2017年12月16日

澤谷由子「goblet 露編」

ギャラリー数寄で購入しておいて、一年以上ブログで紹介していなかった不義理で申し訳ないのですが、澤谷由子さんのゴブレットです。

染付といっちんのコンビネーション(マリアージュ笑?)が澤谷さんの表芸ですが、このゴブレットはその技術を詰め込んだものです。







内部にもぎっしり。しかも、グラデーション付きです。







そして、高台の内側にまで。ここまでやると、焼くときに板にくっついてしまうリスクもあったはずで、陶芸家ならあまりやりたくない作業だと思います。でも、その「駄目押し」こそが、この作品の価値を高めていると思います。というか、ほとんど隙間がなく、どうやって焼いたんだろうと不思議に思うほどです。きっと、何か工夫しているのでしょう。




これを購入するかなり前に東京で個展を見ていて、その時はダメ出しするだけダメ出しして、「まだ伸び代がある」などと偉そうなことを言って買わなかったのですが(同行した親戚は購入)、

澤谷由子 個展 ー雪糸紡ー
http://buu.blog.jp/archives/51515068.html

この数寄さんの展示では、たくさんの作品の中からこの作品と新宮さやかさんのだけを購入したので、酒器展の中でも行列完売だった人気作家を除けば、出色のできと感じた作品です。

澤谷さんは、この頃を最後に、こうした足し算の作品(詰め込むだけ詰め込む作風)を卒業し、次の段階へと進んだようです。個人的には、卒業と言わず、時々はこういったてんこ盛りも作って欲しいと思います。どんな歌手でも、コンサートでは昔の歌を数曲歌いますし、それを聴いて喜ぶ客もいるものです。

何はともあれ、この作風の、最も成熟した時期の作品を手に入れていたことは幸運としか言いようがないです。  

Posted by buu2 at 14:21Comments(0)澤谷由子

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2017年11月15日

TOAI@山ノ上ギャラリー

九谷の支援センターに船木さんの作品を買いに行ったら、若い女性が笑顔で案内状を手渡してくれた。あれ?九谷にこんな人がいたっけ、と思っていると、以前東京のギャラリーで見て、その後愛知のギャラリー数寄で作品を買ったことのある澤谷由子さんだった。支援センターには彼女の作品は置いてないとのことで(彼女は九谷ではなく、卯辰山工房の出身)、卯辰山の中腹にある山ノ上ギャラリーで開催中のグループ展の案内状をくれたのである。

綺麗な手書きの案内状をもらってしまっては、見に行かないわけにいかない。ということで、本当は小松で高速に乗ったらそのまま埼玉へ直行の予定だったのだが、山ノ上ギャラリーに立ち寄った。




澤谷さんというと、染付といっちんのコンビネーションで、かなり盛り込む作風だったのだけれど、今回の展示では盛り込みは控えめ。そして、染付といっちんのコンビも、あまり正面に出ていなかった。時間をかけたというよりはセンスで勝負した感じ。これが、僕にはちょっとわかりにくかった。僕は、目で見てパッと「うわぁ、手間かけてるなぁ」と伝わる作品が好み。

ほとんど全ての作家が、ある程度盛り込み尽くすと、徐々に引き算の制作に転じる。「間」を作る、精米のような段階に入るものだ。澤谷さんも、そういう段階なのかもしれない。ただ、僕としては、正直なところ、まだまだ盛り込んで欲しかった。  
Posted by buu2 at 17:30Comments(0)澤谷由子

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2016年01月11日

澤谷由子 個展 ー雪糸紡ー

西小山のパルケでやっていた澤谷由子さんの個展を見てきた。

染め付けの下絵を中心として、いっちんなどの作品を含めての展示だった。

この手の下絵細描としては中井理節さんや内海大介さんが代表だと思うのだけれど、澤谷さんの作品はちょっと呉須の濃度にばらつきがありすぎる印象を受けた。

大きく分けるとお手軽な普段使いカテゴリー、高額の鑑賞カテゴリー、および染め付け以外のカテゴリーの3つに分類されると思うのだけれど、個人的に興味があったのは高額カテゴリー(茶碗で3万5000円程度)と染め付け以外のカテゴリー。このうち、高額カテゴリーはサイズ的にご飯茶碗くらいなのに高台が低かったり、上に書いたような濃淡の差異が大きかったりして、もうひと頑張りという感じだった。もちろん、ダメではないのだけれど、まだまだこれから先に伸びしろがありそうで、今買わなくても良いかな、という感じだった。一方で染め付け以外のカテゴリー(おちょこで5000円〜1万円程度)についてはなかなか魅力的だったのだけれど、まだまだ澤谷さんの表看板という感じではなかった。「柱は二本で、これはそのうちの一本」というところまでは来ていない感じで、こちらも購入しないことにした。

正直に言えば、決して悪くないものの技術的にもう一歩で、ちょっと価格なりの質に届いていない印象を受けてしまった。


澤谷由子 個展 ー雪糸紡ー

<会場>
みどりとうつわ 暮らしの道具 Parque(パルケ)
parque-tokyo.com

〒141−0062 東京都品川区小山6-21-20
東急目黒線「西小山」駅徒歩4分

<会期>
2016.1.10 sun - 2016.1.24 sun
12:00-20:00 ◎会期中無休
作家在廊日 1/10、1/24  
Posted by buu2 at 17:30Comments(0)陶磁器

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