2017年09月11日

河鍋暁斎「雨中鷺」

河鍋暁斎「雨中鷺」



こちらのセールで、なぜか井元荻浦の名前で間違えられて売られていた河鍋暁斎「雨中鷺」である。おかげで随分安かった。日本ではありえない間違いである。

土井版画の刷り。土井英一のはんこがあるので、1948年以降の後刷りである。なお、土井版画店は1931年12月から1932年6月にかけて川瀬巴水の木版画12点を出版したが、その後は土屋光逸との制作に集中した版画店で、戦争を挟んで初代の土井貞一から土井英一に代替わりした。  

Posted by buu2 at 02:29Comments(0)河鍋暁斎

このエントリーをはてなブックマークに追加 編集

2017年08月12日

河鍋暁斎「美人と鐘馗」

河鍋暁斎の版画「美人と鐘馗」を入手。

























「河鍋暁斎は下総古河の人、名は洞郁、号は暁斎、酒を飲むこと煌々のようだといって画名に煌々と書いた。始め歌川国芳の門に入り、後狩野美信に学び、鳥羽僧正に私淑し、諸家画風も折衷して一家をなした人である。本図は即ち鳥羽僧正風に彼の技巧を加えし彼の晩年の傑作である。」
  
Posted by buu2 at 19:07Comments(0)河鍋暁斎

このエントリーをはてなブックマークに追加 編集

2017年05月05日

河鍋暁斎「猫とねずみ」

DC界隈で開催されるイステート・セールはほぼ全てチェックしているのだが、これまでに見つけた「すごいお宝」は吉田博の版画だった。そのときは大作を含めて一挙に5、6点の販売だったのだが、資金に限りがあって1つしか買うことができなかった。こういうのは出会いなので、縁がなかったと諦めるよりない。

先日、いつもと同じようにイステート・セールをネットでチェックしていて、椅子から転がり落ちるほど驚いた。そのイステート・セールでは全部で4点の版画が出品予告されていたのだけれど、そのうちの一枚が河鍋暁斎だったのだ。しかも、証明書付き。これはやばい。何しろ、僕は乾山の焼き物と暁斎の絵が大好きなのだ。一番好きと言っても過言ではない。

ただ、イステート・セールの商品紹介には良くあるのだが、誰の作品とは書いてない。掲載されていた写真はこんな感じである。
fullsizeoutput_17ae


紹介コメントは「You will find a nice collection of Japanese Woodblocks with Certificate of authenticity.
」と書いてあるだけで、どこにもKawanabeとか、Kyosaiとかの文字は見当たらない。日本人ですら、光琳や若冲は知っていても、暁斎を知っている人はそれほど多くはないと思う。ましてやここは米国である。ほとんど全てのDC住民にとって、ただの古い日本の版画、ぐらいの認識だろう。これはチャンスである。今の世の中、知識は最大の武器なのだ。

セール開始は5日金曜日の午前10時だ。

これが本物で、かつ手の届く金額なら、絶対に入手しなくてはならない。ここでモノを言うのが、かれこれ50軒は行ったであろう、過去のイステート・セールの経験である。何時に、どういう装備で向かい、開始直後にどうやってターゲットまで一番にたどり着くか。過去の経験から蓄積したノウハウを総動員した。

まず、朝は6時に起床して、早々に準備を整えて出発。セールの家に着いたのは開始時間の2時間以上前だった。僕の順番は3番。前には中国系の男性と、白人女性が並んでいた。ちょっと話をしたところによれば、一番の男性は昨日から並んでいたらしい。それでも3番である。「最も理想的な展開」とは言えないが、少なくとも開始直後に家の中に入ることはできるはずだ。この一巡目というのがとても重要で、大抵の場合は先頭の10人ぐらいで一度入場をストップされてしまう。逆に言えば、この第一陣の中に入れば、お宝ゲットの確率はぐんとアップする。

時間を潰すのは苦にならないので、珍しく大雨の中、家の軒先に折りたたみの椅子を広げて座って、ネットサーフをして待つことにした。このあたりの装備の充実具合が経験の為せる技である。そして、待つこと2時間強。勝負の時間がやってきた。一番と二番の人は一階の本棚をチェックしているようなので、階段を登って二階へ。全ての部屋の壁と階段の壁をチェックしたのだが、版画は見当たらない。あれ?そこで、家主と思われる高齢の女性に「日本の版画はどこですか?」と尋ねると、彼女は目の前にあるテーブルの上の紙を指差した。なるほど、壁に飾っていなかったのか。紙は束になっていて、一番上に「取り扱いには注意するように」と書いてあった。オッケー、オッケー。早速紙の束をチェックすると、二番目に河鍋暁斎の「猫とねずみ」を見つけた。件の女性に聞くと、米国のオークションで購入したとのこと。状態も良いし、驚くほど高額ということもない。一応裏を返してきちんと版画であることだけは確認した。しかし、明治から昭和前半の、川瀬巴水や吉田博の作品とは違うので、他にどこをチェックしたら良いのかはわからない。もたもたしていて誰かに横取りされても困るので、その場で即決購入した。おばあさんは「あら、新券ね」と新札の100ドル紙幣を手にして、嬉しそうに枚数を数えている。僕も嬉しい。

あとは悪質なコピーではないことを祈るしかない。今度日本に行くときに、河鍋暁斎記念美術館に行って本物かどうか聞いてこようか。

ということで、無事、目標の作品を入手できたので、家に帰って、早速鑑賞してみた。




猫がねずみを肴に月見をしている。

額縁屋さんを探さないとだな。  
Posted by buu2 at 11:55Comments(0)河鍋暁斎

このエントリーをはてなブックマークに追加 編集

2017年03月12日

これぞ暁斎!




自分が陶芸で何か描くときに一番良く参考にするのが河鍋暁斎なので、当然のように観に行って来た。今回は英国人コレクター、イスラエル・ゴールドマン氏のコレクションからのみの展示である。弟子のジョサイア・コンドル氏ならともかく、コレクターが個人でこれだけ集めてしまうのは凄い。

ただ、そこは個人所蔵物。凄いには凄いけれど、超代表作が勢ぞろいというわけではない。あれも見たかった、これも見たかったと、色々あったのだが、その辺は東京ステーションギャラリーやら、京都国立博やら、三菱一号館やら、暁斎記念美術館で観ただろう?ということなのだろう。まぁ、そうだけど。

僕としてはカラス、カエルといった動物画はもちろんだけど、美人画が一番好きなので、できれば美人画だけでもあちこちから借りて来て欲しかったのだけれど、無理な注文というもの。

幽霊画の下絵と現物が合わせて展示されていたのが一番興味深かった。あと、大量のカラス。足長、手長、手長猿と手長海老も良かったし、鬼を蹴り上げる鍾馗も良かった。というか、結構色々良くて、できればもっと空いていればゆっくり観ることができて良かったのに。日本の博物館はどうしてこうも混雑しているのだろう。不思議だ。  

2015年08月09日

河鍋暁斎記念美術館

わりと近所にあって、車で30分ぐらいなので出かけてみた。

普通の一軒家を建て増しして美術館にしました、という感じのこじんまりとした美術館。おもしろい絵も数点あった。

河鍋暁斎記念美術館
http://kyosai-museum.jp/hp/top_page.htm  

2015年07月19日

画鬼・暁斎―KYOSAI 幕末明治のスター絵師と弟子コンドル

kyosai


三菱一号館美術館で河鍋暁斎展。ここに前回来たのは去年の夏のヴァロットン展なので、一年ぶり。サポーター会員になろうかというアイデアが一瞬頭をかすめたのだが、10,000円という年会費を天秤にかけて廃案とした。トーハクやサントリーの条件と比較してあまりにも不利なので、今回も普通にお金を払って観た次第。

今回の展示は前半と後半で主要な展示の一部が入れ替えられるのだが、小さい美術館だからある程度は仕方ないと納得すべきところかも知れない。この、サントリーやトーハクが収入倍増を狙って鳥獣戯画をネタとして導入した悪習がこれ以上広がらないと良いのだけれど・・・。入れ替えるなら、二度来なくちゃならない。首都圏在住ならそれでも良いけど、地方在住ならたまんないよね。どうしてももっとお儲けたいなら、料金を高くすれば良いだけのこと。ま、近所に住んでいるなら前半でざーーっと観て、本で色々勉強して、後半でしっかり観る、みたいなのもありなんだろうけど。

さて、そんな前後半一部入れ替え制の前半である。生物たちをきっちり観察して描写しているところがまず凄い。今ならデジカメとフォトショップがあるのである程度写実的な絵を描くのはそれほど難しくないけど。それを擬人化して表現している絵も凄い。この辺は鳥獣戯画の昔から日本人のお家芸的なところがあると思うのだが、その伝統を究極まで突き詰めた感じ。そして、その延長で描いている化け物達も異常に魅力的。うまい人は何でもできちゃうんだなぁと感心する。ってか、基礎がしっかりしていて、それを応用する想像力がないとできないよなぁ。

自分で描くときの参考にしようと思ってみていくと、柳の表現なんかも面白かった。本当なら暗くなっているはずの箱の奥を白にして、それでも違和感ないあたりの発想の転換とかもすげぇなぁ、と。

なんか、色々凄かった。

「画鬼・暁斎—KYOSAI 幕末明治のスター絵師と弟子コンドル」
2015年6月27日(土)〜9月6日(日)
月曜休館(但し、7月20日と8月31日は開館)
#前期:8月2日(日)まで/後期:8月4日(火)から
三菱一号館美術館