我が家にはパキ蔵という名前のパキラがある。こいつとは凄く長い付き合いで、もう20年以上になる。僕が前十字靭帯を切断して横浜労災病院に入院していたとき、実家の美容室で働いてた可愛い女の子がお見舞いに持ってきてくれたもの。当時は5センチくらいの切り株から二本の芽が出ているだけのものだった。
彼女はなんか、他の誰かに「入院している人に根がつくものをお見舞いで渡すものじゃない」と叱られたらしいけれど、聞いたら横浜労災病院の花屋で売っていたそうで、そりゃぁ仕方ないだろ、という感じ(笑)。僕はあんまり動植物に愛着のない人間なんだけれど、このパキラだけはずっと長い付き合いで、考えてみたら血がつながらない生物と一緒に生きているものとしてはこいつが最長だと思う。
今では1メートル50センチぐらいに成長しているわけだが、枝が離れて邪魔なのでリボンで縛っておいたら、そのリボンがすっかり木に食い込んでしまって取れなくなっていて、その膨れてしまった部分からまた新しい芽が出てしまって、なんとも怪しい感じになっている(笑)。で、このパキ蔵、にょきにょき上の方へは伸びていくのだけれど、他の家で見かけるパキラに比較するとあんまり葉っぱがない。せいぜい、5本ぐらいの枝の先に7枚か8枚の葉っぱがついている、程度のしげり具合だった。
先日、ベランダを掃除していたら、園芸用の箱の中からハイポネックスがでてきたので、「じゃぁ、これを使ってみよう」と思って、パキ蔵にドーピングを始めてからかれこれ三ヶ月程度だと思うのだけれど、面白いように葉っぱが増えた(笑)。
いやー、生き物というのは、餌に明確に反応するものだね。ハイポネックスなんて、凄く不健康そうな、人間で言えばブルーハワイのかき氷のシロップみたいな色なんだけれど(いや、多分間違って飲んだりしないように、おおよそ食べ物っぽくないカラーリングに着色しているんだろうけれど)、凄く効くことがわかった。
まぁ、葉っぱは多いほうが良いよね。