2025年09月21日

こましょうは永久欠番

高崎のラーメン屋「こましょう」の店主小松正一さんが肺がんで亡くなった。

そんな悲しい日なのに、その知らせを聞いた時は僕は子供の学校の学園祭で子供たちのダンスを見ていて、その後子供をお絵描き教室に連れて行き、夜はマリノスのサッカーを観戦した。夜中になってようやくこのエントリーを書いている。窓の外は雨である。

今でも僕の中ではこまちゃんは役者である。夢の遊眠社は僕の青春時代そのもので、中でも大好きだったのが”贋作桜の森の満開の下”で、こまちゃんはマナコの手下だった。この事実は変えようがないので、最近でも時々「役者をやらないのかな」と考えてしまうことがあった。でも、ほとんど全てのこましょうのお客さんにとってこまちゃんはラーメン店の店主である。なので、僕とこまちゃんの間にだけ、他の人とは違う空気が存在していた。

昔、こまちゃんに「なんで役者を辞めちゃったんですか?」と訊いたら、「役者をやりたいんじゃなくて、遊眠社で芝居をやりたかったんです」と言っていた。僕が遊眠社を愛している以上に、こまちゃんは遊眠社を愛していた。

ラーメン店「こましょう」の思い出といえば、最初期に食べに行った時「ちょっと上品過ぎて味が足りない気がする」と感想を述べたら、「でも、化学調味料は使い方がわからないんです」と言っていた。同じ頃には遊眠社の女優さんたちがお手伝いに来ていて、タケちゃん(竹下明子さん)に注文を取ってもらったことがある。サインは貰わなかった。あと、野田秀樹さんが一番奥で食べていて「大将が来てるんです」と言っていたことが一度だけあった。サインは貰わなかった。駐車場が奥の停めにくいところにあって、毎回苦労した。開店直後に知り合いのラーメン仲間に紹介したこともあって、佐野実さんなどのラーメン評論家が食べに行くこともあったのだが、後で「きーーーたーーーよーーーーと思っていた」と語っていた。佐野さんは雑誌の記事で「もっと堂々としていて良い。今のままでは”困ったしょうちゃん”だぞ」という主旨のことを書いていた。味は高く評価していた。

祖師ヶ谷大蔵から高崎に引っ越した理由は正確には知らない。祖師ヶ谷大蔵の店を閉じる際にどんぶりを全て誰かにあげてしまったそうで、修行先と同じデザインのラーメン丼は二度と目にすることがなかった。高崎店の丼のデザインは祖師ヶ谷大蔵とは違っていて、引っ越したというよりは生まれ変わった気がした。店には芸能人のサインがいっぱい貼ってあった。

今年の2月に、Holtby隊員(当時6歳)を連れてこましょうへ食べに行った。食べ終えて店の前でHoltby隊員の感想を訊いてみると、「今まで食べたラーメンの中で一番美味しかった」と答えた。録画しておいたので、こまちゃんに送ると、「6歳のラーメンマニア凄いです!また食べに来てください」とのことだった。Holtby隊員はヴィランの言い分が大好きで、八嶋智人さんのサインにも反応していた。

こまちゃんは同じく遊眠社のOBである段田安則さんの野球チームの一員で、昔、メンバーが足りないので一緒にやらないかと誘われて、試合を見に行ったことがある。僕はスキーしか能がない人間なので応援だけにしたのだが、こまちゃんは楽しそうに野球をやっていた。でも、最近は試合が減っていたようである。

2005年に川越に一緒にラーメンを食べに行ったこともあって、近喜家という店だったのだが、この店は2018年ごろに閉店したようだ。店はなくなって、僕たちは店のことを忘れて、別の新しい店に食べに行く。・・・・あれ?そんなことはない。ちゃんと覚えている。

最近だと、インスタで横山めぐみさんが来店したことを書いていた。僕にとっては横山めぐみさんといえば「大里んちのれい」以外にあり得ないのだが、こまちゃんも「北の国からのれいちゃんが会いに来てくれました」と写真を載せていて、えーーー、オバチャン保険調査員???何にしても呼んでよ!と思った。

こまちゃんの体調が思わしくないことを知ったのはインスタだか、Facebookだかで、臨時休業を続けていたからだ。9月4日に「体調、大丈夫ですか?」と書くと、「暑さにやられたようで少し体調が悪いです」と返事があったので、「ただの夏バテなら良いのですが、症状が長引くならちゃんと検査受けてくださいね」と書いておいた。こまちゃんは「ありがとうございます」とだけ返事をくれた。

9月17日に共通の知り合いからこまちゃんの体調がかなり悪いということを教えてもらった。8月18日までは普通に営業していて、展開が早過ぎる。そして、20日の昼に訃報である。

こまちゃんは亡くなって、こましょうはどうなるかわからない。でも、こまちゃんがいたことも、こましょうという店があったことも、消え去ることはない。またいつか、どこかで、誰かと、こまちゃんとこましょうについて話したいと思う。

小松正一さんとこましょうは永久欠番である。  
Posted by buu2 at 01:25Comments(0)グルメ−ラーメン

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2025年05月19日

マリノスの現状、課題と対策

サッカーは見る専門の素人だけど、マリノスの窮状にあたって素人なりに考えてみた。

マリノスは、モンバエルツ監督就任以降、ポジショナルプレイを基本戦術としつつ、アタッキングフットボールを掲げてきた。アタッキングフットボールについては色々な考え方があって明確な定義があるわけではないけれど、ここでは“ボランチはもちろんサイドバックも中央から攻撃に参加し、波状攻撃を仕掛けるスタイル”と考えておく。

この戦術を実現するためには、いくつかの重要な要素がある。まず、高い位置に保たれるバックラインと、足元の技術に優れたゴールキーパー(例:一森選手)。また、守備範囲が広く素早いダッシュ力を持ち、空中戦にも強く、パスも正確なセンターバック(例:チアゴ・マルチンス選手)。サイドライン沿いだけでなく中央へ切り込むこともできるサイドバック(例:岩田選手、小池龍選手)、そして素早いパス供給と守備もこなせるインサイドハーフ(例:喜田選手)。さらに、スプリント能力とスタミナを兼ね備えたトップ下(例:西村選手、マルコス・ジュニオール選手)、そしてディフェンスに戻ることもできるストライカー(例:前田選手)も必要である。特に重要なのが2枚のセンターバックで、ここに十分な守備範囲と攻撃参加がないと、アタッキングフットボールは成立しない。他のポジションにもスプリント能力、持久力、デュエルの強さなど高い能力が要求される。オシムは「ボールは疲れないので、ボールを動かせ」と指示したらしいけれど、アタッキングフットボールはボールも選手も動く、強度の高い戦術である。

アタッキングフットボールの攻撃の起点は、ゴールキーパーが高い位置でボールを保持することで生まれ、ディフェンスは攻撃参加を視野に入れてハイラインを維持し、フォワードとミッドフィールダーで数的優位を作り出す。マリノスはこの戦術で2度の優勝を成し遂げたのだが、ここ数年の課題も明らかになっていた。セットプレイでの弱さや、前田選手の移籍後に守備意識の高いフォワードが不在となったこと、チアゴ選手の退団後に能力不足のセンターバックが目立つことなどである。

昨年はキューウェル監督が攻撃を重視し、サイドバックを中央寄りに配置し、サイドの守備が疎かにした結果、相手にクロスを上げられる場面が増え、苦戦を強いられることが多くなっていた。

今年は、レギュラーメンバーの大量流出により、チームの戦力バランスが大きく崩れた。選手の抜けすぎやサイドの弱点を補うために3バック(3-4-3、守備時は5バック)を採用したけれど、アタッキングフットボールの難しさも伴い、守備からの切り替えや攻撃の組み立てに大きな問題を抱えていた。さらに、すぐに4-4-2に戻したものの、サイドのスペースが空きやすくなる問題は未解決のままだった。加えて、前監督の選手起用の問題や過密日程によるコンディショニングの失敗も重なり、監督の解任に至ってしまった。主要選手の流出や能力不足の監督の招聘はチームフロントの責任が重大だった。

現在の最大の問題は、最も有能だったセンターバックのジェイソン選手を過労による故障で3ヶ月間失うことになったことで、これにより守備範囲が一層狭まり、サイドバックは去年同様中央寄りに配置されるなど守備ラインのバランスが崩れ、背後のケアも難しくなっている。結果としてアタッキングフットボールの前提であるハイラインを維持できず守備ラインが低くなり、前線との距離も間延びし、サイドの攻撃参加も制限される状況である。さらに選手への負荷も高まり、例えば永戸選手がオーバーラップすれば、喜田選手が下がってラインを補完する形になり、喜田選手にかかる負荷が増大している。

時間をかけて作ってきたポジショナルプレイが崩壊している。

加えて見逃せないのが連戦による疲労の蓄積で、選手のスプリント能力や動き出しの速さが低下し、プレスや守備の連動性に支障をきたしている。デュエルでの競り負けや最初の一歩の動き出しの遅さが目立ち、致命的なピンチを招く場面も増えている。

これらの問題を解決するためには、まず優秀なセンターバックの獲得が急務である。もし獲得が難しい場合は、4-4-2のフォーメーションを諦め、5-2-3や他の守備的な布陣に切り替えることも検討すべきである。これはアタッキングフットボールの放棄だが、守備の安定性を確保し、ラインの高さや守備範囲を調整できる可能性がある。また、選手の疲労回復とコンディショニングの強化も重要で、過密日程を考慮し、適切な休養とトレーニング計画を立てることで、選手のパフォーマンス維持を図る必要がある。さらに、若手選手の育成や戦術の柔軟性を高めることで、チーム全体の底上げを目指すことも重要だろう。

総じて、現状の課題を克服し、安定した戦術運用と選手層の厚みを持たせることが、今後のマリノスの復調に不可欠で、適切な補強と戦術の見直しを進め、チームの競争力を高めていく必要がある。  
Posted by buu2 at 08:36Comments(0)横浜F・マリノス

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2025年02月09日

今日のこましょう

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こまちゃんが役者だった頃からの知人なので、試作に近い頃から食べていて、もう何杯食べたのかわからない。

お客さんに野田秀樹さんがいたり、竹下明子さんが注文取りしてくれたり、何もかも皆懐かしい。  
Posted by buu2 at 15:00Comments(0)グルメ−ラーメン

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今日のお茶

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Posted by buu2 at 09:00Comments(0)お茶

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2025年02月08日

今日の恵比寿屋

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Posted by buu2 at 22:30Comments(0)グルメ−ラーメン

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今日のお茶

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Posted by buu2 at 10:30Comments(0)お茶

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2025年02月07日

今日のcoicoi

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Posted by buu2 at 12:30Comments(0)グルメ−ラーメン

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今日のお茶

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Posted by buu2 at 09:00Comments(0)お茶

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