プリオン病が細菌やウイルスの病気とどう違うのかちゃんと教えてもらっていなかったり、全頭検査をやることの意味を理解させてもらえなかった日本国民の皆さん、お元気ですか?勝手にブロガー新聞ももう第4号です。今回はQ&A形式でまとめてみました。
1.20ヶ月齢以下の牛は安全ですか?
わかりません。ただ、「これは危険です」と断言できるだけの異常プリオンが蓄積しないので、判別がつきません。
2.では、なぜ20ヶ月齢にこだわるんですか?
恐らく、論点をずらすための工作と思われます。実質的には20ヶ月齢云々は全く意味のない議論です。
3.全頭検査をやれば安全ですか?
わかりません。全頭検査でわかるのは「ある程度の異常プリオンが蓄積した牛の有無」です。20ヶ月齢以下の牛であれば、今の技術では検出ができませんから、実質的には20ヶ月齢以下の牛を検査対象から外しても大きな問題にはなりません。問題にはなりませんが、それが安全かどうかという問題とは全く別の話です。
4.では、なんのための全頭検査ですか?
本当に20ヶ月齢以下の牛から異常プリオンを検出できないのか、ということを実証するための事例を蓄積できます。これを含め、全頭検査をやることによって、現在の検出技術をベースとしたBSEの発生状況の把握が可能になります。
5.では、逆に高齢の牛のほうが安全ですか?
そんなことはありません。年齢がいくつだろうが、異常プリオンが蓄積していれば検出できるし蓄積していなければ検出できません。例えば、異常プリオンが50蓄積すると検出が可能になるとします。20ヶ月齢以下の牛では50まで蓄積しないと言われています。この場合、蓄積されている異常プリオンが0なのか、10なのか、49なのかはわかりません。また、10なら安全なのかもわかりません。一方で、5歳の牛であっても蓄積している異常プリオンがどのくらいなのかはケースバイケースです。51蓄積していれば検出できて、「BSE感染牛である」と言えます。しかし、検出できない場合、0なのか、10なのか、49なのかはやはりわかりません。異常プリオンの蓄積量には二つの判断指標があります。これが混同しているのが混乱の元です。一つは「検査で検出できるかどうか」であり、もう一つは「安全かどうか」です。前者はどのくらいの量かがわかっていますが、後者はわかっていません。つまり、「たまっているかどうかはわかるが、どの程度たまったら危ないかはわからない」ということです。要は、肝心なことはまだわかっていないということです。こういう状況では、重要なのは「その牛が何らかの経路で肉骨粉を食べているかどうか」です。
6.米国はなぜ全頭検査をやらないのですか?
面倒くさいからみたいです。でも、もれ伝わってくる情報によると、一部の大規模畜産業者が費用負担増を嫌悪し、政治的な圧力をかけているようです。大規模なところは飼育量が多いので、全頭検査などやりたくないのです。一方で小規模な畜産業者はいくらでも全頭検査をすることができるのですが、そんなことをされると大規模なところに迷惑がかかるので「やるな」と圧力をかけられているという噂があります。
7.全頭検査をやらないと何が困るのですか?
その国でのBSEの発生状況がさっぱりわかりません。米国に何頭のBSE牛がいるのか、全く把握できない状況です。日本では仮定に仮定を重ねて米国のBSE牛の量を推定していますが、ベースになる統計データがいい加減ですから、全く意味がありません。
8.BSEの対策には何が必要ですか?
肉骨粉の利用を完全に停止することです。日本やヨーロッパでは禁止されていますが、米国では今でも畜産の飼料として使用が可能です。全頭検査、および特定危険部位の除去は「現在の検出技術」をベースとした対症療法的措置であり、これらの手法で安全が確保できるかどうかはわかりません。
9.つまるところ、米国産牛肉はどうしてダメなの?
調査をきちんとやっていないのでBSEの発生状況がさっぱりわからないというのが一つ。そして今でも肉骨粉などの感染危険物質を使用しているというのが一つです。
10.今後、日本でvCJD患者が出たら誰の責任ですか?
そもそも、いつの牛肉が悪かったのか判断がつきません。BSEの潜伏期間は8年から長い場合は15年程度と推測されているようです。その間に食べたどの牛肉が悪かったのかを特定するのは非常に困難です。ですから、誰も責任を問われないと思います。
11.じゃぁ、vCJDになったらバカみたいですね?
バカみたいというより、バカになります。
12.vCJDにならないためにはどうしたら良いんでしょうか?
とりあえず米国産牛肉を食べないことです。いまのところ、米国産牛肉を使う、あるいは前向きに検討すると言っている店には「吉野家」「すかいらーく」「イオン」「牛角」などがあるようです。彼らは「安全は国が保証しているので問題ない」としているようです。ちなみに「すきや」「松屋」は米国産牛肉を当面使用しないことを表明しています。
13.国は安全を保証しているのですか?
さぁ?誰も責任を取らない保証を保証といえるのでしょうか。
14.米国ってひどくない?
ひどいですよ。彼らの考え方は、「圧力をかければ日本は言うことを聞く。所詮我々のポチだ。イラクだって他の国が兵を引き上げているのに自衛隊を残している。国連の安保理入りでもちらつかせておけばなんでも言うことを聞く。牛肉の輸入解禁ぐらいならすぐだ。特別な対策なんて不要」みたいなものでしょう。
15.どうしたら良いの?
米国産の牛肉を食べないことに尽きます。国が「オッケー」と言っても、国民がそれを買わなければ輸入した肉はだぶつきます。結果として米国産牛肉を輸入しても商売にならないということになります。政府が馬鹿なのは仕方がないので、国民のほうで頭を使い圧力をかけるしかありません。
16.牛肉だけ食べなければ良いの?
残念ながら、身の回りには牛由来の加工品がたくさんあります。その中には口に入るものも多種類あります。それらの安全性を確保するのは非常に難しい状況です。とりあえず牛肉を食べるのはやめにして、その他の加工品については今後情報を収集して対応していくしかないでしょう。
17.なんか、生活者として意思表示する方法はないですか?
とりあえずバナーを作ってみました。これを皆でブログに貼るとか、ダメですか?

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