2005年01月21日

憲法改正

主張の内容に賛同するかどうかは別にして、個人的に応援している神部プロデューサーが憲法改正についてエントリーしている。

特に9条関連の憲法論議は非常に難しい問題を孕んでいるわけだが、個人的には現在の自衛隊は違憲であると考えている。憲法の解釈についてはここではちょっと棚上げしておくが、現在の憲法と、軍備の実情を考えると、最大の被害者となっているのは自衛隊の隊員であると思う。国防のために隊員になったのに海外に派遣され、そこではミサイルが飛び交っている。イラク派兵を機に、きちんと自衛隊を実情に沿った形に位置づける必要があると思う。そのために憲法改正が必要ということであれば、やはり憲法は改正すべきであろう。

これまでに僕は仕事で幹部候補の自衛官2人とそれぞれ1年間一緒に仕事をしたことがある。彼らはともに非常に優秀で、以後、自衛官を見る目が変わった。彼らと飲んだときに、「自衛隊は憲法違反ですよね」とぶつけると、彼らは「それでも日本を守らなくてはならない」と答えていた。実際、理屈が通じない世界が厳然と存在する以上、全くの丸腰で国家を維持していけるかどうかはかなり疑問である。日本が丸腰でも大丈夫なように米国の協力があるわけだが、米国もそのために支払う費用が馬鹿にならず、大分腰が引けてきている様子だ。

では、憲法を改正し、自衛隊をきちんと軍隊として位置づけ、米国から独立して自国を防衛して行けるかとなるとこれはまた別の話になる。日本は米国との軍事的同盟関係がなくなった場合、軍事的に丸裸である。それは、軍備そのものではなく、軍隊を動かすためのシステムを完全に米国に依存していることによる。システムはブラックボックスになっているので、米国の協力がなくなった時点で折角持っている軍備は全て張りぼてとなる。結局、憲法を改正しても本当の意味での独立はできないのである。首根っこを掴まれた犬と一緒だ。