2016年11月28日

中井理節さんのティカップ

銀座和光に注文してあった中井理節さんのティ・カップが完成したと連絡があったので、回収してきた。

僕が日本で通っている陶芸教室では上絵をやるケースがほとんどないので、必然的に何かを描く場合は下絵になる。下絵を描くにあたって目標となるのが、この中井理節さんだ。中井さんは山本長佐さんの弟子で、九谷の下絵工芸家の代表である。



















ぱっとみて、このカップが凄いのは、ほとんど余白がないことである。アートとしては、余白の有無は必ずしもその価値を左右しないのだが、工芸作品の場合は決定的な要素となりうる。ポイントは、このカップが上絵ではないという点である。上絵の場合、描いては焼き、描いては焼き、という部分的な焼成が可能なので、びっしりと描くこともそれほど難しくない。また、失敗も許されて、描き直しが可能である。ところが、下絵の場合はそうはいかない。絵を全て描き終えてから透明釉をかけて焼くので、一発勝負になる。多少の描き直しはできるけれど、基本的にはそれも困難だ。この辺の、技術的な難しさが、この作品にはある。「絵が可愛い」という点よりも、僕の場合はその技術的な困難さに惹かれてしまう。「これ、持ち手の部分しか空白がないぞ」と思ってしまう。  

Posted by buu2 at 13:20Comments(0)TrackBack(0)中井理節

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