のため☆1つ半
迫力 ☆☆☆
14点

Bさん
技術力 判断不能のため☆1つ半
芸術性 ☆☆☆
独創性 ☆
時間 判断不能のため☆1つ半
発展性 ☆☆
成熟度 ☆☆
迫力 ☆☆
13点

Cさん
技術力 判断不能のため☆1つ半
芸術性 ☆
独創性 ☆☆☆
時間 判断不能のため☆1つ半
発展性 ☆☆
成熟度 ☆
迫力 ☆☆
12点

Dさん
技術力☆☆
芸術性☆☆
独創性☆
時間☆
発展性☆☆☆
成熟度☆☆☆
迫力☆☆☆
15点

Eさん
技術力 判断不能のため☆1つ半
芸術性 ☆☆
独創性 ☆
時間 ☆☆
発展性 ☆☆
成熟度 ☆☆
迫力 ☆☆
12.5点

澤谷さん
技術力 ☆☆☆
芸術性 ☆☆☆
独創性 ☆☆☆
時間 ☆☆☆
発展性 ☆☆☆
成熟度 ☆☆☆
迫力 ☆☆
20点

ということで、僕は澤谷さんに投票した。次点はDさん。CさんとDさんは、今年じゃなくて3年後ぐらいだったんじゃないかなぁ。

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Posted by buu2 at 11:00Comments(0)陶磁器

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2022年03月26日

うつわノート 「山本亮平・平倉ゆき展 白瓷のアティチュード」

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終了間際だったので、だいぶ売れてしまっていたみたい。  
Posted by buu2 at 13:30Comments(0)陶磁器

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2022年03月10日

千葉県産牛ヒレステーキ

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ステーキも肉屋やスーパーで買って来て自分で焼くのが安上がりで良い。つまらないファミレスのつまらない肉で焼いたステーキでも1000円以上はするんじゃないかな。

(僕のレベルでは)ハイエンドの、鵜飼亭で食べるようなステーキは別にして、まぁまぁのステーキを食べたければ自宅調理がおすすめ。この肉で734円。

ちなみに焼き方だけど、片面からしっかり焼いて、裏返してちょっと焼き目をつけてできあがり、という焼き方と、まめに何度もひっくり返して、少しずつ焼いていく焼き方があるみたいだけど、僕は前者を採用。落合シェフがそうやって焼いていたから。

なお、器は大平真己師匠。  

大平真己さんの企画展狃佞里Δ弔錣泙弔雖瓠池袋西武7階

師匠が池袋西武の企画展に出展中ということで行って来た。

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「余った粘土でちょいちょいっと作ったのかな」と想像するパンダの箸置きが可愛かったのでHoltby隊員に買ってあげた。おかげで、箸置きが巨大化した。

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僕のせいではない。

3月15日まで。  
Posted by buu2 at 13:30Comments(0)大平真己

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2022年03月05日

牟田陽日展「絵の器」

日本橋三越での牟田さんの個展。

くじらを描いた「えびす」は一番人気のモチーフとあって数が多かった。僕はすでにいくつか持っているので、個人的に良いなと思ったのは「金えびす 紅波 茶碗」という赤い波に金のくじらの茶碗。

その他では、最近始めたような志野に絵付けした蟹の茶碗の「石蟹沢蟹志野碗」。それから、我が家のHoltby隊員が大好きな恐竜を描いたシリーズの中から「トリケラトプス茶碗」。

今回の個展の個人的トップ3はこの3つ。一番好きなのは蟹かな。

なお購入は全作品抽選で、すでに結果が出ていて、僕ははずれ(苦笑)。最近は全く当たらない。

3月7日が最終日。最終日は17時まで。  
Posted by buu2 at 12:42Comments(0)牟田陽日

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2022年02月28日

澤谷由子陶展 露の絲

今や、最も入手しにくい陶芸家の一人になってしまった澤谷さんの個展が三越であったので、初日の朝イチに見て来た。

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販売は抽選なので、朝イチに行っても別にメリットはないのだが、こういうのは気分の問題である。初日の朝イチに見るのが一番楽しい。

今回の見どころは去年あたりから作り始めた「白黒」と、カラーのグラデーション、それと案内状に掲載されている大物(澤谷さんとしては)だろう。

どれも、完成品が素晴らしい出来栄えなのは当然なのだが、これらの価値は製作の難しさにある。見た目よりも格段に製作の難易度が高いというのは、実際に作ってみないとわからないので、コレクターにはなかなか理解してもらえない。

澤谷作品の難易度の高さは、いっちんの工程を含めて、成形段階が全部生土であるということによる。上絵であれば釉薬をかけてから描くことができるので、焼く回数は増えても、リカバリーが効く。下絵だと絵付のリカバリーは困難だが、器自体は素焼きしてあるので、土が乾いてしまって固くなったり、ヒビが入ったりということはない。ところが澤谷さんは素焼きしてない生土にいっちんで模様を描いていくので、その工程の中で器が変形したり壊れてしまうリスクがある。実際、作っていたら途中で壊れてしまったというケースは少なくないと思う。展示されている作品は、運良く完成まで行き着いた作品たちだ。

難易度とは違うのだが、澤谷作品のもう一つの凄さが、蓋物のフィット具合である。土は焼くと必ず収縮するので、水と土が均等に混ざっていないと変形する。また、均等に混ざっていても、釜の火の回り方でも温度にムラが生じて、その結果、器に歪みが生じる。蓋物に歪みが生じると、蓋をしたときにぴったりあわなくなってしまう。澤谷作品は、この歪みがとても少ない。

生まれ持ったセンス、卯辰山工芸工房で身につけたスキル、そして妥協を許さないこだわりの結晶と言える。

今回も抽選に外れたので、狙っていた作品は購入することができなかった。牟田陽日さんと同じで、もう今後は二度と購入できないかもしれない。人気が出る前に色々買っておいて良かった。

ところで今回の三越の抽選方法は非常にいただけないやり方だった。抽選方法がまずいので複数の作品が売れ残り、二次抽選に回ってしまった。これを買いたい人は二回、三越に行く必要があった。抽選での当選者の購入日は土曜日だったので、僕のようにスタート直後に行った人間は三回行く必要が生じかねない。僕は初日に行って、一次抽選でははずれて、二次抽選には用事があって行くことができなかった。コロナもあって、そもそも日本橋まで出かけるのは避けたい状況だったことを考えれば、三越の対応は最低だったと思う。

三越伊勢丹のスキーチームの一員として10年以上大会に参加して来ている僕ですらこう感じるのだから、外部の人ならなおさらだろう。もうちょっと頭を使って欲しい。  
Posted by buu2 at 13:44Comments(0)澤谷由子

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2022年02月10日

のみよし 干支ボトル2022

今年の焼酎。福島礼子さん監修の九谷焼ボトル。

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最近はお酒をさっぱり飲まなくなったので、一年かけてこのボトルを一本開ける感じ。  
Posted by buu2 at 00:00Comments(0)有生礼子

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2022年01月31日

福島武山作品集「赤の極み」

ギャラリストによっては僕のことを「九谷焼のコレクター」と認識している人もいるけれど、実際、九谷の焼き物は多分僕のコレクションの中で一番多いと思う。その、いっぱい持っている九谷焼の中で、さらに一番いっぱい持っているのが福島武山さん一門の赤絵作品だと思う。

その武山さんが作品集を出したので、買ってみた。

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最初から最後まで見てみると、武山さんの描いて来たテーマの幅広さに驚く。これも良いなぁ、あれも良いなぁ、と思いながら見たのだが、やはり一番好きなのは弁天様だな。

https://www.amazon.co.jp/gp/product/4875866283/ref=as_li_qf_asin_il_tl?ie=UTF8&tag=returnofthema-22&creative=1211&linkCode=as2&creativeASIN=4875866283&linkId=77c71df588c25d60cd177d51a89b831e  
Posted by buu2 at 11:30Comments(0)福島武山

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2022年01月24日

岡モータース 「とらの巻きを受け継ぐ人(三代続く菓子屋の娘)」

岡モータースさんが愛知のHaseさんでやっていた「トラからはじまるエトセトラ」で、今年最初のモータースの一台をゲット。

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寅年ということで、「とら」で始まる作品を集めた展示だったのですが、これは

「とらの巻きを受け継ぐ人(三代続く菓子屋の娘)」

という作品。

物語が見当たらないので、僕が勝手に作ります。

ここは浅草で三代続く和菓子屋。でも、雑誌に載るような店ではなく、地元の人に愛され続けて80年。彼女はその店の当代の一人娘です。年齢は25歳。大学を卒業して、一般企業に就職したのですが、早々にコロナ禍で在宅勤務となりました。それが2年前。リモートで会議に出たり仕事をしていて、これまで興味が持てなかった家族たちの仕事を目にするようになりました。おやつはいつも自前の和菓子。この和菓子が素晴らしいのです。毎日、違った生菓子を食べさせてくれるのですが、横に解説を書いた小さな紙がついています。「春になると、雪山では雪が溶けて、植物たちが芽を出してきます。このお菓子は、その様子を、白のそぼろと細く切った緑の羊羹で表しました」など。彼女はお父さんに「私もこの仕事をやりたい」と伝えたのですが、頑固な3代目は「それはだめだ」の一点張り。ふたりは全く口をきかなくなってしまいました。困ったお母さんが「じゃぁ、どこかのお菓子屋さんで修行をしてみなさい。3年間つづけることができたら、うちに戻って来てもいいわよ」と代案を出してくれました。翌月、会社を退職した彼女は、赤坂の有名老舗「とら屋」で働き始めました。と、思ったら、そこはおっちょこちょいの彼女。彼女が働き始めたのはとら屋の隣の洋菓子店「LeTiger」でした。さて、3年後、彼女はどうしているでしょうか。それは3年後のお楽しみ。


#申し訳ありません。岡モータースさんのインスタグラムに公式のストーリーがありました(^^;。

トラからはじまるエトセトラ
https://www.instagram.com/p/CY9W0SDPUiE/?utm_source=ig_web_copy_link

こちらは、スパイダーマンのマルチユニバースみたいな位置付けで。  
Posted by buu2 at 16:43Comments(0)岡モータース

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2022年01月07日

これはティラノではない

我が家のHoltby隊員(3歳7ヶ月)にもそろそろ焼き物を使わせようと思い、上等なティラノサウルスの染付けのカレー皿をプレゼントしたところ、「これはティラノじゃないよ。ティラノは二本指だから」というありがたいお言葉をいただいた。なるほど。

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Posted by buu2 at 13:30Comments(0)伊藤幹浩

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2021年12月22日

日本橋三越 2021 酒器展

米国にいたり、コロナだったりで、最近は酒器展にくるのも一年おき。その間に抽選制になったりして、色々様変わりした。昔は開店ダッシュで息を切らせて、会場に駆けつけるのが楽しかったのだけれど、今は恒例だった殺伐とした雰囲気はかけらもない。

僕は11:30の回からだったけれど、混雑が嫌だったので、11:45ぐらいに到着。係の人はあれ?という反応だった(笑)。目当ての作家さんは半分ぐらい残っていてラッキー。

4つほどいただいて帰宅。作品はそのうちブログで紹介する。でも、今、僕が注目している作家さんは教えてあげない。牟田さんも、澤谷さんも、完売作家さんになってしまって、僕が自分で買えなくなってしまった。いっぱい買ってから教えることにする(笑)。  
Posted by buu2 at 12:30Comments(0)陶磁器

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2021年12月04日

うつわノート 祈りのミニアチュール 九谷五人展

澤谷由子・西野美香・木戸優紀子・早助千晴・架谷庸子の五人によるグループ展。

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ほんの数年で超売れっ子作家になってしまった澤谷さんが本展の目玉。他の四人が見劣りするというよりは、澤谷さんの技術が傑出している。なにしろ、いっちんでここまでやるか、という凄さがある。加えて、デザイン力と造形力も高い。

知名度が低いうちにいろいろ買っておいて良かった。  
Posted by buu2 at 12:00Comments(0)澤谷由子

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2021年11月30日

豚の生姜焼き 皿は牟田陽日さん

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Posted by buu2 at 19:30Comments(0)料理

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2021年11月10日

IKEAで買ったフライパンで餃子を焼くテスト

フライパンの熱の伝わり方が良くわかるので、餃子を焼いてみた。

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ちょっと中央に熱が偏るところはあるけれど、今まで使っていたフライパンより格段に均等に熱が伝わる。やっぱり、350円のフライパンじゃダメだね(笑)。これを機に、これからはフライパンにも気を配ることにする。  
Posted by buu2 at 21:00Comments(0)料理

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花器

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Posted by buu2 at 13:00Comments(0)元木屋銀一朗

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2021年09月21日

盛り付けを意識した豚の生姜焼き

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ひとこと言っておくと、この皿は牟田陽日さんの作品。  
Posted by buu2 at 20:00Comments(0)料理

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2021年08月10日

秋刀魚用の皿で食べる秋刀魚の開き

秋刀魚が1匹そのまま乗せられる皿を作ったのに、実際は他の料理に使うことが多い秋刀魚皿。可哀想なので、ちょっと季節外れだけど秋刀魚の開きを買ってきて乗せてみた。

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今年は秋刀魚が豊漁だと良いけれど、どうなのかな。  
Posted by buu2 at 19:30Comments(0)料理

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2021年05月28日

加守田章二 天極をさす

コレクター仲間がTwitterで絶賛していたので、益子陶芸美術館へ観に行ってみた。

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いやーーー、これはすごい。数年ごとに作風がガラッと変わるのだけれど、そのそれぞれの意匠と、それを実体化させる技術がすごい。天才が複数でそれぞれの作風を担当しているのではないかと思ってしまう。

まず、若い頃の作品がすごい。飴釉をこんな風に操れたら楽しくて仕方ないだろうな、と思わされた直後に、異常なまでに大胆で、かつ計算された面取花瓶に圧倒される。

立体の構造に対するセンスと、その立体に模様をつけるセンスと、両方がすごい。そして、そのセンスは最後まで衰えることがない。

小さい高台と、そこへと誘導する造形の素晴らしさには感心するばかり。その一端はチラシに使われている皿の写真からも垣間見ることができるかもしれない。とにかくかっこいい。

特に壺に好きな作品が多かった。

焼き物の自分なりの評価の基準は「自分でも模倣品を作れるか」というのがある。見ても真似できないものは素晴らしいと思う。そして、加守田作品は、そのほとんどが「これは真似できない」という作品だった。それも、いざやってみたら難しかった、というものではなく、ひとめ見て「これは無理」という作品ばかりなのだ。

いやぁ、すごい人がいたもんだ。

「天極をさす」というタイトルも良い。

なお、写真撮影不可というのは残念でならない。焼き物なので、壺のような大きな作品以外は本当は手に持たせて欲しかったけれど、それが無理だとしても、写真ぐらいは好きな角度から撮影させて欲しかった。  
Posted by buu2 at 13:00Comments(0)陶磁器

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2021年05月27日

今日の馬刺し

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器だと、銀閣の方がずっと映える。金閣ももっと寄った絵を描けば良いのかな。  
Posted by buu2 at 20:30Comments(0)料理

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2021年05月20日

器は大事

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箸も自作できるようになると良いなぁ。  
Posted by buu2 at 13:00Comments(0)元木屋銀一朗

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2021年05月10日

澤谷由子さんの玉盃

澤谷さんは初期の個展からずっと注目している作家さんだが、良い作品を出してくる打率が滅茶苦茶高いのが特長である。まさに信頼のブランド。「今回はちょっと冒険してみたのかな」という感じを受けることがない。かといって、新しい挑戦をしない保守的な作家ということでもない。この数年でも玉盃に挑戦し、無釉に挑戦し、カラーバリエーションに挑戦してきた。そして、どれも成功してきた。おそらく品質オタクなのだろう。

今回購入したのは赤い玉盃。いっちんによるグラデーションが見事で、その滑らかさは三代目徳田八十吉さんの器を見るようである。













そして、見ただけではわからない長所がその軽さである。手にするとその軽さに驚く。澤谷さんは下地も自作する作家さんで、軽さへのこだわりも感じられる。僕は玉盃コレクターなので色々な作家さんの玉盃を持っているのだが、一番軽いと思う。コレクションだけでなく、ここまで薄く軽い玉盃は九谷では記憶にない。そもそも、玉盃の下地を自作している作家さんも多くないのではないか。見た目より遥かに軽いというのは、手に取ることができる美術品だからこそアピールできる魅力である。

色を付けるには磁気土に絵の具を混ぜる必要がある。僕は陶土でしか経験がないのだが、絵の具を混ぜると土が硬くなり、ひび割れしやすくなる。恐らく磁器土でも似たようなことが起きるだろう。焼いてみたら割れてしまった、という事態は陶芸家としては一番がっかりすることなので、可能な限り避けたい。そこへあえて突っ込んでいくところに澤谷さんのオタク根性を感じる。

澤谷さんの技術はいくらでも応用がきく。以前写真で見せてもらったバルタン星人も、大皿も、出来栄えは見事だった。新しい色を手に入れて、次に何を作るのか楽しみである。
  
Posted by buu2 at 16:01Comments(0)澤谷由子

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2021年05月09日

吉村茉莉 茶碗「萌紅」
















割と軽い気持ちで酒器を買うのと反対に、茶碗を買うときは慎重に選ぶ。「見た目重厚持って軽い」のが一つの基準だけれど、もっと大事なのは「その作家の代表的なモチーフとなりうるか」「10年後でも飽きずに楽しめるか」といったことである。例えば、牟田さんの茶碗なら「えびす」を選ぶ。

そういう選び方をするので、僕が持っている茶碗は実はそれほど多くない。高柳むつみさん、大石さくらさん、河端理恵子さん、池田省吾さん、正親里紗さん・・・などなど。酒器に比較すると全然持っていない。

そうやって慎重に選ぶのだが、今回の吉村さんの「萌紅」という作品は写真で一目見て購入を決めた。そのあと、実際に手にしてみて一番感心したのは最後の写真の、べんがらでベタ塗りされている部分である。触ってみるとわかるのだが、茶碗一周にわたって盛り上げて成形されている。実際に土をいじってみると、こういう細工がとても難しいことがわかる。この辺は卯辰山工芸工房時代に身につけた技術なのかも知れない。うわー、描くだけではなく、下地からすごく丁寧に作っているんだな、と思う。

加えて、釉薬の掛け方を工夫して貫入の入り方を変えてみたり、表芸の赤絵細描が見事だったりと、持っている技術を片っ端から注ぎ込んでいる印象を受ける。こういう、工芸を突き詰めて美術の領域に踏み込んだ作品が好きである。

これは良いものだ。

  
Posted by buu2 at 17:16Comments(0)吉村茉莉

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2021年05月08日

福島武山 飾皿

武山さんの飾皿を入手。

実は、ずっと前から武山さんの弁財天の作品を欲しいと思っていた。最初に見たのは平成記念美術館で開催された福島武山展で、以後、いつかは弁財天、と思っていた。最後に見たのは池袋東武で開催された「現代九谷陶芸展」だろうか。このときは縁がなく購入できずに終わった。そして、5年ぶりぐらいに、柿傳ギャラリーで武山さんの弁天さまを見つけたのである。
















かなり長い時間、購入するか悩んだのだけれど、ここで躊躇していると、次のチャンスはまた5年後かもしれない。そういうわけで、我が家にやってくることになった。  
Posted by buu2 at 13:00Comments(0)福島武山

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2021年05月07日

柿傳ギャラリーのこと

コロナの時代になって、世の中の色々な仕組みが変更を余儀なくされてきた。ギャラリーもそのひとつだろう。ギャラリーの一般的な機能はアーティストと一般生活者の接点を作ることで、アーティストの育成までを担っているギャラリーも少なくない。

出口側で「多くの人に美術品を紹介する」という機能があるのだから、”人を集めてはいけない”という今の状況は、決して好ましい環境とはいえない。そんな中で、どこのギャラリーも適度なバランスを模索している。

今、僕が美術品を購入するギャラリーは関東に限られてしまっている。そんな中のひとつ、柿傳ギャラリーから九谷の焼き物が三点届いた。偶然、赤い作品が3つである。

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それぞれの紹介は別エントリーに回すとして、このエントリーでは柿傳ギャラリーについて書いておきたい。といっても、ギャラリーのあゆみについては公式サイトの「店主ご挨拶」に書かれているので、僕が書くこともない。

柿傳ギャラリー 店主ご挨拶

書きたいのは、主にコロナ下での運営についてである。

今回、僕は3つの作品を購入したけれど、初日にギャラリー前に行列したわけではない。かといって、お得意様として事前に優待購入したわけでもない。展示、販売の数日前に出品される作品のそれぞれに、非常に質の高い写真を公開してくれて、初日の開場と同時に電話での注文を受け付けてくれたのである。写真で見ただけで作品の質の全てを知ることはできないのだが、それぞれの作家さんの過去の作品を見てきていれば、おおよその見当はつけることができる。そこから先は運次第である。当然、開店と同時に入店したお客さんもいたはずで、一番有利だったのはそういった現地組だったのは間違いない。しかし、電話組にもチャンスは残されていた。

僕は開店直後に電話をかけて、幸運にも比較的早い時間に電話がつながった。おかげで、「これが欲しい」と思った作品を購入することができた。

ギャラリーには、あくまでも行列してくれた順番に販売する店もあるし、先着順にせず抽選を実施する店もある。

人気作家だと転売目的の客が大量購入を目指して、大勢のバイトを雇ってバスで駆けつけることもある。本当に欲しがっている人に公平に販売するために、多くのギャラリーが知恵を絞っている。しかし、どういうやり方をしても、何かしらの問題が起きる。完璧な販売方法は見当たらないのが現状である。ただ、コロナ下で移動と密集を避けるためには、柿傳ギャラリーのようなやり方はとてもありがたい。現場のお客さんと、電話とで、開店直後のギャラリーは慌ただしかったと思う。それでもこうした対応をしてくれたことには頭が下がる。

#ちなみに前回の電話予約では僕は電話が繋がらず、あるいは別の展示での超人気作家の場合は抽選が行われ、これは当然ながら当たったりはずれたりである。

柿傳ギャラリーのもう一つの良いところは、写真の撮影に寛容なことだ。最近こそ、三越などの有力デパートでも撮影が可能になってきたのだが、柿傳ギャラリーは僕が行くようになった頃から撮影可能だった。写真を保存しておけると、作家の作品と価格のデータベースを作ることができる。これは作品を購入する際に大きな助けになる。

写真を撮ってはいけないというのはギャラリーだけでなく日本の美術館でも普通に見かける謎ルールなのだが、写真をネットに載せられたとしても大きな不都合はないはずだ。柿傳ギャラリーでは客の撮影について過去の慣習にとらわれず、合理的に考えているところが良い。

ギャラリーには良いところもあれば悪いところもある。「ここではどんな作家を扱おうとも、二度と買い物をしない」と思っているギャラリーもあるのだが、逆に「知らない作家さんだけど、このギャラリーで扱うなら面白い作家さんだろう」と思うギャラリーもあって、僕にとっての柿傳ギャラリーは後者の代表的な存在である。

今はなかなか新宿へでかけることができない。でも、ギャラリーとしては実際にお客さんに来てもらえるのが一番のはずだ。コロナがいちだんらくしたときは、まめに通いたいと思う。運営は苦しいと思うのだが、ワクチンが行き渡って、ある程度安心して街を歩けるようになるまで頑張って欲しい。  
Posted by buu2 at 18:11Comments(0)陶磁器

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2021年04月14日

高柳むつみ展

最近は収納場所が残り少なくなってきて、個展のたびに初日に開店ダッシュする作家さんも少なくなってきた。高柳さんはそんな作家さんのひとり。しかし、高柳さんは東京在住ではないので、個展、グループ展とも関西で開催されることがほとんど。関東での個展は数年に一度しかない。今回はそんな貴重な都内での個展だったので、日本橋の高島屋まで車で向かった。

僕は高柳さんの作品の魅力はある程度大きな作品の方がアピールしやすいと考えていて、僕としては珍しく酒器ではなく茶碗を中心に購入してきた。今回も、大きい作品をまずチェック。

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オブジェは相変わらずの切り口の滑らかさで、見事な造形美である。

続いて、茶碗を中心に、中ぐらいの大きさの作品をつらつら。
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本当は大きいオブジェが欲しかったのだけれど、今は家にHoltby君という理屈の通じない小悪魔がいるので、家に置いておくのは厳しい。しかし、飾ることができないのでは作品がかわいそうだ。ということで、今回は小さめの作品を3点購入した。

後日、箱とともに受け取ることになっているので、手元に届き次第写真で紹介したい。

2021年4月14日〜20日まで。日本橋高島屋SC 本館6階 美術工芸サロンにて(最終日は16時閉場)

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Posted by buu2 at 15:00Comments(0)高柳むつみ

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2021年03月07日

柿傳ギャラリー「KUTANIの新しい風 供

柿傳ギャラリーで開催中の「KUTANIの新しい風 供廚鮓てきた。

今日は福島武山さんが在廊ということで、久しぶりにご挨拶できて良かった。武山さんの無釉の大きい作品をひとつ欲しいと思っているのだけど、こういう展示ではいつも「僕のではなく若い人のを買ってあげてください」と言われてしまい、なかなか購入できずにいる。

まず、ずっと応援している井上さん。山翡翠の茶碗がなかなか良く描けていて好み。井上さんの芸風はカワセミよりヤマセミである。ただ、この茶碗でお茶をたてると、絵が傷ついてしまう。お皿なら注意して使えば良いのだが、お茶碗の内側の中央近くに掻き落としで絵を描いてしまうと、少々実用性に欠ける。この辺が井上さんの掻き落としという表看板の難しいところである。

田畑さんは最近は河端さんとタッグを組んでいくつか作品を出してきている。二人とも技術があって評価も高いので、コラボだとどうしても高くなってしまう。高い価格の分の相乗効果があると良いのだが、今のところ二人のコラボによって新しい価値が創出できているかは疑問である。もう少し、熟成するのを待つ必要がありそうだ。

ここ2、3年、茶碗は「今後10年はその作家の代表的意匠になる」と考えられる作品だけを買うようにしている。そういう意味で、今回、吉村さんが投入してきた茶碗は、吉村さんのここ数年の代表作となっている「口吸い」に並ぶ表看板になりそうな作品だった。

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造形を調整することで貫入の入り方を調節しているのだろうか。実物をじっくり触って検証してみたくなる。貫入にも色がついていて、この辺の手法も興味深い。成形段階から完成形をイメージして、そこに近づいていくように作業していると想像される。そして、透明釉をかけて焼いたのち、吉村さんの看板である赤絵を施している。焼き物を見た時の一つの評価軸として、「自分でも真似できるかどうか」ということがあるのだが、今回の吉村さんの茶碗はいくつもの「真似できない技術」を積み重ねていて、異次元の存在感を放っていた。

このところ購入することの多い澤谷さんは、いっちんの技術の高度化と、色のバリエーションが見所になっていた。例によってほぼ完売状態だったのだが、ほぼ唯一売れ残っていた濃紺の茶碗も、とても良くできていた。色から見て、土の段階でかなりの量のコバルトを混ぜているはずで、「焼いてみたら割れていた」という陶芸家泣かせの、歩留まりのわるい作品と想像できる。この茶碗が売れ残っているということは、おそらくそういう「難しさ」が理解されていないのだろう。これは仕方のないことだが、作るのが難しいということは希少性が高いということで、こういう隠れた名品は良い目利きのところに買われていくに違いない。

今川朋美さんという作家さんはあまりじっくり見たことがなかったのだが、とても可愛らしい漫画、イラスト系の絵付けをする作家さんで、作品には味があった。あの画風が好みの人なら、セットで食器を揃えても良いかもしれない。

今回、もう一人作品を見るのが楽しみだったのが早助千晴さんという作家さん。どうも、今回は一番最初に売約となった作家さんのようだ。方向性としては福島武山一門や上端伸也さんのような対称性のあるデザインを描いていた。技術があってセンスが良さそうなので、今後の活躍が楽しみである。

実は、武山さんの作品にも欲しいものがいくつもあったのだが、今回は若手の作品を購入することにした。以前からずっと欲しいと思っている図柄があって、今回は珍しくその作品があったのだが。いつか、縁があると良いと思う。  
Posted by buu2 at 12:30Comments(0)陶磁器

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2020年08月22日

牟田陽日作品集 美の器



ようやく牟田さんの作品集が送られてきた。紙質、発色が良く、被写界深度の深い撮影で、全体像を把握しやすい。牟田さんの作品は360度、ぐるっと見てみないと面白さを堪能できないのでありがたい。一通り見てみた限り、掲載された作品はアート路線の作品がほとんどで、工芸色は薄い。牟田さんはアート領域から工芸の世界に飛び込んだ人で、徐々に工芸の殻を内側から砕いて巨大化し、工芸の破片を纏った美術に進化してきた。そういう牟田さんの今を表現すると、こういう構成になるのだろう。

僕が見てきたこの5年ぐらいでの牟田さんの進化の例をいくつか挙げてみると、六本木のイケヤン★展(2015)での下絵の導入、うつわノートの個展での大々的な赤絵の導入(2016)、館・游彩のグループ展(2016)での油彩のような表現の導入などで、いつも新しいことに挑戦してきた印象がある。その挑戦の最初の段階では、「今回はまだちょっといけてないので、買わないでおこう」とペンディングにしたこともあるのだが、油断しているとあっという間に自分のものにしてしまう。特に下絵の導入は非常にうまく消化していて、以後の牟田作品に厚みを出したと思う。器用さはもちろん持ち合わせているのだが、基礎的な勉強をしっかりやっているのだろう。キュビズムの作家が普通の絵を描かせても上手なのに通じるところがあるのではないか。

今回の作品集は2015〜2016年の試行錯誤の期間から後のものが多く、時系列で並べていないので、そういう進化の過程まではなかなか読み取れない。しかし、進化の過程でこっそり引き出しに仕舞われていたはずのかつての表看板も、時々顔を覗かせている。それはゼットンとか、キングジョーとか、ペギラとか、過去の怪獣が良い具合に登場してくる「ウルトラマンZ」を見る楽しさみたいなものだ。そういうところは5年以上前からのファンには嬉しいところである。

牟田さんの器は、今や高価すぎて使い難いこともあるけれど、名称が器であっても、使うというよりは絵を描くための素材となってきている。創作の過程を見ていないので、まず描きたい絵があって、それを実現できる形を作るのか、まず形があって、それに合った絵を描くのかはわからない。ともあれ、形と絵が融合していて、用途はそれほど重視されていない印象を受ける。牟田さんは、基本的に絵と色で勝負するタイプの作家さんだと思う。だから、活躍の場を九谷にしたのかもしれない。

とはいえ、牟田さんが形状を軽視しているわけではない。牟田さんの作品は歪んでいることが少なくないのだが、蓋物の蓋はぴったりはまるので、適当に作っているのではない。牟田さんの感性ではその形が必然なのだろう。そして、その形の上に、きちんと自分の意匠を表現する技術を持っている。やってみればわかるのだが、平らではないものの表面に絵を描くのはとても難しい。形状が不規則であればなおさらである。でこぼこの面に、筆で太さが均一の線を引くのは至難のわざである。

絵でいうと、犬などの四つ脚動物を描けば応挙、龍を描けば暁斎、鯨を描けば国芳、波を描けば北斎、鶏や花を描けば若冲といったいった具合に、過去の巨匠の影響が大なり小なり見て取れる。最近の作品からは特に若冲の影響が強いと感じる。きっと、色々な名作をじっくり鑑賞しているのだろう。もちろん、作品にするときは物真似ではなく、牟田さんなりに消化して、自分の作品に昇華している。科学も、医学も、芸術も、過去に学ぶのは恥ずかしいことではない。名作の技術や表現を細かく分解し、牟田流に再構築しているのだろう。僕は具体的に何人かの巨匠の名前を挙げたけれど、見る人によれば全然違うかもしれないし、牟田さん本人から「違いますよ」と言われるかもしれない。

コレクターの好みは変わっていく。同時に、作家の作風も変わっていく。この、好みと作風が交差する瞬間に「購入」という行動が発生する。そのあと、コレクターの好みの変化と作家の作風が一致して同じ方向へ変化していく保証は何もない。僕の好みと牟田さんの作風が交差したのは約6年前だろうか。これから牟田さんがどこへ向かうのかは分からないのだが、僕が日本にいなかった3年間を中心に、牟田さんの今を知ることができて、とても良い作品集だった。最近の牟田さんの個展ではいつも開店即完売なので、牟田さんの今の作風を受け入れる人は大勢いるのだと思う。そういう人たちにとっても、コレクションの方向付けと目の保養という2つの意味で、役立つ作品集だと思う。また、一品物の陶芸作品は個人蔵になるとなかなか見る機会がないので、こういう書籍が販売されることは本当に嬉しい。

才能、技術、閃き、努力を俯瞰できる本になっていた。そして、この気まぐれな作家が、これからどんな方向へと向かうのか楽しみにさせてくれる一冊だった。

以下余談である。

僕が最初に牟田さんの作品を買ったのは2014年の10月。

牟田陽日さんの猪口
http://buu.blog.jp/archives/51456206.html

確か15000〜18000円ぐらいだったと思うけれど、ロクヒルと六本木の駅を二往復して散々悩んだ末に購入した。その時は、陶芸作品に1万円以上払うなんて、清水の舞台から飛び降りるような話だった。わずか7年弱で色々変化したものだが、この時までに知っていた若手の作家さんは吉島信広さん、井上雅子さん、川合孝知さん、田畑奈央人さんあたりで、みんな今でも好きだし、実生活で使っているものも少なくない。第一印象でピンとくるものなんだと思う。そういう意味でも、ほとんど知識のない僕に高いハードルを越えさせた牟田さんの才能というのは凄いのだろう。
  
Posted by buu2 at 15:16Comments(0)牟田陽日

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2020年03月16日

花入れ

菜の花が咲いていたので、花入れに飾ってみた。








  
Posted by buu2 at 15:30Comments(0)元木屋銀一朗

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2020年03月12日

久しぶりの板造り

結構手間がかかるのに、重ねることができずに収納が面倒ということで、滅多に作らない四方皿。こんな時期なので、作ってみることにした。

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Posted by buu2 at 18:30Comments(0)元木屋銀一朗

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2020年03月04日

井上雅子さんの鳳凰の角皿







これも、だいぶ前に買ってあって、ブログで紹介していなかった作品。いつも見えるところに飾ってあるお気に入り。  
Posted by buu2 at 19:45Comments(0)井上雅子

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2020年03月03日

井上雅子さんの龍の鉢

随分前に買ったのに、写真で紹介してなかった陶磁器シリーズ。













井上さんは色々なタイプの龍を描くけれど、個人的には初期の頃から描いているこのタイプの龍が好き。  
Posted by buu2 at 00:49Comments(0)井上雅子

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2020年03月01日

鯉江良二 引出し黒 壺














  
Posted by buu2 at 00:40Comments(0)鯉江良二

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2020年02月29日

鈴木爽司さんの水指










写真で見ると小さく見えるけれど、水指なので実物は結構大きくてどっしりしている。  
Posted by buu2 at 00:35Comments(0)鈴木爽司

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2020年02月28日

福島武山 赤絵茶碗

随分前に買ったのに、写真で紹介してなかった陶磁器シリーズ。








  
Posted by buu2 at 00:55Comments(0)福島武山

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水元かよこさんのぐい呑 未知











  
Posted by buu2 at 00:32Comments(0)水元かよこ

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2020年02月27日

吉村茉莉さんの金魚の花入








  
Posted by buu2 at 00:29Comments(0)吉村茉莉

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2020年02月26日

河端理恵子さんの赤絵華文茶盌

買ってあって、ブログで紹介していなかった茶碗。










最近ちょっとご無沙汰なんだけれど、近々、作品を見る機会がありそう。  
Posted by buu2 at 23:49Comments(0)河端理恵子

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2020年02月25日

野中春利(しゅんり)さんの花器

師匠の師匠、野中さんの花器を入手。







磁器もろくろも専門外なので、この器の本当の価値は理解できないのだけれど、とても良い形なことはわかる。  
Posted by buu2 at 23:41Comments(0)野中春利

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田畑奈央人さんの蟹のぐい呑

随分前に買ったのに、写真で紹介してなかった陶磁器シリーズ。








  
Posted by buu2 at 00:57Comments(0)田畑奈央人

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2020年02月24日

中川自然坊 刷毛目唐津 湯呑

とんかつ屋さんに自然坊というお店がある。

自然坊
http://buu.blog.jp/archives/51511487.html

このレビューを読むとわかるけど、なかなか美味しかったとんかつ以上に、器に驚いてしまった。そして、その店で使っている器が中川自然坊さんの作品だった。残念ながら、それを知ったときには自然坊さんはすでに亡くなられていたのだけれど、彼の作品は時々オークションに出品されるので、好みの器を見つけると、予算の許す範囲で買っている。この湯呑みはそんな中の一つ。





  
Posted by buu2 at 21:19Comments(0)中川自然坊

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2020年02月23日

本多亜弥さんの染付入れ子鉢 青紅葉
















染付の名人、本多さんの入れ子鉢。この人、成形も自分でやっちゃうんだよね。すごい。  
Posted by buu2 at 17:07Comments(0)本多亜弥

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2020年01月29日

今日の絵付け

九谷のある陶芸家から下絵用の筆を2本プレゼントしていただいたので、早速使ってみた。

描いたのはご飯茶碗。













本焼きの前に写真を撮ると、下手なのがわかってしまう(汗)。線を引く練習をしたほうが良いんだろうな。筆に含ませる呉須の量の見当がつくようになってこないと。  
Posted by buu2 at 15:30Comments(0)元木屋銀一朗

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2019年12月28日

あなたに、九谷。九谷焼ガッチャン|GOTCHANCE

「あなたに、九谷。」というガチャガチャが八重洲の地下街にあって、その中に船木大輔さんの作品があったので、二回やってみた。

あなたに、九谷。




これ、型で作った下地に手作業で絵付けしているのかな???

船木さんの作品は東京ではなかなか入手が難しいので、ありがたい。  
Posted by buu2 at 18:16Comments(0)船木大輔

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2019年12月25日

今年の土いじり納め

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一時期茶碗を集中して作ったけれど、今はご飯茶碗と花器が多い。  
Posted by buu2 at 13:00Comments(0)元木屋銀一朗

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2019年12月18日

日本橋三越 酒器展

年末恒例の、三越の酒器展に行ってきた。今回は、途中で体調不良になるトラブルがあって、開店ダッシュとはならなかった。おかげで見ることができなかった作品がいくつもあったのだけれど、良いのを2つ確保できたので、成果は上々だった。

これは、武山さんのぐい呑。なぜこれが残っていたのかは不明。












磁器の上に釉薬をかけていないので、下絵と同じで描き直しができない。数年前に同じ趣向の花器を出展しているのを覚えているのだけれど、見たのはこれが2作品目。

もうひとつは、井上雅子さんの、ネズミのぐい呑。









表面には虎が描かれていて、内側にこっそりネズミが描かれている。かなり描きにくい場所に描かれていて、虎から隠れていることが上手に表現できている。
  
Posted by buu2 at 13:35Comments(0)福島武山

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2019年11月29日

今日のお茶

今日のお茶菓子は引き続き福うさぎ。





  
Posted by buu2 at 10:00Comments(0)お茶

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