コラーゲンを食べたら肌がふっくら、もちもち、ぷりぷりになるとか、ダイエットに良いとか、きれいになるとか、信じている人が山ほどいておかしい。
まぁ、江原啓之さんとか、細木数子さんとかが「あなたの守護霊が」とか、「あなたの後ろに竜が」とか言っても信じてもらえるわけだから、「コラーゲン」なんていう横文字が並んでいると信じたくなる気持ちもわからないではないのだけれど、中には生物系で大学院を出ていたりする女の子が「コラーゲンが!」とか言ってたりするので、さすがにアホかと思う。これがゆとり世代って奴か、と思わないでもないのだけれど、まぁ何でもかんでもゆとりのせいにしてしまうのはいかがなものかと思うので、教育のせいではなくて単に勉強していないだけだということにしておこう。
ゼラチン質に含まれるコラーゲンはたんぱく質を主成分としていて、これは口から摂取した場合、胃等の消化酵素で分解され、ペプチド(あるいはアミノ酸)として吸収される。コラーゲンは水に溶けやすい、という以外には特に変わったところのあるたんぱく質ではないので、これを摂取したからと言って、他のたんぱく質に比較して、美容に良いとか、肌がぷりぷりになるということは一切ない。自転車を溶鉱炉に入れて鉄にしてしまったら、もう自転車には戻らないのと一緒。分解されてペプチドになったら、それはもとのコラーゲンには戻らない(コラーゲンの材料にはなるよ)。もちろん、コラーゲンという巨大分子のまま体に吸収されることも(多分)ない。
大体、食べたたんぱく質がそのまま個体に発現しちゃうなら、牛に豚肉を与えていたら牛が豚の味になっちゃうじゃん(笑)。
まぁ、栄養を摂取するという意味で言えば何も食べないよりは体にとって良いだろうが、グミを食べても効果は同じ。細かいことを言えばコラーゲンには必須アミノ酸の一種であるトリプトファンが含まれていないから、やや栄養価が低いたんぱく質と考えることもできる。つまりはコラーゲンだけを食べていたらトリプトファンが不足して、体調不良になるということ。この観点からは「ダイエットに良い」と言えなくもない(ホントか(^^;?)けど、ダイエットをしたいなら何も食べないほうが良い。
コラーゲンは、ヒトにおいて科学的有用性は一切認められていない。まぁ、下のサイトなんかに詳しく書いてあるから、「えーーーーー、嘘でしょ?」という人は見てみれば良い。
http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail552.html
まぁ、コラーゲンでキレイになるなら、ザバスのプロテインでもキレイになる、ということ。だって、プロテインを飲んでいるのと全然変わらないんだもん。
巷では「コラーゲンを摂取してアンチエイジング」とか、色々書かれているけれど、わざわざコラーゲンなんか摂取しなくても、たんぱく質なら何でも良いんだってば(笑)。いや、サプリのコラーゲンが一番安いんなら、それが良いと思うけどね。結局、コストパフォーマンスの問題だから。興味ないから調べたことないんだけど、牛乳とか、豆乳とか、プロテインとか、そういうのよりもコラーゲンって安いの?
バイオの仕事をやっているとこの手の健康食品やらヘルスケアやらの商品の「そりゃないんじゃないの?」っていう販売手法を色々と目にするんだけど、こういうのって、ツボとか、印鑑とかを売るのと何か違うんだろうか。良くわかりませんな。別にね、信じている人が買うのは勝手だから「馬鹿らしいからやめておけば?」とかわざわざ啓蒙してあげる気はないんだけど、何で許されているのかが良くわからない。逆に言えば、コラーゲンが許されるなら、霊感商法だって良いんじゃないの?買う方は信じてるんだから(笑)。
ま、例えばアミコラのサイトとか見てみるとこんな感じで、
アミコラについて
スプーン1杯のアミコラをプラスするだけで、普段の食事から摂りにくいコラーゲン(1日の目安量:5,000mg=フカヒレ約2〜3枚相当)を補うことができます。
あはは、確かにコラーゲンは取りにくいかも。コラーゲンを取ったことと同じになるペプチドとかたんぱく質は取りやすいけど(笑)。
“キレイ”はカラダの内側からはじまります!
うんうん、それはそうだね。そして、どこにも「アミコラを飲めば体の内側からキレイになります」とは書いてないわなぁ。
その理由は「飲んで実感」できるから。
うへへ、何を実感できるかは全く書いてない(笑)。
なるほど、そういうことか?「コラーゲンを飲めば肌がぷりぷり」とか、「コラーゲンを飲めばキレイになる」とか、「コラーゲンの減少を食い止めるにはコラーゲンの摂取が必要」とか、「コラーゲンを飲めばキレイになったと実感できます」とか、どこにも書いてないのがポイント?
詳しい方、霊感商法は怒られるのに、江原さんや細木さんやコラーゲンが怒られないのはなぜなのか、是非教えてください。よろしくお願いいたします。