
思ったのは、中島みゆきがセンターにいるのは当然なんだけれど、意外と各楽器のポジションが明確でないこと。もっと、コーラスは舞台の右、ストリングスは舞台の左、などが耳で聴くだけでもわかるんじゃないかと思っていたのだけれど、そうでもなかった。
一人歩きを始める 今日は君の卒業式
僕の扉を開けて 少しだけ泪を散らして
さよならと僕が書いた 卒業証書を抱いて
折からの風に少し 心の代わりに髪揺らして
幸せでしたと一言 ありがとうと一言
僕の手のひらに指で 君が書いた記念写真
君の細い指先に 不似合いなマニュキア
お化粧はおよしと 思えばいらぬお節介
めぐり会う時は 花びらの中
他の誰よりも きれいだったよ
別れゆくときも 花びらの中
君は最後まで優しかった
梅雨のあとさきの トパーズ色の風は
遠ざかる 君のあとをかけぬける
ごめんなさいと一言 忘れないと一言
君は息を止めて 次の言葉を探してた
悲しい子犬のように 震える瞳をふせた
君に確かなことは もう制服はいらない
めぐり会う時は 花びらの中
他の誰よりも きれいだったよ
別れゆくときも 花びらの中
君は最後まで優しかった
梅雨のあとさきの トパーズ色の風は
遠ざかる 君のあとをかけぬける
さよならと僕が書いた 卒業証書を抱いて
ごめんなさいと一言
波のかなたから流れて来るのは
私の知らない貝殻ばかり
波のかなたから流れて来るのは
私の知らない寿歌(ほぎうた)ばかり
遠い昔のあの日から この島に人はいない
みんなみんな阿檀(あだん)の木になった
波のかなたから流れて来るのは
私の知らない国歌(くにうた)ばかり
遠い昔にこの島は戦軍(いくさ)に負けて貢がれた
だれもだれも知らない日に決まった
波のかなたから流れてくるのは
私の知らない決めごとばかり
陽は焼きつける 阿檀は生きる
大地を抱いて阿檀は生きる
山の形は雨風まかせ
島の行方は波風まかせ
遠い昔にこの島は戦軍(いくさ)に負けて貢がれた
だれもだれも知らない日に決まった
誰も知らない木の根の下は
主(ぬし)の見捨てた貝殻ばかり
呼んでいる 胸のどこか奥で
いつも心踊る 夢を見たい
かなしみは 数えきれないけれど
その向こうできっと あなたに会える
繰り返すあやまちの そのたび ひとは
ただ青い空の 青さを知る
果てしなく 道は続いて見えるけれど
この両手は 光を抱ける
さよならのときの 静かな胸
ゼロになる からだが 耳をすませる
生きている不思議 死んでいく不思議
花も風も街も みんなおなじ
呼んでいる 胸のどこか奥で
いつも何度でも 夢を描こう
かなしみの数を 言い尽くすより
同じくちびるで そっとうたおう
閉じていく思い出の そのなかにいつも
忘れたくない ささやきを聞く
こなごなに砕かれた 鏡の上にも
新しい景色が 映される
はじまりの朝の 静かな窓
ゼロになるからだ 充たされてゆけ
海の彼方には もう探さない
輝くものは いつもここに
わたしのなかに 見つけられたから
あなたは今も 私の夢を
見てくれることがあるかしら
あんたには もう 逢えないと思ったから
あたしはすっかり やけを起こして
いくつもの恋を 渡り歩いた
その度に 心は 惨めになったけれど
あんたの行方を 探したりすれば
もっと惨めに なりそうな気がして
あんたの恋の うわさも いくつか聞いた
その度に 心は 安心していた
あたし一人が 変わってしまって
あんたが何ひとつ変わらずにいたら
時はなんにも 理由のない
淋しい月日に なりそうな気がして
あんたよりずっと いいと思う相手と
恋をし直して きたつもりだった
人がなんと言おうと おかまいなしに
なんとか今日だけ 楽しくなれよと
明日などないと 酒をあおれば
なお褪めて 今日も まだ生きていた
人生は そんなもの
時は流れて 町は変わった
知ってる顔も 少なくなった
小石のように 転がりながら
そうして あたしは あんたを待ちすぎた
たとえ もういちど まぐれ逢えても
顔も 見分けてもらえは しないだろう程に
あんたには もう 逢えないと思ったから
あたしはすっかり やけを起こして
いくつもの恋を 渡り歩いた
その度に 心は 惨めになったけれど
そして あたしは 変わってしまった
泳ごうとして 泳げなかった 流れの中で
今はただ 祈るほかはない
あんたが あたしを みつけやしないように
時は流れて 時は流れて
そして あたしは 変わってしまった
流れの中で 今はただ祈るほかはない
あんたが あたしを
こんなに変わった あたしを
二度と みつけや しないように
時は流れて 時は流れて
そして あたしは変わってしまった
時は流れて 時は流れて
そして あたしは
あんたに 逢えない
そうです出会った日のあなたとも ほんの昨日のあなたとも
違うあなたになれるんですね 人は変わっていくんですね
そうよね変わらないつもりでいた私だって 変わるんですよね
どうせ変わっていくものなら あなたと一緒に変わりたい