2021年08月12日

星落ちて、なお

僕が一番たくさん作品を持っている画家は河鍋暁翠である。陶磁器だともっとたくさん持っている作家さんがいるけれど、画家さんだと、暁翠に間違いない。「暁翠?誰それ?」という人がほとんどだろうが、河鍋暁斎という画家の娘である。

その河鍋暁翠を主人公にした小説が出版されたと知って、さっそくAmazonで購入した。



澤田瞳子さんという作家さんは寡聞にして知らずにいたのだけれど、読み始めてみるとリズムが良くて非常に良い文章を書く作家さんだった。また、多くは取材を通じて明らかになった事実をもとにした創作なのだろうが、色々なエピソードを違和感なく読むことができる。そのまま暁翠の伝記を読んでいるようだ。こんな才能のある作家さんに書いてもらえて暁翠さんも喜んでいるだろうなと思っていたら、本作が直木賞の候補になっていると知って、これは獲るだろうなと思った。

僕は暁翠の作品が好きで色々収集している人間なので面白いと感じて読み進めるのは当然かもしれないのだが、そうした背景を抜きにしても、明治末期から大正にかけて活躍した女流画家を主人公にした時代小説としてとてもできが良いと思う。

とはいえ、本作に登場する暁斎、真野暁亭、吉田暁芳(登場はほんの少しだが)といった作家達の作品もいくつか持っているので、他の人よりも一層楽しめたのは間違いない。舞台が神田、本郷、上野あたりで、土地に馴染みがあるのも良かった。いくつかの好条件が重なったおかげで、最初から最後まで楽しむことができた。

良い本だったな、と思っていると、案の定、直木賞を受賞した。初版本は貴重かも?

ということで、受賞の記念に暁翠のコレクションの一部をいくつか載せておく。ただし、掛軸の真贋は不明である。

掛軸
IMG_1143


DSC_7600


DSC_0551


版画
DSC_4120

DSC_4117

DSC_4115


DSC_4122

DSC_4124

DSC_4126


DSC_4148

DSC_4145

DSC_4143
  

Posted by buu2 at 10:54Comments(0)読書

このエントリーをはてなブックマークに追加 編集

2021年04月27日

河鍋暁翠 挿絵 燕と小鳥

DSC_4108


フランス語の書籍に挿入された挿絵の一枚。フランス語はさっぱりなので、とりあえず燕と小鳥というタイトルにしたけれど、実際はどうなのか不明。ちゃんと額装されていて良い。  
Posted by buu2 at 14:30Comments(0)河鍋暁翠

このエントリーをはてなブックマークに追加 編集