2013年09月13日

料理と勉強における共通のコツをわかっていない人々

最近、数人の「料理を始めた」という人(ほとんどが30代)と話をしたのだが、「どうやって料理しているんですか?」と質問すると、みんなから「クックパッドを見て」と判を押したような返事があった。そのたびに、僕は「本気で上手になりたいと思うなら、クックパッドを使うのはやめなさい」と言っている。クックパッドがダメなサイトなのではない。料理の初心者には向かないサイトなのだ。料理には、料理の理屈がある。たとえば、煮物を作るときに具材を同じくらいの大きさに切るのはなぜか。ぶり大根を作るときに米のとぎ汁を使うのはなぜか。ゆでたまごを作るときにお湯に塩や酢を入れるのはなぜか。砂糖と醤油を使う料理では砂糖を先に使うのはなぜか。これらのコツの背後には理屈がある。それは汎用的な理屈なので、他の料理にも応用がきく。一つの料理を作るときの知識(=コツ)が、他の多くの料理のベースになるのである。ところが、クックパッドでは、そういう理屈が理解できない。なぜなら、一つの料理を上手に仕上げるための知識しか掲載されていないからだ。

クックパッドは、料理を上手に作るためのサイトで、料理が上手になるためのサイトではない。

もちろん、料理をするたびにクックパッドを見れば、そのたびに上手な料理をつくることはできる。しかし、クックパッドがなければ何もできなくなってしまう。これでは、クックパッドの達人ではあっても、料理の達人ではない。

だから、僕は、料理の上達を志している初心者には、クックパッドを見るのはやめて、「調理以前の料理の常識」や「「こつ」の科学-調理の疑問に答える」といった本を読むことを勧めている。これらの本に掲載されている知識が身について初めて、クックパッドは便利なサイトになる。

 

#そういう知識の他に、包丁の使い方などの慣れや経験の部分、包丁や圧力鍋といった道具に関する知識の、合計3つの要素で料理の腕は構成されている。

料理の上達に必要なのは、目の前にある「オムレツを作る」という課題を解決することが重要なのではなく、オムレツを上手に作るために必要な知識(=コツ)を整理しつつ身につけ、そこで得た知識を親子丼や餃子を作るときに利用する、といったことだ。そして、この考え方は普段の勉強でも同じである。僕が料理を始めたのは5年ぐらい前だと思うのだが、その習得にあたって、普段の勉強の方法をそのまま適用した。基本と、理屈をきちんと勉強して、最短ルートで上達してきたと思う。おかげで今では多くの人から「料理が上手な人」と思われている。

勉強も、料理も、上達のコツがあって、これを理解している人が良い成績を出すのである。高校までの物理などは覚えるべきコツが非常に少ないので、ちょっとしたきっかけであっという間に成績上位者になることができる。数学や料理はもうちょっとコツの量が多いので、要領だけでは解決しないところもあるのだが、それでも、闇雲に問題を解くよりも、「この問題の背後にあるコツはなんだろう」と考えるほうが、成績が上がってくる。こうしたコツとか、コツの重要性を伝えることが上手な人間が、「教えるのがうまい人」なのだ。

ここまで書いてきた内容は、過去にこのブログで何度か書いていると思うのだが、改めてここで書いたのには理由がある。昨日、日の出テレビで特番があって、学生が政治家に質問するという企画だった。学生は自民党の横浜市会議員の事務所にインターンシップに来ているそうで、政治家の事務所で何を勉強したのか、興味津々で番組を見ていた。そして、驚いたことに、インターンシップが全く役に立っていないことをネットを通じて全世界に発信していた。これは、学生の質が低かったこともあるのだろうが、教える側にも問題がある。いや、学生の能力が低いのは仕方がない。より大きな問題は、ただただ経験を積ませれば良い、知見を広めれば良いと考えている、教える側にある。

ただ、政治家も、政治家の事務所のスタッフも、教育のプロではない。だから、インターンシップで政治家の事務所に行っても学生のレベルがアップしないのは仕方がない。そこでのインターンシップでは、クックパッドで料理を学ぶようなことをしてしまったのだろう。はっきり言えば、単に時間の無駄、非効率な勉強だったのだと思う。インターンシップは、本当にくだらない制度である。いや、もちろん、全てのインターンシップが無駄なのではない。きちんとシラバス(=学習計画)を作ってインターンシップを実施するなら、効果も期待できるし、効果の検証も可能だ。逆に、それがないなら、時間の無駄である。今回、政治家の選挙事務所で、こうした計画的な教育をやっているのか、甚だ疑問である。

では、このインターンシップが全く無駄であることがなぜわかったのか。それは、学生が政治家に質問するという企画の中で執り行われた、次のようなやりとりからである。

学生「日本は政治家の数が多すぎるのではないですか?」
福田峰之衆議院議員「多すぎるとすれば、何人なら良いのですか?」
学生「わかりません」


(動画では10分あたりから)

このやりとりだけで、学生のレベルの低さと、これまで政治家の事務所で行われたインターンシップの無駄さ具合が一目瞭然である。なぜ、この学生は「政治家の数が多すぎる」と考えたのか。考えたのではない。単に、誰かが問題にしているのを見て、知識として得て、それを政治家に伝言したに過ぎない。自分が抱えている疑問ではないのである。それは、彼には適正数に関する知識が全くないことからわかる。自分が考える議員の適正数がまずあって、それと現状を比較して、初めて「疑問」となる。こんなことは小学生でもわかることだ。ところが、自分が考える「適正数」が存在せず、突然「疑問」が発生する。そのおかしさに、学生自身はもちろん、質問された政治家も、会場にいた聴衆も、誰も気が付かない様子だった。

あまりの低レベルっぷりに唖然としつつ、ネットを通じて、米国の人口、米国の政治家数と、日米の(人口)/(政治家数)の比較、および米国と同じ比率にした場合の日本の政治家数(現在の約3分の1)をコメントしてみたのだが、それは助け舟にならず、学生からは何のコメントもなく議論が別の話に移ってしまった。本来であれば、いくつかの間接民主制(=議会制民主主義)の海外事例を調査し、各国における議員数に関する議論の状況を踏まえ、我が国の議員数を考察し、その上で「人数が多すぎるのではないか」という問題提起にいたり、議論になるはずである。ところが、その全てがすっ飛ばされて、「多すぎませんか?」「じゃぁ、いくつならいいの?」「わかりません」では小学生レベルの会話である。

教える側も、教わる側も、そしてそれを現場で見ていたであろう観客も、教育という視点ではドシロウトだったということだ。こんなインターンシップが成功を収めるわけがない。学生がどこの大学なのかは知らないが、大学の本分である「教育」を、インターンシップの名のもとにこういったドシロウト軍団に丸投げしているのもどうかと思うし、それを請けてしまう政治家の事務所もどうかと思う。また、全世界に馬鹿を晒すことになってしまった学生が気の毒だとも思う。

教育とは何なのか、もうちょっと真摯に考えるべきだ。教育のための勉強をせず、教育の経験もなく、有権者の意見をヒアリングしているだけで教育の専門家になれるのかと言えば、絶対に違う。

残念ながら、今の政治家はこんな、有権者へのヒアリングをしていれば知見が身につくと考えるような人物が多いのだろう。だから、自分と同じように、現場を見ていれば知見が広がる、それが教育になると勘違いしている。今回、インターンシップを任された政治家の事務所は、オムレツのレシピを与えて、それを作らせているだけなのだ。残念ながら、こんなものは教育とは呼べない。

今回の放送を通じて、大学の無責任っぷり、インターンシップ先の不見識ぶりがわかってしまった。どこの大学かは調査中だが、このインターンシップを実施した大学は、その偏差値とは無関係に、間違いなく三流大学である(追記:慶應大学でした。過去に慶應理工学部1系に合格しましたが、東工大に進学しました。行かなくて良かった)。そこを卒業した学生たちはお先真っ暗だと言わざるを得ない。学生の質が低いのは、当然ながら教育の質が低いからである。本当に優秀な学生なら、教育の質が低くてもきちんと独学で勉強できるが、そんな優秀な学生は東大でも一握りというのが僕の印象である。日本の大卒がダメだという話は良く耳にするが、その原因の多くの部分は当然ながら教える側にある。今回の放送ではそれが明らかになった。

残念ながら、大学という高等教育における「「コツ」の科学」のような書籍を見たことがない。おそらく、多くの優秀な教師の個人的な経験知として分散して存在し、そして彼らが教育の現場から退場していくと同時に失われてきたのだろう。僕自身は教育の現場から退場して5年ぐらいが経っているので、今の現場の状況は全く知らないのだが、例えば教科ごとのシラバスは、複数の教員によってバージョンアップさせていくという作業が行われているのだろうか。僕が教員をやっていた時は、そういう作業は皆無だった。では、これからはどうなのか。もしかしたら、すでにそういう作業は実施されてきているのかも知れない。ただ、今回のインターンシップをやった大学では、行われていないのだと思う。やっているなら、今回のような、異常なまでの低レベルのやりとりは回避できたはずだ。あるいは、大学がダメでも、ちゃんとした教育者がこのインターンシップに関与していれば、こんな醜態を晒すことは避けられたはずである。

幸いにして、今回は政治家の目前でやりとりが展開された。このやりとりから、政治家たちが、大学やインターンシップが抱えている問題点を抽出できるかどうか。このあたりから、日本の将来が変わってくるかも知れない。今回、生贄になった学生たちは気の毒だが、それを無駄死ににするか、しないかは、政治家にかかっている。それは、来年のインターンシップを見ればわかるだろう。ただ、事務所が今の体制のままでインターンシップを受け入れるとすれば、結果は今年と同じになる公算が大きい。


#料理の上達法に興味がある人はこちらもどうぞ

クックパッドがなぜ料理上達の障害になるのか
http://buu.blog.jp/archives/51428706.html  

Posted by buu2 at 22:51Comments(0)ネットウォッチ

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2013年08月02日

引責辞任・更迭・クビレース(グレード1)の最新状況

引責辞任・更迭・クビレースもそろそろ佳境ですが、ここへきて突如新しい馬が出走しました。

出走馬
1枠:イジゲンクロトン
所属:日銀厩舎
父:ザイムショー
母:トーダイホーガク
前走:アジアカイハツギンコーカップ優勝
短評:任期は6年と長いため、かなり不利。少なくとも安倍政権が継続する限り、辞任の可能性は低い。
参考:アベノミクスの今をグラフ一枚でまとめてみた

2枠:ジョイナスモリミチ
所属:名古屋竜厩舎
父:ミソカツドラゴン
母:ミスターシービーシー
前走:ペナントレース途中で棄権
短評:前監督が作り上げた膨大な資産を1年半で使い果たした浪費ぶり。「今日から20勝(6敗)だ!」とぶちあげた当日、あわやノーヒッターかという1安打10失点で完敗するなど、ファンサービスにも抜かりがない。現時点では本ブログの本命。

3枠:モントリオルウエムラ
所属:全柔連厩舎
父:ムサベツゴールド
母:コードーカン
前走:ジェーオーシーキョーカホンブチョーをレース途中で棄権
短評:水面下では様々な動きがあるようだが、意外と粘り強い。とはいえ、周辺事情を考慮すると対抗。

4枠:コミッショナーカトー
所属:エヌピービー厩舎
父:ガイムショー
母:トーダイホーガク
前走:ミツビシショージで静養
短評:管理職のくせに「知らなかった」で済まそうとするあたりで対抗としたいが、今のところまだ辞任への圧力が小さい様子。身代わりとなった下田事務局長はグレード2のレースに出走が決定。こちらは大本命。
参考:公表遅れ、おわび…「飛ぶボール問題」でNPB

5枠:イッセイコムーロ
所属:トーダイ医学部厩舎
父:ハンダイイガクブ
母:トーダイイガク
前走:バルサルタンレースで写真判定中
短評:過去の事例からすればとっくに辞任しているはずだが、膨大な政治力を駆使して乗り切るかも知れず、本誌の評価は穴。
参考:小室一成グループ 論文疑惑

6枠:シャラップウエダ
所属:人権人道厩舎
父:ガイムショー
母:トーダイキョーヨー
前走:初出走
短評:突然出走が決まったため、ノーマーク。資料が乏しく、予想が困難である。
参考:


7枠:シツゲンアッソウ
所属:アベナイカク厩舎
父:アッソウセメント
母:ガクシュイン
前走:ソーリダイジン杯で優勝するも、ソージショク
短評:失言で知られており、通常ならすぐに優勝するだけの脚を持っているが、なかなか勝ち切れない。ただし、今回は外圧が強く、一気にゴールを切る可能性がある。

総評
全体を俯瞰するとトーダイブランドの活躍が目に余る目に付く。レースを読むためには、馬が完走した際、次のレースに出走するための天下り先所属があるかどうかが重要なポイントになる。

レース経過
6月14日
シャラップウエダの動画がNHKで流され、「ネット住民が騒いでいる」フェイズから次元の違うところへと拡大した。突如彗星の如く現れたシャラップウエダだが、馬群を切り裂き一気に第三コーナーをまわった形である。

6月14日
新聞報道によれば、コミッショナーカトーへの苦情が殺到しているらしい。
「不祥事と思わない」NPBに抗議殺到
しかし、エヌピービー厩舎の馬は前走のコミッショナーネゴロも物凄い粘り腰を見せており、今回もなかなかゴールにはたどり着かないのではないか、というのが本ブログの読みである。

7月30日
モントリオルウエムラが8月中の辞任を表明。レースはいよいよ佳境である。

7月31日
レースも最終盤にさしかかろうというのに、突如シツゲンアッソウが出走。国内だけではなく海外からも批判され、モントリオルウエムラとのマッチレースの様相を呈してきた。モントリオルウエムラが逃げ切るのか、シツゲンアッソウが差しきるのか、いよいよ目が離せない。

おまけ
G2出走状況

1枠:ジムキョクチョーシモダ
所属:エヌピービー厩舎
短評:コミッショナーカトーによって詰め腹を切らされる可能性が非常に高い。

2枠:ツブヤキミズノ
所属:フッコーチョー厩舎
短評:Twitterが匿名だと思って好き勝手に書いていたらなぜかそれが特定されてしまい、あっという間にゴールを走り抜けてしまった。グレード2はレース展開が早すぎて、出走をお知らせする前にゴールしてしまったりするので侮れない。
参考:暴言「左翼のクソから罵声」 復興庁幹部がツイート

参考:前回のエントリ「引責辞任・更迭・クビレース(グレード1)」  
Posted by buu2 at 09:24Comments(0)TrackBack(0)ニュース

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2013年07月31日

バイオ用語解説:ホメオスタシス

昨日の朝、なんか暑くて寝苦しいので、まだ暗かったけれど起きてしまったのです。それで、やることがないので最初は読書していたのですが、腰が痛くなってきたので、ネットサーフに切り替えたわけです。そこで例の土屋アンナ事件のブログ記事を見つけて、あーーー、と思いつつ、珍しくつぶやきの連投をしたのですね。すると、意外と反応があったので、最近ブログに記事を書く時間もないし、このつぶやきを使ってエントリーを一本書いてしまおう、と思ったわけです。午後に人形町から千駄ヶ谷、そして池袋、最後に朝霞という移動予定だったので、昼までにちゃちゃっとまとめて、外出したのです。

午後3時過ぎにようやく食事を取れることになって、人形町のラーメン屋でラーメンを食べながら、何気なくブログのアクセス解析をチェックしてみたら、いつもは平和な辺境のブログなのに、アクセスが爆発していることに気が付きました。

doshaburi


これは、一時間に100ミリを超えるような猛烈な豪雨みたいなものです。通常なら半月以上かかるだけのアクセスが、ほんの1時間ほどの間に集中して発生していました。これは面妖な、何か炎上するようなことを書いたかな?と思ってさらにアクセスを解析すると、どうやらYahoo!からの大量流入が発生している様子です。さっそく当該ページにアクセスしてみたら、これでした。

舞台中止騒動 著作権で考える - エンターテインメント
http://backnumber.dailynews.yahoo.co.jp/?m=7707540&e=copyright
(そのうちリンクが変わってしまうでしょうが)

あろうことか、尊敬する切込隊長の直下に僕の記事が掲載されているじゃーありませんか。そうかぁ、切込隊長とかはいつもこんな大量のアクセスがあるのに、豚組がうまいとかトンチンカンなことを書いているのか、と感心したわけですが、ちょっと不思議に思ったのは、今回、これだけのアクセスがあったにも関わらず、なぜかコメントは一つもなし、スパムトラックバックは2つほどあったようですが、はてブがつくこともなし、ということです。一瞬考えてわかったことは、つまり、僕の記事にアクセスしてはみたものの、特にコメントを残すようなものではなかったということでしょう。毒にも薬にもならなかった、と。やはり、辺境のブログには辺境なりの理由があるのです。そういえば、総統閣下シリーズの動画があちこちで取り上げられていた3.11直後はドーーーンとアクセスが増えたのですが、その後徐々に落ち着いてきて、今は震災前とほとんど変わらない程度のアクセスになっています。僕自身ははてブユーザーですが、僕の記事にブックマークがつくことも稀だし、コメントも以前ほどには書き込まれません。適当に、付かず離れずという感じでバランスが取れているのでしょう。

こうやって、いつもの状態を維持することを生物学の言葉ではHomeostasisと言います。  
Posted by buu2 at 17:27Comments(0)TrackBack(0)バイオ

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2013年07月30日

創造者対利用者の戦いの始まり

海猿、テルマエ・ロマエときて、トドメがコレである。 

重大なお話!
http://ameblo.jp/sakura-smile-for-you/entry-11582675117.html

この話では、最初に日刊スポーツがこんな記事を書いた。

土屋アンナ稽古ドタキャンで主演舞台中止
http://www.nikkansports.com/entertainment/news/f-et-tp0-20130729-1165097.html

読めばわかるが、背景などは調べられていない記事だ。これに対して原作者が書いたのが、冒頭のブログエントリーである。その間、わずか約2時間なので、記事自体は準備稿のようなものがあったのかもしれない。その後、日刊スポーツは次のような記事をアップしている。

突然泥沼化!土屋アンナ舞台中止
http://www.nikkansports.com/entertainment/news/f-et-tp0-20130730-1165120.html

土屋アンナ、原作者承諾巡り主演舞台中止
http://www.nikkansports.com/entertainment/news/p-et-tp0-20130730-1165130.html

「突然泥沼化」も何も、あんた達がちゃんと取材しないで報道したからなんじゃないの?と思わないでもないのだが、今朝の段階では双方の意見を書いているし、そこが本題ではないので今回はスルーしておく。問題は、原作者の訴えた内容の方である。以下、目につくところを抜き出してみる。

実は、最初の段階でこの舞台の話に関して、私は制作者側から全く許可を取られていませんでした。


何日か後に、こちらから連絡を取り、本の出版社の元担当と舞台の監督に会う事が出来、事情を説明して頂きました。


私はただ、自己紹介と今後何かありましたらよろしくお願いします。と言いました。
その事を、許可を取ったと言っているようでした。


お二方の言い分は、それがこの業界では許可した事になるのだ。という事でした。
私は何度も、それでは許可にならない。と言いました。
すると監督は"そんなに許可と言うのなら、別に貴女でなくとも、障がい者はたくさん世の中にいる。違う人に頼んでも良いんだよ!"とおっしゃいました。
また、原作とは内容が多少異なるため、そんなに許可と騒がなくてもいい、と言う事を言われました。


私の所にはただ一枚の舞台の同意書のみを送りつけ、台本も詳しい内容説明もない状態で、毎日のように同意書にサインするように、と言う内容の電話ばかりかけて来ました。


こうした不満を読み解くには、出版社と著者の間にどんな契約が交わされていたのか、というのが最大のポイントなのだが、こういう契約書は会社によって大きく変わるものとも思えないので、僕がある出版社と交わしている契約書のうちの一つを転載してみる。

(二次的利用)
本契約の有効期間中に、本著作物が翻訳・ダイジェスト等、演劇・映画・放送・録音・録画等、その他二次的に利用される場合、甲は乙と協議のうえ決定する。


残念ながら光文社とは仕事をしたことがないので、現物は見たことがないのだが、内容に大きな違いがあるとは思えない。普通、二次利用については別途相談となるはずである。ただ、問題は法律とは別のところにあるのだと思う。

追記:Twitterで光文社との出版契約書について言及されている方がいたので、掲載しておきます。ただ、これも原本ではないので、今回の件については違う契約だった可能性もあります。




ある有名小説家と麻雀をしていて聞いたことがあるのだが、原作者である彼が知らないうちに、彼の原作を元にしたテレビドラマ内で、小説内の重要人物が勝手に犯人にされてしまったことがあるそうだ。ドラゴンボールで言えば、実写ドラマ化したら、途中でクリリンがフリーザのスパイだったと判明して、元気玉で粉々になってしまった、みたいな感じである。短期間でメリハリをつける必要があるテレビドラマでは仕方がないことなのかも知れないが、このとき、原作者には一切の打診がなかったそうである。テレビサイドには「それで原作本が売れるんだから、原作者にも悪い話ではないだろう」という意識があるのだろう。この作家の場合、設定だけを残して映画化され、その試写会で初めて内容を知ることになって、その内容の杜撰さにびっくりしたこともあったそうだが、彼はそのことについて特に文句をいうことはなかったようである。麻雀の席で愚痴をこぼす程度で、そういった話が表面化することはない。逆に、表では「映画観てきました。凄い!」と宣伝せざるを得ない立場だったりする。

作家自身がそういう状況を受け入れていることもあってか、テレビ関連の作品でメジャーになった作家は、文学界ではひとつ下のランクと評価されるケースがある。過去の実績とか、テレビ化されたかどうかとは無関係に作品自体を評価すべきなのだが、看板が重要なのがこの世界だったりもする。結果として、作家や作品へのリスペクトは失われ、メディアが権力を振り回すことになる。今回の件も、そういう権力の濫用が感じられるのである。

僕は、作品自体ではなく、看板によってものが売れたり売れなかったりするのは日本に特有の話なのかな、と思っていたのだが、つい先日、ハリポタの作家が覆面で書いていた小説が、その真相が暴かれた途端にバカ売れしたという話(http://www.cnn.co.jp/showbiz/35034674.html)もあって、「あの作家」という看板が重要なのは世界中どこでも一緒らしいことがわかった。ハリポタの作者ぐらい余裕があれば「ゼロから再スタートして実力を試したい」と思うのかも知れないが、日本語でしか文章が書けない、市場の小さな日本の文筆家は、なかなかそういう地位には上り詰めることができない。結局、メディアの軍門に降るしかないのが実情である。

書籍に限る話ではないのだが、作家である僕の立ち位置から書いてみると、「本が売れる」ためには、内容が優れているだけではなく、プロモーションも大事で、だからこそ広告代理店なんていう商売が成立する。そういう商売が不要だとも思わないのだが、上下関係が逆になってしまうのは不思議な話である。これが出版社ということならある程度話はわかるのだ。例えば僕のような無名の作家の書籍をリアル書籍化しようと思えば、出版社は相応のリスクを負うことになるからだ。

ところが、今回の事態では、多分出版社サイドにも問題があったのではないかと予想する。出版社にとっては、有名俳優による舞台化は決して悪い話ではない。舞台がヒットすれば本も売れるのだ。そして、契約次第ではあるものの、舞台化にあたって負うリスクは多分それほど大きくなかったはずだ。出版社の担当者も、「本が売れれば著者も嬉しいに違いない」という思い込みがあったんだと思う。そして、著者の意向が完全に無視され、出版社と舞台のプロデューサーとの間で話が進められたのだろう。

3者の間の少しのズレが、結果として致命的な行き違いを生んでしまったのだと思う。ただ、だからといって著者がとばっちりを食うのはおかしい。この件においては、今のところの情報で判断する限り、著者にはほとんど否がないのである(ただ、出版契約書の内容を見てみないと、断言はできないのだが)。一番尊重されるべき著者が、一番弱い立場に置かれているのである。

こういう構造は、技術者よりも事務が偉かったり、研究者よりもマネージメントが偉かったりするのにも通じるところがあると思うのだが、実際のところ、一番偉いのはクリエイターであって、そのところが軽視される社会は成熟度が低いと思う。

さて、ここまではほとんどの人が納得すると思うのだが、それは広告代理店やら、出版社やら、イベントプロデューサーやら、向こうの世界の話だからである。ここでもうちょっと身近なところに話を引きずり下ろして、これを読んでいる人を当事者にしてみたい。

クリエイター軽視の卑近な例は図書館である。そして、「図書館は有料化しろ」と言うと、あちこちから反対意見が飛んでくる。そのほとんどは「貧乏人の読書機会を奪うな」というものだ。僕も、夏目漱石や太宰治や芥川龍之介の本を借りるのにお金を取るべきだとは思わない。お金を取るべきは、宮部みゆきとか、東野圭吾とか、村上春樹とか、今も生きている作家たちの書籍についてである。どうしても文化が大事だ、図書館はその担い手だ、と言うのなら、図書館は著作者に図書館の負担でお金を支払うべきだろう。でも、図書館は貸与権を確保するために、非営利、無料で営業している。だから、支払うお金の原資がない。そこでとばっちりを食っているのが著者という弱者である。「貧乏人にも読書の機会を」という主張は全面的に否定するわけではない。ただ、その主張を隠れ蓑にして、無料で読む必要のない本が貸し出されたり、本を買えないほど貧乏ではない人に貸し出されたりすれば、しわ寄せは著者に一方的にくることになる。著者は、一番偉いはずなのに、一番脆弱な存在なのである。

町工場の職人は親会社がなければ仕事がない。実験に明け暮れる企業の研究者は会社が潰れたら路頭に迷う。書籍の著者は本が売れないと食っていけない。どれもこれも、社会システムの中に組み込まれないと生きていけない職業である。ただ、社会がそこから搾取し続けていれば、社会自体のレベルが低下する。弱小の著者がメシを食って行けなければ、新しい才能は生まれてきにくくなる。その結果、損をするのは一般読者自身なのだ。

創作活動でメシを食っていくのは非常に難しい。そして、それをサポートするには相応のリスクを負う必要がある。しかし、ネットが行き渡ったことによって、そのリスク自体は徐々に軽減されてきている。小説で言えば、電子出版によって、かなりの構造変化が期待できる。ただ、どの分野においても、構造変化には既得権の争奪戦がつきまとう。その戦いは、消耗戦だ。しかも、既得権者側は、「自分が生きている間だけでも」と思っているから、持久戦も覚悟のうえである。

日本の最大の対立構図は老人対若者という世代間闘争だと思うのだが、それに次ぐレベルで、創造者対利用者という対立が明確化しつつあると思う。今回の一件も、誰もが簡単に情報発信できる社会でなければ、泣き寝入りになっていたはずである。  

2013年07月26日

Bloglinesの不具合の解決方法

イマドキ、まだBloglinesなんて使っている人は少ないかも知れませんが、ここ一週間ほど「しばらくお待ち下さい」と表示されて使えなくなっていました。あらあら、と思っていたのですが、設定で言語を英語にしたら無事回復しました。困っている人がいたらFYIということで。  

2013年07月03日

「続きは有料で」のステマ色に関する雑感

ネット時代以前、売文のお金の流れは、読者>小売>出版社>売文家というほぼ唯一の形が存在した。

ネットのインフラが成熟してきて、特にマイクロペイメントのシステムが徐々に浸透してきて、出版社の役割が小さくなり、売文家がどうやって読者から集金するかという新しい秩序を構築する必要が生まれてきている。今はその試行錯誤の段階である。なので、「?」と首を傾げたくなる場面も少なくない。個人的に特に違和感を持つのが、コンテンツそのもののステマ化である。何かといえば、例えばこの記事をここで終了して、

「続きは有料メルマガでどうぞ」

とやるようなことである。前振りの文章そのものが有料メルマガの宣伝であって、しかもそのことは文章を読み進まないとわからない。一番最初に「この文章の後半は有料です」と記述されているのなら全く問題ないのだが、全部無料だと思って読み進めると、途中で記事が終了してしまうので筋が悪い。

こうした手法では、無料で読める部分の情報性が少ないほどステマ色が濃いと言える。ただし、タイトルのみなどであれば単なる告知で、前ふりだけで内容が全くないものが一番ステマ色が濃いと言える。もちろん、冒頭に「後半は有料」と明記されているのであればステルスではなく普通の広告なので、全く問題がないのは言わずもがなである。記事の導入部分だけを読ませておいて、「続きは有料」というのがどうも、ということである。

また、有料化されている情報には「有用な情報」と、「発信者の主義主張」の2種類がある。これを簡単に表現するなら、前者は「読ませてあげる情報」であり、後者は「読んで欲しい情報」である。さらに簡単な事例を挙げるなら、前者にはお買い得情報など、後者には新聞社の社説などがある。「今、ここでこんなバーゲンをやっていますよ!」という情報は受信者にとって有用性が高く、有料化される裏付けがある。一方で、「今の政府の方針はこんな風に間違っている」という情報は発信者が発信者の主義主張に理解を求めているのであって、発信者が情報を広く伝えたいのだから、こういう情報を有料化するのはお門違いである。

一番リーズナブルなやり方は、無料で記事の大半を読むことができて、記事自体は一応そこまでで完結していて、有料でプラスαの情報を得ることができるというスタイル(これはいわゆるfreemium)である。

以下、身の回りの事例で検証してみる。

事例:cakes(ケイクス)
【特別編】シャラップ上田事件の教訓 vol.3 部下の怒り方
https://cakes.mu/posts/2243
無料で読める文字数:約350文字
無料で読める文章の情報性:ほぼゼロ
情報全体の性格:有用情報の提供
無料で読める文章の性格:ステマ色が濃い
所感:ケイクス自体はコンテンツ販売サイトなので、そこに掲載されている記事が途中から有料化されようと、ステマとは言えない。問題は、1.ケイクスがコンテンツ販売サイトであるというコンセンサスが十分に形成されているとは言えない、2.Twitterなどで、「ケイクスによる有料販売」である旨を表明せずに記事へ誘導されることがある、の2点である。1.については今後は徐々に浸透していくと考えられるが、2.については記事のタイトルに「後半は有料」「一部有料」といった但し書きをつけることが親切だと思う。

事例:MyNewsJapan
早大が「授業上限週4コマ」強行、「非常勤5年でクビ」に追い打ち 講師15人が鎌田薫総長を告訴
http://www.mynewsjapan.com/reports/1851
無料で読める文字数:約2,100文字
無料で読める文章の情報性:かなり高い
情報全体の性格:有用情報の提供と主義主張色が混在
無料で読める文章の性格:ステマ色が薄い
所感:MyNewsJapan自体は記事が途中から有料化されるので、読者との間にMyNewsJapanはそういうもの、という了解が形成されて来るなら問題はなくなっていく。ただ、これもケイクスと同様、Twitterなどの外部サイトからの誘導があるのが問題である。無料の情報でもかなりの分量になるため、Freemiumと捉えることも可能だが、無料パートと有料パートの切り分け方針が不明瞭なため、若干のステマ的色彩を帯びている。

事例:Joe's Labo
採用活動とは、一言でいえば「ブラック労働者をふるい落とす作業」です
http://jyoshige.livedoor.biz/archives/6621201.html
無料で読める文字数:約1,900文字
無料で読める文章の情報性:かなり高い
情報全体の性格:主義主張を無料(一部有料)、有用情報を有料
無料で読める文章の性格:ステマ色は薄いとも濃いとも言えない
所感:Joe's Laboの最大の問題点は、ブログ内で完結している記事と、有料コンテンツに誘導される記事が混在していて、それが記事の最後まで読まないとわからないという点である。色々と参考になる記事が多い城繁幸さんのブログなので、この点は是非改善して欲しいと思っている。

事例:朝日新聞 社説
http://astand.asahi.com/column/editorial/
無料で読める文字数:約75文字
無料で読める文章の情報性:ほぼゼロ
情報全体の性格:主義主張
無料で読める文章の性格:ステマ色はない
所感:最初から「有料です」と謳っているので、ステマ色は全くない。ただ、天声人語を有料化するならともかく、自身のアイデンティティを含めて展開している主義主張を有料化する意図は皆目不明である。読んでもらってなんぼのものなのが社説であって、むしろここだけでも無料化すべき部分であると、小一時間問い詰めたい。ナベツネは嫌いだが、読売新聞の社説は無料で読むことができるし、毎日新聞などはアーカイブへのアクセスも容易である。
読売新聞 社説
毎日新聞 社説


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2013年06月25日

実名のムラ社会における他者批判が及ぼしうる社会的影響と反作用

ブログが炎上した岩手県議が自殺したそうで。

<岩手県議>小泉氏、車内で自殺か ブログ「炎上」で謝罪
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130625-00000019-mai-soci

こうなってみて興味深いのは、もともとのネタのこと。

岩手県議、県立病院に立腹「会計せず帰った」ブログ炎上
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130618-00000002-khks-l03

興味深いのは、記事そのものではなく、これについたFacebookコメントである。

特権階級意識に満ちている様にお見受け出来る件の県議員はもう一度社会人をやり直してから再度議員になられた方がよろしいのでは?このまま議員の椅子に執着する姿は醜悪だ。


あまりの医療についての知識のなさに、憤慨を通り越して大笑いしてしまいました。
しかも、謝罪会見、紙読んでましたねw


県議会議員なのに、こういう傲慢な人間は本当に赦せないね。


と書いた皆さんの心中やいかに?ブログのコメント欄や2ちゃんに書き込んだ匿名投稿ではないだけに。

この事例はプラットフォームがFacebookということから、大きく2つ、特徴がある。1つは実名であること、もう1つはFacebookというムラ社会におけるイジメ的色彩を持つこと。

「実名によって構成されたムラ社会からの他者批判」とはどういうことか、実名に慣れていない人は改めて考えなおす良い機会かも知れません。

#匿名だから安全、何でもオッケーというわけではないです。  

2013年06月13日

教祖と信者の鬼ごっこ

メイロマさんの新刊が発売されたようで、ちょっと早すぎるペースかな、と思わないでもないのだけれど、それはそれ。内容がちゃんとしているかどうかを評価するのは読者の皆さんなので、ここでは言及しない。



僕は基本的にメイロマさんの主張には首肯することが多いのだけれど、「ノマドと社畜」を読んでみて、少なくとも僕にとってはそれほど価値がある内容でもなかったので、後続の書籍は読んでいない。「価値がない」というのは「つまらない」という意味ではなく、僕には分かり切っていること、というニュアンスである。物理学者にとっては高校の物理の教科書が価値を持たないことと同じである。僕は他人の本を読んで、「あぁ、僕と同じ感覚の人がいる」と安心したい人間ではないので、読む必要がないのだ。

誤解されると困るのでもうちょっと補足すると、僕にとって「ノマドと社畜」はいくつかの点で興味があったから購入した。それらは、

  • 出版社が絡んだ電子出版がどうなるのか
    日本語能力が抜群に高いとは言えないメイロマさんの文章にどの程度編集の手が入るのか
    ネット文化圏の影響が強く見られるメイロマさんの芸風がどこまで一般出版社に許容されるのか
    ネット住民に受け入れられた商品がどのように推移していくか


などである。特に四つ目を分析する上では、本を読んでおくことが大切だった。

「ノマドと社畜」からは、多分一般の人とは異なる視点から一定の知見を得ることができて、その時点で僕はメイロマさんの執筆する書籍の内容には興味がなくなった。ということで、以後の書籍は購入していない。ただ、決して少なくない人にとって、メイロマさんの書籍は参考になるところがあると思う。メイロマ本のレビューを見てみると賛否両論で、否定的な意見も少なくない。しかし、「否」が多いということも、この手の本の評価では重要だ。つまり、否定されるだけの明確さを持ち合わせているということだからだ。



さて、今、ネットを見回してみると、そろそろ首を傾げたくなる状況になりつつあると感じる。簡単に言えば、それはメイロマさんの勝間化である。勝間化の定義は難しいのだが、それを2行で書くなら次のようになる。

特定人物の主張をほぼ全面的に受け入れ、それに反対する勢力に対して十分な考察なしに反論する『信者』層が形成されている状態


Twitter界では『教祖』と『信者』の関係が成立しやすく、少し前では芦田宏直さんがこういう状況を作り上げた。僕の場合、芦田さんにしても、メイロマさんにしても、おおよその部分ではその主義主張に共感するのだが、では全面的に支持できるかといえばそんなこともない。例えば芦田さんは内田樹氏と懇意だが、僕は内田樹氏は教育以外の領域においてはかなりアホだと思っている。

参考資料:そろそろTPPについても考えてみないとねぇ
http://blog.livedoor.jp/buu2/archives/51300674.html

この2人がなぜ仲良しなのか、僕には皆目見当がつかないのだが、何か触れ合うものがあるのだろう。少なくとも僕なら付き合う気はしないし、付き合っている知人を見たら「うーーん」と思わないでもない。

芦田さんは教育以外の分野でも、ヘッドフォンなどではなるほど、と思うことがあるが、映画評ではかなりの偏りがあるし、サッカーになればもっと知識がない。当然だが、スキーに関する知識は僕の足元にも及ばないだろう。しかし、こんなのは当たり前である。芦田さんは神様ではないので、得意・不得意が当然ある。芦田さんは自分の専門外の分野についてはほとんど言及することがないのだが、それでもそれぞれの主張は是々非々で咀嚼する必要がある。ところが、ある種の人々の間では、芦田さんは神様なのである。

これはメイロマさんも一緒だ。彼女の視点そのものは斬新というわけではない。むしろ、国際化している人間から見たら当たり前のことが多いのではないか。ただ、その中には当然偏りもある。例えばサッカーに対する感情などがそのひとつだ。英国においてはサッカーは下流階級が楽しむスポーツである。英国に住んでいるメイロマさんがサッカーに対して悪い感情を抱いても全く不思議ではない。しかし、日本は状況が違う。だから、メイロマさんが「サッカーは下流階級のスポーツである」と言ったとしても、それには「英国では」という但し書きがつく。サッカーはわかりやすい例として取り上げたけれど、もっと彼女の専門に近いところについても同様だ。メイロマさんの主張はあくまでもメイロマさんの視点から述べられているに過ぎない。その視野が十分に広いかどうかは別途検討が必要である。メイロマさんも神様ではない。

同時に、メイロマさんは自分で神格化を避けているフシがある。それはシモネタを多用したり、ヘビメタの趣味を強調したりするあたりから垣間見ることができたのだが、最近では自らの著作へのネガティブな評価でも公式RTしているあたりからも、それが伺われる。ハリネズミではないけれど、必要以上に近い距離になること、慣れ合うこと、つまり、教祖化することを意識的に避けているようだ。

メイロマさんは、多分教祖にはなりたくないのだ。

この点で自らのファンを集めて、居心地の良いオフラインミーティングを開催する芦田さんとはちょっとタイプが異なっている。

それでも、メイロマさんの信者となってしまった人は少なからず存在するようだ。メイロマさんがそれを望んでいないのに、である。そういう人の多くは、これまで日本社会で冷遇され続け、自分の生き方を認めてもらえなかった人たちかも知れない。このあたりは全くデータもなければ根拠もなく、芦田さんなら「心理主義」と一刀両断するだろうが・・・。とにかく、依存性が高いにも関わらず、依存できる先を見つけられずにいた層が、ようやく自分を肯定してくれる人物を見つけ、同化したくて仕方がないという状況があるのではないかと想像する。

今、メイロマさんのタイムラインをちょっと読んでいると、"教祖に祀り上げられたくないオピニオンリーダー"と、"ようやく自らの教祖たりうる人物を見つけることができた子羊"との鬼ごっこを見ているような錯覚を覚える。メイロマさんから「私は神様ではありません。自分で考えて、自分で判断してください」と距離を取ろうとしても、信者が「いやいや、見捨てないでください。どこまでもついていきます」となってしまうと、メイロマさんがそれを振りほどくのは大変な作業である。

Twitterがこういう新興宗教的な色彩を帯びてしまう理由は拙著「Twitter後のネット社会」で論じたのだが、簡単にいえば、教祖が簡単に、かつダイレクトに「それは違う」と反論できてしまうので、迷える子羊たちがすぐに説得されてしまうし、ご機嫌取りのポジションに落ち着いてしまうからである。「それは違うんじゃないかなぁ」と思っていても、それを発言したら最後、教祖からも取り巻きの信者からも徹底的な反論を受ける。それが面倒くさいなぁ、嫌だなぁ、と思っているうちに、自主規制し、やがて同化してしまうのである。頭で考えず、教祖に同調することが、信者にとっては一番簡単なことなのだ。



さっきちょこっとメイロマさんへの@を読んでみたら、頓珍漢なラブレターが寄せられていて、「この人は本当にメイロマさんの本を読んだのかな?」と思ってしまった。「自己啓発本なんてクソ」という内容だったはず(ただし、読んでないので、予想である)なのに、信者の方でメイロマさんの著作を勝手に自己啓発本として利用してしまっているフシがある。

メイロマさんにしても、芦田さんにしても、実は(多分)信者に対してそんなことは望んでいない。ふたりとも、自分で考えて、自分で行動することを期待している(のだと僕は感じている)。しかし、皮肉なことに、多くの場合で信者たちは、教祖に同化した時点で満足してしまうようだ。

もちろん、この「信者」というレッテル貼りも、必ずしも正しいわけではない。「俺は、それぞれの主張がそれぞれ正しいと思っているだけで、結果として全面的に支持しているようにみえるかも知れないが、実際は是々非々で考えている」という人も少なくないのだろう。残念ながら、そういう意見が表出しにくいのがTwitterなのである。

メイロマさんの主張は、海外からの視点という点で一部の人にとって新しい。しかし、それが全て正しいわけではない。大事なことは、日本からの視点だけではなく、海外からの視点も併せ持ち、その上で自分がどうすべきかを自分の頭で考えることのはずだ。しかし、Twitterでは、迷える子羊達が一所懸命教祖と同化しようとしている場面がチラつく。

ただ、これは特殊な事例ではない。切込隊長、ホリエモン、あずまん、岡田斗司夫さん、きっこ、上杉隆、勝間和代・・・・ネットの周辺では、これまで大勢の教祖たちが誕生してきた。この中で教祖化が最も顕著なのが岡田斗司夫さんだと思うのだが、彼については過去にこんな記事を書いたことがある。

岡田斗司夫さんのトリセツ
http://blog.livedoor.jp/buu2/archives/51326332.html

リンクを読むのが面倒くさいという人のために要点を書くと次のようになる。

岡田さんに傾倒してしまうと、岡田さんがいないと何もできない、岡田依存症の人間になってしまうだろうな、と思う

色々と自分で考えて、色々な人の意見を聞いて、その上で自分で決めることこそが重要

正しい答えに行き着くことが重要なのではなく、どう考えるか、どうやって正しい答えに行き着くかが重要

過度に依存すれば、岡田さんがいなくなったときに路頭に迷う


岡田斗司夫さんと、芦田宏直さんと、メイロマさんは、それぞれに信者との距離のとり方が違う。岡田さんは3人の中で最も信者の面倒をみようとしていて、メイロマさんは距離を取ろうとしている。この3人の中で、自らに対するネガティブなつぶやきを公式RTしているのは、僕が知る限りではメイロマさんだけだ。

教祖と信者の関係は一種類だけではない。教祖の数だけ存在する。その中で、明確に"アンチ"教祖という姿勢を打ち出しているメイロマさんが、これからどういうポジションに立っていくのか、なかなか興味深い。  

2013年04月09日

TOEICに関する雑感

先日、こんな記事がYahoo!のトップに掲載されていたのだが、

TOEIC高得点社員の英語力ギャップ なぜ?人事担当者もビックリ
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20130408-00000500-biz_san-nb

中身を読んだら、四月馬鹿かという内容が書かれていて驚いた。いわく、

企業の選考においてTOEICで高いスコアを保持していることは、就活において非常に有利と考えられています。大手電機メーカーや素材メーカーの人事担当者から聞いた話に依ると、内定者の多くは就活時点で750程度のスコア(最高点が990)を保持していると言っています。 実際に、武田薬品工業では、応募条件にTOEIC730点を基準として設けています。こういった傾向は企業全般に言えることです。しかし、入社後の実体を聞いてみると、TOEICのスコアは高いが英語でビジネスメールが書けなかったり、英語圏の外国人との会話ができなかったりするらしく、企業の人事担当者も頭を抱えているそうです。


とのことなのだが、「大手電機メーカーや素材メーカーの人事担当者」に本当に話を聞いたんだろうか?フィクションじゃないの?TOEICって、ほぼヒアリングだけの試験で、TOEICの点が高くてもビジネスメールが書けないのは普通の話。人事担当者が本気で入社希望者の英語力を試したいと思うなら、TOEICなんか参考にせず、自分が英語で面接すれば良いだけのこと。大体、ここに出てくる750とか、730なんて数字は、ビジネスでは全く参考になる値ではない。TOEICなど、ビジネスにおいては900未満はゴミである(900以上がゴミではないということではない)。

資格試験というものは、「資格試験のためにこれだけ勉強しました」という努力を証明するだけのものである。例えば僕はバイオ技術者認定試験なんていう資格を持っているが、この資格のためにやった勉強はゼロである。受験料を払って、試験を受けて、合格した。では、その資格がこれまでの人生で何かしら役に立ったかといえば、何の役にも立っていない。履歴書に書いたことすらない。なぜこの資格が僕にとって全く役に立たないかって、それは僕がこの資格を取るために何の努力もしていないからだ。この程度の資格なら目をつぶっていても合格することは、僕も、周りの人間もわかっているから、僕がこの資格を持っていても何の意味もない。同様に、「こいつは英語ができる」というのは資格の有無に関わらずわかることで、TOEICの点数など、「TOEICのために勉強を頑張った」ことしかわからないのである。もちろん、ビジネスで利用できるくらいに英語ができる人間がTOEICを受けることもあるが、それは僕がバイオ技術者認定試験を受けたのと同じである。TOEICなど、実社会ではそのくらいの意味しかない。民間企業でTOEICを受けさせる会社があるし、中央官庁でも役所内で試験を実施したりしているけれど、これなども「勉強しました」という目印なだけで、だから給料が上がるかといえばそんなことはない。仕事で役に立たないなら、TOEICが950点だろうが、会社に対しての貢献はゼロである。

自民党が「TOEFLの成績を大学受験資格に」などと言っているようだが、これもまた疑問である。英語力は海外生活が長ければ必然的にアップするもので、必要以上に英語力を評価することは、クラスの固定化につながる。子供に海外生活をさせるような家庭は、一般論として日本社会においてはそれなりに上層に位置する家庭で、子供の英語力を必要以上に評価することは、裕福な家庭の子供に偏重して高等教育を受けさせることになりかねない。

ここ数年、英語力ばかりが取り沙汰されるけれど、僕がやばいと感じるのはむしろ日本人の日本語力の方である。日の出テレビの政治家たちですら、平気でら抜きなどの間違った日本語を使い、それを指摘されても修正することをしない。日本語を大事にしない人間が日本を大事にするとは思えないのだが、日本人自体が日本語を大事にしていないのだから、その代表である政治家が日本語を大事にしなくても、当たり前である。僕なら、ら抜きを使うだけで投票しないのだけれど、そういう人間はマイノリティなのだろう。  

2013年03月29日

ブログ、Twitter、Facebookの性質を簡単にまとめてみた

ブログ>文字数制限がなく、誤解されることを回避しやすい。ストック文化。継続には情報発信力が要求される。

Twitter>簡潔に伝える。即時性(フロー文化)。継続は容易。馬鹿発見器。ただし、有能な人も見つけられる。

Facebook>日本においてはムラ社会を助長させる傾向大。かなりフロー寄りな文化。継続には馴れ合える友人が必要。馬鹿発見器2.0。もともと友だちなので有能な人の発見は少ない。一方で、「こいつ、こんな馬鹿だったのか」という発見は時々ある。  

2013年02月06日

【拡散希望】 新手のフィッシング?(注意報)

最近、二度ほどこんなタイトルのメールが来た。

Your Amazon.com Kindle e-book order confirmation.

メールの内容はこちら↓
amazonfake


ご丁寧にアマゾンのロゴまで使っているのだが、リンク先は全然AmazonっぽくないURLになっている。大体、Kindleさんってば、こんな丁寧なメールなんてよこさず、有無をいわさず引き落とすじゃん、はて?面妖な、と思って調べたら、Amazonさんのサイトにも「フィッシング詐欺だよ」と掲載されてました。

参考:Is This E-mail from Amazon?
http://www.amazon.com/gp/help/customer/display.html?nodeId=15835501

とりあえず、共有しておきます。  

2013年01月25日

くまモンが来たっ!しかも、今日からだ!

丸ノ内線と銀座線にくまモン電車が走るらしい。

くまモンが東京メトロを「モンジャック」!! 〜熊本が誇る阿蘇の魅力をドドンとPRするモン!!〜
http://www.sankeibiz.jp/business/news/130125/prl1301251709052-n1.htm

◆くまモンUライナー(広告貸切電車)が走行!(1/25(金)〜2/8日(金))
・東京メトロ銀座線と丸ノ内線に「くまモン」の貸し切り広告列車が走ります。
・各線1編成(6両)の計2編成をくまモンがジャック!車内がくまモンに染まります。


これは乗りたい!できれば、位置往復ぐらいしたい。くまモンの被り物をかぶって乗りたい。

Twitterが威力を発揮すべき時が来たようだな。「今、○○を××方向に走ってます」という情報、よろしくお願いいたします。  

ステマも腹が立つが、「続きは有料」も同罪

ニュースサイトやら、ブログやらで、読み進んでみたら「ここから先は有料」というのを最近見かける。もちろん、ほとんどの記事がお金を出してまで先を読みたいと思うものではないので、「じゃぁ、良いよ、読まないから」と、読むのをやめる。というか、これまで、一度たりとも、そういう理由で有料コンテンツにお金を出したことはない。腹が立つからだ。

途中で有料になるのは構わないが、一番最初に「この記事は途中から有料です」と書いておくべきだ。最初に書いておいてくれれば、最初から読まないから、腹も立たない。

なぜなら、そういう記事は、無料で読める部分だけ読んでも、一般的に何の価値もないからである。最後まで読んで、はじめて価値がでてくる。

つまり、無料で公開されている記事の導入部分は、それに続く有料部分の広告でしかないのだ。その広告部分を、何も宣言せずに読ませる。これを「お行儀が悪い」と言わずして、何というのだろう?  

Appleの情報はどこから読むべきか(トラブル解決のためのTips)

最近、iPadを充電する時は大抵ACアダプターから直でやってしまう。というのは、PC経由だと凄まじく時間がかかるからだ。ところが最近、あるアプリがアップデートできなくなっていて、「もしかしたら、iTunesからならアップデートできるかな?」と考えて、ついでだから久しぶりにPCにつないであげよう」と思って、接続してみたら、

「この iphone に接続できませんでした。 不明なエラーが発生しました」

という、「お前のような不義理な奴は息子でも何でもない。二度とウチの敷居をまたぐな」と勘当を言い渡されたような事態になった。

またおまえか、という気もするので、さっそくGoogle様に「この iphone に接続できませんでした。 不明なエラーが発生しました」とお尋ねしたところ、このサイトをご教授頂いた。

iOS:Windows パソコンに接続すると「0xE」を含む不明なエラーが発生する
http://support.apple.com/kb/TS3221?viewlocale=ja_JP

そうそう、まさにこれですよ。ところが本文を読むと、「お前、日頃からちゃんと風呂に入っていないだろ?身なりをきちんとしたら、お父さんだって機嫌を直してくれるに違いないよ」みたいなことが書いてある。またおまえか、という気もするのだが、短気はいけない。Appleとの付き合いかたは「最後まで読む」である。と、一番最後に追加情報がある。

追加情報
不明なエラー「0xE800000a」について
iOS デバイスの接続時に「lockdown」フォルダの内容が使用できなくなっているために、iTunes で「不明なエラー 0xE800000a」が表示される場合があります。お使いのオペレーティングシステムに応じて以下の手順を実行してください。


ふふふ、やはりな、と思いながら、こいつをクリック。すると、例によって僕には無関係な前振りの後に、

コンピュータ上の次のフォルダに移動します。
C:\ProgramData\Apple
「Lockdown」フォルダを「ごみ箱」に移動します。


という記述が。「おい、お前、背中に「お前の母ちゃんデベソ」って貼り紙が貼ってあるぞ」ということだ。早速その貼り紙をはがしてみたところ、無事家の中に入れてもらえた。

教訓:Appleの情報は"一番最後から"読むべし(知ってた)  
Posted by buu2 at 11:52Comments(0)apple

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2013年01月19日

Kindleダイレクト・パブリッシングの一般化に必要なこと

昨日の「総統閣下はお怒りです」(日の出テレビ)では、Kindleダイレクト・パブリッシング(KDP)を利用して本を出版する方法について喋ったんですが、ラストで「どうやって売っていくかが今後の課題」と締めくくったわけです。



昨日は時間切れでここで終了でしたが、じゃぁ、その課題解決にはどんな手法があるのか、考えてみます。

その1 読者の拡大
「使ったことがない」「買ったことがない」という人は、そのままでは電子書籍ユーザーになりません。彼らをこちら側の世界に引き込まなくてはなりません。一度買ってしまえば、「なんだ、簡単じゃないか」ということになります。

そのためのトリガーとしては、電子書籍でしか売ってないビッグタイトルが複数必要です。

まず、「しか」という部分が大事で、一般書籍として販売されていれば、保守的な日本人の多くが「高くても、一般書籍で」と考えると予想します。それともうひとつ、「複数」というのも大事です。なぜなら、書籍のターゲットはピンポイントで、電子書籍は特にそれが顕著だからです。逆に言えば、万人受けする宮部みゆきや東野圭吾は、現段階では電子書籍のみで出版する必要など全くないわけです。電子書籍になっているものは電子書籍である理由があって、それは「大衆ウケしそうにない」「あまり売れなさそうだ」というものです。ただ、その判断を下したのはあくまでも出版社や編集者であって、彼らが売れないと思ったのに(あるいは売れると自信が持てなかったり、会社の上司を説得できなかったり)バカ売れ、みたいな本が何冊も出てくる必要があります。

僕としては、「ノマドと社畜」などはそういう本の代表だと思うので、何度もプッシュしているわけです。ちょっとでも興味があれば、買ってみてください。Kindleを持っていなくても、スマホやiPadで読めてしまいます。内容はもちろん、フォーマットとしても「あぁ、電子書籍って、こういう感じなのか」というのがわかる本なので、最初の一冊として好適です。




その2 サポーターシップの醸成
サポーターシップという言葉があるかどうかわかりませんが、以前、カーリング関連でこんなことを書いたことがあります。

B to Cの関係をどうやって再構築していくか
http://blog.livedoor.jp/buu2/archives/51219044.html

ここで書いたのは、「消費者とスポンサーの新しい関係を構築していく必要がある」ということです。電子書籍に関しては、著者と読者の新しい関係が必要になってくるはずです。なぜなら、現状の電子書籍の著者はほとんど全てが弱い存在で、誰かの支援が必要だからです。じゃぁ、誰がどうやって支援するのか、ということになるのですが、基本的に、支援者は読者だけです。読者が、「この本、面白い」と感じたら、どんどんレビューを書いて、知人に教えて、その販売を支援する必要があります(もちろん、面白くなければ支援する必要はありません)。売れなければ、たとえその本が良い本だとしても、次の本は出版されないのです。

このあたりについて、わかりやすく卑近な例を考えてみます。誰かが、「元木さんには、次は横浜のラーメン本を書いて欲しい」とつぶやいたとします。もちろん僕はやる気はあります。でも、横浜までラーメンを食べに行って、それを書籍化するためには、当然お金が必要になります。一般書籍であれば「取材費」として出版社から交通費と食費ぐらいは出してもらえますが、電子出版では誰もお金を出してくれません。僕の自腹になるわけです。そのとき、横浜の本を読みたいと言っている人は、何ができるのかって、とりあえずは池袋の本を買って、そのレビューを書く、あるいは知人に勧めることが最大の支援になるわけです。

以前の日本では、こうした馴れ合い体質、ムラ社会気質が一般的でしたが、今の日本の都市部ではすっかり希薄になりました。こそこそ悪口を言い、足を引っ張り合うような陰湿なムラ社会気質は相変わらず残っているのですが、なぜか相互に助け合うような気質は失われてしまったような気がします。電子書籍の一般化を加速するには、こうした古き良き時代の精神が必要なのではないかと思っています。

#間違っても、「行政の支援」などは考えないでください。

一人ひとりが、「この人の本をもっと読みたい」「この人の本をもっと多くの人に読んでもらいたい」と考える必要があるのです。多くの人が気がついていませんが、今まではその役割を出版社や本屋さんが果たしていました。KDPの世界には、その役割を主体的に果たす人がいません。読者の私たち自身が、その役割を果たす必要があります。

ちなみにKDPでは、アフィリエイトの紹介料率が10%と、かなり高めに設定されています。めいろまさんの本を僕のサイトから買ってくれた人も結構いるのですが、その紹介料は1,500円の本と変わりがありません。


その3 新しい「本作り」の拡大
KDPは、改訂が物凄く楽という特性があります。今のところ、24時間で改訂できます。僕の本も、すでに第2版になっていて、年内に数回の改訂を予定しています。また、価格の更新も楽です。そこで、「この本を読んだけれど、もっと良い物にしてあげますよ」という人が出てこないかなぁ、と考えています。これまた卑近に自分の本で言えば、「池袋のラーメン屋のラーメンの写真、もっといいものがあるので、全部取り替えませんか?」とか、「Google Maps直結も良いけど、イラストもあった方が良くないですか?」とか、「掲載店の配置がわかる大きな地図を作りましょう」といった提案があっても良いよな、と思うのです。僕が同意した場合、それらのコンテンツに僕がお金を支払って、次の改訂の時にそれを掲載すれば良いのです。いわば、事後編集です。僕の負担があまりにも大きければ、それは価格に上乗せしてしまえば良いのです。「今度の改訂ではこれこれしかいじかの大幅増訂があったので、価格は100円アップです」といった感じです。

#ここで手を挙げてくれるのは、個人のみならず、既存出版社でも全く問題ありません。例えば、「元木さんのラーメン本を写真と地図でサポートします。かわりに、一般書籍としてウチから出版させて下さい」みたいなオファーでも大歓迎なのです。

##あるいは、もっと前段階でのアプローチもありなはずです。「今回の一連のKDPに関するエントリーで一冊書籍にしませんか?」みたいな感じです。

また、KDPでの出版にあたっては、「編集者」が絶対的に不足します。本を出したことがない人はわからないでしょうが、編集者とは、校正をやるのみならず、全体の構成を再構築したり、資料を集めてくれたり、本を作る上で大きな役割を果たしてくれる人です。昨日の放送でも触れましたが、今回の池袋ラーメン本でも、実は編集者を探しました。結果的に見つけることができず、自分で全部やらざるを得なかったのですが、良い編集者と組むことができていれば、本のクオリティはもう1ランク上がっていたかも知れません。著者と編集者を結びつけるような仕組みがあったらなぁ、と思います。

#著者にとって編集者とは非常に大事なのですが、誰でも良いというわけではありません。著者からすると、自分の文章にあーでもない、こーでもない、とケチをつけられることになるので、お互いの信頼関係が非常に大切になります。「やりましょうか?」「お願いします」という、簡単な関係ではないのです。  
Posted by buu2 at 11:14Comments(0)TrackBack(0)読書

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2013年01月13日

凄いなー、メイロマさん( @May_Roma)の本、有料タイトルで1位だ

mayroma


メイロマさんの場合Kloutが69もあるので、元々影響力は大きいわけだけど、それにしても影響力の比較的低い連休中に発売してあっという間に1位というのは凄いですね。

どの位売れるとこの順位になるのか、ちょっと気になります(^^

弊社定款には15番目に「書籍、雑誌等の制作、出版、販売」というのがあるので、電子出版サポート業なんていうのもやれそうだな。表紙のデザインとかでイラストレーターの仕事も増えるかも?なんか、久しぶりにちょっと消費が上向きそうな話題だ。

電子書籍の場合、最大の問題はプロモーションだねぇ。  

2013年01月11日

Kindle本を書いてみてわかったこと

○出版に関するハードルは滅茶苦茶下がった
 >現在、料理本、映画本、ラーメン本(他地域、および英語版)などを企画中

○加筆、修正が非常に楽

○著者は、7インチタブレットおよびネット回線との連携を念頭に入れる必要あり

○マイクロペイメントの都合で有料メルマガに移ったコンテンツメーカーたちは、再びブログに戻ってきた上で、ブログコンテンツをリライト、編集した上でのKindle本化に進むのではないか

○出版社の余命は急速に縮まったのではないか

○今後の出版者(社)の役割は、大量の駄本の中から良本を見つけ出してくる、目利き能力

○編集者のニーズはアップするはず

○Kindleには、望みたい改善ポイントが結構ある
 >データ更新の告知方法、iOSへの対応、本のカテゴリ設定、献本機能など

○livedoorブログのePub書き出し機能は素晴らしい

○コンテンツメーカーは、粗製濫造になる前にその分野での第一人者としての地位をものにしたい

○書籍化を前提とするなら、現在の携帯カメラの機能は物足りない

○KDPの売りのひとつに「Wordで作れる」というのがあるけれど、Wordで作るのは得策ではない
 >Sigilはかなりオススメ、ただし、他のアプリは試していない

あと、下記のサイトは結構良い情報がある。九州地方のIT関係者は彼の雇用をちょっと考えるべき。あと、Kindle本を出版したいけれど、電子書籍化に関する知識や能力にハードルを感じている人は、彼に"有料で"相談するという手もある。一冊3万円ぐらいでどうか?

忌川タツヤのKindleは友達さ!

とりあえずKindle本ランキングで1位を目指すので(笑)、ぜひこちらをお買い上げ下さい。よろしくお願いいたします。

  

2013年01月07日

日の出テレビを観て、コメントしたら良いと思うよ

去年から僕がキャスターをやっている日の出テレビは、神奈川県を中心とした自民党関係者が運営しているネットTV局です。僕が日の出テレビに参加した時点では横浜市会議員3名だけが現職だったんですが、先日の衆議院議員選挙で5名が当選、神奈川県に4人、青森県に1人という、結構政治力があるTV局になってしまいました。ある意味で、この間の選挙で生まれ変わってしまったのです。

TV局のメンバーがまだ当選回数が浅い若手中心であること、そもそも自民党神奈川が主流派とちょっと距離があることなどから、安倍さんの掲げている政策を新聞で読んでいるだけの人が配信を聞けば「あれ?これ、本当に自民党?みんなの党じゃなくて?」と疑問に思うかも知れません(てか、僕はそう思うんだけど)。そんな疑問も、ダイレクトに投げかけることが可能です。

日の出テレビの特徴は、書き込まれた投稿は全部読む、というものです。公序良俗に反しない限りはどんな内容でも読んでもらえます。今までは落選議員が中心だったので国政に反映する感じでもなかったんですが、今は違います。

今年の配信は1月8日の22時からスタート。トップバッターは山際大志郎衆議院議員で、経済再生大臣政務官、経済財政政策担当、社会保障・税一体改革担当という経済政策の要職に就いた人です。時間のある方は、ぜひ一度、生まれ変わった日の出テレビを観てみて下さい。そして、遠慮なくコメントを投げかけて下さい。様々な意見が飛び交って収拾がつかない、そんな状態にしちゃいましょう。

日の出テレビ
http://hinode.tv/

#ちなみに本当のトップバッターは僕で、20時からの配信予定です。年末は選挙活動で忙しい皆さんに代わって毎日のように放送し、"代打の神様"と呼ばれましたが、今年はリードオフマンです(笑)。放送は、多分「くまモン特集」。僕の方は相変わらずゆるゆるでいきます。  

2013年01月06日

Kindleダイレクトパブリッシングによる出版の状況(メモ書き)

ここまでの作業
○準備
 ●米国EINを取得(所要期間約45日)
 ●AmazonにEINを郵送で連絡
○“Amazonご推奨の”Wordを使って書籍作成
○本の特徴は下記
 ●地図リンクがある
 ●画像が多数ある
○作ったものの、Wordでの目次制作が煩雑で面倒
○Amazonが用意してくれているプレビューアーで表示確認 > とりあえず、オッケー
○とりあえず、出版申請
○Amazonより著作権についての確認あり(すでにブログでオープンにしている記事などが含まれていたため。申請から24時間内)
○著作権の帰属について説明(メール)
○販売開始(24時間内)
○知人のAndroidスマホで購入して内容のチェック
 ●表紙が表示されない
 ●写真が一部表示されない > プレビューアーでは問題なし
 ●文章も重複があって、不備がある > Word上では問題なし
○著者のところに出版者の名前が表示される
○PDF版への移行を検討 > 地図リンクがつながらず、断念
○表紙を作り直し
○表紙のみをアップ > 約12時間で反映
○Sigilによる制作を検討
○作業開始
○Sigilにバグが多い(多分、HTMLの知識がないとうまく修正できない)
○Sigilによる第二版に向けて作業中 ←イマココ



現時点でのトラブルに関する知見
○Wordからの直接変換は手間がかかる割に不備が多い > Sigilで作業中
○プレビューアーで確認しても動作しないことがある
○Sigilもそこそこバグがある

ワンポイントアドバイス
○表紙は先に用意したほうが良い
○パラグラフレベル(ポイントドットシステム、ウェブ上ならh1、h2とか)は先に考えておいた方が良い
○ネット内のKDP出版に関する情報は「テキストばかり」なら役に立つ
○ハイパーリンクがない書籍ならWord→PDFで作るのが多分楽(ただし、読者に対して不親切である可能性が大きい)

現状で不明な点
○iPadのアプリで購入する方法がわからない(Androidアプリからは簡単)
○Kindleで地図へのリンクが動作するかわからない
○第二版が無料でアップデートされるかわからない(まだやってないので)

検討課題
○Android携帯の購入とそれによる動作確認
○Kindleによる動作確認(プレビューアーでの確認では現状不十分)

参考にした資料
Kindleダイレクト・パブリッシングの解説(公式)
epub形式の電子書籍作成フリーソフト「Sigil」 ダウンロードから使い方まで

感想
色々大変だが、最初のうちは仕方ないだろう。書籍の体裁によって、「こういうのが良い」というのがわかってくるはず。Kindleの対応は素晴らしく早い。というか、普通レベルなのかも知れないが、これまでAppleの超のんびり体制(更新に2週間とか、クリスマス休暇で一週間ストップとか)にすっかり慣れてしまったので、年末年始(というか、元日)でも24時間以内に対応とか、「えっ?」という感じである。

この記事が「参考になった」という方は、ぜひ、上記の書籍をお買い上げ下さい(笑)。今後のアップデートなどもリアルタイムで見ていくことができるかも知れませんし、そもそも、どういう不備が発生しうるのか、ケーススタディできますよ!  
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2012年12月13日

ステルスマーケティングが思わぬ方向から炎上した件の整理

このブログでは随分前からステルスマーケティングの不当性を訴えている。下記はその一例。

血を吐きながら続けるマラソンの給水所(2011年01月24日)
http://blog.livedoor.jp/buu2/archives/51188912.html
ペニーオークションとアメブロ芸能人ブログを批判

Twitterでもステルス広告禁止になる?(2010年03月12日)
http://blog.livedoor.jp/buu2/archives/51000300.html
口コミ広告関連のリンク集と、ステマの事例紹介

ブログによる広告(2009年09月08日)
http://blog.livedoor.jp/buu2/archives/50882514.html
アメブロの芸能人ブログが展開するステマを批判


こうやって地道に批判していても、ブログサービスの最大手、アメブロがステマで何が悪い、という姿勢だったことから、特にアメブロの芸能人ブログでは相変わらずサクラ記事が満開という印象だった。そんな中、あれ?こんなところから炎上するのか、と意外に思ったのが、件のペニーオークション詐欺事件である。

事件の経緯は記事を追っていただければ良くわかるはずだ。

ネットオークション突然閉鎖…「サクラ」指摘で(2012年11月17日)
http://www.yomiuri.co.jp/net/news/20121119-OYT8T00324.htm

ネットオークション詐欺、落札不可能な仕組み…(2012年12月07日)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20121207-OYT1T00814.htm

ペニーオークション会員10万人 ほぼ架空(2012年12月08日)
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20121208-OYO1T00322.htm

ネット入札詐欺事件、女性タレントをサクラに?(2012年12月12日)
http://www.yomiuri.co.jp/net/news/20121212-OYT8T00348.htm

ペニーオークション詐欺 タレント「落札」うそ(2012年12月12日)
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20121212-OYO1T00253.htm

ほしのあき、落札装うブログ宣伝を謝罪 商品は「落札せずに受けとった」(2012年12月13日)
http://www.47news.jp/topics/entertainment/oricon/culture/121641.html


ちなみにこのワールドオークションのステルスマーケティングに加担したタレントについては、こちらで一覧することができる。

ペニーオークション運営で4人逮捕。しかし、実際に激安で落札したと主張する芸能人22人をまとめてみた
http://matome.naver.jp/odai/2135492729923700001


これらを見てぱっとわかるのは、ほとんど全ての関係者たちがアメブロを使っていることなのだが、当のアメブロは関与を否定している。

サイバーエージェント、ペニオクを宣伝する芸能人ブログへの関与を否定
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20121212_578434.html


よりにもよって全部アメブロってどんだけ偶然よ、と思うけれど、このあたりの調査は警察に頑張っていただくとして、ちょっと面白いのは読売新聞みたいなサイトでもペニーオークションを紹介していたりすることである。

ぺにーおーくしょん【ペニーオークション】(2010年8月20日)
http://www.yomiuri.co.jp/net/column/yougo/20100820-OYT8T00413.htm


一応「くれぐれも熱くなりすぎず、予算をオーバーしないように注意しながら」と但し書きをつけてはいるものの、こんな、最初っから詐欺臭がプンプンするシステムを天下の読売新聞が紹介している点も興味深い。僕が上で紹介した「血を吐きながら続けるマラソンの給水所」というエントリーで、

このオークションが最も問題になるのは、主催者がサクラを配置した場合、参加者は絶対に落札できなくなるということだ。落札できなくても入札手数料は取られてしまうので、参加者はただただ手数料を取られるだけになる。では、そのサクラを排除できるのか、透明性を維持できるのかといえば、それは非常に難しい。国がやるとかなら話は別だが、一般企業で「うちは絶対にサクラを使っていません」ということを証明することは非常に難しい。というか、ほぼ不可能である。


と、その問題点を指摘したのが読売の記事の約5ヶ月後。もうちょっと早く書いておけば「読売新聞もアホだね」と馬鹿にできたのにちょっと残念である。それにしても、ネットの専門家がちょっと考えれば「これはおかしい」と考えつくようなシステムが、その後2年近くも存続していたということにまず驚く。とはいえ、今回のワールドオークションの件によって、ペニーオークションは大きなダメージを受けて、ネット上から淘汰されていくだろう。ここで考えなくてはならないのは、ペニーオークションではなく、それをきっかけとして再び日の目をみることになった「ステマ」(=ステルスマーケティング)である。

今回の一連のタレントによるステマは、ステマの中でもかなり筋の悪いもので、簡単にまとめれば「本当は落札が不可能であるにもかかわらず、ペニーオークションシステムを利用して非常に安価に希望の商品を落札したと虚偽の情報を発信し、加えてそのシステムの運用者から直接供与された当該商品の写真を掲載することによって、あたかもその情報が真実であると印象付け、閲覧者がそのシステムを利用する(=詐欺の被害に遭う)ように誘導した。その際、商品以外に30万円が支払われていた」ということだ。この中でステマとして問題となるのは、

1.情報が広告(=広告料が提供されている)であると明示されていないこと
2.システムを利用したというのが虚偽であること

の2点である。もちろん僕はこうした活動に対してネガティブな立ち位置だけど、じゃぁどうしたら良いのか、というのは難しい問題だ。一番良いのは、「ちゃんとした広告活動、正直な広告活動が、ステマのような不正な広告活動よりも高い効果をあげること」なので、まずは問題意識を持っている当事者たちが、ステマではない広告活動を展開するのが最初の一歩なんだと思う。早く、「ブログを使ったマーケティングなら、元木の経営しているライブログに任せておけば安心」となれば良いのだけどね(ステマじゃない)。  

2012年11月28日

【お詫び】風評被害に対するお詫び

先日来、下記の2つのニュースにつきまして、はてなブックマーク、Twitter、および日の出テレビ「総統閣下はお怒りです」などを通じて、「ヤスデ、ミミズ、ゴキブリは食べ合わせが悪い。」「ゴキブリを食べすぎるのは良くない」などと不適切な情報を発信しておりました。

該当ニュース:
ゴキブリ大食い大会後倒れ死亡 数十匹食べ優勝の32歳男性 米フロリダ
http://sankei.jp.msn.com/world/news/121010/amr12101014040004-n1.htm

ヤスデ100匹、ミミズ30匹も食べていた ゴキブリ大食いで死亡の男性
http://sankei.jp.msn.com/world/news/121011/amr12101107120002-n1.htm

しかしながら、CNNの報道によりますと、ゴキブリの大食いで死亡された男性の死因は、ゴキブリやヤスデを食べ過ぎたこと、あるいはそれらの食べ合わせによるものではなく、胃の内容物を誤嚥して窒息したことが原因だったと断定されました。

虫食い競争優勝後に死亡した男性、窒息が原因 米当局
http://www.cnn.co.jp/usa/35024917.html

十分な事実確認を行わず、不当な表現でゴキブリ様、ミミズ様、ヤスデ様の名誉を傷つけたことを重く受け止め、深く反省いたします。大変申し訳ありませんでした。今後はこのようなことが発生しないよう、記事の執筆やテレビ番組内での発言には十分注意するようにいたします。なお、このブログを御覧になっている皆様におかれましては、今後は安心してゴキブリ、ミミズ、ヤスデをお召し上がりくださいますよう、よろしくお願いいたします。  

2012年11月13日

三井住友銀行からの不審なメールとコメント

2012/11/12 22:59にこんなメールが来た。

件名:
三井住友銀行より大切なお知らせです

本文:
この度、SMBCダイレクトのセキュリティー強化の為、サーバーのバージョンアップを行いましたので、お客様にもご面倒をお掛けしますが必要事項を記入し更新手続きをお願いしております。
更新お手続きを怠るとSMBCダイレクト使用中にエラーなどの発生が生じる可能性がありますので大至急、更新手続きをお願いします。
ログイン後、更新をお願いします。

更新ページ
*******************


ご面倒をお掛けいたしますがご協力お願いいたします。

三井住友銀行


差出人のメアドも怪しいけれど、本文も怪しすぎる。いくら三井住友銀行でも、もうちょっとまともな文章を書けるんじゃないだろうか。この手のメールで「お客様にも」「大至急」「お願いします」なんて言葉は使わないよね。そもそも、事後報告とかありえないし。

と思っていたら、その約2時間20分後に、今度は約1年も前に書いた、三井住友銀行の行員を馬鹿にしたエントリーに、そのご本人を名乗る人物からコメントが来た。

年末の忙しい時に釣られた話(のコメント欄)

これまた意味不明で、いくら三井住友銀行の窓際族でも、もうちょっとまともな文章を書けるんじゃないだろうか、と思った。「メールをください」って、なんであんたなんかにわざわざメールを出さなくちゃならないのさ。有料でのコンサルティングならともかく。

こちらも怪しいけれど、三井住友銀行の窓際族なら、この位のレベルは意外にありなのかもしれず、なんとも言えないなぁ、と思っているところ。  

2012年11月05日

「マスコミは馬鹿」って書いたら、朝日新聞の社員が身分を隠して反論してきた(らしい)

田中文部科学大臣が3つの大学の新設申請を不認可にした件について「田中大臣は絶対に翻意すべきではない」という記事を書いたんですが、

大学新設不認可の件では、田中大臣は絶対に翻意すべきではない
http://blog.livedoor.jp/buu2/archives/51368305.html

昨日の夜22:17に、この記事にmasutoと名乗る人物からコメントがあって、

「マスコミは馬鹿」みたいな表現で書き出している段階で、まともな意見を期待することに疑問を感じるのだけれど、読んでみてやはりそうでした。


という書き出しだったので、こいつ、誰なんだろうなぁ、と思ってIPを抜いてみたら、朝日新聞社からのアクセスだった。ははぁ、さすがは天下の朝日新聞社、「マスコミは馬鹿」と書かれて頭にきたんでしょうね(笑)。それで、身分は隠していたけれど、なぜか携帯のメアドが記載されていたので、早速メールをしてみたわけです。こんな感じで。

タイトル:元木です
内容:あなたはどこの誰ですか?
タイムスタンプ:2012/11/04 23:22


そうしたら、今日の昼になって返事のコメントが来て、

意見や議論のやりとりの応酬なら望むところだけれど、真面目に論理を尽くして書いているコメント主に対してそういう言い方しかできない人物とはメールをくれてもやりとりしません。


だそうで(笑)。

これが本当に朝日新聞社の社員だとしたら、レベルが低すぎ。新聞社の社員という立場にありながら、自分の身分は隠してコメントをしてきて、そのバックグラウンドを問われたら「やりとりしません」だって(笑)。こちらは本名から経歴まで全部オープンにして意見を書いているわけで、それに対して自分がどういう知識を持っていて、どういう経緯から反論を書いたのかも明記せず、挙句に「まじめに論理を尽くして書い」たコメントの主文が

「大学認可制度は問題があって考え直すべき」という問題と「いままで認めてきた文科省が突然認可をやめて混乱や迷惑を生んだ」という問題が別の問題であることにきちんと区別が付いていない。


だけっていうんだからへそがお茶を沸かします。

っていうかね、人のブログにやってきて、自分は好き勝手なことを書いておいて、「あんた、だれぇ?」と聞かれたら「教えてあげないよ!」って反応で、それが一般ピープルだって言うならともかく、朝日新聞社の社員で、会社の看板を背負って(もしかしたら、本人は背負っていた自覚がなかったのかも知れないけれど)っていうのはどうなの(笑)?言論や情報発信を生業としている人間が、自分だけは安全な匿名という立場で他人を批判するっていう、そのヘタレ具合がなんともいえないわけです。

いや、なりすましかもしれないし、僕の勘違いで、朝日新聞社とは全く無関係の馬鹿が書き込んだのかも知れないんですけどね。もしそうだったらごめんなさい。ということで、一応「らしい」としておきます。あ、やり取りは普通に公開してあるので、上記エントリーのコメント欄で、誰でも見ることができます。あと、masuto氏のアクセス情報は下記になります。

Network Information:
a. [IPネットワークアドレス] 133.173.0.0/16
b. [ネットワーク名] ASAHI-NP-NET
f. [組織名] 株式会社 朝日新聞社
g. [Organization] The Asahi Shimbun Company
m. [管理者連絡窓口] TY14468JP
n. [技術連絡担当者] KH264JP
n. [技術連絡担当者] JP00050540

ページ回数9 前回2012/11/05 11:58:40 初回2012/11/04 21:04:48
モニタ1280 x 800 x 32bit
リンク元http://www.facebook.com/
HTTP_USER_AGENTMozilla/4.0
国/言語日本語
ホスト名atws03.asahi-np.co.jp

  

「コラーゲン食って肌がぷりぷりになるわけねーだろ(笑)」のまとめ(インチキ企業リスト付き)

コラーゲン食って肌がぷりぷりになるわけねーだろ(笑)
http://matome.naver.jp/odai/2135173152447748601

NAVERまとめを使ったことがなかったので、練習がてらまとめてみた。  

2012年11月04日

後出しじゃんけんのガイドライン

最近、後出しじゃんけんを良く見るようになりました。これを上手に使いこなすのが、現代ニッポンでは肝要かも知れません。実際に使われた後出しじゃんけんの事例から、正しい後出しじゃんけんの使い方を学びましょう。

(最初から後出すつもりタイプ)
事例1.討論型世論調査
このブログでも「討論型世論調査に関する私見」でまとめましたが、野田政権は原発の今後について「国民で議論しましょう」として討論の場を設置する一方、その結論の利用方法については言及せず、世論調査の結論が出たところで「一資料として利用しますが、実現のためには課題もたくさんあり、エネルギー・環境会議で考えます」としてしまいました。最初から後出しを狙った典型的な事例です。

ポイント:問題になりそうな点は最初からなるべくぼかしておいて、後で詰められても言い逃れができるようにしておきましょう。

(成り行きで後出ししちゃったタイプ)
事例2.上杉隆氏の言い訳

元ジャーナリストの上杉隆氏がジャーナリスト時代の2011年3月23日(配信は24日)、3月19日付けの読売新聞に掲載された「自国民に退避を求めている主な国・地域」のリストを「著者調べ」と称して盗用してメルマガに記載するとともに、同年9月22日のダイヤモンド・オンラインの記事およびそれを収めた著作において掲載したという疑惑を持たれています。

参考:上杉隆氏についての検証
http://www34.atwiki.jp/ddic54/pages/68.html

この疑惑によって、ネット内は現在炎上状態となっているのですが、それに対して上杉氏がアップした後出しの手(記事)がこちらです。

『地獄の季節 日本のジャーナリズムのために』
http://uesugitakashi.com/?p=2198

この記事の中で上杉氏は、
今年、私は、日本の未熟な言論空間で、自らを実験台としてある試みを行おうと決めた。それは10月からスタートした「実験」である。

として、あたかも予定通りの炎上だったように説明しています。上杉氏自身が「決めてあった」と言う限り、事の真偽は全く不明で証明のしようもないのですが、今のところ上杉氏の"決心"を証明する資料もなく、「あーーー、仕方なしに「予定どおり」って言っちゃったのかな」と推測されても仕方のない状況です。

ただ、証明の手段がないのは間違いがなく、大変正しい後出しじゃんけんの使い方と言えます。

ポイント:困ったことになっても、「予定通り!」と強弁すれば全く問題ありません。

事例3.閣議決定見送り
野田政権は、「2030年代に原発稼働ゼロ」のエネルギー戦略を打ち出しましたが、その後、経済界からの強い批判を受けて、ゼロ目標の閣議決定を見送ってしまいました。野田政権的には討論型世論調査の結論に異を唱えられてしまうことは想定外だったのでしょう。

ポイント:世の中の風を読んで臨機応変に行動すること、すなわち後出しじゃんけんです。たとえそれをポピュリズムだとか、ノンポリだとか批判されても、内閣総辞職や解散総選挙さえなければ総理大臣を続けられます。

(真似っ子乞食タイプ)
事例4.ソフトバンクのテザリング提供

「KDDIがテザリングをやるなら、うちもやりましょう!」という感じで導入を決めた感が強いのですが、消費者にとってはありがたいことです。ただ、せっかくの後出しなのにほとんど同じ通信速度、料金体系では「あいこ」になるだけです。後出しする以上、絶対に勝つような圧倒的サービスの提供を期待したいものです。

ポイント:後発企業なら後出しも当然。ただし、引き分け狙いは志が低いと言えます。

(いつまで経っても出さないタイプ)
事例5.近い将来

2012年8月8日、民主党の城島光力国対委員長、自民党の岸田文雄国対委員長、公明党の漆原良夫国対委員長の3名が国会内で会談しました。この際、自民党が「野田佳彦首相から衆院解散の確約がなければ内閣不信任案と首相問責決議案を提出する」という方針を示したことに対して、城島氏は「消費税増税法案が成立した暁には、近い将来、信を問う」と回答しました。

また、このあとの民主、自民、公明の3党首会談において、社会保障と税の一体改革関連法案を早期成立させることと、法案が成立した暁には「近いうちに信を問う」ことが合意されました。

そもそも「近い将来」とか、「近いうちに」という定義不明の言葉で「合意」しちゃうところが脳みそお花畑なのですが、合意してしまったのだから仕方がありません。その後、後出しどころか、何も出てこないので勝負にすらならない状態が続いています。通常、勝負はつけなくてはならないのですが、このケースでは「勝負はなるべく先送りしたい」という思惑があることから、「後出しすらしない」という素晴らしい戦術が奏功しています。

ポイント:先延ばしには非常に有効な手段ですが、相手が馬鹿じゃないと使えません。

(自主基準を後出しして言い訳するタイプ)
事例6.170ミリシーベルト以上を大量被曝と定義

原発事故の際に大量被曝した人がいたのに、それを隠蔽しました。1年以上経って当事者の一人がその事実を告発すると、東電は「170ミリシーベルト以上被曝した人について説明した」と弁解しました。新聞記事を読む限りでは、170ミリシーベルトがしきい値になった理由は不明です。

参考資料:<福島第1原発>東電、別の作業員も被ばく

ポイント:公開する、公開しないの基準を明確にしないことが重要です。その基準には合理的な理由があることが望ましいのですが、「俺達がこう決めた。俺たちがルールブックだ」と突っぱねることも可能です。  
Posted by buu2 at 11:26Comments(0)TrackBack(0)ガイドライン

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2012年10月30日

ブラックジャックによろしく版「コラーゲン食って肌がぷりぷりになるわけねぇーだろ」の元ネタ

ブラックジャックによろしく版「コラーゲン食って肌がぷりぷりになるわけねぇーだろ」が大ヒットして嬉しいです。みんなで「コラーゲン飲んでキレイになろうとかやっているのはインチキ会社だよ」っていう知識を共有しましょう。ところで、Twitterを読んでいたら「元ネタ知らないけど」というつぶやきがあったので、元ネタを掲載しておきます。なお、ブラックジャックによろしくは全巻無料で読めますので、ぜひそちらもどうぞ(^^

無料で読みたい人はこちらからどうぞ >http://mangaonweb.com

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出典
タイトル:ブラックジャックによろしく
著作者名:佐藤秀峰
サイト名:漫画 on web
URL:http://mangaonweb.com

こんなパロディが楽しめる「総統閣下はお怒りです」もぜひよろしくお願いいたします(好評過ぎて新品はAmazon売り切れ中ですが(;_;))。



あ、下の動画は僕の旧作です。YouTubeが方針変更したおかげで、ずっと残っているようです。ちなみに現在アップしているのは親切などこかの誰かで、僕自身ではないので念のため。

  

2012年10月29日

これだけでUstreamネット配信できるたった4つのハード

日の出テレビの「総統閣下はお怒りです」も9ヶ月続いているわけですが、その間に色々と放送ノウハウも蓄積してきました。ということで、簡単に「これさえあれば放送できちゃうかもよ」というのを紹介しておきます。

1.iPad
僕は放送機材として、新しいiPad(iPad3)を使っています。iPhoneでも大丈夫だと思います。もちろん、もっと新しいiPadでも大丈夫だと思います。



2.マイク
iPadの内蔵マイクでもそこそこいけます。でも、離れるとちょっとモゴモゴした感じになります。そこで、このマイクを使っています。



値段もお手頃だし、動作確認も取れているので、これで良いかなー、と。写真で見ると大きそうですが、実際は凄く小さいです。

3.iPadスタンド
最初は立てかけて使っていたんですが、何かの拍子にばたんと倒れたりするので、スタンドを使っています。色々と調べたんですが、これが一番良いかな、というスタンドです。



iPadはお辞儀した角度(マイナス、下向き)で使いたくて、これにしました。唯一の弱点は、折りたためないこと。ちょっとかさばります。でも、他には不満ないです。

4.Wi-Fi
僕はこれを使っています。



赤いから。レビューでは散々ですが、僕は問題なく使っています。速度も不満ないです。電池の持ちも良いです。


以上。え?これだけかって?これだけです(笑)あ、iPadにはUstreamのアプリを入れて使っています。  

2012年10月26日

普通の結果過ぎてつまらん

dos


リンクを張るまでもなかろう。  

2012年10月23日

いいね!玉

汎用性が高そうなので、ひとつ作っておいた。

genkidama
  

2012年10月19日

木更津茜と痛ヘリ

自衛隊って、やる気があるのかないのか良くわからんね(^^; それで、木更津茜は本当の隊員なのかね?



しかしまぁ、こんな感じで募集しているんだからね(^^;

tokushima1


tokushima2


tokushima3


マジですから。しかも、下の2つは、デザイナーも自衛官!

徳島地本オリジナルポスター
http://www.mod.go.jp/pco/tokushima/posutaa.html  

2012年10月18日

Googleがアイツを監禁しているのを見つけてしまった・・・(最近見ないと思ったけど)

GoogleのストリートビューでGoogleのデータセンターを探索していてとんでもないものを見つけてしまった。どうしよう・・・。

google


Take a walk through a Google data center  

2012年10月09日

StatusPeopleというサービス

Twitterのフォロワーが良いフォロワーか、そうじゃないかを調べてくれるサービスを紹介している記事があった。

Twitter著名人がTwitterフォロワー販売業者を使っているかの調査
http://nakatahiroaki.com/twitter-follower-analytics/

名だたる有名人のFAKEの最小値は5%。よーし、自分のも調べちゃうぞー、ということで調べてみました(^^

status


ぬおお!FAKE1%、INACTIVE6%、GOOD93%という驚異的な数字でございます。素晴らしいフォロワーに恵まれて僕は幸せです。ありがとうございます。

Status People  

ガジェット通信と、このブログとの時間距離

一週間ほど前に、ガジェット通信から寄稿の依頼が来た。どうせ無料で配信している記事だし、読んでもらえる機会が増えるに越したことはないので、二つ返事で了解した。記事はこの連休中に掲載されたので、それを読んだ人も少なくないだろう。

田舎の自治体ってすぐに騙されるんだよね(大刀洗町の事例) 2012.10.07 14:00:48
http://getnews.jp/archives/259169

ところで、僕はガジェット通信の担当者に、一つだけ「大丈夫ですか?」ということを書いた。個人名をバンバン出して批判しているからではない。記事が、3ヶ月も前に書いたものだったからだ。元記事はこちらだが、

http://blog.livedoor.jp/buu2/archives/51347959.html

この記事は7月3日に書かれている。記事をアップして一ヶ月以上、ほとんど誰にも注目されることがなかったのだが、8月末に突然はてブがつきだして、僕のブログでは異例の200を超えるブックマークがついた。そして、それが一段落して、というか、それからさらに一ヶ月以上が経過して、ガジェット通信に掲載されたのである。そこまでに要した3ヶ月以上という時間は、今のネット社会においては非常に長い。

僕は時々コメント欄で「こんな辺境のブログにコメントしていただきありがとうございます」という主旨のことを書く。この「辺境の」という単語は、スター・ウォーズの中でタトゥイーンを語るときに使われる単語である。タトゥイーンはタトゥ機▲織肇キ兇力∪餌斥曚亮りを回っている惑星で、銀河の中心から遠く離れたアーカニス・セクターにある。つまりは、僕のブログはそのくらい情報の中心から離れているという意味で、「辺境のブログ」という言葉を使っていた。しかし、それにしても、3ヶ月とは。銀河のほぼ中心に位置するコルサントとタトゥイーンの距離は大体4万光年ぐらいだと思うのだが、映画の中ではひとっ飛びなのであって、それに比較しても絶望的に遠い。ど田舎である。

ということで、何が言いたいかというと、こんな辺境のブログを読んでいる田舎者の皆さん、今日もアクセス、ありがとうございます。引き続き、田舎者同士でのんびりやっていきましょう(^^  

2012年10月05日

宇多田ヒカルのパンツ丸見えって、これかぁ












出典
  

2012年09月27日

討論型世論調査に関する私見

原発問題に関して今年の夏、日本では「エネルギー・環境の選択肢に関する討論型世論調査」が実施された。この調査について、産経ニュースにこんなニュースが掲載された。

「討論型世論調査」から見えるもの
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120927/art12092708000002-n1.htm

こと原発問題に関しては、日本の新聞社の主張は賛成:日経、産経、読売と反対:朝日、毎日、東京に真っ二つにわかれているので、どちらの情報もバイアスがかかっていると最初から構えて読む必要があるのだが、この記事は原発推進派の産経らしからぬ、比較的中立な記事である。その主旨は、

政治と国民の乖離を埋めるシステムとして「討論型世論調査」への注目が集まりつつある中、世界で初めて公式に「討論型世論調査」が日本で行われた。結果については一定の留保をつける声もあるが、政治と有権者の距離を縮める有益な手段と評価する有識者もいる。討論型世論調査は政治家が政治判断を国民に丸投げしているに過ぎず、議会政治の制度疲労とも言える。


といったものである。

さて、この「討論型世論調査」について、僕は先日こんなガイドラインを書いた。

泥縄のガイドライン
http://blog.livedoor.jp/buu2/archives/51358990.html

言うまでもなく、今年の夏に行われた「討論型世論調査」の混迷っぷりを揶揄したものだが、この討論型世論調査に関する僕のスタンスをもうちょっと明確にした文章にこんなものがある(必要なのは中間の2段落だけど、誤解を招かないように全文引用)。

こちらの記事で揶揄しましたが、

http://blog.livedoor.jp/buu2/archives/51358990.html

「国民的議論をしましょう」と言った時点で、政治家は国民に議論を丸投げしてしまったのです。自民党もそれを許したんですから、同罪です。

「国民的議論」というものの定義にもよりますが、そのやり方をきちんと明確にせず、場当たり的に対応した結果がこれです。結果的に、日本で始めて(#註)、国民投票的な意思決定が行われてしまったわけで、結論が出てから騒ぎ出すのは馬鹿丸出し、という感じです。

というわけで、僕は自民党の雇用政策と原子力政策(=民主主義を否定する姿勢)には納得が行きませんので、自民党には投票しません。もちろん、民主党にも、公明党にも、社民党にも、共産党にも投票しませんが。

#上記引用中、「始めて」は「初めて」を誤記したもの

これは自民党前衆議院議員で、日の出テレビの代表を務める福田峰之氏のブログの記事について、Facebook上で当人宛に書いたコメントで、もとのブログの記事はこちらである。

国民の民意と政治家の決定
http://fukuroh.air-nifty.com/katsudou/2012/09/post-7bfd.html

福田氏の主張で一番おかしいのは「参加者の多くが言っているから、世論調査の数字が物語っているから、という理由で、政治家の判断を拘束すべきではないと思う。あくまで、国民意見は大切な判断材料の1つにしか過ぎない」という部分で、書いてある事自体は間違ってはいないけれど、書くタイミングが間違っている。つまり、結論が出てから言うことではないのである。これは言うなれば後出しジャンケンそのものである。

最初から、「国民的議論をしましょう。でも、その結論はあくまでも判断材料のひとつ。どんな結論になっても、それに従うわけじゃありません」と明示しておくべきだったのである。しかし、政府は“わざと”、討論型世論調査の結論をどうやって利用するのかを示さなかった。「示さなかった以上、どう使おうと勝手」と政治家サイドは思っていたのだろうが、国民は「示さなかった以上、最大限に尊重されて当たり前」と考えた。少なくとも、僕はそう考えた人間の一人である。そして、僕のように考えた人間たちの声の大きさに民主党は負けて、「原発ゼロ」を基本方針にせざるを得なくなった。ことここに至り、自民党は「これは民主党が勝手にやったこと。選挙で俺たちが勝てば、全部ご破算だ」という意向のようだ。昨日、自民党の総裁選があったけれど、テレビで候補者たちが語っている番組で、全ての候補が原発ゼロを見直すと表明していたので、僕は総裁選への興味も失ったし、次の選挙では自民党にも投票しないことに決めた。

さて、話を「討論型世論調査」に戻す。政治家の思惑通りだったのかは別にして、世界で初めて(冒頭の記事による)公式に討論型世論調査が行われ、政治が国民に丸投げされてしまった。僕は、「丸投げ」自体は、決して悪くなかったと思うのだが、手法そのものにはまだ改善の余地があると思う。

まず、最低限、「討論型世論調査の結果については、基本的にその時点での最終決定とする」という合意が必要だ。「有識者が検討する際の一資料」程度では話にならないし、参加する人間にとってもどっちらけである。やるからには、「これが最後の手段」という覚悟を持つべきだ。

次に、どういった形で情報提供が為されるべきかを考える必要がある。国民が討論し、判断するのだから、国民にはできるだけたくさんの情報がフラットに提供される必要がある。しかし、この夏に行われた事例でも、情報提供は「フラット」ではなかった。

参考:良く見たらすげぇ印象操作しているな、この資料(笑)
http://blog.livedoor.jp/buu2/archives/51349861.html

情報提供する側が中立を装いながら、その実フラットではないのでこういうことが起きる。3.11以後、日本が陥っている最大の機能不全は「政治不信」なのだが、これもその一端である。そして、日本人はもう政府に対する信頼を取り戻すことはないだろう。だから、討論型世論調査を実施する際は、政府以外の中立的組織がハンドリングする必要がある。その上で、当事者たちが我田引水するための資料をたっぷりと提供すれば良い。原発問題でも、利害関係者はあちこちにいるので、その人たちは徹底的に自分の説を支持してもらえるような資料を提供し、また相手方の資料を否定するような情報を発信すれば良い。つまり、土俵に上がるのは利害に関係する当事者たちで構わないのだ。加えて、中立を装っている行政もこれに参加すれば良い。

国民は、一人ひとりが審判である。「討論型」というけれど、専門性を持ち合わせない国民が有効な討論を実施できるとは思えない。利害関係者達が繰り広げるバトルをリングサイドで見ていて、ジャッジすることになる。これは裁判員裁判と同じようなものだが、判断にあたっては、助言する人間が必要になってくる。この助言者もできればフラットな立場の人間が望ましい。

これらをまとめれば、ボクシングの試合のようになる。

対戦者(利害関係者):情報を提出する
解説者(助言者):提出された情報をできるだけフラットに解説するとともに、戦況を分析する
審判(国民):解説者の解説を参考にしながら判定を下す


さて、討論型世論調査をボクシングの試合に喩えるなら、忘れてはならないことがひとつある。それは「試合時間」である。何ラウンドで実施し、各ラウンドは何分なのかを決めなくてはならない。トップダウン型の脳みその持ち主は「情報って、どのくらい提供すれば良いのかな?その情報はどのくらい噛み砕いてあげれば良いのかな?」などと考えがちだが、そんなのは実はどうでも良い話で、国民に理解してもらえなければ自分たちの意向は受け入れられない、という状況さえ作ってしまえば良いのである。お上が決めて、合意事項としなくてはならないのは次の3つだけである。

◯結果はその時点での最終結論ということ
◯試合時間
◯集計方法

リングに立つ人たちは利害関係者なので黙っていても登場するし、資料を提出するだろう。解説者も、インターネットの時代だから、ボランタリーにやる人がいるだろうし、ある程度みんなが納得するような人材をお金で雇うのでも良い。あとは、ニコ生やUstreamでそれを中継し、新聞やブロガーが記事にすれば良い。それらを見て、国民が判断すれば良いのである。残された問題は「誰が全体をハンドリングするか」で、これについてはしっかりと考える必要がある。私案はあるのだが、この部分が最大の問題になるところなので、あえてここでアイデアを出すことは控えておく。

最後に、「集計方法」についても考えておく必要がある。冒頭の記事では「参加者にバイアスがかかっている」という指摘があった。いっそのこと、国民投票的な手段を講じても良いと思う。ただし、不勉強な人が何気なく投票したり、お金で票が買われたりする可能性も念頭に入れておく必要があるだろう。

原発については負け犬が遠吠えを続けていて、なんだかなー、という状況である。でも、その無理筋が通ってしまう可能性が少なからずあるのがこの国で、だからこそ信頼を失った政府は、たとえ次の選挙で政権がどこになろうとも、その信頼を回復する可能性が低いと、僕は感じている。そうした決定的な機能不全に陥った日本にとっては、討論型世論調査はひとつの希望でもある。中には米軍基地問題のように高度に国際的で軍事機密を含むデリケートなものもあって、全てがこの俎上に乗りうるわけではないのだが、例えば科学技術関連の研究費をどうするのか、といった問題などは、お偉いさんに全てを任せるのではなく、討論型世論調査を実施してみても良いのではないかと思う。  

2012年09月25日

サブカルカテゴリで「総統閣下はお怒りです」が10位に!

順位はすぐに落ちるので、記念に(笑)

10i  
Posted by buu2 at 23:04Comments(0)TrackBack(0)読書

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「ココナラ」の時代はコレマデか?

どんなサービスでも、500円で販売できます、という主旨でスタートした「ココナラ」。

ココナラ
http://coconala.com/home

面白いかな、と思って僕も会員登録だけはしたんですが、複数の全く異なるサービスを出品するのは難しいのかな、などと思い、出品はしないでいました。そうやって放置していたら、いきなり超強力なライバルが現れました。それはヤフオク。ヤフオクが、サービスも出品できるようになって、実質的に「ココナラ」のライバルとなったわけです。

ヤフオクに「スキル」出品可能に 家事代行や映像制作
http://www.j-cast.com/2012/09/06145395.html

試しに僕が「あなたが行くべきラーメン屋さんを紹介します」という商品(サービス)を出品してみたのですが、その結果がこちらです。

あなたが今日行くべき「この一軒」のラーメン屋さんを推薦します
http://page11.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/n115899206

僕が出品した商品は150円で売れて、落札者からは次のようなフィードバックをいただきました。

リアルな食べログサービス感謝します。 懐かしい味にありつけそうです。 (評価日時:2012年 9月 10日 21時 46分)


さて、「ココナラ」とヤフオクの比較を表にしてみます。

kokonarayahu


出品サイドから考えると、普段からヤフオクを利用しているなど、プレミアム会員の場合は、会費は無料と考えて差し支えないので、実質的な出品費用は10.50円です。しかも、この費用も様々なサービスによって無料のケースが少なくありません。落札時のシステム利用料は5.25%なので、3,000円以上の落札額にならない限り、ヤフオクの方が有利(しかも、絶対額で、です)となります。ただし、ココナラのシステム利用料には決済手数料が含まれており、ヤフオクではこれが落札者負担となっています。もうちょっと整理するなら、ココナラの場合、実質的な決済手数料150円を落札者が払っており、出品者は350円固定で出品していることになります。

先に挙げた僕の出品事例からすると、出品料は無料、システム利用料は約8円、出品者粗利約140円、落札者負担総額約250円となります。つまり、
僕:△140円
ヤフー:△110円
落札者:▲250円
となります。取引全体で見た場合、システム利用料比率は44%で、ココナラの30%に比較するとやや割高になります。これが仮に370円固定のオークション(出品者に350円の利益が出るように設定)だった場合は、システム利用料約20円、出品者粗利350円、落札者総負担額470円となり、
僕:△350円
ヤフー:△120円
落札者:▲470円

となります。したがって、システム利用料比率は約26%となり、ヤフオクのほうがココナラの30%よりも効率が良くなります。そのメリットは落札者のものなので、「30円安いなら、ヤフオクに出品されているものを使おう」と思うのが人情というもの。なお、このシステム利用料比率は落札額が高くなるにしたがって低くなっていきます。

加えて、無視できないのがシステムを利用している会員数です。対象となる会員数は実に1500倍以上。先日僕が出品したオークションの場合、アクセス総数は2,613件でした。ココナラの会員の半数がアクセスしたことになります。この数をココナラで実現するのは至難の業でしょう。

ヤフオクのメリットは、

◯1円から出品できる(ココナラは500円固定)
◯落札額に上限がない(ココナラは500円固定)
◯500円以上の場合、システム利用料が安価
◯会員数が多い
◯落札者の振込手段が多い

といったところで、デメリットは

●Yahoo!のプレミアム会員登録が必要なこと

ぐらいです。また、このデメリットも、少なくない人がすでにプレミアム会員登録していることから、それほど大きなデメリットとは言えないでしょう。

「知識・スキルを500円で売買できる!」という目の付け所はそれほど悪くなかったと思うのですが、コノママでは巨人Yahoo!に捻り潰され、ココナラの時代はコレマデ、来る前に終わった、ということになりそうです。

#システム利用料30%というのは決して高くありません。妥当な額だと思います。

#なんか、エア・ドゥを捻り潰そうとして、日本航空、全日空が嫌がらせをしていたのを思い出して、あまり良い気分にはならないんですけどね。Yahoo!がやったことといえば、「スキル・知識」のカテゴリを作っただけ(表面上は)という(笑)。  

2012年09月24日

政治家向けソーシャルメディア利用ガイドライン(徐々に増補の可能性あり)

最近、政治家の方々と話す機会が多いんですが、一々指摘するのも面倒くさいのでまとめておきます。一般の方々には何の意味もないガイドラインです。なお、ソーシャルメディアとひとくくりにしましたが、ブログ、SNS(Facebookを含む)、Twitter、動画配信(Ustream、ニコ生)あたりを想定しています。

1.ブログを使うなら、独自ドメインで
アクセスが増えやすいから、といった理由でアメブロとかを選ぶ人がいますが、やめた方が良いです。アメブロにして増えるアクセスは基本的にろくでもないアクセスです。本当にあなたの活動や政策、考え方に興味がある人は、どんなドメインでもアクセスしてきます。

2.記事を書くときは正確かつキレイな日本語で
「ら」抜きとか、論外ですが、なるべくキレイな日本語を使いましょう。文法的に正しいだけではダメで、文体も重要です。下手くそな日本語の使い手として山本一太氏や片山さつき氏を挙げることができますが、こういった方々の日本語は真似をしてはいけません。万一、これらの方々の日本語の難点が理解できない場合、あなたはキレイな日本語を使えない可能性が高いので、必ず誰かに日本語をチェックしてもらいましょう。あ、アメブロを使っている芸能人に良く見られる、改行だらけの文章ももちろん論外です。だって、あなたのまわりの文書で、そんな改行だらけの書類なんてないでしょう?え?これがネットの流儀だと思っていた?そんなことはありません。そんな書き方をするのは頭の悪いタレントぐらいです。

3.批判をするときはそれなりの覚悟が必要
ときどき「お前は五流」などと言い放つ政治家がいますが、他者を批判するときは必ず反論された時のことを考えておきましょう。もちろん反論されたら再反論、あるいは謝罪する必要があります。都合の悪い場合だけ無視するなどは最悪の対応で、反論されたら困ってしまうような批判は控えなくてはなりません。また、批判する場合もきちんと言葉を選びましょう。「五流」といった言葉は単に自分の品格を貶めるだけです。

4.閉鎖空間での発言はやめましょう
Twitterで非公開アカウントを使うなどは論外ですが、Facebookでの発言も、極力全て誰でもアクセスできる状態にしておきましょう。特定の人にだけ情報を発信するなどはダメです。

5.Ustreamなどの双方向メディアの利用も要注意
多くの場合、双方向メディアに寄ってくるのはnoizy minorityだったりします。noizy minorityに粘着された場合、一般人なら「うるせぇよ、バカ」で済むのですが、政治家だとそうもいきません。「一つの見識ですね」とか、「そういう考え方もあるでしょう」などとかわすことは可能ですが、Ustreamのようなメディアでは得てしてsilent majorityは「面倒くさい」と、サイレントの立場を貫くことが多いので、孤立無援となってストレスが溜まります。そういうのが嫌なら、やらない方がマシです。

6.訂正は前後がわかるように
誰でも間違いはするので、長い間ソーシャルメディアを利用していると、発信した情報について訂正する場面は必ず生じます。その時は、修正前と修正後をきちんと明示しましょう。誰かからの指摘だった場合は必要に応じて、それが誰からの指摘だったのかも併せて明示しましょう。「削除すればわからない」といったことはありません。変なことを書けばほぼ間違いなく親切な人が頼みもしないのに「魚拓」を保存してくれています。また、Facebookで「編集しちゃえばわからない」と高を括って赤っ恥を書いた市長もいます。

7.伏字は使わない
基本的に、伏字はダメです。特に「朝◯新聞によると」などという誰にでもわかってしまうような、意味のない伏字はダメです。また、「◯日新聞によると」のような、複数の候補が考えられるような記述もダメです。基本的に、伏せなくてはならないような書き方をしなくてはならない場合は、最初から書かない方が良いです。ただし、特殊な情報で、情報源を秘匿する必要がある場合は、この限りではありません。そういう特殊なケースでは、きちんと事情を明示するようにしましょう。

8.新しい支持者を獲得するためのツールではない
基本的に、ソーシャルメディアは「既存の人間関係のメインテナンス」のためのメディアで、同時に「新しい敵を作る」メディアです。人間関係のメインテナンスには大きな力を発揮しますが、「新しい支持者」を獲得することは非常に難しいと考えられます(一方で、新しい敵は比較的簡単に作ることができます)。したがって、もし利用するなら、あくまでも既存の支持者に対しての情報発信に注力すべきです。その範囲においては、使い方次第できちんと効果を出すでしょう。

9.何かトラブルがあったらすぐに対応する
周囲は味方ばかりではありません。何か文句をつけられたら、なるべく早く対応する必要があります。以前はTwitterならスルーしても構わないと考えられていましたが、Togetterなどで証拠保全されるのが一般的になって来ましたし、近々、Twitterも全ての発言が保管されるように仕様変更されるようです。当たり前ですが、自身のブログやFacebookなどの場合は無視は絶対にダメです。あ、急いで対応するにしても、必ずブレインに相談することを忘れずに。慌てず、急いで、正確に、です。

10.コミュニケーションを取るときはプラットフォームを変更しない
Twitterに批判があったのに「批判はFacebookでお願いします」といった、自分勝手なプラットフォーム変更を相手に強要してはいけません。「Twitterは実名ではないから」といった理由でプラットフォームを変更するくらいなら、最初からTwitterを使うべきではありません。TwitterのことはTwitterで、FacebookのことはFacebookで、同じ土俵でケリをつけましょう。

11.ブレイン選びも重要
きちんとしたブレインをつけましょう。その際、政治的な主義主張など、どうでも良いです。あくまでもソーシャルメディアの運用能力で評価すべきです。僕が知る限りでは、きちんとしたコンサルができそうな日本人は河野武さんだけです。他はほとんど全部、まともなブレインとは成り得ません。もちろん、僕が知る限り、なので、他にも存在はするはずですが。とにかく怪しげなコンサルタントが「どこかに余っている公的なお金はないか?」とウロウロしているので、そんなのに引っかからないように。安易に「Facebookをやりましょう」と言ってくる奴はほぼ間違いなくダメな奴です。

12.参考
反面教師も含め、僕が知っている範囲での政治家のソーシャルメディア利用能力について書いておきます。

◯片山さつき氏(評価0点)
とにかく日本語が酷い。馬鹿丸出しレベルなので、早急にブレインを採用する必要あり。

◯山本一太氏(評価3点)
妙な言い回しや、()書きが散見される。(ガクっ)また、内容も「俺はこんなに忙しいんだ!!」と主張するものが多く、共感しにくい。So-netとか使っているし。

◯河野太郎氏(評価100点)
政治家のお手本といえる。参考にすべき点は多々ある。

◯福島みずほ(評価70点)
意外と馬鹿にできないみずぽん。ソーシャルメディアの使い方はなかなか上手である。FC2とか使っているけど。  

2012年09月11日

早稲田ラグビー部員と武雄市長の共通点と相違点 @hiwa1118

早稲田のラグビー選手が帝京の選手に「五流」と言ったというコラムがあったんだけれど、

Vol.113「誇りと品格なきチームに明日はない!」
http://www.wasedaclub.com/soccer_school_journal/id=903

記事に日時がスタンプされていなかったので、これはいつの話なんだろうなぁ、と思っていたら、Yahoo!の記事になっていた。

帝京大選手に「5流大学!」「クロンボ!」 早大ラガーマンの誇りと品格どこへ行った
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120910-00000008-jct-ent

早稲田の選手に品がないのは間違いないけれど、当該選手が帝京監督に謝罪して、それが受け入れられたのならこれまで。

ところで、僕のブログの記事を陰でこっそり「五流」と中傷した武雄市長は相変わらず反論するでもなく、謝罪するでもなく、だんまりを決め込んでいる。早稲田の選手は面と向かって「五流」と言ったんだろうけど、武雄市長はこっそり(笑)。結局、ただのチキンなんだろう。

関連エントリー:武雄市からの回答の行間を読んでみる  

2012年09月09日

泥縄のガイドライン

あなたも新しい民主主義の手法を通じて、「泥縄」を学びましょう。

1.まず、有識者会議をつくる
民主主義はどうせ衆愚ですから、有識者によって落としどころの数値目標を具体的に決めておいてやる必要があります。落としどころを決めるための有識者会議を設置しましょう。
例:新成長戦略実現会議(平成22年9月設置。議長:内閣総理大臣。大臣、関係機関の長、有識者が構成員)

2.落としどころを決める
有識者会議を作ったら、そこで落としどころを決めます。「そんなの決めらんないよー」という場合には、あなたが決めた落としどころを手持ち資料で提示して、会議で了承してもらいましょう。有識者会議の議長には、落としどころについて前日の飲み会で説明しておきます。

3.国民的議論の場を設置する
落としどころについて説明するのも、説得するのも、理解を得るのも面倒なので、国民参加型という名前の討論機会を設置します。これによって、「国民の皆さんが参加したんだから文句ないですよね?」と暗に主張します。

4.複数のシナリオを用意する
有識者が決めた2.の落としどころの上と下にダミーの候補を用意し、落としどころが真ん中になるようにします。これは中庸が大好きな日本人のマインドを利用するためです。あなたも焼肉屋で特上カルビ、上カルビ、カルビがあったら、上カルビを注文しますよね?

5.刷り込む
国民的議論が巻き起こるように、広告代理店に頼んで参考資料を作ります。この際、以後の討論やパブコメの結果が2.で決めた落としどころと一致するように印象操作します。

参考:良く見たらすげぇ印象操作しているな、この資料(笑)
http://blog.livedoor.jp/buu2/archives/51349861.html

6.国民的議論の必要性を再確認する
国民的議論が終了したあとの意思決定方法や決定時期はあえて決めず、どうするのかと質問があっても聞こえないふりをします。国民的議論は結論を出すのが目的ではなく、議論をしたという事実がとても重要です。

7.世論調査を実施する
とりあえず、パブコメという形で、形式上だけでもフラットに国民に聞いてみます。他にも、討論後の意見聴取会、会場アンケートなどで国民の皆さんの意見を聞いてみます。新聞社やテレビ局を巻き込むとキレイなグラフを作ってくれます。

8.傾向と対策
世論調査の結果をまとめます。ほら、落としどころに一致しましたよね?え?一致しない?都合が悪い結果になってしまった?おかしいですね。では、討論会をもう一度設置し、同じ質問してみてください。ん?泥棒を捕まえてから慌てて泥棒を縛る縄を作るようだ?大丈夫です、国民という名前の泥棒はちょっとやそっとでは逃げません。

9.世論調査を繰り返す
それでもダメな場合、有識者に「議論が足りない」とか、「議論の期間が短すぎる」とかクレームを付けさせて、繰り返し粘り強くアンケートを取り直します。ここで6.の効果が発揮されます。世論調査の利用方法は明言していないので、後からなんとでもなります。

10.刷り込みを強化する
マスコミを利用してイメージ戦略を展開し、なんとか落としどころに落ちるよう努力しましょう。国民は所詮馬鹿なので、イメージの刷り込みによって「やっぱり原発が全くなくなると困るよなぁ」と思い始めます。計画停電をちらつかせたり、病院が停電になると重篤な患者が危険になる、など、感情的に受け入れ難い事例を列挙するのも良いでしょう。大事なことは、国民が「やっぱり、真ん中が良さそうだなぁ」と感じることです。

11.最後はやっぱり有識者にお願いする
え?どうやっても落としどころに落ちない?大丈夫です、問題ありません。世論調査の結果を手持ち資料として、再度有識者会議を開催します。その上で、国民的議論を踏まえた有識者の結論を出し、それを以って最終結論とします。

12.責任回避、責任転嫁を忘れずに
結論は有識者会議が出したものとし、数値等は具体的に示さず、抽象的な精神論でまとめましょう。模範解答としてはこんなのでどうでしょうか。

「国民の皆さんが原発ゼロが良いのはわかりました。私達もそれが理想だとは思います。でも、実際は課題が山積しているので、ゼロになったらイイですね。とりあえず解決すべき課題は列挙しておくので、それをクリアできるように皆さんで頑張ってください!」

え?無責任と言われた?大丈夫です、問題ありません。悪いのは有識者会議に出席した御用学者の皆さんで、あなたは悪くありません。


#上記のガイドライン策定にあたっては、下記の記事を参考にさせていただきました。

民主主義が問われる夏  難波美帆  
Posted by buu2 at 14:27Comments(1)TrackBack(0)ガイドライン

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2012年09月08日

武雄市からの回答の行間を読んでみる @hiwa1118

武雄市長が僕の記事を陰口で中傷した件だけど、Facebookを利用して武雄市に質問したら、こんな返事が来た。

(このブログで7日13:37に「全然返事が来ないんですけど」という主旨のことを書いたら、同14:49に返事があった(笑))

武雄市役所

元木 一朗 様

はじめまして。武雄市フェイスブック・シティ課の浦郷と申します。

ご指摘のアカウントにつきましては、市長個人のアカウントと思われますが、直接当該アカウントに確認いただければ幸いです。

お手数をお掛けいたしますが、よろしくお願いいたします。

            武雄市フェイスブック・シティ課 浦郷



やれやれ、と思いつつ、次のような再質問を用意したのだが、

>ご指摘のアカウントにつきましては、市長個人のアカウントと思われますが、直接当該アカウントに確認いただければ幸いです。

ご回答、ありがとうございます。

ところで、武雄市ご担当の方は、泥棒に「あなたは泥棒ですか?」と質問するような方でしょうか?あるいは、詐欺師に「あなたは今、私を騙そうとしていますよね?」と質問するような方でしょうか?

私は、当該アカウントの持ち主が本当に武雄市長なのか、疑問を持っているのです。当事者に「あなたは市長ですか?」と質問して、「そうです」と回答があったとして、その回答が正しいことを誰が担保するのでしょうか。加えて、担当者ご自身が「市長個人のアカウントです」と断言せず、「市長個人のアカウントと思われます」と責任を回避する現状におきましては、当該アカウントが本当に市長のものなのか、よりいっそう強く疑問に思わざるを得ません。「直接市長に質問してくれ」ということでしたら、市長のメールアドレス(city.takeo.lg.jpドメインのもの等、公式のメールアドレスと容易に判断できるもの)、あるいは市長直通の電話番号(携帯電話でも構いません)をご連絡下さい。一々録音しておくのも手間なので、できれば証拠保全しやすいメールの方が助かります。

以上、よろしくお願いいたします。


しかし、ここまで準備してからもう一度メッセージを読んでみると、この武雄市フェイスブック・シティ課の浦郷氏の文章(の行間)からは「また市長が余計なことをしやがって(^^; そのたびに消火活動を押し付けられる身にもなってくれ。面倒くさくて仕方ないから、全部市長に回してしまえ。自分のケツは自分で拭いてくれよな」という気持ちが読み取れなくもない。あぁ、なるほど、そういうことかと腑に落ちた。

#件のTwitterアカウントは認証済みアカウント(Twitter Inc. が、なりすましの出現の可能性があると判断した有名人をあらかじめ本人確認したもの)ですらないのである。

結局のところ、多分武雄市の役人たちも、五流の市長が当選して、妙なことをやっているおかげで迷惑しているのだ。そのあたりを読み取らず、市長も五流なら役人も五流、市長を選んだ市民も五流、と決めつけてしまうのは良くない。さらに言うと、そうやってみんなが五流だと思っている武雄市長の相手を馬鹿正直にやるのもいかがなものか、ということになってくる。

そもそも、問題のつぶやきだって、自分のシンパの田舎役人が吊るしあげられているのを見て脊髄反射で書いたような内容である。僕が指摘した問題点についてはひとつも言及・反論がなく、また、書いた人間のことを調べた形跡もなく、挙句に「下の下」だの、「五流」だの、アスカだったら「あんた、バカぁ?」となるところである。

ちなみにこの人物、ご自身のブログで
僕は自分より立場の弱い人への個人攻撃はしない。しかし、一定の権力を持つ人間で、その権力を私議する人間は許せない。

出典:ひろみつ先生 しっかりしてください

とまで立派ぽいことを書いていたりして、臍で茶を沸かすとはこのことである。一体いつから、僕が武雄市長より立場が強くなったり、一定の権力を持つ人間となったのか、小一時間問い詰めたい気分である。

ということで、すっかり面倒くさくなったので、今日放送があった「総統閣下はお怒りです」でひとしきり批判して、あとは次の選挙でこの市長がどうなるのかを楽しみにすることにした。

放送では、51分15秒ぐらいから喋ってます。


Video streaming by Ustream  

2012年09月07日

武雄市ご自慢のFacebookが全く機能していない件 @hiwa1118

武雄市長を名乗るTwitterアカウントから中傷されたのが昨日。

そのアカウントをフォローしていなかったこと、中傷記事には僕のブログの記事のURLしか記載されていなかったこと、僕のアカウントへの@が飛ばされていなかったことなどから、この陰口に気がついたのが今朝。

それで、そのアカウントが本当に武雄市長のものなのか、Facebook上から武雄市に問い合わせたのも今朝。

武雄市のFacebookページ
http://www.facebook.com/takeocity

メッセージの内容はこちら
takeo1


問い合わせの内容は「本当にこれは武雄市長のアカウントでしょうか?」という至極簡単なもので、事実関係だけを問うているので、回答にあたっては別に調整等何ら必要はなく、担当者がイエスかノーで答えれば良いだけのもの。ところが、かれこれ4時間以上も返答がない。

市役所に直接確認の電話をした方が早そうだな。  

武雄市長を名乗る人物( @hiwa1118)が僕のブログの記事を五流とか書いていたので

武雄市に質問してみました。以下、送った文章の全文。


下記のブログを運営している元木と申します。
http://blog.livedoor.jp/buu2/

昨日、武雄市長を名乗る人物より、私のブログの下記の記事について、

田舎の自治体ってすぐに騙されるんだよね(大刀洗町の事例)
http://blog.livedoor.jp/buu2/archives/51347959.html

Twitterを利用して次のような中傷を受けました。
https://twitter.com/hiwa1118/status/243594957930250240

当該記事で扱ったのは大刀洗町、および調布市の事例であって、武雄市、および武雄市長については一切の言及がなく、このような中傷を受ける理由が不明です。中傷を行ったアカウントはフォロワーが19,000を超えており、klout値も77となっていますが、私はインターネットを利用した情報発信に関するコンサルティング事業を行なっており、今回の中傷の影響は少なくないと考えます。

この人物は本当に武雄市の市長でしょうか。まずこの点についてご回答下さい。


takeo1



以下、武雄市長を名乗る人物が僕のブログの記事を「五流」とした現場。




  

2012年09月06日

ガリガリ君コンポタ、販売休止!!

ガリガリ君コーンポタージュ、販売休止だそうで。

「ガリガリ君リッチコーンポタージュ」販売休止についてのお詫び
http://www.akagi.com/company/release/m120906.html


ちなみに、昨日の「総統閣下はもっとお怒りです」でも食べました(^^ 昨日は駄菓子特集だったのさー。



Video streaming by Ustream  

あなたが今日行くべき「この一軒」のラーメン屋さんを推薦します

ヤフオクにスキルを出品できるようになったそうなので、

ヤフオクに「スキル」出品可能に 家事代行や映像制作
http://www.j-cast.com/2012/09/06145395.html

さっそく出品してみた(笑)。さぁ、みんな、入札しよう!!

あなたが今日行くべき「この一軒」のラーメン屋さんを推薦します
http://page11.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/n115899206  

SNSに関する記事

このブログに散々書いてきているけれど、SNSに対する見解として、僕が持っているものと非常に近いので紹介しておく。

元はてな・GREEのプログラマ 伊藤直也が語る、ソーシャルメディアの功罪。[前編]
http://careerhack.en-japan.com/report/detail/34

元はてな・GREEのプログラマ 伊藤直也が語る、ソーシャルメディアの功罪。[後編]
http://careerhack.en-japan.com/report/detail/35

ちょっと前に印南敦史さんが「Facebookはいまや、現代社会に欠かすことのできないツールであるといっても過言ではありません。」とか書いていたけれど(^^;、そんなことはないよね(笑)。あ、印南さんの記事の「Facebookは油断ならない」というのはそのとおりだと思いますが。  

2012年08月11日

トクホに関する松永和紀さんの記事を無断改変してみる

僕がとっても尊敬している(嫌味じゃないよ、本当に尊敬してます)松永和紀さんがトクホについて丁寧な記事を書いていた。

トクホは効くの? 効かないの?(前篇)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/2112

トクホは効くの? 効かないの?(後篇)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/2113

「おお、さすが松永さんだな」と思うけれど、同時に「やっぱり、言いたいことを言ってないよね、なんか、奥歯に衣着せているような」という感じもあるので、僕が奥歯の衣を脱がせてみた。以下は松永さんの文章を無断で引用、改変したもの(要はパロディ)です。原典はぜひ上記のリンクを当たって下さい(^^


「キリンメッツコーラ」が、相変わらずの人気だってことだけど、昨日はじめて飲んだらイマイチ美味しくなかった。特定保健用食品(トクホ)として初めてのコーラらしいけど、だから何だって言うんだろう。

メッツコーラを売り出したキリンビバレッジは、あっという間に年間販売目標100万ケースを売り切り、7月初めに年間目標を当初の6倍、600万ケースに上方修正すると発表したそうで、キリンビバレッジは「国民はバカばかり」と笑いが止まらないはずだ。

一方で、サントリーが販売しているトクホ、「黒烏龍茶」は6月下旬、「消費者庁が、CMに改善要望」とニュースになった。マンガ「笑ゥせぇるすまん」の喪黒福造が登場して「脂肪にドーン」と叫ぶCMや吊り広告。これが問題となったみたいだけど、当たり前だ。

大手飲料企業2社の光と陰。ジョーはよくて喪黒福造はダメなのか? メッツコーラは効くけれど、黒烏龍茶は効かないの?いや、そんな話ではない。

トクホがどんなものか、説明しよう。トクホは、国が製品として有効性(効果)や安全性を評価し承認している食品で、これまでに約1000品が個別に審査を受けて認可されている。トクホは厚生労働省の天下り機関がお金を稼ぐために作った制度で、毒にも薬にもならないものについて国が「効くかも知れないよ、効いたら『イイね』」と認定しているものであって、基本的には効かない。

トクホと健康食品との違いは、後者は国が有効性や安全性を確認していないということ。でも、トクホが「国が確認した素晴らしい食品」かといえばそんなこともなく、「同種の食品を摂るよりは、トクホを同じ量摂った方が健康の維持増進に寄与できるかも知れない」という位置づけ。当たり前だけど、医薬品と違い、トクホに劇的な効果はみられない。

それに、トクホは食生活が原因となって起きる生活習慣病に「罹患する前の人」や「境界線上にいる人」を対象にしていて こういう人たちの健康が、トクホでない食品を食べるよりは少し改善される可能性がある、というもの。テレビCMでは、スマートな俳優や女優がさっそうと宣伝しているけれど、トクホを摂取したからといって、あのような体型になれるわけではもちろんない。

たとえば、メッツコーラの効果を示す論文を読むと、試験の対象者は「空腹時血中中性脂肪値が正常高値域からやや高め」の90人が対象でBMIの平均は26.1。この人たちに、メッツコーラと、関与成分の難消化性デキストリンが入っていない対照飲料を飲ませて比較したところ、メッツコーラの方が“わずかに”中性脂肪の上昇が抑えられたという結果である。こんなのは「気のせい」の領域であって、普通のコーラを飲むよりはマシかもしれない、程度のものである。

中性脂肪が気になるなら、トクホなんかに頼らず、バランスのよい食事に切り替え、運動をはじめた方が良いと断言できる。健康を考えれば、バランスの良い食事が一番大事なのであって、毎日トクホのコーラを飲むというのはそれだけでバランスを崩した偏食なのである。

トクホは、いわゆる健康食品よりは、国がしっかりと検証してくれている、という点でちょっとだけマシ(なような気がする)。でも、劇的な効果、医薬品的効果などまったく期待できず、その上承認されるための高額の費用が投入されていて、その費用は商品価格に上乗せされている。

こんなものを食べるのは馬鹿だ。でも、健康食品を食べるのよりはちょっとだけマシ(オツムの具合が)、ということである。



関連記事
総統閣下はお怒りです「超兵器R-1号」
高血圧にトクホとか、どうなの?  

2012年08月07日

紀伊國屋の闇鍋商売

これは面白い。

本の闇鍋状態…!紀伊國屋の思い切ったフェアが凄い
http://matome.naver.jp/odai/2134423642552309101

ということで、僕の知っている本の冒頭を紹介します。

テレビなどを見ていると印象操作を狙ったグラフによく出くわして、俺はイヤな気分になるんだ。


この出だしにピンときたら、こちらをどうぞ(^^

  

2012年08月02日

劣化したフリージャーナリスト達に関する佐々木俊尚氏の記事が面白い

佐々木俊尚氏のコラムが面白い。

なぜフリージャーナリストは震災後に劣化したのか?
http://www.pressa.jp/blog/2012/08/post-3.html

僕の佐々木評は「思想地図β2」の際に次のように書いた。
ことIT分野に限れば非常に面白い。ところが、その他の部分に足を踏み出すと、とたんにチープになり、通り一遍になってしまう

「思想地図β2」を読んで2011年を考える
http://blog.livedoor.jp/buu2/archives/51313253.html

今回のコラムは、領域こそITではないけれど、佐々木氏の庭の話なので、きちんとした内容になっていると思う。コラムでは、出版業界の変質と、その中におけるフリージャーナリスト育成スキームの消失、そしてジャーナリズムの衆愚ビジネス化が指摘されている。

佐々木氏は
名前を挙げるのは名誉毀損に当たるので止めておこうと思うけれども、ただ自分の知名度を上げるためだけに扇情的な記事を書き、ウソをまき散らしてるようなジャーナリストはひとりやふたりではない。その傾向はここ数年徐々に増えてきていた感があるけれども、震災以降になって急速に加速してきた感がある。

と書いているけれど、その代表例として上杉隆氏が想定されていることは明らかだと思う。上杉氏に対する追求は映画評論家の町山智浩氏によるものがたくさんあるが、一例としてTogetterのまとめの一つにリンクして紹介しておく。

上杉隆の正体 by 町山智浩
http://togetter.com/li/307824

#「上杉隆 町山智浩」でググれば他にも山ほどまとめ記事がみつかると思うので、興味がある人はそちらをどうぞ。

僕も、上杉隆氏や自由報道協会には、特に震災直後には期待したクチである。しかし、その質は急速に劣化し、今では興味もなくなってしまった。「あぁ、結局は全然わかっていない人たちの衆愚ビジネスだったんだな」というのが僕の認識で、それは僕の専門領域で言えば、岩上安身氏のこんなコメントに垣間見ることができる。






絵に描いたような素人考えで、それを臆面もなく垂れ流している姿は滑稽ですらある。これを見てもわかるように、震災はジャーナリストの劣化の直接の原因ではなく、加速要因であって、真の原因はソーシャルメディアによってジャーナリストと読み手の距離が近くなったことである。この点は

今までは、以下のような構造だった。
(1)書き手 → プロの編集者(出版社) → 読者
これがダイレクトに以下のような関係に変わった。
(2)書き手 → 読者


という部分で表現されているので、佐々木氏もきちんと把握しているはずである。だから、コラムのタイトルの「震災後に劣化した」という表現はちょっと本来の内容を表していないのだけれど、それはそれ。

僕自身はジャーナリストではないけれど(というか、ジャーナリストの定義が良くわからない)、ずっとブログを書き続けていて、そのコメント欄は常に開放している。馬鹿が絡んでくるとブロックすることはあるけれど、基本的に批判でもなんでもきちんとオープンにしてきている。また、いくつかの著書もあって、書籍という形で持論を展開することもある。そうした中でずっと維持してきているのは、自分の思想の独立性と柔軟性である。単純にページビューが増えるから、といった理由で書く内容を変えてしまうこともないけれど、一方で「こういう表現方法が求められているのかも知れない」と思えば、筆致を変えてみたりもする。独立性の堅持と柔軟な変更は一見すれば全く相反する行動だけれど、要は「自分の考えで正しいと思うことをやる」ということだ。佐々木氏の言葉を借りるなら、自分なりに「正しいニーズ」を追求しているということである。

ただ、そうした中での苦しみも当然あって、それは佐々木氏の

読者と書き手である自分との間にどれだけ誠実なエンゲージメントを構築できるのかというような考え方が必要になってくる。しかし今のところ、そのようなやり方で安定的に収益を生む方法はなかなか見つからない。


という言葉に集約されている。例えば昨年末に僕が書いた2冊の本は、僕からすれば傑作である。「総統閣下はお怒りです」は、一部に新しい知見が蓄積されて、ちょっと古くなった部分もあるけれど、今でもほとんど正しいし、正しくない部分も、「今はまだ良くわからないけれど」と注釈をつけていたことが、新しくわかってきたに過ぎない。「遺伝子組み換え食品との付き合いかた」は、世の中に山ほど存在していて、僕たちが日常的に食べている食品の中にも含まれている遺伝子組換え食品について丁寧に説明した内容で、それまでにあった「反遺伝子組換え食品」でもなければ、「遺伝子組換え食品正当化」でもない、中立的なものになっていると思う。両方とも高校の図書館に置いて欲しいくらいの内容だと思っているし、Amazonのレビューを読んでもポジティブな評価が並んでいる。しかし、この本が全く売れない。著者が無名であるということが大きいんだと思うし、これがもし上杉隆氏や佐々木俊尚氏の名前で出版されていれば、きっと大反響だっただろうな、とも思うのである。残念ながら、今の日本では無名の著者が著作をPRすることは至難の業で、「総統閣下はお怒りです」などはもうジュンク堂やリブロといった大規模書店においても棚から取り除かれてしまった。

幸いにして僕はジャーナリストではないし、作家以外にもお金を稼ぐパイプラインを持っている。だから、売れないことを理由に書く内容を変えることもないし、変える必要もない。おかげで衆愚ビジネスへと足を踏み出すこともないのだけれど、一方で“世論に対して触媒的な役割を果たすような存在”にもなりえていないのが現実である。一日のページビューが1,000になるかならないかのブログ、5,000部すら売り上げることができないソフトカバーの出版では、何もできない。

しかし、それでもなお、佐々木氏が模索している「答」を、僕も探し続けるしかないんだと思う。物好きな人は、引き続きお付き合いをよろしくお願いいたします。

 

なお、「遺伝子組み換え食品との付き合いかた」は電子版(PDF版)もあります。

遺伝子組み換え食品との付き合いかた―GMOの普及と今後のありかたは?―(オーム社)  

2012年07月30日

山口県知事選にみるexternet力の強さ

山口県知事選は山本さんが当選したようですが、

山口県知事に山本氏が初当選

この二人のSNS力が対照的です。

落選

iida


当選

yamamoto



「Twitterは凄い」と言うネットコンサルはさすがにもういないと思うのですが、意外とまだいるのが「kloutをアップさせましょう」というやつで、kloutとはTwitterやFacebookの利用状況から特定アカウントの情報発信力を数値化したものなんですが、この数値をアップさせよう、とアドバイスするわけです。どうやってアップさせるのかというと、簡単なのがFacebookで「いいね」を押しまくることのようです(正直、この分野は素人で良く知りません)。

上にあげた例だと、飯田さんのkloutは63で、山本さんは14です。これは雲泥の差と言うのに相応しいのですが、それでも選挙をやると山本さんが勝ってしまったりします。じゃぁ、ネットの情報発信力というのは全く参考にならないのかといえば多分そんなこともなくて、結局ネット内の情報には乗ってこないような別のネットワーク(=externet)がインターネットよりも影響力を持っている、ということなんだと思います。  
Posted by buu2 at 13:19Comments(0)TrackBack(0)選挙関連

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